JP3281609B2 - 無菌米飯の製造方法 - Google Patents

無菌米飯の製造方法

Info

Publication number
JP3281609B2
JP3281609B2 JP00201399A JP201399A JP3281609B2 JP 3281609 B2 JP3281609 B2 JP 3281609B2 JP 00201399 A JP00201399 A JP 00201399A JP 201399 A JP201399 A JP 201399A JP 3281609 B2 JP3281609 B2 JP 3281609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice
oxygen
chamber
temperature
cooked
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00201399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000197455A (ja
Inventor
明文 藤田
裕貴 堀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
House Foods Corp
Original Assignee
House Foods Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by House Foods Corp filed Critical House Foods Corp
Priority to JP00201399A priority Critical patent/JP3281609B2/ja
Publication of JP2000197455A publication Critical patent/JP2000197455A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3281609B2 publication Critical patent/JP3281609B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cereal-Derived Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外観が白く透明感
があり、かつ、風味・食感に優れており、長期間常温保
存した場合であってもこれらの優秀な特性を有する無菌
米飯の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、常温で長期間保存可能な米飯
の開発が行われており、例えば、炊飯された米飯をレト
ルトパウチ又は耐熱性を有する成形容器に充填密封した
後、加圧加熱殺菌処理を施すことにより製造されたレト
ルト米飯が知られている。しかしながら、上記レトルト
米飯は、レトルト食品に特有の異臭(レトルト臭又はこ
もり臭)を有するものであった。そこで、レトルト米飯
よりも優れた風味・食感及び保存性を有する米飯を製造
する試み、すなわち、開口を有する容器に米飯を充填
し、この米飯に蒸気を直接接触させることにより、米飯
の殺菌を行い、次いで無菌雰囲気で容器を密封すること
により無菌米飯を製造する試みがなされている(例えば
特開平9−172992号公報を参照されたい)。これ
により、常温保存が可能な米飯であって、異臭がなく、
かつ食感も優れた美味な無菌米飯が得られるに至った
が、このような無菌米飯には、通常の炊飯を行って得ら
れた米飯に比べ、黒っぽい色調となり、光沢と透明感に
欠け、見栄えが劣るという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、外観が白く
透明感があり、かつ、風味・食感に優れており、長期間
保存した場合であってもこれらの優秀な特性を有する無
菌米飯の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、米を水に浸漬
した後、所定の条件下で加熱殺菌処理し、次いで炊飯す
ることにより、上記課題を解決できるとの知見に基づく
ものである。すなわち、本発明は、米を水に浸漬した
後、酸素含量が1.0〜4.0容量%となるように酸素含有
気体が存在する高温高圧蒸気雰囲気下で加熱殺菌処理
し、次いで、炊飯することを特徴とする無菌米飯の製造
方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法に用い得る米
は、精米機等により精米された米であり、通常市販され
ているコシヒカリ、ササニシキなどの代表的な品種に限
られず、種々の品種が含まれる。また、古米、新米を問
わない。本発明においては、まず、洗米した米、あるい
は無洗米を常法により水に浸漬する。また、米の水分含
量が浸漬後に25〜30重量%となるように浸漬処理す
るのがよい。このような浸漬米は、米が水に完全に浸っ
た状態で、例えば、30〜120分間浸漬処理すること
により得ることができる。また、浸漬の際に使用する水
の温度は、特に制限されないが、60℃以下、常温の水
を用いるのが、米表面の糊化を防ぐ点で好ましい。この
ようにして浸漬処理した浸漬米を水から引上げ、水を切
った後、次工程へと付する。なお、浸漬米には、蒸煮処
理を施すことができる。蒸煮処理を施すことにより、後
述の工程において、殺菌時の昇温時間の短縮ができ、ま
た、個々の米粒の品温上昇のばらつきが抑制され、均一
な食感を有する無菌米飯が得られるが、本発明の必須処
理という訳ではない。蒸煮処理の条件は、上記効果を達
成できるのであればよく、例えば95〜100℃で10
〜120秒間、更には20〜60秒間蒸煮すればよい。
【0006】本発明においては、上述のようにして得た
浸漬米に対して、高温高圧蒸気雰囲気下で加熱殺菌処理
を施す。前記高温高圧蒸気雰囲気には、酸素含有気体を
存在させる。酸素含有気体は、酸素を含むものであれば
よい。従って、酸素のみで構成されていてもよいし、酸
素と二酸化炭素又は窒素などとの混合ガス(例えば空
気、合成混合ガス等)であってもよい。本発明において
は、高温高圧蒸気雰囲気において、酸素含量が1.0〜4.
0容量%、好ましくは2.0〜2.5容量%となるように酸
素含有気体を存在させる。このように、本発明において
は、酸素含有気体が高温高圧蒸気雰囲気内を占める割合
は、該気体に含まれる酸素量を基準として設定する。従
って、例えば、酸素含有気体が酸素のみで構成される場
合には、前記雰囲気内を占める酸素量と酸素含有気体量
は、同一となる。酸素含有気体が空気である場合には、
例えば、前記雰囲気に該気体(空気)を、例えば、5.0
〜20容量%存在させるのがよく、好ましくは9.0〜1
1.5容量%含ませるのがよい。これにより、前記雰囲気
内における酸素含量を前述の範囲内のものとすることが
できる。また、酸素含有気体が酸素のみで構成されてい
る場合、高温高圧蒸気雰囲気内を占める酸素含有気体の
体積が小さくなり、従って、殺菌不良の生じるおそれが
全く又はほとんどなくなるので好ましい。酸素含有気体
を、高温高圧蒸気雰囲気に存在させる方法としては、例
えば、蒸気発生器から蒸気をチャンバーに導入した後、
エアコンプレッサーで酸素含有気体を導入する方法、及
び酸素含有気体と蒸気を予め混合した後、当該混合気体
をチャンバー内に導入する方法があるが、後者の方が、
上記気体を均一に存在させることができるので好まし
い。また、酸素含有気体を高温高圧蒸気雰囲気に存在さ
せる際には、該気体を予め蒸気と同温に加熱しておくの
が好ましい。酸素含有気体は、例えば、エアフィルター
により無菌化されたものである。
【0007】加熱殺菌処理は、浸漬米を殺菌するもので
あればよく、例えば、110〜140℃、好ましくは1
20〜130℃で行うのがよい。従来法では、120〜
130℃で加熱殺菌した場合に特に黒っぽい外観になる
傾向にあったが、本発明によれば、従来品よりも白く、
かつ透明感のある無菌米飯が得られる。また、加熱殺菌
の圧力は、前記雰囲気の温度を前記範囲に調節すること
ができればよく、例えば、ゲージ圧で、好ましくは1.0
4〜4.66MPa、より好ましくは2.09〜3.51MP
aとするのがよい。また、加熱殺菌処理は、前記温度及
び圧力範囲内で、60〜350秒間行うのがよい。例え
ば、本発明の加熱殺菌処理は、120〜130℃、2.3
1〜3.31MPaで、80〜340秒間行えばよい。な
お、本件明細書中の圧力表記は、全て絶対圧を意味する
ものである。このような加熱殺菌処理は、例えば、チャ
ンバー内部に蒸気を導入するための蒸気発生器、空気を
導入するためのエアコンプレッサーが設けられたチャン
バー内において行えばよく、更には、空気を加熱するた
めのヒータや酸素含有気体を無菌化するためのエアフィ
ルターが設けられていてもよい。
【0008】本発明においては、加熱殺菌処理に次い
で、炊飯を行う。炊飯処理は、常法により行うことがで
き、炊飯に必要な水を殺菌処理後の浸漬米に加水して、
加熱すればよい。浸漬米100重量部に対して、水70
〜100重量部を加えるのがよく、炊飯前の浸漬米10
0重量部が、炊飯後に米飯170〜200重量部となる
ように行うのが好ましい。また、炊飯温度は、90〜1
20℃とするのがよく、好ましくは100〜105℃と
する。炊飯時間は、5〜60分間とするのがよく、好ま
しくは15〜30分間とする。炊飯処理は、加熱殺菌処
理に引き続き、無菌状態が維持された雰囲気で行う。例
えば、クラス100〜1000程度に無菌化されたクリ
ーンルーム、蒸気雰囲気などによる無菌雰囲気下で炊飯
を行う。これにより弾力のある米飯粒からなる食感の良
好な無菌米飯が得られ、長時間常温保存を行うことがで
きる。
【0009】炊飯した米は(米飯)は、無菌雰囲気下で
密封する。殺菌及び炊飯を行うにあたり、米を製品容器
に充填する場合とリテーナーに充填する場合があり、製
品容器を用いて殺菌処理及び炊飯を行った場合には、当
該製品容器に密封シールするのがよい。一方、製品容器
以外の容器(リテーナー等)を使用した場合には、無菌
雰囲気下で、製品容器に移し替えるのがよく、移し替え
は加熱殺菌後、炊飯前に行うのが好適である。炊飯後に
移し替える場合は、米飯粒が、リテーナー等に付着しや
すく、歩留りが悪くなるからである。また、密封シール
前に、窒素等の不活性ガスを注入することもできる。こ
れにより長期間保存しても酸化臭の感じられない無菌米
飯を得ることができる。また、無菌雰囲気として蒸気雰
囲気を用いてもよく、容器内の空気が蒸気と置換された
状態でシールすることにより、不活性ガスを注入するの
と同様、酸化臭の発生を抑えることができる。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、外観が白く透明感があ
り、かつ、風味・食感に優れており、長期間常温保存し
た場合であってもこれらの優秀な特性を有する無菌米飯
の製造方法が提供される。次に実施例により本発明を説
明する。
【0011】
【実施例】実施例1 米(千葉県産コシヒカリ)100重量部を常法により洗
米した後、常温の水に2時間浸漬した。浸漬米を水から
引上げ、水切りをし、浸漬米120重量部を得た。この
浸漬米の水分含量は、29.7重量%であった。次に、前
記浸漬米のうち100重量部を、上方に開口を有する有
底の耐熱性合成樹脂製容器に充填し、これを密閉可能な
チャンバーに送り、該チャンバーを密閉した。前記チャ
ンバーの構成は、次のとおりである。すなわち、チャン
バーと、飽和水蒸気を導入するための蒸気発生器と、チ
ャンバー内部と蒸気発生器とを連通する配管と、空気を
導入するためのエアコンプレッサーと、チャンバー内部
とエアコンプレッサーとを連通する配管と、空気を加熱
するためのエアコンプレッサーに設けてなるヒータと、
チャンバー及びエアコンプレッサーの間の配管に設けら
れたエーフィルターを有する。前記チャンバーを密閉
後、蒸気発生器で発生させた130℃の飽和水蒸気をチ
ャンバー内に導入した。チャンバー内が蒸気で満たされ
た後、130℃に加熱された無菌空気を、チャンバー内
に導入した。この加熱無菌空気の容量は、チャンバー容
量の10.0容量%(従って、該雰囲気下に存在する酸素
の量は、2.2容量%)であった。このチャンバー内の温
度及び圧力は、130℃、3.07MPaであった。この
チャンバー内で、浸漬米を1分27秒間保持して殺菌
し、殺菌済み浸漬米110重量部を得た。次いで、前記
チャンバーに連通し、100℃の蒸気で満たされた炊飯
室において、前記浸漬米に100℃の熱水75重量部を
加水し、30分間炊飯し、その後、上記炊飯室に連接す
る100℃の蒸気で満たされたシール室において容器を
シールし、容器入り無菌米飯185重量部を得た。な
お、保存後1ヵ月の時点で、米飯の白さ、透明感、食
感、風味を官能評価した。いずれの評価ポイントも、5
(非常に良好)、4(良好)、3(普通)、2(不
良)、1(非常に不良)の5段階評価とした。その結果
を表1に示す。なお前記評価のうち、5は、通常炊飯
(浸漬米100重量部と水120重量部をナショナル電
子ジャー炊飯器SR−MC10により炊飯したもの)に
ついて得た米飯の評価である。これを以下の表1に記載
する。
【0012】実施例2 空気及び飽和水蒸気を導入したチャンバー内の温度を1
20℃に調整し、該空気の量を16.0容量%(従って、
該雰囲気下に存在する酸素の量は、3.5容量%)とし、
該チャンバー内での浸漬米の保持時間を5分36秒とし
た以外は、実施例1と同様にして、無菌米飯185重量
部を製造し、実施例1と同様の方法により評価を行っ
た。
【0013】比較例 空気を導入せず、飽和水蒸気のみをチャンバー内に満た
した点を除き、実施例1と同様にして無菌米飯185重
量部を製造し、実施例1と同様の方法で評価した。これ
を以下の表1に記載する。
【0014】
【表1】 白 さ 透明感 食 感 風 味 実施例1 4 5 5 5 実施例2 3 3 4 4 比較例 1 2 2 2通常炊飯 5 5 5 5
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−172992(JP,A) 特開 平2−291237(JP,A) 特開 昭58−13355(JP,A) 特開 平7−194353(JP,A) 特開 平4−117247(JP,A) 登録実用新案3024089(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米を水に浸漬した後、酸素含量が1.0〜
    4.0容量%となるように酸素含有気体が存在する高温高
    圧蒸気雰囲気下で加熱殺菌処理し、次いで、炊飯するこ
    とを特徴とする無菌米飯の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸素含有気体が空気である請求項1記載
    の無菌米飯の製造方法。
  3. 【請求項3】 110〜140℃の蒸気雰囲気下で、浸
    漬米を60〜350秒間保持することにより殺菌処理す
    る請求項1記載の無菌米飯の製造方法。
JP00201399A 1999-01-07 1999-01-07 無菌米飯の製造方法 Expired - Fee Related JP3281609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00201399A JP3281609B2 (ja) 1999-01-07 1999-01-07 無菌米飯の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00201399A JP3281609B2 (ja) 1999-01-07 1999-01-07 無菌米飯の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000197455A JP2000197455A (ja) 2000-07-18
JP3281609B2 true JP3281609B2 (ja) 2002-05-13

Family

ID=11517489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00201399A Expired - Fee Related JP3281609B2 (ja) 1999-01-07 1999-01-07 無菌米飯の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3281609B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008018158A1 (fr) * 2006-08-08 2008-02-14 Echigoseika Co., Ltd. Procédé de production de riz cuit stérile et riz cuit stérile produit par ledit procédé

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5595445B2 (ja) * 2012-05-21 2014-09-24 東洋ライス株式会社 無菌米飯
JP5916803B2 (ja) * 2014-07-02 2016-05-11 東洋ライス株式会社 無菌米飯

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008018158A1 (fr) * 2006-08-08 2008-02-14 Echigoseika Co., Ltd. Procédé de production de riz cuit stérile et riz cuit stérile produit par ledit procédé

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000197455A (ja) 2000-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4829851B2 (ja) 無菌化包装麦飯の製造方法
JP3281609B2 (ja) 無菌米飯の製造方法
JP4743713B2 (ja) 赤飯等、豆入り米飯の素およびその製造方法
US20080138494A1 (en) Process For Preparing Rice Gruel in Aseptic Package
JP2782084B2 (ja) 玄米処理法
JP3718495B2 (ja) ダイエットご飯の製造方法
JP3443037B2 (ja) レトルト米飯類の製造方法
JP3294540B2 (ja) 米飯の製造方法
JP2000224962A (ja) 包装炊飯米の製造法
JP2803293B2 (ja) 無菌充填粥の製造方法
US20040131742A1 (en) Method of producing sterilized packed pasta
JP3261080B2 (ja) 雑炊又は粥の製造方法
JP2986243B2 (ja) レトルト食品米飯類の製造方法
JPS625574B2 (ja)
JP2814163B2 (ja) 容器詰早炊米とその製法
JP2789752B2 (ja) 無菌充填米飯の製造方法
JPH07246066A (ja) 加工米、レトルト米及びこれらによる米飯の製造方法
JP4955640B2 (ja) 蒸煮大豆の製造方法およびそれを用いた納豆
JP3731370B2 (ja) 長期保存可能な米飯の製造方法及び包装米飯
JPH0965841A (ja) レトルト食品の製造方法およびレトルト食品
JPH0370464B2 (ja)
KR20070003236A (ko) 콩비지 제조 방법
JP4045741B2 (ja) おからの製造法
JPH10146160A (ja) 無菌炊飯米の製造方法
JP2500499B2 (ja) 包装即炊き米の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees