JP3440781B2 - 樹脂組成物、それを成形してなる人造大理石及びその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、それを成形してなる人造大理石及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形性、耐熱性に優
れる人造大理石の製造に適した樹脂組成物及びその樹脂
組成物を成形してなる人造大理石に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂を主体とするシ
ートモールディングコンパウンド(SMC)、バルクモ
ールディングコンパウンド(BMC)材料はその成形作
業の簡便さから従来のハンドレイアップ成形法や、スプ
レーアップ成形法に置き換わってきており、バスタブな
どの用途に用いられている。しかし、不飽和ポリエステ
ル樹脂を主体とするこれらの材料はアルカリ性で加水分
解を起こすため、耐熱水性や耐久性に劣るという問題点
があった。これを改善するために種々の方法が提案され
ている。
【0003】例えば、特公平5−13899号公報には
多官能(メタ)アクリレートを20重量%以上含有する
単量体A100重量部に対して、メタクリル酸エステル
類を必須成分として含有する単量体から導かれる平均分
子量5万〜20万の範囲で20メッシュ以下の粒度のメ
タクリル系樹脂粉末B50〜300重量部、該単量体A
の硬化剤C0.5〜2重量部、無機質充填材D100〜
500重量部および必要によりカップリング剤、着色
剤、および補強材を常温又は硬化温度未満の加温下に混
練熟成して得られる常温で粘土状ないし固形の成形材料
を、加圧下に加熱して成形・硬化することを特長とする
天然石調品の製法が開示されている。
【0004】特開平5−32720号公報には、(a)
メタクリル酸メチルを主体とする不飽和単量体20〜6
0重量%、(b)無機粉末80〜40重量%、および
(c)メタクリル酸メチルに対する膨潤度が3〜15倍
でかつメタクリル酸メチルに不溶の樹脂微粒子1〜25
重量%よりなるアクリル樹脂プリミックスが開示されて
いる。
【0005】また、特開平7−188505号公報に
は、メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体と
メチルメタクリレートの重合体を主体とするポリマーを
主成分とするアクリルシラップ(A)100重量部に対
して、無機粉末(B)180〜260重量部と、無機粉
末を含有する樹脂粒子(C)60〜140重量部を配合
してなり、前記無機粉末を含有する樹脂粒子(C)は、
メチルメタクリレートの不溶であり、メチルメタクリレ
ートに対する1日経過後の吸油量が40〜100重量%
であり、かつ、メチルメタクリレートに対する膨潤度が
2倍以下であるアクリル樹脂プリミックスが開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
5−13899号公報に記載の方法では、樹脂成分とし
て分子量5〜20万のメタクリル系樹脂粉末を用いてお
り、混練・熟成の後の表面のべとつきが大きく、また、
混練後も形状安定性が充分でなく、放置しているだけで
流動、変形するなどという取扱性が悪い点が問題であ
る。また特開平5−32720号公報や特開平7−18
8505号公報に記載のプリミックスはいずれもメチル
メタクリレートを主体とする不飽和単量体成分を含有し
ており、メチルメタクリレートの揮発が抑制できず、貯
蔵や放置の際の安定性に欠け、また同時に臭気を伴うた
め作業環境の点からも改善が望まれていた。
【0007】本発明者はかかる事情に鑑み、取扱性がよ
く、取扱時の臭気の程度が低く、容易に成形することが
でき、人造大理石の製造に適した樹脂組成物について鋭
意検討した結果、特定量の1分子内にラジカル重合可能
な二重結合を少なくとも2個有する不飽和単量体または
該不飽和単量体と共重合可能な不飽和単量体との混合
物、無機充填剤、架橋した樹脂粒子、メチルメタクリレ
ート単位を有する樹脂、ラジカル重合開始剤からなる樹
脂組成物が、取扱性がよく、取扱時の臭気の程度が低
く、容易に人造大理石を製造できることを見出し、本発
明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、次の
成分(a)〜(e)を含有してなる樹脂組成物およびこ
の樹脂組成物を成形してなる人造大理石である。 (a)1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少なく
とも2個有する不飽和単量体、または該不飽和単量体と
共重合可能な不飽和単量体との混合物であって該不飽和
単量体を50重量%以上含有するもの10〜40重量% (b)無機充填剤50〜85重量% (c)架橋した樹脂粒子1〜20重量% (d)メチルメタクリレート単位を有する樹脂0.1〜
20重量% (e)ラジカル重合開始剤0.01〜5重量%
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2
個有する不飽和単量体としては、例えば、アリルメタク
リレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、
ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレート;等が挙げられる。
【0010】また、共重合可能な不飽和単量体として
は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボル
ニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のメタク
リル酸またはアクリル酸と脂肪族、芳香族、脂環族アル
コールとのエステル;ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシア
ルキルエステル類等の(メタ)アクリル系単量体;アク
リル酸、メタクリル酸等の不飽和酸類;スチレン、α−
メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;無水マ
レイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイ
ミド、酢酸ビニル等の単官能の不飽和単量体が挙げられ
るが、これらに限定されるものではなく、1分子内にラ
ジカル重合可能な二重結合を少なくとも2個有する不飽
和単量体と共重合するものを適宜選択して用いることが
できる。
【0011】本発明において、1分子内にラジカル重合
可能な二重結合を少なくとも2個有する不飽和単量体と
共重合可能な不飽和単量体との混合物とは、1分子内に
ラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2個有する不
飽和単量体を50重量%以上含有する単量体の混合物で
ある。なお、1分子内にラジカル重合可能な二重結合を
少なくとも2個有する不飽和単量体、およびこれと共重
合可能な不飽和単量体は、それぞれ2種以上混合して用
いることもできる。また、これらの不飽和単量体には重
合体を溶解させて用いることもできる。以下、特に区別
しない限り、両方の不飽和単量体を一括して単に不飽和
単量体と称する。
【0012】樹脂組成物中の不飽和単量体の含有量は1
0〜40重量%の範囲である。この量が10重量%より
少ないと樹脂組成物を成形する際に充分な成形性が得ら
れず、逆に40重量%より多い場合には、混練後の表面
のべとつきなどが大きく、また、形状維持も困難となる
ため取扱が悪く好ましくない。
【0013】本発明における無機充填剤とは、不飽和単
量体に不溶でその重合反応を妨害しないもので有れば特
に制限はない。このような無機充填剤の例として、例え
ば、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭酸カル
シウム、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、シリカ、タルク、クレー、ベントナイトなど
を挙げることが出来るが、これらに制限されるものでは
ない。アクリル人造大理石の外観、物性などの点から水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカが好ま
しい。無機充填剤として、ガラス繊維を含有させること
もできる。ガラス繊維の材質としては特に制限はなく、
通常用いられるアルカリガラス、無アルカリガラスなど
を用いることができる。これら無機充填剤は1種類では
なく、2種類以上併用して用いることも可能である。
【0014】樹脂組成物中の無機充填剤の量は50〜8
5重量部の範囲である。50重量部より少ない場合には
人造大理石調の外観や質感が得られず、85重量部より
多い場合には混合時に均一とするのが困難となるため好
ましくない。
【0015】架橋した樹脂粒子としては、例えば、乳化
重合、懸濁重合、分散重合などの重合で得られる樹脂粒
子を用いることが出来る。また、他の重合方法で得られ
た架橋重合体を粉砕した粒子も用いることが出来る。粒
子の大きさとしては一般に1〜100μmのものが好適
に使用できる。100μmを越える大きさの粒子を使用
した場合には、成形後に粒子形状が目立つことがあるた
めに好ましくない。ただし、石目調の外観とする場合な
どの意匠性の付与を目的とする場合は粒子の大きさに特
に制限はない。架橋した樹脂粒子の量としては1〜20
重量%の範囲である。この量が1重量%より少ないと組
成物のべとつきが大きくなり、取扱性が悪くなる。20
重量%より多い場合には組成物の形状保持性が低下し、
取扱性が悪くなる。
【0016】メチルメタクリレート単位を有する樹脂と
は、メチルメタクリレートの単独重合体またはメチルメ
タクリレートと共重合可能な不飽和単量体との共重合体
をいう。メチルメタクリレートと共重合可能な不飽和単
量体としては、例えば、(A)メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート等のメタクリル酸またはアクリル酸と脂肪族、芳
香族、脂環族アルコールとのエステル;ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート
等のヒドロキシアルキルエステル類等の(メタ)アクリ
ル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和酸
類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量
体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和
ニトリル類;無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シ
クロヘキシルマレイミド、酢酸ビニル等の単官能の不飽
和単量体、(B)アリルメタクリレート、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタ
ントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタン
テトラ(メタ)アクリレートなどの一分子内にラジカル
重合可能な二重結合を複数個有する多官能の不飽和単量
体;等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0017】樹脂組成物中のメチルメタクリレート単位
を有する樹脂の含有量は0.1〜20重量%の範囲であ
る。0.1重量%より少ない場合には組成物の形状保持
性が弱く、取り扱い性が悪くなる。また、20重量部よ
り多い場合には混合時の粘度が著しく大きくなり、混合
が困難となるため望ましくない。
【0018】樹脂組成物には、不飽和単量体を重合硬化
させるためにラジカル重合開始剤を添加する。ラジカル
重合開始剤としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス
(2,4,4−トリメチルペンテン)、2,2’−アゾ
ビス(2−メチルプロパン)、2−シアノ−2−プロピ
ラゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキ
シ−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2
−メチル−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチル−4メトキシバレロニトリル)、2,2’−ア
ゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピ
オネート)などのアゾ化合物;ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイドなどのジアシル、ジアルキルパーオキ
サイド系開始剤;t−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウ
レート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブ
チルパーオキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシ
ヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキ
シアゼレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパー
オキシ−2−エチルへキサノエート、t−アミルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキ
シピバレートなどのパーオキシエステル系開始剤;t−
ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネートなどのパーカーボネイ
ト系開始剤;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロ
ヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−
ヘキシルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサンなどのパーオキシケタール系開始剤などが挙げら
れる。
【0019】これらの重合開始剤は、不飽和単量体10
0重量部に対して0.01〜5重量部の量を添加する。
0.01重量部より少ないとラジカル重合を行うのに長
時間かかり、また、5重量部を越えた場合には不飽和単
量体を安定して重合できなくなるため好ましくない。こ
れらのラジカル重合開始剤は2種類以上を併用すること
も可能である。
【0020】本発明の樹脂組成物には、リン原子を有す
る界面活性剤を含ませることが好ましい。リン原子を有
する界面活性剤を含ませることによって樹脂組成物の混
合時の均一性が向上する。特に無機充填剤を多く含む場
合には有効である。
【0021】リン原子を有する界面活性剤としては、下
記の一般式 化1
【化1】RO(CH2CH2O)n P(O)(OH)2 で示されるリン酸モノエステル、または下記の一般式
化2
【0022】
【化2】[RO(CH2CH2O)n ]2P(O)OH で示されるリン酸ジエステルが挙げられる。なお、式
中、いずれもRは炭素数8〜30のアルキル基またはア
ルキルフェノールを、nは酸化エチレンの平均付加モル
数で1〜10を表す。
【0023】このリン原子を有する界面活性剤は上記の
成分(a)〜(e)を含有する樹脂組成物100重量部
に対して0.01〜5重量部添加される。0.01重量
部より少ない場合には、混合時の粘度が高く、逆に5重
量部を越えると耐水性などの低下を招くことがある。
【0024】また、本発明の樹脂組成物には、離型剤、
紫外線吸収剤、染料、顔料、重合抑制剤、連鎖移動剤、
酸化防止剤、難燃化剤、カップリング剤、補強剤などを
さらに含ませることができる。
【0025】樹脂組成物は、不飽和単量体、無機充填
剤、架橋した樹脂粒子、メチルメタクリレート単位を有
する樹脂、ラジカル重合開始剤、必要によりリン原子を
有する界面活性剤を混合して、スラリー状ないし餅状で
得られる。混合のし易さから、メチルメタクリレート単
位を有する樹脂は、予め、不飽和単量体に溶解させた
後、混合する方法が好ましく用いられが、樹脂を不飽和
単量体に懸濁した状態で行うことも可能であるし、全成
分を適宜混合して行うことも可能である。
【0026】次にこの樹脂組成物を成形して人造大理石
の製造する方法について説明する。混合後の樹脂組成物
がスラリー状の場合には、樹脂組成物を封入する容器と
して、相対する少なくとも2枚の平板と周囲をシールす
るシール材とから構成されるセルを使用することも可能
である。平板の材質は、前記の不飽和単量体に溶解した
り、浸食されないもので有れば特に制限はされない。通
常、ガラス板や金属板等が用いられる。金属板の場合は
ベルト式の連続した平板も用いることができる。また、
セルの内面に予め離型フィルムを敷いておいたり、セル
の内側に内袋を挿入して行うことも可能である。
【0027】混合後の樹脂組成物が餅状で粘度が高い場
合には、フィルムで包むか、袋に入れるかまたは蓋付き
の容器などに封入する。粘度が高い場合の樹脂組成物の
混合にはニーダーなど公知の混合装置を使用すればよ
い。また、容器などに封入する場合も減圧脱泡などの処
理を行っても良い。
【0028】混合した樹脂組成物は容器などに封入し、
30〜100℃に加熱して熟成を行う。不飽和単量体は
この熟成中に、添加した樹脂粒子内に含浸し、スラリー
状から粘土状に変化してゆく。100℃を越えて加熱し
た場合には、添加したラジカル重合開始剤による硬化反
応が開始するため、好ましくない。また、30℃より低
い温度では熟成に長時間を要するため好ましくない。従
って、熟成温度としては30〜100℃の範囲が望まし
い。熟成の条件は使用する架橋粒子、不飽和単量体の組
成等によって適宜選択される。
【0029】熟成終了後、セルを構成する少なくとも2
枚の平板を除去して粘土状のコンパウンドが得られる。
平板状の人造大理石を製造する場合には、このままさら
に温度を高めてラジカル重合による硬化反応を行い、人
造大理石板を得ることができる。また、種々の形状の成
形型内に上記の粘土状のコンパウンドを投入し、加圧、
加熱して賦型および硬化反応を行い、種々の形状の成形
体を得ることが出来る。
【0030】ラジカル重合による成形硬化反応を行うに
は、80〜200℃の温度が好ましい。80℃を下回る
場合には、硬化反応に長時間を要することとなり工業的
には不利となる。逆に200℃を越えた温度で加熱した
場合には分解や着色が起こるため好ましくない。
【0031】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は取扱性が良好で、
取扱時の臭気の程度が低く、また容易に成形して人造大
理石を得ることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
評価は次のとおり行った。 (1)コンパウンドの取扱性:熟成後の硬さをゴム硬度
計で測定して評価した。 (2)臭気:50×50×3mmのコンパウンドを40
℃の環境に放置したときのコンパウンドの重量減少速
度、すなわち揮発速度を測定して評価した。
【0033】実施例1 500mlの丸底フラスコに、ポリメチルメタクリレー
ト(スミペックスMH(住友化学工業(株)製))30
重量部をメタクリル酸メチル70重量部に溶解したシロ
ップ8.2重量部、ネオペンチルグリコールジメタクリ
レート(NKエステルNPG(新中村化学(株)製))
21.8重量部、架橋粒子として、特開平5−1559
07号公報、実施例4の方法で得られる粒子7.8重量
部、水酸化アルミニウム(CW−325(住友化学工業
(株)製))60重量部、ガラス繊維(RES03−B
M31(日本板硝子(株)製))1.5重量部、重合開
始剤(カヤカルボンBIC−75(化薬アクゾ(株)
製))0.15重量部を入れ、撹拌、混合してスラリー
状の樹脂組成物を得た。
【0034】この樹脂組成物を内面にポリエチレンフィ
ルムを貼り付けたガラス板(厚さ5mm)と塩化ビニル
樹脂製ガスケットによりガラス板の間隙が3mmとなる
ように構成されたセルに注入し、60℃の熱風乾燥炉に
5時間放置して熟成した。室温まで冷却した後、ガラス
板を除去して粘土状のコンパウンドを得た。このコンパ
ウンドのゴム硬度は25、重量減少速度は0.0012
g/cm2/hrであった。
【0035】次に、120×120×20mmの皿形成
形型内に120gのコンパウンドを投入し、温度120
℃、型締め圧力70kg/cm2 の条件で30分間熱圧
縮成形して人造大理石を作製した。成形後の外観はクラ
ックもなく良好であった。
【0036】実施例2 1リットルの丸底フラスコにネオペンチルグリコールジ
メタクリレート(NKエステルNPG(新中村化学
(株)製))13.3重量部、メタクリル酸メチル3重
量部、架橋粒子として、特開平5−155907号公
報、実施例4の方法で得られる粒子6重量部、ポリメチ
ルメタクリレート(スミペックスMH(住友化学工業
(株)製))6重量部、水酸化アルミニウム(CW−3
25(住友化学工業(株)製))70重量部、ガラス繊
維(RES03−BM31(日本板硝子(株)製))
1.5重量部、重合開始剤(カヤカルボンBIC−75
(化薬アクゾ(株)製))0.12重量部、界面活性剤
(フォスファノールRS−710(東邦化学(株)
製))0.3重量部を入れ、撹拌、混合してスラリー状
の樹脂組成物を得た。
【0037】この樹脂組成物を内面にポリエチレンフィ
ルムを貼り付けたガラス板(厚さ5mm)と塩化ビニル
樹脂製ガスケットによりガラス板の間隙が3mmとなる
ように構成されたセルに注入し、60℃の熱風乾燥炉に
5時間放置して熟成した。室温まで冷却した後、ガラス
板を除去して粘土状のコンパウンドを得た。このコンパ
ウンドのゴム硬度は33、重量減少速度は0.0006
g/cm2/hrであった。なお、このスラリー状の樹
脂組成物は実施例1の樹脂組成物に比べセルへの注入が
容易であった。
【0038】次に、このコンパウンドを用いて実施例1
と同様に熱圧縮成形して人造大理石を作製した。成形後
の外観はクラックもなく良好であった。
【0039】実施例3 ネオペンチルグリコールジメタクリレートに代えて、ジ
エチレングリコールジメタクリレート(NKエステル2
G(新中村化学(株)製))13.3重量部を用いる他
は実施例2と同様にして、粘土状のコンパウンドを得
た。このコンパウンドのゴム硬度は28、重量減少速度
は0.0008g/cm2/hrであった。次に、この
コンパウンドを用いて実施例1と同様に熱圧縮成形して
人造大理石を作製した。成形後の外観はクラックもなく
良好であった。
【0040】実施例4 ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NKエステ
ルNPG(新中村化学(株)製))10.6重量部、メ
タクリル酸メチル4重量部、架橋粒子として、特開平5
−155907号公報、実施例4の方法で得られる粒子
11重量部、メチルメタクリレートとスチレンとの共重
合体(10:90)6.3重量部、水酸化アルミニウム
(CW−325(住友化学工業(株)製))60重量
部、ガラス繊維(RES03−BM31(日本板硝子
(株)製))7.9重量部、重合開始剤(カヤカルボン
BIC−75(化薬アクゾ(株)製))0.36重量
部、界面活性剤(フォスファノールRS−710(東邦
化学(株)製))0.24重量部をラボプラストミル
(東洋精機(株)製)で混合し、餅状の樹脂組成物を得
た。これをポリエチレン製の袋に封入し、80mmHg
で3分間脱泡した。さらにこの袋の口を封じて60℃の
熱風乾燥炉に7時間放置して熟成した。室温まで冷却し
た後、粘度状のコンパウンドを得た。このコンパウンド
の硬度は33、重量減少速度は0.0022g/cm2
/hrであった。
【0041】次にこのコンパウンドをもちいて実施例1
とどうように熱圧縮成形して人造大理石を作製した。成
形後の外観はクラックもなく良好であった。
【0042】比較例1 ネオペンチルグリコールジメタクリレートに代えて、メ
チルメタクリレート13.3重量部を用いる他は実施例
2と同様にして、撹拌、混合を行った。撹拌途中に流動
性が無くなり、均一な混合が出来なくなった。この混合
物はセルに注入できなかった。この状態のまま、混合物
を内面にポリエチレンフィルムを貼り付けた2枚のガラ
ス板(厚さ5mm)で挟み込み、周辺を塩化ビニル樹脂製
ガスケットによりシールした。さらに、60℃の熱風乾
燥炉に5時間放置して熟成した。室温まで冷却した後、
ガラス板を除去してコンパウンドを得た。このコンパウ
ンドのゴム硬度は15、重量減少速度は0.012g/
cm2 /hrでメチルメタクリレートの臭気のするもの
であった。また、実施例1と同様に熱圧縮成形を行った
ところ、金型を開いた際に成型品にはクラックが多数発
生した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 3/22 C08K 3/22 5/49 5/49 7/14 7/14 7/16 7/16 C08L 33/12 C08L 33/12 //(C04B 26/06 C04B 14:42 14:42 16:04 16:04) 111:54 111:54 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C08F 2/44 C04B 26/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(a)〜(e)を含有してなる
    樹脂組成物。 (a)1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少なく
    とも2個有する不飽和単量体、または該不飽和単量体と
    共重合可能な不飽和単量体との混合物であって該不飽和
    単量体を50重量%以上含有するもの10〜40重量% (b)無機充填剤50〜85重量% (c)架橋した樹脂粒子1〜20重量% (d)メチルメタクリレート単位を有する樹脂0.1〜
    20重量% (e)ラジカル重合開始剤0.01〜5重量%
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の成分(a)〜(e)
    に、さらに(f)リン原子を有する界面活性剤を含有し
    てなる樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 無機充填剤が水酸化アルミニウムである
    請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機充填剤がガラス繊維である請求項1
    記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載の樹脂組成
    物を成形してなる人造大理石。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載の樹脂組
    成物を30〜100℃の温度で加熱して粘土状のコンパ
    ウンドとし、ついで該コンパウンドを80〜200℃で
    熱圧縮成型することを特徴とする人造大理石の製造方
    法。
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