JP4377055B2 - アクリル系プレミックス、アクリル系人工大理石、及びその製造方法 - Google Patents

アクリル系プレミックス、アクリル系人工大理石、及びその製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は高温成形に適し、成形加工性に優れ、増粘性が良好で、貯蔵安定性が良好なアクリル系SMC(シート・モールディング・コンパウンド)又はBMC(バルク・モールディング・コンパウンド)を提供することができるアクリル系プレミックス、外観および耐衝撃性に優れたアクリル系人工大理石、および生産性に優れたアクリル系人工大理石の製造方法に関する。
背景技術
アクリル系樹脂に水酸化アルミニウム等の無機充填剤を配合したアクリル系人工大理石は、優れた成形外観、柔らかな手触り及び耐候性等の各種の卓越した機能特性を有しており、キッチンカウンター等のカウンター類、洗面化粧台、防水パン、その他建築用途に広く使用されている。これらは一般に、メチルメタクリレートを主成分とするアクリル系単量体とアクリル系重合体からなるアクリル系シラップに、無機充填剤を分散させた、いわゆるプレミックスを成形型内に充填し、これを比較的低温で硬化重合させる注型法で製造されている。
例えば、特公平4−58423号公報には、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、及び特定のポリアルキレンポリオールジ(メタ)アクリレートからなるシラップ成分と水酸化アルミニウムからなるプレミックスを用いて、注型法により80℃の温度で長時間(3時間)かけて硬化させて得られる、耐燃性と可撓性に優れた人工大理石成形品が開示されている。
しかし、このようなアクリル系シラップは沸点が低いので、硬化温度を低くせざるを得ず、これに起因して成形時間に長時間を要するので生産性が低い。例えば、成形時間を短縮するために硬化温度を90℃以上とすると、成形中に上述のアクリル系シラップが突沸し、得られる成形品の平滑性等が大きく損なわれてしまう。また、注型法では圧力をほとんどかけないので、複雑な形状の成形品を製造する場合、成形型内でプレミックスが充填不良を起こし易く、成形品の形状が制限される。
これらの欠点を改良するため、このようなプレミックスに増粘剤を添加して得られるSMCやBMCを100℃以上の高温で加熱加圧成形することによって、アクリル系人工大理石を製造する検討が、従来よりなされている。
例えば、特開平6−298883号公報には、アクリル系シラップに対して難溶性である熱可塑性アクリル系樹脂粉末を配合した、加熱硬化時の低収縮性に優れる人工大理石用アクリル系BMCが開示されている。また、特開平6−313019号公報には、乳化重合で得られる架橋重合体を噴霧乾燥処理した樹脂粉末をアクリル系シラップに配合することによって、成形時のクラック発生を防止し、成形品の外観や増粘安定性が向上した人工大理石用アクリル系BMCが開示されている。
しかし、このような樹脂粉末を増粘剤として使用した場合、アクリル系BMCを得るためのプレミックスの熟成に長時間(24時間程度)必要となる傾向にあり、生産性が低下するという問題点がある。
さらに、生産性を高めるために、特開平6−298883号公報や特開平6−313019号公報に開示されているようなアクリル系BMCを100℃以上の高温の条件で短時間の硬化、成形を行うと、得られる人工大理石の耐衝撃性が低下するという問題点がある。
また、特公平4−58423号公報に開示されているプレミックスに増粘剤を添加して得られるBMCを高温で加熱加圧成形した場合、得られる人工大理石の荷重たわみ温度が低いので、金型から脱型する際に成形品が変形してしまい、白化・変形等の不具合が発生し易いという問題がある。
発明の開示
本発明の目的は、高温成形に適し、成形加工性に優れ、増粘性が良好で、貯蔵安定性が良好なアクリル系SMC又はBMCを提供することができるアクリル系プレミックス、外観および耐衝撃性に優れたアクリル系人工大理石、および生産性に優れたアクリル系人工大理石の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の構造を有するアクリル系多官能性単量体を配合することによって、優れた効果を奏することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、アクリル系単官能性単量体(a1)と、下記一般式(I)〜(IV)の何れかで示される少なくとも一種の化合物を含有するアクリル系多官能性単量体(a2)と、アクリル系重合体(b)とを含んでなるアクリル系樹脂組成物(A)10〜90重量%、無機充填剤(B)10〜90重量%、及び、アクリル系樹脂組成物(A)と無機充填剤(B)の合計量100重量部に対して硬化剤(C)0.01〜10重量部を含むことを特徴とするアクリル系プレミックスに関するものであり;このアクリル系プレミックスを硬化することにより得られるアクリル系人工大理石に関するものであり;このアクリル系プレミックスを90〜150℃の温度範囲で加熱加圧硬化することを特徴とするアクリル系人工大理石の製造方法に関するものである。
Figure 0004377055
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、kは3〜30の整数を表す。)
Figure 0004377055
(式(II)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、l、mはそれぞれ0〜25の整数を表し、l+mは2〜25である。)
Figure 0004377055
(式(III)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは2〜25の整数を表す。)
Figure 0004377055
(式(IV)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R〜Rは炭素数1〜10のアルキレン基を表し、p、q、rはそれぞれ0〜10の整数を表し、p+q+rは2〜25である。)
発明を実施するための最良の形態
本発明で用いるアクリル系樹脂組成物(A)は、アクリル系単官能性単量体(a1)と、アクリル系多官能性単量体(a2)と、アクリル系重合体(b)とを含んでなるものである。
アクリル系樹脂組成物(A)の使用量は、本発明のアクリル系プレミックス全量中10〜90重量%の範囲内である。
これは、(A)成分の含有量を10重量%以上とすることによって、アクリル系プレミックスの成形時の流動性が良好となる傾向にあり、複雑な形状の成形品を成形しても成形品に鬆穴や白化が発生しなくなる傾向にあり、また、得られる成形品の光沢と耐衝撃性が良好となる傾向にあるからである。また、(A)成分の含有量を90重量%以下とすることによって、硬化時の収縮率が低くなる傾向にあり、また、この範囲内において大理石特有の深みのある質感(透明感)を有する成形外観が得られる傾向にあるからである。この含有量の下限値については、20重量%以上がより好ましく、30重量%以上が特に好ましい。この含有量の上限値については、80重量%以下がより好ましく、60重量%以下が特に好ましい。
アクリル系樹脂組成物(A)を構成するアクリル系単官能性単量体(a1)は、メタクリロイル及び/又はアクリロイル基を有する単官能性単量体又はそれらの混合物であれば、特に限定されない。例えば、メチル(メタ)アクリレート、炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族環を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロヘキサン環を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のビシクロ環を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、トリシクロ[5・2・1・02,6]デカニル(メタ)アクリレート等のトリシクロ環を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の環状エーテル構造を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸金属塩、(メタ)アクリル酸アミド等のアクリル系単官能性単量体が挙げれる。これらは、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して使用することができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、[アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する。
また、アクリル系単官能性単量体(a1)以外にも、スチレン等の芳香族ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸、フマル酸エステル等のアクリル系単官能性単量体以外の単官能性単量体を含有していてもよい。これら各種の単官能性単量体は、必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して使用できる。
アクリル系単官能性単量体(a1)として、特にメチルメタクリレートを用いると、得られる成形品に大理石特有の深みのある外観(透明性)を付与することができる傾向にあり、好ましい。また、メチルメタクリレートと、炭素数2〜6のアルキル基を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、ベンゼン環を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、シクロヘキサン環を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、ビシクロ環を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、トリシクロ環を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、フッ素原子を持つエステル基を有する(メタ)アクリレート、環状エーテル構造を持つエステル基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリレートとを併用すると、成形品の光沢ムラが低減する傾向にあり、さらに好ましい。
(a1)成分の含有量は、特に限定されないが、本発明のアクリル系プレミックス全量中、1〜50重量%の範囲内であることが好ましい。(a1)成分の含有量の下限値は、5重量%以上がより好ましく、また、上限値は30重量%以下がより好ましい。また、(a1)成分中にメチルメタクリレートを含有させる場合は、メチルメタクリレートの含有量は、本発明のアクリル系プレミックス全量中1〜20重量%の範囲内であることが好ましく、メチルメタクリレートの含有量の下限値は5重量%以上がより好ましく、上限値は15重量%以下がより好ましい。
アクリル系樹脂組成物(A)を構成するアクリル系多官能性単量体(a2)は、前記一般式(I)〜(IV)の何れかで示される少なくとも一種の化合物を含有するアクリル系多官能性単量体である。
アクリル系多官能性単量体(a2)が、一般式(I)〜(IV)の何れかで示される少なくとも一種の化合物を含有することによって、成形品に優れた耐衝撃性、高い光沢、高い荷重たわみ温度、及び耐熱水性を付与することができる。中でも、一般式(II)〜(IV)の何れかで示される少なくとも一種の化合物を使用すると、特に成形品の耐熱水性が良好となる傾向にあるため、好ましい。
一般式(I)において、kは3〜30であることが必要である。これは、kをこの範囲内とすることによって、成形品の耐衝撃性が良好となるからである。kの下限値については、10以上が好ましく、12以上がより好ましい。kの上限値については、28以下が好ましく、25以下がより好ましい。一般式(I)で示される化合物を単独で使用する場合には、kを4以下とすれば、成形品の荷重たわみ温度と光沢が高くなる傾向にあり、90℃以上の高温での成形性に優れる傾向にあり、また、成形品の耐熱水性も優れる傾向となるので好ましく、特にkが3の場合は、成形品の荷重たわみ温度がより高くなるのでより好ましい。
一般式(II)において、l+mは2〜25の範囲内であることが必要である。これは、l+mを2以上とすることによって、成形品の耐衝撃性が良好となるからであり、l+mを25以下とすることによって、成形品の荷重たわみ温度と光沢が高くなるからであり、90℃以上の高温で成形することが可能となるからである。また、l+mを25以下とすることによって、成形品の耐熱水性が良好となるからである。l+mの下限値については3以上が好ましく、5以上がより好ましい。また、l+mの上限値については15以下が好ましく、10以下がより好ましい。
一般式(III)において、nは2〜25の範囲内であることが必要である。nを2以上とすることによって、成形品の耐衝撃性が良好となるからであり、nを25以下とすることによって、成形品の荷重たわみ温度と光沢が高くなるからであり、90℃以上の高温で成形することが可能となるからである。また、nを25以下とすることによって、成形品の耐熱水性が良好となるからである。nの下限値については、3以上が好ましく、4以上がより好ましい。また、nの上限値にいては、15以下が好ましく、10以下がより好ましい。
一般式(IV)において、p+q+rは2〜25の範囲内であることが必要である。これは、p+q+rを2以上とすることによって、成形品の耐衝撃性が良好となるからであり、p+q+rを25以下とすることによって、成形品の荷重たわみ温度と光沢が高くなるからであり、90℃以上の高温で成形することが可能となるからである。p+q+rの下限値については、3以上が好ましい。また、p+q+rの上限値については、15以下が好ましく、10以下がより好ましく、7以下が最も好ましい。
一般式(IV)において、R〜Rは炭素数1〜10のアルキレン基を表す。特に、ペンチレン基、ジメチルエチレン基、ジメチルプロピレン基が好ましい。
アクリル系多官能性単量体(a2)としては、一般式(I)〜(IV)の何れかで示される一種の化合物を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。また、一般式(I)〜(IV)の何れかで示される一種の化合物と共に、他のアクリル系多官能性単量体を併用してもよい。
他のアクリル系多官能性単量体としては、例えば、一般式(I)でkが1であるエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、一般式(I)でkが2であるジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、一般式(I)でkが31以上のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、一般式(II)でl+mが1であるプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、一般式(II)でl+mが26以上であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、一般式(III)でnが1である1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、一般式(III)でnが26以上のポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、及び、(メタ)アクリル酸と多価アルコール[例えばペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等]との多価エステル、アリル(メタ)アクリレート等のアクリル系多官能性単量体が挙げられる。また、アクリル系樹脂組成物(A)は、アクリル系多官能性単量体(a2)以外にも、ジビニルベンゼン、トリアリールイソシアヌレート等のアクリル系多官能性単量体以外の多官能性単量体等を含有していてもよい。これら各種の多官能性単量体は、必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して使用できる。
特に、他のアクリル系多官能性単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及び、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種の単量体を、一般式(I)〜(IV)の何れかで示される少なくとも一種の化合物と併用すると、一般式(I)〜(IV)の何れかで示される化合物を単独で使用する場合よりも、得られる成形品の荷重たわみ温度と光沢がよりいっそう高くなる傾向にあり、また、耐熱水性がよりいっそう良好となる傾向にあるので好ましい。
このうち、特に、一般式(I)で示されかつ式中のkが5〜30の整数である化合物を使用する場合は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を併用することが好ましい。この場合、成形品に高い衝撃性を付与すると同時に、高い荷重たわみ温度と高い光沢とを付与することができ、90℃以上の高温で成形することが可能となり、また、成形品に良好な耐熱水性を付与することができる。
一般式(I)〜(IV)で示される少なくとも一種の化合物の含有量は、特に制限されないが、本発明のアクリル系プレミックス全量中0.1〜30重量%の範囲内であることが好ましい。この含有量が0.1重量%以上の場合に、成形品の耐衝撃性が良好となる傾向にあり、30重量%以下の場合に、成形品の荷重たわみ温度が高くなる傾向にある。この含有量の下限値については、0.5重量%以上がより好ましく、1重量%以上が特に好ましい。上限値については、20重量%以下がより好ましく、10重量%以下が特に好ましい。
アクリル系多官能性単量体(a2)の使用量は、特に制限されないが、本発明のアクリル系プレミックス全量中0.1〜30重量%の範囲内であることが好ましい。(a2)成分の含有量が、0.1重量%以上の場合に成形品の耐衝撃性や光沢が良好となる傾向にあり、30重量%以下の場合に成形品の加工性が良好となる。この下限値については1重量%以上がより好ましく、上限値については20重量%以下がより好ましい。
アクリル系樹脂組成物(A)を構成するアクリル系重合体(b)は、本発明のアクリル系プレミックスに適度な粘度を付与する成分であり、また、アクリル系プレミックスをSMC又はBMCとして使用する場合には、べたつきの無い取り扱い性の良好な粘度を付与する増粘剤成分であり、さらに、本発明のアクリル系人工大理石成形品に高い強度を付与する成分でもある。
アクリル系重合体(b)の構成成分(重合に使用する単量体等)としては、例えば、前記のアクリル系単官能性単量体(a1)やその他の単官能性単量体と同様のものを使用することができる。アクリル系重合体(b)は、単量体を単独で重合した単独重合体を使用してもよく、2種以上併用した共重合体を使用してもよい。また、必要に応じて前記のアクリル系多官能性単量体(a2)やその他の多官能性単量体を共重合させた架橋重合体を使用してもよい。
アクリル系重合体(b)の含有量は特に制限されないが、本発明のアクリル系プレミックスの取り扱い性、及びこのプレミックスをアクリル系SMC又はBMCとして使用した場合の増粘度、本発明のアクリル系人工大理石の機械的強度等の物性を考慮に入れると、本発明のアクリル系プレミックス全量中0.1〜30重量%の範囲内であることが好ましい。(b)成分の含有量が0.1重量%以上の場合に、高い増粘効果が発現される傾向にあり、アクリル系プレミックス又はアクリル系SMC又はBMCの取り扱い性が良好となる傾向にある。(b)成分の含有量が30重量%以下の場合に、アクリル系プレミックスやアクリル系SMC又はBMCの混練性が良好となる傾向にある。この含有量の下限値については、1重量%以上がより好ましく、5重量%以上が特に好ましい。上限値については、25重量%以下がより好ましく、20重量%以下が特に好ましい。
アクリル系重合体(b)は、架橋重合体でも非架橋重合体でもよく、必要に応じて適宜選択することができるが、本発明のアクリル系プレミックスやアクリル系SMC又はBMCの流動性、及び本発明のアクリル系人工大理石成形品の機械的強度を考慮に入れると、重量平均分子量が15,000〜5,000,000の範囲内であることが好ましい。ここでいう重量平均分子量とは、GPC法によるポリスチレン換算値であり、重量平均分子量の範囲によって、後述する実施例に記載のように測定条件を適宜変更して求めた値である。
アクリル系重合体(b)は、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法等の方法により製造することができる。
本発明のアクリル系プレミックスをアクリル系SMC又はBMCとして使用する場合には、増粘剤が必要となる。使用される増粘剤としては、特に制限はなく、例えば酸化マグネシウム粉末や重合体粉末等を使用できる。ただし、成形物の耐熱水性が優れる傾向にある点から、重合体粉末の使用が好ましい。
増粘剤として重合体粉末を使用する場合は、アクリル系重合体(b)の一部あるいは全部を増粘剤として用いてもよい。
増粘剤として使用可能な重合体粉末としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択できる。中でもアクリル系重合体(b)として、嵩密度が0.1〜0.7g/mlの範囲内であり、アマニ油に対する吸油量が60〜200ml/100gの範囲内である重合体粉末を使用すると、短時間で増粘し、ハンドリング性や生産性に優れたアクリル系SMC又はBMCが得られるので好ましい。
重合体粉末の嵩密度が0.1g/ml以上の場合に、重合体粉末が飛散しにくくなり、その製造時における歩留まりが良好となり、重合体粉末を添加、混合する際の粉立ちが減少し、作業性が良好になる傾向にある。また、0.7g/ml以下の場合に、少量の重合体粉末の使用量で十分な増粘効果を得ることが可能となり、さらに増粘が短時間で済むので、生産性が向上し、コスト的にも有利になる傾向にある。この嵩密度の下限値に関しては、0.15g/mlがより好ましく、0.2g/ml以上が特に好ましい。上限値に関しては、0.65g/ml以下がより好ましく、0.6g/ml以下が特に好ましい。
また、重合体粉末のアマニ油に対する吸油量が60ml/100g以上の場合に、少量の重合体粉末の使用量で十分な増粘効果を得ることが可能となり、さらに増粘が短時間で済むので、生産性が向上し、コスト的にも有利になる傾向にある。また、この吸油量が200ml/100g以下の場合に、重合体粉末の分散性が良好となるために、アクリル系SMC又はBMCを製造する際の混練性が良好になる傾向にある。この吸油量の下限値に関しては、70ml/100g以上がより好ましく、80ml/100g以上が特に好ましい。上限値に関しては、180ml/100g以下がより好ましく、160ml/100g以下が特に好ましい。
また、重合体粉末のメチルメタクリレートに対する膨潤度は、特に制限されないが、1倍以下または20倍以上が好ましい。この膨潤度が1倍以下または20倍以上である場合に、アクリル系単官能性単量体(a1)及び/又はアクリル系多官能性単量体(a2)への溶解速度が速くなって、増粘速度が速くなる傾向にあり、増粘が短時間で可能となり、アクリル系BMCの生産性が向上する傾向にある。
ここでいう膨潤度とは、100mlのメスシリンダーに重合体粉末を投入し、数回軽くたたいて5ml詰めた後、10℃以下に冷却したメチルメタクリレートを全量が100mlとなるように投入し、全体が均一になるように素早く攪拌し、その後、メスシリンダーを25℃の恒温槽で1時間保持し、その時の重合体層(メチルメタクリレートを含有する重合体)の体積を求めて、最初の重合体粉末層の体積(5ml)との比を求めたものである。
従って、重合体粉末がこの条件内で膨潤のみをする場合には、この条件で保持した後の重合体層(メチルメタクリレートを含有した重合体粉末)は5mlより大きくなり、膨潤度は1より大きい有限の値をとる。
また、重合体粉末がこの条件内で完全に溶解する場合には、この条件で保持した後の100ml全体がメチルメタクリレートを含有した重合体層とみなすことができ、また、このメチルメタクリレートを含有した重合体層は使用するメスシリンダーの体積に依存するため、この場合は、膨潤度を20倍以上と定義する。
また、重合体粉末が、この条件内で一部が溶解して一部が溶け残った場合は、溶け残った重合体層(メチルメタクリレート含有した重合体層)の体積を膨潤後の体積とみなす。従って、この場合は膨潤度は1以下の値となる。
また、この重合体粉末は非架橋重合体粉末でも架橋重合体粉末でもよいが、非架橋重合体粉末であることが好ましい。重合体粉末が非架橋重合体粉末である場合に、増粘速度が速くなる傾向にあり、増粘が短時間で可能となり、アクリル系BMCの生産性が向上する傾向にある。なお、ここでいう非架橋重合体粉末とは、少なくとも表層部が非架橋重合体から構成されている重合体粉末を示す。
また、重合体粉末は、それらを形成する重合体の化学的組成、構造又は分子量等が互いに異なったコア相とシェル相から構成された、いわゆるコア/シェル構造を有していてもよい。この場合、コア相は非架橋重合体であっても架橋重合体であってもよいが、シェル相は非架橋重合体であることが好ましい。
また、増粘剤として使用される重合体粉末の重量平均分子量は、特に限定されるものではない。ただし、増粘効果と増粘時間のバランスを考慮に入れると、重合体粉末の重量平均分子量は、10万以上であることが好ましい。この重合体粉末の重量平均分子量の下限値については、30万以上がより好ましく、50万以上が特に好ましい。またこの上限値については、500万以下が好ましく、450万以下がより好ましく、400万以下が特に好ましい。
また、増粘剤として使用される重合体粉末の比表面積は、特に限定されるものではないが、0.5〜100m/gの範囲内であることが好ましい。重合体粉末の比表面積が0.5m/g以上の場合に、少量の重合体粉末の使用で十分な増粘効果が得られ、増粘が短時間で可能となる傾向にあり、生産性が向上するからである。これは、この重合体粉末が上記のように大きな比表面積を有しているので、アクリル系単官能性単量体(a1)及び/又はアクリル系多官能性単量体(a2)中で速やかに溶解して、増粘効果が短時間で得られるものと考えられる。また、この比表面積が100m/g以下の場合に、重合体粉末のアクリル系単官能性単量体(a1)及び/又はアクリル系多官能性単量体(a2)に対する分散性が良好となるので、増粘時の取り扱い性が良好となり、アクリル系プレミックスを製造する際の混練性が良好となる傾向にある。この比表面積の下限値については1m/g以上がより好ましく、上限値については80m/g以下がより好ましい。
また、増粘剤として使用される重合体粉末の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、1〜500μmの範囲内であることが好ましい。平均粒子径が1μm以上の場合に、重合体粉末が飛散しにくくなり、重合体粉末の取り扱い性が良好となる傾向にあり、500μm以下の場合に、得られる成形品の外観、特に、光沢と表面平滑性が良好となる傾向にある。この平均粒子径の下限値については、5μm以上がより好ましく、10μm以上が特に好ましい。上限値については350μm以下がより好ましく、200μm以下が特に好ましい。
また、増粘剤として使用される重合体粉末は、一次粒子同士が凝集した二次凝集体であることが好ましい。重合体粉末が二次凝集体である場合に、アクリル系単官能性単量体(a1)及び/又はアクリル系多官能性単量体(a2)の吸収速度が速く、増粘性が極めて良好となる傾向にある。
また、この場合、重合体粉末の一次粒子の平均粒子径は0.03〜1μmの範囲内であることが好ましい。この平均粒子径が0.03〜1μmの範囲内である場合に、少量の重合体粉末の使用で十分な増粘効果が得られ、増粘が短時間で可能となり、生産性が向上する傾向にある。一次粒子の平均粒子径の下限値については、0.07μm以上がより好ましく、上限値については0.7μm以下がより好ましい。
増粘剤として使用される重合体粉末の製造方法は、特に制限されず、公知の重合方法で製造することができる。中でも、乳化重合で得られたエマルションに噴霧乾燥、フリーズドライ、酸/塩凝固等の処理を行って得る方法が、前述の特定の嵩密度と吸油量を有する重合体粉末を効率よく製造できるので好ましい。
本発明で用いる無機充填剤(B)は、本発明のアクリル系プレミックスを成形して得られるアクリル系人工大理石成形品に、大理石調の深みのある質感(透明性)や耐熱性を与える成分である。
無機充填剤(B)の使用量は、本発明のアクリル系プレミックス全量中10〜90重量%の範囲内である。この使用量を10重量%以上とすることによって、得られる成型品の質感や耐熱性等が良好となり、また、硬化時の収縮率が低くなる。一方、この使用量を90重量%以下とすることによって、アクリル系プレミックスやアクリル系SMC又はBMCの成形時の流動性が良好となる傾向にあり、また、得られるアクリル系人工大理石成形品の光沢及び耐衝撃性が良好となる。この使用量の下限値については、20重量%以上がより好ましく、30重量%以上が特に好ましい。上限値については80重量%以下がより好ましく、70重量%以下が特に好ましい。
無機充填剤(B)は、特に限定されないが、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ、溶融シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ガラスパウダー等を用いることができる。これらは、必要に応じて適宜選択して使用すればよく、2種以上を併用してもよい。中でも、得られる成形品の質感の面から、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、溶融シリカ、ガラスパウダーが好ましい。
本発明で用いる硬化剤(C)は、特に制限はなく、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤等を使用することができる。
硬化剤(C)は、アクリル系樹脂組成物(A)と無機充填剤(B)の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲内で使用する。この使用量を0.01重量部以上とすると、本発明のアクリル系プレミックスの硬化性が十分となり、10重量部以下とすると、アクリル系プレミックスの貯蔵安定性が良好となる。
硬化剤(C)の具体例としては、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(10時間半減期温度=44℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(10時間半減期温度=53℃)、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド(10時間半減期温度=59℃)、ラウロイルパーオキサイド(10時間半減期温度=62℃)、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度=70℃)、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度=70℃)、ベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期温度=72℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度=72℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(10時間半減期温度=77℃)、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン(10時間半減期温度=83℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(10時間半減期温度=86℃)、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(10時間半減期温度=86℃)、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(10時間半減期温度=87℃)、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(10時間半減期温度=87℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(10時間半減期温度=90℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(10時間半減期温度=91℃)、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(10時間半減期温度=95℃)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン(10時間半減期温度=95℃)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート(10時間半減期温度=95℃)、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(10時間半減期温度=95℃)、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(10時間半減期温度=97℃)、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度=97℃)、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)(10時間半減期温度=97℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(10時間半減期温度=98℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(トルオイルパーオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度=99℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(10時間半減期温度=99℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(10時間半減期温度=99℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(10時間半減期温度=99℃)、t−アミルパーオキシベンゾエート(10時間半減期温度=100℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度=100℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(10時間半減期温度=102℃)、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン(10時間半減期温度=103℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(10時間半減期温度=104℃)、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート(10時間半減期温度=105℃)、ジクミルパーオキサイド(10時間半減期温度=116℃)、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(10時間半減期温度=121℃)等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(10時間半減期温度=52℃)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)(10時間半減期温度=61℃)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(10時間半減期温度=65℃)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(10時間半減期温度=67℃)、ジメチルアゾビス−2,2’−イソブチレート(10時間半減期温度=67℃)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカーボニトリル(10時間半減期温度=87℃)等のアゾ化合物などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を併用することができる。
硬化剤(C)としては、中でも、10時間半減期温度が75℃以上である硬化剤が好ましい。10時間半減期温度が75℃以上の硬化剤を使用すると、アクリル系プレミックスを短時間で硬化することが可能となるとともに、アクリル系プレミックスの貯蔵安定性が良好となる傾向にある。また、必要に応じて、10時間半減期温度が75℃以上の硬化剤と10時間半減期温度が75℃未満の硬化剤との併用も可能である。
本発明のアクリル系プレミックスは、上記(A)〜(C)成分を基本構成成分とするものであるが、これらにさらに無機充填剤含有樹脂粒子(D)を配合し成形することにより、石目模様を有する御影石調人工大理石成形品を得ることができる。
無機充填剤含有樹脂粒子(D)の使用量は、特に制限はないが、アクリル系プレミックス全量中、1〜50重量%の範囲内であることが好ましい。この使用量が、1重量%以上の場合に、意匠性の良好な石目模様が得られる傾向にあり、50重量%以下の場合に、アクリル系プレミックスの製造時における混練性が良好となる傾向にある。この使用量の下限値については、3重量%以上がより好ましく、5重量%以上が特に好ましい。上限値については、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下が特に好ましい。
無機充填剤含有樹脂粒子(D)を構成する樹脂は、特に制限はなく、メチルメタクリレートに溶解しない樹脂ならば制限はなく、例えば、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル樹脂、架橋スチレン樹脂などを挙げることができる。アクリル系樹脂組成物(A)との親和性が高く、美しい外観をした成形品が得られることから、架橋アクリル樹脂が好ましい。この架橋アクリル樹脂は、非架橋アクリル系重合体を含有するものでもよい。
無機充填剤含有樹脂粒子(D)中の樹脂の含有量は、特に制限されないが、(D)成分全量中10〜90重量%の範囲内であることが好ましい。この含有量が10重量部以上の場合に、強度の高い成形品を得ることが可能となる傾向にあり、90重量部以下の場合に、得られる成形品の質感や耐熱性等が良好となる傾向にある。
また、無機充填剤含有樹脂粒子(D)中の樹脂成分とアクリル系樹脂組成物(A)との合計量が、本発明のアクリル系プレミックス全量中、10〜90重量%の範囲内となるのが好ましい。この合計量が10重量%以上の場合に、アクリル系プレミックスの成形時の流動性が向上し、複雑な形状の成形品を成形しても成形品に鬆穴や白化が発生しにくくなり、さらに、得られる成形品の光沢と耐衝撃性が良好となる傾向にある。また、この合計量が90重量%以下の場合に、硬化時の収縮率が低くなる傾向にある。さらに、この合計量が10〜90重量%の範囲内である場合に、大理石特有の深みのある質感(透明感)を有する成形外観を得ることができる傾向にある。この合計量の下限値については、20重量%以上がより好ましく、30重量%以上が特に好ましい。上限値については、80重量%以下がより好ましく、60重量%以下が特に好ましい。
無機充填剤含有樹脂粒子(D)を構成する無機充填剤としては、特に制限はなく、例えば、無機充填剤(B)として先に列挙した各種の無機充填剤を使用することができる。また、2種以上を併用することができる。さらに、無機充填剤含有樹脂粒子(D)と無機充填剤(B)とで、異なる無機充填剤を使用してもよい。
無機充填剤含有樹脂粒子(D)中の無機充填剤の含有量は、特に制限されないが、(D)成分全量中10〜90重量%の範囲内であることが好ましい。この含有量が10重量%以上の場合に、得られる成形品の質感や耐熱性等が良好となる傾向にあり、また、90重量%以下の場合に、強度の高い成形品を得ることが可能となる傾向にある。
また、無機充填剤含有樹脂粒子(D)中の無機充填剤と、先に述べた無機充填剤(B)との合計量が、本発明のアクリル系プレミックス全量中、10〜90重量%の範囲内となることが好ましい。この合計量が10重量%以上の場合に、得られる成形品の質感や耐熱性等が良好となり、また、硬化時の収縮率が低くなる傾向にある。また、この合計量が90重量%以下の場合に、アクリル系プレミックスやアクリル系SMC又はBMCの成形時の流動性が向上し、得られる成形品の光沢及び耐衝撃性が良好となる傾向にある。この合計量の下限値については、20重量%以上がより好ましく、40重量%以上が特に好ましい。上限値については、80重量%以下がより好ましく、70重量%以下が特に好ましい。
無機充填剤含有樹脂粒子(D)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、熱プレス法、注型法などによって重合硬化して得られる無機充填剤入りの樹脂成形品を粉砕し、篩により分級する方法が挙げられる。例えば、そのようにして成形したアクリル系人工大理石成形品を粉砕し、分級する方法が好ましい。
本発明においては、無機充填剤含有樹脂粒子(D)は、一種類を使用してもよいし、あるいは色や粒径の異なる2種以上を併用してもよい。また、無機充填剤含有樹脂粒子(D)の粒径は、成形品の肉厚以下であれば特に制限されない。
本発明のアクリル系プレミックスには、前述の(A)〜(D)成分以外にも、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材、着色剤、内部離型剤、低収縮剤、重合禁止剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明のアクリル系プレミックスを得るための各構成成分の混合方法は、特に制限されない。例えば、前述の(a1)成分、(a2)成分、(b)成分、(B)成分、(C)成分、並びに所望により(D)成分やその他の添加剤成分を、一度に混合してもよいし、予め(a1)成分を部分重合して(a1)成分中にその重合体である(b)成分を生成させてシラップとした後に、残りの成分を混合しても良いし、あるいは、予め(b)成分の一部又は全部を(a1)成分及び/又は(a2)成分に溶解させてシラップとした後に、残りの成分を混合しても良い。
各構成成分を混合するための装置は、特に制限されず、例えば、ニーダー、ミキサー、ロール等を使用することができる。
また、本発明のアクリル系プレミックスを増粘させてアクリル系SMC又はBMCを得る際に、増粘剤として前記特定の嵩密度と吸油量とを有する非架橋重合体粉末を用いる場合には、増粘時間が極めて短くなるため、連続式二軸混練機に各構成成分を均一混合すると同時に増粘させて押し出し、所定の形状に賦型することが可能となり、アクリル系SMC/又はBMCを連続的に製造することができる。
混練時間は、特に制限されないが、10分以内であることが好ましい。混練時間が10分以内の場合に、混練する際にアクリル系プレミックスが受ける熱履歴が少なくなるので、アクリル系プレミックスの貯蔵安定性が良好となる傾向にある。また、この場合、無機充填剤含有樹脂粒子(D)を配合して石目調のアクリル系プレミックスを製造する際には、アクリル系単官能性単量体(a1)及び/又はアクリル系多官能性単量体(a2)中での無機充填剤含有樹脂粒子(D)の膨潤及び溶解が抑制される傾向にあり、得られる人工大理石の石目模様が鮮明となって外観が良好となる傾向にある。また、アクリル系プレミックスとして、アクリル系SMC又はBMCを連続式二軸混練機で製造する場合には、混練時間は、2分以内がより好ましく、1分以内が特に好ましい。下限値については、特に制限されないが、10秒以上が好ましく、20秒以上がより好ましい。
本発明のアクリル系SMC又はBMCは、このように短い時間内でもべたつきのないレベルまで増粘するので、連続式二軸混練機から吐出した直後でも取り扱い性が良好である。また、このアクリル系SMC又はBMCは、連続式二軸混練機から吐出した後、そのまま熟成せずにプレス成形してもよいし、必要に応じて、連続式二軸混練機から吐出した後、熟成させてからプレス成形してもよい。
本発明のアクリル系プレミックスを硬化させることによって、アイゾット衝撃値が8.0kJ/m以上という優れた耐衝撃性を有するアクリル系人工大理石を製造することができる。
さらに、本発明のアクリル系プレミックスを適宜選択することによって、アイゾット衝撃値が10.0kJ/m以上のアクリル系人工大理石を製造することもできる。
アクリル系プレミックスの硬化方法としては、特に制限はなく、アクリル系プレミックスをそのまま注型法により加熱硬化又はレドックス硬化させても良く、また、増粘剤を使用してアクリル系SMC又はBMCとした後に加熱加圧硬化させても良い。中でも、アクリル系プレミックスを増粘させてアクリル系SMC又はBMCとした後に加熱加圧硬化させる方法が、生産性が高く、好ましい。
本発明のアクリル系プレミックスを注型法により硬化させる場合には、本発明のアクリル系人工大理石の荷重たわみ温度は特に制限されないが、本発明のアクリル系プレミックスをアクリル系SMC又はBMCとした後に加熱加圧硬化させる場合には、荷重たわみ温度は70℃以上あることが好ましい。アクリル系人工大理石の荷重たわみ温度が70℃以上である場合に、アクリル系SMC又はBMCを加熱加圧硬化して得られる成形品を金型から取り出す際に、成形品が変形することなく取り出すことが可能となる傾向にある。この荷重たわみ温度の下限値については80℃以上がより好ましく、90℃以上が特に好ましく、100℃以上が最も好ましい。また、上限値については、特に制限はないが、130℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。
本発明のアクリル系プレミックスをアクリル系SMC又はBMCとした後に加熱加圧硬化させて人工大理石を製造する場合には、プレス成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押し出し成形法等の公知の方法で製造することができる。
この場合、加熱温度としては、特に制限はないが、80〜150℃の範囲内が好ましい。加熱温度を80℃以上の場合に、硬化時間を短くすることができ、生産性が高くなる傾向にあり、150℃以下の場合に、得られる成形品の外観が良好となる傾向にある。この加熱温度の下限値については、90℃以上がより好ましく、105℃以上が特に好ましい。上限値については140℃以下がより好ましく、135℃以下が特に好ましい。また、この温度範囲内で上金型と下金型に温度差をつけて加熱硬化させても良い。
加圧圧力としては、1〜20MPaの範囲内であることが好ましい。この加圧圧力が1MPa以上の場合に、アクリル系SMC又はBMCの金型内への充填性が良好となる傾向にあり、20MPa以下の場合に、良好な成形外観が得られる傾向にある。加圧圧力の下限値についは2MPa以上がより好ましく、上限値については15MPa以下がより好ましい。
なお、成形時間は成形品の厚みによって適宜選択すればよい。
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明する。例中の部および%は、全て重量基準である。また、各種物性の評価は、以下の方法に従い行った。
[重合体粉末の物性]
・平均粒子径:レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−910、堀場製
作所製)を用いて測定した。
・嵩密度: JIS R 6126−1970に基づいて測定した。
・吸油量: JIS K 5101−1991に基づいて測定し、パテ状塊が
アマニ油の最後の一滴で急激に柔らかくなる直前を終点とした。
・比表面積: 表面積計SA−6201(堀場製作所製)を用いて、窒素吸着法
で測定した。
・重量平均分子量:GPC法によるポリスチレン換算値であり、重量平均分子量
の範囲によって、以下の条件で測定したものである。
重量平均分子量が10万以下の場合;
装置:東ソー(株)製、高速GPC装置HLC−8120
カラム:東ソー(株)製、TSKgelG2000HXLとTSKgelG
4000HXLとを2本直列に連結
オーブン温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.4重量%
流速:1ml/分
注入量:0.1ml
検出器:RI(示差屈折計)
重量平均分子量が10万を越えて100万未満の場合;
装置:東ソー(株)製、高速GPC装置HLC−8020
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGMHXLを3本直列に連結
オーブン温度:38℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.4重量%
流速:1ml/分
注入量:0.1ml
検出器:RI(示差屈折計)
重量平均分子量が100万以上の場合;
装置:東ソー(株)製、高速GPC装置HLC−8020
カラム:東ソー(株)製、TSKgel、GMHHR−H(30)を2本直
列に連結
オーブン温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.4重量%
流速:1ml/分
注入量:0.1ml
検出器:RI(示差屈折計)
なお、ポリスチレン基準ポリマーとしては、重量平均分子量が2000万のものまでしかないため、重量平均分子量が100万以上のものを測定する場合は、ポリスチレン検量線を重量平均分子量が50億の点まで外挿して換算した。
・膨潤度:100mlのメスシリンダーに重合体粉末を投入し、数回軽くたたい
て5ml詰めた後、10℃以下に冷却したメチルメタクリレートを全
量が100mlとなるように投入し、全体が均一になるように素早く
攪拌し、その後、メスシリンダーを25℃の恒温槽で1時間保持し、
膨潤後の重合体層(メチルメタクリレートを含有する重合体)の体積
を求めて、最初の重合体粉末層の体積(5ml)との比を求めた。
[BMC(アクリル系プレミックス)の物性]
・BMCの貯蔵安定性:
アクリル系プレミックスから得たBMCを密閉容器中に入れ、23℃の雰囲気で保存し、以下の基準で評価した。
○:23℃の雰囲気下で3ヶ月以上放置しても硬化することなく、貯蔵安
定性が極めて良好であった。
×:23℃の雰囲気下で放置したところ、2週間で硬化した。
・BMCの増粘性:
○:混練している間に増粘して餅状になっており、混練直後でもべたつき
がなく、取り扱い性が極めて良好であった。
×:混練中には増粘せず、混練直後は半分液状であり、べたついて取り扱
い性が極めて不良であった。この半分液状のプレミックスを増粘させ
てBMC餅状物を得るためには、60℃で24時間以上の熟成を必要
とした。
[成形品の物性]
・成形品の脱型性:
○:金型から成形品を脱型する際、成形品が変形することなく取り出すこ
とができた。
×:金型から成形品を脱型する際、成形品が変形して白化が生じた。
・成形品の光沢:
◎:光沢が極めて高い。
○:光沢が高い。
△:光沢がある。
×:光沢が低い。
・成形品の光沢ムラ:
◎:光沢のムラが全くない
○+:光沢のムラがない。
○:光沢のムラがほとんどない
×:光沢がある部分と光沢がない部分があり、光沢にムラがある。
・荷重たわみ温度:JIS K−6911−1995に準拠して求めた。試験片
は、厚み3.2mmの人工大理石板より12.7mm×12
7mmの板を切り出し、幅3.2mm、高さ12.7mm、
長さ127mmの試験片として用いた。おもりは、曲げ応力
が1.80N/mmとなるようなおもりを使用した。
・アイゾット衝撃値:JIS K−7110−1984に準拠して求めた。試験
片は、厚み10mmの人工大理石板より12.7mm×64
mmの板を切りだし、ノッチなして、エッジワイズ衝撃値を
求めた。
・落球衝撃高さ: 厚みが10mmで、100mm×100mmのサイズの試験
片を、図1に示すようなSUS製の枠上に置き、重量約19
8gの鋼球(JIS B1501−1988に記載の呼び直
径Dw=33.33750mmの玉軸受用鋼球)を試験片の
中央部に自由落下させ、割れの有無を目視によって調べ、試
験片にクラックが生じたときの高さを落球衝撃高さとした。
・耐熱水性(成形品の耐熱水性):
成形した板を80℃の熱水中に120時間浸漬し、浸漬前の板と色変化(白色度、色差)を比較した。
◎:熱水浸漬前後で白色度及び色差に差が認められず、色変化が極めて小さ
かった。
○+:熱水浸漬前後で白色度及び色差にほとんど差が認められず、色変化が小
さかった。
○:熱水浸漬前後で白色度及び色差に若干の差が認められるが、実用上問題
ないレベルであった。
×:熱水浸漬前後で白色度及び色差に差が認められ、色変化が大きかった。
××:熱水浸漬前後で白色度及び色差に大きな差が認められ、色変化が非常に
大きかった。
(1)重合体粉末(P−1)の製造例
冷却管、温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管を備えた反応装置に、純水925部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株)製、商品名「ペレックスSS−H」)5部、過硫酸カリウム1部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら70℃に加熱した。これに、メチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルM」)500部及びジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、商品名「ペレックスOT−P」)5部からなる混合物を3時間かけて滴下した後、1時間保持し、さらに80℃に昇温して1時間保持して乳化重合を終了し、ポリマーの一次粒子径が0.08μmのエマルションを得た。
得られたエマルションを大川原化工機社製L−8型噴霧乾燥装置を用いて入口温度/出口温度=150℃/90℃で噴霧乾燥処理し、二次凝集体粒子の平均粒子径が30μmの非架橋重合体粉末(P−1)を得た。
得られた非架橋重合体粉末(P−1)の重量平均分子量は60万であり、メチルメタクリレートに完全に溶解し、膨潤度は20倍以上であった。その他の物性値を表1に示す。
(2)重合体粉末(P−2)の製造例
冷却管、温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた反応装置に、純水800部及びポリビニルアルコール(けん化度88%、重合度1000)1部を溶解させた後、メチルメタクリレート400部にノルマルドデシルメルカプタン2部及びアゾビスイソブチロニトリル2部を溶解させた単量体溶液を投入し、窒素雰囲気下、300rpmで攪拌しながら1時間で80℃に昇温し、そのまま2時間加熱した。その後、90℃に昇温し2時間加熱した後、室温まで冷却して懸濁重合を終了した。得られたサスペンジョンを濾過、洗浄した後、50℃の熱風乾燥機で乾燥し、平均粒子径が350μmの非架橋重合体粉末(P−2)を得た。
得られた非架橋重合体粉末(P−2)の重量平均分子量は4万であり、メチルメタクリレートに対する膨潤度は1.2であった。その他の物性値を表1に示す。
Figure 0004377055
(3)無機充填剤含有樹脂粒子(D)の製造例
メチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルM」)60部及びエチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルED」)5部からなるアクリル系単量体混合物に、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(住友化学工業(株)製、商品名「スミライザーBHT」)を0.007部添加し、さらに製造例(2)で得られたアクリル系重合体(P−2)35部を添加して、60℃に昇温して2時間攪拌し、(P−2)を完全に溶解させてアクリル系シラップを得た。このアクリル系シラップの20℃での粘度は900mPa・sであった。
得られたアクリル系シラップ30部に、硬化剤としてt−アミルパーオキシベンゾエート(化薬アクゾ(株)製、商品名「KD−1」、10時間半減期温度=100℃)0.5部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛0.15部、無機充填剤として水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名「ハイジライトH−310」)60部、白色無機顔料又は黒色無機顔料0.05部、及び増粘剤として製造例(1)で得た重合体粉末(P−1)10部を添加し、ニーダーで10分間混練してアクリル系BMCを得た。得られたアクリル系BMCは熟成が不要で、混練直後でもべたつきがなく、取り扱い性が良好であった。
次にこのアクリル系BMCを200mm角の平板成形用金型に充填し、上金型温度130℃、下金型温度115℃、圧力10MPaの条件で10分間加熱加圧硬化させ、厚さ10mmの白色又は黒色のアクリル系人工大理石を得た。
得られたアクリル系人工大理石をクラッシャーで粉砕し、平均粒子径が350μmの白色又は黒色の無機充填剤含有樹脂粒子(D)を得た。粉体特性を表2に示す。
Figure 0004377055
[実施例I−1]
アクリル系単官能性単量体(a1)としてメチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルM」)15部、アクリル系多官能性単量体(a2)として一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「NKエステル3G」)9部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(住友化学工業(株)製、商品名「スミライザーBHT」)0.007部、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエート(化薬アクゾ(株)製、商品名「KD−1」、10時間半減期温度=100℃)0.5部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛0.15部、無機充填剤(B)として水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、商品名「ハイジライトH−310」)61部、及びアクリル系重合体(b)(増粘剤)として重合体粉末(P−1)15部をニーダーに投入して、10分間混練してアクリル系BMCを得た。得られたアクリル系BMCは、混練直後でも増粘して餅状物となっており、べたつきがなく取り扱い性が良好であった。
次に、このアクリル系BMCを200mm角の平板成形用金型に700g充填し、上金型温度130℃、下金型温度115℃、圧力10MPaの条件で10分間加熱加圧硬化させ、厚さ10mmのアクリル系人工大理石を得た。得られた人工大理石を金型から取り出す際に、変形等の不具合はなく、問題なく取り出すことができた。また、得られた人工大理石の表面は光沢が極めて高く、欠陥が全くない鏡面状態であり、外観が極めて良好であった。
この人工大理石のアイゾット衝撃値は12.0kJ/mであり、落球衝撃高さは85cmであった。また、このアクリル系BMCを用いて同様の方法で別に3.2mmの厚みの平板を成形し、荷重たわみ温度を評価したところ、103℃であった。
また、このアクリル系BMCを23℃で放置したところ、3ヶ月経っても硬化することなく、貯蔵安定性が良好であった。
[実施例I−2]
アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレートの代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=4のテトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「NKエステル4G」)を使用すること以外は、実施例I−1と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表4に示す。
[実施例I−3]
メチルメタクリレートの量を16部に、テトラエチレングリコールジメタクリレートの量を5部に、重合体粉末(P−1)の量を14部に、水酸化アルミニウムの量を65部に変更すること以外は、実施例I−2と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表4に示す。
[実施例I−4]
アクリル系単官能性単量体(a1)としてメチルメタクリレート15部を単独で使用する代わりに、メチルメタクリレート12部及びシクロヘキシルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルCH」)3部を併用し、硬化剤(C)として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂(株)製、商品名「パーヘキサ3M」、10時間半減期温度=90℃)0.5部を使用すること以外は、実施例I−1と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表4に示す。
[実施例I−5]
アクリル系単官能性単量体(a1)としてメチルメタクリレート15部、アクリル系多官能性単量体(a2)として一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート9部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.007部、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエート0.5部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛0.15部、無機充填剤(B)として水酸化アルミニウム46部、無機充填剤含有樹脂粒子(D)として製造例(3)で得た黒色の無機充填剤含有樹脂粒子10部と白色の無機充填剤含有樹脂粒子10部の合計20部、及びアクリル系重合体(b)(増粘剤)として重合体粉末(P−1)10部をニーダーに投入して、10分間混練してアクリル系BMCを得た。得られたアクリル系BMCは、混練直後でも増粘して餅状物となっており、べたつきがなく取り扱い性が良好であった。また、このアクリル系BMCの貯蔵安定性の結果を表4に示す。
次に、このアクリル系BMCを用いて実施例I−1と同様の方法で御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表4に示す。
[実施例I−6]
アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレートの代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=4のテトラエチレングリコールジメタクリレートを使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表4に示す。
[実施例I−7]
アクリル系単官能性単量体(a1)としてメチルメタクリレート12部及びシクロヘキシルメタクリレート3部を使用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート(化薬アクゾ(株)製、商品名「カヤエステルAN」、10時間半減期温度=95℃)0.5部を使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表4に示す。
[実施例I−8]
アクリル系単官能性単量体(a1)としてメチルメタクリレート6部及びイソボルニルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルIBX」)1部を使用し、アクリル系多官能性単量体(a2)として一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「NKエステルNPG」)12部を併用し、アクリル系重合体(b)(増粘剤)として重合体粉末(P−1)12部を使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表4に示す。
[比較例1]
アクリル系単官能性単量体(a1)としてメチルメタクリレート63部に、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.007部添加し、さらにアクリル系重合体(b)として製造例(2)で得られた重合体粉末(P−2)37部を添加して、60℃に昇温して2時間攪拌し、重合体粉末(P−2)を完全に溶解させてアクリル系シラップを得た。このアクリル系シラップの20℃での粘度は1500mPa・sであった。
このアクリル系シラップ4.6部に、スチレン(三菱化学(株)製)8.4部と、アクリル系多官能性単量体(a2)として一般式(I)でRがメチル基で、k=9のポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「NKエステル9G」)7部を単独で添加し、さらに、硬化剤(C)としてベンゾイルパーオキサイド(化薬アクゾ(株)製、商品名「カドックスB−CH50」、10時間半減期温度=72℃)を有効成分で0.5部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を0.15部、無機充填剤(B)として水酸化アルミニウムを72部、及びアクリル系重合体(b)(増粘剤)として重合体粉末(P−1)8部を加えて、ニーダーに投入して、10分間混練してアクリル系BMCを得た。
次に、このアクリル系BMCを200mm角の平板成形用金型に充填し、実施例I−1と同様の条件で加熱加圧硬化させた。硬化後、得られた成形品を金型から取り出す際、成形品が変形して白化が生じた。また、得られたアクリル系人工大理石の表面は、光沢にムラはなかったが、全体的に光沢が非常に低かった。このアクリル系人工大理石の荷重たわみ温度を評価したところ、67℃と低かった。その他の物性を表4に示す。
また、このアクリル系BMCを23℃で放置しておいたところ、2週間で硬化し、貯蔵安定性が悪かった。
[比較例2]
アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレートの代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=1のエチレングリコールジメタクリレートを使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。
このアクリル系人工大理石の荷重たわみ温度は126℃と高く、金型から取り出す際に特に変形はしなかったが、アイゾット衝撃値は6.2kJ/mで、落球衝撃高さは40cmであり、耐衝撃性が低かった。
[比較例3]
アクリル系多官能性単量体(a2)として一般式(I)で示される化合物の代わりに、ネオペンチルグリコールジメタクリレートを使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。
このアクリル系人工大理石の荷重たわみ温度は122℃と高く、金型から取り出す際に特に変形はしなかったが、アイゾット衝撃値は6.4kJ/mで、落球衝撃高さは45cmであり、耐衝撃性が低かった。
[実施例II−1]
アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(II)でRがメチル基で、l+m=7のポリプロピレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「NKエステル9PG」)3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエートを使用し、重合体粉末(P−1)の量を14部に変更すること以外は、実施例I−1と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表6に示す。
[実施例II−2]
メチルメタクリレートの量を14部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(II)でRがメチル基で、l+m=7のポリプロピレングリコールジメタクリレート3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表6に示す。
[実施例II−3]
メチルメタクリレートの量を7部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(II)でRがメチル基で、l+m=7のポリプロピレングリコールジメタクリレート3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート12部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用し、重合体粉末(P−1)の量を12部に変更すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表6に示す。
[実施例II−4]
メチルメタクリレートの量を11部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部を単独で使用する代わりに、一般式(II)でRがメチル基で、l+m=7のポリプロピレングリコールジメタクリレート3部及び一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート10部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表6に示す。
[実施例II−5]
アクリル系単官能性単量体(a1)としてメチルメタクリレート15部を単独で使用する代わりに、メチルメタクリレート7部及びシクロヘキシルメタクリレート3部を併用し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(II)でRがメチル基で、l+m=7のポリプロピレングリコールジメタクリレート3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート9部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用し、重合体粉末(P−1)の量を12部に変更すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表6に示す。
[比較例4]
アクリル系多官能性単量体(a2)として一般式(II)でRがメチル基で、l+m=7のポリプロピレングリコールジメタクリレート3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を使用する代わりに、ネオペンチルグリコールジメタクリレートを10部使用すること以外は、実施例II−2と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。
このアクリル系人工大理石の荷重たわみ温度は124℃と高く、金型から取り出す際に特に変形はしなかったが、アイゾット衝撃値は6.4kJ/mで、落球衝撃高さは45cmであり、耐衝撃性が低かった。
[実施例III−1]
アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部を使用する代わりに、一般式(III)でRがメチル基で、n=8〜9のポリブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルPBOM」)3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエートを使用し、重合体粉末(P−1)の量を14部に変更すること以外は、実施例I−1と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表8に示す。
[実施例III−2]
メチルメタクリレートの量を14部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(III)でRがメチル基で、n=8〜9のポリブチレングリコールジメタクリレート3部とネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表8に示す。
[実施例III−3]
メチルメタクリレートの量を7部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(III)でRがメチル基で、n=8〜9のポリブチレングリコールジメタクリレート3部とネオペンチルグリコールジメタクリレート12部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用し、重合体粉末(P−1)の量を12部に変更するすること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表8に示す。
[実施例III−4]
メチルメタクリレートの量を11部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(III)でRがメチル基で、n=8〜9のポリブチレングリコールジメタクリレート3部、及び、一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート10部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表8に示す。
[実施例III−5]
アクリル系単官能性単量体(a1)としてメチルメタクリレート15部を単独で使用する代わりに、メチルメタクリレート7部及びシクロヘキシルメタクリレート3部を併用し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(III)でRがメチル基で、n=8〜9のポリブチレングリコールジメタクリレート3部、及び、ネオペンチルグリコールジメタクリレート9部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用し、(P−1)の量を12部に変更すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表8に示す。
[実施例III−6]
アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレートの代わりに、一般式(III)でRが水素原子で、n=3のポリブチレングリコールジアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名「ライトアクリレートPTMGA−250」)を使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表8に示す。
[実施例III−7]
メチルメタクリレートの量を19部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(III)でRが水素原子で、n=3のポリブチレングリコールジアクリレート5部を使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表8に示す。
[比較例5]
アクリル系多官能性単量体(a2)として、一般式(III)でRがメチル基で、n=8〜9のポリブチレングリコールジメタクリレート3部とネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用する代わりに、一般式(III)でRがメチル基で、n=1の1,4−ブチレングリコールジメタクリレート(共栄社化学(株)製、商品名「ライトエステル1・48G」)10部を使用すること以外は、実施例III−2と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。
このアクリル系人工大理石の荷重たわみ温度は122℃と高く、金型から取り出す際に特に変形はしなかったが、アイゾット衝撃値は6.7kJ/mで、落球衝撃高さは50cmであり、耐衝撃性が低かった。
[実施例IV−1]
アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部を使用する代わりに、一般式(IV)でRが水素原子で、R、Rがペンチレン基でRがジメチルエチレン基で、Rがジメチルプロピレン基で、p+r=4、q=1のポリカプロラクトンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「カヤラッドHX−620」)3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエートを使用し、重合体粉末(P−1)の量を14部に変更すること以外は、実施例I−1と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表10に示す。
[実施例IV−2]
メチルメタクリレートの量を14部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(IV)でRが水素原子で、R、Rがペンチレン基でRがジメチルエチレン基で、Rがジメチルプロピレン基で、p+r=4、q=1のポリカプロラクトンジオールジアクリレート3部とネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表10に示す。
[実施例IV−3]
メチルメタクリレートの量を21部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(IV)でRが水素原子で、R、Rがペンチレン基でRがジメチルエチレン基で、Rがジメチルプロピレン基で、p+r=2、q=1のポリカプロラクトンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「カヤラッドHX−220」)3部を使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表10に示す。
[実施例IV−4]
メチルメタクリレートの量を19部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(IV)でRが水素原子で、R、Rがペンチレン基でRがジメチルエチレン基で、Rがジメチルプロピレン基で、p+r=2、q=1のポリカプロラクトンジオールジアクリレート5部を使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表10に示す。
[比較例6]
アクリル系多官能性単量体(a2)として、一般式(IV)でRが水素原子で、R、Rがペンチレン基でRがジメチルエチレン基で、Rがジメチルプロピレン基で、p+r=4、q=1のポリカプロラクトンジオールジアクリレート3部とネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用する代わりに、一般式(IV)でRが水素原子で、Rがジメチルエチレン基で、Rがジメチルプロピレン基で、p=1、q=r=0のカプロラクトンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「カヤラッドMANDA」)10部を使用すること以外は、実施例IV−2と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。
このアクリル系人工大理石の荷重たわみ温度は95℃と高く、金型から取り出す際に特に変形はしなかったが、アイゾット衝撃値は8.4kJ/mで、落球衝撃高さは60cmであり、耐衝撃性が低かった。
[実施例V−1]
メチルメタクリレートの量を14部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部を使用する代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=14のポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「NKエステル14G」)3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用すること以外は、実施例I−1と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表12に示す。
[実施例V−2]
メチルメタクリレートの量を11部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてアクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部を単独で使用する代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=14のポリエチレングリコールジメタクリレート3部、及び、一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート10部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエートを使用すること以外は、実施例I−1と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表12に示す。
[実施例V−3]
メチルメタクリレートの量を14部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部を使用する代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=23のポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「NKエステル23G」)3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用すること以外は、実施例I−1と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表12に示す。
[実施例V−4]
メチルメタクリレートの量を11部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部を単独で使用する代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=23のポリエチレングリコールジメタクリレート3部、及び、一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート10部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエートを使用すること以外は、実施例I−1と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表12に示す。
[実施例V−5]
アクリル系単官能性単量体(a1)としてメチルメタクリレート15部を単独で使用する代わりに、メチルメタクリレート8部及びシクロヘキシルメタクリレート3部を併用し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部を単独で使用する代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=23のポリエチレングリコールジメタクリレート3部、及び、一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート10部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用すること以外は、実施例I−1と同様の方法でアクリル系BMC及びアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表12に示す。
[実施例V−6]
メチルメタクリレートの量を14部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=14のポリエチレングリコールジメタクリレート3部及びネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表12に示す。
[実施例V−7]
メチルメタクリレートの量を11部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=14のポリエチレングリコールジメタクリレート3部、及び、一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート10部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエートを使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表12に示す。
[実施例V−8]
メチルメタクリレートの量を14部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=23のポリエチレングリコールジメタクリレート3部、及び、ネオペンチルグリコールジメタクリレート7部を併用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表12に示す。
[実施例V−9]
メチルメタクリレートの量を11部に変更し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部の代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=23のポリエチレングリコールジメタクリレート3部、及び、一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート10部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエートを使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表12に示す。
[実施例V−10]
アクリル系単官能性単量体(a1)としてメチルメタクリレート15部を単独で使用する代わりに、メチルメタクリレート8部及びシクロヘキシルメタクリレート3部を併用し、アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレート9部を単独で使用する代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=23のポリエチレングリコールジメタクリレート3部、及び、一般式(I)でRがメチル基で、k=3のトリエチレングリコールジメタクリレート10部を併用し、硬化剤(C)としてt−アミルパーオキシベンゾエートの代わりに、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMC及び御影石調のアクリル系人工大理石を得た。評価結果を表12に示す。
[比較例7]
アクリル系多官能性単量体(a2)としてトリエチレングリコールジメタクリレートの代わりに、一般式(I)でRがメチル基で、k=23のポリエチレングリコールジメタクリレートを単独で使用すること以外は、実施例I−5と同様の方法でアクリル系BMCを得た。
次に、このアクリル系BMCを200mm角の平板成形用金型に充填し、実施例I−1と同様の条件で加熱加圧硬化させた。硬化後、得られた成形品を金型から取り出す際、成形品が変形して白化が生じた。また、得られたアクリル系人工大理石の表面は、光沢にムラはなかったが、全体的に光沢が非常に低かった。このアクリル系人工大理石の荷重たわみ温度を評価したところ、60℃と低かった。その他の物性を表12に示す。
Figure 0004377055
表3中の略号を下記に示す。
MMA:メチルメタクリレート、CHMA:シクロヘキシルメタクリレート、IBXMA:イソボルニルメタクリレート、ST:スチレン、3G:トリエチレングリコールジメタクリレート、4G:テトラエチレングリコールジメタクリレート、9G:ポリエチレングリコール(k=9)ジメタクリレート、EDMA:エチレングリコールジメタクリレート、NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート、KD−1:t−アミルパーオキシベンゾエート、3M:1,1−ビス(ジ−t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、AN:t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、BPO:ベンゾイルパーオキサイド
Figure 0004377055
Figure 0004377055
表5中の略号を下記に示す。
MMA:メチルメタクリレート、CHMA:シクロヘキシルメタクリレート、ST:スチレン、9PG:ポリプロピレングリコール(l+m=7)ジメタクリレート、3G:トリエチレングリコールジメタクリレート、9G:ポリエチレングリコール(k=9)ジメタクリレート、NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート、KD−1:t−アミルパーオキシベンゾエート、3M:1,1−ビス(ジ−t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、AN:t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート
Figure 0004377055
Figure 0004377055
表7中の略号を下記に示す。
MMA:メチルメタクリレート、CHMA:シクロヘキシルメタクリレート、PBOM:ポリブチレングリコール(n=8〜9)ジメタクリレート、PTMGA:ポリブチレングリコール(n=3)ジアクリレート、3G:トリエチレングリコールジメタクリレート、9G:ポリエチレングリコール(k=9)ジメタクリレート、BDMA:1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート、KD−1:t−アミルパーオキシベンゾエート、3M:1,1−ビス(ジ−t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、AN:t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート
Figure 0004377055
Figure 0004377055
表9中の略号を下記に示す。
MMA:メチルメタクリレート、ST:スチレン、HX620:カヤラッドHX−620、HX220:カヤラッドHX−220、9G:ポリエチレングリコール(k=9)ジメタクリレート、MANDA:カヤラッドMANDA、NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート、KD−1:t−アミルパーオキシベンゾエート、AN:t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート
Figure 0004377055
Figure 0004377055
表11中の略号を下記に示す。
MMA:メチルメタクリレート、CHMA:シクロヘキシルメタクリレート、ST:スチレン、3G:トリエチレングリコールジメタクリレート、NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート、9G:ポリエチレングリコール(k=9)ジメタクリレート、14G:ポリエチレングリコール(k=14)ジメタクリレート、23G:ポリエチレングリコール(k=23)ジメタクリレート、KD−1:t−アミルパーオキシベンゾエート、3M:1,1−ビス(ジ−t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、AN:t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート
Figure 0004377055
以上の実施例からも明らかなように、本発明においては、特定の構造を有するアクリル系多官能性単量体を配合することによって、高温成形に適し、成形加工性に優れ、増粘性が良好で、貯蔵安定性が良好なアクリル系SMC又はBMCを提供するアクリル系プレミックスを得ることが可能となり、さらに、これを用いて製造されるアクリル系人工大理石は、優れた外観と、高い耐衝撃性を有しており、工業上非常に有益なものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、落球衝撃高さを測定する際に用いるSUS製の枠を模式的に示す。

Claims (18)

  1. アクリル系単官能性単量体(a1)と、下記一般式(I)〜(IV)の何れかで示される少なくとも一種の化合物を含有するアクリル系多官能性単量体(a2)と、アクリル系重合体(b)とを含んでなるアクリル系樹脂組成物(A)10〜90重量%、無機充填剤(B)10〜90重量%、及び、アクリル系樹脂組成物(A)と無機充填剤(B)の合計量100重量部に対して硬化剤(C)0.01〜10重量部を含むことを特徴とするアクリル系プレミックス。
    Figure 0004377055
    (式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、kは3又は4を表す。)
    Figure 0004377055
    (式(II)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、l、mはそれぞれ0〜25の整数を表し、l+mは2〜25である。)
    Figure 0004377055
    (式(III)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、nは2〜25の整数を表す。)
    Figure 0004377055
    (式(IV)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2〜R5は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、p、q、rはそれぞれ0〜10の整数を表し、p+q+rは2〜25である。)
  2. 硬化剤(C)が、75℃以上の10時間半減期温度を持つラジカル重合開始剤を含有する請求項1記載のアクリル系プレミックス。
  3. さらに、無機充填剤含有樹脂粒子(D)を含有する請求項1記載のアクリル系プレミックス。
  4. アクリル系SMC又はBMCである請求項1〜の何れか一項記載のアクリル系プレミックス。
  5. アクリル系重合体(b)が、嵩密度が0.1〜0.7g/mlの範囲内であり、アマニ油に対する吸油量が60〜200ml/100gの範囲内である重合体粉末を含有する請求項記載のアクリル系プレミックス。
  6. 請求項1記載のアクリル系プレミックスを硬化することにより得られるアクリル系人工大理石。
  7. アイゾット衝撃値が8.0kJ/m2以上である請求項記載のアクリル系人工大理石。
  8. 荷重たわみ温度が70℃以上である請求項記載のアクリル系人工大理石。
  9. 請求項1記載のアクリル系プレミックスを90〜150℃の温度範囲で加熱加圧硬化することを特徴とするアクリル系人工大理石の製造方法。
  10. アクリル系単官能性単量体(a1)と、下記一般式(Iy)で示される少なくとも一種の化合物を含有するアクリル系多官能性単量体(a2)と、アクリル系重合体(b)とを含んでなるアクリル系樹脂組成物(A)10〜90重量%、無機充填剤(B)10〜90重量%、及び、アクリル系樹脂組成物(A)と無機充填剤(B)の合計量100重量部に対して硬化剤(C)0.01〜10重量部を含み、
    前記アクリル系多官能性単量体(a2)として、一般式(I)で示される化合物と、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物とを併用することを特徴とするアクリル系プレミックス。
    Figure 0004377055
    (式(Iy)中、R 1 は水素原子又はメチル基を表し、kは5〜30の整数を表す。)
  11. 硬化剤(C)が、75℃以上の10時間半減期温度を持つラジカル重合開始剤を含有する請求項10記載のアクリル系プレミックス。
  12. さらに、無機充填剤含有樹脂粒子(D)を含有する請求項10記載のアクリル系プレミックス。
  13. アクリル系SMC又はBMCである請求項10〜12の何れか一項記載のアクリル系プレミックス。
  14. アクリル系重合体(b)が、嵩密度が0.1〜0.7g/mlの範囲内であり、アマニ油に対する吸油量が60〜200ml/100gの範囲内である重合体粉末を含有する請求項13記載のアクリル系プレミックス。
  15. 請求項10又は13記載のアクリル系プレミックスを硬化することにより得られるアクリル系人工大理石。
  16. アイゾット衝撃値が8.0kJ/m 2 以上である請求項15記載のアクリル系人工大理石。
  17. 荷重たわみ温度が70℃以上である請求項15記載のアクリル系人工大理石。
  18. 請求項10又は13記載のアクリル系プレミックスを90〜150℃の温度範囲で加熱加圧硬化することを特徴とするアクリル系人工大理石の製造方法。
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