JP3285656B2 - 増粘性アクリルプリミックスおよびそれを用いたアクリル人工大理石 - Google Patents

増粘性アクリルプリミックスおよびそれを用いたアクリル人工大理石

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリル樹脂プリミック
スおよびアクリル人工大理石に係わり、特に増粘性を付
与したアクリル樹脂プリミックス、およびそれより得ら
れる高級感に富むアクリル人工大理石に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂に無機粉末を充填したアク
リル人工大理石は、美しい外観と優れた特性を活かし
て、キッチン天板や各種カウンタートップ、洗面化粧
台、シャワートレー、防水パン、床材、壁材、間仕切り
板などに使用されている。これらは一般的にはメタクリ
ル酸メチルを主体とする不飽和単量体またはシラップに
無機粉末を分散含有せしめてスラリーとし、これを型面
へ沿わせて重合硬化することにより製造される。しかし
メタクリル酸メチルは沸点が低いので、重合温度は低温
にならざるを得ず、そのために重合硬化が遅く、成形時
間が長くなるという欠点があった。
【0003】一方不飽和ポリエステル樹脂系人工大理石
では、プリミックスを用いて短時間で、効率よくプレス
成形されているものがあるところから、アクリルの場合
もメタクリル酸メチルを主体とする不飽和単量体と無機
粉末の高粘度混合物、すなわちプリミックスをプレス成
形する方法が試みられている。しかしアクリル樹脂プリ
ミックスは、不飽和ポリエステルのように増粘すること
ができないので、べたつきを防ぐためにはメタクリル酸
メチルを主体とする不飽和単量体を高粘度シラップと
し、さらに無機粉末を高充填せざるを得ない。そのため
に得られるプリミックスは高温下でも固く、プレス成形
時に型内での流動性が悪くて充填不良になりやすく、ま
た無機粉末高充填のために成形品の透明感が損なわれる
などの欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、べたつきがなくて取扱い性がよく、しかも加熱プ
レス成形にあたっては流動性が良好で、そのうえ成形品
の透明感も良好なアクリル樹脂プリミックスを提供する
ことにあり、他のひとつの目的は該プリミックスを用い
た高級感に富むアクリル人工大理石を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、シラップに溶解含有
される重合体成分としてイソタクティックポリメタクリ
ル酸メチル(以下イソタクティックポリメタクリル酸メ
チルをit−PMMAと略記する)とシンジオタクティ
ックポリメタクリル酸メチル(以下シンジオタクティッ
クポリメタクリル酸メチルをst−PMMAと略記す
る)を併用することにより、べたつきがなく、成形時の
流動性が良好で、成形品の透明感も良好なアクリル樹脂
プリミックスを得ることができることを見出して本発明
を完成した。すなわち本発明によれば上記目的は、アク
リルシラップ25〜65重量%および無機粉末75〜3
5重量%からなり、かつ該アクリルシラップとしては、
シラップの総量を基準にしてメタクリル酸メチル(以下
メタクリル酸メチルをMMAと略記する)を主体とする
不飽和単量体成分90〜30重量%に、重量比が1対9
9〜99対1の、イソタクティック連鎖部分の重量分率
が60重量%以上のit−PMMAとジンジオタクティ
ック連鎖部分の重量分率が50重量%以上のst−PM
MAからなる重合体成分10〜70重量%を溶解含有す
ものが用いられてなることを特徴とするアクリルプリ
ミックス、および該プリミックスより得られるアクリル
人工大理石により達成される。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明に用いられるアクリルシラップは、
シラップの総量を基準にしてMMAを主体とする不飽和
単量体成分90〜30重量%に、重量比が1対99〜9
9対1の、イソタクティック連鎖部分の重量分率が60
重量%以上のit−PMMAとシンジオタクティック連
鎖部分の重量分率が50重量%以上のst−PMMAか
らなる重合体成分10〜70重量%を溶解含有するもの
である。MMAを主体とする不飽和単量体とは、MMA
単独またはMMAと他の不飽和単量体との混合物を指
し、MMAを主体とする不飽和単量体中に占めるMMA
の割合が50重量%以上、好ましくは60重量%以上、
より好ましくは75重量%以上のものである。MMAの
割合が50重量%未満では、アクリル人工大理石の耐候
性能や高級感が低下するので好ましくない。
【0008】MMAと併用し得る他の不飽和単量体は、
単独重合あるいはMMAを主体とする不飽和単量体中の
他の成分と、共重合し得るものであれば特に制限はな
い。そのようなものの例としては、1分子中の炭素原子
数が2〜18の一価アルコールまたは一価フェノールと
アクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル、1分
子中の炭素原子数が2〜4の二価アルコールとアクリル
酸またはメタクリル酸とのモノエステル、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン、α−
メチルスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、弗化ビニリ
デン、塩化ビニリデン、エチレン、無水マレイン酸、マ
レイン酸、フマル酸、グリシジルメタクリレートなどの
一官能性不飽和単量体、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、テトラメチロールメタン、ジメチロールエ
タン、トリメチロールエタン、ジメチロールプロパン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトールなどの多価アルコールとメタクリル
酸および/またはアクリル酸とのエステルで、1分子中
に該エステル基を2以上有するもの、ジビニルベンゼ
ン、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性不飽和
単量体をあげることができるが、これらに限定されるも
のではない。メタクリル酸メチルと併用する他の不飽和
単量体は、2種類以上使用することも可能である。
【0009】アクリル人工大理石の耐熱性能、耐汚染性
能などを向上させるために、多官能性不飽和単量体を併
用することが望ましい。多官能性不飽和単量体として
は、上述のものを使用し得るが、中でもエチレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
メタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなど
が好適である。多官能性不飽和単量体の使用量は、メタ
クリル酸メチルを主体とする不飽和単量体総量の0.1
〜25重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
なお多官能性不飽和単量体の使用量が0.1重量%未満
であると、アクリル人工大理石の耐熱性能、耐汚染性能
などの向上効果に乏しく、一方25重量%を越えるとア
クリル人工大理石が脆くなる。
【0010】本発明のアクリルシラップを構成する重合
体成分は、it−PMMAとst−PMMAとからな
り、その重量比は1対99〜99対1、好ましくは2対
98〜98対2の範囲である。it−PMMAの重量比
が1未満または99を越えると、アクリルプリミックス
にべたつきが生じるので好ましくない。
【0011】本発明のit−PMMAは、具体的にはi
t−PMMAまたはit−PMMAを一成分とするブロ
ックポリマーまたはグラフトポリマーである。ブロック
またはグラフトポリマーの場合は、MMA単位からなる
イソタクティック連鎖部分の重量分率が60重量%以
上、好ましくは80重量%以上のものであれば、その他
の部分はMMAを主体とする不飽和単量体への溶解性を
悪化させない限り特に制限はない。イソタクティック連
鎖部分が60重量%未満であると、アクリルプリミック
スにべたつきが生じるので好ましくない。ここでいうイ
ソタクティシティーは、三連子表示のイソタクティシテ
ィーを意味し、プロトンNMRあるいは炭素−13NM
Rから求められる値である。it−PMMAの重合度
は、数平均重合度で50以上、好ましくは100以上で
ある。
【0012】重合体成分の他の一つの成分であるst−
PMMAは、具体的にはst−PMMAまたはst−P
MMAを一成分とするブロックポリマーまたはグラフト
ポリマーである。ブロックまたはグラフトポリマーの場
合は、MMA単位からなるシンジオタクティック連鎖部
分の重量分率が50重量%以上、好ましくは55重量%
以上のものであれば、その他の部分はMMAを主体とす
る不飽和単量体への溶解性を悪化させない限り特に制限
はない。シンジオタクティック連鎖部分が50重量%未
満であると、アクリルプリミックスにべたつきが生じる
ので好ましくない。ここでいうシンジオタクティシティ
ーは、前述のイソタクティシティー同様三連子表示のシ
ンジオタクティシティーを意味し、プロトンNMRある
いは炭素−13NMRから求められる値である。st−
PMMAの重合度は、数平均重合度で50以上、好まし
くは100以上である。
【0013】st−PMMAは、一般的には高シンジオ
タクティシティーの場合は、特殊な重合開始剤とそれに
合った重合条件を必要とするが、60重量%程度の低シ
ンジオタクティシティーのものは、通常のラジカル重合
で製造することが可能なので、経済的にはそのような低
シンジオタクティシティーのものを用いる方が有利であ
る。
【0014】以上に説明したitおよびst−PMMA
がブロックまたはグラフポリマーの場合、MMAと共
重合する不飽和単量体は、溶解性の点から一官能性であ
ることが好ましく、そのような一官能性不飽和単量体と
しては、MMAと併用し得る不飽和単量体として説明し
た一官能性不飽単量体を用いることができる。
【0015】本発明のアクリルシラップの組成は、シラ
ップの総量を基準にしてMMAを主体とする不飽和単量
体90〜30重量%と重合体成分10〜70重量%、好
ましくは前者80〜35重量%と後者20〜65重量
%、より好ましくは前者70〜40重量%と後者30〜
60重量%である。MMAを主体とする不飽和単量体の
量が90重量%を越えると、成形時に無機粉末とシラッ
プが分離することがあり、30重量%未満では無機粉末
との混練が困難になったり、あるいはアクリルプリミッ
クスの型内での流動性が悪化するので適切でない。
【0016】本発明に使用する無機粉末は、メタクリル
酸メチルを主体とする不飽和単量体に不溶で、その重合
硬化を妨害しないものであればとくに制限はなく、水酸
化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
珪酸カルシウム、アルミン酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、シリカ、タルク、クレー、ガ
ラスなどの粉末を使用することができるが、これらに限
定されるものではない。しかしアクリル人工大理石の高
級感、耐汚染性能、加工性能などの観点から、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカが、とりわけ
水酸化アルミニウムが好ましく用いられる。これら無機
粉末は2種類以上併用することも可能である。無機粉末
の粒子径は通常0.1〜100μm、好ましくは0.5
〜50μm、より好ましくは1〜30μmである。粒子
径が100μmを越えると、アクリル人工大理石に不明
瞭で微細な斑点が現われて美観を損ねることがあり、粒
子径が0.1μm未満であると、透明感が失われたり充
填量が制約されたりするので好ましくない。無機粉末の
充填量は、アクリルシラップと無機粉末の総量を基準に
して75〜35重量%、好ましくは70〜40重量%、
より好ましくは65〜45重量%である。無機粉末の充
填量が75重量%を越えると充填が困難であり、アクリ
ルプリミックスの流動性が悪化し、アクリル人工大理石
の透明感や強度などの特性が低下することなどがある。
一方35重量%未満では、アクリル人工大理石の硬度や
耐熱性能などが低下し、大理石様の外観を損なうことな
どがあるので好ましくない。
【0017】本発明のアクリル樹脂プリミックスは、ア
クリルシラップと無機粉末を混合する方法、あるいはi
t−PMMAとst−PMMA、無機粉末、MMAを主
体とする不飽和単量体を一度に混合する方法など、任意
の方法で製造することができる。またアクリルシラップ
も、MMAを主体とする不飽和単量体に重合体成分を溶
解する方法、あるいはMMAを主体とする不飽和単量体
を部分的にラジカル重合し、これにit−PMMAを溶
解する方法など、任意の方法で製造することができる。
なお本発明のアクリルシラップは、低温時にはゲル化し
て粘度が高く混合が難しくなるので、製造過程において
は、アクリルシラップを単独であれ他の成分との混合物
の状態であれ、そのゲル化点以上の温度で取扱う方が有
利である。ゲル化点は組成により異なるが、通常は50
℃以上、好ましくは60℃以上の加熱下で取扱うとよ
い。
【0018】本発明のアクリル樹脂プリミックスには必
要に応じて、染顔料、補強材、改質剤、安定剤、紫外線
吸収剤、離型剤、難燃化剤、重合開始剤、重合調節剤な
どを加えることが可能である。
【0019】本発明で、アクリル樹脂プリミックスを重
合硬化してアクリル人工大理石にする方法には特に制限
はなく、圧縮成形、射出成形、押出し成形、移送成形な
ど目的に応じて適切な成形方法を採用することができる
が、圧縮成形が一般的である。その場合の圧力は5〜5
00kg/cm2 、好ましくは10〜250kg/cm
2 が適切である。なお重合硬化はこれら成形工程で完結
する必要はなく、別に設けたポストキュアー工程で完結
させたり、あるいは賦形と重合を別工程で行うことも可
能である。
【0020】成形に使用される型面の材質に関しては特
に制限はなく、金属、硝子、セラミックス、樹脂など任
意のものを用いることができる。型の構造に関しても特
に制限はなく、上述のように圧縮成形型、射出成形型、
押出し成形ダイ、移送成形型など任意のものを使用する
ことが可能である。
【0021】本発明においてアクリル樹脂プリミックス
を重合硬化する方法には特に制限はなく、例えばラジカ
ル重合開始剤の存在下または不存在下に加熱する方法、
ラジカル重合開始剤と促進剤よりなるいわゆるレドック
ス系による方法、紫外線または放射線を照射する方法な
どをあげることができる。硬化方法はこれらに限定され
るものではないが、ラジカル重合開始剤の存在下に加熱
する方法が簡便で有利である。加熱温度はラジカル重合
開始剤の種類によって異なるが、通常は75〜150
℃、好ましくは80〜140℃、より好ましくは90〜
130℃の範囲になるよう、ラジカル重合開始剤を選定
するのが好ましい。ラジカル重合開始剤は2種類以上併
用することも可能である。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限される
ものではない。 実施例1〜3 乾燥窒素雰囲気下で、乾燥ジエチルエーテル50重量部
にマグネシウム箔3.5重量部を加え、これにtert
−ブチルブロマイド12.5重量部を乾燥ジエチルエー
テル30重量部に溶解した溶液を、攪拌還流下に1時間
かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。これを一夜静置
して上澄液を取出した。この液のtert−ブチルマグ
ネシウムブロマイドの濃度は0.27規定であった。
【0023】乾燥窒素雰囲気下で、乾燥トルエン50重
量部に上記tert−ブチルマグネシウムブロマイド溶
液10重量部を添加し、ついで−45℃で攪拌下にMM
A50重量部を滴下して3時間重合した。これに塩酸の
メタノール溶液を加えて重合反応を停止し、反応溶液を
10倍量のn−ヘキサン中に注いでPMMAを取出し、
n−ヘキサンついで水−メタノールで洗浄した。得られ
たPMMAのイソタクティシティーは87%、数平均重
合度は520、Mw/Mnは1.6であった。
【0024】MMA97重量部、アクリル酸エチル3重
量部、ラウロイルパーオキサイド0.25重量部、n−
ドデシルメルカプタン0.25重量部からなる単量体溶
液と水250重量部、ポリメタクリル酸カリウム1.2
5重量部、硫酸ナトリウム0.6重量部からなる水溶液
を耐圧重合槽に仕込み、窒素雰囲気下80℃に3時間つ
いで120℃で2時間攪拌して重合しPMMAを得た。
得られたPMMAの数平均重合度は約1000、シンジ
オタクティシティーは61重量%であった。
【0025】以上で得られたit−PMMAおよびst
−PMMA、MMAを表1に示す量と、ネオペンチルグ
リコールジメタクリレート1重量部、水酸化アルミニウ
ム粉末(BW−103、日本軽金属(株)製)67重量
部、カット長3mmのビニロン繊維3重量部、ステアリ
ン酸0.15重量部をPMMAが溶解するまで70℃で
ニーダーで混練した。混練物を45℃に冷却し2,2−
ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン0.1重量
部およびジ−tert−ブチルパーオキシヘキサヒドロ
テレフタレート0.15重量部を混練して、アクリルプ
リミックスを得た。得られたプリミックスはいずれも常
温ではべたつきがなくて、取扱い性は良好であった。
【0026】クロム鍍金面を有する250mm角の平板
成形用金型を100℃に加熱し、80mm角の上記プリ
ミックスを金型中心部にチャージし、10kg/cm2
に1分、ついで80kg/cm2 に10分間保持し、そ
のまま金型温度を室温まで冷却して、厚さ3mmの成形
品を取出した。得られたアクリル人工大理石平板はいず
れも、未充填部分がなく透明性があって高級感に優れ、
中心部と周辺部での無機粉末の含有率に差は見られなか
った。
【0027】 表1 実施例 1 2 3 it−PMMA (重量部) 1.5 3.0 5.0 st−PMMA (重量部) 3.0 6.0 10.0 MMA (重量部) 24.5 20.0 14.0 比較例1 it−PMMAの代わりに実施例2と同じst−PMM
Aを用いること以外は、実施例2と同じ操作でアクリル
プリミックスを得た。得られたアクリルプリミックスは
常温でも柔らかくてべたつきがあり、取扱い難いもので
あった。 比較例2 st−PMMAの代わりに実施例2と同じit−PMM
Aを用いること以外は、実施例2と同じ操作でアクリル
プリミックスを得た。得られたアクリルプリミックスは
常温でも柔らかくてべたつきがあり、取扱い難いもので
あった。 比較例3 it−PMMAとst−PMMAの代わりに、市販のP
MMA(パラビーズHR、(株)クラレ製)を用いるこ
と以外は、実施例2と同じ操作でアクリルプリミックス
を得た。得られたアクリルプリミックスは常温でも柔ら
かくてべたつきがあり、取扱い難いものであった。 比較例4 it−PMMAおよびst−PMMAの代わりに実施例
2と同じ市販のPMMAを9重量部、MMAを10重量
部、水酸化アルミニウム粉末を77重量部用いること以
外は、実施例2と同じ操作によってアクリルプリミック
スを得た。得られたアクリルプリミックスは、常温では
べたつきがなく取扱い性のよいものであるが、実施例2
と同様の成形操作によって得た平板は流動不良のために
未充填部分があり、また成形品面は深みがなく高級感に
欠けるものであった。 実施例4〜9 実施例2と同じit−PMMAとst−PMMAを、表
2に示す量用いること以外は実施例2と同じ操作によっ
て、アクリルプリミックスを得た。得られたアクリルプ
リミックスはいずれも、常温ではべたつきがなくて取扱
い性のよいものであった。さらに実施例2と同様の成形
操作によって得た平板は、いずれも未充填部分がなく透
明性があって高級感に優れ、中心部と周辺部での無機粉
末の含有率に差は見られなかった。
【0028】 表2 実施例 4 5 6 7 8 9 it−PMMA(重量部) 0.2 0.5 2.0 7.0 8.5 8.8 st−PMMA(重量部) 8.8 8.5 7.0 2.0 0.5 0.2
【0029】
【発明の効果】従来のアクリル樹脂プリミックスは、不
飽和ポリエステルプリミックスのように、容易に増粘で
きないので、べたつきを防いで取扱い性を良くするため
には、高粘度シラップに無機粉末を高充填せざるを得な
い。そのために得られるアクリルプリミックスは、加熱
しても固くて成形時に流動性が悪く、また無機粉末高充
填のために成形品に透明性がなく、高級感に欠けるなど
の欠点があった。
【0030】これに対して、本発明になるアクリルプリ
ミックスは、it−PMMAとst−PMMAを溶解含
有した、高温ではゾル状態、常温ではゲル状態のシラッ
プを用いているので、高粘度シラップとしなくても常温
ではべたつきがなく、成形時の高温下では粘度が下がっ
て流動性は良好になる。またべたつき防止に無機粉末を
高充填する必要もないので、深みがあって高級感に富ん
だ成形品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−160648(JP,A) 特開 平3−285854(JP,A) 特開 平5−32720(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/00 - 33/12 C04B 26/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルシラップ25〜65重量%およ
    び無機粉末75〜35重量%からなり、かつ該アクリル
    シラップとしては、シラップの総量を基準にしてメタク
    リル酸メチルを主体とする不飽和単量体成分90〜30
    重量%に、重量比が1対99〜99対1の、イソタクテ
    ィック連鎖部分の重量分率が60重量%以上のイソタク
    ティックポリメタクリル酸メチルとシンジオタクティッ
    ク連鎖部分の重量分率が50重量%以上のシンジオタク
    ティックポリメタクリル酸メチルからなる重合体成分1
    0〜70重量%を溶解含有するものが用いられてなるこ
    とを特徴とするアクリルプリミックス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアクリルプリミックス
    を重合硬化してなるアクリル人工大理石。
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