JP2000226406A - 樹脂組成物、その成形体及び成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、その成形体及び成形体の製造方法

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JP2000226406A
JP2000226406A JP2889099A JP2889099A JP2000226406A JP 2000226406 A JP2000226406 A JP 2000226406A JP 2889099 A JP2889099 A JP 2889099A JP 2889099 A JP2889099 A JP 2889099A JP 2000226406 A JP2000226406 A JP 2000226406A
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acrylate
meth
parts
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JP2889099A
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English (en)
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Mutsuhide Amekawa
睦英 飴川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性が高く、成形性に優れ、また材料強度
の低下の少ない樹脂成形体を安定的に容易に製造し得る
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 次の(A)〜(C)成分を含有してなる
樹脂組成物を提供する。 (A)メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体
を20〜90重量%、1分子内にラジカル重合可能な二
重結合を少なくとも2個有する不飽和単量体を10〜8
0重量%含有する不飽和単量体混合物を30〜60重量
部 (B)メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体
の重合体であって、膨潤度が2以上の部分的に架橋した
樹脂粒子を40〜70重量部 (C)ラジカル重合開始剤を成分(A)及び(B)の合
計100重量部に対して0.1〜5重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、成形性に優
れる成形体用樹脂組成物及びその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】メチルメタクリレートを主成分とするメ
タクリル系樹脂は、透明性、表面光沢、耐候性、機械的
性質などに優れているため、照明器具、自動車用部品、
看板、建材など各種用途に広く利用されている。
【0003】しかしながら、メタクリル系樹脂を自動車のメ
ーターカバーや照明器具のランプカバーなどの比較的高
温となる所に使用した場合、耐熱性が不十分で変形する
などの問題がしばしば生じていた。
【0004】耐熱性を付与する方法として、メタクリル系樹
脂を重合する際に1分子内にラジカル重合可能な二重結
合を少なくとも2個有する不飽和単量体を添加して架橋
重合体とする方法がある。
【0005】例えば、特公平4−75241号公報には特定
構造の架橋剤を4〜30%添加し、鋳型中で重合して得
られる荷重たわみ温度115℃以上のアクリル樹脂板が
提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に架橋重合体は熱
をかけても溶融しないため、射出成形などのメタクリル
系樹脂に適用される成形は困難となる。
【0007】また、特公平4−75241号公報に記載の方
法は注型重合で、原料液を型内に注入できる粘度にする
必要がある。そのため、必然的に未反応の不飽和単量体
の含有量は多くなり、3次元成形品の製造においては重
合収縮によるヒケやクラックなどの欠陥の発生が問題と
なる。また、注型重合であるため硬化に要する時間は一
般的に長時間を要し、工業的には不利である。
【0008】さらに、1分子内にラジカル重合可能な二重結
合を少なくとも2個有する不飽和単量体を添加して得た
架橋重合体は脆くなり材料強度が低下することが一般的
に知られている。
【0009】本発明者はかかる事情に鑑み、耐熱性が高く、
成形性に優れ、また材料強度の低下を極力抑えて樹脂成
形体を安定的に容易に製造する方法を鋭意検討した結
果、(A)メチルメタクリレートを主体とする不飽和単
量体を20〜90重量%、1分子内にラジカル重合可能
な二重結合を少なくとも2個有する不飽和単量体を10
〜80重量%含有する不飽和単量体混合物を30〜60
重量部、(B)メチルメタクリレートを主体とする不飽
和単量体の重合体であって、膨潤度が2以上の部分的に
架橋した樹脂粒子を40〜70重量部、(C)ラジカル
重合開始剤を成分(A)及び(B)の合計100重量部
に対して0.1〜5重量部を用いることによって、耐熱
性が高く、成形性に優れ、また材料強度の低下を極力抑
えた樹脂成形体を安定的に容易に製造できることを見出
し、本発明に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は
(1)次の成分(A)〜(C)を含有してなる樹脂組成
物を提供するにある。 (A)メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体
を20〜90重量%、1分子内にラジカル重合可能な二
重結合を少なくとも2個有する不飽和単量体を10〜8
0重量%含有する不飽和単量体混合物を30〜60重量
部 (B)メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体
の重合体であって、膨潤度が2以上の部分的に架橋した
樹脂粒子を40〜70重量部、 (C)ラジカル重合開始剤を成分(A)及び(B)の合
計100重量部に対して0.1〜5重量部 また、本発明は(2)前記(1)項記載の樹脂組成物を
重合硬化してなる成形体を提供するにある。さらに本発
明は(3)前記(1)項に記載の成分(A)〜(C)を
混合して成形材料とし、ついでこの成形材料を加熱硬化
することを特徴とする成形体の製造方法を提供するにあ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体とは、
メチルメタクリレートと他の共重合可能な単官能不飽和
単量体の混合物をいい、メチルメタクリレートの含有量
が50重量%を超えるものを言う。ここでいう共重合可
能な単官能不飽和単量体としては、例えば、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、プロピル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニルアクリレート、ベンジル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシルアクリレートなどのメタクリ
ル酸又はアクリル酸と脂肪族、芳香族、脂環族アルコー
ルとのエステル;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアル
キルエステル類等の(メタ)アクリル系単量体;アクリ
ル酸、メタクリル酸などの不飽和酸類;スチレン、α−
メチルスチレンなどのスチレン系単量体;アクリロニト
リル、メタクリロニトリル,無水マレイン酸、フェニル
マレイミド、シクロヘキシルマレイミド、酢酸ビニル等
の単官能不飽和単量体が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。これらは単独もしくは2種以上混合
して使用することが出来る。
【0012】メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量
体中のメチルメタクリレートの含有量は50%以上であ
るが、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%
以上である。1分子内にラジカル重合可能な二重結合を
少なくとも2個有する不飽和単量体(多官能不飽和単量
体)としては、例えば、アリルメタクリレート、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。これは単独で、又は2種以上を併用
して使用される。
【0013】また、上記のメチルメタクリレートを主体とす
る不飽和単量体と1分子内にラジカル重合可能な二重結
合を少なくとも2個有する不飽和単量体は、前者を20
〜90重量%、後者を10〜80重量%とすることが好
ましい。1分子内にラジカル重合可能な二重結合を少な
くとも2個有する不飽和単量体の含有量が10重量%よ
り少ないと、耐熱性が不充分であり、また逆に80重量
%より多いと衝撃強度や機械的強度などの低下を招くこ
とがある。
【0014】成分(A)の不飽和単量体混合物は、成分
(A)と(B)の合計100重量部のうち約30〜60
重量部の範囲で用いる。約30重量部より少ないと樹脂
組成物を成形する際に充分な流動性が得られない。逆に
約60重量部より多い場合には、樹脂組成物混練後の表
面のべとつきなどが大きく、また、形状維持も困難にな
るなど、取扱いが悪くなり、好ましくない。また、成形
時の重合による収縮が大きくなり表面の平滑な成形体を
得るのが困難になる。
【0015】成分(B)のメチルメタクリレートを主体とす
る不飽和単量体の重合体からなる樹脂粒子とは、メチル
メタクリレートと他の共重合可能な不飽和単量体との共
重合体の樹脂粒子をいい、その構成成分のうちメチルメ
タクリレートが50重量%以上を占めるものをいう。
【0016】ここでいうメチルメタクリレートと共重合可能
な不飽和単量体としては、上記の多官能不飽和単量体や
単官能不飽和単量体が挙げられる。
【0017】多官能不飽和単量体としては、上記したものと
同様のもの挙げられ、例えば、アリルメタクリレート、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフ
タレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレ
ート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレ
ート等が挙げられるが、メチルメタクリレートと共重合
が可能な単量体であれば良く、これらに限定されるもの
ではない。
【0018】単官能不飽和単量体としては、上記したものと
同様のもの挙げられ、例えば、メチルアクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど
のメタクリル酸又はアクリル酸と脂肪族、芳香族、脂環
族アルコールとのエステル;ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒド
ロキシアルキルエステル類等の(メタ)アクリル系単量
体;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸類;スチ
レン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル,無水マレイン
酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、
酢酸ビニル等が挙げられるが、これに限定されるもので
はない。
【0019】樹脂粒子として、例えば、乳化重合、懸濁重
合、分散重合などの重合で得られる樹脂粒子が用いられ
る。また、他の重合方法で得られた重合体を粉砕した樹
脂粒子も用いることができる。
【0020】樹脂粒子の大きさとしては、通常、約1〜10
0μmのものが好適に用いられる。約1μmより小さい樹
脂粒子を使用した場合には、成分(A)の不飽和単量体
混合物との混合、混練が困難となりやすく、また逆に約
100μmを越える大きさの樹脂粒子を使用した場合に
は、成形後に粒子形状が目立つことがあるために好まし
くない。また、
【0021】なお、本発明ではこの樹脂粒子として、膨潤度
が2以上の部分的に架橋した樹脂粒子を用いることによ
って、材料強度の低下を少なくすることが出来る。
【0022】ここでいう部分的に架橋した樹脂粒子とは、ア
セトンなどのように、一般的にメチルメタクリレートを
溶解することができる溶媒に対して、膨潤はするが、完
全に溶解しない樹脂粒子である。
【0023】また、本発明での膨潤度は、溶媒としてクロロ
ホルムを使用し、次式に則って算出した値である。 膨潤度 = (膨潤後の体積−膨潤前の体積)/膨潤前
の体積
【0024】このような樹脂粒子は、メチルメタクリレート
を約50重量%以上含有し、これと共重合可能な不飽和
単量体との混合物を重合して樹脂粒子又は重合体を作製
する際に、多官能不飽和単量体を添加することによって
得ることができる。
【0025】さらに、膨潤度が2以上となるようにするに
は、樹脂粒子を作成する際に添加する多官能不飽和単量
体の添加量や連鎖移動剤の添加量を調整することによっ
て所望のものが得られる。
【0026】成分(B)の樹脂粒子は、成分(A)及び
(B)の合計100重量部のうち、約40〜70重量部
の範囲で用いられる。約40重量部より少ないと樹脂組
成物を混合、混練した後に得られる成形材料の混合物の
べとつきが大きくなり、取扱性が悪くなり、約70重量
%より多い場合には均一な混合、混練が困難となり好ま
しくない。
【0027】この樹脂粒子には必要に応じて、公知の添加
剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、
離型剤、染料、顔料、無機系充填剤類などを添加するこ
ともできる。
【0028】本発明では、成分(A)の不飽和単量体混合物
を重合硬化させるためにラジカル重合開始剤を添加す
る。ラジカル重合開始剤としては、1,1’−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−
アゾビス(2,4,4−トリメチルペンテン)、2,
2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2−シアノ−
2−プロピラゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(2
−ヒドロキシ−メチルプロピオネート)、2,2’−ア
ゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−
(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、ジメチル
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)など
のアゾ化合物;ジクミルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド
などのジアシル、ジアルキルパーオキサイド系開始剤;
t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサ
ノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシア
セテート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレ
フタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,
1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチ
ルへキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート、などのパーオキシエステル系開始剤;
t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート、などのパーカー
ボネイト系開始剤;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ
シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−
t−ヘキシルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンなどのパーオキシケタール系開始剤などが挙
げられる。これらのラジカル重合開始剤は単独で又は2
種類以上を併用して用いられる。
【0029】これらの重合開始剤は、成分(A)及び(B)
の合計100重量部に対して約0.1〜5重量部を用い
る。約0.1重量部より少ないとラジカル重合を行うの
に長時間かかり、また、約5重量部を越えた場合には成
分(A)の不飽和単量体混合物を安定して重合できなく
なるため好ましくない。
【0030】本発明の樹脂組成物には、離型剤、紫外線吸収
剤、染料、顔料、重合抑制剤、連鎖移動剤、酸化防止
剤、難燃化剤、補強剤などを添加することもできる。
【0031】次にこの樹脂組成物を成形する方法について説
明する。本発明における成形体の製造は、混合・熟成す
る工程と重合・硬化する工程の2工程からなる。
【0032】まず、混合・熟成する工程では、成分(A)〜
(C)を混合し、最終的に均質な混合物が得られればよ
い。具体的な方法として、例えば、成分(A)〜(C)
を混合してスラリー状の樹脂組成物を得、これを適当な
容器内で熟成する方法がある。容器の形状は特に限定さ
れない。また容器として、少なくとも2枚の平板と周囲
をシールするシール材とから構成されるセルなども用い
ることができる。容器の材質は、不飽和単量体混合物に
溶解したり、浸食されないもので有れば特に制限はされ
ない。
【0033】成分(A)〜(C)を混合後、容器に注入し、
約20℃〜100℃にて熟成を行う。熟成工程中に不飽
和単量体混合物(A)は樹脂粒子(B)内に含浸し、ま
た、樹脂粒子(B)に非架橋粒子を使用した場合には非
架橋粒子は(A)により溶解される。混合物の外観は、
熟成工程中にスラリー状から粘土状もしくは粉末状に変
化し、成形材料が得られる。
【0034】熟成時に約100℃を越えて加熱した場合に
は、添加したラジカル重合開始剤による重合、硬化反応
が開始するため、好ましくない。また、約20℃より低
い温度では熟成に長時間を要するため好ましくない。従
って、熟成温度としては約20℃〜100℃の範囲が望
ましい。熟成の条件は使用する樹脂粒子、不飽和単量体
混合物の組成、使用する重合開始剤の種類、量等によっ
て適宜選択される。
【0035】また、別の方法として例えば、成分(A)〜
(C)を混合、混練する際に適当な温度を選択し、熟成
も同時に行うことができる。その際には、混練のための
装置として2軸押出機や万能混合機、ニーダー、バンバ
リーミキサーなど公知の混練装置を使用することが出来
る。
【0036】次に重合・硬化する工程にて、種々の形状の成
形型内に上記の成形材料を投入し、加圧、加熱して賦型
及び硬化反応を行い、種々の形状の成形体を得る。
【0037】本発明に適用できる成形方法としては、圧縮成
形、射出成形、移送成形などが適用できる。また、加
圧、加熱して賦型及び硬化反応を行う成形方法であれ
ば、適用可能な成形方法はこれらに限定されるものでは
ない。
【0038】ラジカル重合による硬化反応を行うには、約8
0〜200℃の温度に加熱して行う。約80℃を下回る
場合には、硬化反応に長時間を要することとなり、工業
的には不利となる。逆に約200℃を越えた温度で加熱
した場合には分解や着色が起こることがある。
【0039】本発明によって得られる樹脂成形体は、テール
ランプカバー、ヘッドランプカバー、メーターパネル、
各種窓ガラス、ミラーなどの自動車関連部品,窓ガラ
ス、間仕切りなどの建材部材,バスタブや洗面台あるい
は流し台等の表層材、樹脂食器類、オーブンレンジ窓な
どの水周り関連部品,液晶表示の前面保護カバー、ディ
スプレイや各種モニターの前面カバー、各種機械カバ
ー,フレネルレンズや時計レンズ、眼鏡レンズなどの各
種レンズ類,コンパクトディスクやデジタルビデオディ
スクなどのディスク基盤,太陽エネルギー利用温水器カ
バー、太陽電池保護カバー、各種表示板などの用途に好
適に利用できる。
【0040】
【発明の効果】本発明によって、耐熱性が高く、成形性
に優れ、また材料強度の低下を極力抑えた樹脂成形体を
安定的に容易に製造できる
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
評価方法は次のとおりである。 (1)成形材料の取扱性:ポリエチレン製手袋を着用し
て触れた際のべとつきの程度により判断した。 (2)成形材料の成形性:120×120×20mmの
皿形成形型内に80gの成形材料を投入し、温度120
℃、型締め圧力70kg/cm2 の条件で10分間加圧
加熱して成形体を作製し、その外観から評価を行った。 (3)成形体の耐熱性:JIS K7206により、針
が1mm浸入したときの温度を耐熱性の指標とした。測
定は180℃まで実施し、180℃の時点での浸入が1
mm未満の場合は、浸入した量を求めた。 (4)成形体の曲げ強度:成形体より試験片を切り出
し、ASTM D790に準じて曲げ強度を求めた。
【0042】実施例1 500mlのポリカップにメチルメタクリレート30重
量部、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(商品
名:FA−125M,日立化成工業(株)製)15重量
部、部分的に架橋した樹脂粒子(メチルメタクリレート
/エチレングリコールジメタクリレート=99/1、ク
ロロホルム不溶分75%、平均粒子径8μm、膨潤度
3.8)55重量部、重合開始剤(t−アミルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート)0.29重量部を入
れ、撹拌、混合してスラリー状の樹脂組成物を得た。
【0043】この樹脂組成物をポリエチレン製の袋に注入
し、密閉してから50℃の熱風乾燥炉に1時間放置して
熟成した。室温まで冷却した後、袋から粉末状の成形材
料を得た。この成形材料はべとつきも少なく良好な取り
扱い性を示した。また、成形体は透明で良好な外観を有
していた。耐熱性は180℃で0.567mm浸入した
だけであった。また、曲げ強度は、1038kgf/c
2であった。
【0044】実施例2 メチルメタクリレートを22重量部、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレートを28重量部とし、部分的に架
橋した樹脂粒子を実施例1と同じものを50重量部、重
合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネートを0.31重量部使用する他は実施例1と同様
にして、粉末状の成形材料を得た。この成形材料はべと
つきも少なく良好な取り扱い性を示した。また、成形体
は透明で良好な外観を有していた。耐熱性は180℃で
0.109mm浸入した。また、曲げ強度は、603k
gf/cm2であった。
【0045】実施例3 メチルメタクリレートを20重量部、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレートを25重量部とし、部分的に架
橋した樹脂粒子(メチルメタクリレート/エチレングリ
コールジメタクリレート=99.3/0.7、クロロホ
ルム不溶分93%、平均粒子径4μm、膨潤度5.5)
を55重量部使用する他は実施例1と同様にして、粉末
状の成形材料を得た。この成形材料はべとつきも少なく
良好な取り扱い性を示した。また、成形体は透明で良好
な外観を有していた。耐熱性は180℃で0.202m
m浸入した。また、曲げ強度は、627kgf/cm2
であった。
【0046】比較例1 部分的に架橋した樹脂粒子として、スミペックスXC−
1A(住友化学工業株式会社製、クロロホルム不溶分8
8%、平均粒子径32μm、膨潤度0.5)を50重量
部使用する他は実施例2と同様にして、ゴム状の成形材
料を得た。この成形材料はべとつきも少なく良好な取り
扱い性を示した。また、成形体は透明で良好な外観を有
していた。耐熱性は180℃で0.089mm浸入し
た。また、曲げ強度は、208kgf/cm2であっ
た。
【0047】比較例2 部分的に架橋した樹脂粒子として、テクポリマーMBX
−5(積水化学工業株式会社製、クロロホルム不溶分9
8%、平均粒子径5μm、膨潤度0.11)を50重量
部使用する他は実施例2と同様にして、粉末状の成形材
料を得た。この成形材料はべとつきも少なく良好な取り
扱い性を示した。また、成形体は透明で良好な外観を有
していた。耐熱性は180℃で0.006mm浸入し
た。また、曲げ強度は、222kgf/cm2であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA33X AA78 AC08 AE02 AH07 AH12 BB12 4J011 PA69 PB08 PC02 4J100 AB02Q AB03Q AB16R AG04Q AG70R AJ02Q AK32Q AL03P AL03Q AL04Q AL08Q AL09Q AL62R AL63R AL66R AL75R AM02Q AM47Q AM48Q BA02R BA08R BC03Q BC04Q BC07Q BC43Q CA05 FA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の成分(A)〜(C)を含有してなる樹
    脂組成物。 (A)メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体
    を20〜90重量%、1分子内にラジカル重合可能な二
    重結合を少なくとも2個有する不飽和単量体を10〜8
    0重量%含有する不飽和単量体混合物を30〜60重量
    部 (B)メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体
    の重合体であって、膨潤度が2以上の部分的に架橋した
    樹脂粒子を40〜70重量部 (C)ラジカル重合開始剤を成分(A)及び(B)の合
    計100重量部に対して0.1〜5重量部
  2. 【請求項2】請求項1記載の樹脂組成物を重合硬化して
    なる成形体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の成分(A)〜(C)を混
    合して成形材料とし、ついでこの成形材料を加熱硬化す
    ることを特徴とする成形体の製造方法。
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