JP2873993B2 - 吸水米の製造方法 - Google Patents

吸水米の製造方法

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JP2873993B2
JP2873993B2 JP7030173A JP3017395A JP2873993B2 JP 2873993 B2 JP2873993 B2 JP 2873993B2 JP 7030173 A JP7030173 A JP 7030173A JP 3017395 A JP3017395 A JP 3017395A JP 2873993 B2 JP2873993 B2 JP 2873993B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水米の製造方法に関
するものであって、更に詳細には本発明は、あらかじめ
米に水を吸収させた吸水米の製造方法に関するものであ
り、本発明で製造される吸水米は家庭、スーパー、コン
ビニエンスストア、和食店、レストラン等で簡単な加熱
で美味な飯米を供給することができるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、吸水米の製造方法として、第1段
階で米を湯、蒸気及び/又は加圧蒸気を用いて含水量を
米100重量部に対し水38〜115重量部として吸水
米を調製し、これを冷蔵又は/及び冷凍処理し、第2段
階で更に吸水させ、全吸水量を米100重量部に対して
水72〜130重量部とし、米粒がほとんどのり化しな
い状態のままの高吸水米を得る方法が提案されている
(国際公開番号:WO93/16604)。しかし、こ
の方法は、各段階で、湯に浸漬して吸水させる際に、米
粒の中から微細な澱粉粒がとび出し、急激に水が濁り、
たえず新らしい湯のとり変えを行なわなければならず、
その上に得られる製品の高吸水米の目減りを起すことも
わかった。
【0003】そこで、本出願人は、この微細な澱粉粒に
よる白濁をほぼ完全に防止するため、第2段階で、第1
段階の加熱温度を維持している間に0℃〜25℃、好ま
しくは5℃〜15℃の冷水にすみやかに浸漬させる工程
を含む改良された方法を提案した(特願平6−1841
29号明細書)。
【0004】しかし、これらの方法は、いずれも、米
を、直接湯や水に浸漬して加温や冷却を行うとともに、
吸水させるため、米中の旨み成分や澱粉等が多い場合は
最終製品で生米の10%も流出し、このためこれらの湯
や水はある程度使用していると、やはりこの流出する旨
み成分や澱粉等により汚れ、新たな湯や水と交換しなけ
ればならず、この排水の処理等の問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記問題
を解決するために、鋭意、研究を続けた結果、上記吸水
米の製造において、米と当該米を吸水米にするのに必要
な水とを予め容器に入れて密閉した状態で、間接的に加
温、必要により冷却を行っても、米は従来の直接浸漬に
よる方法と同じ量、容器内の水を吸水させることがで
き、しかもこの方法では、澱粉等の流出がなくて米の目
減りが生ぜず、また旨み成分が流出しても、再びこの吸
水米の表層部分に吸収されるため、従来の上記吸水米よ
りも美味であるということを見出した。
【0006】本発明はかかる知見に基づき上記課題を解
決するためになされたもので、本発明の目的は加温や冷
却工程で水の交換を殆ど不要にすることができ、しかも
米の目減りをほとんど生ぜず、さらに雑菌制御が行いや
すいプロセスとすることができ、装置での殺菌剤等の使
用を減らせたり、不要にできる等、優れた吸水米の製造
方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の基本的技術思想
は、吸水米の製造にあたって、洗米または浸漬米と当該
米の生米100重量部に対し75重量部以上に相当する
水、スープ、ソース、ダシ汁、酢または調味液等から選
定される少なくとも1種の液とを容器に入れて密閉した
後、当該容器中の米を65℃以上に加温して含水量を生
米100重量部に対し75重量部以上とし、α化度は8
5%以下に保持することからなるものである。
【0008】本発明の好適な態様のひとつは、前記密閉
後の容器を第1段階において当該容器中の米を65℃以
上に加温して含水量を生米100重量部に対し42重量
部以上とした吸水米とし、第2段階においてこの吸水米
を0〜25℃、好ましくは2〜15℃に冷却し、第3段
階においてこの吸水米を25〜70℃、好ましくは30
〜65℃に加温して含水量を生米100重量部に対し7
5重量部以上とし、α化度は85%以下に保持すること
からなるものである。
【0009】本発明の他の好適な態様としては、上記第
3段階に引き続いて、冷却及び加温処理を1回〜複数回
くり返し、もってα化度の上昇は抑制しつつ吸水率は高
め、更に美味な米飯製品を提供する吸水米を製造するこ
とからなるものである。例えば、上記第3段階に引き続
いて、第4段階においてこの吸水米を0〜25℃、好ま
しくは2〜15℃に冷却し、第5段階においてこの吸水
米を25〜70℃、好ましくは30〜65℃に加温して
含水量を生米100重量部に対し105重量部以上と
し、α化度は85%以下に保持することからなる吸水米
を製造するものである。このようにして、含水量を生米
100重量部に対して120〜160重量部、α化度が
30〜60%といった非常にすぐれた吸水米を製造する
ことができる。
【0010】上記本発明にいう浸漬米とは、洗米後に、
室温で、約1〜3時間水に浸しておいたもので、米の種
類にもよるが、生米100重量部に対して、おおよそ1
5〜20重量部吸水している。したがって、浸漬米を用
いる場合は、洗米を用いる場合に比べて、浸漬時に吸収
させた分量だけ、最初に容器に入れる水等を少なくする
ことになる。
【0011】本発明においては、まず、洗米または浸漬
米とともにこれらの生米100重量部に対し75重量部
以上に相当する水等を予め容器に入れるが、この場合、
水等の量は、米の種類や得られた製品の使用目的、例え
ば、最終の製品を、通常の御飯、ピラフ、リゾット、チ
ャーハン、味付ごはん、茶めし、釜めし、おこわ、お粥
等のいずれにするかにより、適宜、選定するとよい。通
常の御飯の場合は、生米100重量部に対しおおよそ水
130〜150重量部、粥の場合はおおよそ水300重
量部あるいはこれ以上とするとよい。また、ここで入れ
る水等は、水以外の、スープ、ソース、ダシ汁、酢また
は調味液等を用いることができ、これらは単独でも二種
以上混合してもよい。
【0012】また、ここで用いる容器としては、密閉で
き、加温および冷却に耐えるものであれば、特に支障な
く用いることができる。特には、得られた吸水米をその
まま電子レンジ等で調理できる各種の耐熱性樹脂容器、
例えばポリプロピレン等で成型されたトレーを用いると
好適である。
【0013】洗米または浸漬米と水等とを入れた容器は
密閉される。この密閉は熱融着シール程度で十分であ
る。尚、この密閉は内部の米及び水等が外部へ流出しさ
えしなければよいが、内部に入る空気等のガスを最小限
にすると、加温や冷却による空気等の膨張、収縮による
シートや容器等の破損を防ぐことができて、好ましい。
【0014】次に、本発明においては、当該容器の外部
から加温し、この中の米を65℃以上、好ましくは、8
0〜90℃にし、含水量を生米100重量部に対し75
重量部以上とした吸水米とする。この加温においては、
米の種類にもよるが、温度が低い場合は長い時間で、ま
た温度が高い場合は、短い時間でこの吸水量に達する。
一般には、75重量部以上吸水させるには、85℃の温
度では、2分〜1時間程度である。また、70℃の温度
でも、1〜5時間吸水させることにより含水量を生米1
00重量部に対し300重量部以上とすることが可能で
ある。
【0015】また、この加温は、室温からゆっくりと温
度を上げる方が米粒の半径方向での吸水率及びα化度
(糊化度)に差があまり生ぜず、美味な米飯製品とする
ことができる。したがって、徐々に温度を上げて加温し
ていくことが好ましい。このため、所定温度に保持した
恒温水槽あるいは恒温空気槽を用い、この中に所定時間
保持することで行うことができ、温度が異なる恒温層を
複数用意し、低温の槽から高温の槽に順番に入れて所定
温度まで加温するとか、温度勾配をつけた恒温槽を用い
て、低温側から高温側へ移動させて加温する方法で行う
と簡便で好ましい。特には、一旦、60℃程度の恒温槽
に入れて予備加温した後、65℃以上に加温するように
することが好ましい。
【0016】また、この加温中、容器を、例えば横転さ
せたり、反転させたり、回転させたり、あるいは振動な
いし揺すったりして、水平〜垂直方向に適宜動かし、米
と水等とが良く混じるようにすることが、均一な吸水が
行われるとともに、迅速な温度上昇と容器内部の品温の
均一化が図れるので、好ましい。
【0017】この加温、吸水後は、自然放冷でもよい
が、α化度の上昇を抑えるため、できるだけすみやかに
冷却することが好ましい。冷却中も加温のときと同様に
容器を水平〜垂直方向に適宜動かすのが好適である。な
お、この容器の運動は、以下に行う加温、及び/又は冷
却においても必要に応じて適宜行うものである。
【0018】なお、本発明においては、上記の吸水操作
を複数回に分けて行う方法、すなわち、加温と冷却を繰
り返して行うと、米粒の半径方向での吸水率及びα化度
に差があまり生ぜず、美味な米飯製品とすることがで
き、特に好ましい。この方法について、次に具体的に示
す。
【0019】先ず、第1段階において当該容器の外部か
ら加温し、この中の米を65℃以上、好ましくは、80
〜90℃にし、含水量を生米100重量部に対し42重
量部以上、特には、60〜80重量部とした吸水米とす
る。米の種類にもよるが、おおよそ、加温時間を20秒
〜4時間で適宜選定することにより、上記含水量とする
ことができる。この加温も、ゆっくりと温度を上げる方
が、米粒が均一に吸水するため好ましい。例えば、一
旦、60℃程度の恒温槽に入れて予備加温した後、65
℃以上に加温するようにすることが好ましい。また、こ
の加温中は、容器を横転させたり、反転させたり、ある
いは揺すったりして、上記した容器の運動を行ない、米
と水等とが良く混じるようにすることが好ましい。
【0020】上記のようにして得られた吸水米が入った
容器を第2段階において冷却し、この吸水米を0〜25
℃、好ましくは2〜15℃に冷却するが、この場合、第
1段階で加温した温度を、できるだけ保持した状態で急
激に冷却することが好ましい。この冷却している時間
は、上記温度になれば瞬間的でも良いが、吸水米全体が
芯まで上記温度に完全に達するよう、5分〜60分、特
には、5分〜40分間冷却することが好ましい。この冷
却も、加温と同様に所定温度に保持した恒温水槽あるい
は恒温空気槽を用いて、この中に容器を入れて所定時間
保持すると良い。この冷却工程では、吸水はあまり起こ
らない。また、この冷却中も、容器を横転させたり、反
転させたり、あるいは揺すったりして、上記した容器の
運動を行うと迅速に目的温度まで冷却できるために好ま
しい。
【0021】この冷却された吸水米の入った容器は第3
段階において加温し、この吸水米を25〜70℃、好ま
しくは30〜65℃に加温して含水量を生米100重量
部に対し75重量部以上、好ましくは75〜110重量
部とした吸水米とする。この加温では、第1段階の加温
と同じく温度が低い場合は長い時間で、また温度が高い
場合は、短い時間でこの吸水量に達する。また、一般に
は第1段階での加温に比べて吸水速度は遅く、加温時間
は10分〜60分の間で適宜選定すると上記含水量とす
ることができる。この加温は、第1段階の加温と比べ
て、一般には低い温度で十分であり、徐々に加温する必
要はないが、できれば急激な加温は避けるべきである。
この第3段階の加温方法も、第1段階の加温と同じよう
にすると良い。
【0022】なお、この第3段階の加温、吸水後は、自
然放冷でもよいが、α化度の上昇を抑えるため、できる
だけ、すみやかに冷却することが好ましい。
【0023】本発明の吸水米は、α化度、すなわち、糊
化度を85%以下に保持するようにしなければならない
が、好ましくは、30〜60%となるようにするとよ
い。α化度が85%以上となると、米飯製品にしたとき
に、米粒同志の融着が生じ、また美味でなくなる。この
α化度はβ−アミラーゼ・プルラナーゼ法〔BAP法、
日本栄養・食糧学会誌44(2)p133(1991)
参照〕で測定されるもので、炊飯により得られる米飯の
α化度は、一般に92〜93%になっている。
【0024】このようにして得られる生米100重量部
に対し75重量部以上、好ましくは75〜110重量部
吸水した吸水米は、いためたり、むしたりするピラフ、
リゾット、チャーハン、味付ごはん、茶めし、釜めし等
の原料として好適である。
【0025】本発明では、さらに第3段階の加温に引続
いて、第4段階として第2段階の冷却を、また第5段階
として第3段階の加温を繰り返すものである。したがっ
て、この第4段階および第5段階は、前記第2、3段階
の方法、条件等をそのまま適用できる。これにより、最
終的に含水量を生米100重量部に対し105重量部以
上、好ましくは、120〜160重量部の吸水米とす
る。また、この第5段階の加温、吸水後も、上記と同様
に、できるだけ、すみやかに冷却することが好ましい。
必要あれば、既述したように、加温、冷却をくり返し
て、更にすぐれた吸水米とすることができる。
【0026】この方法が得られる生米100重量部に対
し105重量部以上、好ましくは120〜160重量部
吸水した吸水米は、その容器のままで、電子レンジ等に
より加熱すれば、ご飯、味付けごはん等とすることがで
きる。また含水量を生米に対して300重量部以上とし
たものは、容器のままでおかゆとすることができ、また
含水量によって、さらに種々の米飯とすることができ
る。
【0027】本発明の吸水米は、常温でも保存できる
が、冷蔵、冷凍、不活性ガス充填および/または脱酸素
処理又はこれらの方法を併用すること等によって、さら
に長期間保存でき、米飯製品として市販したり、各種米
飯の原料として使用することができる。さらには、この
吸水米は、金型に入れ、そのまま圧力をかけて成形する
か、および/または湯又は蒸気等で加熱して仮成型した
のちこれを一旦とり出し、別の金型および/または型ワ
ク、ラミネート袋等に移し、湯、蒸気、加圧蒸気、圧力
釜、直火、電子レンジ等により加熱し、型ワク又は金型
より取り出すと成型加工米飯とすることもできる。
【0028】
【発明の効果】本発明の吸水米の製造方法は、洗米ある
いは浸漬米と所定量の水とを予め容器に入れて、密閉し
た後、加温、冷却を行って吸水させるので、加温や冷却
工程での恒温水槽の水の交換を殆ど不要とすることがで
き、しかも米の目減りをほとんど生ぜず、さらに雑菌制
御が行いやすいプロセスとすることができ、装置での殺
菌剤等の使用を減らせたり、不要にできる等、格別の効
果を奏する。また、加温、冷却を密閉状態で行うため、
米が本来持っている旨み成分が流出することがないの
で、非常に美味な米飯とすることができる。
【0029】さらに、加温、冷却を密閉状態で行うた
め、湯や水が汚染することなく、これらの排水の処理が
必要ではなくなり、公害防止の面ですぐれているだけで
なく、大工場における米飯類の大量処理に適し、その製
造ラインはきわめてスムーズなものとなり、すぐれた各
種飯米製品の大量生産を極めて経済的に行うことができ
る。
【0030】また、本発明においては各処理を容器内で
しかも密閉状態で行うために、上記した味覚向上効果の
ほかに、雑菌による汚染を抑制することができるので、
防腐剤等の食品添加物を使用することなく長期間保存す
ることが可能となり、食品公害防止の面からも非常にす
ぐれている。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。
【0032】
【実施例1】生米すなわち精米(含有水分量15重量
%)113gを洗米後、室温で、水中に2時間浸漬し、
浸漬米133g(吸水量:生米100重量部に対し1
7.7重量部)を得た。この浸漬米133gと水141
gをトレー(内寸127×109×22mm、内容積2
70ml、厚さ900μm)に入れ、シートを圧着シー
ルすることにより密閉した。これを複数個、準備し、各
段階で2個づつ開封して、吸水量を測定し、その平均値
を以下に示した。尚、この吸水量の測定は、濾過し、水
切り後、重量を測定することにより行った。
【0033】このトレーを第1段階として60℃に保持
された水槽中に入れ、揺すりながら8分間加温し、次い
で92℃に保持された水槽中に入れ、同様に揺すりなが
ら4分間加温した。この段階での吸水量は、生米100
重量部に対し70重量部であった。
【0034】第2段階として、上記第1段階で加温した
トレーを、直ちに、3℃に保持された水槽中に入れ、揺
すりながら7分間冷却した。この段階では、ほとんど吸
水が認められなかった。
【0035】第3段階として、上記第2段階で冷却した
トレーを60℃に保持された水槽中に入れ、揺すりなが
ら9分間加温した。この段階での吸水量は、生米100
重量部に対し93.2重量部であり、比較例に示した先
に本出願人が提案した特願平6−184129号明細書
に記載の高吸水米とほとんど変わらなかった。
【0036】次に、第4段階として、上記第3段階で加
温したトレーを、直ちに、3℃に保持された水槽中に入
れ、揺すりながら5分間冷却した。この段階では、ほと
んど吸水が認められなかった。
【0037】第5段階として、上記第4段階で冷却した
トレーを60℃に保持された水槽中に入れ、揺すりなが
ら5分間加温し、その後、直ちに15℃の水槽中に入れ
て冷却した。この段階での吸水量は、生米100重量部
に対し142.6重量部で、BAP法によるα化度は4
6%であった。この吸水米は、比較例に示した特願平6
−184129号明細書に記載の方法で得られる超高吸
水米とほとんど変わらなかった。
【0038】このようにして得られた、生米100重量
部に対し142.5重量部吸水した吸水米が入ったトレ
ーを密封したまま、庫内温度5℃の冷蔵庫で21日間、
室温(10月後半〜11月前半)で4日間保管した後、
カビ等の発生は全く認められず、また、これを電子レン
ジで調理したところ、特願平6−184129号明細書
に記載の方法で得られた超高吸水米より、艶もあり、美
味であった。これは、米の旨味が、流出しなかったため
と推測される。
【0039】
【比較例1】実施例1と同じ精米を洗米し、室温で、水
中に2時間浸漬した後、50℃の水槽に3分間、続いて
加熱しつつある96℃の湯に55秒間浸漬し、第1段階
の吸水を終了した。第1段階の吸水では生米100重量
部に対して全吸水量55重量部で、品温は95℃であっ
た。
【0040】品温95℃の第1段階の吸水米を、そのま
ま10℃の水に投入して25分浸漬し、第2段階の吸水
を終了した。10℃の水は循環冷却し、10℃を維持さ
せた。得られた吸水米は、生米100重量部に対して全
吸水量70重量部の吸水米であった。
【0041】得られた吸水米を、45℃の湯に25分浸
漬させ、生米100重量部に対し全吸水量100重量部
の高吸水米を得た。この高吸水米を45℃の品温を維持
している状態で10℃の冷水に20分浸漬し、生米10
0重量部に対し全吸水量107重量部の吸水米を得た。
【0042】次いで、この吸水米を40℃の湯に20分
浸漬し、生米100重量部に対し全吸水量115重量部
の超高吸水米を得た。得られた超高吸水米を1食分に小
分けし、トレーに入れて密封したまま、庫内温度5℃の
冷蔵庫で21日間、室温(10月後半〜11月前半)で
4日間保管したところ、わずかではあるがカビの発生が
認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三國 博彦 東京都港区虎ノ門二丁目10番1号 株式 会社ジャパンエナジー内 (56)参考文献 特開 昭63−157945(JP,A) 特開 平4−200358(JP,A) 特開 平7−87906(JP,A) 特開 平8−23896(JP,A) 特開 平6−276967(JP,A) 特開 平4−218348(JP,A) 特開 平4−144653(JP,A) 特開 昭64−51052(JP,A) 国際公開93/16604(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗米または浸漬米と当該米の生米100
    重量部に対し75重量部以上に相当する水、スープ、ソ
    ース、ダシ汁、酢または調味液等から選定される少なく
    とも1種の液とを容器に入れて密閉した後、第1段階に
    おいて当該容器中の米を65℃以上に加温して含水量を
    生米100重量部に対し42重量部以上とした吸水米と
    し、第2段階においてこの吸水米を0〜25℃、好まし
    くは2〜15℃に冷却し、第3段階においてこの吸水米
    を25〜70℃、好ましくは30〜65℃に加温して含
    水量を生米100重量部に対し75重量部以上とし、α
    化度を85%以下に保持し、且つ、前記一連の工程にお
    いて、全工程は密閉容器内で行うとともに、少なくと
    も、第1段階の加温は、ゆっくり行い、また、第2段階
    での冷却は、一定期間の冷蔵及び/又は冷凍処理するこ
    となく、急速に行うことを特徴とする吸水米の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 洗米または浸漬米と当該米の生米100
    重量部に対し90重量部以上に相当する水、スープ、ソ
    ース、ダシ汁、酢または調味液等から選定される少なく
    とも1種の液とを容器に入れて密閉した後、第1段階に
    おいて当該容器中の米を65℃以上に加温して含水量を
    生米100重量部に対し42重量部以上とした吸水米と
    し、第2段階においてこの吸水米を0〜25℃、好まし
    くは2〜15℃に冷却し、第3段階においてこの吸水米
    を25〜70℃、好ましくは30〜65℃に加温して含
    水量を生米100重量部に対し75重量部以上とした吸
    水米とした後、上記した加温及び冷却を更にくり返して
    含水量を生米100重量部に対し105重量部以上と
    し、α化度を85%以下に保持し、且つ、前記一連の工
    程において、全工程は密閉容器内で行うとともに、少な
    くとも、第1段階の加温は、ゆっくり行い、また、第2
    段階での冷却は、一定期間の冷蔵及び/又は冷凍処理す
    ることなく、急速に行うことを特徴とする吸水米の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 洗米または浸漬米と当該米の生米100
    重量部に対し90重量部以上に相当する水、スープ、ソ
    ース、ダシ汁、酢または調味液等から選定される少なく
    とも1種の液とを容器に入れて密閉した後、第1段階に
    おいて当該容器中の米を65℃以上に加温して含水量を
    生米100重量部に対し42重量部以上とした吸水米と
    し、第2段階においてこの吸水米を0〜25℃、好まし
    くは2〜15℃に冷却し、第3段階においてこの吸水米
    を25〜70℃、好ましくは30〜65℃に加温して含
    水量を生米100重量部に対し75重量部以上とした吸
    水米とし、第4段階においてこの吸水米を0〜25℃、
    好ましくは2〜15℃に冷却し、第5段階においてこの
    吸水米を25〜70℃、好ましくは30〜65℃に加温
    して含水量を生米100重量部に対し105重量部以
    上、好ましくは120〜160重量部とし、α化度を8
    5%以下、好ましくは30〜60%に保持し、且つ、前
    記一連の工程において、全工程は密閉容器内で行うとと
    もに、少なくとも、第1段階の加温は、ゆっくり行い、
    また、第2段階での冷却は、一定期間の冷蔵及び/又は
    冷凍処理することなく、急速に行うことを特徴とする吸
    水米の製造方法。
  4. 【請求項4】 加温はゆっくり行い、冷却は急速に行う
    が、第1段階のゆっくりした加温として、一旦、60℃
    程度に予備加温した後、その後65℃以上、好ましく
    は、80℃〜90℃に加温することを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれか1項に記載の吸水米の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 加温及び/又は冷却時に、当該容器を水
    平〜垂直方向に動かすことを特徴とする請求項1〜請求
    項4のいずれか1項に記載の吸水米の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記
    載の製造方法で製造してなる、α化度を85%以下に保
    持した密封容器入り吸水米。
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