JP3460307B2 - サニタリー用メタクリル樹脂板の製造方法 - Google Patents
サニタリー用メタクリル樹脂板の製造方法Info
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Description
等のサニタリー用途に適したアクリル樹脂板の製造方法
に関する。
用品に樹脂製のものが多くなっている。これら樹脂材料
としては、従来不飽和ポリエステルからなるFRPが用
いられることが多かったが、不飽和ポリエステル系材料
は経時的な黄変や傷つき易さ等の欠点を有していること
から、最近では黄変し難く、傷つき難いという特性を有
するメタクリル樹脂系のサニタリー用材料の提案がなさ
れており、一部は実用化されつつある。
90号公報には、メタクリル酸メチルに特定の非架橋性
アクリル酸エステル0.2〜8モル%、及び(メタ)ア
クリロイル基を2個以上含む架橋性化合物0.01〜1
モル%を混合したものを重合、固化せしめたメタクリル
樹脂板状成形物の提案がある。又、特開昭60−197
707号公報には、メタクリル酸メチル単独又はメタク
リル酸メチルとアクリル酸エステルとの単量体混合物に
0.01〜2重量%の連鎖移動剤を添加して予備重合し
てシロップを製造し、次いでその得られたシロップに対
して0.02〜1重量%の架橋剤を添加して鋳型中で注
型重合させて熱成形加工性及び耐溶剤性に優れたアクリ
ル樹脂シートの製造方法の提案がある。
号公報に記載の方法で得られるメタクリル樹脂板は、耐
熱、耐溶剤性、接着性等には優れているものの、サニタ
リー用に熱成形するには、その成形性が低い。一方、特
開昭60−197707号公報の方法におけるシロップ
の製造の連鎖移動剤を添加した予備重合反応は、不安定
で、加熱温度や撹拌状態、重合時間などの条件の僅かな
変動で、重合率や分子量の変動が大きく所定分子量、所
定重合率のものを安定的に得ることは容易でなく、特に
重合率の高いシロップを得ようとする場合、その傾向が
一層大きくなる。
ー用メタクリル樹脂板を、安定的かつ容易に生産する方
法を提供する。
モノマー100重量部に対し、粘度平均分子量1000
0〜300000のメタクリル系樹脂5〜50重量部を
溶解させてシロップとし、該シロップをセルキャスト法
によりセルに注入して重合させることを特徴とするサニ
タリー用メタクリル樹脂板の製造方法である。
は、メタクリル酸メチルを主成分とし、必要により共重
合可能なコモノマーを含有するモノマー混合物である。
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸nブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸イソノニル等のアクリル酸アルキルエステル
類;エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチ
レングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ノナン
ジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、2,2−ビス〔4(メタクリロイル
ポリオキシエチル)フェニル〕プロパン、フタル酸ビス
(2−メタクリロイルオキシエチル)エステル、アリル
メタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレー
ト等の分子内に2個以上のラジカル重合性基を有する多
官能モノマー類;シクロヘキシルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、フェニルメタクリレート、メタクリ
ル酸、無水マレイン酸、スチレン、シクロヘキシルマレ
イミド、アクリロニトリル等がある。
途に応じて適宜選択する。この内特に高い成形性が要求
される場合は、上記アクリル酸エステル類をモノマー中
10重量%以内の範囲で用いればよい。また高い耐薬品
性、耐熱性が要求される場合は、分子内に2個以上のラ
ジカル重合性基を有する多官能モノマー類を、モノマー
中0.005〜5重量%の範囲内で用いればよい。
解させるメタクリル系樹脂は、その粘度平均分子量で1
0000〜300000の範囲内にあるものである。好
ましくは粘度平均分子量で50000〜200000の
範囲であり、更に好ましくは70000〜150000
の範囲である。この範囲の分子量のメタクリル系樹脂を
添加することにより、得られる樹脂板の熱成形時におけ
る加工性を良好にすることができる。粘度平均分子量が
10000以下のものは、得られる樹脂の加工性は良好
なものの、機械的物性が低いので好ましくない。また、
粘度平均分子量が300000を越えるものは、加工性
が低くなるので好ましくない。
リル酸メチル単位を主成分としてなる樹脂のことを意味
し、メタクリル酸メチル単独重合体の他、メタクリル酸
メチルとアクリル酸アルキルエステル、スチレン、メタ
クリル酸等のコモノマーとの共重合体も含む。
モノマー混合物100重量部に対し5〜50重量部、好
ましくは10〜40重量部の範囲で用いる。この量が少
ないと、成形性がひくく、多すぎるとシロップの粘度が
高すぎて取り扱いにくくなる。
にかくメタクリル系モノマーに該メタクリル系樹脂を溶
解させればよくその方法は特定されない。メタクリル系
モノマーに溶解し易くするためメタクリル系樹脂の形態
としては粉末状、ペレット状等、平均サイズ10mm以下
の粒子状の形態として使用するのが好ましい。
安定性も予備重合によって得られるものより優れてい
る。得られたシロップは、溶解時に加熱していた場合に
は室温程度まで冷却する。その後直ちに重合に供するこ
ともできるが、保存安定性が優れているので、室温ない
しそれ以下の温度で保存しておき、必要な時に使用する
こともできる。
合開始剤を添加する。ラジカル重合開始剤は、メタクリ
ル樹脂板の製造に用いられている通常の重合開始剤を用
いることが出来る。例えば、ラウロイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、ジtブチルパーオキサ
イド、tブチルパーオキシ2エチルヘキサノエート、t
ブチルパーオキシイソブチレート、tブチルパーオキシ
ピバレート、tブチルパーオキシベンゾエート、tブチ
ルパーオキシアセテート、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、ジsecブチルパーオキシジカーボネー
ト等の過酸化物系開始剤;2,2’アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2’アゾビス(2,4ージメチルバレロ
ニトリル)等のアゾ系開始剤;更には過酸化物開始剤と
アミン類、メルカプタン類等の還元性化合物を主成分と
して組み合わされた公知のレドックス系開始剤系等を例
示することが出来る。
範囲で、用途に応じて公知の添加剤、例えば酸化防止
剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、離型剤、染料、顔料、
無機系充填剤類等を添加することも可能である。
により、セルに注入して重合する。つまり、セルとして
は例えば、2枚のガラス板あるいは金属板と軟質シール
材及びクランプにより構成されたものを用いることが出
来るし、2枚のステンレス製連続ベルトによる連続セル
も使用できる。またセルの厚みは、所望の樹脂板が得ら
れるように選択されるが、一般的には1〜30mmの範囲
である。重合における加熱方法としては公知の方法、例
えば温風、温水、赤外線ヒーター等の熱源によって加熱
する。重合の条件は用いる開始剤の種類や量、また単量
体混合物の組成によって適宜選択されるが、一般的には
50〜120℃で1〜数十時間の範囲で重合を行う。重
合終了後解枠してメタクリル樹脂板を得る。
樹脂板を安定的かつ容易に生産できる。本発明により得
られる樹脂板は、熱成形時の引っ張り強さが低く、破断
伸び率が大きい為、バスタブ等の深絞りの成形品も容易
に成形することが出来る。つまり、本発明により得られ
る樹脂板は、バスタブ、洗面ボウル等のサニタリー製品
に加工するのに良好な加工性を有している。
尚実施例、比較例における部は、重量部を表す。また、
実施例中において行った物性測定、試験方法は以下の通
りである。 ・粘度平均分子量:ウベローデ粘度計を用いて極限粘度
[η]を求め、次式より粘度平均分子量Mを求めた。 lnM={ln[η]−ln(4.8×10 -5 )}/0.8 ・引っ張り試験 :JIS K−7113に準拠してJ
IS2号試験片を用い、試験片を160℃に予熱し、ク
ロスヘッドスピード500mm/分の条件で引っ張り試験
を行い、破断伸び率を求めた。 ・真空成形性:スライド式赤外線ヒータ内蔵の真空成形
装置に底面280mm×280mm、深さ70mm、底面と側
面の境目の辺の曲率半径R=5mmの形状を持つ角形の型
をセットして、表面温度180℃まで加熱してシートを
真空成形し、成型品の辺のRの大小で成形性を評価し
た。 ・FRPによるバッキングテスト:真空成形性テストに
よって得られた成型品の延伸部に、ガラス繊維マットと
不飽和ポリエステル樹脂によりハンドレイアップ法によ
ってバッキングを行い、硬化後の接着面の外観の異常の
有無と密着性を目視で判定した。 ・シロップの保存安定性:シロップを室温で一ヶ月保管
し、変化の有無を調べ、変化の認められないものを○、
著しい粘度上昇もしくは重合固化したものを×とした。
ルアクリレート6.2重量%、ジアリルフタレート0.
5重量%よりなるモノマーをガラス製容器に入れ、温度
を60℃で撹拌しつつ、懸濁重合法により得られたメタ
クリル酸メチル単位98重量%、メチルアクリレート単
位2重量%、粘度平均分子量約12万の粉末状のメタク
リル系樹脂を、該モノマー100重量部に対し24重量
部添加し、2時間かけて溶解させ、シロップを得た。こ
のシロップは室温で一ヶ月放置後も粘度に変化なく、保
存安定性は○であった。このシロップ100重量部に対
しラジカル重合開始剤として2,2’アゾビスイソブチ
ロニトリル0.1重量%を添加溶解して脱気した後,2
枚のガラス板と塩化ビニール樹脂製ガスケットより構成
された5mm厚のセルに注入し65℃で4時間、その後1
20℃で1時間重合を行った。得られた板の引っ張り試
験による破断伸び率は700%であった。また真空成形
性テストによる辺のRは14mmであった。更に真空性形
性テストによって得られた成型品を用い、FRPによる
バッキングテストを行った結果、外観に異常はなく密着
性も良好であった。
た以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に
示す。
トリルを20ppm 添加して70度で予備重合を行い、粘
度平均分子量150万の重合体を5重量%含有するシロ
ップを得た。このシロップ94.5重量部、2エチルヘ
キシルアクリレート5重量部、ジアリルフタレート0.
5重量部及びラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブ
チロニトリル0.1重量部を混合溶解し、実施例1と同
様の方法により重合を行った。 得られた板の評価結
果及びシロップの保存安定性を表2に示す。
アクリレート3.5重量部、2,2’アゾビス(2,4
ージメチルバレロニトリル)0.1重量部、ラウリルメ
ルカプタン0.08重量部よりなる混合物を90℃で2
時間予備重合して、重合率25%のシロップを得た。こ
のシロップに含まれる重合体の粘度平均分子量は約8万
であった。このシロップ100重量部に対し、エチレン
グリコールジメタクリレート0.15重量部、2,2’
アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を加え、実施
例と同様の方法により重合を行った。得られた板の評価
結果及びシロップの保存安定性を表2に示す。
ロニトリルを20ppm添加して70度で予備重合を行
い、粘度平均分子量150万の重合体を5重量%含有す
るシロップを得た。このシロップ100重量部、及びラ
ジカル重合開始剤として2,2’アゾビスイソブチロニ
トリル0.1重量部を混合溶解し、実施例1と同様の方
法により重合を行った。 得られた板の評価結果及びシ
ロップの保存安定性を表2に示す。
Claims (2)
- 【請求項1】メタクリル系モノマー100重量部に対
し、粘度平均分子量10000〜300000のメタク
リル系樹脂5〜50重量部を溶解させてシロップとし、
該シロップをセルキャスト法によりセルに注入して重合
させることを特徴とするサニタリー用メタクリル樹脂板
の製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の製造方法で得たサニタリ
ー用メタクリル樹脂板を熱成形するサニタリー製品の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13411994A JP3460307B2 (ja) | 1994-06-16 | 1994-06-16 | サニタリー用メタクリル樹脂板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13411994A JP3460307B2 (ja) | 1994-06-16 | 1994-06-16 | サニタリー用メタクリル樹脂板の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH083224A JPH083224A (ja) | 1996-01-09 |
JP3460307B2 true JP3460307B2 (ja) | 2003-10-27 |
Family
ID=15120912
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13411994A Expired - Fee Related JP3460307B2 (ja) | 1994-06-16 | 1994-06-16 | サニタリー用メタクリル樹脂板の製造方法 |
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---|---|
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR101948686B1 (ko) | 2014-09-29 | 2019-02-18 | 주식회사 엘지화학 | 아크릴 시럽의 제조방법 및 아크릴 시럽 |
-
1994
- 1994-06-16 JP JP13411994A patent/JP3460307B2/ja not_active Expired - Fee Related
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