JP2014077088A - アクリル共重合体 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、アダマンチル基を有するエポキシ樹脂が開示され、特許文献2にはアダマンチル基を有するアクリル化合物が開示され、光学特性、耐久性、電気特性に優れることが示されている。
しかしながら、さらに耐熱性の高い硬化物を与えるエポキシ樹脂やアクリル化合物が求められていた。
本発明によれば、以下の共重合体等が提供される。
1.下記式(I)で表される繰返し単位の割合が40〜80モル%であり、下記式(II)で表される繰返し単位の割合が20〜60モル%である共重合体であり、前記共重合体中に含まれる全塩素量が1.10重量%以下である共重合体。
2.重量平均分子量が4000〜15000である1に記載の共重合体。
3.R2が置換もしくは無置換のアダマンチル基、置換もしくは無置換のジシクロペンタニル基、又は置換もしくは無置換のイソボルニル基である1又は2に記載の共重合体。
4.1〜3のいずれかに記載の共重合体及び重合開始剤を含む樹脂組成物。
5.4に記載の樹脂組成物から得られる硬化物。
6.下記式(I’)で表される化合物及び下記式(II’)で表される化合物を重合し、さらに下記式(III’)で表される化合物を反応させる共重合体の製造方法であって、前記共重合体は下記式(I)で表される繰返し単位の割合が40〜80モル%であり、下記式(II)で表される繰返し単位の割合が20〜60モル%であって、前記共重合体中に含まれる全塩素量が1.10重量%以下である共重合体の製造方法。
また、共重合体中に含まれる全塩素量が1.10重量%以下である。
本発明の共重合体中に含まれる全塩素量は、好ましくは1.00重量%以下であり、より好ましくは0.90重量%以下である。
また、共重合体中に含まれる全塩素量は、例えば、0.005重量%(50ppm)以上、0.01重量%(100ppm)以上である。
上記の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、水酸基、カルボキシル基及びハロゲン等が挙げられる。
R4の炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等が挙げられる。
繰り返し単位(A)及び(B)のモル比は、1H−NMRによって測定することができ、具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
尚、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したポリスチレン換算の値である。
R4’のエポキシ基を有する炭素数1〜10の1価の有機基としては、エポキシ基が結合した脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
得られた共重合体(前駆体)に化合物(C’)を反応させて、化合物(B’)に由来するエポキシ基と化合物(C’)のカルボキシル基を反応させ、前駆体に化合物(C’)を付加することにより、本発明の共重合体が得られる。
上記範囲とすることにより、反応時間及び収率等が良好なものとなり、また目的とする重量平均分子量が得られ、さらに光学特性等の物性を発現できる。
反応圧力としては、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaであり、好ましくは常圧〜1MPaである。圧力が高すぎる場合、安全上、問題があり特別な装置が必要となり好ましくない。
尚、本発明の共重合体の重合形態は特に限定されないが、例えばランダム共重合体である。
重合開始剤としては、ラジカル系重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、光重合開始剤等を使用することができる。
過酸化物開始剤は、上記と同様のものを用いることができる。
これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
尚、光重合開始剤は、紫外光もしくは可視光領域で光を吸収し、感光性の不飽和二重結合をラジカル重合させる化合物であれば、光重合開始剤、光開始助剤に限らず、使用できる。
「実質的になる」とは、これら成分の組成物中の含有量が、例えば90質量%以上である、95質量%以上である、97質量%以上である、98質量%以上である、又は99質量%以上であることをいう。
ミカルズ社製、商標)、BHT、シアノクス1790(Cyanox1790、サイアナミド社、商標)及びスミライザーGA−80(SumilizerGA−80、住友化学社製、商標)等の市販品を挙げることができる。
溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルキルアルコール類;メチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、プロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
溶剤の含有量は、例えば5質量%〜90質量%であり、乾燥の観点から、好ましくは10質量%〜50質量%である。
加熱硬化法としては、硬化温度が、通常、50〜200℃程度、好ましくは100〜180℃である。50℃以上とすることにより硬化不良となることがなく、200℃以下とすることにより着色等を生じることが無くなる。
硬化時間は、使用するアクリル化合物や開始剤によって異なるが、通常、0.5〜6時間が好ましい。
従って、本発明は、エポキシ系共重合体を用いてなる光半導体用封止剤又はシール剤、光学用電子部材、光学用接着剤又はシール剤、レジスト材料をも提供する。
光学用フィルムとして用いる際の構成は、液晶用のフィルム基板、有機EL用フィルム基板等のディスプレイ用として、あるいは光拡散フィルム、反射防止フィルム、蛍光色素等を分散することによる色変換フィルム等に適用可能である。
例えば、カラーレジストについては、液晶表示向けのカラーフィルタを構成するRGB及びブラックマトリックス等のレジストの主成分もしくは添加剤として適応可能である。
尚、共重合体に含まれる全塩素量は以下のように測定した。
<全塩素量の測定>
共重合体に含まれる全塩素量は、燃焼−イオンクロマトグラフ法により測定した。自動試料燃焼装置は三菱化学アナリテック社製AQF−100、イオンクロマトグラフはDIONEX社製DX−120を使用した。
<1H−NMR測定条件>
溶媒:重クロロホルム
固形分濃度:10wt%
内部標準物質:テトラメチルシラン
温度:室温
実施例1
還流冷却管、攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、トルエン98.7gを入れ、30分間窒素バブリングを行い100℃に昇温させた。1−アダマンチルメタクリレート80.0g(50mol%)、グリシジルメタクリレート51.6g(50mol%)、アゾビスイソブチロニトリル6.0gをトルエン98.7gに溶解させた溶液を滴下ロートより2時間かけて滴下し、重合反応を開始させた。滴下終了後、5時間反応させて重合反応を終了した。その後、ヘプタン中に再沈殿させ、1−アダマンチルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量375)を得た。
還流冷却管、攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、トルエン95.7gを入れ、30分間窒素バブリングを行い100℃に昇温させた。1−アダマンチルメタクリレート100.0g(70mol%)、グリシジルメタクリレート27.7g(30mol%)、アゾビスイソブチロニトリル5.3gをトルエン95.7gに溶解させた溶液を滴下ロートより2時間かけて滴下し、重合反応を開始させた。滴下終了後、5時間反応させて重合反応を終了した。その後、ヘプタン中に再沈殿させて1−アダマンチルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量677)を得た。
実施例1において、1−アダマンチルメタクリレート80.0gをジシクロペンタニルメタクリレート80.0g(50mol%)とした以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、ジシクロペンタニルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量372)を得た。
還流冷却管、攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管を備え付けた1000mL丸底フラスコに、トルエン98.3gを入れ、30分間窒素バブリングを行い100℃に昇温させた。イソボルニルタクリレート80.0g、グリシジルメタクリレート51.2g、アゾビスイソブチロニトリル5.9gをトルエン98.3gに溶解させた溶液を滴下ロートより2時間かけて滴下し、重合反応を開始させた。滴下終了後5時間反応させ重合反応を終了した。その後、ヘプタン中に再沈殿させ下記で表されるイソボルニルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量378)を得た。
還流冷却管、攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、トルエン98.9gを入れ、30分間窒素バブリングを行い100℃に昇温させた。1−アダマンチルメタクリレート60.0g(35mol%)、グリシジルメタクリレート71.9g(65mol%)、アゾビスイソブチロニトリル6.4gをトルエン98.9gに溶解させた溶液を滴下ロートより2時間かけて滴下し、重合反応を開始させた。滴下終了後、5時間反応させて重合反応を終了した。その後、ヘプタン中に再沈殿させて下記式で表される1−アダマンチルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量264)を得た。
還流冷却管、攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、トルエン96.5gを入れ、30分間窒素バブリングを行い100℃に昇温させた。1−アダマンチルメタクリレート120.0g、グリシジルメタクリレート8.6g、アゾビスイソブチロニトリル5.0gをトルエン96.5gに溶解させた溶液を滴下ロートより2時間かけて滴下し、重合反応を開始させた。滴下終了後5時間反応させ重合反応を終了した。その後、ヘプタン中に再沈殿させ下記で表される1−アダマンチルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量2170)を得た。
実施例1において、1−アダマンチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アゾビスイソブチロニトリルをトルエンに溶解させた溶液に、エピクロロヒドリン2.5gを加えて滴下した以外は、実施例1と同様にして1−アダマンチルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量370)を得た。
実施例2において、1−アダマンチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アゾビスイソブチロニトリルをトルエンに溶解させた溶液に、エピクロロヒドリン2.5gを加えて滴下した以外は、実施例2と同様にして1−アダマンチルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体H(エポキシ当量673)を得た。
実施例3において、ジシクロペンタニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アゾビスイソブチロニトリルをトルエンに溶解させた溶液に、エピクロロヒドリン2.5gを加えて滴下した以外は、実施例3と同様にしてジシクロペンタニルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量369)を得た。
実施例4において、イソボルニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アゾビスイソブチロニトリルをトルエンに溶解させた溶液に、エピクロロヒドリン2.5gを加えて滴下した以外は、実施例4と同様にしてイソボルニルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体J(エポキシ当量373)を得た。
実施例1において、1−アダマンチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アゾビスイソブチロニトリルをトルエンに溶解させた溶液に、エピクロロヒドリン4.0gを加えて滴下した以外は、実施例1と同様にして1−アダマンチルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量367)を得た。
実施例2において、1−アダマンチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アゾビスイソブチロニトリルをトルエンに溶解させた溶液に、エピクロロヒドリン4.0gを加えて滴下した以外は、実施例2と同様にして1−アダマンチルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量669)を得た。
実施例3において、ジシクロペンタニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アゾビスイソブチロニトリルをトルエンに溶解させた溶液に、エピクロロヒドリン4.0gを加えて滴下した以外は、実施例3と同様にしてジシクロペンタニルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量365)を得た。
次に、還流冷却管、攪拌機、温度計、滴下ロート、空気導入管を備え付けた100mL丸底フラスコに、上記で得られた共重合体10g、メチルイソブチルケトン30g、アクリル酸2.0g、トリフェニルホスフィン0.14g及びメトキノン12.0mgを加え、空気をバブリングしながら110℃まで昇温し、酸価が5mg−KOH/g以下になるまで12時間反応させた。得られた共重合体溶液の温度を室温まで下げ、固形分濃度が35wt%になるようにMIBKを加え、アクリル酸を付加させた共重合体M溶液を得た。その溶液の1部をヘプタン中に再沈殿させ、白色粉末の共重合体Mを得た(m/n=50/50、Mw:5,700)。得られた共重合体M中の全塩素量は1.28重量%であった。
実施例4において、イソボルニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アゾビスイソブチロニトリルをトルエンに溶解させた溶液に、エピクロロヒドリン4.0gを加えて滴下した以外は、実施例4と同様にしてイソボルニルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの共重合体(エポキシ当量369)を得た。
実施例9
実施例1で得られた共重合体A溶液10gに光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、商品名:「イルガキュア184」)0.1gを加え樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をガラス基板上にバーコーターを用いて塗布し、90℃で2分乾燥させた後、高圧水銀灯を用いて760mJ/cm2の照射量でUV硬化させた。
上記組成物を硬化させたガラス基板を230℃の恒温槽に3時間置き耐熱性試験を行った。耐熱試験前後の試験片を自記分光光度計((株)島津製作所製、商品名:「UV−2450」)を用いてUV測定を行い、波長400nmの変化率を測定した。結果を表1に示す。
実施例2で得られた共重合体B溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例3で得られた共重合体C溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例4で得られた共重合体D溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例5で得られた共重合体G溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例6で得られた共重合体H溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例7で得られた共重合体I溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例8で得られた共重合体J溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
比較例3で得られた共重合体K溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
比較例4で得られた共重合体L溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
比較例5で得られた共重合体M溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
比較例6で得られた共重合体N溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
比較例1で得られた共重合体E溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物及び硬化物を作成し、耐熱性試験を行った。結果を表1に示す。
比較例2で得られた共重合体F溶液10gを用いて、実施例9と同様にして樹脂組成物を得た。これを実施例9と同様にして硬化物を作成したが、硬化物に亀裂が入り、ガラス基板から剥がれが生じ、試験を実施することができなかった。
Claims (6)
- 重量平均分子量が4000〜15000である請求項1に記載の共重合体。
- R2が置換もしくは無置換のアダマンチル基、置換もしくは無置換のジシクロペンタニル基、又は置換もしくは無置換のイソボルニル基である請求項1又は2に記載の共重合体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体及び重合開始剤を含む樹脂組成物。
- 請求項4に記載の樹脂組成物から得られる硬化物。
- 下記式(I’)で表される化合物及び下記式(II’)で表される化合物を重合し、さらに下記式(III’)で表される化合物を反応させる共重合体の製造方法であって、前記共重合体は下記式(I)で表される繰返し単位の割合が40〜80モル%であり、下記式(II)で表される繰返し単位の割合が20〜60モル%であって、前記共重合体中に含まれる全塩素量が1.10重量%以下である共重合体の製造方法。
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