JP5513092B2 - 光学部品用樹脂原料組成物および光学部品 - Google Patents
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Description
このため光学部品用樹脂材料の分野において、透明性が高く、低含水率、低線膨張率を有する材料、さらに耐熱性及び耐熱安定性に優れた材料の開発が強く要望されている。
即ち本発明は、以下の光学部品用樹脂原料組成物及び光学部品を提供するものである。
(2)一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)においてnが1であるものに対する、一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)においてnが2〜4ものと(メタ)アクリレート化合物(B)との合計量との比率が、55〜0質量%:45〜100質量%であること、及び
(3)(メタ)アクリレート化合物(B)の質量平均分子量が140〜2500であること、
を特徴とする光学部品用樹脂原料組成物。
(1)(メタ)アクリレート化合物(A)は、Xが少なくとも1つはアダマンチル基を有する(メタ)アクリレート化合物を含むこと、
(2)一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)において、nが1であるものとnが2〜4ものの比率が50〜0質量%:50〜100質量%であること、
(3)(メタ)アクリレート化合物(B)の質量平均分子量が140〜2500であること、及び
(4)(メタ)アクリレート化合物(A)と(メタ)アクリレート化合物(B)との比率が、55〜100質量%:45〜0質量%であること、
を特徴とする光学部品用樹脂原料組成物。
5.(メタ)アクリレート化合物(A)の20〜100質量%がアダマンチル基を有する(メタ)アクリレート化合物である上記2〜4のいずれかの光学部品用樹脂原料組成物。
6.(メタ)アクリレート化合物(A)と(メタ)アクリレート化合物(B)の合計量100質量部に対して、酸化防止剤0.01〜10質量部を含有する上記2〜5のいずれかの光学部品用樹脂原料組成物。
7.上記2〜6のいずれかの光学部品用樹脂原料組成物を重合・成形して得られた光学部品。
8.液状樹脂成形法で重合・成形して得られた上記7の光学部品。
次に本発明の光学部品用樹脂原料組成物の各成分を説明する。
先ず、一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)において、Xの多環式脂肪族炭化水素基としては、2−デカヒドロナフチル基、ノルボルニル基、1−メチル−ノルボルニル基、5,6−ジメチル−ノルボルニル基、イソボルニル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、9−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、ノルボルニル基、ジシクロペンタニル基及び、下記の一般式で表されるアダマンチル基などがある。
これらの中で、ジシクロペンタニル基、1−アダマンチル基が好ましく、特に1−アダマンチル基が好適である。
なお、上記例示の各基は、モノイル基のみならず、ジイル基、トリイル基およびテトライル基を包含する。
一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)は、耐熱性の観点からXが少なくとも1つはアダマンチル基を含む(メタ)アクリレート化合物である。
一般式(I)において、アダマンチル基を含み、nが1である化合物としては、アダマンチルメタノール(メタ)アクリレート及びアダマンチルエタノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記の、nが3である化合物としては、アダマンチルトリメタノールトリ(メタ)アクリレート及びアダマンチルトリエタノールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
XとYの部分は重合した際にハードセグメント部位にあたるので、Xは、多環式脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は単環式脂肪族炭化水素基であることが必須となり、Yは直接結合、炭素数4以下のアルキレン基又炭素数4以下のオキシアルキレン基であることが必須となる。
なお、上記例示の各基は、モノイル基のみならず、ジイル基、トリイル基およびテトライル基を包含する。
このようにXが芳香族炭化水素基や単環式脂肪族炭化水素基からなる(メタ)アクリレート化合物としては、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
一般式(I)においてnが1であるものの比率が50質量%以下とすることにより、熱履歴後にクラックが発生せず、形状安定性に優れた光学用樹脂が得られる。Xがアダマンチル基のみの場合や、nが1だけである場合は耐熱性や安定性に影響を与える(比較例1及び比較例2を参照)。
(メタ)アクリレート化合物(B)の質量平均分子量は140〜2500であり、好ましくは190〜2000である。(メタ)アクリレート化合物(B)の質量平均分子量が2500を越えると熱履歴後に形状の変化を招く可能性がある。
これらのエーテル結合を含んでも良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基や-R3(OR3)k-で表されるオキシアルキレン基が光学部品用樹脂におけるソフトセグメントとなるものである。ソフトセグメント(いわゆる屈曲性部位を多く有する部位)は分子内でポリマー鎖の運動性が高くなり、柔軟な部位になる。
Z2のエーテル結合を含んでも良い炭素数1〜30の直鎖状脂肪族炭化水素基とはアルキレン基やオキシアルキレン基を示す。アルキレン基やオキシアルキレン基については一般式(I)のYで説明と同様である。
Z2のエーテル結合を含んでも良い炭素数3〜30の分岐状脂肪族炭化水素基とはイソプロピル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、イソヘキシル基等が挙げられる。それらの炭素と炭素の間にエーテル結合を含んでも良い。
さらに、上記の一般式(III)で表される(メタ)アクリレート化合物(B)のYが、-(CH)r-で表される直鎖アルキレン基(rは5〜30の整数)又は-(CR5−CR6)q-表されるプロピレン基(R5、R6のどちらかが水素原子で他方がメチル基、qは2〜15の整数)である化合物であることが好ましい。
一般式(II)表される(メタ)クリレート化合物(B)におけるmが4〜8の整数である化合物では、Z1の分子量が400以下であり、Z1中にエーテル結合を含んで良い炭素数5〜30の非環状炭化水素基や-(OR3)k-で表されるオキシアルキレン基以外の有機基である(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
なお、本発明には、一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)において、nが1であるものとnが2〜4ものの比率が50〜0質量%:50〜100質量%であり、且つ、(メタ)アクリレート化合物(A)と(メタ)アクリレート化合物(B)との比率が、60〜100質量%:40〜0質量%であるものも含まれる。
また、本発明の光学部品用樹脂原料組成物は、化合物(A)および化合物(B)の合計量に対して、化合物(A)が45〜100質量%、化合物(B)が55〜0質量%であることを要する。化合物(A)が48〜100質量%、化合物(B)が52〜0質量%であることが好ましく、化合物(A)が75〜100質量%、化合物(B)が25〜0質量%であることが更に好ましい。化合物(A)が60質量%以上であると添加効果が得られて熱に対する変形、変色が抑えられるとともに、低線膨張率で低含水率となる。
ビタミン系酸化防止剤としては、トコフェロール〔エーザイ(株)製、商標〕及びIrganoxE201〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標、化合物名;2,5,7,8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クマロン−6−オール〕などの市販品を挙げることができる。
ラクトン系酸化防止剤としては、特開平7−233160号公報及び特開平7−247278号公報に記載されているものを使用することができる。また、HP−136〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標、化合物名;5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン〕などの市販品を挙げることができる。
これらの酸化防止剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができ る。
熱によって開裂して開始ラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド及びメチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジイソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びm−トルイルベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキセンなどのジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン及び2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオジカーボネート、α−クミルペルオキシネオジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオジカーボネート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−アミルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート及びジブチルペルオキシトリメチルアジペートなどのアルキルパーエステル類;ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(1,1−ブチルシクロヘキサオキシジカーボネート)、ジイソプロピルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート及び1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボキシ)ヘキサンなどのパーオキシカーボネート類;1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン及び(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネートなどが挙げられる。
このようなラジカル重合開始剤としては、ベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔IRGACURE651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン〔IRGACURE184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン〔DAROCUR1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔IRGACURE2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン〔IRGACURE127、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン〔IRGACURE907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1〔IRGACURE369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モノホリニル)フェニル]−1−ブタノン〔IRGACURE379、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド〔DAROCUR TPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド〔IRGACURE819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム〔IRGACURE784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]〔IRGACURE OXE 01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)〔IRGACURE OXE 02、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕などを挙げることができる。
これらのラジカル重合開始剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
滑剤としては、高級ジカルボン酸金属塩及び高級カルボン酸エステル等を使用することができる。
これらの光安定剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化チタンや酸化ケイ素などの無機化合物との密着性改良を目的とした成分としては、シラン化合物のメタクリオキシ基やアクリロキシ基を含むシランカップリング剤などが挙げられる。これを上記原料組成物に含有させ、光学部品を重合、成形しても良い。
以下の実施例および比較例において、得られた樹脂の評価(耐熱試験を含む)を次のように行った。
実施例および比較例において得られた樹脂の、厚み2mm、縦25mm、横25mmの板状体を用い、その板状体3枚を厚さ3mmのステンレス鋼板の上に乗せ、250℃で10分間放置した後、その板状体のクラックの有無を確認し、下記の基準で評価した。
○:クラックが入っていない。
△:長さ10mm以上のクラックが発生した枚数が2枚以下、
又は全てのクラックの長さが10mm未満である。
×:3枚とも長さ10mm以上のクラックが発生した。
前記と同様の、厚み2mm、縦25mm、横25mmの板状体を用い、その板状体3枚を厚さ3mmのステンレス鋼板の上に乗せ、250℃で10分間放置した後、その板状体の縁の変形度合いを目視にて確認し、下記の基準で評価した。
○:縁の部分が熱履歴前と同様であり、形状安定性に優れる。
△:縁の部分が一部丸みを帯びており、形状安定性は普通である。
×:縁の部分が一様に丸みを帯びており、形状安定性に劣る。
肉厚3mmの試験片を用いてJIS K7105に準拠して測定した(単位%)。測定装置はHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いた。測定は試験片をオーブンに入れる前(初期特性)と250℃のオーブン中に10分間置いた後(耐熱試験後)に行った。
光線透過率の評価を次のように行った。
(a)初期全光線透過率:試験片をオーブンに入れる前の光線透過率(%)
(b)全光線透過率の低下量(Δ250℃全光線透過率):初期光線透過率と、250℃のオーブン中に10分間置いた後(耐熱試験後)の全光線透過率の差の絶対値(%)
YI値の測定装置は、SZ optical SENSOR(日本電色工業(株)製)により、縦30mm×横30mm×肉厚3mmの試験片を用いて行った。
黄変度(YI値)の評価を次のように行った。
(a)初期黄変度(初期YI値):試験片をオーブンに入れる前のYI値
(b)YI値の低下量(Δ250℃YI値):初期YI値と、250℃のオーブン中に10分間置いた後(耐熱試験後)のYI値の差の絶対値
サンプルを80℃の状態で7日間乾燥し、質量を測定した「乾燥質量」と、得られた乾燥サンプルを65℃絶対湿度85%の高温恒湿槽に14日間放置した後、サンプルの質量(「含水質量」)を測定し、以下の式にて含水率を算出した。
含水率(%)=〔(含水質量−乾燥質量)/乾燥質量〕×100
線膨張測定装置(セイコーインスツルメンタル製:TMA/SS6100)を用いて、荷重49mNの圧縮法で40〜80℃の温度範囲における線膨張を測定し、線膨張係数を算出した。
(成形法A)
2枚の3mm厚みで、縦、横それぞれ70mmのステンレス板の間に、2枚の0.1mmの厚みで縦、横それぞれ70mmのステンレスのシートを挟み、そのシートの間に3mm厚みで縦、横それぞれ70mmテフロン(登録商標)製スペーサを挟み込むことにより得られる容器を用いて樹脂の成形を行った。
液状の原料組成物を上記の容器に流しこみ、硬化物を得た。テフロン(登録商標)製のスペーサ部には3mmの厚みで、縦、横それぞれ30mmの窓と原料組成物をその窓内に流し込める通路を設け、この容器に硬化液を流し込み、液漏れしないように容器を押さえ、窒素雰囲気下(酸素濃度5%以下)のオーブンにて110℃で3時間、次いで160℃で1時間加熱を行い、重合・成形した後、室温に冷却することで、無色透明な板状体を得た。
なお、製品表面がヒケて平らになっていない場合は、紙やすりや、研磨剤を用いて研磨し表面を平らにして光学特性の評価に使用した。
(成形法B)
硬化温度を100℃で3時間、次いで160℃で1時間加熱を行った以外は成形法Aと同様に行った。
(成形法C)
液状樹脂封止装置(アピックヤマダ製)を用いて、原料組成物を重合・成形し、板状硬化物を得た。硬化物のサイズは厚み2mm、縦50mm、横50mmの平板とした。
金型の表面は硬質クロムメッキを施してある。重合・成形条件は金型温度140℃、硬化時間3分間とした。硬化時の保圧は5MPaとし、得られた硬化物を160℃で1時間加熱を行い、室温で徐冷し、無色透明な板状体を得た。
各成形法による硬化時間の合計を第1表及び第2表に示す。硬化時間が短い程、成形サイクルが短く生産性が向上するので、硬化時間が短いことが好ましい。
攪拌羽根、Dean−Stark冷却器、温度指示計及び三方コックを取付けた2000mlの4ツ口フラスコに、1,3−アダマンタンジメタノール[100g, 0.51mol]、メタクリル酸[110.2g、1.28mol]、98質量%硫酸[4.60g、0.046mol]、メトキノン[0.092g, アクリル酸に対して1000wtppm]およびトルエン 1000mLを投入した。
このフラスコを130℃のオイルバスで加熱、攪拌し、共沸により反応系内から水を除去しながら3時間反応を行った。室温付近まで冷却後、分液ロートに移し、5質量%NaCl水溶液、5質量%Na3PO4水溶液、5質量%NaCl水溶液の順に洗浄を行った。有機層をわけ、硫酸マグネシウムで脱水し、40℃にてトルエンを留去することで目的の下記化学式で表される1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート(収率86%、GC純度97質量%)を得た。
化合物(A)として下記化学式で表される1−アダマンチルメタクリレート〔大阪有機化学工業(株)製〕20質量部及びトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学(株)製:NKエステルA−DCP)80質量部に、酸化防止剤としてIrganox1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を0.5質量部、重合開始剤としてパーヘキサHC(日本油脂(株)製)を0.4質量部加えて混合し、原料組成物を得た。この原料組成物を上述の評価法に適合した形状に成形法Aを用いて成形した。評価結果を第1表に示す。
参考例1と同様にして、第1表及び第2表に示す量の化合物(A)、化合物(B)、酸化防止剤及び重合開始剤を使用し、前記の成形方法で光学用樹脂を製造し、得られた樹脂の評価を行った。なお、化合物(A)として、実施例3では上記の製造例1で得られた1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレートを使用し、比較例2ではイソボルニルメタクリレート(和光純薬製)を使用した。評価結果を第1表及び第2表に示す。
化合物(A)
(1)A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学製)
化合物名:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,8(又は3,9又は4,8)−ジイルジメチル=ジアクリレート
(1)SR−499:エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート〔サートマー・ジャパン(株)製、CAS.28961−43−5, 既存化学物質7−775,平均分子量560〕 化合物名:8−[7−(アクリロイルオキシ)−2,5−ジオキサヘプタン−1−イル]−8−エチル−3,6,10,13−テトラオキサペンタデカン−1,15−ジイル=ジアクリレート
化合物名:2−(アクリロイルオキシ)メチル−2−({2,2−ビス[(アクリロイルオキシ)メチル]−3−ヒドロキシプロパン-1−イル}オキシメチル)プロパン−1,3−ジイル=ジアクリレート
化合物名:11−[10−(アクリロイルオキシ)−2,5、8−トリオキサデカン−1−イル]−11−エチル−3,6,9,13,16,19−ヘキサオキサヘンイコサン−1,21−ジイル=ジアクリレート
これに対して特に一般式(I)で表せる(メタ)アクリレート化合物(A)においてnが1であるものの比率が大きい比較例1〜5では、初期の全光線透過率や黄変度(YI値)に優れており、低線膨張率、低含水率を有するが、熱履歴後にクラックが発生し、形状安定性が劣ることから、光学部品用樹脂の原料組成物として不適当であることが分かる。
Claims (10)
- 液状樹脂成形法により成形される光学部品用樹脂原料組成物であって、
(1)下記の一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)と、下記の一般式(II)で表される(メタ)アクリレート化合物(B)を含有し、かつ
(2)(メタ)アクリレート化合物(A)は、Xが少なくとも1つはアダマンチル基を有する(メタ)アクリレート化合物を含むこと、
(3)一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)においてnが1であるものに対する、一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)においてnが2のものと(メタ)アクリレート化合物(B)との合計量との比率が、55〜0質量%:45〜100質量%であること、及び
(4)(メタ)アクリレート化合物(B)の質量平均分子量が140〜2500であること、
を特徴とする光学部品用樹脂原料組成物。
- 一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)においてnが1であるものとnが2であるものの比率が50〜0質量%:50〜100質量%である請求項1に記載の光学部品用樹脂原料組成物。
- 一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)においてnが1であるものとnが2であるものの比率が40〜0質量%:60〜100質量%である請求項1に記載の光学部品用樹脂原料組成物。
- (メタ)アクリレート化合物(A)の20〜100質量%がアダマンチル基を有する(メタ)アクリレート化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の光学部品用樹脂原料組成物。
- 液状樹脂成形法により成形される光学部品用樹脂原料組成物であって、下記の一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)と、下記の一般式(II)で表される(メタ)アクリレート化合物(B)を含有し、かつ
(1)(メタ)アクリレート化合物(A)は、Xが少なくとも1つはアダマンチル基を有する(メタ)アクリレート化合物を含むこと、
(2)一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)において、nが1であるものとnが2であるものの比率が50〜0質量%:50〜100質量%であること、
(3)(メタ)アクリレート化合物(B)の質量平均分子量が140〜2500であること、及び
(4)(メタ)アクリレート化合物(A)と(メタ)アクリレート化合物(B)との比率が、45〜95質量%:55〜5質量%であること、
を特徴とする光学部品用樹脂原料組成物。
- 前記一般式(I)で表される(メタ)アクリレート化合物(A)においてnが1であるものとnが2であるものの比率が40〜0質量%:60〜100質量%である請求項5に記載の光学部品用樹脂原料組成物。
- (メタ)アクリレート化合物(A)の20〜100質量%がアダマンチル基を有する(メタ)アクリレート化合物である請求項5又は6に記載の光学部品用樹脂原料組成物。
- (メタ)アクリレート化合物(A)と(メタ)アクリレート化合物(B)の合計量100質量部に対して、酸化防止剤0.01〜10質量部を含有する請求項5〜7のいずれかに記載の光学部品用樹脂原料組成物。
- 請求項5〜8の何れかに記載の光学部品用樹脂原料組成物を重合・成形して得られた光学部品。
- 液状樹脂成形法で重合・成形して得られた請求項9に記載の光学部品。
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