JP2014084326A - 耐熱・耐候性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱・耐候性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2014084326A
JP2014084326A JP2012231633A JP2012231633A JP2014084326A JP 2014084326 A JP2014084326 A JP 2014084326A JP 2012231633 A JP2012231633 A JP 2012231633A JP 2012231633 A JP2012231633 A JP 2012231633A JP 2014084326 A JP2014084326 A JP 2014084326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound represented
curable
resin composition
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012231633A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6020030B2 (ja
Inventor
Kikuo Furukawa
喜久夫 古川
Hiroyasu Tanaka
博康 田中
Motoharu Takeuchi
基晴 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2012231633A priority Critical patent/JP6020030B2/ja
Publication of JP2014084326A publication Critical patent/JP2014084326A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6020030B2 publication Critical patent/JP6020030B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】耐熱性、耐候性を有し、屈折率(n)が1.54〜1.60の透明な硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【解決手段】ジチオール、ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、トリ又はテトラメルカプトカルボキシレート、ビス(メルカプトメチル)ベンゼン及びその誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、脂環式炭化水素骨格と2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物とを含有する硬化性樹脂組成物および該組成物を硬化してなる樹脂硬化物。
【選択図】なし

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ用基板、レンズ、光ディスク、発光ダイオード(LED)用封止材、ハードコートなどの光学用途に使用される、屈折率および耐熱性、耐候性に優れた透明な樹脂組成物に関する。
近年、自動車、ディスプレイなどの電子機器、携帯電話などの通信機、パーソナルコンピューター等に使われる透明基板は、従来ガラス基板が使用されていたが、軽量化や破損した際の安全性の観点からプラスチック基板の使用が進められている。特に近年では、耐熱性、耐候性に対する期待は高まりつつある。例えば液晶ディスプレイや携帯電話、モバイル機器などの表示基板、プラスチックレンズ向けの樹脂材料として求められている。また、ガラス基板にプラスチック基板を貼り合わせたり、双方の特徴を生かしたハイブリッド基板を使用したり、加工性の悪いガラス基板の上に加工性に優れたプラスチック材料で加飾することにより基板の生産性を高めることが進められている。
従来、光学用途に使用される透明樹脂としては、例えば透明性や機械特性に優れているPC(ポリカーボネート)がある。しかし、これらは樹脂の耐熱性が150℃に届かず使用できる範囲が限られている。
また、フェノール系樹脂とキノンジアジド化合物を組み合わせた透明樹脂(特許文献1)も知られ、さらに高硬度性及び高耐熱性も有するものとしては、例えばインデンおよびマレイン酸を主成分とした共重合体と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ化合物とからなる熱硬化性樹脂組成物(特許文献2)も提案されている。これらは芳香環骨格によって樹脂の耐熱性が向上し、屈折率も向上できるが、芳香環を含む樹脂は着色しやすく光学用途で使用すると光の吸収のため耐候性が劣るという欠点がある。
一方、耐熱性を向上させるためには、脂肪族骨格を有する硬化性(メタ)アクリレート樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることによって高Tgの透明な樹脂基板が得られる(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5など)。しかし、樹脂組成物成分が脂肪族骨格のもののみでは、耐候性は期待できるものの、屈折率(n)が1.51〜1.53に留まるという欠点があり、例えば屈折率(n)が1.54〜1.60程度の一般的な光学ガラスと貼りあわせて使用する場合には境界面での屈折が生じてしまう問題がある。
屈折率向上のため、ポリイソシアネートとポリチオールを組み合わせた組成物が提案されている(特許文献6)。しかしながら、この組成物は、比較的高い屈折率を有しているが、耐熱性が低かったり、太陽光中の紫外線により経時的に黄変する欠点がある。
特開2004−240144号公報 特開平11−124427号公報 特公平7−45555号公報 特開2002−356566号公報 特開2005−154543号公報 特開平5−25240号
本発明の目的は、上記課題を解決した、耐熱性、耐候性を有し、硬度が高く、屈折率(n)が1.54〜1.60程度の透明な硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意研究を重ねた結果、脂環式炭化水素骨格と(メタ)アクリロイルオキシ基を有する、式(1)で示される硬化性化合物及び式(2)で示される硬化性化合物並びに式(4)〜(7)で示される化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含有する硬化性樹脂組成物から得られる樹脂硬化物が、透明性、耐熱性、硬度、屈折率、耐候性に優れていることを見出し、本発明に到達した。
(1)
(式中、RおよびRは同一または異なって水素原子、メチル基を示す。n、nはn+n=1または2となる整数を示す。)
(2)
(式中、R〜Rは同一または異なって式(3)で表わされる基、水素原子、メチル基又はエチル基を示す。ただし、R〜Rのうち、2つ又は3つは式(3)で表わされる基を示す。)
(3)
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
(4)
(式中、nは0又は1、nは1又は2、Xは水素または−CH−SH基を示す。)
(5)
(式中、nは0又は1を示す。)
(6)
(式中、nは3または4を、nは0または1を示す。ただし、n+n=4となる。nは0または1を示す。Rはメチル基、エチル基、プロピル基を示し、Rは水素またはメチル基を示す)。
(7)
本発明によれば、耐熱性、耐候性を有しており、屈折率(n)が1.54〜1.60程度の透明な樹脂硬化物及びそれを製造するための硬化性樹脂組成物が得られる。該樹脂硬化物は耐熱性が高く耐候性に優れるので、フラットパネルディスプレイ用基板、レンズ、光ディスク、発光ダイオード(LED)用封止材などの光学用部材として好適に使用することができる。また、ガラス基板と貼りあわせて使用することもできる。
本発明は式(1)で示される硬化性化合物及び式(2)で示される硬化性化合物並びに式(4)〜(7)で示される化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含んでなる硬化性樹脂組成物であり、これを硬化した透明な樹脂硬化物である。
式(1)で示される硬化性化合物としては、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロ[9.2.1.13,9.02,10.04,8]ペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
式(2)で示される硬化性化合物としては、例えば1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、5,7−ジメチル−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、5−エチル−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、7−メチル−1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、7−エチル−1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンが挙げられる。
式(4)で示される化合物としては、例えば3−チアペンタン−1,5−ジチオール、3,6−ジチアオクタン−1,8−ジチオール、3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオール、3,6,9,12−テトラチアテトラデカン−1,14−ジチオール、4−(メルカプトメチル)−3,6−ジチアオクタン−1,8−ジチオール、4−(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン−1,11−ジチオールなどが挙げられる。
式(5)で示される化合物としては、例えば2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,6−ジメルカプトメチル−1,4-ジチアン、1,3−ビス(5−メルカプトメチル−[1, 4]−ジチアン−2−チオメチル)−2−プロパンチオール、1,3−ビス(6−メルカプトメチル−[1, 4]−ジチアン−2−チオメチル)−2−プロパンチオールなどが挙げられる。
式(6)で示される化合物としては、例えばペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトアセタート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(メルカプトアセタート)、トリメチロールエタントリス(メルカプトアセタート)、トリメチロールブタントリス(メルカプトアセタート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールブタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールブタントリス(3−メルカプトブチレート)などが挙げられる。
式(7)で示される化合物としては、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼンが挙げられる。
耐熱性の高い樹脂硬化物を得るには、硬化性樹脂組成物の成分として式(2)で示されるようなアダマンタン骨格を有した(メタ)アクリレートが好適である。しかし、これらの化合物は常温で固体のものが多いため、液体の硬化性化合物と混合して液体にして使用すると、硬化操作が格段に容易になる。その中で、式(1)で示される硬化性化合物と混合した場合、高い耐熱性、高硬度を維持させることができる。ただし、式(1)で示される硬化性化合物だけでは、耐熱性および硬度の観点で性能が落ちる。また、硬化性化合物としては、多官能(メタ)アクリレートのみで構成されているほうが、耐熱性が高い。また、脂環式骨格の化合物を使用した場合は、硬化収縮が小さくなる。そのため、式(1)のほかに、式(2)で示される化合物を組み合わせることによって、耐熱および硬度に優れた硬化性樹脂組成物を構成することができる。
次に、硬化性樹脂組成物の成分が式(1)および式(2)で示される硬化性化合物だけでは、樹脂硬化物の屈折率はせいぜい1.52程度までしか高くならない。そこで、式(4)〜式(7)で示される硫黄を含有した化合物を配合することにより、屈折率を1.54から1.60まで向上することができる。一般的に、チオール化合物は、単独では硬化物を得ることはできず、(メタ)アクリル酸化合物と配合して硬化する必要があるが、耐熱性および硬度が低下する傾向がある。しかし、チオール化合物の中でも、式(4)〜式(7)で示される化合物を配合した場合は、硬度および耐熱性の低下を抑制しつつ屈折率を向上させやすい。一方、樹脂硬化物として少なくとも一定の硬度(鉛筆硬度H以上)が求められていることから、(メタ)アクリル化合物としては式(1)のほかに式(2)で示される硬化性化合物を配合することが重要である。
本発明の硬化性樹脂組成物において、式(1)、式(2)で示される硬化性化合物、式(4)〜式(7)で示される化合物の含有比は、(式(1)で示される硬化性化合物+式(2)で示される硬化性化合物)/(式(4)で示される化合物+式(5)で示される化合物+式(6)で示される化合物+式(7)で示される化合物)の質量比で、50/50〜95/5が好ましい。さらに好ましくは、60/40〜90/10、さらに好ましくは70/30〜80/20含有する。(式(4)で示される化合物+式(5)で示される化合物+式(6)で示される化合物+式(7)で示される化合物)の含有比が5より大きいと、屈折率向上の効果が高い。また、該含有比が50より小さいと、樹脂の硬度が高くなる。式(1)、式(2)で示される硬化性化合物、式(4)〜式(7)で示される化合物はそれぞれ単独又は複数の種類の化合物を使用することができる。
また、式(1)、式(2)で示される硬化性化合物の含有比だけみると、(式(1)で示される硬化性化合物)/(式(2)で示される硬化性化合物)の質量比で、10/90〜95/5が好ましい。さらには40/60〜90/10、さらに好ましくは60/40〜80/20で使用するとよい。式(1)で示される硬化性化合物の含有比が10より大きいと、式(2)で示される硬化性化合物が固体の際には溶解させることができる。また、式(2)で示される化合物の含有比が5より大きいと、最終的に得られる硬化物の耐熱性、硬度が高くなる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、式(1)、式(2)で示される硬化性化合物、式(4)〜式(7)で示される化合物を硬化反応させるために、硬化促進剤を含有する。硬化促進剤の含有量は、式(1)、式(2)で示される硬化性化合物、式(4)〜式(7)で示される化合物の合計量100質量部に対して0.001質量部〜0.2質量部、好ましくは0.005質量部〜0.1質量部、より好ましくは0.01〜0.05質量部である。この範囲で使用すると、架橋密度が高くなるため好ましい。
硬化促進剤としては、光硬化促進剤及び熱硬化促進剤が使用できる。硬化促進剤は一般に知られているものが使用でき、例えば、光硬化促進剤として、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア127、イルガキュア907、イルガキュア369、ダロキュア1173、イルガキュア819、ルシリンTPO(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、熱硬化促進剤として、アゾイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、市販のものでは、V−70、V−65、V−601、V−59、V−40、VF−096、V−30、VAm−110、VAm−111(以上、和光純薬社製)、ナイパーBW、ナイパーBMT、パーロイルTCP、パーロイルL、パーロイル355、パーロイルSA、パーヘキサHC、パーブチル355、パーブチルD、パーブチルL、パーブチルND、パーオクタO、パーヘキシルD、パーヘキシルO、パーヘキシルPV(以上、日油製)、トリゴノックス36−C75、ラウロックス、パーカドックスL−W75、パーカドックスCH−50L、トリゴノックスTMBH、カヤクメンH、カヤブチルH−70、パーカドックスBC−FF、カヤヘキサAD、パーカドックス14、カヤブチルC、カヤブチルD、パーカドックス12−XL25、トリゴノックス22−N70(22−70E)、トリゴノックスD−T50、トリゴノックス423−C70、カヤエステルCND−C70、トリゴノックス23−C70、トリゴノックス257−C70、カヤエステルP−70、カヤエステルTMPO−70、トリゴノックス121、カヤエステルO、カヤエステルHTP−65W、カヤエステルAN、トリゴノックス42、トリゴノックスF−C50、カヤブチルB、カヤカルボンEH、カヤカルボンI−20、カヤカルボンBIC−75、トリゴノックス117、カヤレン6−70(以上、化薬アクゾ社製)などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの硬化促進剤は、1種あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、用途や必要とする物性に応じて、他の硬化性化合物を含有することができる。その際の硬化促進剤の含有量は、式(1)、式(2)で示される硬化性化合物及び他の硬化性化合物、すなわち系内のすべての硬化性化合物、並びに式(4)〜式(7)で示される化合物の合計量100重量部に対して0.001重量部〜0.2重量部、好ましくは0.005重量部〜0.1重量部、より好ましくは0.01〜0.05重量部である。この範囲で使用すると、架橋密度が高くなるため好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物が含有することができる他の硬化性化合物は、公知のアクリル酸化合物が挙げられる。例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールA(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ−ト、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレ−ト、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレ−ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ペンタエリストリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これらに限ったものではない。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物を製造する際には、必要に応じて、熱可塑性樹脂、着色顔料、消泡剤、表面調整剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、流動調整剤等の公知の添加剤を添加することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は金型やガラスモールドに注入して、加熱のみ、光照射のみ、又は光照射と加熱の組み合わせによって硬化させることにより樹脂硬化物とすることができる。樹脂硬化物は、硬化性樹脂組成物を溶融又は溶媒に溶解させた後、型内に流し込み、溶媒など低沸成分を適宜除去して、通常の条件で硬化させることにより得ることができる。
加熱のみで硬化する場合は30℃〜300℃、好ましくは50℃〜260℃の温度範囲で硬化させる。硬化温度が30℃以上であると樹脂硬化物の耐熱性が十分となり、300℃以下であるとクラックや着色が生じない。硬化時間は1〜100時間、好ましくは2〜50時間かけて硬化させる。硬化時間が1時間以上であると硬化が十分となり、クラックが発生しにくい。100時間以内であると生産性の低下は起きない。
光硬化の場合、太陽光のほかに、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、発光ダイオード、レーザーなど一般的な光源や電子線、放射線を使用することができる。照射量は1〜100000mJ/cm、好ましくは50〜20000mJ/cmである。照射量が1mJ/cm以上であると硬化が十分となり、100000mJ/cm以下であると生産性が低下しない。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
実施例1
トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP:新中村化学工業株式会社製NKエステルDCP)を6.0g、1,3−ジアクリロイルオキシアダマンタン(ADDA:特許第4386154号報に記載の方法で、1,3−アダマンタンジオールを合成した後、特開2000−119220号報に記載の方法で合成)を2.0g、3−チアペンタン−1,5−ジチオール(DMDS:東京化成工業株式会社製)を2.0g、イルガキュア184(IRG184)を0.1gを秤量して混合して均一に溶解させたのち真空ポンプで脱気して樹脂組成物を調製した。厚さ3mmのガラス板2枚の間に、太さ2.4mmのバイトンO−リング(バイトン:デュポン(株)の商標)を挟み、ガラス板の間に注射器を用いて樹脂組成物を注入した。アイグラフィックス社製照射機アイキュアライト(メタルハライドランプ1.5kW)で樹脂組成物をガラスの両面からそれぞれ10.5J/cm照射したのち、オーブンに入れて150℃で4時間加熱し、硬化した樹脂を得た。
実施例2〜6、比較例1〜2
実施例2〜6については、DMDSの代わりに4−(メルカプトメチル)−3,6−ジチアオクタン−1,8−ジチオール(GST:特許第3048929号報に記載の方法で合成)、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン(DMMD:特許第2895987号報に記載の方法で合成)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMTP:淀化学株式会社製)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PETP:淀化学株式会社製)、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン(mXDT:Journal of the American Chemical Society,1987,vol.109,#22,P6825−6836に記載の方法で合成)、1,6−ヘキサンジチオール(1,6−HDT:東京化成工業株式会社製)を使用し、また仕込み比を変えた以外は、実施例1と同様に実施した。また比較例3では、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製ポリカーボネートH−4000を耐候性試験用の比較用として使用した。得られた硬化物の物性の評価結果を表1に示す。
以下、物性値測定の方法を説明する。
・硬化収縮:(1−(硬化前の樹脂密度)/(硬化後の樹脂組成物密度))×100で算出。
・1%、5%重量減少温度:セイコーインスツルメンツ社製TG/DTA6200を使用。窒素雰囲気下、10℃/分で昇温してそれぞれの重量減少を示す温度を測定。
・鉛筆硬度:JIS K5400に準拠し、ヨシミツ精機社製試験機で測定。
・樹脂密度:エー・アンド・デイ比重測定キットAD−1653及び精密天秤で測定。
・屈折率:島津製作所 精密屈折計 KPR−2000でd線(589nm)の屈折率を測定。
・耐候性試験:ATLAS Ci4000 Xenon Weather−Ometerに測定試料(硬化樹脂)をセットし、キセノンランプ 放射強度60W/cm(300−400nm)、ブラックパネル温度65℃、試験槽温度38℃、相対湿度50%、試料スプレーoff/on=102分/18分(ISO4892−2)の条件で照射。実施例1〜6および比較例1で得られた硬化物およびポリカーボネート(ユーピロンH−4000)を前記条件で7日間曝露させた。曝露前後で、色調(YI値)を測定して色調変化(ΔYI:得られたYIの差分)を耐候性試験結果とした。
・色調(YI値):カラーテクノシステム製 分光測色計JS555を用いて測定。
実施例1〜6は、1%重量減少温度が228℃、5%重量減少温度が281℃以上と高く、鉛筆硬度がF〜H、屈折率が1.540〜1.573といずれの項目でも高いことが分かった。比較例1は、鉛筆硬度が大幅に低下していることが分かった。また、比較例2は屈折率が低いことが分かった。また、耐候性試験の結果、実施例1〜6の硬化物は比較例3の樹脂と比較して耐候性に優れていることがわかった。
本発明によると、高硬度、高耐熱、高耐候性、高屈折率を有した透明な樹脂硬化物と、それを得るための硬化性樹脂組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 式(1)で示される硬化性化合物及び式(2)で示される硬化性化合物並びに式(4)〜式(7)で示される化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含有する硬化性樹脂組成物。
    (1)
    (式中、R及びRは同一又は異なって水素原子又はメチル基を示す。n、nはn+n=1又は2となる整数を示す。)
    (2)
    (式中、R〜Rは同一または異なって式(3)で示される基、水素原子、メチル基又はエチル基を示す。ただし、R〜Rのうち、2つあるいは3つは式(3)で示される基を示す。)
    (3)
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
    (4)
    (式中、nは0又は1、nは1又は2、Xは水素又は−CH−SH基を示す。)
    (5)
    (式中、nは0又は1を示す。)
    (6)
    (式中、nは3又は4を、nは0又は1を示す。ただし、n+n=4となる。nは0又は1を示す。Rはメチル基、エチル基又はプロピル基を示し、Rは水素又はメチル基を示す。)
    (7)
  2. 式(1)、式(2)で示される硬化性化合物及び式(4)〜式(7)で示される化合物が、(式(1)で示される硬化性化合物+式(2)で示される硬化性化合物)/(式(4)で示される化合物+式(5)で示される化合物+式(6)で示される化合物+式(7)で示される化合物)の質量比で、50/50〜95/5である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 式(1)及び式(2)で示される硬化性化合物が、(式(1)で示される硬化性化合物/式(2)で示される硬化性化合物)の質量比で10/90〜95/5である請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 系内の全ての硬化性化合物及び式(4)〜(7)で示される化合物の合計量100質量部に対して硬化促進剤を0.001〜0.2質量部含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化した樹脂硬化物。
JP2012231633A 2012-10-19 2012-10-19 耐熱・耐候性樹脂組成物 Active JP6020030B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012231633A JP6020030B2 (ja) 2012-10-19 2012-10-19 耐熱・耐候性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012231633A JP6020030B2 (ja) 2012-10-19 2012-10-19 耐熱・耐候性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014084326A true JP2014084326A (ja) 2014-05-12
JP6020030B2 JP6020030B2 (ja) 2016-11-02

Family

ID=50787729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012231633A Active JP6020030B2 (ja) 2012-10-19 2012-10-19 耐熱・耐候性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6020030B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016044285A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 株式会社ニコン 光学材料用樹脂前駆体組成物、この組成物から得られる光学要素およびこの光学要素を用いて構成される回折光学素子

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02141702A (ja) * 1988-11-24 1990-05-31 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 高アッベ数レンズ
JPH11507087A (ja) * 1995-05-30 1999-06-22 ソーラー・インターナショナル・ホールディングズ・リミテッド 高屈折率/高アッベ数組成物
JP2005154543A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 透明樹脂材料
JP2005298736A (ja) * 2004-04-14 2005-10-27 Idemitsu Kosan Co Ltd 硫黄含有化合物、その製造方法および含硫黄重合体並びに光学材料
WO2010067779A1 (ja) * 2008-12-09 2010-06-17 出光興産株式会社 光学部品用樹脂原料組成物、光学部品用樹脂および光学部品
JP2011063698A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Idemitsu Kosan Co Ltd 光学部品用樹脂原料組成物および光学部品

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02141702A (ja) * 1988-11-24 1990-05-31 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 高アッベ数レンズ
JPH11507087A (ja) * 1995-05-30 1999-06-22 ソーラー・インターナショナル・ホールディングズ・リミテッド 高屈折率/高アッベ数組成物
JP2005154543A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 透明樹脂材料
JP2005298736A (ja) * 2004-04-14 2005-10-27 Idemitsu Kosan Co Ltd 硫黄含有化合物、その製造方法および含硫黄重合体並びに光学材料
WO2010067779A1 (ja) * 2008-12-09 2010-06-17 出光興産株式会社 光学部品用樹脂原料組成物、光学部品用樹脂および光学部品
JP2011063698A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Idemitsu Kosan Co Ltd 光学部品用樹脂原料組成物および光学部品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016044285A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 株式会社ニコン 光学材料用樹脂前駆体組成物、この組成物から得られる光学要素およびこの光学要素を用いて構成される回折光学素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP6020030B2 (ja) 2016-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5301164B2 (ja) チオール化合物を含有する硬化性組成物
JP6773033B2 (ja) 光学材料用組成物及びそれを用いた光学材料
TWI495686B (zh) A stabilized polyene-polythiol-based hardening resin composition
CN110790931B (zh) 一种uv固化聚硫醇树脂及固化膜的制备方法
TWI818903B (zh) 光學材料用組成物
WO2012147712A1 (ja) 硬化性組成物および光学用接着剤
EP3444644B1 (en) Composition for high refractive index low dispersion resins for composite diffraction optical elements, and composite diffraction optical element using same
WO2011102286A1 (ja) 硬化性組成物及び硬化物
JP5810611B2 (ja) 硬化性組成物および光学接着剤
WO2016194618A1 (ja) 硬化性組成物およびそれを用いた光学用接着剤
JP5967461B1 (ja) 紫外線硬化型粘着剤組成物、及び、粘着シート
JPWO2017154589A1 (ja) 硬化性組成物及び光学部材
JP5991315B2 (ja) 硬化性組成物および光学用接着剤
JP6020030B2 (ja) 耐熱・耐候性樹脂組成物
JP2016079363A (ja) 硬化性組成物及びその硬化物、ハードコート材及びハードコート膜、並びに積層体
JP6187847B1 (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物及びプラスチックレンズ
JP4313137B2 (ja) ハードコート剤
JP5849432B2 (ja) 硬化性組成物および光学接着剤
JP5834475B2 (ja) 硬化性組成物および光学接着剤
WO2015152339A1 (ja) 樹脂フィルム又はシート形成用光硬化型組成物
JP5742443B2 (ja) 硬化性組成物および光学接着剤
JP5810610B2 (ja) 硬化性組成物および光学接着剤
WO2011102287A1 (ja) 硬化性組成物及び硬化物
JP2023039162A (ja) 硬化性樹脂組成物および硬化物
JP2016196600A (ja) 硬化性組成物及びその硬化物、ハードコート材及びハードコート膜、並びに積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160919

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6020030

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151