JP2003073430A - 樹脂組成物、成形体および成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、成形体および成形体の製造方法

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JP2003073430A
JP2003073430A JP2001266882A JP2001266882A JP2003073430A JP 2003073430 A JP2003073430 A JP 2003073430A JP 2001266882 A JP2001266882 A JP 2001266882A JP 2001266882 A JP2001266882 A JP 2001266882A JP 2003073430 A JP2003073430 A JP 2003073430A
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unsaturated monomer
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molding
methyl methacrylate
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JP2001266882A
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Mutsuhide Amekawa
睦英 飴川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐熱性を示し、かつ耐衝撃性に優れるメ
タクリル系樹脂成形体、その製造方法および原料として
の樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 次の成分(A)〜(D)を含有してなる
ことを特徴とする樹脂組成物およびこの樹脂組成物を混
合、熟成して成形材料とした後、この成形材料を賦型、
硬化する成形体の製造方法。 (A)メチルメタクリレートを主体とする単官能不飽和
単量体と、1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少
なくとも2個有する多官能不飽和単量体を含有する単量
体混合物を30〜60重量部、(B)メチルメタクリレ
ートを主成分とする不飽和単量体の重合体であって、部
分的に架橋した樹脂からなる粒子を含む樹脂粒子を40
〜70重量部、(C)分子量500〜2000の2官能
メタクリレート、および(D)ラジカル重合開始剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂組成物、成形
体および成形体の製造方法に関するものである。詳細に
は、十分な透明性および耐熱性を有し、かつ耐衝撃性に
優れる成形体に関するものであり、またこの成形体を製
造するための方法と、原料としての樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】メチルメタクリレートを主成分とする単
量体から得られるメタクリル系樹脂は、透明性、表面光
沢、耐候性、機械的性質などに優れているため、照明器
具、自動車用部品、看板、建材など各種用途に広く利用
されている。
【0003】しかしながら、メタクリル系樹脂を自動車
のメーターカバーや照明器具のランプカバーなどの比較
的高温となる所に使用した場合、耐熱性が不十分で変形
する問題がしばしば生じていた。
【0004】耐熱性を付与する方法として、メタクリル
系樹脂を重合する際に1分子内にラジカル重合可能な二
重結合を少なくとも2個有する不飽和単量体を添加し
て、架橋重合体とする方法がある。
【0005】この方法を応用し、さらに改良した樹脂組
成物として、本発明者は先に、メチルメタクリレートを
主成分とする単官能不飽和単量体と1分子内にラジカル
重合可能な二重結合を少なくとも2個有する多官能不飽
和単量体とからなる単量体混合物に、メチルメタクリレ
ートを主成分とする不飽和単量体の重合体であって部分
的に架橋した樹脂粒子およびラジカル重合開始剤を添加
したものを提案している(特開2000−226406
号公報)。この樹脂組成物は成形性に優れるものであ
り、またこれを成形することにより、高い耐熱性を示す
成形体を得ることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開2000−226
406号公報記載の樹脂組成物は、一般的なメタクリル
系材料に比較すると軟化温度が高く、高い耐熱性を示す
ものであるが、耐衝撃性は必ずしも十分とは言えず、さ
らなる改良が望まれていた。
【0007】本発明者らは、高い耐熱性を示し、かつ耐
衝撃性に優れるメタクリル系樹脂について検討した結
果、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 次
の成分(A)〜(D)を含有してなることを特徴とする
樹脂組成物を提供するものである。 (A)メチルメタクリレートを主体とする単官能不飽和
単量体と、1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少
なくとも2個有する多官能不飽和単量体を含有する単量
体混合物を30〜60重量部、(B)メチルメタクリレ
ートを主成分とする不飽和単量体の重合体であって、部
分的に架橋した樹脂からなる粒子を含む樹脂粒子を40
〜70重量部、(C)分子量500〜2000の2官能
メタクリレート、および(D)ラジカル重合開始剤。
【0009】また本発明は、前記の樹脂組成物を硬化し
てなる成形体を提供するものである。
【0010】さらに本発明は、前記の成分(A)〜
(D)を混合、熟成して成形材料とした後、この成形材
料を賦型、硬化する成形体の製造方法を提供するもので
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物の成分(A)は、メチルメタクリレ
ートを主成分とする単官能不飽和単量体と、1分子内に
ラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2個有する多
官能不飽和単量体を含有する単量体混合物である。メチ
ルメタクリレートを主成分とする単官能不飽和単量体と
は、メチルメタクリレート単独、またはメチルメタクリ
レートとこれに共重合可能な単官能不飽和単量体との混
合物のことを示し、メチルメタクリレートの量が50重
量%以上のものであり、好ましくは70重量%以上、さ
らに好ましくは90重量%以上のものである。またメチ
ルメタクリレートに共重合可能な単官能不飽和単量体
は、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレートのようなメタクリル酸またはアクリル酸
と脂肪族、芳香族、脂環族アルコールとのエステル;ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレートのようなヒドロキシアルキルエステル類等
の(メタ)アクリル系単量体;アクリル酸、メタクリル
酸のような不飽和酸類;スチレン、α−メチルスチレン
のようなスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタク
リロニトリル,無水マレイン酸、フェニルマレイミド、
シクロヘキシルマレイミド、酢酸ビニル等である。これ
らは単独もしくは2種以上混合して使用することができ
る。
【0012】成分(A)の単量体混合物を構成する、1
分子内にラジカル重合可能な二重結合を少なくとも2個
有する多官能不飽和単量体は、例えば、エチレングリコ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリ
コールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメ
タントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
アクリレートのようなアクリレート;アリルメタクリレ
ート(分子量126)、エチレングリコールジメタクリ
レート(分子量198)、ジエチレングリコールジメタ
クリレート(分子量242)、トリエチレングリコール
ジメタクリレート(分子量286)、テトラエチレング
リコールジメタクリレート(分子量330)、1,3−
ブチレングリコールジメタクリレート(分子量22
6)、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(分
子量226)、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト(分子量240)のような分子量500未満のメタク
リレート;トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラメタクリレートのような3官
能以上のメタクリレート;ジビニルベンゼン、ジアリル
フタレート等である。これらも単独で、または2種以上
混合して使用することができる。
【0013】上記の単官能不飽和単量体と、多官能不飽
和単量体の量比は、前者を20〜90重量%、後者を1
0〜80重量%とすることが好ましい。多官能不飽和単
量体の量が10重量%より少ないと、十分な耐熱性を示
す成形体を得ることができない。また多官能不飽和単量
体の量が80重量%より多いと、得られる成形体の耐衝
撃性が低下することがある。
【0014】本発明の樹脂組成物の成分(B)は、メチ
ルメタクリレートを主体とする不飽和単量体の重合体か
らなる樹脂粒子である。メチルメタクリレートを主体と
する不飽和単量体の重合体とは、メチルメタクリレート
が50重量%以上のメタクリル系樹脂組成物の重合体で
あり、メチルメタクリレート、またはメチルメタクリレ
ートとこれに共重合可能な単官能不飽和単量体とを含む
混合物を重合して得られるものをいう。メタクリル系樹
脂組成物中のメチルメタクリレートの量は、通常50重
量%以上であるが、好ましくは70重量%以上、さらに
好ましくは90重量%以上である。ここで用いるメチル
メタクリレートに共重合可能な単官能不飽和単量体に
は、先に成分(A)中のメチルメタクリレートに共重合
可能な単官能不飽和単量体として例示したのと同様のも
のが適用できる。
【0015】また、この重合体からなる樹脂粒子の一部
または全部の粒子は、部分的に架橋したものである。樹
脂粒子のうち、このような架橋樹脂粒子の割合は通常2
0〜100重量%である。架橋樹脂粒子の占める割合が
20重量%より少ないと、得られる成形材料は付着しや
すくなり、取扱性が低下する。架橋樹脂粒子は、例え
ば、乳化重合、懸濁重合または分散重合のような方法で
メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体を重合
する際に、多官能不飽和単量体を、不飽和単量体と多官
能不飽和単量体との合計量を基準にして通常0.05〜
10重量%添加することにより調製することができる。
架橋樹脂粒子の調製に用いる多官能不飽和単量体は、例
えば、アリルメタクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチ
ロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロ
ールメタンテトラ(メタ)アクリレート等である。架橋
樹脂粒子の他の製造方法としては、例えば、塊状重合し
て得られる重合体を粉砕する方法がある。なお、樹脂粒
子の残りのものは、メチルメタクリレートを主体とする
不飽和単量体の重合体であるが、架橋していないもので
あり、その割合は0〜80重量%である。架橋していな
い樹脂粒子は、前記の多官能不飽和単量体を添加しない
以外は架橋樹脂粒子の製造方法と同様の操作で得ること
ができる。
【0016】樹脂粒子は、粒子径が1μm以上、100
μm以下であるのものが好ましい。粒子径1μmより小
さい樹脂粒子を使用した場合、成分(A)の単量体混合
物との混合が困難となる。また逆に粒子径100μmを
越える樹脂粒子を使用した場合、樹脂組成物を賦形、硬
化して得られる成形体に樹脂粒子が光学的に一体化する
ことなく、その粒子形状が目立つようになったり、また
は成形体の表面に、樹脂粒子による凹凸が現れたりする
ことがある。
【0017】樹脂粒子は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
連鎖移動剤、離型剤、染料、顔料、または無機系充填剤
等を含むものであってもよい。
【0018】上で示した成分(A)とこの成分(B)の
量比は、成分(A)と成分(B)の合計を100重量部
としたとき、前者が30〜60重量部、後者が40〜7
0重量部の範囲とする。成分(B)が多くなり成分
(A)が少なくなると、得られる成形材料の成形性が低
下する。成形性の低下は、成型材料の粘度が高くなるこ
とによるものと考えられ、成形性の低い材料では、金型
の中で十分な流動ができなくなったり、または金型表面
の微細な形状を転写することが困難になる。一方、成分
(B)が少なくなり成分(A)が多くなると、付着しや
すくなったり、極端な場合には成形時に形状維持が困難
になるなど、成形材料としての取扱性が低下する。ま
た、賦形、硬化時の収縮が大きくなり表面の平滑な成形
体を得るのが困難になる。
【0019】本発明の樹脂組成物の成分(C)は、2官
能メタクリレートである。ここで用いる2官能メタクリ
レートは、分子量が500〜2000であり、メタクリ
ロイル基を2個有するものであればよく、例えば、式
(I) CH2=C(CH3)COO(C2H4O)mCOC(CH3)=CH2 (I) 〔式(I)中、mは8〜41である〕で表されるポリエチ
レングリコールジメタクリレート、式(II) CH2=C(CH3)COO(C3H6O)nCOC(CH3)=CH2 (II) 〔式(II)中、nは6〜31である〕で表されるポリプロ
ピレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。こ
れらは単独で、または2種以上混合して使用することが
できる。2官能メタクリレートの分子量が500より小
さいと、十分な耐衝撃性を示す成形体を得ることができ
ない。一方、分子量が2000より大きいと、得られる
成形体の透明性が低下することがある。
【0020】上で示した2官能メタクリレートの量は、
成分(A)と(B)の合計100重量部に対して、通常
3重量部以上である。この2官能メタクリレートを3重
量部以上用いることにより、耐衝撃性に優れる成形体を
得ることができる。この2官能メタクリレートの量はあ
まり多くしても、量に見合った耐衝撃性の向上が望めな
いばかりか、得られる成形体の耐熱性が低下することが
あるので、20重量部以下であることが好ましい。
【0021】本発明の樹脂組成物の成分(D)は、ラジ
カル重合開始剤である。このラジカル重合開始剤は、成
分(A)および(C)の混合物の重合を開始させること
ができるものであればよく、例えば、1,1'−アゾビ
ス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'
−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,
2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2−シアノ−
2−プロピラゾホルムアミド、ジメチル2,2'−アゾ
ビス(2−メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビ
ス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2'−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス[2−(2
−イミダゾリン−2−イル)プロパン]のようなアゾ化
合物;ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドのような
ジアシル、ジアルキルパーオキサイド系化合物;t−ブ
チルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパー
オキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレ
ート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,
3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへ
キサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエートのようなパーオキシエステル系化合物;t−
ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネートのようなパーカーボネ
ート系化合物;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシク
ロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−
ヘキシルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサンのようなパーオキシケタール系化合物等である。
これらのラジカル重合開始剤は単独で、または2種類以
上を組合せて使用することができる。
【0022】重合開始剤の量は、成分(A)、(B)お
よび(C)の合計100重量部に対して0.1〜5重量
部の範囲であることが好ましい。重合開始剤の量が0.
1重量部より少ないとラジカル重合が終了するまでに長
時間必要となる。一方、5重量部を越えると重合安定性
が低下する。
【0023】本発明の樹脂組成物は、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、連鎖移動剤、離型剤、染料、顔料、無機系充
填剤のような樹脂粒子に含まれる添加剤とは別に、離型
剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、重合抑制剤、連鎖移動
剤、酸化防止剤、難燃化剤または補強剤などを含むこと
もできる。
【0024】次にこの樹脂組成物を用いて得られる成形
体について説明する。成形体は、成分(A)〜(D)を
含有してなる前記樹脂組成物を硬化する方法により得る
ことができ、具体的には、例えば、この樹脂組成物を8
0〜200℃に加熱することにより硬化させて得られ
る。
【0025】また、成形体の製造には、上で示した成分
(A)〜(D)を混合、熟成して成形材料とした後、こ
の成形材料を賦型、硬化する方法を適用することもでき
る。混合は、例えば、攪拌機構を設けた容器に成分
(A)、(B)、(C)および(D)を入れて攪拌する
ことにより行うことができる。
【0026】熟成は、例えば、混合により得られるスラ
リー状の混合物を、加熱機構を設けた容器に注入し、2
0℃〜100℃の温度に保持することにより行うことが
できる。熟成のときの温度が100℃を超えると、成分
(A)である単量体混合物の重合、硬化反応が開始する
ため、好ましくない。一方、温度が20℃より低いと、
熟成に長時間を要することになる。熟成操作により、成
分(A)は、成分(B)の樹脂粒子のうち架橋した樹脂
粒子内に浸透する。熟成後の混合物の外観は、粘土状ま
たは粉末状である。このとき、成分(B)の樹脂粒子の
うち非架橋の樹脂粒子は、成分(A)に溶解する。熟成
に用いられる容器としては、その形状は特に限定されな
いが、例えば、少なくとも2枚の平板と周囲をシールす
るシール材とから構成されるセル、袋等が挙げられ、そ
れらの材質は単量体混合物に溶解したり、浸食されない
ものであればよい。
【0027】混合、熟成は、前記のように異なる2つの
容器を用いて行ってもよいが、作業効率を高める観点か
ら、攪拌機構と加熱機構を併せ設けた装置を用いて、攪
拌しながら所定の温度に加熱して、混合と熟成を1つの
装置で行うこともできる。このような装置としては、例
えば、2軸押出機、万能混合機、ニーダー、バンバリー
ミキサーのような混練装置等が挙げられる。
【0028】賦型は、熟成により得られた成形材料を種
々の形状の成形型内に投入することにより行われる。こ
のときに用いる方法としては、例えば圧縮成形、射出成
形、移送成形等がある。
【0029】硬化は、ラジカル重合反応の通常条件で行
えばよく、例えば80〜200℃の範囲に加熱する方法
で行うことができる。温度が80℃未満であると、硬化
が終了するまでに長時間を要する。一方、温度があまり
高くなると、樹脂組成物の分解が始まり成形体を得るこ
とが困難となる。
【0030】このようにして得られる成形体は、メタク
リル系樹脂としての透明性を損なわずに、耐熱性および
耐衝撃性を改良したものであり、テールランプカバー、
ヘッドランプカバーのような自動車関連部品、樹脂食器
類、オーブンレンジ窓のような水周り関連部品、または
各種機械カバー、各種レンズ類、太陽エネルギー利用温
水器カバー、太陽電池保護カバー等に使用できるもので
ある。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。なお、成形材料および成形体の評価方法は次のと
おりである。 (1)成形材料の取扱性:ポリエチレン製手袋を着用し
て触れた際の付着の有無を調べた。 (2)成形材料の成形性:縦250mm×横40mmで
深さ40mmの溝がある金型の溝内に38gの成形材料
を入れ、温度120℃、型締め圧力80kg/cm2
条件で5分間加圧加熱して厚さ3mmの平板状の成形体
を作製し、得られた成形体の外観から評価した。亀裂の
ない成形体が得られるものの成形性を良好とした。 (3)成形体の透明性:前記(2)で作製した成形体に
ついて、JIS−K7105に従って厚み方向の全光線
透過率を測定した。 (4)成形体の耐熱性 前記(2)で作製した成形体について、JIS−K72
06に従ってビカット軟化温度を測定し、これを指標と
した。 (5)成形体の耐衝撃性:前記(2)で作製した成形体
から切り出した縦40mm×横40mmの試験片につい
て、JIS−K7211に従い、重さ150gの重錘を
用いて室温で落錘試験を行い、試験片のうち50%が破
壊したときの落錘高さを測定して、そのときの位置エネ
ルギー(50%破壊エネルギー)を求め、これを指標と
した。50%破壊エネルギーの値が大きいものほど、耐
衝撃性に優れることを示す。
【0032】実施例1 500mlのポリカップにメチルメタクリレート11.
5重量部、エチレングリコールジメタクリレート(商品
名“NKエステル1G”、新中村化学製)33.5重量
部、メチルメタクリレート99.8重量%とエチレング
リコールジメタクリレート0.2重量%とからなる単量
体混合物を懸濁重合して得られた、粒子径4μmの架橋
樹脂粒子50重量部、ポリエチレングリコールジメタク
リレート(商品名“NKエステル23G”、分子量10
35、新中村化学製)5重量部およびt−アミルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート0.29重量部を入
れ、撹拌、混合して、スラリー状の樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物をポリエチレン製袋に注入し、密閉した
後、熱風乾燥炉を用いて50℃にて1時間保持して熟成
した。室温まで冷却した後、袋から粉末状の成形材料を
取り出した。
【0033】上で得られた成形材料について、取扱性お
よび成形性を評価した。また、この成形材料を用いて作
製した成形体について、透明性、耐熱性および耐衝撃性
を評価した。これらの結果を表1に示す。
【0034】比較例1 500mlのポリカップにメチルメタクリレート14重
量部、エチレングリコールジメタクリレート(商品名
“NKエステル1G”、新中村化学製)36重量部、メ
チルメタクリレート99.8重量%とエチレングリコー
ルジメタクリレート0.2重量%とからなる単量体混合
物を懸濁重合して得られた、粒子径4μmの架橋樹脂粒
子50重量部およびt−アミルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート0.29重量部を入れ、撹拌、混合し
て、スラリー状の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を
ポリエチレン製袋に注入し、密閉した後、熱風乾燥炉を
用いて50℃にて1時間保持して熟成した。室温まで冷
却した後、袋から粉末状の成形材料を取り出した。
【0035】上で得られた成形材料およびこれを用いて
作製した成形体について、評価した。これらの結果を表
1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の成形体は、十分な透明性および
耐熱性を有し、かつ耐衝撃性に優れるものである。また
本発明の樹脂組成物は、このような成形体を得るための
材料として有用である。さらに本発明の成形体の製造方
法によれば、このような成形体を容易に得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA33 AH07 AH19 BA01 BB03 BC07 4J011 PA69 PB06 PC02 PC08 4J027 AC03 AC04 AC06 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA10 BA12 BA13 BA18 BA19 BA20 BA22 BA26 BA28 CA03 CB03 CB09 CC02 CD01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の成分(A)〜(D)を含有してなるこ
    とを特徴とする樹脂組成物。(A)メチルメタクリレー
    トを主体とする単官能不飽和単量体と、1分子内にラジ
    カル重合可能な二重結合を少なくとも2個有する多官能
    不飽和単量体を含有する単量体混合物を30〜60重量
    部、(B)メチルメタクリレートを主成分とする不飽和
    単量体の重合体であって、部分的に架橋した樹脂からな
    る粒子を含む樹脂粒子を40〜70重量部、(C)分子
    量500〜2000の2官能メタクリレート、および
    (D)ラジカル重合開始剤。
  2. 【請求項2】成分(A)中の多官能不飽和単量体が、ア
    クリレート、分子量500未満のメタクリレート、3官
    能以上のメタクリレート、ジビニルベンゼンおよびジア
    リルフタレートから選ばれる請求項1記載の樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の樹脂組成物を硬化
    してなる成形体。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の成分(A)〜
    (D)を混合、熟成して成形材料とした後、この成形材
    料を賦型、硬化する成形体の製造方法。
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