JP4466244B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物に関し、詳しくは耐熱性に優れたメタクリル樹脂成形体を与えうる樹脂組成物に関する。
メチルメタクリレートを主成分とする単量体を重合して得られるメタクリル樹脂は、透明性、表面の光沢、耐候性、機械的強度などに優れていることから、その成形体は各種用途に広く用いられている。かかるメタクリル樹脂成形体としては、耐熱性に優れたものが求められている。
耐熱性に優れたメタクリル樹脂成形体を与えるものとして、特許文献1〔特開2002−332306号公報〕には、メチルメタクリレートを主成分とする単官能単量体および多官能単量体(A)、メチルメタクリレートを主成分とする単官能不飽和単量体および多官能不飽和単量体の共重合体からなる部分架橋樹脂粒子(B)、ラジカル重合開始剤ならびにヒンダードフェノール系化合物を含有する樹脂組成物(C)が開示されており、具体的には単官能不飽和単量体としてメチルメタクリレートを単独で用いた例が開示されている。
特開2000−332306号公報
しかし、より高い耐熱性を示すメタクリル樹脂成形体を与えうる樹脂組成物が求められている。
そこで本発明者は、より高い耐熱性を示すメタクリル樹脂成形体を与えうる樹脂組成物を開発するべく鋭意検討した結果、単官能単量体のうち一部をアクリレート系単量体とすることで、さらに耐熱性が向上したメタクリル樹脂成形体を与えうることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を含有し、成分(A)および成分(B)の合計含有量100質量部あたりの成分(A)の含有量が30質量部〜60質量部、成分(B)の含有量が70重量部〜40重量部、成分(C)の含有量が0.1質量部〜5質量部、成分(D)の含有量が0.01質量部〜1質量部であることを特徴とする樹脂組成物を提供するものである。
成分(A):メチルメタクリレートを主成分とするメタクリレート系単量体5質量%〜7 9質量%、アクリレート系単量体1質量%〜5質量%および分子内にラジカ ル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能不飽和単量体20質量%〜9 0質量%を含む不飽和単量体組成物
成分(B):メチルメタクリレートを主成分とする不飽和単量体の重合体からなる樹脂粒 子であって、部分的に架橋した部分架橋樹脂粒子の含有量が20重量%〜1 00重量%、非架橋樹脂粒子の含有量が80重量%〜0重量%である樹脂粒 子
成分(C):ラジカル重合開始剤
成分(D):ヒンダードフェノール系化合物
本発明の樹脂組成物によれば、より耐熱性に優れたメタクリル樹脂成形体を製造することができる。
本発明の樹脂組成物に含有される成分(A)は、メチルメタクリレートを主成分とするメタクリレート系単量体、アクリレート系単量体および多官能不飽和単量体を含む不飽和単量体組成物である。
メタクリレート系単量体は、メチルメタクリレートを主成分とするものが用いられ、メチルメタクリレート単独、メチルメタクリレートとこれ以外の単官能不飽和単量体との混合物が挙げられる。メチルメタクリレート以外の単官能不飽和単量体としては、例えばプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのようなメタクリル酸と脂肪族、芳香族、脂環族アルコールとのエステル、
ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのようなメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、
メタクリル酸などの不飽和酸類などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
メタクリレート系単量体中、メチルメタクリレートの割合は50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
アクリル系単量体は、アクリレートまたはそのエステルである。アクリレートのエステルとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどのようなアクリル酸と脂肪族、芳香族、脂環族アルコールとのエステル、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどのようなアクリル酸のヒドロキシアルキルエステルなどが挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
多官能不飽和単量体は、分子内にラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する化合物であり、例えばアリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどが挙げられ、好ましくはメチルアクリレートである。アクリレート系単量体はそれぞれ単独で、または2種以上を混合して用いられる。
成分(A)において、アクリレート系単量体が1重量%未満であると、熱分解し易いために耐熱性が不十分となり易く、5重量%を超えると、ガラス転移温度が低くなって熱分解し易くなる。多官能不飽和単量体が20重量%未満となると、耐熱性が不十分となり易い。多官能不飽和単量体が90重量%を超えると、衝撃強度や機械的強度が低下し易い。
成分(B)の樹脂粒子組成物は、部分架橋樹脂粒子および非架橋樹脂粒子を含む。これら部分架橋樹脂粒子および非架橋樹脂粒子は、不飽和単量体の重合体からなる樹脂粒子である。
不飽和単量体は、分子内にラジカル重合可能な二重結合を有する単量体であって、メチルメタクリレートを主成分とするものであり、メチルメタクリレート単独、メチルメタクリレートとこれ以外の不飽和単量体との混合物が挙げられる。不飽和単量体としては、成分(A)において上記したと同様のメタクリレート系単量体、アクリレート系単量体、多官能不飽和単量体のほか、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル,無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独または2種以上を組み合わせて用いられる。不飽和単量体は、メチルメタクリレートを主成分とするものであればよく、メチルメタクリレート含有量が通常は50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
部分架橋樹脂粒子とは、部分的に架橋した構造の樹脂からなる粒子であって、例えばアセトンなどのようにメチルメタクリレートの単独重合体を溶解しうる溶媒に対して、膨潤はするが、完全には溶解しない樹脂粒子である。このような部分架橋樹脂粒子は、メチルメタクリレートおよび多官能不飽和単量体の共重合体が挙げられ、不飽和単量体として更に単官能不飽和単量体を用いて得られる共重合体であってもよい。
部分架橋樹脂粒子とは、部分的に架橋した構造の樹脂からなる粒子であって、例えばアセトンなどのようにメチルメタクリレートの単独重合体を溶解しうる溶媒に対して、膨潤はするが、完全には溶解しない樹脂粒子である。このような部分架橋樹脂粒子は、メチルメタクリレートおよび多官能不飽和単量体の共重合体が挙げられ、不飽和単量体として更に単官能不飽和単量体を用いて得られる共重合体であってもよい。
非架橋樹脂粒子とは、架橋構造を持たない構造の樹脂からなる粒子であって、例えばアセトンなどのようにメチルメタクリレートの単独重合体を溶解しうる溶媒に対して、完全に溶解しうる樹脂粒子である。このような非架橋樹脂粒子は、例えば不飽和単量体としてた官能不飽和単量体を用いることなく得られる樹脂粒子であり、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレートおよびこれ以外の単官能不飽和単量体の共重合体の粒子が挙げられる。
かかる部分架橋樹脂粒子および非架橋樹脂粒子の粒子径は通常1μm〜100μmである。1μm未満では、成分(A)と均一に混合することが容易ではなく、また100μmを超えると、重合硬化後のメタクリル樹脂成形体の表面に粒子が目立ち易くなり、好ましくない。
かかる部分架橋樹脂粒子および非架橋樹脂粒子は、例えば乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などの通常の方法により不飽和単量体を粒子状に重合して製造することができ、得られた樹脂粒子を更に粉砕して用いてもよい。また、塊状重合法、キャスト重合法などの方法により不飽和単量体を重合したのち、粉砕して得ることもできる。
成分(B)の樹脂粒子組成物のうち、20重量%以上は部分架橋樹脂粒子であり、全量が部分架橋樹脂粒子であってもよい。部分架橋樹脂粒子の割合が20重量%未満で、非架橋樹脂粒子の割合が80重量%を越えると、メタクリル組成物の取扱いが容易ではないため、好ましくない。
メタクリル組成物における成分(A)および成分(B)の含有量は、成分(A)および成分(B)の合計含有量100重量部あたり成分(A)が30重量部〜60重量部であり、成分(B)が70重量部〜40重量部である。成分(A)の含有量が30重量部未満で成分(B)の含有量が70重量部を超えると、成分(A)および成分(B)を均一に混合することが困難になる傾向にあり、また目的とする形状に賦形することが困難になる傾向にあり、好ましくない。成分(A)の含有量が60重量部を超え、成分(B)の含有量が40重量部未満であると、メタクリル組成物のべとつきが大きくなって取扱いが容易ではなく、また目的の形状に賦形することが困難となり、好ましくない。
成分(C)のラジカル重合開始剤としては、例えば1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンテン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2−シアノ−2−プロピラゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシ−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ化合物、
ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどのジアシル、ジアルキルパーオキサイド系開始剤、
t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどのパーオキシエステル系開始剤、
t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーカーボネイト系開始剤、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール系開始剤などが挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤はそれぞれ単独で、または2種類以上を組み合わせて用いられる。
ラジカル重合開始剤の含有量は、成分(A)および(B)の合計含有量100重量部あたり0.1重量部〜5重量部である。0.1重量部未満では重合硬化に長時間を要し、5重量部を越えた場合のでは成分(A)の不飽和単量体混合物の重合硬化が安定しなくなって、好ましくない。
成分(D)のヒンダードフェノール系化合物は、フェノール性水酸基のオルト位にt−ブチル基を有する化合物であって、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、t−ブチルヒドロキシアニソール、n−オクタデシル−3(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカンなどが挙げられ、好ましくはトリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
かかる成分(D)の含有量は、成分(A)および成分(B)の合計含有量100質量部あたり、十分な耐熱性を与え得る点で0.01質量部以上であり、コストの点で、1質量部以下である。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、離型剤、染料、顔料などの着色剤、無機充填剤、重合抑制剤、難燃化剤、補強剤などの添加剤を含有していてもよい。
かかる本発明の樹脂組成物は、例えば成分(A)、成分(B)および成分(C)を混合することにより得ることができる。混合には、例えば2軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練装置を用いることができる。
本発明の樹脂組成物からメタクリル樹脂成形体を得るには、例えば本発明の樹脂組成物を賦形し、重合硬化させればよい。本発明の樹脂組成物の賦形は通常、熟成したのちに行われる。熟成により成分(A)の単量体組成物の少なくとも一部が、部分架橋樹脂粒子に含浸して、取扱いと賦形が容易な、粘土状ないし粉末状の熟成物となる。なお、成分(B)として非架橋樹脂粒子を用いた場合、この非架橋樹脂粒子は、通常、成分(A)の単量体組成物に溶解され、部分架橋樹脂粒子に含浸される。
熟成は、20℃〜100℃で行われる。熟成温度が20℃未満では、熟成に長時間を要し、また100℃を越えると、重合硬化してしまうおそれがある。
熟成は、混合と同時に行われてもよい。具体的には熟成温度で成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を混合し、混練すればよい。
熟成後の熟成物を成形型に入れ、加圧して賦形する。熟成物を成形型に入れ、加圧して賦形する方法としては、例えば圧縮成形法、射出成形法、移送成形法などが挙げられる。
賦形後、重合硬化させる。重合硬化させるには、80℃〜200℃に加熱してラジカル重合開始剤により重合を開始させればよい。加熱温度が80℃未満では重合硬化に長時間を要し、好ましくない。200℃を超えると、成分(A)および成分(B)の分解が起こったり、得られる成形体に着色を生ずることがあり、好ましくない。
かくしてメタクリル樹脂成形体を得るが、この成形体は、本発明の樹脂組成物が重合硬化されてなるものであり、耐熱性に優れているので、例えば自動車などのメーターカバー、照明装置の光源を覆う照明カバー、具体的には自動車用ヘッドランプカバーなどとして有用である。オーブンレンジの窓材料、樹脂製食器、太陽エネルギー利用温水器のカバー、太陽電池の保護カバー、機械装置の保護カバー、各種レンズとしても有用である。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。
なお、得られたメタクリル樹脂成形体の全光線透過率(Tt)、ヘイズ(Hz)はJIS K7105に従って測定し、黄色度(YI)は、色差計を用いて測定した。加熱による質量減少率(ΔM)は、加熱前の質量(M0)と加熱後の質量(M1)とから式(1)
ΔM(%)=(M0 − M1)/M0 ×100 (1)
によって求めた。
用いた部分架橋樹脂粒子の膨潤度は、架橋樹脂粒子をクロロホルムに浸漬した後、濾過操作により不溶解分を得、その体積(V1)を求め、これと、クロロホルムに浸漬する前の架橋樹脂粒子の体積(V0)とから、式(2)
膨潤度 = (V1−V0)/V0 (2)
により求めた。
実施例1
メチルメタクリレート13質量部、メチルアクリレート1質量部、エチレングリコールジメタクリレート〔新中村化学(株)製「NKエステルG」〕36質量部、部分架橋樹脂粒子〔メタクリル酸メチルとエチレングリコールジメタクリレートとを質量比99.8:0.2で共重合させて得た粒子、粒子径は1μm〜8μm、膨潤度2〕50質量部、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.29質量部およびトリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート0.05質量部をプラスチック製容器の中で室温(約20℃〜25℃)にて混合、攪拌して、スラリー状の樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物をポリエチレン製袋に移し替え、密閉し、温風によって50℃に加熱し、同温度で1時間保持したのち、冷却したところ、粉末状の樹脂組成物となっていた。この粉末状樹脂組成物は、手で触ってもベトツキがなく、その取り扱いは容易であった。
縦250mm、横40mm、厚さ3mmの平板状のキャビティーを有する一対の成形型のキャビティーに、上記で得た粉末状樹脂組成物38gを入れ、温度120℃、型締め圧力8MPa(80kgf/cm2、絶対圧力)で5分間加熱、加圧したところ、キャビティーの形状のとおりの平板状のメタクリル樹脂成形体を得た。このメタクリル樹脂成形体の全光線透過率(Tt)、ヘイズ(Hz)、黄色度(YI)を第1表に示す。
上記で得たメタクリル樹脂板から切り出した試験片を大気中260℃のオーブンに入れ、第1表に示す加熱時間を経過したのち取り出し、放冷したのち、全光線透過率(Tt)、ヘイズ(Hz)、黄色度(YI)および質量減少率(ΔM)を測定した。結果を第1表に示す。この成形体は、10分の加熱後も加熱前と同等の全光線透過率(Tt)、ヘイズ(Hz)、黄色度(YI)を示し、質量も大きくは減少していない。
実施例2
メタクリル酸メチルの使用量を11質量部とし、アクリル酸メチルの使用量を4質量部とした以外は実施例1と同様に操作して、粉末状の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物は、手で触ってもベトツキがなく、その取り扱いは容易であった。
その後、実施例1と同様に操作してメタクリル樹脂成形体を得た。この成形体の評価結果を第1表に示す。この成形体は、10分の加熱後も加熱前と同等の全光線透過率(Tt)、ヘイズ(Hz)、黄色度(YI)を示し、質量も大きくは減少していない。
比較例1
メタクリル酸メチルの使用量を15質量部とし、アクリル酸メチルを用いなかった以外は実施例1と同様に操作して、粉末状の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物は、手で触ってもベトツキがなく、その取り扱いは容易であった。
その後、実施例1と同様に操作してメタクリル樹脂成形体を得た。この成形体の評価結果を第1表に示す。この成形体は、加熱前と比較して10分の加熱後には、全光線透過率(Tt)が低下し、ヘイズ(Hz)は上昇している。また、質量は比較的大きく減少している。
第1表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
加熱時間 Tt Hz YI ΔM
(分) (%) (%) (%)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 − 91.5 1.5 1.17 −
1 91.4 2.0 1.18 −0.12
5 91.0 2.6 1.50 −0.45
10 91.4 2.0 1.71 −1.23
─────────────────────────────────
実施例2 − 91.4 1.8 1.20 −
1 91.5 1.6 1.20 −0.13
5 91.5 1.5 1.56 −0.45
10 91.2 2.4 1.99 −0.93
─────────────────────────────────
比較例1 − 92.6 2.0 1.34 −
1 92.5 2.4 1.86 −0.08
5 93.6 1.1 1.39 −1.20
10 90.6 5.8 1.28 −6.43
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Tt:全光線透過率(JIS K7105)
Hz:ヘイズ(JIS K7105)
YI:黄色度
ΔM:質量減少率(%)

Claims (4)

  1. 以下の成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を含有し、成分(A)および成分(B)の合計含有量100質量部あたりの成分(A)の含有量が30質量部〜60質量部、成分(B)の含有量が70重量部〜40重量部、成分(C)の含有量が0.1質量部〜5質量部、成分(D)の含有量が0.01質量部〜1質量部であることを特徴とする樹脂組成物。
    成分(A):メチルメタクリレートを主成分とするメタクリレート系単量体5質量%〜7 9質量%、メチルアクリレート1質量%〜5質量%および分子内にラジカル 重合可能な二重結合を2個以上有する多官能不飽和単量体20質量%〜90 質量%を含む不飽和単量体組成物
    成分(B):メチルメタクリレートを主成分とする不飽和単量体の重合体からなる樹脂粒 子であって、部分的に架橋した部分架橋樹脂粒子の含有量が20重量%〜1 00重量%、非架橋樹脂粒子の含有量が80重量%〜0重量%である樹脂粒 子
    成分(C):ラジカル重合開始剤
    成分(D):ヒンダードフェノール系化合物
  2. 成分(B)の部分架橋樹脂粒子および非架橋樹脂粒子の粒子径が1μm〜100μmである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物を賦形し、重合硬化させることを特徴とするメタクリル樹脂成形体の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物が重合硬化されてなるメタクリル樹脂成形体。
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