WO2009096253A1 - 光学用複合材料及びそれを用いた光学素子 - Google Patents
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Abstract
Description
2 半導体レーザ発振器
3 コリメータ
4 ビームスプリッタ
5 1/4波長板
6 絞り
7 対物レンズ(光学素子)
8 センサーレンズ群
9 センサー
10 2次元アクチュエータ
D 光ディスク
D1 保護基板
D2 情報記録面
本発明に係る無機微粒子としては、各種無機微粒子を挙げることができる。無機微粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径で3nm以上、15nm以下であることを特徴とする。これは、平均粒子径が3nm未満の場合、粒子の分散が困難になり所望の性能が得られないおそれがあるため、平均粒子径は3nm以上であることが好ましい。一方、平均粒子径が15nmを超える場合、屈折率差によっては得られる光学用複合材料が濁るなどして透明性が低下するおそれがあることからである。ここで、体積平均粒子径とは、各粒子を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の体積平均値をいう。具体的な測定方法としては、動的光散乱法、レーザ回折法、遠心沈降法、FFF法、電気的検知体法などを用いて求めることが可能であり、本発明で規定する体積平均粒子径は、マルバーン社製ゼータサイザー(動的光散乱法)により求めた値を用いる。
nav≒Vp×np+(1-Vp)×ndis
として得られることから、npを容易に逆算することが可能である。これらのうち最も好ましい手法は、微粒子の分散液の平均屈折率の実測値から求める方法であるであり、本発明で規定する無機微粒子の屈折率は、この方法により求めた値を用いる。
本発明における表面処理剤は、その屈折率が1.50以上、1.70以下であることを特徴とする。本発明でいう表面処理剤の屈折率測定には、上記無機微粒子の屈折率測定に用いると同様の測定手段を適用することができる。例えば、ポリマーが加熱、あるいは溶媒への溶解により薄膜状に加工できる場合、モード・ライン法の適用により、小数点以下3桁までの測定が可能である。また、ポリマーが加熱、溶媒を用いた加工が難しい場合は、ポリマーを不定形の粒子状まま、屈折率既知の浸液を用いたベッケ線法の適用により屈折率を求めることができる。
B.表面化学種の利用反応(表面水酸基との共有結合)、
C.活性種の表面導入と反応(ラジカル等の活性点導入とグラフト重合、高エネルギー線照射とグラフト重合)、
D.高分子コーティング(カプセル化、プラズマ重合)、
E.沈着固定化(難溶性有機酸塩の沈着)、
更に具体例を示すと下記のようになる。
シラノール基と粒子表面の水酸基との縮合反応や水素結合を利用する。屈折率が1.5以上のシランカップリング剤としては、p-スチリルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどがあるが、これら以外のカップリング剤でも、粒子表面との反応時にアルコキシが脱離することで、粒子表面と反応する場合に実質屈折率が上がるので、1.5以下の屈折率のカップリング剤でも本発明に適用することができる。そのような場合は、コンポジットの屈折率を測定して逆算することで、判断することができる。屈折率が1.50以上のカップリング剤は、芳香環やヘテロ原子を含有するものが多いが、アダマンチル基やその誘導体なども高屈折率化に有効である。例えば、トリアダマンチルクロロシラン、bi-アダマンチルトリメトキシシラン等は好適に使用可能である。
チタネート、アルミナート系のカップリング剤も適用可能である。市販のカップリング剤では直鎖のアルキルを含有する場合があり、屈折率が必ずしも1.50を超えないが、それらの官能基をモディファイすることで1.50を超えることが可能である。さらに、ジルコアルミネート、クロメート、ボレート、スタネート、イソシアネート等も使用可能である。ジケトン系のカップリング剤も使用可能である。
アルコール、ノニオン系界面活性剤、イオン系界面活性剤、カルボン酸類、アミン類などが適用可能である。
上記(1)~(3)の処理剤で粒子表面に活性種を導入後、グラフト重合により表面にポリマー層を設ける手法や、あらかじめ合成したポリマー分散剤を粒子表面に吸着、結合させる手法がある。粒子表面により強固にポリマー層を設けるためにはグラフト重合が好ましく、特に高密度にグラフトさせることが好ましい。
次いで、本発明に係る硬化性樹脂化合物(以下、単に硬化性樹脂ともいう)について説明する。
(R1・R2・SiO)n
上記一般式(A)において、R1及びR2は各々同種又は異種の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示す。具体的には、R1及びR2としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換した基、例えば、クロロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、シアノメチル基、γ-アミノプロピル基、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピル基などを挙げることができる。R1及びR2は各々水酸基およびアルコキシ基から選択される基であってもよい。また、上記一般式(A)中のnは、50以上の整数を示す。
本発明の光学素子を製造にあたっては、はじめに光学素子の原料となる有機無機の光学用複合材料前駆体(未硬化の状態)を調製する。
本発明の光学用複合材料においては、架橋密度が0.5mmol/cm3以上、7.0mmol/cm3以下であることを特徴とする。
1.2/198×1000=6.06mmol
となり、二重結合の80%が反応し架橋に寄与しているとすれば、架橋密度は
6.06×0.8=4.85mmol/cm3
と求めることができる。二重結合の反応率は、NMRやIR等で求めることができる。
一分子内に重合性官能基を複数有するモノマーを用いると架橋密度が上昇する。特に、分子量あたりの架橋性官能基数が大きいと、架橋密度は上昇する。アクリル樹脂の場合は、エチレングリコールジメタクリレートのような2官能のモノマーから、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートのように4官能のモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートのような6官能のモノマーなど、各種のモノマーが使用可能である。
無機微粒子表面も架橋点として働くので、無機微粒子表面に多くの架橋点を設けることにより、架橋密度が上昇する。
例えば、アクリル樹脂の場合、二重結合の鎖延長のほか、イオウ化合物の反応も容易に進行する。例えば、複数のメルカプト基を含有する架橋剤を用いることで架橋点数を増大させることができる。過酸化物なども適用可能である。その他、ポリマータイプの架橋剤など各種の架橋剤が適用可能である。
本発明においては、光学用複合材料の飽和吸水量は、70℃、相対湿度80%の雰囲気下で、3.5質量%以下であることが好ましい。飽和吸水量が大きな材料は、雰囲気(温度、湿度)の変化により吸水量の変動が大きくなりやすく、その場合、屈折率などの光学物性が不安定になるためである。
飽和吸水量を制御するには、主として以下の3点が重要である。
(1)樹脂自体の飽和吸水量を下げる
(2)粒子の飽和吸水量を下げる
(3)表面処理剤の吸水量を下げる
樹脂自体の吸水量を下げるには、樹脂の極性を下げることが必要である。そのため、水酸基やエステルなどの含酸素官能基や、酸、塩基等の性質を示す各種官能基、イオウや窒素などの含有量を低減することが好ましい。また、アクリル樹脂やエポキシ樹脂の場合、架橋性官能基は極性を有することが多いので、その数は必要な架橋密度を確保した上でできる限り少なく留め、未反応の官能基を少なくすることが好ましい。
本発明の光学素子には、硬化性樹脂と本発明に係る無機微粒子の他に、それぞれの用途に応じて、光学用複合材料の調製時や光学素子の作製時において、各種添加剤を添加してもよい。当該添加剤としては、酸化防止剤、耐光安定剤、熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤及び近赤外線吸収剤等の安定剤、滑剤や、可塑剤等の樹脂改良剤、軟質重合体や、アルコール性化合物等の白濁防止剤、染料や、顔料等の着色剤、その他帯電防止剤や、難燃剤等が挙げられる。単独で又は組み合わせて用いられてもよい。
本発明の光学素子に適用可能な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく、光学用樹脂材料の成型時の酸化劣化等によるレンズの着色や強度低下を防止できる。
本発明の光学素子に適用可能な白濁防止剤としては、最も低いガラス転移温度が30℃以下である化合物を配合することが好ましい。これにより、透過率、耐熱性、機械的強度などの諸特性を低下させることなく、長時間の高温高湿環境下で保存した際の光学素子の白濁を防止できる。
本発明の光学素子に適用可能な耐光安定剤(光安定剤)としては、クエンチャーと、ラジカル捕捉剤に大きく分けられる。ベンゾフェノン系耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤、トリアジン系の光安定剤はクエンチャーとして分類され、ヒンダードアミン系耐光安定剤はラジカル捕捉剤に分類される。本発明においては、光学素子の透明性、耐着色性等の観点から、ヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)を用いるのが好ましい。このようなHALSは具体例には、低分子量のものから中分子量、高分子量の中から選ぶことができる。
本発明の光学素子に適用可能な添加剤としては、上記酸化防止剤、耐光安定剤以外に、熱安定剤、耐候安定剤、近赤外線吸収剤などの安定剤;滑剤、可塑剤などの樹脂改質剤;軟質重合体、アルコール性化合物等の白濁防止剤;染料や顔料などの着色剤;帯電防止剤、難燃剤、などが挙げられる。これらの添加剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その添加量は本発明に記載の効果を損なわない範囲で適宜選択される。
本発明の光学素子は、上記の作製方法により得られるが、例えば、下記のような光学部品に応用される。
(ジルコニア粒子1の調製)
オキシ塩化ジルコニウム8水塩の2600gを純水40L(リットル)に溶解させたジルコニウム塩溶液に、28%アンモニア水を340g、純水を20L溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体スラリーを調製した。
第一稀元素製のジルコニア粒子RC-100を、ジルコニアル粒子2として用いた。
ジルコニアル粒子2の平均体積粒子径は20nm、屈折率は2.20であった。
大明化学製アルミナ(TM-300)10gを、アンモニア1gを含む水500gに分散した。分散機として、ウルトラアペックスミルと0.03mmジルコニアビーズを用い、液温20度で2時間分散した。得られた粒子を乾燥機にて乾燥させ、TEM観察し、凝集の少ない体積平均粒子径が7nm、屈折率が1.69のアルミナ粒子である事を確認した。
扶桑化学工業製の体積平均粒子径が15nm、屈折率が1.46の酸化珪素粒子1を含むオルガノシリカゾルPL-1(トルエン分散液)を用いた。
300mlの3つ口フラスコ内部を濃塩酸で3回洗浄した。次いで、100mlの脱塩水をフラスコに加え窒素で系中を置換した。4mlの濃塩酸を加え、氷浴につけて、温度を10℃以下に維持した。そこに4mlのTiCl4を、シリンジを用いて、3ml/分の速度で滴下した。得られた溶液を10℃以下で15分間攪拌後、オイルバスに移し60℃で1時間攪拌した。得られた酸化チタン粒子溶液を、真空ポンプを用いて真空下で水を留去した。得られた白色粉末にテトラヒドロフラン/エタノール(1:1混合)溶液を加えて、超音波洗浄機で超音波を照射し、透明な10質量%酸化チタン粒子溶液Aを得た。酸化チタンの体積平均粒子径を、XRD(粉末X線解析)を用いて測定したところ4nmであった。
テルル517mgをナス型フラスコに秤とり、アルゴン雰囲気下、トリブチルフォスフィン1.186ml(以下、TBPと略す)及びジオクチルアミン8.51ml(以下、DOAと略す)をシリンジ操作により加えた。テルルが完全に溶解し、無色透明の溶液が得られるまで室温で攪拌を行った。得られたテルル溶液は、使用する直前まで冷蔵保存した。
無機微粒子の表面へ結合させる有機官能基を有する表面処理剤を、以下のように調製した。
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(9.8g)と、アゾビスイソブチロニトリル(4.1g)のベンゼン(10ml)溶液に、n-ビニルカルバゾールを徐々に添加し、窒素バブル後20時間還流させて反応させた。得られた液から沈殿物をろ過し、溶媒を除去して、カルバゾール基含有表面処理剤である表面処理剤1を得た。上記調製した表面処理剤1の屈折率を、ローレンツ-ローレンツの式から概算した結果、1.68であった。
フェニルトリメトキシシラン(信越化学製)を、表面処理剤2(フェニル基含有表面処理剤)とした。上記表面処理剤2の屈折率を、ローレンツ-ローレンツの式から概算した結果、1.59であった。
1-アダマンチルトリクロロシラン(アズマックス製)15gを、7gの脱水メタノールを含有する脱水済みピリジン溶液200gに、室温下で徐々に滴下した。1時間攪拌後、10時間加熱還流した。得られた溶液からピリジンとメタノールを留去後、水洗し、表面処理剤3としてアダマンチル基含有表面処理剤である1-アダマンチルトリメトキシシランを得た。上記調製した表面処理剤3の屈折率を、ローレンツ-ローレンツの式から概算した結果、1.52であった。
オクチルトリメトキシシラン(信越化学製)を、表面処理剤4(長鎖アルキル基含有表面処理剤)とした。上記表面処理剤4の屈折率を、ローレンツ-ローレンツの式から概算した結果、1.48であった。
トリフルオロメチルスルホニルアミド(H-TFSI、森田化学製)を、表面処理剤5(フッ素含有表面処理剤)とした。上記表面処理剤5の屈折率を、ローレンツ-ローレンツの式から概算した結果、1.52であった。
〔表面処理済無機微粒子1の調製:ジルコニア粒子に対する表面処理〕
上記のジルコニア粒子1の10gを、表面処理剤1(カルバゾール基含有表面処理剤)2gと、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1gを含むトルエン100mlに加え、窒素下で0.03mmのジルコニアビーズを用いて分散しながら100℃まで加熱し、均一分散液を得た後、そのまま窒素下で5時間加熱還流して表面処理済ジルコニア粒子のトルエン分散液を得た。得られた分散液から遠心分離により粒子を沈降させ、上澄液中の未反応物を除去し、50℃で24時間真空乾燥して、ジルコニア粒子に対して、カルバゾール基含有表面処理剤で表面処理を施した表面処理済無機微粒子1を調製した。
上記表面処理済無機微粒子1の調製において、表面処理剤1に代えてそれぞれ表面処理剤2~4を用いた以外は同様にして、表面処理済無機微粒子2~4を調製した。
上記表面処理済無機微粒子1の調製において、ジルコニア粒子1を、あらかじめ0.1gのトリフルオロメチルスルホニルアミド(表面処理剤5)を含む100gの水溶液で処理、乾燥したジルコニア粒子を用いた以外は同様にして、表面処理済無機微粒子5を調製した。
上記表面処理済無機微粒子1の調製において、ジルコニア粒子1に代えて、ジルコニア粒子2(第一稀元素製のジルコニア粒子RC-100)を用い、表面処理剤3の添加量を0.5gに変更した以外は同様にして、表面処理済無機微粒子6を調製した。
上記ジルコニア粒子1の10gを、1-アダマンタンカルボン酸2gと、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1gを含むメチルイソブチルケトン100mlに加え、窒素下で0.03mmのジルコニアビーズを用いて分散しながら100℃まで加熱し、均一分散液を得た後、そのまま窒素下で5時間加熱還流して表面処理済ジルコニア粒子のトルエン分散液を得た。得られた分散液から遠心分離により粒子を沈降させ、上澄液中の未反応物を除去し、50℃で24時間真空乾燥して、表面処理済無機微粒子7を調製した。
上記のアルミナ粒子1の6.7gを、表面処理剤3の1.4gとメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1gを含むトルエン溶液に加え、窒素下で0.03mmのジルコニアビーズを用いて分散しながら100℃まで加熱し、均一分散液を得た後、そのまま窒素下で5時間加熱還流して表面処理済アルミナ粒子のトルエン分散液を得た。得られた分散液から遠心分離により粒子を沈降させ上澄中の未反応物を除去し、50℃で24時間真空乾燥して、表面処理済アルミナ粉体である表面処理済無機微粒子8を調製した。
上記表面処理済無機微粒子8の調製において、アルミナ粒子1をあらかじめ0.1gのトリフルオロメタンスルホンイミドを含む100gの水溶液で処理、乾燥したアルミナ粒子を用いた以外は同様にして、表面処理済無機微粒子9を調製した。
3.4gのシリカを含有するオルガノシリカゾル(PL-1、トルエン分散液、扶桑化学工業製)100mlに、表面処理剤3の2gと、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1gとを添加し、そのまま窒素下で5時間加熱還流して表面処理済シリカ粒子のトルエン分散液を得た。得られた分散液から遠心分離により粒子を沈降させ、上澄液中の未反応物を除去し、50℃で24時間真空乾燥して、表面処理済無機微粒子10を調製した。
上記チタニア粒子1の3.3gを、表面処理剤3の1.4gとメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1gを含むトルエン溶液に加え、窒素下で0.03mmのジルコニアビーズを用いて分散しながら100℃まで加熱し、均一分散液を得た後、そのまま窒素下で5時間加熱還流して、表面処理済チタニア粒子のトルエン分散液を得た。得られた分散液から遠心分離により粒子を沈降させ上澄中の未反応物を除去し、50℃で24時間真空乾燥して、表面処理済チタニア粉体である表面処理済無機微粒子11を得た。
上記ZnTe粒子1の8.1gを、表面処理剤3の1.3gとメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1g、メタクリル酸0.1gとを含むトルエン溶液に加え、窒素下で0.03mmのジルコニアビーズを用いて分散しながら50℃まで加熱し、均一分散液を得た後、そのまま窒素下で5時間加熱還流して表面処理済ZnTe粒子のトルエン分散液を得た。得られた分散液から遠心分離により粒子を沈降させ上澄中の未反応物を除去し、50℃で24時間真空乾燥して、表面処理済ZnTe粉体である表面処理済無機微粒子12を得た。
B:フェニルトリメトキシシラン
C:1-アダマンチルトリクロロシラン
D:オクチルトリメトキシシラン
E:トリフルオロメチルスルホニルアミド
F:1-アダマンタンカルボン酸
G:メタクリル酸
《光学素子(評価用サンプル)の作製》
〔光学素子1~6の作製〕
硬化性樹脂としてアダマンチルメチルメタクリレート5g、トリメチロールプロパントリアクリレート0.3g、ジベンゾイルパーオキサイド0.1gと、上記表面処理済無機微粒子1~6の各々6.2gとをよく混合し、2mm厚となるように固定した2枚の硝子板内に流し込み、130℃で10分間硬化させて、光学素子1~6を作製した。
上記光学素子3の作製において、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加量をそれぞれ0.15g、0.5g、0.23gに変更した以外は同様にして、光学素子7~9を作製した。
上記光学素子3の作製において、表面処理済無機微粒子3に代えて、表面処理済無機微粒子7を用いた以外は同様にして、光学素子10を作製した。
硬化性樹脂としてアダマンチルメチルメタクリレート5g、トリメチロールプロパントリアクリレート0.3g、ジベンゾイルパーオキサイド0.1gと、表面処理済無機微粒子8(表面処理済アルミナ微粒子)の4.1gとをよく混合し、2mm厚となるように固定した2枚の硝子板内に流し込み、130℃で10分間硬化させて、光学素子11を作製した。
上記光学素子11の作製において、表面処理済無機微粒子8に代えて、表面処理済無機微粒子9を用いた以外は同様にして、光学素子12を作製した。
上記光学素子3の作製において、表面処理済無機微粒子3に代えて、表面処理済無機微粒子10を用いた以外は同様にして、光学素子13を作製した。
硬化性樹脂としてアダマンチルメチルメタクリレート5g、トリメチロールプロパントリアクリレート0.3g、ジベンゾイルパーオキサイド0.1gと、上記表面処理済無機微粒子11の4.8gとをよく混合し、2mm厚となるように固定した2枚の硝子板内に流し込み、130℃で10分間硬化させて、光学素子14を作製した。
硬化性樹脂としてアダマンチルメチルメタクリレート5g、トリメチロールプロパントリアクリレート0.3g、ジベンゾイルパーオキサイド0.1gと、上記表面処理済無機微粒子12の6.8gとをよく混合し、2mm厚となるように固定した2枚の硝子板内に流し込み、130℃で10分間硬化させて、光学素子15を作製した。
上記作製した各表示素子について、添加した架橋剤の量と、NMRから求めた架橋剤の反応率を元にして、架橋密度を算出し、得られた結果を表1に示す。
以上により得られた各評価用サンプについて、下記の方法に従って測定並びに評価を行った。
各評価用サンプルについて、ASTM D-1003に従って、東京電色(株)製のTURBIDITY METER T-2600DAを用いて、500nmの分光透過率T1を測定した。
自動複屈折率計KOBRA-21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下での屈折率を測定した。
各評価用サンプルについて、85℃の乾燥オーブンに3日間放置した後、絶乾状態での質量Aを測定した。次いで、70℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽に4週間放置した後、その質量Bを測定した。この時、質量変化から飽和に達した事を確認した。次いで、下式に従って飽和吸水量(質量%)を求めた。
次いで、上記と同様の操作で、70℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽への投入前後での屈折率を、自動屈折計(カルニュー光学工業製KPR-200)を用いて測定し、その屈折率差から、吸水試験前後における屈折率変動幅Δndを算出した。
各評価用サンプルを、それぞれ40℃から60℃へ温度変化させた時の線膨張係数(CTE、ppm)を測定した。測定装置としては、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製のTMA/SS6100を用いた。
Claims (6)
- 平均屈折率が1.50以上、1.70以下である表面処理剤により処理された体積平均粒子径が3.0nm以上、15nm以下である無機微粒子と、硬化性樹脂化合物とを含有し、架橋密度が0.50mmol/cm3以上、7.0mmol/cm3以下であることを特徴とする光学用複合材料。
- 70℃、相対湿度80%における飽和吸水量が、3.5質量%以下であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光学用複合材料。
- 前記無機微粒子の屈折率(nd)が、1.50以上、2.80以下であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の光学用複合材料。
- 請求の範囲第1項から第3項のいずれか1項に記載の光学用複合材料を用いることを特徴とする光学素子。
- 前記表面処理剤が、アダマンチル基を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光学用複合材料。
- 前記硬化性樹脂が、アダマンチル基を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光学用複合材料。
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