JP2023039162A - 硬化性樹脂組成物および硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成するための硬化性樹脂組成物、および、硬化物を提供すること。【解決手段】硬化性樹脂組成物は、多官能性チオ(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含み、これらの総量に対して、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの配合割合が、20質量%以下であるか、または、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含み、これらの総量に対して、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの配合割合が、15質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物および硬化物に関する。
従来、樹脂材料は、軽量であり、また、靱性および成型性に優れるため、各種光学部材に用いられている。
このような樹脂材料として、例えば、活性エネルギー線硬化性化合物および光重合開始剤を含有するインクジェットインク組成物が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、このようなインクジェットインク組成物の硬化物の屈折率は、1.624であり、また、貯蔵弾性率は、450MPaである(例えば、特許文献1の実施例1参照。)。
国際公開2018/088461号パンフレット
一方、このような樹脂材料の硬化物には、目的および用途に応じて、高い屈折率および柔軟性の両立が要求される。しかし、屈折率を高くするために、樹脂の密度を高くすると、柔軟性が低下する傾向がある。そのため、高い屈折率および柔軟性の両立を図ることができない。
本発明は、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成するための硬化性樹脂組成物、および、硬化物を提供する。
本発明[1]は、多官能性チオ(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含み、前記多官能性チオ(メタ)アクリレートおよび前記単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対して、多官能性チオ(メタ)アクリレートの配合割合が、20質量%以下である、硬化性樹脂組成物である。
本発明[2]は、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含み、前記多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートおよび前記単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対して、前記多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートの配合割合が、15質量%以下である、硬化性樹脂組成物である。
本発明[3]は、上記[1]または[2]に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる、硬化物を含んでいる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、多官能性チオ(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含み、これらの総量に対して、多官能性チオ(メタ)アクリレートの配合割合が、所定割合であるか、または、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含み、これらの総量に対して、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートの配合割合が、所定割合である。これにより、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成することができる。
また、本発明の硬化物は、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなる。そのため、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる。
本発明は、多官能性チオ(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含む硬化性樹脂組成物(第1発明)、または、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含む硬化性樹脂組成物(第2発明)である。
以下、第1発明および第2発明について、それぞれ詳述する。
<第1発明>
硬化性樹脂組成物は、多官能性チオ(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含む。また、詳しくは後述するが、多官能性チオ(メタ)アクリレートおよび単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対して、多官能性チオ(メタ)アクリレートの配合割合が、所定割合である。
[多官能性チオ(メタ)アクリレート]
多官能性チオ(メタ)アクリレートは、多官能性チオメタクリレートおよび/または多官能性チオアクリレートである。多官能性チオ(メタ)アクリレートは、2つ以上の(メタ)アクリロイルチオ基を有する。
(メタ)アクリロイルチオ基は、下記一般式(1)で示される。
Figure 2023039162000001

上記一般式(1)において、Rは、水素原子またはメチル基を示す。
(メタ)アクリロイルチオ基は、硫黄原子を含んでいるため、硫黄原子を含まない(メタ)アクリロイル基よりも高屈折である。そのため、多官能性チオ(メタ)アクリレートは、芳香環などの屈折率を高くするための分子構造を有しなくても、屈折率を高くすることができる。つまり、多官能性チオ(メタ)アクリレートは、好ましくは、芳香環を有しない。
多官能性チオ(メタ)アクリレートは、例えば、下記一般式(2)で示される。
Figure 2023039162000002

上記一般式(2)において、Rは、上記一般式(1)と同義である。Rは、好ましくは、水素原子を示す。
は、2価の炭化水素基を示し、好ましくは、2価の脂肪族炭化水素基を示す。2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、直鎖アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、および、へキシレン基)、および、分岐アルキレン基(例えば、イソプロピレン基、および、イソブチレン基)が挙げられ、好ましくは、直鎖アルキレン基、より好ましくは、メチレン基およびエチレン基、さらに好ましくは、エチレン基が挙げられる。また、任意の水素基はアクリロイルチオメチル基、または、メタアクリロイルチオメチル基で置換されていてもよい。このような多官能性チオ(メタ)アクリレートは、例えば、下記一般式(3)および下記一般式(4)で示される。
Figure 2023039162000003

Figure 2023039162000004
nは、1以上4以下の整数を示し、好ましくは、2を示す。
このような多官能性チオ(メタ)アクリレートのうち、好ましくは、二官能性チオ(メタ)アクリレート、より好ましくは、下記一般式(5)で示される化合物(上記一般式(2)において、Rは、水素原子を示し、Rは、エチレン基を示し、nは2を示す。)が挙げられる。
Figure 2023039162000005
多官能性チオ(メタ)アクリレートは、例えば、特公平07-091262に記載される製造方法に準拠して製造することができる。
多官能性チオ(メタ)アクリレートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、多官能性チオ(メタ)アクリレートには、本発明の実施に影響を与えない範囲で、上記一般式(2)が重合した化合物(オリゴマー)が含まれていてもよい。
[単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート]
単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートは、単官能性芳香環含有メタクリレートおよび/または単官能性芳香環含有アクリレートである。単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートは、1つの(メタ)アクリロイル基(メタクリロイル基および/またはアクリロイル基)、および、1つ以上の芳香環を有する。
単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとして、例えば、1つの(メタ)アクリロイル基および1つの芳香環を有する単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート(以下、第1単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート)、1つの(メタ)アクリロイル基および2つの芳香環を有する単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート(以下、第2単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート)、および、1つの(メタ)アクリロイル基および3つ以上の芳香環を有する単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート(以下、第3単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート)が挙げられる。
単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートにおいて、芳香環を含むと、屈折率を高くできる一方、柔軟性が低下する傾向がある。屈折率および柔軟性の両立の観点から、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートにおいて、芳香環の数は、好ましくは、1または2である。換言すれば、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとしては、好ましくは、第1単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート、および、第2単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートが選択される。
第1単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートは、例えば、下記一般式(6)で示される。
Figure 2023039162000006

上記一般式(6)において、Rは、上記一般式(1)と同義である。Rは、好ましくは、水素原子を示す。
は、上記Rと同様である。Rは、好ましくは、メチレン基およびエチレン基を示す。また、lは、0または1を示し、好ましくは、柔軟性の向上の観点から、1である。詳しくは、上記したように、芳香環を含むと、屈折率を高くできる一方、柔軟性が低下する傾向がある。そのため、柔軟性を確保するために、好ましくは、剛直性が緩和された単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートが選択される。とりわけ、lが、1であれば、(メタ)アクリロイル基に対する芳香環の内部回転が束縛されず、剛直性を緩和することができる。
は、酸素原子および硫黄原子を示し、好ましくは、酸素原子を示す。また、mは、0または1を示す。詳しくは、lが1の場合には、mは、0または1を示し、lが0の場合には、mは、0を示す。
は、ハロゲン原子、および、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基)を示す。また、nは、0以上5以下の整数を示す。
このような第1単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートのうち、好ましくは、ベンジルアクリレート(上記一般式(6)において、Rが水素原子を示し、Rがメチレン基を示し、lが1を示し、mが0を示し、nが0を示す。)、および、2-フェノキシエチルアクリレート(上記一般式(6)において、Rが水素原子を示し、Rがエチレン基を示し、Rが酸素原子を示し、lが1を示し、mが1を示し、nが0を示す。)が挙げられる。
第2単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートは、例えば、下記一般式(7)で示される。
Figure 2023039162000007

上記一般式(7)において、Rは、上記一般式(1)と同義である。Rは、好ましくは、水素原子を示す。
は、上記一般式(6)と同義である。Rは、好ましくは、メチレン基およびエチレン基を示し、好ましくは、メチレン基を示す。また、lは、上記一般式(6)と同義である。lは、好ましくは、柔軟性の向上の観点から、1である。
は、上記一般式(6)と同義である。また、mは、上記一般式(6)と同義である。mは、好ましくは、0である。
は、酸素原子、硫黄原子、上記した直鎖アルキレン基、および、上記した分岐アルキレン基を示す。Rは、好ましくは、酸素原子を示す。また、оは、0または1を示し、好ましくは、柔軟性の向上の観点から、1である。詳しくは、上記したlと同様に、оが1であれば、剛直性を緩和でき、柔軟性を向上できる。
は、上記Rと同様である。また、pは、0以上4以下の整数を示し、好ましくは、0を示す。
は、上記Rと同様である。RおよびRは、同一または相異なってもよい。また、qは、0以上5以下の整数を示し、好ましくは、0を示す。
このような第2単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートのうち、好ましくは、下記一般式(8)で示される化合物(m-フェノキシベンジルアクリレート、上記一般式(7)において、Rは、水素原子を示し、Rは、メチレン基を示し、Rは、酸素原子を示し、lは1を示し、mは0を示し、оは、1を示し、pは0を示し、qは0を示す。)が挙げられる。
Figure 2023039162000008
また、第2単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートは、例えば、下記一般式(9)で示される。
Figure 2023039162000009
上記一般式(9)において、Rは、上記一般式(1)と同義である。Rは、好ましくは、水素原子を示す。
は、上記一般式(6)と同義である。Rは、好ましくは、メチレン基およびエチレン基を示す。また、lは、上記一般式(6)と同義である。lは、好ましくは、柔軟性の向上の観点から、1である。
は、上記一般式(6)と同義である。Rは、酸素原子を示す。mは、上記一般式(6)と同義である。
このような第2単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートのうち、好ましくは、1-ナフチルメチルアクリレート(上記一般式(9)において、Rは、水素原子を示し、Rは、メチレン基を示し、lは1を示し、mは0を示す。)、および、2-(1-ナフトキシ)エチルアクリレート(上記一般式(9)において、Rは、水素原子を示し、Rは、エチレン基を示し、Rは、酸素原子を示し、lは1を示し、mは1を示す。)が挙げられる。
第2単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートは、好ましくは、上記一般式(6)で示され、より好ましくは、上記式(8)で示される。
単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとして、好ましくは、屈折率を、より一層高くする観点から、第2単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
[多官能性チオ(メタ)アクリレートおよび単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対する、それぞれの配合割合]
多官能性チオ(メタ)アクリレートおよび単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対して、多官能性チオ(メタ)アクリレートの配合割合は、20質量%以下、好ましくは、15質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、また、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上である。
多官能性チオ(メタ)アクリレートの配合割合が、上記上限以下であれば、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成することができる。
一方、多官能性チオ(メタ)アクリレートの配合割合が、上記上限を超過すると、柔軟性が大きく低下する。その結果、高い屈折率および柔軟性の両立を図ることができない。
また、多官能性チオ(メタ)アクリレートの配合割合が、上記下限以上であれば、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成することができる。
また、多官能性チオ(メタ)アクリレートおよび単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対して、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの配合割合は、80質量%以上、好ましくは、85質量%以上、より好ましくは、90質量%以上、また、例えば、99質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。
単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの配合割合が、上記下限以上または上記上限以下であれば、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成することができる。
[硬化性樹脂組成物の調製]
硬化性樹脂組成物は、多官能性チオ(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを配合することにより調製できる。
上記調製において、さらに、単官能性チオ(メタ)アクリレートを配合することもできる。単官能性チオ(メタ)アクリレートは、1つの(メタ)アクリロイルチオ基を有する。
また、上記調製において、重合開始剤を配合することもできる。
重合開始剤として、硬化性樹脂組成物を、紫外線によって硬化させる場合には、光重合開始剤が選択され、硬化性樹脂組成物を、熱によって硬化させる場合には、熱重合開始剤が選択される。重合開始剤として、好ましくは、光重合開始剤が選択される。
光重合開始剤としては、例えば、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤、オキシフェニル酢酸エステル系開始剤、ベンゾイルギ酸系開始剤およびヒドロキシフェニルケトン系開始剤(例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)が挙げられ、好ましくは、ヒドロキシフェニルケトン系開始剤が挙げられる。
重合開始剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
重合開始剤の配合割合は、硬化性樹脂組成物に対して、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、また、例えば、5質量%以下、好ましくは、3質量%以下である。
また、上記調製において、目的および用途によって、必要に応じて、例えば、粘着付与剤、充填剤、硬化促進剤、可塑剤、界面活性剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、レベリング剤および紫外線吸収剤などの各種の添加剤を、適宜の割合で添加することもできる。
これにより、硬化性樹脂組成物を調製する。
<第2発明>
硬化性樹脂組成物は、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含む。また、詳しくは後述するが、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートおよび単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対して、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートの配合割合が、所定割合である。
[多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレート]
多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートは、2つ以上の(メタ)アクリロイル基と、フルオレン骨格を含有する。多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートは、フルオレン骨格を含有するため、屈折率を高くすることができる。
多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートは、例えば、下記一般式(10)で示される。
Figure 2023039162000010
上記一般式(10)において、Rは、上記一般式(1)と同義である。Rは、好ましくは、メチル基を示す。
10は、上記Rと同様である。R10は、好ましくは、メチレン基およびエチレン基を示し、好ましくは、エチレン基を示す。また、rは、0または1を示し、好ましくは、1を示す。詳しくは、上記したlと同様に、rが1であれば、剛直性を緩和でき、柔軟性を向上できる。
11は、酸素原子および硫黄原子を示し、好ましくは、酸素原子を示す。また、sは、0または1を示す。詳しくは、rが1の場合には、sは、0または1を示し、rが0の場合には、sは、0を示す。sは、好ましくは、1を示す。詳しくは、上記したlと同様に、sが1であれば、剛直性を緩和でき、柔軟性を向上できる。
12は、上記R10と同様である。R12は、好ましくは、メチレン基およびエチレン基を示し、好ましくは、エチレン基を示す。R10およびR12は、同一または相異なってもよい。R10およびR12は、好ましくは、同一である。また、tは、0または1を示し、好ましくは、1を示す。詳しくは、上記したlと同様に、tが1であれば、剛直性を緩和でき、柔軟性を向上できる。
13は、上記R11と同様である。R13は、好ましくは、酸素原子を示す。R11およびR13は、同一または相異なってもよい。R11およびR13は、好ましくは、同一である。また、uは、0または1を示す。詳しくは、tが1の場合には、uは、0または1を示し、tが0の場合には、uは、0を示す。uは、好ましくは、1を示す。詳しくは、上記したlと同様に、uが1であれば、剛直性を緩和でき、柔軟性を向上できる。
このような多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートのうち、好ましくは、下記一般式(11)で示される化合物(上記一般式(10)において、Rは、メチル基を示し、R10は、エチレン基を示し、R11は、酸素原子を示し、R12は、エチレン基を示し、R13は、酸素原子を示し、rは、1を示し、sは、1を示し、tは、1を示し、uは、1を示す。)が挙げられる。
Figure 2023039162000011
多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
[単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート]
単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートは、上記した第1発明と同様の単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートが挙げられ、好ましくは、第2単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート、より好ましくは、上記一般式(8)で示される第2単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
[多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートおよび単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対する、それぞれの配合割合]
多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートおよび単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対して、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートの配合割合は、15質量%以下、好ましくは、13質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、また、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上である。
多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートの配合割合が、上記上限以下であれば、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成することができる。
一方、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートの配合割合が、上記上限を超過すると、柔軟性が大きく低下する。その結果、高い屈折率および柔軟性の両立を図ることができない。
また、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートの配合割合が、上記下限以上であれば、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成することができる。
また、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートおよび単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対して、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの配合割合は、85質量%以上、好ましくは、87質量%以上、より好ましくは、90質量%以上、また、例えば、99質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。
単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの配合割合が、上記下限以上または上記上限以下であれば、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成することができる。
[硬化性樹脂組成物の調製]
硬化性樹脂組成物は、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを配合することにより調製できる。
上記調製において、さらに、単官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートを配合することもできる。単官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートは、1つの(メタ)アクリロイル基と、フルオレン骨格を含有する。
また、上記調製において、第1発明と同様の重合開始剤、および、第1発明と同様の添加剤を配合することもできる。
これにより、硬化性樹脂組成物を調製する。
<作用効果>
硬化性樹脂組成物は、多官能性チオ(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含み、これらの総量に対して、多官能性チオ(メタ)アクリレートの配合割合が、所定割合であるか、または、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含み、これらの総量に対して、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートの配合割合が、所定割合である。これにより、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成することができる。
そして、硬化物は、硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる。つまり、硬化物は、硬化性樹脂組成物を硬化してなる。
硬化物は、硬化性樹脂組成物を硬化させるには、硬化性樹脂組成物が、光重合開始剤を含む場合には、硬化性樹脂組成物に、紫外線を照射し、その後、必要により加熱する。また、硬化性樹脂組成物が、熱重合開始剤を含む場合には、硬化性樹脂組成物を加熱する。
これにより、硬化物が得られる。
硬化物は、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる。そのため、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる。
屈折率は、例えば、1.600以上、好ましくは、1.602また、例えば、2.000以下である。
なお、屈折率の測定方法は、後述する実施例で詳述する。
また、硬化物の貯蔵弾性率(25℃)は、例えば、300MPа以下、好ましくは、150MPа以下、より好ましくは、100MPа以下、さらに好ましくは、60MPа以下、また、例えば、1MPа以上である。
なお、貯蔵弾性率の測定方法は、後述する実施例で詳述する。
また、硬化物のガラス転移温度は、例えば、40℃以下、好ましくは、30℃以下、また、例えば、10℃以上である。
なお、ガラス転移温度の測定方法は、後述する実施例で詳述する。
また、硬化物のアッベ数は、例えば、20以上、好ましくは、25以上、また、例えば、40以下である。
なお、アッベ数の測定方法は、後述する実施例で詳述する。
上記した硬化性樹脂組成物は、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れる硬化物を形成できるため、各種光学部材(例えば、光学レンズ、光学フィルム、光学用ハードコート剤、光学接着剤、および、有機EL封止材)に好適に用いられる。
とりわけ、フォルダブルディスプレイに用いられる光学接着剤には、接着基材との界面で生じる光の反射を抑制するために、高い屈折率が要求され、かつ、接着基材の変形に追随するために、高い柔軟性が要求される。
一方、上記した硬化性樹脂組成物および上記硬化物は、高い屈折率を有し、かつ、柔軟性に優れるため、上記したフォルダブルディスプレイに用いられる光学接着剤において、好適に用いることができる。
<変形例>
変形例において、一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態および変形例を適宜組み合わせることができる。
上記した説明では、第1発明は、多官能性チオ(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含む硬化性樹脂組成物であり、また、第2発明は、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含む硬化性樹脂組成物である。一方、第1発明において、さらに、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートを含むこともでき、また、第2発明において、さらに、多官能性チオ(メタ)アクリレートを含むこともできる。換言すれば、硬化性樹脂組成物は、多官能性チオ(メタ)アクリレートと、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含むこともできる。好ましくは、第1発明では、硬化性樹脂組成物は、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートを含まず、多官能性チオ(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含む。また、第2発明では、多官能性チオ(メタ)アクリレートを含まず、多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含む。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
<成分の詳細>
各各実施例および各比較例で用いた成分の、商品名および略語について、詳述する。
MESA:上記式(5)で示される多官能性チオ(メタ)アクリレート
OGSOL EA-0200:二官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレート、大阪ガスケミカル株式会社製
POB-A:上記式(8)で示される単官能性芳香環含有(メタ)アクリレート(m-フェノキシベンジルアクリレート)、共栄社化学社製
Omnirad184:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、IGM Resins社製
<多官能性チオ(メタ)アクリレートの調製>
特公平7-91262号公報の実施例2に準拠して、MESAを調製した。
<硬化性樹脂組成物の調製>
実施例1、実施例2、および、比較例1~比較例3
表1に示す配合処方に従い、各成分を配合して、液状の硬化性樹脂組成物を調製した。
なお、表1において、重合開始剤の配合組成は、硬化性樹脂組成物に対する配合割合を記載する。
<硬化物の調製>
厚み250μmのシリコンシートを型枠として、離型剤(Novec1720、3M社製)で表面処理を行ったガラス基板(Eagle-XG、Corning社製)間に、各実施例および各比較例の硬化性樹脂組成物を挟みこみ、無電極光源(Hバルブ)を用いて365nmにおける照度100mW/cm、積算光量1000mJ/cmの条件で、硬化性樹脂組成物を硬化させた。その後、これを、離形処理されたガラス基板から剥離し、窒素雰囲気下で80℃、30分間加熱した。これにより、硬化物を得た。
<評価>
[屈折率、アッベ数]
各実施例および各比較例の硬化物について、室温(25℃)でのd線(波長587.6nm)における屈折率(nd)をアッベ屈折計(アタゴ社製、DR-M4)により測定した。同様にして、nC(波長656.3nm)、nF(波長486.1nm)も測定し、得られた数値からアッベ数((nD-1)/(nF-nD))を求めた。その結果を表1に示す。
(ガラス転移温度(Tg)、貯蔵弾性率)
各実施例および各比較例の硬化物について、固体粘弾性の測定結果からTgおよび25℃における貯蔵弾性率求めた。固体粘弾性の測定は以下の条件で実施し、tanΔの値が極大値を示す温度をTgとした。その結果を表1に示す。
(条件)
装置:RSA-G2(ティー・エイ・インスツルメント社製)
変形モード:引張
温度範囲:0℃~270℃
昇温温度:3℃/分
周波数 :1Hz
環境:窒素(N)雰囲気下
Figure 2023039162000012

Claims (3)

  1. 多官能性チオ(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含み、
    前記多官能性チオ(メタ)アクリレートおよび前記単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対して、多官能性チオ(メタ)アクリレートの配合割合が、20質量%以下である、硬化性樹脂組成物。
  2. 多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートと、単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートとを含み、
    前記多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートおよび前記単官能性芳香環含有(メタ)アクリレートの総量に対して、前記多官能性フルオレン骨格含有(メタ)アクリレートの配合割合が、15質量%以下である、硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる、硬化物。
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