JP2011063698A - 光学部品用樹脂原料組成物および光学部品 - Google Patents

光学部品用樹脂原料組成物および光学部品 Download PDF

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寛 小幡
Takeshi Iwasaki
猛 岩崎
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Abstract

【課題】優れた透明性、低線膨張率、低含水率を有すると共に、クラックを発生させず、かつ熱に対して安定で黄変が発生せず、成形加工性にも優れた光学部品用樹脂を製造するための原料組成物および光学部品を提供する。
【解決手段】液状樹脂(XL)と微粉状樹脂硬化物(XS)を含む原料組成物であって、液状樹脂(XL)が、下記の一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)と、他の一般式で表される(メタ)アクリレート化合物(B)を含有することなどを要件とする光学部品用樹脂原料組成物である。(Xは、多環式脂肪族炭化水素基又は、芳香族炭化水素基及び/又は単環式脂肪族炭化水素基、Yは独立に、直接結合、炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数1〜4のオキシアルキレン基、R1は独立に、水素原子又はメチル基であり、nは1〜4の整数である。)
Figure 2011063698

【選択図】なし

Description

本発明は、優れた透明性、低線膨張率、低含水率を有すると共に、クラックを発生させず、かつ熱に対して安定で黄変が発生せず、成形加工性にも優れた光学部品用樹脂を製造するための原料組成物および光学部品に関する。
従来から、透明性樹脂として、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、脂環型オレフィンポリマー(例えば、特許文献1参照)及びエポキシ樹脂などが知られている。これらの透明性樹脂は、工業的にも大量に製造され、その良好な透明性を生かして各分野で大量に使用されている。
また、これらの透明性樹脂は、その良好な透明性に加えて、軽量性、成形性を活かしガラス代替品として利用されている。さらに、透明性樹脂は、近年の軽薄短小化、部品点数の削減を反映して、ハンダリフロー工程で耐えうる材料が望まれており、そのためには光線透過率などの光学特性に加えて非常に高い耐熱性が求められている。
しかしながら、上記の透明性樹脂は、耐熱性が必ずしも充分ではない。例えば上記の透明性樹脂のうちで耐熱性の最も高い樹脂とされるポリカーボネート樹脂でも、その耐熱性の指標であるガラス転移温度は150℃程度であり、より高い耐熱性を持つ新しい透明樹脂の開発が望まれている。
透明性樹脂として、具体的には、ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリレート系重合体やポリカーボネート系重合体が既に光学部品用樹脂材料の用途に供せられている。しかし、上記ポリ(メタ)アクリレート系重合体の中のポリメチルアクリレートは、耐熱性、耐熱安定性、耐溶剤性などの性能に劣ると共に、吸水性が大きく耐水性にも劣るので、これらの性能の要求される分野では利用できない。また、ポリメチルメタクリレートは、光学部品用樹脂材料の用途に供せられるが、ハンダリフロー工程に耐えうるような非常に高い耐熱性、耐熱安定性の要求される分野には適用できない。
光学部品用樹脂材料の分野において、従来から知られているポリ(メタ)アクリレート系重合体が有する上述の問題を改善する方法として、多環式脂環族アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体や、多環式脂環族アルキル(メタ)アクリレートと各種の(メタ)アクリレート系単量体の共重合体を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
この特許文献2及び3に記載の多環式脂環族アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体やその共重合体は、いずれも従来から使用されているポリメチル(メタ)アクリレートに比べて耐熱性及び耐熱安定性は改善されるが、その改善幅は小さく、ハンダリフロー工程に耐える耐熱性には達していない。
さらに、このような材料を用いて光学部品を成形する際に、成形不具合があると製品を連続して得ることができず、製品物性や量産性に問題が発生する。具体的な不具合としては、材料の粘度が低い場合にしばしば発生するバリや、ランナー、スプルーからの漏れやイジェクタピンへの染み込みなどによって生じる成形品の転写不足など成型不良や、詰まりによる動作不良である。その不具合を改良するためには、材料粘度を向上させ、すき間へのしみ込みや広がりを抑制する必要がある。
また、材料を硬化する際に、固化収縮が発生し、ヒケなどによる部材の転写不足やインサート物を含む成形品ならばインサート物の変形、切断などの成形不良を発生するために、固化収縮を抑制する必要がある。
このため光学部品用樹脂材料の分野において、透明性が高く、低含水率、低線膨張率を有すると共に、さらにクラックを発生させず、かつ熱に対して安定で黄変が発生せず、成形加工性にも優れた材料の開発が強く要望されている。
特開2002−105131号公報 特公平7−17713号公報 特開平6−208001号公報
本発明は、上記状況に鑑みて為されたものであり、優れた透明性、低線膨張率、低含水率を有すると共に、クラックを発生させず、かつ熱に対して安定で黄変が発生せず、成形加工性にも優れた光学部品用樹脂を製造するための原料組成物および光学部品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する、アダマンチル基を含む(メタ)アクリレート化合物で、多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量が多い液状樹脂と微粉状樹脂硬化物からなる組成物を用いることにより、優れた透明性、低線膨張率、低含水率を有する光学部品が得られ、固化時の収縮率の低下と硬化液の粘度上昇により成形加工性が改良されて、上記の目的に適うことを見出した。
即ち本発明は、以下の光学部品用樹脂原料組成物及び光学部品を提供するものである。
1.液状樹脂(XL)と微粉状樹脂硬化物(XS)を含む原料組成物であって、液状樹脂(XL)が、下記の一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)と、下記の一般式(II)で表される(メタ)アクリレート化合物(B)を含有し、かつ
(1)(メタ)アクリレート化合物(A)は、アダマンチル基を含む(メタ)アクリレート化合物を含むこと、
(2)(メタ)アクリレート化合物(B)の平均分子量が140〜2500であること、
(3)(メタ)アクリレート化合物(A)と(メタ)アクリレート化合物(B)との比率が、35〜100質量%:65〜0質量%であること、及び
(4)(メタ)アクリレート化合物(A)および(メタ)アクリレート化合物(B)において、一般式(I)のn又は一般式(II)のmが1であるものの合計質量と、nが2〜4又はmが2〜8であるものの合計質量の比率が60〜0質量%:40〜100質量%であること、
を特徴とする光学部品用樹脂原料組成物。
Figure 2011063698
(Xは多環式脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は単環式脂肪族炭化水素基、Yは独立に直接結合、炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数1〜4のオキシアルキレン基、R1は独立に水素原子又はメチル基であり、nは1〜4の整数である。)
Figure 2011063698
〔Z1は、エーテル結合を含んでも良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基及び/又は-R3(OR3)k-で表されるオキシアルキレン基(R3は炭素数1〜4のアルキレン基を含む有機置換基、kは1〜20の整数である。)、R2は独立に水素原子又はメチル基であり、mは1〜8の整数である。〕
2.波長486nm、589nmおよび656nmにおける微粉状樹脂硬化物(XS)の屈折率と液状樹脂(XL)の硬化物の屈折率の差の絶対値の和が0.2以下である上記1の光学部品用樹脂原料組成物。
3.微粉状樹脂硬化物(XS)が液状樹脂(XL)の硬化物である上記1又は2の光学部品用樹脂原料組成物。
4.微粉状樹脂硬化物(XS)の粒子径が0.1〜500μmである上記1〜3のいずれかの光学部品用樹脂原料組成物。
5.微粉状樹脂硬化物(XS)と液状樹脂(XL)との質量比が5〜95:70〜30である上記1〜4のいずれかの光学部品用樹脂原料組成物。
6.液状樹脂(XL)が、さらにシラン系(メタ)アクリレート化合物(C)を含有するものである上記1〜5のいずれかに記載の光学部品用樹脂原料組成物。
7.(メタ)アクリレート化合物(B)が下記の一般式(III)又は一般式(IV)で表される化合物である上記1〜6のいずれかの光学部品用樹脂原料組成物。
Figure 2011063698
(Z2は、エーテル結合を含んでも良い炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基、単環式又は多環式脂肪族炭化水素基、および芳香族炭化水素基から選ばれる一種以上の有機基、Y1はエーテル結合を含んでも良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基、R4は独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、pは2〜20の整数である。R2およびmは前式と同様である。)
8.一般式(III)で表される(メタ)アクリレート化合物(B)のY1が、-(CH2)r-、-(CH3CH)r-で表されるアルキレン基(rは5〜30の整数)又は-(CR5−CR6)q-で表されるプロピレン基(R5、R6のどちらかが水素原子で他方がメチル基、qは2〜15の整数)である上記7の光学部品用樹脂原料組成物。
9.(メタ)アクリレート化合物(A)の20〜100質量%がアダマンチル基を有する(メタ)アクリレート化合物である上記1〜8いずれかの光学部品用樹脂原料組成物。
10.(メタ)アクリレート化合物(A)と(メタ)アクリレート化合物(B)の合計量100質量部に対して、酸化防止剤0.01〜10質量部を含有する上記1〜9いずれかの光学部品用樹脂原料組成物。
11.上記1〜10何れかの光学部品用樹脂原料組成物を重合・成形して得られた光学部品。
12.液状樹脂成形法で重合・成形して得られた上記11の光学部品。
本発明によれば、優れた透明性、低線膨張率、低含水率を有すると共に、クラックを発生させず、かつ熱に対して安定で黄変が発生せず、成形加工性にも優れた光学部品用樹脂が得られる原料組成物及び光学部品を提供することができる。
本発明の光学部品用樹脂原料組成物は、液状樹脂(XL)と微粉状樹脂硬化物(XS)を含む組成物であって、液状樹脂(XL)が、下記の一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)と、下記の一般式(II)で表される(メタ)アクリレート化合物(B)を含有するものである。
次に本発明の光学部品用樹脂原料組成物の各成分を説明する。なお、「(メタ)アクリレート化合物」は、アクリレート化合物とメタクリレート化合物の双方を含むことを示す。
Figure 2011063698
(Xは、多環式脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は単環式脂肪族炭化水素基、Yは独立に、直接結合、炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数1〜4のオキシアルキレン基、R1は独立に水素原子又はメチル基であり、nは1〜4の整数である。)
Figure 2011063698
〔Z1は、エーテル結合を含んで良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基及び/又は-R3(OR3)p-で表されるオキシアルキレン基(R3は炭素数1〜4のアルキレン基を含む有機置換基、pは1〜20の整数である。)、R2は独立に水素原子又はメチル基であり、mは1〜8の整数である。〕
本発明の光学部品用樹脂原料組成物における液状樹脂(XL)の(メタ)アクリレート化合物(A)は、光学部品用樹脂において主にハードセグメントとなるものであり、一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物が、一種であっても二種以上の組み合わせであってもよい。
先ず、一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)において、Xの多環式脂肪族炭化水素基としては、2−デカヒドロナフチル基、ノルボルニル基、1−メチル−ノルボルニル基、5,6−ジメチル−ノルボルニル基、イソボルニル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、9−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、ノルボルニル基、ジシクロペンタニル基及び、下記の一般式で表されるアダマンチル基などがある。
Figure 2011063698
上式中、Uは炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又は、2つのUが一緒になって形成された=Oを示す。kは0〜15の整数を示す。また、複数のUは同じでもよく、異なっていてもよい。
これらの中で、ジシクロペンタニル基、1−アダマンチル基が好ましく、特に1−アダマンチル基が好適である。
なお、上記例示の各基は、モノイル基のみならず、ジイル基、トリイル基およびテトライル基を包含する。
一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)は、アダマンチル基を含む(メタ)アクリレート化合物を含有するものである。
一般式(I)において、アダマンチル基を含み、nが1である化合物としては、アダマンチルメタノール(メタ)アクリレート及びアダマンチルエタノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記の、nが2である化合物としては、アダマンチルジメタノールジ(メタ)アクリレート及びアダマンチルジエタノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記の、nが3である化合物としては、アダマンチルトリメタノールトリ(メタ)アクリレート及びアダマンチルトリエタノールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(A)において、アダマンチル基を含む(メタ)アクリレート化合物を含有するものの比率は、20〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることが更に好ましい。該比率を20質量%以上とすることにより、熱に対する変色性を抑制することができる。
前記の芳香族炭化水素基としては、ビフェニル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセン基、ビスフェノール基及び、下記の芳香族炭化水素化合物の残基などを挙げることができる。なお、上記例示の各基は、モノイル基のみならず、ジイル基、トリイル基およびテトライル基を包含する。
Figure 2011063698
前記の単環式脂肪族炭化水素基としてシクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などを挙げることができる。
なお、上記例示の各基は、モノイル基のみならず、ジイル基、トリイル基およびテトライル基を包含する。
このようにXが芳香族炭化水素基や単環式脂肪族炭化水素基からなる(メタ)アクリレート化合物としては、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(B)は、下記の一般式(II)で表される(メタ)アクリレート化合物であり、一種であっても二種以上の組み合わせであっても良く、mが2以上の化合物が好ましい。
(メタ)アクリレート化合物(B)の平均分子量は140〜2500であり、好ましくは190〜2000である。(メタ)アクリレート化合物(B)の平均分子量が2500を越えると熱履歴後に形状の変化を招く可能性がある。
Figure 2011063698
〔Z1は、エーテル結合を含んでも良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基及び/又は-R3(OR3)s-で表されるオキシアルキレン基(R3は炭素数1〜4のアルキレン基を含む有機置換基、sは1〜20の整数である。)、R2は独立に水素原子又はメチル基であり、mは1〜8の整数である。〕
(メタ)アクリレート化合物(B)のZ1には、上記のエーテル結合を含んで良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基や-R3 (OR3)s-で表されるオキシアルキレン基を含まれていれば、他に炭素数5未満の該直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、単環式又は多環式脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基などを含んでいても良い。
これらのエーテル結合を含んでも良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基や-R3(OR3)s-で表されるオキシアルキレン基が光学部品用樹脂におけるソフトセグメントとなるものである。
また、(メタ)アクリレート化合物(B)は、下記の一般式(III)又は一般式(IV)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2011063698
(Z2はエーテル結合を含んでも良い炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基、単環式又は多環式脂肪族炭化水素基、および芳香族炭化水素基から選ばれる一種以上の有機基、Y1はエーテル結合を含んでいて良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基、R4は独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、pは2〜20の整数である。R2およびmは前式と同様である。)
さらに、上記の一般式(III)で表される(メタ)アクリレート化合物(B)のYが、-(CH)r-で表される直鎖アルキレン基(rは5〜30の整数)又は-(CR5−CR6)q-で表されるプロピレン基(R5、R6のどちらかが水素原子で他方がメチル基、qは2〜15の整数)である化合物であることが好ましい。
一般式(III)で表される(メタ)アクリレート化合物でnが2の化合物としては、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジメタクリレート〔サートマー・ジャパン(株)製〕、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、水添ポリブタジエンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
一般式(III)で表される(メタ)アクリレート化合物でnが3以上の化合物としては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、多官能性ポリエステル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
一般式(IV)で表される(メタ)アクリレート化合物でnが2の化合物としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、pが2〜20のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジオールジアクリレート〔サートマー・ジャパン(株)製〕などが挙げられる。
一般式(IV)で表される(メタ)アクリレート化合物でnが3以上の化合物としては、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、pが2〜20のアルコキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、アルコキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、pが2〜20のアルコキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、pが2〜20のアルコキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、pが2以上のアルコキシ化ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明の光学部品用樹脂原料組成物における液状樹脂(XL)は、化合物(A)が35〜100質量%、化合物(B)が65〜0質量%であることを要する。化合物(A)が65〜100質量%、化合物(B)が35〜0質量%であることが好ましく、化合物(A)が75〜100質量%、化合物(B)が25〜0質量%であることが更に好ましい。化合物(A)が35質量%以上であると添加効果が得られて熱に対する変形、変色が抑えられるとともに、低線膨張率で低含水率となる。
また、本発明の光学部品用樹脂原料組成物における液状樹脂(XL)は、化合物(A)と化合物(B)の合計量に対して、一般式(I)のn又は一般式(II)のmが1であるものが60〜0質量%、nが2〜4又はmが2〜8であるもののが40〜100質量%であることが必要であり、n又はmが1であるものとnが2〜4又はmが2〜8ものの比率が40〜0質量%:60〜100質量%であることが好ましい。
一般式(I)および一般式(II)においてn又はmが1であるものの比率が60質量%以下とすることにより、熱履歴後にクラックが発生せず、形状安定性に優れた光学用樹脂が得られる。
本発明の光学部品用樹脂原料組成物の微粉状樹脂硬化物(XS)は、本発明の目的に適うものであれば特に制限されないが、可視光域での透明性を発現させるために、光学特性のパラメータである屈折率が微粉状樹脂硬化物(XS)と、液状樹脂(XL)の硬化物との屈折率差が極めて小さいことが望ましい。
即ち、微粉状樹脂硬化物(XS)と液状樹脂(XL)の硬化物について波長486nm、589nmおよび656nmにおける屈折率を測定し、各波長における微粉状樹脂硬化物(XS)の屈折率と液状樹脂(XL)の硬化物の屈折率の差の絶対値の和が0.2以下であることが好ましく、微粉状樹脂硬化物(XS)の樹脂が液状樹脂(XL)と同一物である、即ち微粉状樹脂硬化物(XS)が液状樹脂(XL)の硬化物であることが更に好ましい。
なお、微粉状樹脂硬化物(XS)の粒子径は、0.1〜500μmであることが好ましく、0.1〜200μmであることがさらに好ましい。微粉状樹脂硬化物(XS)の粒子径を該範囲とすることにより、粘度上昇の添加量依存性が大きくなり、少量での粘度上昇を可能とする。成形加工においては、ランナー部やキャビティ部そしてゲート部などで流路が狭いところにおいて、詰まりなどの不良現象を抑制ができる。
本発明の光学部品用樹脂原料組成物の液状樹脂(XL)には、必要に応じて無機材料との密着性を改良するシラン系(メタ)アクリレート化合物(C)を含有させることが好ましい。
シラン系(メタ)アクリレート化合物(C)は、化合物(A)および化合物(B)に対して密着性を付与するものであり、次の一般式(V)で表されるものが好ましい。該化合物(C)は、一種であっても二種以上の組み合わせであってもよい。
Figure 2011063698
一般式(V)において、U1はCH2=CH−CO−O−で表されるアクリロキシ基又はCH2=C(CH3)−CO−O−で表されるメタクリロキシ基である。
U2は単結合、炭化水素基又はオキシアルキレン基である。U2の炭化水素基は炭素数が1〜10のものが好ましく、2〜5のものがより好ましく、3のものがさらに好ましい。これより炭素数が多い場合、無機材料と接触するSiO基量が少なくなり無機材料との密着性が低下する可能性がある。オキシアルキレン基は、―(―O―R0―)p―で表され、そのR0は炭素数1〜4の炭化水素基が好ましく、pは1〜10の整数が好ましい。
Rはメチル基またエチル基であり、Lは0又は1である。Vは炭素数1〜5のアルコキシ基もしくはヒドロキシ基である。mは0〜3の整数、nは1〜4の整数であり、L+n+m=4である。アルコキシ基は、水分の存在下で容易に加水分解して、シラノール基(SiOH)を生成することが知られている。
シラン系(メタ)アクリレート化合物(C)として具体的には、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBM−503)、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
シラン系(メタ)アクリレート化合物(C)の使用量は、耐熱クラック性の観点から、化合物(A)および化合物(B)の合計量100質量部に対して、通常0〜30質量部であり、好ましくは0〜25質量部である。
本発明の光学部品用樹脂原料組成物(以下、「原料組成物」とも云う。)には、必要に応じて酸化防止剤を含有させることができる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、チオエーテル酸化防止剤、ビタミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、Irganox1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox3114(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox3125(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、アデカスタブAO−20(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−50(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−60(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−80(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−30(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−40(株式会社ADEKA、商標)、BHT(武田薬品工業(株)製、商標)、Cyanox1790(サイアナミド社製、商標)、SumilizerGP(住友化学(株)製、商標)、SumilizerGM(住友化学(株)製、商標)、SumilizerGS(住友化学(株)製、商標)及び、SumilizerGA−80(住友化学(株)製、商標)などの市販品を挙げることができる。
リン系化合物としてはIRAGAFOS168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS12(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS38(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS P−EPQ(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS126(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、ADKSTAB 329K(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB PEP-36(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB PEP−8(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB HP−10(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB 2112(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB 260(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB 522A(株式会社ADEKA、商標)、Weston 618(GE社製、商標)、Weston 619G(GE社製、商標)、及びWeston 624(GE社製、商標)などの市販品を挙げることができる。
イオウ系酸化防止剤としては、DSTP(ヨシトミ)〔吉富(株)製、商標〕、DLTP(ヨシトミ)〔吉富(株)製、商標〕、DLTOIB〔吉富(株)製、商標〕、DMTP(ヨシトミ)〔吉富(株)製、商標〕、Seenox 412S〔シプロ化成(株)製、商標〕、Cyanox 1212(サイアナミド社製、商標)、TP−D、TPS、TPM、TPL−R[住友化学製、商標]等の市販品を挙げることができる。
ビタミン系酸化防止剤としては、トコフェロール〔エーザイ(株)製、商標〕及びIrganoxE201〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標、化合物名;2,5,7,8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クマロン−6−オール〕などの市販品を挙げることができる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、アデカスタブAO−412S(株式会社ADEKA製、商標)、アデカスタブAO−503(株式会社ADEKA製、商標)などの市販品を挙げることができる。
ラクトン系酸化防止剤としては、特開平7−233160号公報及び特開平7−247278号公報に記載されているものを使用することができる。また、HP−136〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標、化合物名;5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン〕などの市販品を挙げることができる。
アミン系酸化防止剤としては、IrgastabFS042〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕及びGENOX EP〔クロンプトン社製、商標、化合物名;ジアルキル−N−メチルアミンオキサイド〕などの市販品を挙げることができる。
これらの酸化防止剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、光学部品用樹脂材料の透明性、黄変性の低下を抑制する観点から、化合物(A)および化合物(B)の合計量100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.02〜2質量部である。
本発明の光学部品用樹脂原料組成物には、必要に応じてラジカル重合開始剤を配合することができる。
熱によって開裂して開始ラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド及びメチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジイソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びm−トルイルベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキセンなどのジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン及び2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオジカーボネート、α−クミルペルオキシネオジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオジカーボネート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−アミルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート及びジブチルペルオキシトリメチルアジペートなどのアルキルパーエステル類;ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(1,1−ブチルシクロヘキサオキシジカーボネート)、ジイソプロピルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート及び1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボキシ)ヘキサンなどのパーオキシカーボネート類;1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン及び(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネートなどが挙げられる。
ラジカル重合開始剤として、上記の熱ラジカル重合開始剤の他に、光、電子線又は放射線で開始ラジカルを生成するラジカル重合開始剤を用いることができる。
このようなラジカル重合開始剤としては、ベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔IRGACURE651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン〔IRGACURE184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン〔DAROCUR1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔IRGACURE2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン〔IRGACURE127、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン〔IRGACURE907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1〔IRGACURE369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モホリニル)フェニル]−1−ブタノン〔IRGACURE379、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド〔DAROCUR TPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド〔IRGACURE819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム〔IRGACURE784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]〔IRGACURE OXE 01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)〔IRGACURE OXE 02、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕などを挙げることができる。
これらのラジカル重合開始剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、化合物(A)及び化合物(B)の合計量100質量部に対して、通常0.01〜10質量部程度、好ましくは0.05〜5質量部である。熱による開始重合の場合は、ラジカル重合開始剤を含む原料組成物を通常40〜200℃程度に加熱して重合させることができる。光による開始重合の場合は、水銀キセノンランプなどを光源として用い、紫外光、可視光を原料組成物に照射することにより重合させることができる。
本発明の原料組成物には、前記の酸化防止剤の他に、必要に応じて、滑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、無機充填剤、着色剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、酸化チタンや酸化ケイ素などの無機化合物との密着性改良を目的とした成分などを配合することができる。
滑剤としては、高級ジカルボン酸金属塩及び高級カルボン酸エステル等を使用することができる。
光安定剤としては、公知のものを使用することができるが、好ましくはヒンダードアミン系光安定剤である。ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ADKSTAB LA−77、同LA−57、同LA−52、同LA−62、同LA−67、同LA−68、同LA−63、同LA−94、同LA−94、同LA−82及び同LA−87〔以上、株式会社ADEKA製〕、Tinuvin123、同144、同440及び同662、Chimassorb2020、同119、同944〔以上、CSC社製〕、Hostavin N30(Hoechst社製)、Cyasorb UV−3346、同UV−3526(以上、Cytec社製)、Uval 299(GLC社製)及びSanduvorPR−31(Clariant社製)などを挙げることができる。
これらの光安定剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
光安定剤の使用量は、化合物(A)及び化合物(B)の合計量100質量部に対して、通常、0.005〜5質量部であり、好ましくは0.02〜2質量部である。
酸化チタンや酸化ケイ素などの無機化合物との密着性改良を目的とした成分としては、シラン化合物のメタクリオキシ基やアクリロキシ基を含むシランカップリング剤などが挙げられる。これを上記原料組成物に含有させ、光学部品を重合、成形しても良い。
本発明の光学部品は、上記の原料組成物を重合・成形することによって製造することができる。原料組成物の重合に際し、化合物(A)を主成分とするモノマー成分に上記ラジカル重合開始剤を加えて予備重合を行なってもよい。このような予備重合を行うことにより、原料組成物の粘度を調整することができる。
微粉状樹脂硬化物(XS)が液状樹脂(XL)の硬化物である場合には、液状樹脂(XL)を、アクリル系ポリマーを重合する手法として一般的である溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合、逆相懸濁重合、析出重合、高温・高圧化での連続塊状重合、アクリルグラフト重合などにより微粉の硬化物や、物理粉砕する前のポリマーを得られ、該ポリマーは物理的に粉砕することにより微粉状樹脂硬化物(XS)を得ることができる。
重合・成形法としては通常の熱硬化性樹脂の成形と同様の方法を用いることができる。例えば、上記の原料組成物又はその予備重合物を用い、これらの液状樹脂(XL)と微粉状樹脂硬化物(XS)からなる組成物を、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形及びインサート成形などで、重合・成形する方法が挙げられる。また、ポッティング加工やコーティング加工で成形体を得ることもできる。さらに、例えばUV硬化成形など光硬化樹脂の成形と同様の方法によっても成形体を得ることができる。
本発明の光学部品は、液状樹脂成形法により製造されることが好ましい。液状樹脂成形法としては、常温で液状の原料組成物又はその予備重合物を高温の金型に圧入して加熱硬化させる液状樹脂射出成形、液状の原料組成物を金型に入れ、プレスによって加圧し、硬化させる圧縮成形、加温した液状の原料組成物に圧力をかけて金型に圧入することにより原料組成物を硬化させるトランスファー成形などが挙げられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。但し、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、得られた樹脂の評価および樹脂原料組成物(Xs)の粒子径の測定などを次のように行った。
(1)熱履歴後のクラックの有無
実施例および比較例において得られた樹脂の、厚み2mm、縦25mm、横25mmの板状体を用い、その板状体3枚を厚さ3mmのステンレス鋼板の上に乗せ、250℃で10分間放置した後、その板状体のクラックの有無を確認し、下記の基準で評価した。
○:クラックが入っていない。
△:長さ10mm以上のクラックが発生した枚数が2枚以下、
又は全てのクラックの長さが10mm未満である。
×:3枚とも長さ10mm以上のクラックが発生した。
(2)熱履歴後の形状安定性評価
前記と同様の、厚み2mm、縦25mm、横25mmの板状体を用い、その板状体3枚を厚さ3mmのステンレス鋼板の上に乗せ、250℃で10分間放置した後、その板状体の縁の変形度合いを目視にて確認し、下記の基準で評価した。
○:縁の部分が熱履歴前と同様であり、形状安定性に優れる。
△:縁の部分が一部丸みを帯びており、形状安定性は普通である。
×:縁の部分が一様に丸みを帯びており、形状安定性に劣る。
(3)光線透過率
肉厚3mmの試験片を用いてJIS K7105に準拠して測定した(単位%)。測定装置はHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いた。測定は試験片をオーブンに入れる前(初期特性)と250℃のオーブン中に10分間置いた後(耐熱試験後)に行った。
光線透過率の評価を次のように行った。
(a)初期全光線透過率:試験片をオーブンに入れる前の光線透過率(%)
(b)全光線透過率の低下量(Δ250℃全光線透過率):初期光線透過率と、250℃のオーブン中に10分間置いた後(耐熱試験後)の全光線透過率の差の絶対値(%)
(4)黄変度(YI値)
YI値の測定装置は、SZ optical SENSOR(日本電色工業(株)製)により、縦30mm×横30mm×肉厚3mmの試験片を用いて行った。
黄変度(YI値)の評価を次のように行った。
(a)初期黄変度(初期YI値):試験片をオーブンに入れる前のYI値
(b)YI値の低下量(Δ250℃YI値):初期YI値と、250℃のオーブン中に10分間置いた後(耐熱試験後)のYI値の差の絶対値
(5)含水率
サンプルを80℃の状態で7日間乾燥し、質量を測定した「乾燥質量」と、得られた乾燥サンプルを65℃絶対湿度85%の高温恒湿槽に14日間放置した後、サンプルの質量(「含水質量」)を測定し、以下の式にて含水率を算出した。
含水率(%)=〔(含水質量−乾燥質量)/乾燥質量〕×100
(6)線膨張係数
線膨張測定装置(セイコーインスツルメンタル製:TMA/SS6100)を用いて、荷重49mNの圧縮法で40〜80℃の温度範囲における線膨張を測定し、線膨張係数を算出した。
(7)粘度測定
溶融粘弾性装置を用いて、以下の条件にて粘度(複素粘度)を測定した。
装置名:Physica MCR 301(商品名、Anton Paar社製)
測定法:コーン−プレート
プレート径:50mmφ、温度:25℃、ひずみ:100%、周波数:1Hz
(8)屈折率差の算出方法
微粉状の硬化物である樹脂原料組成物(Xs)および液状の樹脂原料組成物(XL)を用い、場合によっては、上述の硬化助剤を用いて、下記成形法Aなどの手法により、厚み1mmの成形品を得る。それを屈折率測定装置(メトリコン社製、Model 2010プリズムカプラ)を用いて、それぞれの成形品の波長486, 589, 656nmでの屈折率を測定する。その後、それぞれの成形品の各波長での屈折率差の絶対値の和を算出した。
(9)樹脂原料組成物(Xs)の粒子径の測定方法
粒径が100ミクロン以下のものは、レーザー回折式粒度分布測定装置(シスメックス社製、MASTERSIZER 2000)を用いて、微粉状の硬化物の粒径を測定した。平均粒径が100ミクロン以上のものは、ふるい分け粒度分布測定器(セイシン企業社製、RPS−85)を用いて測定を実施した。
また、実施例および比較例において、成形法は次のように行った。
(成形法A)
2枚の3mm厚みで、縦、横それぞれ70mmのステンレス板の間に、2枚の0.1mmの厚みで縦、横それぞれ70mmのステンレスのシートを挟み、そのシートの間に3mm厚みで縦、横それぞれ70mmテフロン(登録商標)製スペーサを挟み込むことにより得られる容器を用いて樹脂の成形を行った。
液状の原料組成物を上記の容器に流しこみ、硬化物を得た。テフロン(登録商標)製のスペーサ部には3mmの厚みで、縦、横それぞれ30mmの窓と原料組成物をその窓内に流し込める通路を設け、この容器に硬化液を流し込み、液漏れしないように容器を押さえ、窒素雰囲気下(酸素濃度5%以下)のオーブンにて110℃で3時間、次いで160℃で1時間加熱を行い、重合・成形した後、室温に冷却して、無色透明な板状体を得た。
なお、製品表面がヒケ、平らになっていない場合は、紙やすりや、研磨剤を用いて研磨し表面を平らにして光学特性の評価に使用した。
(成形法B)
硬化温度を100℃で3時間、次いで160℃で1時間加熱を行った以外は成形法Aと同様に行った。
(成形法C)
液状樹脂封止装置(アピックヤマダ製)を用いて、原料組成物を重合・成形し、板状硬化物を得た。硬化物のサイズは厚み2mm、縦50mm、横50mmの平板とした。
金型の表面は硬質クロムメッキを施してある。重合・成形条件は金型温度135℃、硬化時間2分間とした。硬化時の保圧は5MPaとし、得られた硬化物を250℃で5分間加熱を行い、室温で徐冷し、無色透明な板状体を得た。
各成形法による硬化時間の合計を実施例の表中に示す。硬化時間が短い程、成形サイクルが短く生産性が向上するので、硬化時間が短いことが好ましい。
微粉状樹脂硬化物(XS)の作製方法:
微粉状樹脂硬化物(XS)が液状樹脂(XL)の硬化物である場合には、前記成形法Aで得られた平板をハンマーを用いて粗粉砕を行った。その後、ジェットミル粉砕機(セイシン企業製、シングルトラックジェットミルFS−4)を用いて粉砕し(ノズル圧力0.7[MPa]、3Pass、処理量100g/hr)、目開き300μmと100μmのふるいで手ふるいを実施した。
すなわち、300μmのふるいを通過し100μmのふるいを通過しないものを分離することにより、平均粒径100〜300μmのサンプルを得た。
また、目開き100μmのふるいを通過し、32μmのふるいを通過しないものを分離することにより、平均粒径40〜100μmのサンプルを得た。
さらに、目開き32μmのふるいを通過したものを、平均粒径20μm以下のサンプルとした。
製造例1(1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレートの合成)
攪拌羽根、Dean−Stark冷却器、温度指示計及び三方コックを取付けた2000mlの4ツ口フラスコに、1,3−アダマンタンジメタノール[100g, 0.51mol]、メタクリル酸[110.2g、1.28mol]、98質量%硫酸[4.60g、0.046mol]、メトキノン[0.092g, アクリル酸に対して1000wtppm]およびトルエン 1000mLを投入した。
このフラスコを130℃のオイルバスで加熱、攪拌し、共沸により反応系内から水を除去しながら3時間反応を行った。室温付近まで冷却後、分液ロートに移し、5質量%NaCl水溶液、5質量%Na3PO4水溶液、5質量%NaCl水溶液の順に洗浄を行った。有機層をわけ、硫酸マグネシウムで脱水し、40℃にてトルエンを留去することで目的の1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート(収率86%、GC純度97質量%)を得た。
実施例1
化合物(A)として1−アダマンチルメタクリレート〔大阪有機化学工業(株)製〕20質量部及びトリシクロデカンジメタノールジアクリレート〔新中村化学(株)製:NKエステルA−DCP〕80質量部に、酸化防止剤としてIrganox1076〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製〕を0.5質量部、重合開始剤としてパーヘキサHC〔日本油脂(株)製〕を0.4質量部加えて混合し、液状樹脂(XL)を得た。
続いて、該液状樹脂(XL)の一部を前記の成形法Aを用いて成形した後、前記の微粉状樹脂硬化物(XS)の作製方法により、液状樹脂(XL)の硬化物である微粉状樹脂硬化物(XS)を得た。
得られた微粉状樹脂硬化物(XS)と前記の液状樹脂(XL)に酸化防止剤および重合開始剤を補充して第1表に示す原料組成物とし、この原料組成物を上述の評価法に適合した形状に成形法Aを用いて成形した。
微粉状樹脂硬化物(XS)の粒径および得られた樹脂の評価結果を第1表に示す。なお、微粉状樹脂硬化物(XS)が液状樹脂(XL)の硬化物であるので、(8)屈折率差の算出を省略した。
実施例2〜16、比較例1〜11
実施例1と同様にして、第1〜5表に示す量の化合物(A)、化合物(B)、酸化防止剤及び重合開始剤を使用し、前記の成形方法で光学用樹脂を製造し、得られた樹脂の評価を行った。
微粉状樹脂硬化物(XS)の粒径および得られた樹脂の評価結果を第1〜5表に示す。なお、微粉状樹脂硬化物(XS)が全て液状樹脂(XL)の硬化物であるので、前記の(8)屈折率差の算出を省略した。
なお、各実施例及び比較例で使用した原料および重合開始剤などの化合物名および化学式は次の通りである。
化合物(A)
(1)1−アダマンチルメタクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、n=1〕
(2)イソボルニルメタクリレート〔サートマー社製、商品名:SR423D、n=1〕
(3)トリシクロデカンジメタノールジアクリレート〔A−DCP:新中村化学(株)製、n=2〕
化合物名:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,8(又は3,9又は4,8)−ジイルジメチル=ジアクリレート
Figure 2011063698
(4)トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート〔DCP:新中村化学(株)製、n=2〕
化合物名:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,8(又は3,9又は4,8)−ジイルジメチル=ジメタクリレート
Figure 2011063698
(5)1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート:製造例1で得られたもの(n=2)。
化合物(B)
(1)SR−499:エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート〔サートマー・ジャパン(株)製、CAS.28961−43−5, 既存化学物質7−775、平均分子量560、m=3〕
化合物名:8−[7−(アクリロイルオキシ)−2,5−ジオキサヘプタン−1−イル]−8−エチル−3,6,10,13−テトラオキサペンタデカン−1,15−ジイル=ジアクリレート
Figure 2011063698
(2)SR−502:エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート〔サートマー・ジャパン(株)製、平均分子量692、m=3〕
化合物名:11−[10−(アクリロイルオキシ)−2,5、8−トリオキサデカン−1−イル]−11−エチル−3,6,9,13,16,19−ヘキサオキサヘンイコサン−1,21−ジイル=ジアクリレート
Figure 2011063698
(3):SR−399:ジペンタエリストールペンタアクリレート〔サートマー・ジャパン(株)製) 、平均分子量525、m=5〕
化合物名:2−(アクリロイルオキシ)メチル−2−({2,2−ビス[(アクリロイルオキシ)メチル]−3−ヒドロキシプロパン-1−イル}オキシメチル]プロパン−1,3−ジイル=ジアクリレート
Figure 2011063698
化合物(C)
KBM503:3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン〔信越シリコーン(株)製〕
酸化防止剤:Irganox1076〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製〕
重合開始剤
(1)パーヘキサHC(日本油脂(株)製)
化合物名: 1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン
Figure 2011063698
(2)パーロイルL(日本油脂(株)製)
化学式:ジラウロイルパーオキサイド
Figure 2011063698
Figure 2011063698
Figure 2011063698
Figure 2011063698
Figure 2011063698
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第1〜3表の実施例から明らかなように、本発明の光学部品用樹脂原料組成物を用いることにより、優れた透明性、低線膨張率、低含水率を有すると共に、クラックを発生させず、かつ熱に対して安定で黄変が発生せず、粘度が高いので成形加工性にも優れた樹脂が得られる。
これに対して第4〜5表の比較例から明らかなように、特に一般式(I)および一般式(II)においてn又はmが1であるものの比率が大きい比較例1〜3では、初期の全光線透過率や黄変度(YI値)に優れており、低線膨張率、低含水率を有するが、熱履歴後にクラックが発生し、微粉状樹脂硬化物(XS)を含有しない比較例2以外の比較例では、粘度が低いので成形加工性に劣ることから、光学部品用樹脂の原料組成物として不適当であることが分かる。
本発明の光学部品用樹脂原料組成物は、優れた透明性、低線膨張率、低含水率を有すると共に、クラックを発生させず、かつ熱に対して安定で黄変が発生せず、成形加工性にも優れるので、導光板やプリズム、あるいは回折レンズ、液晶パネル、プロジェクターレンズ、ヘッドランプレンズ、カメラレンズ、デジタルカメラレンズ、デジタルビデオカメラレンズと、車載用レンズ、監視用レンズ、複写機及びプリンター等のOA機器と、医療用レンズ、超小型のデジタルカメラや撮像装置を備えた携帯電話、PDA用途等に適した撮像装置用レンズといった各種機器等に使用されるレンズなどと、CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW、CD−ビデオ、MO、DVD、ブルーレイディスク、HD DVD等の光ピックアップ装置に使用される光通信用レンズを代表とする部材に適応できる材料として好適に使用することができる。

Claims (12)

  1. 液状樹脂(XL)と微粉状樹脂硬化物(XS)を含む原料組成物であって、液状樹脂(XL)が、下記の一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)と、下記の一般式(II)で表される(メタ)アクリレート化合物(B)を含有し、かつ
    (1)(メタ)アクリレート化合物(A)は、アダマンチル基を含む(メタ)アクリレート化合物を含むこと、
    (2)(メタ)アクリレート化合物(B)の分子量が140〜2500であること、
    (3)(メタ)アクリレート化合物(A)と(メタ)アクリレート化合物(B)との比率が、35〜100質量%:65〜0質量%であること、及び
    (4)(メタ)アクリレート化合物(A)および(メタ)アクリレート化合物(B)において、一般式(I)のn又は一般式(II)のmが1であるものの合計質量と、nが2〜4又はmが2〜8であるものの合計質量の比率が60〜0質量%:40〜100質量%であること、
    を特徴とする光学部品用樹脂原料組成物。
    Figure 2011063698
    (Xは多環式脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は単環式脂肪族炭化水素基、Yは独立に直接結合、炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数1〜4のオキシアルキレン基、R1は独立に水素原子又はメチル基であり、nは1〜4の整数である。)
    Figure 2011063698
    〔Z1は、エーテル結合を含んでも良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基及び/又は-R3(OR3)k-で表されるオキシアルキレン基(R3は炭素数1〜4のアルキレン基を含む有機置換基、kは1〜20の整数である。)、R2は独立に水素原子又はメチル基であり、mは1〜8の整数である。〕
  2. 波長486nm、589nmおよび656nmにおける微粉状樹脂硬化物(XS)の屈折率と液状樹脂(XL)の硬化物の屈折率の差の絶対値の和が0.2以下である請求項1に記載の光学部品用樹脂原料組成物。
  3. 微粉状樹脂硬化物(XS)が液状樹脂(XL)の硬化物である請求項1又は2に記載の光学部品用樹脂原料組成物。
  4. 微粉状樹脂硬化物(XS)の粒子径が0.1〜500μmである請求項1〜3のいずれかに記載の光学部品用樹脂原料組成物。
  5. 微粉状樹脂硬化物(XS)と液状樹脂(XL)との質量比が5:95〜70:30である請求項1〜4のいずれかに記載の光学部品用樹脂原料組成物。
  6. 液状樹脂(XL)が、さらにシラン系(メタ)アクリレート化合物(C)を含有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の光学部品用樹脂原料組成物。
  7. (メタ)アクリレート化合物(B)が下記の一般式(III)又は一般式(IV)で表される化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の光学部品用樹脂原料組成物。
    Figure 2011063698
    (Z2は、エーテル結合を含んでも良い炭素数1〜30の直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基、単環式又は多環式脂肪族炭化水素基、および芳香族炭化水素基から選ばれる一種以上の有機基、Y1はエーテル結合を含んでも良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基、R4は独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、pは2〜20の整数である。R2およびmは前式と同様である。)
  8. 一般式(III)で表される(メタ)アクリレート化合物(B)のY1が、-(CH2)r-、-(CH3CH)r-で表されるアルキレン基(rは5〜30の整数)又は-(CR5−CR6)q-で表されるプロピレン基(R5、R6のどちらかが水素原子で他方がメチル基、qは2〜15の整数)である請求項7に記載の光学部品用樹脂原料組成物。
  9. (メタ)アクリレート化合物(A)の20〜100質量%がアダマンチル基を有する(メタ)アクリレート化合物である請求項1〜8のいずれかに記載の光学部品用樹脂原料組成物。
  10. (メタ)アクリレート化合物(A)と(メタ)アクリレート化合物(B)の合計量100質量部に対して、酸化防止剤0.01〜10質量部を含有する請求項1〜9のいずれかに記載の光学部品用樹脂原料組成物。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載の光学部品用樹脂原料組成物を重合・成形して得られた光学部品。
  12. 液状樹脂成形法で重合・成形して得られた請求項11に記載の光学部品。
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