JP3839155B2 - 吸水米の製造方法及び吸水米 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水米の製造方法及び当該方法で調製される吸水米に関するものであって、更に詳細には本発明は、あらかじめ米に水を吸収させた吸水米の製造方法及び当該方法で調製される吸水米に関するものであり、本発明により製造される吸水米は家庭、スーパー、コンビニエンスストア、和食店、レストラン等で簡単な加熱で美味な飯米を供給することができるものである。具体的には、ピラフ、チャーハン、ドライカレー、リゾットなど、通常の調理手順においては、一旦飯米した後、炒めや蒸しの調理加工を施すライス料理、あるいは、ちらし寿司など、一旦飯米した後、具材との混ぜ合わせの調理加工を施す米飯料理に適する美味な飯米を供給することができるものである。特には、上記するピラフ、チャーハン、ドライカレー、リゾットなどの炒めや蒸しの調理加工を施すライス料理、あるいは、ちらし寿司などの具材との混ぜ合わせの調理加工を施す米飯料理に用いられる吸水米であって、これらの調理により飯米と混ぜ合わせられる具材類を予め当該吸水米と混じ、しかる後に炒飯を施す米飯製品の態様にて用いた際、美味な飯米を供給することができるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、吸水米の製造方法として、連続的に、第1段階で米を湯、蒸気及び/又は加圧蒸気を用いて含水量を米100重量部に対し水38〜115重量部として吸水米を調製し、これを冷蔵又は/及び冷凍処理し、第2段階で更に吸水させ、全吸水量を米100重量部に対して水72〜130重量部とし、米粒がほとんどのり化しない状態のままの高吸水米を得る方法が提案されている(国際公開番号:WO93/16604)。しかし、この方法は、各段階で、湯に浸漬して吸水させる際に、米粒の中から微細な澱粉粒がとび出し、急激に水が濁り、たえず新しい湯のとり変えを行なわなければならず、加えて、得られる製品の高吸水米の目減りを起すこともわかった。そこで、吸水米の製造の際に生ずる、この微細な澱粉粒による白濁をほぼ完全に防止するため、第2段階で、第1段階の加熱温度を維持している間に0℃〜25℃、好ましくは5℃〜15℃の冷水にすみやかに浸漬させる工程を含む改良された方法も提案された(特開平7−87906号公報)。
【0003】
しかしながら、前述の方法は、いずれも、米を、直接湯や水に浸漬して加温や冷却を行うとともに、吸水させるため、米中の旨み成分や澱粉等が多い場合は最終製品では、生米の10%も流出し、このためこれらの湯や水はある程度使用していると、やはりこの流出する旨み成分や澱粉等により汚れ、新たな湯や水と交換しなければならず、この排水の処理等の問題は依然として残るものであった。本出願人は、この製造工程における問題を解決するため研究を続け、米と当該米を吸水米にするのに必要な水とを予め容器に入れて密閉した状態で、間接的に加温、必要により冷却を行っても、米は従来の直接浸漬による方法と同じ量、容器内の水を吸水させることができ、しかもこの方法では、澱粉等の流出がなくて米の目減りが生ぜず、また旨み成分が流出しても、再びこの吸水米の表層部分に吸収されるため、従来の上記吸水米よりも美味であるということを見出した。かかる知見に基づき、吸水米の製造にあたり、洗米または浸漬米と吸水米にするのに必要な水又は調味液等とを予め容器に入れて密閉し、該密閉容器に入れた状態で、例えば、第1段階において当該容器中の米を65℃以上に加温して含水量を生米100重量部に対し42重量部以上とした吸水米とし、第2段階においてこの吸水米を0〜25℃、好ましくは2〜15℃に冷却し、第3段階においてこの吸水米を25〜70℃、好ましくは30〜65℃に加温して含水量を生米100重量部に対し75重量部以上とし、α化度は85%以下に保持する吸水米とする方法を新たに提案した(特開平8−196220号公報)。
【0004】
この密閉容器内に入れ、間接的に加熱、必要により冷却を施す工程により、従来の吸水米よりも美味な飯米とできる吸水米の製造が可能となった。炊飯の後、なんらの調理を加えず、そのまま食される白米ごはん、味付けごはん、茶めしなどにおいては、適度の粘りを有するもので、食感を満足するものであった。しかしながら、例えば、ピラフ、チャーハン、ドライカレー、リゾットなど、通常の調理手順においては、一旦飯米した後、炒めや蒸しの調理加工を施すライス料理、あるいは、ちらし寿司など、一旦飯米した後、具材との混ぜ合わせの調理加工を施す具入り米飯料理、これら二次調理加工を要する米飯料理に使用する際には、炊飯の後、一旦適度に冷ます、あるいは、風を入れつつ混ぜるなどの処理を施し、よりほぐし易くする工程が必要であった。これらのよりほぐし易くする工程は、一般の米を炊飯した後、前記の二次調理加工を要する米飯料理に使用する際、例えば、白米ごはんをすしごはんにする際、風を入れつつ寿司用調味料と合わせる作業として、従来より行われているものである。この種の作業をなくして、二次調理加工を要する米飯料理に炊飯した後の飯米をそのまま使用することができる、ほぐれ性の極めて優れた吸水米の製造が望まれていた。
【0005】
更には、前記する一旦飯米した後、二次調理加工を行う通常の調理手順に換えて、ピラフ、チャーハン、ドライカレー、リゾットなどの炒めや蒸しの調理加工を施すライス料理、あるいは、ちらし寿司などの具材との混ぜ合わせの調理加工を施す具入り米飯料理など、調理の際に飯米と混ぜ合わされる具材等を当該吸水米と予め混ぜ合わせて、しかる後に炊飯して目的の調理済み米飯料理とする、前もって半ば調理が済んだ米飯製品にも吸水米が利用される。この際には、吸水処理を行った直後、所定量の吸水米を小分けし、具材等と混和する作業がなされるが、その際、吸水米自体もほぐれ性が極めて優れ、小分け・秤量が簡単に行えるものが望まれていた。加えて、このような小分け・秤量に際して、ぼぐれ性が優れた吸水米においては、その作業中に米粒の欠け・破砕も起こらず、その点においても、好ましいものと考えられていた。しかも、飯米した後において、適度なほぐれ性を持つものとなれば、食感の面でも申し分のないものであり、吸水米自体のほぐれ性と飯米後の適度なほぐれ性をも併せ持つ吸水米の製造が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、既に上述したとおり、吸水米の製造において、米と当該米を吸水米にするのに必要な水と予め容器に入れて密閉した状態で、間接的に加温、必要により冷却を行っても、米は従来の直接浸漬による方法と同じ量、容器内の水を吸水させることができ、しかもこの方法では、澱粉等の流出がなくて米の目減りが生ぜず、また旨み成分が流出しても、再びこの吸水米の表層部分に吸収されるため、従来の直接湯や水に浸漬して加熱や冷却を行う方法で製造される吸水米よりも美味であるということを見出した。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、本発明の目的は、かかる技術の特色、即ち、吸水米の製造において、加温や冷却工程で水の交換を殆ど不要にすることができ、しかも米の目減りをほとんど生ぜず、さらに殺菌制御が行いやすいプロセスとすることができ、装置での殺菌剤等の使用を減らせたり、不要にできる等、優れた利点をなんら損なうことなく、しかも、吸水処理の直後において、上述した二次調理加工を要する米飯料理に用いる際に望まれるほぐれ性にも極めて優れた特徴をも併せ持つ吸水米の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の新たな課題を解決するため、鋭意研究を続けた結果、洗米又は浸漬米を、短時間常圧又は加圧蒸気にて加熱処理した後、所望吸水量に相当する量以上の水、スープ、ソース、ダシ汁、酢、調味液などの少なくとも1種の液を容器に入れて密閉した後、加熱を伴う吸水処理を行うことによって、常温でも日持ちがよく、うま味の流失がなく、ほぐれ性のよい、容器に入ったままの吸水米を提供することを可能としたのである。
【0009】
また、本発明の具体的技術思想は、吸水米の製造にあたって、洗米または浸漬米を常圧又は加圧蒸気に180秒以内曝し加熱処理を施した後、所定量の洗米または浸漬米と当該米の生米100重量部に対し75重量部以上に相当する水、スープ、ソース、ダシ汁、酢または調味液等から決定される少なくとも1種の液とを容器に入れて密閉した後、当該容器中の米を65℃以上に加温して含水量を生米100重量部に対し75重量部以上とし、α化度は85%以下に保持することを基本とするものである。
【0010】
本発明の好適な態様のひとつは、前記密閉後の容器を第1段階において当該容器中の米を65℃以上に加温して含水量を生米100重量部に対し42重量部以上とした吸水米とし、第2段階においてこの吸水米を0〜25℃、好ましくは2〜15℃に冷却し、第3段階においてこの吸水米を25〜70℃、好ましくは30〜65℃に加温して含水量を生米100重量部に対し75重量部以上とし、α化度は85%以下に保持することからなるものである。
【0011】
本発明の他の好適な態様としては、上記第3段階に引き続いて、冷却及び加温処理を1回〜複数回くり返し、もってα化度の上昇は抑制しつつ吸水率は高め、更に美味な米飯製品を提供する吸水米を製造することからなるものである。例えば、上記第3段階に引き続いて、第4段階においてこの吸水米を0〜25℃、好ましくは2〜15℃に冷却し、第5段階においてこの吸水米を25〜70℃、好ましくは30〜65℃に加温して含水量を生米100重量部に対し105重量部以上とし、α化度は85%以下に保持することからなる吸水米を製造するものである。このようにして、含水量を生米100重量部に対して120〜160重量部、α化度が30〜60%といった非常にすぐれた吸水米を製造することができる。
【0012】
上記本発明にいう浸漬米とは、洗米後に、室温で、約1〜3時間水に浸しておいたもので、米の種類にもよるが、生米100重量部に対して、おおよそ15〜20重量部吸水している。したがって、浸漬米を用いる場合は、洗米を用いる場合に比べて、浸漬時に吸収させた分量だけ、最初に容器に入れる水等を少なくすることになる。
【0013】
本発明においては、まず、洗米または浸漬米を常圧又は加圧蒸気に180秒以内曝し加熱処理を施すが、通常、洗米または浸漬した米を十分水切りした後、金属製の網等上下間の通気性がよい平板容器上に1cm程度を超えない厚さに広げた状態で、斑無く蒸気がかかるようにする。広げられた米層の厚さ、並びに、洗米または浸漬米の温度にもよるが、例えば、20〜30℃程度、即ち、室温程度の温度の洗米または浸漬米であり、米層の厚さがおおよそ1cmの場合、蒸気に曝す時間は、常圧蒸気を用いた際には、5〜180秒の間、即ち、150±30秒を上限とし、5秒程度を下限とするものである。広げられた米層の厚さ、並びに、洗米または浸漬米に残余する水分に依存するが、水分が多い場合は、好ましく60秒以内、より好ましくは10秒前後とし、他方、残余する水分が少ない際には、それより長い時間、例えば、150秒前後でもよく、120秒前後とするのがよい。また、用いる蒸気に、常圧蒸気を利用する際には、通常100℃常圧のものを用いるのが好ましいが、温度及び圧とも若干変動・変位のあるものを用いることもできる。例えば、蒸気の発生源から移送を容易にする目的で、若干の加圧がなされたもの、あるいは、蒸気の放出位置との距離に応じて、温度低下を補うため、若干の加熱されたものであっても、実質的に100℃常圧の条件を甚だしく逸脱するものでない限り、それらを用いてもよい。更には、加圧蒸気を用いてもよいが、加圧蒸気においては、その蒸気温度が100℃を超える際には、温度上昇分に応じて、蒸気に曝す時間を減じることが好ましい。
【0014】
この短時間、常圧蒸気に曝す処理においては、加熱処理されるのは、洗米または浸漬米の極く表層のみであり、具体的には、直接湯や水に浸漬して加熱や冷却を行った際に流出する。極く表層の澱粉等に対する加熱処理が主に施される。十分に水切りを行った洗米または浸漬米においては、この短時間の常圧又は加圧蒸気による処理において加熱を受ける範囲は、僅かながら水分の残留する極く表層のみである。また、蒸気を取り除いた後、速やかに冷却される。従って、この前処理に伴う、この僅かな水分に由来する米粒自体の吸水量の増加は、微々たる量でしかない。同じく、僅かながら残留する水分に伴う、α化度(糊化度)の上昇も、全工程におけるα化度(糊化度)の上昇量に影響を及ぼさない範囲である。
【0015】
本発明においては、次に、前記の短時間の常圧又は加圧蒸気による処理を施した洗米または浸漬米を秤量して、所定量の洗米または浸漬米とともにこれらの生米100重量部に対し75重量部以上に相当する水等を予め容器に入れるが、この場合、水等の量は、米の種類や得られた製品の使用目的、例えば、最終の製品を、通常の御飯、ピラフ、リゾット、チャーハン、味付ごはん、茶めし、釜めし、おこわ等のいずれにするかにより、適宜、選定するとよい。通常の御飯の場合は、生米100重量部に対しおおよそ水130〜150重量部、ピラフ、チャーハンなど炒めごはん類の場合、生米100重量部に対しおおよそ水80〜110重量部とするとよい。なお、本発明の主要な利点の一つである炊飯直後の優れたほぐれ性は、一般に白粥の場合は求められないが、七草粥のごとく、米粒の形状が保存されることが好ましい薬味入り粥においては、本発明の方法を好適に用いることができる。前記の薬味入り粥等に用いる際には、生米100重量部に対しおおよそ水300重量部あるいはこれ以上とするとよい。また、ここで入れる水等は、得られた製品の使用目的、即ち、最終の製品の形態に応じて、水以外の、スープ、ソース、ダシ汁、酢または調味液等、目的に合致するものを用いることができ、これらは単独でも二種以上混合してもよい。
【0016】
また、ここで用いる容器としては、密閉でき、加温および冷却に耐えるものであれば、特に支障なく用いることができる。特には、得られた吸水米をそのまま電子レンジ等で調理できる各種の耐熱性樹脂容器、例えばポリプロピレン等で成型されたトレーを用いると好適である。
【0017】
洗米または浸漬米と水等とを入れた容器は密閉される。この密閉は熱融着シール程度で十分である。尚、この密閉は内部の米及び水等が外部へ流出しさえしなければよいが、内部に入る空気等のガスを最小限にすると、加温や冷却による空気等の膨張、収縮によるシートや容器等の破損を防ぐことができて、好ましい。
【0018】
次いで、本発明においては、当該容器の外部から加温し、この中の米を65℃以上、好ましくは、80〜90℃にし、含水量を生米100重量部に対し75重量部以上とした吸水米とする。この加温においては、米の種類にもよるが、温度が低い場合は長い時間で、また温度が高い場合は、短い時間でこの吸水量に達する。一般には、75重量部以上吸水させるには、85℃の温度では、2分〜1時間程度である。また、70℃の温度でも、11〜5時間吸水させることにより含水量を生米100重量部に対し300重量部以上とすることが可能である。
【0019】
また、この加温は、室温からゆっくりと温度を上げる方が米粒の半径方向での吸水率及びα化度(糊化度)に差があまり生ぜず、美味な米飯製品とすることができる。したがって、徐々に温度を上げて加温していくことが好ましい。このため、所定温度に保持した恒温水槽あるいは恒温空気槽を用い、この中に所定時間保持することで行うことができ、温度が異なる恒温槽を複数用意し、低温の槽から高温の槽に順番に入れて所定温度まで加温するとか、温度勾配をつけた恒温槽を用いて、低温側から高温側へ移動させて加温する方法で行うと簡便で好ましい。特には、一旦、60℃程度の恒温槽に入れて予備加温した後、65℃以上に加温するようにすることが好ましい。
【0020】
また、この加温中、容器を、例えば横転させたり、反転させたり、回転させたり、あるいは振動ないし揺すったりして、水平〜垂直方向に適宜動かし、米と水等とが良く混じるようにすることが、均一な吸水が行われるとともに、迅速な温度上昇と容器内部の品温の均一化が図れるので、好ましい。
【0021】
この加温、吸水後は、自然放冷でもよいが、α化度の上昇を抑えるため、できるだけすみやかに冷却することが好ましい。冷却中も加温のときと同様に容器を水平〜垂直方向に適宜動かすのが好適である。なお、この容器の運動は、以下に行う加温、及び/又は冷却においても必要に応じて適宜行うものである。
【0022】
なお、本発明においては、容器に入れて密閉した後の工程において、上記の吸水操作を複数回に分けて行う方法、すなわち、加温と冷却を繰り返して行うと、米粒の半径方向での吸水率及びα化度に差があまり生ぜず、美味な米飯製品とすることができ、特に好ましい。この方法について、次に具体的に示す。
【0023】
先ず、第1段階において当該容器の外部から加温し、この中の米を65℃以上、好ましくは、80〜90℃にし、含水量を生米100重量部に対し45重量部以上、特には、60〜80重量部とした吸水米とする。米の種類にもよるが、用いる温度に応じて、おおよそ、加温時間を20秒〜4時間で適宜選定することにより、上記含水量とすることができる。この加温も、ゆっくりと温度を上げる方が、米粒が均一に吸水するため好ましい。例えば、一旦、60℃程度の恒温槽に入れて予備加温した後、65℃以上に加温するようにすることが好ましい。また、この加温中は、容器を横転させたり、反転させたり、あるいは揺すったりして、上記した容器の運動を行ない、米と水等とが良く混じるようにすることが好ましい。
【0024】
上記のようにして得られた吸水米が入った容器を第2段階において冷却し、この吸水米を0〜25℃、好ましくは2〜15℃に冷却するが、この場合、第1段階で加温した温度を、できるだけ保持した状態で急激に冷却することが好ましい。この冷却している時間は、上記温度になれば瞬間的でも良いが、吸水米全体が芯まで上記温度に完全に達するよう、5分〜60分、特には、5分〜40分間冷却することが好ましい。この冷却も、加温と同様に所定温度に保持した恒温水槽あるいは恒温空気槽を用いて、この中に容器を入れて所定時間保持すると良い。この冷却工程では、吸水はあまり起こらない。また、この冷却中も、容器を横転させたり、反転させたり、あるいは揺すったりして、上記した容器の運動を行うと迅速に目的温度まで冷却できるために好ましい。
【0025】
この冷却された吸水米の入った容器は第3段階において加温し、この吸水米を25〜70℃、好ましくは30〜65℃に加温して含水量を生米100重量部に対し75重量部以上、好ましくは75〜110重量部とした吸水米とする。この加温では、第1段階の加温と同じく温度が低い場合は長い時間で、また温度が高い場合は、短い時間でこの吸水量に達する。また、一般には第1段階での加温に比べて吸水速度は遅く、加温時間は10分〜60分の間で適宜選定すると上記含水量とすることができる。この加温は、第1段階の加温に比べて、一般には低い温度で十分であり、必ずしも徐々に加温する必要はないが、できれば急激な加温は避けるべきである。一般に、この第3段階の加温方法も、第1段階の加温と同じ方法を用いると良い。
【0026】
なお、この第3段階の加温、吸水後は、自然放冷でもよいが、α化度の上昇を抑えるため、第2段階の冷却と同じく、できるだけ、すみやかに冷却することが好ましい。
【0027】
本発明の吸水米は、α化度、すなわち、糊化度を85%以下に保持するようにしなければならないが、好ましくは、30〜60%となるようにするとよい。α化度が85%以上となると、米飯製品にしたときに、米粒同志の融着が生じ、また美味でなくなる。このα化度はβ−アミラーゼ・プルラナーゼ法〔BAP法、日本栄養・食糧学会誌44(2)p.133(1991)参照〕で測定されるもので、炊飯により得られる米飯のα化度は、一般に92〜93%になっている。
【0028】
このようにして得られる生米100重量部に対し75重量部以上、好ましくは75〜110重量部吸水した吸水米は、いためたり、むしたりするピラフ、リゾット、チャーハン、味付ごはん、茶めし、釜めし等の原料として好適である。とりわけ、炊飯直後においても、例えば、ピラフ、チャーハン、ドライカレー、リゾットなど、一旦飯米した後、炒めや蒸しの調理加工を施すライス料理など、二次的な加熱調理加工を要する米飯料理に使用する際、調理に適するほぐれ性を有する飯米とすることができ、好適である。さらに、前記する加工飯類を商業的規模で大量に作る外食産業においては、大量の吸水米を大型専用の密閉容器を用いた炊飯を行うが、その際には、一食分の飯米量を計量・小分けがなされる。その折りにも、前記の優れたほぐれ性ゆえに、小分けに先立つ、ほぐし工程を容易にするとともに、このほぐしの際に、米飯の変形・つぶれ、欠けの発生も抑えられ、生産性の向上の面においても好適である。
【0029】
特に、ピラフ、チャーハン、ドライカレー、リゾットや釜飯など、具材等と混ぜ合わせ、炒めや蒸しの調理加工を施すライス料理あるいは米飯料理などにおいては、調理の際に飯米と混ぜ合わされる具材等を当該吸水米と予め混ぜ合わせて、しかる後に炊飯して目的の調理済み米飯料理とする、前もって半ば調理が済んだこれら米飯製品にも、上記の生米100重量部に対し75重量部以上、好ましくは75〜110重量部吸水した吸水米は好適に利用される。その際には、吸水処理を施した直後において、各1食分を小分け・秤量し、具材等と混ぜ合わせた形状で新たな密封容器内に封じる形態が利用される。この一連の作業において、吸水処理直後においても、この吸水米自体高いほぐれ性を持つので、小分け・秤量並びに具材等と混ぜ合わせ、容器への充填が一層容易に行える。また、小分け・秤量を行う前に、過度の力でのほぐしを行うことが不要であるので、これらの工程での米粒の欠け、破砕なども起きず、品質面・作業効率の面ともに好ましいものとなる。
【0030】
本発明の他の態様においては、さらに第3段階の加温に引続いて、第4段階として第2段階の冷却を、また第5段階として第3段階の加温を繰り返すものである。したがって、この第4段階および第5段階は、前記第2、3段階の方法、条件等をそのまま適用できる。これにより、最終的に含水量を生米100重量部に対し105重量部以上、好ましくは、120〜160重量部の吸水米とする。また、この第5段階の加温、吸水後も、上記と同様に、できるだけ、すみやかに冷却することが好ましい。必要あれば、既述したように、加温、冷却をくり返して、更にすぐれた吸水米とすることができる。
【0031】
この方法で得られる生米100重量部に対し105重量部以上、好ましくは120〜160重量部吸水した吸水米は、その容器のままで、電子レンジ等により加熱すれば、ご飯、味付けごはん等とすることができる。また含水量を生米に対して300重量部以上としたものは、容器のままでおかゆとすることができ、また含水量によって、さらに種々の米飯とすることができる。
【0032】
本発明の容器に入ったままの吸水米は、常温でも保存できるが、冷蔵、冷凍、不活性ガス充填および/または脱酸素処理又はこれらの方法を併用すること等によって、さらに長期間保存でき、米飯製品として市販したり、各種米飯の原料として使用することができる。さらには、容器から取り出した吸水米は、金型に入れ、そのまま圧力をかけて成形するか、および/または湯又は蒸気等で加熱して仮成型したのちこれを一旦とり出し、別の金型および/または型ワク、ラミネート袋等に移し、湯、蒸気、加圧蒸気、圧力釜、直火、電子レンジ等により加熱し、型ワク又は金型より取り出すと成型加工米飯とすることもできる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の吸水米の製造方法は、洗米または浸漬米を常圧又は加圧蒸気に180秒以内、具体的には、150±30秒以内、好ましくは、120〜10秒前後曝し加熱処理を施した後、秤量した洗米あるいは浸漬米と所定量の水とを予め容器に入れて、密閉した後、加温、冷却を行って吸水させるので、加温や冷却工程での恒温水槽の水の交換を殆ど不要とすることができ、しかも米の目減りをほとんど生ぜず、さらに雑菌制御が行いやすいプロセスとすることができ、装置での殺菌剤等の使用を減らせたり、不要にできる等、格別の効果を奏する。また、加温、冷却を密閉状態で行うため、米が本来持っている旨み成分が流出することがないので、非常に美味な米飯とすることができる。
【0034】
この利点に加えて、この方法で得られる吸水米は、炊飯直後においても、例えば、ピラフ、チャーハン、ドライカレー、リゾットなど、通常の調理手順においては、一旦飯米した後、炒めや蒸しの調理加工を施すライス料理、あるいは、ちらし寿司など、一旦飯米した後、具材との混ぜ合わせの調理加工を施す具入り米飯料理など、これらの二次調理加工を要する米飯料理に用いる際に望まれるほぐれ性にも極めて優れる特徴を併せ持つ。
【0035】
更には、ピラフ、チャーハン、ドライカレー、リゾットなどの炒めや蒸しの調理加工を施すライス料理、あるいは、ちらし寿司などの具材との混ぜ合わせの調理加工を施す具入り米飯料理に利用する際には、通常の調理手順とは異なり、炊飯前に、当該吸水米にこれらに用いられる具材等を予め混じ、しかる後に飯米する態様で使用する米飯製品の場合にも、当該吸水米自体のほぐれ性が向上しており、これら具材等の混和が容易に行えるという優れた特徴を持つ。具体的には、吸水処理の直後においても、当該吸水米に対する前記する具材等の混和において、その混和の均一性が極めて高くでき、且つ混和に伴う機械的な攪拌作業における米飯の欠け、破砕なども極めて僅かに抑えられる。本発明の吸水米は、前述する飯米前に予め、具材等との合わせ処理を施し、前調理済みのライス料理あるいは具入り米飯料理用の吸水米として利用する時、吸水米自体のほぐれ性の高さに由来する作業性の向上、並びに、飯米後におけるほぐれ性にも優れるという利点がともに発揮される。
【0036】
なお、吸水米自体のほぐれ性の高さに由来する作業性の向上は、当該吸水米に具材等を予め混じ、しかる後に飯米する態様で使用する米飯製品、具体的には、上記のピラフ、チャーハン、ドライカレー、リゾットなどの炒めや蒸しの調理加工を施すライス料理、あるいは、ちらし寿司などの具材との混ぜ合わせの調理加工を施す具入り米飯料理に利用する場合のみならず、含水量を生米に対して300重量部以上とし、それに薬味などを混ぜ合わせた七草がゆなどの粥料理に利用する際にも、吸水処理直後に、小分け・秤量を容易にし、且つ混和に伴う機械的な攪拌作業における米粒の欠け、破砕なども極めて僅かに抑えられる利点をもたらす。
【0037】
さらに、加温、冷却を密閉状態で行うため、湯や水が汚染することなく、これらの排水の処理が必要ではなくなり、公害防止の面ですぐれているだけでなく、大工場における米飯類の大量処理に適し、その製造ラインはきわめてスムーズなものとなり、すぐれた各種飯米製品の大量生産を極めて経済的に行うことができる。
【0038】
また、本発明においては各処理を容器内でしかも密閉状態で行うために、上記した味覚向上効果のほかに、雑菌による汚染を抑制することができるので、防腐剤等の食品添加物を使用することなく長期間保存することが可能となり、食品公害防止の面からも非常にすぐれている。
【0039】
【実施例】
次に本発明の実施例を示す。
【0040】
【実施例1】
生米すなわち精米(含有水分量15重量%)113gを洗米後、室温で、水中に2時間浸漬し、浸漬米133g(吸水量:生米100重量部に対し17.7重量部)を得た。浸漬後、水切りを施した後、この浸漬米を金網上に厚さ1cm程となるように広げ、その状態で浸漬米に斑無く蒸気がかかるようにし、常圧蒸気を10秒間あてた。この処理を施した浸漬米133gと水141gをポリプロピレン製トレー(内寸127×109×22mm、内容積270ml、厚さ900μm)に入れ、ポリプロピレン製シートを圧着シールすることにより密封した。これを複数個、準備し、各段階で2個づつ開封して、吸水量を測定し、その平均値を以下に示した。尚、この吸水量の測定は濾過し、水切り後、重量を測定することにより行った。
【0041】
このトレーを第1段階として60℃に保持された水槽中に入れ、揺すりながら8分間加温し、次いで92℃に保持された水槽中に入れ、同様に揺すりながら4分間加温した。この段階での吸水量は、生米100重量部に対し70重量部であった。
【0042】
第2段階として、上記第1段階で加温したトレーを、直ちに、3℃に保持された水槽中に入れ、揺すりながら7分間冷却した。この段階では、ほとんど吸水が認められなかった。
【0043】
第3段階として、上記第2段階で冷却したトレーを60℃に保持された水槽中に入れ、揺すりながら9分間加温した。この段階での吸水量は、生米100重量部に対し93.2重量部であり、比較例に示した先に提案された特開平7−87906号公報に記載の高吸水米とほとんど変わらなかった。
【0044】
次に、第4段階として、上記第3段階で加温したトレーを、直ちに、3℃に保持された水槽中に入れ、揺すりながら5分間冷却した。この段階では、ほとんど吸水が認められなかった。
【0045】
第5段階として、上記第4段階で冷却したトレーを60℃に保持された水槽中に入れ、揺すりながら5分間加温し、その後、直ちに15℃の水槽中に入れて冷却した。この段階での吸水量は、生米100重量部に対し142.6重量部で、BAP法によるα化度は46%であった。この吸水米は、比較例2に示す特開平7−87906号公報に記載の方法で得られる超高吸水米とほとんど変わらなかった。
【0046】
このようにして得られた、生米100重量部に対し142.5重量部吸水した吸水米が入ったトレーを密封したまま、庫内温度5℃の冷蔵庫で21日間、室温(10月後半〜11月前半)で4日間保管した後、カビ等の発生は全く認められず、また、これを電子レンジで調理したところ、比較例2に示す特開平7−87906号公報に記載の方法で得られた超高吸水米より、艶もあり、美味であった。これは、米の旨味が、流出しなかったためと推測される。
【0047】
加えて、炊飯直後、そのままこの白米ごはんを用いて、ピラフ、チャーハン、リゾットなどを作る際、簡単にほぐすこともでき、作業効率がよいものであった。また、ほぐす際に、注意を払わずとも、米粒のつぶれ、欠けが起こることもなく、これら二次調理を要する加工米飯により適したものであった。
【0048】
更には、この浸漬後、蒸気に曝す処理を施した本例の吸水米を用いて、吸水処理の直後に、ピラフ、チャーハン、リゾットを作る際用いられる具材等を予め当該吸水米に混じ、前調理済みの米飯料理用吸水米製品とする際、僅かなほぐしを施すのみで、小分けを容易に行うことができ、作業効率の面では好適なものであった。即ち、吸水処理の直後に、必要量の吸水米を小分けするためのほぐし作業を行うが、僅かな力でほぐしを行うことができ、また、この機械的な攪拌作業に伴う過度の力が加わることがないので、米粒の欠け、破砕も起こることはなかった。従って、米粒の欠け、破砕を防ぐためには、さほどの注意を払う必要もなかった。また、具材等との混和の作業においても、同じく、米粒の欠け、破砕を防ぐためには、さほどの注意を払う必要がなかった。また、このようにして作製された具材等が予め混和された米飯料理用吸水米製品を加熱飯米したところ、過度のほぐれ性を呈するものでなく、個々の米飯料理に望まれるほぐれの範囲であり、その点でも優れているものであった。
【0049】
【比較例1】
上記した実施例1の工程において、容器内に密閉する前に行われた、常圧蒸気に曝す処理を省き、用いた材料及びその他の工程は、全く同じ条件として、吸水米を製造した。即ち、先に提案された特開平8−196220号公報に記載される方法に従って、吸水米を製造した。実施例1の場合と同じく、第5段階の冷却後、吸水量並びにα化度を評価したところ、吸水量、BAP法によるα化度ともに、実施例1の吸水米と誤差範囲内で同じであった。
【0050】
また、このようにして得られた吸水米が入ったトレーを密封したまま、庫内温度5℃の冷蔵庫で21日間、室温(10月後半〜11月前半)で4日間保管した後、カビ等の発生は全く認められず、また、これを電子レンジで調理したところ、比較例2に示す特開平7−87906号公報に記載の方法で得られた超高吸水米より、艶もあり、美味であった。即ち、白米ごはんとした場合の味、外見、艶などを含めて、その品質においては、実施例1の吸水米と統計的には無意味なバラツキの範囲内で同じであり、また、保存性の点においても、変わりはなかった。また、この白米ごはん自体は、ほぐれ性は上記実施例1の吸水米を飯米した白米ごはんと比較して、さほど遜色はないものであった。
【0051】
一方、この比較例1の吸水米を用いて、吸水処理の直後に、ピラフ、チャーハン、リゾットを作る際用いられる具材等を予め当該吸水米に混じ、前調理済みの米飯料理用吸水米製品とする際、小分けを行う前に、予め十分にほぐしを行う必要があり、それに相当の労力を要し、作業効率の面での障害ともなるものであった。即ち、吸水処理の直後に、必要量の吸水米を容易に小分けするため、十分なほぐし作業を行う際、強い力が必要であり、また、その際の強い機械的な分離処理に伴い、米粒の欠け、破砕が起こり易く、それを防ぐためには、相当の注意が必要であった。なお、得られた具材等が予め混和された米飯料理用吸水米製品自体は、前記の米粒の欠け、破砕に起因する外見上の見劣りを除き、その品質は、上記実施例のものと比較して大きな遜色はなかった。しかしながら、米粒の欠け、破砕に由来する細粒が多く混入したものでは、その細粒は飯米した際、糊化を呈することがあり、好ましからざるものとなることがあった。
【0052】
【比較例2】
実施例1と同じ精米を洗米し、室温で、水中に2時間浸漬した後、50℃の水槽に3分間、続いて加熱しつつある96℃の湯に55秒間浸漬し、第1段階の吸水を終了した。第1段階の吸水では生米100重量部に対して全吸水量55重量部で、品温は95℃であった。
【0053】
品温95℃の第1段階の吸水米を、そのまま10℃の水に投入して25分浸漬し、第2段階の吸水を終了した。この水は循環冷却し、槽内温度10℃を維持させた。得られた吸水米は、生米100重量部に対して全吸水量70重量部の吸水米であった。
【0054】
得られた吸水米を、45℃の湯に25分浸漬させ、生米100重量部に対し全吸水量100重量部の高吸水米を得た。この高吸水米を45℃の品温を維持している状態で10℃の冷水に20分浸漬し、生米100重量部に対し全吸水量107重量部の吸水米を得た。
【0055】
次いで、この吸水米を40℃の湯に20分浸漬し、生米100重量部に対し全吸水量115重量部の超高吸水米を得た。得られた超高吸水米を1食分に小分けし、トレーに入れて密封したまま、庫内温度5℃の冷蔵庫で21日間、室温(10月後半〜11月前半)で4日間保管したところ、わずかではあるがカビの発生が認められた。なお、上記の小分けするため、十分なほぐし作業を行う際、強い力が必要があり、また、その際の強い機械的な分離処理に伴い、米粒の欠け、破砕が起こり易く、十分に注意をしても、幾分か米粒の欠け、破砕が生じるものであった。

Claims (6)

  1. 洗米または浸漬米を常圧又は加圧蒸気に5〜180秒間曝して米の表層のみを加熱処理した後、所定量の洗米または浸漬米と当該米の生米100重量部に対し75重量部以上に相当する水、スープ、ソース、ダシ汁、酢または調味液から選定される少なくとも1種の液とを容器に入れて密閉した後、当該容器中の米を60℃程度に予備加温した後65℃以上に加温して含水量を生米100重量部に対し75重量部以上とし、α化度を85%以下に保持したことを特徴とする吸水米の製造方法。
  2. 洗米または浸漬米を常圧又は加圧蒸気に5〜180秒間曝して米の表層のみを加熱処理した後、所定量の洗米または浸漬米と当該米の生米100重量部に対し75重量部以上に相当する水、スープ、ソース、ダシ汁、酢または調味液から選定される少なくとも1種の液とを容器に入れて密閉した後、第1段階において当該容器中の米を60℃程度に予備加温した後65℃以上に加温して含水量を生米100重量部に対し42重量部以上とした吸水米とし、第2段階においてこの吸水米を2〜15℃に冷却し、第3段階においてこの吸水米を30〜65℃に加温して含水量を生米100重量部に対し75重量部以上とし、α化度を85%以下に保持したことを特徴とする吸水米の製造方法。
  3. 洗米または浸漬米を常圧又は加圧蒸気に5〜180秒間曝して米の表層のみを加熱処理した後、所定量の洗米または浸漬米と当該米の生米100重量部に対し90重量部以上に相当する水、スープ、ソース、ダシ汁、酢または調味液から選定される少なくとも1種の液とを容器に入れて密閉した後、第1段階において当該容器中の米を60℃程度に予備加温した後65℃以上に加温して含水量を生米100重量部に対し42重量部以上とした吸水米とし、第2段階においてこの吸水米を2〜15℃に冷却し、第3段階においてこの吸水米を30〜65℃に加温して含水量を生米100重量部に対し75重量部以上とした吸水米とした後、上記した加温及び冷却を更にくり返して含水量を生米100重量部に対し105重量部以上とし、α化度を85%以下に保持したことを特徴とする吸水米の製造方法。
  4. 洗米または浸漬米を常圧又は加圧蒸気に5〜180秒間曝して米の表層のみを加熱処理した後、所定量の洗米または浸漬米と当該米の生米100重量部に対し90重量部以上に相当する水、スープ、ソース、ダシ汁、酢または調味液から選定される少なくとも1種の液とを容器に入れて密閉した後、第1段階において当該容器中の米を60℃程度に予備加温した後65℃以上に加温して含水量を生米100重量部に対し42重量部以上とした吸水米とし、第2段階においてこの吸水米を2〜15℃に冷却し、第3段階においてこの吸水米を30〜65℃に加温して含水量を生米100重量部に対し75重量部以上とした吸水米とし、第4段階においてこの吸水米を2〜15℃に冷却し、第5段階においてこの吸水米を30〜65℃に加温して含水量を生米100重量部に対し120〜160重量部とし、α化度を30〜60%に保持したことを特徴とする吸水米の製造方法。
  5. 容器に入れて密閉した後の工程においては、加温はゆっくり行い、冷却は急速に行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸水米の製造方法。
  6. 容器に入れて密閉した後の工程においては、加温及び/又は冷却時に、当該容器を水平〜垂直方向に揺動するか及び/又は反転することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸水米の製造方法。
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