JP2012083619A - レジスト組成物 - Google Patents

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克樹 伊藤
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Abstract

【課題】耐熱性、耐黄変性及び接着性にすぐれる硬化物が得られるレジスト組成物を提供する。
【解決手段】(A)(メタ)アクリレート樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、(D)顔料及び(E)溶剤を含むレジスト組成物であって、前記(B)エポキシ樹脂が、下記式(I)及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)又は式(IV)で表わされる化合物を共重合して得られるエポキシ樹脂であるレジスト組成物。
Figure 2012083619

【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物に関する。
プリント配線基板は、一般的に積層板に張り合わせた銅箔の不用な部分をエッチングにより除去して回路配線を形成した基板である。プリント配線基板は、性能向上のため、高密度化が図られ、さらなる微細化(ファイン化)が要求されている。
このようなプリント配線板の作製には、ソルダーレジスト膜が使用されている。
ソルダーレジスト膜とは、電子部品をはんだ付けする際の回路の保護膜であり、はんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて、酸素や湿分と反応することを防止する。そのため、ソルダーレジスト膜には、密着性、電気絶縁性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性等の諸特性が要求される。
特許文献1〜3は、いずれもソルダーレジスト膜を得るための組成物を開示するが、得られる硬化膜は接着性、耐熱黄変性等に問題があった。また、特許文献4は、耐熱性に優れる硬化膜が得られる組成物を開示するが、得られる硬化膜の接着性に問題があった。
特開2007−332166号公報 特開2008−134621号公報 特開2006−316173号公報 特開2009−173724号公報
本発明の目的は、耐熱性、耐黄変性及び接着性に優れる硬化物が得られるレジスト組成物を提供することである。
本発明によれば、以下のレジスト組成物等が提供される。
1.(A)(メタ)アクリレート樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、(D)顔料及び(E)溶剤を含むレジスト組成物であって、
前記(B)エポキシ樹脂が、下記式(I)で表わされる化合物及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)で表される化合物又は式(IV)で表わされる化合物を共重合して得られるエポキシ樹脂であるレジスト組成物。
Figure 2012083619
(式中、Rは、水素原子、又はメチル基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。mは、0〜5の整数である。)
Figure 2012083619
(式中、Rは、式(I)と同様である。nは0〜5の整数である。)
Figure 2012083619
(式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
Figure 2012083619
(式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
2.(A’)(メタ)アクリレート樹脂、(B’)エポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、(D)顔料及び(E)溶剤を含むレジスト組成物であって、
前記(A’)(メタ)アクリレート樹脂が、下記式(I)で表わされる化合物及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)で表される化合物又は式(IV)で表わされる化合物を重合して得られる共重合体にさらに(メタ)アクリル酸類及び酸無水物を反応させた(メタ)アクリレート樹脂であるレジスト組成物。
Figure 2012083619
(式中、Rは、水素原子、又はメチル基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。mは、0〜5の整数である。)
Figure 2012083619
(式中、Rは、式(I)と同様である。nは0〜5の整数である。)
Figure 2012083619
(式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
Figure 2012083619
(式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
3.前記(D)顔料が、白色顔料である1又は2に記載のレジスト組成物。
4.有機樹脂フィルムと1〜3のいずれかに記載のレジスト組成物を積層した感光性樹脂積層体。
5.4に記載の感光性樹脂積層体を用いたカラーレジスト、ブラックマトリックス用レジスト、ドライフィルムレジスト又はソルダーレジスト。
本発明によれば、耐熱性、耐黄変性及び接着性に優れる硬化物が得られるレジスト組成物が提供できる。
本発明の第1のレジスト組成物は、(A)(メタ)アクリレート樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、(D)顔料及び(E)溶剤を含むレジスト組成物であって、(B)エポキシ樹脂が、下記式(I)で表わされる化合物及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)で表される化合物又は式(IV)で表わされる化合物を共重合して得られるエポキシ樹脂である。
Figure 2012083619
(式中、Rは、水素原子、又はメチル基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。mは、0〜5の整数である。)
Figure 2012083619
(式中、Rは、式(I)と同様である。nは0〜5の整数である。)
Figure 2012083619
(式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
Figure 2012083619
(式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
[(A)(メタ)アクリレート樹脂]
(A)(メタ)アクリレート樹脂は、好ましくはエポキシ樹脂を(メタ)アクリレート変性し、さらに酸無水物を反応させた化合物である。
エポキシ樹脂は、各種エポキシ樹脂を用いることができ、例えばビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば日産化学(株)製のTEPIC−H(S−トリアジン環骨格面に対し3個のエポキシ基が同一方向に結合した構造を有するβ体)、TEPIC(β体と、S−トリアジン環骨格面に対し1個のエポキシ基が他の2個のエポキシ基と異なる方向に結合した構造をもつα体との混合物)等)等の複素環式エポキシ樹脂;ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂等の希釈剤に難溶性のエポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型またはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂等の希釈剤に可溶性のエポキシ樹脂等が挙げられる。これらエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート変性は、(メタ)アクリル酸類を反応させることにより行うことができる。
反応に用いる(メタ)アクリル酸類としては、アクリル酸、メタアクリル酸、メタアクリル酸ブロマイド、メタクリル酸無水物、α−トリフルオロメチルアクリル酸等が挙げられる。
反応に用いる酸無水物としては、酸無水物であれば特に限定されず、例えばアクリル酸無水物、置換アクリル酸無水物、多価カルボン酸無水物等が挙げられる。
上記の多価カルボン酸無水物は、ジカルボン酸、テトラカルボン酸等の複数のカルボキシル基を有する多価カルボン酸の無水物であり、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、グルタル酸等のジカルボン酸の無水物;トリメリット酸の無水物;ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4-(1,2−ジカルボキシエチル)-1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸等のテトラカルボン酸の二無水物等が挙げられる。
酸無水物の反応は、例えばWO2010/084802に開示の方法で実施可能である。
(A)(メタ)アクリレート樹脂は、好ましくは酸価が50〜200mgKOH/gである。酸価が50mgKOH/g未満の場合、弱アルカリ水溶液による未露光部分の除去が難しくなるおそれがある。一方、200mgKOH/gを超えると、硬化被膜の耐水性、電気特性が低下するおそれがある。
(A)(メタ)アクリレート樹脂の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜100,000である。重量平均分子量が5000未満であると、指触乾燥性が著しく劣る場合がある。一方、重量平均分子量が100,000を超えると、現像性、貯蔵安定性が著しく悪化するおそれがある。
(A)(メタ)アクリレート樹脂は、組成物の全体の組成(溶液も含む)に対して、例えば1〜50wt%であり、塗布性等のプロセスの観点から考えると、5〜30wt%が好ましい。
[(B)エポキシ樹脂]
(B)エポキシ樹脂は、式(I)、式(II)及び式(III)で表わされる化合物、又は式(I)、式(II)及び式(IV)で表わされる化合物の(メタ)アクリル基が連結した共重合体であって、樹脂中にエポキシ基及びアダマンチル基を有し、且つヒドロキシル基又はラクトン骨格を有する共重合体である。
式(I)で表わされる化合物は、エポキシ基を有する化合物である。(B)エポキシ樹脂が、式(I)由来の構成単位を含むことにより、本発明のレジスト組成物を2段重合することができる。
Figure 2012083619
(式中、Rは、水素原子、又はメチル基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。mは、0〜5の整数である。)
の炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
の炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
式(I)で表わされる化合物の具体例としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B)エポキシ樹脂の式(II)で表わされる化合物は、アダマンタン構造を有する化合物である。(B)エポキシ樹脂が、式(II)由来の構成単位を含むことにより、本発明のレジスト組成物から得られる硬化膜は、光学特性及び耐熱性に優れる。
Figure 2012083619
(式中、Rは、式(I)と同様である。nは0〜5の整数である。)
式(II)で表わされる化合物の具体例としては、例えば1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルメチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルエチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルプロピル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルブチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルメチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(B)エポキシ樹脂の式(III)で表わされる化合物及び式(IV)で表わされる化合物は、それぞれ水酸基を有する化合物とラクトン構造を有する化合物である。(B)エポキシ樹脂が、式(III)又は(IV)由来の構成単位を含むことにより、本発明のレジスト組成物から得られる硬化膜は、基板との接着性に優れる。
Figure 2012083619
(式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
Figure 2012083619
(式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
式(III)で表わされる化合物の具体例としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、等挙げられる。
式(IV)で表わされる化合物の具体例としては、例えば(2−オキソ−1−オキソラニル)メチル(メタ)アクリレート、(2−オキソ−1−オキソラニル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
式(I)で表わされる化合物及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)で表される化合物又は式(IV)で表わされる化合物の共重合反応は、例えばラジカル重合によって行われる。
ラジカル重合に用いるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等を使用することができる。
上記アゾ系開始剤としては、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1'−アゾビス−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸、2,2'−アゾビス−(2−アミジノプロペン)2塩酸塩、2−tert−ブチルアゾ−2−シアノプロパン、2,2'−アゾビス−(2−メチル−プロピオンアミド)2水和物、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロペン]、2,2'−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
上記過酸化物開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジイソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキセン等のジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類;(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネート等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、式(I)〜(IV)で表わされる化合物及びラジカル重合開始剤の合計100質量部に対して、通常、0.01〜50質量部であり、好ましくは0.01〜30質量部である。ラジカル重合開始剤の使用量を上記範囲とすることにより、反応時間及び収率等を良好にでき、また目的とする重量平均分子量が得られ、さらに本発明のレジスト組成物から得られる硬化膜が、光学特性学特性等の物性を発現できる。
式(I)、(II)及び(III)で表わされる化合物、又は式(I)、(II)及び(IV)で表わされる化合物の共重合反応は、無溶媒でもよいが、必要に応じて溶媒を使用することができる。
共重合に用いる溶媒は、式(I)、(II)及び(III)で表わされる化合物、又は式(I)、(II)及び(IV)で表わされる化合物の合計濃度が、通常、0.5質量%以上、好ましくは5質量%以上となる量を使用するとよい。このとき、モノマーが懸濁状態でもよいが、溶解していることが好ましい。
共重合に用いる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルキルアルコール類;メチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;エクソンアロマティックナフサNo.2(米国エクソン社製)等の芳香族炭化水素を含有する混合炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;アイソパーC、アイソパーE、エクソールDSP100/140、エクソールD30(いずれも米国エクソン社製)、IPソルベント1016(出光興産社製)等の脂肪族炭化水素を含有する混合炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これら溶媒は、単独又は組み合わせて使用することができる。
共重合反応の反応温度としては、通常、0〜200℃であり、好ましくは20〜150℃である。温度が0℃未満の場合、反応速度が低下するおそれがある。一方、温度が200℃超の場合、得られるエポキシ樹脂の着色が激しくなるおそれがある。
共重合反応の反応圧力としては、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaであり、好ましくは常圧〜1MPaである。圧力が10MPa超の場合、安全上、問題があるうえ、特別な装置が必要となり好ましくない。
反応時間としては、重合開始剤の種類や量、反応温度等に左右されるが、通常、1分〜24時間であり、好ましくは1〜10時間である。
共重合反応の際には、必要に応じて連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤とは、分子量を制御するために用いられるものであり、例えば、ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸エステル、メルカプトエタノール、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
上記共重合反応により得られる(B)エポキシ樹脂において、式(I)、(II)、(III)及び(IV)由来の構成単位比率は、共重合時の配合比が反映される。また、(B)エポキシ樹脂の重合形態は特に限定されないが、例えばランダム共重合体である。
(B)エポキシ樹脂は、分子量は例えば1,000〜100,000であり、洗浄溶剤や塗布溶剤への溶解性の観点から、好ましくは、2000〜10000である。
(B)エポキシ樹脂の好適な含有量は、(メタ)アクリル樹脂の酸価に対して、0.5〜2当量、反応性の観点から0.7〜1当量の量が好ましい。
[(C)光重合開始剤]
(C)光重合開始剤は、公知慣用の光重合開始剤でよく、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドや、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール系化合物;2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシ−フェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン等のハロメチル−s−トリアジン系化合物が挙げられる。
これらは、単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
上記光重合開始剤に、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の第三級アミン類等の光開始助剤を加えてもよい。また、可視光領域に吸収のあるCGI―784等(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)のチタノセン化合物等も、光反応を促進するために添加してもよい。
尚、光重合開始剤は、紫外光もしくは可視光領域で光を吸収し、感光性の不飽和二重結合をラジカル重合させる化合物であれば、光重合開始剤、光開始助剤に限らず、使用できる。
組成物中の(C)光重合開始剤の含有量は、例えば1〜5質量%であり、好ましくは2〜3質量%である。光重合開始剤の含有量が、1質量%未満の場合、光硬化性が低下するおそれがある、一方、5質量%を越える場合、光重合開始剤の結晶の析出や塗膜下部の光硬化不良が起こりおそれがある。
[(D)顔料]
(D)顔料は、ソルダーレジストの用途にもよるが、例えば緑色顔料及び白色顔料が挙げられる。
白色顔料は、白色の無機粉末であれば特に限定されるものではないが、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、二酸化チタン、アルミナ、合成スメクタイト等が例示でき、可視光反射率、白色度、及び電気特性の観点から、好ましくは二酸化チタンである。
二酸化チタンの結晶構造は、アナターゼ型とルチル型があり、アナターゼ型二酸化チタンは可視光短波長領域の反射率が良好であり、ルチル型二酸化チタンは長期の耐久性や耐変色性に優れる。顔料が二酸化チタンである場合、二酸化チタンはアナターゼ型とルチル型のどちらでもよく、両者の混合物でもよい。
組成物中の顔料の含有量は、顔料が白色顔料である場合、好ましくは10〜75重量%である。10重量%以上であれば十分な白色度、反射率を得ることができ、75重量%以下であれば、シート状ガラス繊維基材への含浸性が低下したり金属箔との接着強度が低下したりといった不具合が発生することはない。
白色顔料として二酸化チタンを使用する場合、二酸化チタンの表面をアルミナ、シリカ等で処理してもよい。また、シラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤処理も可能である。
[(E)溶剤]
(E)溶剤としては、樹脂成分が粉末の場合や、コーティングの希釈溶剤として、トルエンやキシレン等の芳香族系溶剤やMEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)及びシクロヘキサノン等のケトン系溶剤等が使用可能である。
組成物中の溶剤の含有量は、例えば5重量%〜90重量%であり、乾燥の観点から、好ましくは10重量%〜50重量%である。
本発明の第2のレジスト組成物は、(A’)(メタ)アクリレート樹脂、(B’)エポキシ樹脂又はエポキシモノマー、(C)光重合開始剤、(D)顔料及び(E)溶剤を含むレジスト組成物であって、(A’)(メタ)アクリレート樹脂が、下記式(I)で表わされる化合物及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)で表される化合物又は式(IV)で表わされる化合物を重合して得られる共重合体に、さらに(メタ)アクリル酸類及び酸無水物を反応させた(メタ)アクリレート樹脂である。
Figure 2012083619
(式中、Rは、水素原子、又はメチル基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。mは、0〜5の整数である。)
Figure 2012083619
(式中、Rは、式(I)と同様である。nは0〜5の整数である。)
Figure 2012083619
(式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
Figure 2012083619
(式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
本発明の第2のレジスト組成物は、(A)(メタ)アクリレート樹脂及び(B)エポキシ樹脂の代わりに、(A’)(メタ)アクリレート樹脂及び(B’)エポキシ樹脂又はエポキシモノマーをそれぞれ含む他は本発明の第1のレジスト組成物と同じである。
[(A’)(メタ)アクリレート樹脂]
(A’)(メタ)アクリレート樹脂は、式(I)で表わされる化合物及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)で表される化合物又は式(IV)で表わされる化合物を重合して得られる共重合体にさらに(メタ)アクリル酸類及び酸無水物を反応させたアクリレート樹脂である。式(I)で表わされる化合物及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)で表される化合物又は式(IV)で表わされる化合物を重合して得られる共重合体は、本発明の第1のレジスト組成物の(B)エポキシ樹脂と同じである。
(A’)(メタ)アクリレート樹脂は、(B)エポキシ樹脂をアクリレート変性し、さらに酸無水物を反応させた樹脂である。
反応に用いる(メタ)アクリル酸類としては、アクリル酸、メタアクリル酸、メタアクリル酸ブロマイド、メタクリル酸無水物、α−トリフルオロメチルアクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸クロライド、α−トリフルオロメチルアクリル酸ブロマイド、α−トリフルオロメチルアクリル酸無水物等が挙げられる。
反応に用いる酸無水物としては、酸無水物であれば特に限定されず、例えばアクリル酸無水物、置換アクリル酸無水物、多価カルボン酸無水物等が挙げられる。
上記の多価カルボン酸無水物は、ジカルボン酸、テトラカルボン酸等の複数のカルボキシル基を有する多価カルボン酸の無水物であり、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、グルタル酸等のジカルボン酸の無水物;トリメリット酸の無水物;ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4-(1,2−ジカルボキシエチル)-1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸等のテトラカルボン酸の二無水物等が挙げられる。
(A’)(メタ)アクリレート樹脂の第2の組成物中における好適な含有量は、組成物全体の組成(溶液も含む)に対して1〜50wt%、塗布性等のプロセスの観点から考えると、5〜30wt%が好ましい。
式(I)で表わされる化合物及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)で表される化合物又は式(IV)で表わされる化合物を重合して得られる共重合体に対する、(メタ)アクリル酸類及び酸無水物の反応は、WO2010/084802に開示の方法で実施できる。
[(B’)エポキシ樹脂]
(B’)エポキシ樹脂は、例えば本発明の第1のレジスト組成物の(B)エポキシ樹脂、本発明の第1のレジスト組成物の(A)アクリレート樹脂で説明したエポキシ樹脂が挙げられる。
(B’)エポキシ樹脂は、各種エポキシ樹脂を用いることができ、例えばビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば日産化学(株)製のTEPIC−H(S−トリアジン環骨格面に対し3個のエポキシ基が同一方向に結合した構造を有するβ体)、TEPIC(β体と、S−トリアジン環骨格面に対し1個のエポキシ基が他の2個のエポキシ基と異なる方向に結合した構造をもつα体との混合物)等)等の複素環式エポキシ樹脂;ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂等の希釈剤に難溶性のエポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型またはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂等の希釈剤に可溶性のエポキシ樹脂等が挙げられる。これらエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B’)エポキシ樹脂の好適な含有量は、(メタ)アクリレート樹脂の酸価に対して、0.5〜2当量、反応性の観点から0.7〜1当量の量が好ましい。
本発明の第1のレジスト組成物は、(A)(メタ)アクリレート樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、(D)顔料及び(E)溶剤を含めばよく、これら成分から実質的になってもよく、これら成分のみからなっていてもよい。
同様に、本発明の第2のレジスト組成物は、(A’)(メタ)アクリレート樹脂、(B’)エポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、(D)顔料及び(E)溶剤を含めばよく、これら成分から実質的になってもよく、これら成分のみからなっていてもよい。
「実質的になる」とは、これら成分の含有量が、例えば90重量%以上であり、好ましくは95重量%以上であり、より好ましくは98重量%以上である。
本発明の第1のレジスト組成物及び本発明の第2のレジスト組成物(以下、これらをまとめて本発明のレジスト組成物という場合がある)は、その効果を損なわない範囲で、硬化促進剤、劣化防止剤、変性剤、脱泡剤、無機粉末、レベリング剤、離型剤等の公知の添加剤を含んでもよい。
硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリス(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類;2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物;4級アンモニウム塩、有機金属塩類、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これら硬化促進剤は、単独又は組み合わせて使用してもよい。
硬化促進剤の配合は、本発明のレジスト組成物100質量部に対して、通常、0.01〜8.0質量部であり、好ましくは0.1〜3.0質量部である。硬化促進剤の含有率を上記範囲とすることにより、充分な硬化促進効果を得られ、また得られる硬化物に変色が見られない。
劣化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、リン系化合物等の公知の劣化防止剤が挙げられる。劣化防止剤を添加すると、硬化物の耐熱性や透明性等の特性を保持することができる。
フェノール系化合物としては、イルガノクス1010(Irganox1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、イルガノクス1076(Irganox1076、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、イルガノクス1330(Irganox1330、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、イルガノクス3114(Irganox3114、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、イルガノクス3125(Irganox3125、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、イルガノクス3790(Irganox3790、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、BHT、シアノクス1790(Cyanox1790、サイアナミド社、商標)及びスミライザーGA−80(SumilizerGA−80、住友化学社製、商標)等の市販品を挙げることができる。
アミン系化合物としては、イルガスタブFS042(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商標)、GENOX EP(クロンプトン社製、商標、化合物名;ジアルキル−N−メチルアミンオキサイド)等、さらにはヒンダードアミン系である旭電化社製のADK STAB LA−52、LA−57、LA−62、LA−63、LA−67、LA−68、LA−77、LA−82、LA−87、LA−94、CSC社製のTinuvin123、144、440、662、Chimassorb2020、119、944、Hoechst社製のHostavin N30、Cytec社製のCyasorb UV−3346、UV−3526、GLC社製のUval299及びClariant社製のSanduvor PR−31等を挙げることができる。
有機硫黄系化合物としては、DSTP(ヨシトミ)(吉富社製、商標)、DLTP(ヨシトミ)(吉富社製、商標)、DLTOIB(吉富社製、商標)、DMTP(ヨシトミ)(吉富社製、商標)、Seenox 412S(シプロ化成社製、商標)及びCyanox 1212(サイアナミド社製、商標)等の市販品を挙げることができる。
変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類及びアルコール類等の公知の変性剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系等の公知のシランカップリング剤が挙げられる。脱泡剤としては、例えば、シリコーン系等の公知の脱泡剤が挙げられる。無機粉末としては、用途に応じて粒径が数nm〜10μmのものが使用でき、例えば、ガラス粉末、シリカ粉末、チタニア、酸化亜鉛及びアルミナ等の公知の無機粉末が挙げられる。
本発明の組成物は、成型する金型(樹脂金型)への注入、あるいはコーティングにより所望の形状にした後に、硬化させることにより硬化物とすることができる。硬化法としては、特に制限はないが、通常、加熱硬化法又は紫外線照射による硬化法が挙げられる。
加熱硬化法としては、硬化温度が、通常、50〜200℃程度、好ましくは100〜180℃である。50℃以上とすることにより硬化不良となることがなく、200℃以下とすることにより着色等を生じることが無くなる。
硬化時間は、使用するエポキシ樹脂、硬化剤、促進剤や開始剤によって異なるが、通常、0.5〜6時間が好ましい。
紫外線照射による硬化法としては、紫外線を、光量が、通常、500〜5000mJ/cm程度、好ましくは1000〜4000mJ/cmになるように照射する。紫外線照射後に後加熱を行ってもよく、70〜200℃で0.5〜12時間行うことが好ましい。
成形方法としては射出成形、ブロー成形、プレス成形等、特に限定されるものではない。
本発明の組成物を硬化して得られる硬化物は、アダマンタン構造を有する樹脂を含むため、透明性等に優れており、光線透過率が70%以上とすることができる。また、溶解温度が低いので加工性に優れ、ガラス転移温度が高く、優れた耐熱性及び耐光性等を有し、誘電率等電気特性、接着性にも優れた硬化物が得られる。
このように本発明の組成物を硬化して得られる硬化物は、優れた特性を有するので、光半導体(LED等)用及び光学用の樹脂(封止剤、接着剤、シール剤)、フラットパネルディスプレイ(有機EL素子等)、光導波路、光通信用レンズ及び光学用フィルム等の光学電子部材、レジスト材料等に好適に用いることができる。
即ち、本発明の組成物は、光半導体素子/集積回路(IC他)、個別半導体(ダイオード、トランジスタ、サーミスタ等)として、LED(LEDランプ、チップLED、受光素子、光半導体用レンズ)、センサー(温度センサー、光センサー、磁気センサー)、受動部品(高周波デバイス、抵抗器、コンデンサ等)、機構部品(コネクター、スイッチ、リレー等)、自動車部品(回路系、制御系、センサー類、ランプシール等)、接着剤(光学部品、光学ディスク、ピックアップレンズ)等に用いられ、表面コーティング用として光学用フィルム、フォトレジスト及びカラーレジスト等のレジスト材料等に用いられる。
従って、本発明の組成物からなる光半導体用封止剤又はシール剤、光学用電子部材、光学用接着剤又はシール剤、レジスト材料をも提供する。
光半導体(LED等)用封止剤としての構成は、砲弾型あるいはサーフェスマウント(SMT)型等に素子に適用でき、金属やポリアミド上に形成されたGaN等の半導体と良好に密着し、さらにYAG等の蛍光色素を分散しても使用できる。さらに、砲弾型LEDの表面コート剤、SMT型LEDのレンズ等にも使用可能である。
有機EL用に適用する際の構成は、一般的なガラスや透明樹脂等の透光性基板上に、陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極が順次設けられた構成の有機EL素子に適用可能である。有機EL素子の封止材として、金属缶や金属シートあるいはSiN等のコーティングされた樹脂フィルムをEL素子にカバーする際の接着剤、あるいは本発明のエポキシ樹脂にガスバリアー性を付与するために無機フィラー等を分散することで、直接、EL素子を封止することも可能である。表示方式として、現在、主流のボトムエミッション型にも適用可能であるが、今後、光の取出し効率等の点で期待されるトップエミッション型に適用することで、本発明のエポキシ樹脂組成物の透明性や耐熱性の効果を活かせる。
光回路に使用する際の構成は、シングルモードやマルチモード用の熱光学スイッチやアレイ導波路型格子、合分波器、波長可変フィルター、あるいは光ファイバーのコア材料やクラッド材料にも適用できる。また、導波路に光を集光するマイクロレンズアレイやMEMS型光スイッチのミラーにも適用できる。また、光電変換素子の色素バインダー等にも適用可能である。
光学用フィルムとして用いる際の構成は、液晶用のフィルム基板、有機EL用フィルム基板等のディスプレイ用として、あるいは光拡散フィルム、反射防止フィルム、蛍光色素等を分散することによる色変換フィルム等に適用可能である。
例えば、カラーレジストについては、液晶表示向けのカラーフィルタを構成するRGB及びブラックマトリックス等のレジストの主成分もしくは添加剤として適応可能である。
[アダマンタン系共重合樹脂の製造]
製造例1(エポキシA)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、1−アダマンチルメタクリレート18.7g(モノマー(B))、グリシジルメタクリレート11.7g(モノマー(A))、γ−ブチロラクトンメタクリレート14.03g(モノマーC)、アゾビスイソブチロニトリル8.2g、ジオキサン250mLを加えた。これを80℃に昇温して2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を2倍量のアセトンに溶解させ、メタノールに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ共重合樹脂であるエポキシA(白色粉体、収率86%、エポキシ当量596)を得た。
製造例2(エポキシB)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、1−アダマンチルメタクリレート33.5g(モノマー(B))、グリシジルメタクリレート10.7g(モノマー(A))、γ−ブチロラクトンメタクリレート12.8g(モノマーC)、アゾビスイソブチロニトリル9.9g、ジオキサン250mLを加えた。これを80℃に昇温して2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を2倍量のアセトンに溶解させ、メタノールに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ共重合樹脂であるエポキシB(白色粉体、収率78%、エポキシ当量837)を得た。
製造例3(エポキシC)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、1−アダマンチルメタクリレート18.7g(モノマー(B))、グリシジルメタクリレート11.7g(モノマー(A))、ヒドロキシエチルメタクリレート10.7g(モノマーC)、アゾビスイソブチロニトリル8.2g、ジオキサン250mLを加えた。これを80℃に昇温して2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を粉体量に対して2倍量のトルエンに溶解させ、4倍量のヘキサンに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ共重合樹脂であるエポキシC(白色粉体、収率78%、エポキシ当量591)を得た。
製造例4(エポキシD)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、1−アダマンチルメタクリレート27.5g(モノマー(B))、グリシジルメタクリレート8.9g(モノマー(A))、ヒドロキシエチルメタクリレート8.1g(モノマーC)、アゾビスイソブチロニトリル8.2g、ジオキサン250mLを加えた。これを80℃に昇温して2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を粉体量に対して2倍量のトルエンに溶解させ、4倍のヘキサンに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ共重合樹脂であるエポキシD(白色粉体、収率78%、エポキシ当量855)を得た。
製造例5(アクリレートA)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた300mL丸底フラスコに、製造例1で得られた共重合体(エポキシA)15g、アクリル酸2.17g、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.3g、トルエン150mlを加えた。これを100℃に昇温して10時間反応させ、フタル酸無水物3.72gを加え、さらに、10時間反応させた。その後、飽和食塩水を加え、有機層の抽出及び濃縮を行い、粘状物であるアクリレートA(19g、収率91%、酸価75mgKOH/g)を得た。
製造例6(アクリレートB)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた300mL丸底フラスコに、製造例2で得られた共重合体(エポキシB)15g、アクリル酸1.54g、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.3g、トルエン150mlを加えた。これを100℃に昇温して10時間反応させ、フタル酸無水物2.65gを加え、さらに、10時間反応させた。その後、飽和食塩水を加え、有機層の抽出及び濃縮を行い、粘状物であるアクリレートB(17g、収率89%、酸価55mgKOH/g)を得た。
製造例7(アクリレートC)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた300mL丸底フラスコに、製造例3で得られた共重合体(エポキシC)15g、アクリル酸2.19g、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.3g、トルエン150mlを加えた。これを100℃に昇温して10時間反応させ、フタル酸無水物3.76gを加え、さらに、10時間反応させた。その後、飽和食塩水を加え、有機層の抽出及び濃縮を行い、粘状物であるアクリレートC(19.5g、収率93%、酸価78mgKOH/g)を得た。
製造例8(アクリレートD)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた300mL丸底フラスコに、製造例4で得られた共重合体(エポキシD)15g、アクリル酸1.51g、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.3g、トルエン150mlを加えた。これを100℃に昇温して10時間反応させ、フタル酸無水物2.6gを加え、さらに、10時間反応させた。その後、飽和食塩水を加え、有機層の抽出及び濃縮を行い、粘状物であるアクリレートD(17g、収率89%、酸価57mgKOH/g)を得た。
製造例9(アクリレートE)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を備えた500mLフラスコに、溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテル225g、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製パーブチルO)5.35gを加えて90℃に加熱した。加熱後、ここに、メタクリル酸77.4g、メタクリル酸メチル(株)製プラクセルFM1)27.45gを、重合開始剤であるビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日本油脂(株)製パーロイルTCP)5.35gと共に3時間かけて滴下して加え、さらに6時間熟成することにより、カルボキシル基含有共重合樹脂を得た。尚、上記反応は、窒素雰囲気下で行った。
次に、得られたカルボキシル基含有共重合樹脂に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(ダイセル化学(株)製サイクロマーA200)90.98g、開環触媒としてジメチルベンジルアミン0.9g、重合抑制剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.45gを加え、100℃に加熱し、攪拌することによりエポキシの開環付加反応を行った。16時間後、固形分の酸価が104mgKOH/g、重量平均分子量が25,000の、芳香環を有さないカルボキシル基含有樹脂であるアクリレートEを45重量%(不揮発分)含む溶液を得た。
製造例10(エポキシE)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、グリシジルメタクリレート21.3g(モノマー(A))、γ−ブチロラクトン25.5g(モノマーC)、アゾビスイソブチロニトリル9.86g、ジオキサン300mLを加えた。これを80℃に昇温して2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を2倍量アセトンに溶解させ、4倍量のメタノールに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ、共重合樹脂であるエポキシE(40g、白色粉体、収率85.4%、エポキシ当量340)を得た。
製造例11(エポキシF)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに、グリシジルメタクリレート17.7g(モノマー(A))、ヒドロキシエチルメタクリレート16.3g(モノマーC)、アゾビスイソブチロニトリル8.2g、ジオキサン250mLを加えた。これを80℃に昇温して2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を粉体量に対して2倍量のトルエンに溶解させ、4倍量のヘキサンに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ、共重合樹脂であるエポキシF(白色粉体、収率79.3%、エポキシ当量302)を得た。
製造例12(エポキシG)
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備え付けた500mL丸底フラスコに1−アダマンチルメチルメタクリレート6.58g(モノマー(B))、グリシジルメタクリレート7.97g(モノマー(A))、アゾビスイソブチロニトリル5.04g、トルエン300mLを加えた。これを70℃のオイルバスにて2時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、有機層を濃縮し、白色粉体を得た。この白色粉体を粉体量に対して2倍量のトルエンに溶解させ、4倍量のヘキサンに加え再沈処理を行った。その後、沈殿物を取り出し、乾燥させ、共重合樹脂であるエポキシG(白色粉体、収率72%、エポキシ当量288)を得た。
製造例13(配合物1)
滴下ロート、温度指示計、三方コックを取付けた200mlの4ツ口フラスコに、ビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂のアクリレート変性体10g、テトラエチルアンモニウムブロミド1.66g、ピロメリット酸無水物2.1g、DMF70ml、メトキノン0.1gを仕込み、攪拌しながら100℃に昇温し、12時間攪拌した。その後、反応液に酢酸エチル300mlを加え、有機相を水150ml、飽和食塩水150mlで洗浄した。その後、溶媒を留去することで、下記式(V)で表される酸無水物変性体である配合物1を得た(収量10.2g、酸価107mgKOH/g)。
Figure 2012083619
[組成物の調製、及び硬化膜の評価]
実施例1〜8及び比較例1〜4
表1に示す配合量に従って組成液を調製し、調製した組成液について以下の評価を実施した。結果を表1に示す。
尚、光重合開始剤にはイルガキュア819を用い、顔料には酸化チタン(石原産業製 R−820)を用い、有機溶媒にはメチルエチルケトン(MEK)を用いた。
(1)硬化膜の製造
銅基板へバーコータで膜厚が50μmになるように調製した組成液を塗布し、80℃、30分で乾燥を行った。その後、UV硬化(露光量500mJ/cm)と、熱硬化(150℃、30分)のデュアルUV硬化を行い、硬化膜を得た。
(1−1)耐薬品性
(1)で得られた硬化膜について、40度、10%の塩酸水溶液に30分間浸漬した後、硬化膜の状態を目視により観察し、以下の基準により評価した。
◎:全く変化が認められない
○:ほんの僅かに変化している
△:顕著に変化している
×:塗膜が膨潤して硬化膜が剥離
(1−2)耐溶剤性
(1)で得られた硬化膜について、塩化メチレンに30分間浸漬した後、硬化膜の状態を目視により観察し、以下の基準により評価した。
◎:全く変化が認められない
○:ほんの僅かに変化している
△:顕著に変化している
×:塗膜が膨潤して硬化膜が剥離
(1−3)耐熱黄変性試験
(1)で得られた硬化膜を170℃、100時間で加熱し、膜の変色を観察した。
(2)現像性
銅基板へバーコータで膜厚が50μmになるように調製した組成液を塗布し、80℃、30分で乾燥を行った。その後、膜の半分をアルミ箔で覆いUV硬化(露光量500mJ/cm)を行った。露光後、現像処理(30℃、スプレー圧0.2MPa、1質量%NaCO)を60秒行って未露光部を除去し、次いで150℃×60分の熱硬化処理を行った。その後、目視により露光部分と未露光部分を比較し、現像性を評価した。
○:現像時、未露光部分が完全に除去され、現像できた。
×:現像時、未露光部分が完全に除去されない。
(3)感度評価
銅基板へバーコータで膜厚が50μmになるように調製した組成液を塗布し、80℃、20分で予備乾燥を行った。その後、感度測定用ステップタブレット(富士フイルム15段)を設置し、ステップタブレットを通して、予備乾燥した膜にメインピ−ク波長が365nmの光を照射(積算光量800mJ/cm)してテストピースを得た。得られたテストピースについて、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて120秒間現像処理を行い、露光部における除去されない部分を数字(ステップ数)で表した。
尚、ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。
(4)基板密着性試験
(1)で得られた硬化膜を、TPC−412M(ESPEC(株)製)を用いて、121℃、100%RH、2気圧、24時間の条件下においてPCT(プレッシャー・クッカー)テストを実施後、20μmパターン部にセロハンテープを貼り付けピーリングテストを行うことでパターン密着性を評価した。
パターンが保持している場合を「○」と評価し、パターンの剥がれが生じた場合は「×」と評価した。
Figure 2012083619
本発明のレジスト組成物は、液晶テレビ(LEDバックライト)、携帯電話等の電子機器のリジッド基板及びフレキシ基板のソルダーレジストとして好適に用いることができいる。

Claims (5)

  1. (A)(メタ)アクリレート樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、(D)顔料及び(E)溶剤を含むレジスト組成物であって、
    前記(B)エポキシ樹脂が、下記式(I)で表わされる化合物及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)で表される化合物又は式(IV)で表わされる化合物を共重合して得られるエポキシ樹脂であるレジスト組成物。
    Figure 2012083619
    (式中、Rは、水素原子、又はメチル基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。mは、0〜5の整数である。)
    Figure 2012083619
    (式中、Rは、式(I)と同様である。nは0〜5の整数である。)
    Figure 2012083619
    (式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
    Figure 2012083619
    (式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
  2. (A’)(メタ)アクリレート樹脂、(B’)エポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、(D)顔料及び(E)溶剤を含むレジスト組成物であって、
    前記(A’)(メタ)アクリレート樹脂が、下記式(I)で表わされる化合物及び式(II)で表わされる化合物と、式(III)で表される化合物又は式(IV)で表わされる化合物を重合して得られる共重合体にさらに(メタ)アクリル酸類及び酸無水物を反応させた(メタ)アクリレート樹脂であるレジスト組成物。
    Figure 2012083619
    (式中、Rは、水素原子、又はメチル基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。mは、0〜5の整数である。)
    Figure 2012083619
    (式中、Rは、式(I)と同様である。nは0〜5の整数である。)
    Figure 2012083619
    (式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
    Figure 2012083619
    (式中、R及びmは、式(I)と同様である。)
  3. 前記(D)顔料が、白色顔料である請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
  4. 有機樹脂フィルムと請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト組成物を積層した感光性樹脂積層体。
  5. 請求項4に記載の感光性樹脂積層体を用いたカラーレジスト、ブラックマトリックス用レジスト、ドライフィルムレジスト又はソルダーレジスト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015069085A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 新日鉄住金化学株式会社 白色感光性樹脂組成物、それを用いた硬化物、及びその硬化物を構成成分として含むタッチパネル
WO2019207677A1 (ja) * 2018-04-25 2019-10-31 日立化成株式会社 感光性フィルム及び感光性屈折率調整フィルム

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