JP4665343B2 - 樹脂組成物、成形体及び成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、成形体及び成形体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物、成形体及び成形体の製造方法に関するものである。詳細には、高い耐熱性を示し、黄色に着色することを抑制した成形体に関するものであり、またこの成形体を製造するための方法と、原料としての樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メチルメタクリレートを主成分とするメタクリル系樹脂は、透明性、表面光沢、耐候性、機械的性質などに優れているため、照明器具、自動車用部品、看板、建材など各種用途に広く利用されている。
【0003】
しかしながら、メタクリル系樹脂を自動車のメーターカバーや照明器具のランプカバーなどの比較的高温となる所に使用した場合、耐熱性が不十分で変形する問題がしばしば生じていた。
【0004】
耐熱性を付与する方法として、メタクリル系樹脂を重合する際に1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2個有する不飽和単量体を添加して、架橋重合体とする方法がある。
【0005】
この方法を応用し、さらに改良した樹脂組成物として、本発明者は先に、メチルメタクリレートを主成分とする単官能不飽和単量体と1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2個有する多官能不飽和単量体とからなる単量体混合物に、メチルメタクリレートを主成分とする不飽和単量体の重合体であって部分的に架橋した樹脂粒子及びラジカル重合開始剤を添加したものを提案している(特開2000−226406号公報)。この樹脂組成物は成形性に優れるものであり、またこれを成形することにより、高い耐熱性を示す成形体を得ることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開2000−226406号公報記載の樹脂組成物は、一般的なメタクリル系材料に比較すると軟化温度が高く、高い耐熱性を示すものであるが、多官能不飽和単量体としてある種のものを使用した場合、得られる成形体が黄色に着色することがあった。
【0007】
本発明者らは、高い耐熱性を示し、かつ黄色着色の少ないメタクリル系樹脂について検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(D)を含有してなることを特徴とする樹脂組成物を提供するものである。
(A)メチルメタクリレートを主体とする単官能不飽和単量体と、1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2個有する多官能不飽和単量体を含有する単量体混合物を30〜60重量部、
(B)メチルメタクリレートを主成分とする不飽和単量体の重合体であって、部分的に架橋した樹脂からなる粒子を含む樹脂粒子を40〜70重量部、
(C)ラジカル重合開始剤、及び
(D)テルペノイド化合物。
【0009】
また本発明は、前記の樹脂組成物を硬化してなる成形体を提供するものである。
【0010】
さらに本発明は、前記の成分(A)〜(D)を混合、熟成して成形材料とした後、この成形材料を賦型、硬化する成形体の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の樹脂組成物の成分(A)は、メチルメタクリレートを主成分とする単官能不飽和単量体と、1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2個有する多官能不飽和単量体を含有する単量体混合物である。メチルメタクリレートを主成分とする単官能不飽和単量体とは、メチルメタクリレート単独、又はメチルメタクリレートとこれに共重合可能な単官能不飽和単量体との混合物のことを示し、メチルメタクリレートの量が50重量%以上のものであり、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上のものである。またメチルメタクリレートに共重合可能な単官能不飽和単量体は、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレートのようなメタクリル酸又はアクリル酸と脂肪族、芳香族、脂環族アルコールとのエステル;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートのようなヒドロキシアルキルエステル類等の(メタ)アクリル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸のような不飽和酸類;スチレン、α−メチルスチレンのようなスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル,無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、酢酸ビニル等である。これらは単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
【0012】
成分(A)の単量体混合物を構成する、1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2個有する多官能不飽和単量体は、例えば、アリルメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等である。これらも単独で、又は2種以上混合して使用することができる。
【0013】
上記の単官能不飽和単量体と、多官能不飽和単量体の量比は、前者を20〜90重量%、後者を10〜80重量%とすることが好ましい。多官能不飽和単量体の量が10重量%より少ないと、十分な耐熱性を示す成形体を得ることができない。また多官能不飽和単量体の量が80重量%より多いと、得られる成形体の衝撃強度が低下する。
【0014】
本発明の樹脂組成物の成分(B)は、メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体の重合体からなる樹脂粒子である。メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体の重合体とは、メチルメタクリレートが50重量%以上のメタクリル系樹脂組成物の重合体であり、メチルメタクリレート、又はメチルメタクリレートとこれに共重合可能な単官能不飽和単量体とを含む混合物を重合して得られるものをいう。メタクリル系樹脂組成物中のメチルメタクリレートの量は、通常50重量%以上であるが、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。メチルメタクリレートに共重合可能な単官能不飽和単量体には、上で示したものが適用できる。
【0015】
また、この重合体からなる樹脂粒子の一部又は全部の粒子は、部分的に架橋したものである。樹脂粒子のうち、このような架橋樹脂粒子の割合は通常20〜100重量%である。架橋樹脂粒子の占める割合が20重量%より少ないと、得られる成形材料は付着しやすくなり、取扱性が低下する。架橋樹脂粒子は、例えば、乳化重合、懸濁重合または分散重合のような方法でメチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体を重合する際に、上で示した多官能不飽和単量体を、不飽和単量体と多官能不飽和単量体との合計量を基準にして通常0.05〜10重量%添加することにより得ることができる。架橋樹脂粒子の他の製造方法としては、例えば、塊状重合して得られる重合体を粉砕する方法がある。なお、樹脂粒子の残りのものは、メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体の重合体であるが、架橋していないものであり、その割合は0〜80重量%である。架橋していない樹脂粒子は、多官能不飽和単量体を添加しない以外は架橋樹脂粒子の製造方法と同様の操作で得ることができる。
【0016】
樹脂粒子は、粒子径が1μm以上、100μm以下であるのものが好ましい。
粒子径1μmより小さい樹脂粒子を使用した場合、成分(A)の単量体混合物との混合が困難となる。また逆に粒子径100μmを越える樹脂粒子を使用した場合、樹脂組成物を賦形、硬化して得られる成形体の表面に、樹脂粒子による凹凸が現れることがある。
【0017】
樹脂粒子は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、離型剤、染料、顔料、又は無機系充填剤等を含むものであってもよい。
【0018】
上で示した成分(A)とこの成分(B)の量比は、成分(A)と成分(B)の合計を100重量部としたとき、前者が30〜60重量部、後者が40〜70重量部の範囲にあることが好ましい。成分(B)が多くなり成分(A)が少なくなりすぎると、得られる成形材料の成形性が低下する。また、賦形、硬化時の収縮が大きくなり表面の平滑な成形体を得るのが困難になる。一方、成分(B)が少なくなり成分(A)があまり多くなると、付着しやすくなったり、極端な場合には成形時に形状維持が困難になるなど、成形材料としての取扱性が低下する。
【0019】
本発明の樹脂組成物の成分(C)は、ラジカル重合開始剤である。このラジカル重合開始剤は、成分(A)の単量体混合物の重合を開始させることができるものであればよく、例えば、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2−シアノ−2−プロピラゾホルムアミド、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]のようなアゾ化合物;ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドのようなジアシル、ジアルキルパーオキサイド系化合物;t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートのようなパーオキシエステル系化合物;t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートのようなパーカーボネート系化合物;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンのようなパーオキシケタール系化合物等である。これらのラジカル重合開始剤は単独で又は2種類以上を組合せて使用することができる。
【0020】
重合開始剤の量は、成分(A)及び(B)の合計100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲であることが好ましい。重合開始剤の量が0.1重量部より少ないとラジカル重合が終了するまでに長時間必要となる。一方、5重量部を越えると重合安定性が低下する。
【0021】
本発明の樹脂組成物の成分(D)は、テルペノイド化合物である。このテルペノイド化合物として、例えばテルピネン、ミルセン、リモネン、ターピノーレン、ピネン等が挙げられる。テルペノイド化合物は、樹脂粒子の調製のときに混合されたものであってもよいが、樹脂粒子の調製後に、その樹脂粒子と混合されたものであることが好ましい。
【0022】
テルペノイド化合物の量は、成分(A)及び(B)の合計100重量部に対して、通常0.001重量部以上である。テルペノイド化合物を0.001重量部以上使用することにより、黄色着色を抑制した樹脂組成物が得られる。テルペノイド化合物の量は多いほど、黄色着色を抑制する効果が大きくなるので好ましく、0.02重量部以上使用することが好ましい。しかし、テルペノイド化合物の量があまり多くなると、量に見合う効果が得られなかったり、又は重合が妨げられて単量体が成形体中に残存することがあるので0.1重量部以下、さらには0.05重量部以下が適当である。
【0023】
本発明の樹脂組成物は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、離型剤、染料、顔料、無機系充填剤のような樹脂粒子に含まれる添加剤とは別に、離型剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、重合抑制剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、難燃化剤又は補強剤などを含むこともできる。
【0024】
次にこの樹脂組成物を用いて得られる成形体について説明する。成形体は、成分(A)〜(D)を含有してなる前記樹脂組成物を硬化する方法により得ることができ、具体的には、例えば、この樹脂組成物を80〜200℃に加熱することにより硬化させて得られる。
【0025】
また、成形体の製造には、上で示した成分(A)〜(D)を混合、熟成して成形材料とした後、この成形材料を賦型、硬化する方法を適用することもできる。混合は、例えば、攪拌機構を設けた容器に成分(A)、(B)、(C)及び(D)を入れて攪拌することにより行うことができる。
【0026】
熟成は、例えば、混合により得られたスラリー状の混合物を、加熱機構を設けた容器に注入し、20℃〜100℃の温度に保持することにより行うことができる。熟成のときの温度が100℃を超えると、成分(A)である単量体混合物の重合、硬化反応が開始するため、好ましくない。一方、温度が20℃より低いと、熟成に長時間を要することになる。熟成操作により、成分(A)は、成分(B)の樹脂粒子のうち架橋した樹脂粒子内に浸透する。熟成後の混合物の外観は、粘土状または粉末状である。このとき、成分(B)の樹脂粒子のうち非架橋の樹脂粒子は、成分(A)に溶解する。熟成に用いられる容器としては、その形状は特に限定されないが、例えば、少なくとも2枚の平板と周囲をシールするシール材とから構成されるセル、袋等が挙げられ、それらの材質は単量体混合物に溶解したり、浸食されないものであればよい。
【0027】
混合、熟成は、前記のように異なる2つの容器を用いて行ってもよいが、作業効率を高める観点から、攪拌機構と加熱機構を併せ設けた装置を用いて、攪拌しながら所定の温度に加熱して、混合と熟成を1つの装置で行うこともできる。このような装置としては、例えば、2軸押出機、万能混合機、ニーダー、バンバリーミキサーのような混練装置等が挙げられる。
【0028】
賦型は、熟成により得られた成形材料を種々の形状の成形型内に投入することにより行われる。このときに用いる方法としては、例えば圧縮成形、射出成形、移送成形等がある。
【0029】
硬化は、ラジカル重合反応の通常条件で行えばよく、例えば80〜200℃の範囲に加熱する方法で行うことができる。温度が80℃未満であると、硬化が終了するまでに長時間を要する。一方、温度があまり高くなると、分解が始まり成形体を得ることが困難となる。
【0030】
このようにして得られる成形体は、高い耐熱性を示し、かつ黄色に着色することを抑制したものであり、テールランプカバー、ヘッドランプカバーのような自動車関連部品、樹脂食器類、オーブンレンジ窓のような水周り関連部品、又は各種機械カバー、各種レンズ類、太陽エネルギー利用温水器カバー、太陽電池保護カバー等に使用できるものである。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、成形材料及び成形体の評価方法は次のとおりである。
(1)成形材料の取扱性:
ポリエチレン製手袋を着用して触れた際の付着の有無を調べた。
(2)成形材料の成形性:
縦250mm×横40mmで深さ40mmの溝がある金型の溝内に55gの成形材料を入れ、温度120℃、型締め圧力80kg/cm2の条件で10分間加圧加熱して厚さ5mmの平板状の成形体を作製し、得られた成形体の外観から評価した。亀裂のない成形体が得られるものの成形性を良好とした。
(3)成形体の透明性:
前記(2)で作製した成形体について、JIS−K7105に従って厚み方向の全光線透過率(Tt)を測定した。Ttが高いものほど、透明性に優れることを表す。
(4)成形体の色調:
前記(2)で作製した成形体について、色差計を使用して透過法により厚み方向の黄色度(透過YI)を測定した。透過YIが大きいものほど、黄色に着色していることを表す。
(5)成形体の耐熱性
前記(2)で作製した成形体について、JIS−K7206に従ってビカット軟化温度を測定し、これを指標とした。
【0032】
実施例1
500mlのポリカップにメチルメタクリレート14重量部、エチレングリコールジメタクリレート(商品名“NKエステル1G”、新中村化学製)36重量部、メチルメタクリレート99.8重量%とエチレングリコールジメタクリレート0.2重量%とからなる単量体混合物を懸濁重合して得られた、粒子径4μmの架橋樹脂粒子50重量部、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.29重量部及びターピノーレン0.01重量部を入れ、撹拌、混合して、スラリー状の樹脂組成物を得た。
【0033】
この樹脂組成物をポリエチレン製袋に注入し、密閉した後、熱風乾燥炉を用いて50℃にて1時間保持して熟成した。室温まで冷却した後、袋から粉末状の成形材料を取り出した。この成形材料について、取扱性及び成形性を評価した。また、この成形材料を用いて得られた成形体について、色調及び耐熱性を評価した。これらの結果を表1に示す。
【0034】
実施例2、3
実施例1において、タービノーレンの量を表1に示す量に変えた以外は同じ操作を行った。これらの結果を表1に示す。
【0035】
比較例1
実施例1において、タービノーレンを使用しない以外は同じ操作を行った。この結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004665343
【0037】
【発明の効果】
本発明の成形体は、高い耐熱性を維持しながら、黄色に着色することを抑制したものである。また本発明の樹脂組成物は、このような成形体を得るための材料として有用である。さらに本発明の成形体の製造方法によれば、このような成形体を容易に得ることができる。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)〜(D)を含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
    (A)メチルメタクリレートの量が50重量%以上であるメチルメタクリレートとこれに共重合可能な単官能不飽和単量体との混合物又はメチルメタクリレートと、1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2個有する多官能不飽和単量体を含有する単量体混合物を30〜60重量部、
    (B)メチルメタクリレートが50重量%以上のメタクリル系樹脂組成物の重合体であって、部分的に架橋した樹脂からなる粒子を含む樹脂粒子を40〜70重量部、
    (C)ラジカル重合開始剤を成分(A)と(B)の合計100重量部に対して0.1〜5重量部、及び
    (D)テルペノイド化合物を成分(A)と(B)の合計100重量部に対して0.001〜0.1重量部
  2. テルペノイド化合物の量が、成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して、0.02〜0.1重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. テルペノイド化合物がターピノーレンである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物を硬化してなる成形体。
  5. 請求項1記載の成分(A)〜(D)を混合、熟成して成形材料とした後、この成形材料を賦型、硬化する成形体の製造方法。
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