JP4657262B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
マルチチップパッケージは、同一の基板上に複数のチップを平面状に実装した平面実装型と、複数のチップを垂直方向に積層して配置したスタック構造の垂直実装型とに分類される。
平面実装型の半導体装置101では、図31に示すように、基板102上に、例えば記憶回路が形成された半導体チップ103、104が同一平面上に配置される。
垂直実装型の半導体装置では。例えば、図32に示すように、基板105上に回路形成面が共に上方を向くように半導体チップ106、107が配置され積層された構成の半導体装置108が知られている。
また、図33に示すように、基板109上に回路形成面同士を向かい合わせるようにして、半導体チップ110、111が配置されたCOC(chip on chip)方式の半導体装置112も実用化されている。
例えば、上述したCOC方式の半導体装置の製造方法においては、まず、図34(a)に示すように、基板109上に接着剤113を滴下又は塗布し、基板109上に下層側の半導体チップ110を載置する。次に、同図(b)に示すように、接着剤113を硬化させ、半導体チップ110にバンプ110aを形成する。
次に、同図(c)に示すように、上層側の半導体チップ111を、半導体チップ110、111の対応する電極同士が接触するように位置決めして半導体チップ110上に載置し、加熱圧接して半導体チップ110と半導体チップ111とを接合する。この後、樹脂封止して、図33に示すような半導体装置112を得る。
なお、垂直実装型のマルチチップパッケージを採用した半導体装置を製造する場合には、硬化後の接着剤に厚さのばらつきが生じて、下層側の半導体チップが基板面に対して傾斜する場合がある。
このため、例えば、特開2000−294723号公報に記載されているように、放熱用の金属板を、上層側の半導体チップの上方に配置したり、半導体チップ間に配置して、半導体チップにおいて発生した熱を放散させる技術が提案されている。
すなわち、上記公報記載の技術では、放熱特性の向上を図ってはいるものの、ノイズ対策を講じていないので、特にアナログ回路はノイズに敏感であるために、アナログ回路にノイズが誘引され易く、誤動作を招いて信頼性が低下するという問題があった。
したがって、垂直実装型のマルチチップパッケージの採用による小型化が困難であるという問題があった。
また、第1の半導体チップ及び第2の半導体チップにおいて発生した熱は、接触箇所を介して伝熱導電体に伝導し、放散される。このため、放熱特性を向上させ、動作の安定化に寄与することができる。したがって、信頼性を向上させることができる。
また、第1の半導体チップ及び第2の半導体チップを、伝熱導電体を介して互いに電気的に接続するようにすることによって、第1の半導体チップ及び第2の半導体チップの端子の配置位置の選定を含む回路設計上の自由度を高めることができる。
◇第1参考例
図1は、この発明の第1参考例である半導体装置の構成を示す断面図である。
この例の半導体装置1は、2個の半導体チップが垂直実装されてなる半導体装置であり、図1に示すように、所定の回路パターンが形成されているともに、外部接続用電極としてのボール状のバンプ2a、2a、…が格子状に形成されたBGA(ball grid array)方式の基板2に、例えばデジタル回路が形成された下層半導体チップ(第1の半導体チップ)3と、例えばアナログ回路が形成された上層半導体チップ(第2の半導体チップ)4とが、ともに回路形成面を上方に向けた状態で、金属板からなる伝熱導電板(伝熱導電体)5を介して積層されて搭載され、モールド樹脂6によって封止されてなっている。
ここで、下層半導体チップ3、上層半導体チップ4及び伝熱導電板5は、基板2にそれぞれボンディングワイヤ7、8、9を介して電気的に接続されている。特に伝熱導電板5は、ボンディングワイヤ9を介して基板2のグランド配線に接続され、グランド電位に保持される。
なお、この例では、伝熱導電板5の寸法は、下層半導体チップ3の寸法よりも小さく、かつ、上層半導体チップ4の寸法よりも大きく設定されている。また、基板2と下層半導体チップ3、下層半導体チップ3と伝熱導電板5、及び伝熱導電板5と上層半導体チップ4は、それぞれ、接着剤によって仮着されて封止される。
下層半導体チップ3と上層半導体チップ4との間には、伝熱導電板5が介挿されており、かつ、この伝熱導電板5は、ボンディングワイヤ9を介して基板2のグランド配線に接続される。
これにより、伝熱導電板5は、グランド電位に保持され、下層半導体チップ3と上層半導体チップ4との間のノイズの伝播がこの伝熱導電板5で遮られる。
例えば、下層半導体チップ3のデジタル回路から発せられ、上層半導体チップ4のアナログ回路へ向かうノイズは、伝熱導電板5で伝播を遮られる。したがって、このノイズが上層半導体チップ4のアナログ回路を流れる信号に悪影響を与えることはない。
このため、例えば、上層半導体チップ4のアナログ回路を流れる信号にノイズが乗って誤動作を引き起こしたり、下層半導体チップ3のデジタル回路を流れる信号の反転や遅延を引き起こすことが回避される。
また、下層半導体チップ3、上層半導体チップ4において発生した熱は、伝熱導電板5との接触箇所を介して伝熱導電板5に伝導し、放散される。このため、下層半導体チップ3及び上層半導体チップ4からモールド樹脂6の外表面(パッケージ表面)に至る熱抵抗が低減される。
したがって、特に上層半導体チップ4のアナログ回路を流れる信号にノイズが乗って誤動作を引き起こしたり、下層半導体チップ3のデジタル回路を流れる信号の反転や遅延を引き起こすことを回避し、信頼性を向上させることができる。
また、伝熱導電板5として、金属製の板状部材を用いているので、下層半導体チップ3、上層半導体チップ4において発生した熱は、接触箇所を介して伝熱導電板5に伝導し、放散される。このため、下層半導体チップ3及び上層半導体チップ4からモールド樹脂6の外表面(パッケージ表面)に至る熱抵抗が低減されるので、放熱特性を向上させ、動作の安定化に寄与することができる。したがって、信頼性を向上させることができる。
図2は、この発明の第2参考例である半導体装置の構成を示す断面図である。
この例が上述した第1参考例と大きく異なるところは、図2に示すように、下層半導体チップと基板との間にも伝熱導電板を介挿した点である。
これ以外の構成は、上述した第1参考例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
なお、この例では、上層側に配置された下層半導体チップ13、伝熱導電板16、上層半導体チップ14ほど下層側に配置された伝熱導電板15、下層半導体チップ13、伝熱導電板16よりもその寸法は、小さくなるようにされている。
下層半導体チップ13と上層半導体チップ14との間には、伝熱導電板16が介挿されており、かつ、この伝熱導電板16は、ボンディングワイヤ22を介して基板12のグランド配線に接続される。
これにより、伝熱導電板16は、グランド電位に保持され、下層半導体チップ13と上層半導体チップ14との間のノイズの伝播がこの伝熱導電板16で遮られる。
例えば、下層半導体チップ13のデジタル回路から発せられ、上層半導体チップ14のアナログ回路へ向かうノイズは、伝熱導電板16で伝播を遮られる。したがって、このノイズが上層半導体チップ14のアナログ回路を流れる信号に悪影響を与えることはない。
このため、例えば、上層半導体チップ14のアナログ回路を流れる信号にノイズが乗って誤動作を引き起こしたり、下層半導体チップ13のデジタル回路を流れる信号の反転や遅延を引き起こすことが回避される。
これにより、伝熱導電板15は、グランド電位に保持され、基板12と下層半導体チップ13との間のノイズの伝播がこの伝熱導電板15で遮られる。
例えば、基板12の配線を流れる信号にノイズが乗っていた場合、基板12の配線から発せられ、下層半導体チップ13のデジタル回路へ向かうノイズは、伝熱導電板15で伝播を遮られる。したがって、このノイズが下層半導体チップ13のデジタル回路を流れる信号に悪影響を与えることはない。
加えて、基板12と下層半導体チップ13との間にも伝熱導電板15を介挿したので、一段と、ノイズの影響を低減し、信頼性を向上させることができる。また、この伝熱導電板15は、放熱板としても機能し、下層半導体チップ13及び基板12からの放熱も促進するので、一段と放熱特性を向上させ、動作の安定化に寄与することができる。
図3は、この発明の第3参考例である半導体装置の構成を示す断面図、図4は、図3のA−A線に沿った断面図であって、同半導体装置を構成するモールド樹脂の一部を破断して示す図、また、図5は、同半導体装置を構成する伝熱導電シートの構成を示す断面図である。
この例が上述した第1参考例と大きく異なるところは、図3及び図4に示すように、板状の伝熱導電板に代えて伝熱導電シートを配置した点である。
これ以外の構成は、上述した第1参考例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
ここで、下層半導体チップ26及び上層半導体チップ27は、ボンディングワイヤ31、32を介して基板25に電気的に接続されている。
伝熱導電シート28は、リード部28n、28n、…を介して基板25のグランド配線に接続されることによって、グランド電位に保持される。
なお、この例では、伝熱導電シート28のシールド部28mの寸法は、下層半導体チップ26の寸法よりも小さく、かつ、上層半導体チップ27の寸法よりも大きく設定されている。
下層半導体チップ26と上層半導体チップ27との間には、伝熱導電シート28のシールド部28mが介挿されており、かつ、このシールド部28mは、リード部28n、28n、…を介して基板25のグランド配線に接続される。
これにより、シールド部28mは、グランド電位に保持され、下層半導体チップ26と上層半導体チップ27との間のノイズの伝播がこのシールド部28mで遮られる。
例えば、下層半導体チップ26のデジタル回路から発せられ、上層半導体チップ27のアナログ回路へ向かうノイズは、シールド部28mで伝播を遮られる。したがって、このノイズが上層半導体チップ27のアナログ回路を流れる信号に悪影響を与えることはない。
このため、例えば、上層半導体チップ27のアナログ回路を流れる信号にノイズが乗って誤動作を引き起こしたり、下層半導体チップ26のデジタル回路を流れる信号の反転や遅延を引き起こすことが回避される。
また、下層半導体チップ26及び上層半導体チップ27のうち特に下層半導体チップ26において発生した熱は、伝熱導電シート28との接触箇所を介して伝熱導電シート28に伝導し、放散される。このため、特に下層半導体チップ26からモールド樹脂29の外表面(パッケージ表面)に至る熱抵抗が低減される。
この例が上述した第3参考例と大きく異なるところは、図6及び図7に示すように、下層半導体チップと上層半導体チップとを回路形成面同士を互いに対向させた状態で配置して接続した点である。
これ以外の構成は、上述した第3参考例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
下層半導体チップ36及び上層半導体チップ37は、伝熱導電シート38のシールド部38mを介して互いに電気的に接続され、さらに、リード部38nを介して基板35に電気的に接続されている。
ここで、例えば、下層半導体チップ36及び上層半導体チップ37の回路形成面に垂直な方向に沿って、対応するバンプ36b、37b同士が同一位置に配置された所定の箇所では、上記下部配線層38aの対応する部位と、直上の絶縁層38bに形成された導電部位と、直上のシールド層38cの環状の絶縁領域に囲まれた部位と、直上の絶縁層38dに形成された導電部位と、直上の上記上部配線層38eの対応する部位とが、回路形成面に垂直な方向に沿って接続されることによって、下層半導体チップ36及び上層半導体チップ37は、この箇所で互いに電気的に接続される。
伝熱導電シート38は、リード部38n、38n、…を介して基板35のグランド配線35bに接続されることによって、グランド電位に保持される。
なお、この例では、グランド配線35bは、基板35の上面の周縁部全周に亘って形成されている。
また、伝熱導電シート38のシールド部38mの寸法は、下層半導体チップ36の寸法よりも小さく、かつ、上層半導体チップ37の寸法よりも大きく設定されている。
下層半導体チップ36と上層半導体チップ37との間には、伝熱導電シート38のシールド部38mが介挿されており、かつ、このシールド部38mは、リード部38n、38n、…を介して基板35のグランド配線35bに接続されている。
これにより、シールド部38mは、グランド電位に保持され、下層半導体チップ36と上層半導体チップ37との間のノイズの伝播がこのシールド部38mで遮られる。
また、下層半導体チップ36、上層半導体チップ37において発生した熱は、接触箇所を介して、伝熱導電シート38に伝わり、シールド部38m、リード部38n、38n、…、及びグランド配線35bを伝導し放散される。このため、下層半導体チップ36及び上層半導体チップ37からモールド樹脂39の外表面(パッケージ表面)に至る熱抵抗が低減される。
加えて、グランド配線35bが、基板35の上面の周縁部全周に亘って形成されているので、下層半導体チップ36及び上層半導体チップ37において発生した熱は、グランド配線35bを伝導して、一段と確実に放散される。
また、下層半導体チップ36及び上層半導体チップ37は、伝熱導電シート38のシールド部38mを介して互いに電気的に接続するようにされているので、回路設計上の自由度を高めることができる。
例えば、電極の配置位置を比較的自由に選択できる。すなわち、下層半導体チップ36及び上層半導体チップ37の接続すべき対応するバンプ同士は、必ずしも回路形成面に垂直な方向に沿って同一位置に配置されていなくても良い。
また、下層半導体チップ36及び上層半導体チップ37は、リード部38nを介して基板35に電気的に接続されているので、下層半導体チップ36及び上層半導体チップ37と基板35とをそれぞれワイヤボンディングする工程を省くことができる。
この例が上述した第1実施例と大きく異なるところは、図9乃至図11に示すように、伝熱導電シートの構造を変更して、下層半導体チップ及び上層半導体チップの接続すべき対応するバンプ同士を直接接続すると共に、基板と下層半導体チップとをワイヤボンディングにより接続した点である。
これ以外の構成は、上述した第1実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
また、伝熱導電シート45の下層半導体チップ43及び上層半導体チップ44の接続すべき対応するバンプ43a、44aが配置された箇所には、接続されたバンプ43a、44aを挿通するための挿通孔45hが形成されている。
また、下層半導体チップ43は、基板42にそれぞれボンディングワイヤ47を介して電気的に接続されている。
また、伝熱導電シート45は、リード部45n、45n、…を介して基板42のグランド配線に接続されることによって、グランド電位に保持される。
なお、この例では、伝熱導電シート45のシールド部45mの寸法は、下層半導体チップ43の寸法よりも小さく、かつ、上層半導体チップ44の寸法よりも大きく設定されている。
下層半導体チップ43と上層半導体チップ44との間には、伝熱導電シート45のシールド部45mが介挿されており、かつ、このシールド部45mは、リード部45n、45n、…を介して基板42のグランド配線に接続される。
これにより、シールド部45mは、グランド電位に保持され、下層半導体チップ43と上層半導体チップ44との間のノイズの伝播がこのシールド部45mで遮られる。
また、下層半導体チップ43、上層半導体チップ44において発生した熱は、伝熱導電シート45との接触箇所を介して伝熱導電シート45に伝導し、放散される。このため、下層半導体チップ34及び上層半導体チップ44からモールド樹脂46の外表面(パッケージ表面)に至る熱抵抗が低減される。
加えて、伝熱導電シートの構成を簡略化することができるので、安価に製造することができる。
この例の半導体装置の製造方法は、2個の半導体チップを、それぞれの回路形成面を互いに対向させ、垂直方向に配置させた状態で基板に搭載する第2実施例で述べたようなCOC(chip on chip)方式の半導体装置の製造方法に用いて好適である。
この半導体装置51は、図12に示すように、基板52上に、下層半導体チップ(第1の半導体チップ)53と、上層半導体チップ(第2の半導体チップ)54とが、それぞれの回路形成面を互いに対向させ、垂直方向に配置させた状態で、金属製の伝熱導電板(伝熱導電体)55を介して積層されて搭載され、モールド樹脂56によって封止されてなっている。
このマウント装置57は、図13に示すように、下層半導体チップ53が搭載された基板52を支持し、例えば互いに直交する方向に移動可能なマウントステージ(部品載置台)58と、上層半導体チップ54を真空吸着によって把持して下層半導体チップ53上方まで移送し、下層半導体チップ53上に上層半導体チップ54を載置して接続するためのマウントツール(部品把持具)59とを備えている。
マウントステージ58は、基板52に形成されている貫通孔52aに挿入される突起状の吸着部(第1の吸着部)61を有している。吸着部61には、吸引孔61aが形成され、図示せぬ減圧装置(例えばエジェクタ真空ポンプ等)を作動させることにより、吸引孔61aに連通する吸引路に沿って外部の空気が吸引されて、下層半導体チップ53が吸着部61の先端面61bに吸着・把持されることとなる。
マウントツール59も吸着部(第2の吸着部)62を有している。吸着部62には、吸引孔62aが形成され、図示せぬ減圧装置を作動させることにより、吸引孔62aに連通する吸引路に沿って外部の空気が吸引されて、上層半導体チップ54が吸着部62の吸着面62bに吸着・把持されることとなる。マウントツール59にもマウントステージ58と同様にヒータが内蔵されている。
そして、図15(a)に示すように、基板52のチップ搭載面上に銀ペースト等の接着剤63を塗布した後、下層半導体チップ53を降下させ、同図(b)に示すように載置する。次に、接着剤63を加熱硬化させ、下層半導体チップ53にバンプ53aを形成する。
なお、この基板52に下層半導体チップ53をマウントする工程では、図15(a)及び同図(b)に示すように、マウントステージ64とマウントスツール65からなる従来のマウント装置が用いられる。接着剤63を硬化させる際には、マウントステージ64が、内蔵されたヒータによって加熱される。
この状態で同図(b)に示すように、マウントツール59の吸着面62bに、下層半導体チップ53のバンプ53aを挿通するための挿通孔55hが形成された伝熱導電板55を吸着させ、下層半導体チップ53と伝熱導電板55とを平行な状態を維持させながら降下させ、伝熱導電板55を下層半導体チップ53上に載置する。
このようにして得られた半導体装置51では、下層半導体チップ53の回路形成面に偏った押圧力がかかることによる電極周辺部の能動素子等の破損や損傷は発生していない。
また、下層半導体チップ53上に、伝熱導電板55を載置する場合にも、下層半導体チップ53のバンプ53aが形成された各箇所に、伝熱導電板55の下面や挿通孔55hの壁面が当たったとしても、特定の箇所に偏った圧力が加わることがないので、下層半導体チップ53の回路に破損や損傷等が発生することを回避することができる。
これらの効果は、基板の厚さにばらつきがあったとしても同様に得られる。したがって、歩留まりを向上させ、高い信頼性を確保することができる。
さらに、小型化を達成しつつ、下層半導体チップ53と上層半導体チップ54との間のノイズの伝播を遮断して誤動作を回避し、かつ、放熱特性を向上させて動作の安定化に寄与して、高い信頼性が確保された半導体装置を製造することができる。
この例が上述した第3実施例と大きく異なるところは、下層半導体チップと上層半導体チップとの間に伝熱導電板を介挿したのに対して、図19に示すように、下層半導体チップ上に上層半導体チップを接合させる前に、下層半導体チップ上に伝熱導電板を載置する工程を省略した点である。
これ以外の構成は、上述した第3実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
この半導体装置66は、図19に示すように、基板67上に、下層半導体チップ(第1の半導体チップ)68と、上層半導体チップ(第2の半導体チップ)69とが、それぞれの回路形成面を互いに対向させ、垂直方向に配置させた状態で積層されて搭載され、モールド樹脂71によって封止されてなっている。
この状態で同図(b)に示すように、マウントツール59の吸着面62bに上層半導体チップ69を吸着させ、下層半導体チップ68と上層半導体チップ69とが平行な状態を維持するようにしながら降下させ、位置合わせされた状態で対応する電極同士を接触させて上層半導体チップ69を下層半導体チップ68上に載置し、上層半導体チップ69を上方から下層半導体チップ68に押し付けて、加熱圧接して接合する。
ここで、マウントステージ58及びマウントツール59は、内蔵されたヒータによって所定の温度まで加熱され、この状態で上層半導体チップ69と下層半導体チップ68とをバンプ68aが形成された箇所で圧接する。
この後、樹脂封止し、図19に示すように、半導体装置66を得る。
このようにして製造された半導体装置66では、下層半導体チップ68の回路形成面には破損が発生していない。
この効果は、基板の厚さにばらつきがあったとしても同様に得られる。したがって、歩留まりを向上させ、高い信頼性を確保することができる。
例えば、上述の実施例では、下層半導体チップと上層半導体チップとが垂直方向に配置した構成とする場合について述べたが、もちろん3個以上の半導体チップを垂直方向に積層し配置するようにしても良い。ここで、伝熱導電板や伝熱導電層をすべての半導体チップ間に介挿するようにしても良いし、例えば共にデジタル回路が形成された半導体チップ間では適宜省略するようにしても良い。
また、上層側の半導体チップや伝熱導電板等を下層側の半導体チップや伝熱導電板等よりも寸法を小さく設定する場合について述べたが、これに限らず、必要に応じて、上層側の半導体チップ等の寸法を大きくしても良い。
また、例えば第1参考例において、ボンディングワイヤ7、8、9によるボンディングは、下層半導体チップ3、上層半導体チップ4及び伝熱導電板5を載置する毎に行っても良いし、下層半導体チップ3、上層半導体チップ4及び伝熱導電板5を載置した後に纏めて行っても良い。
また、半導体チップ間だけでなく、例えばボンディングワイヤも含めて取り囲むように、側面も伝熱導電板又は伝熱導電シートで覆うようにしても良い。この場合は、少なくとも樹脂注入のための注入口は確保するようにする。
これによって、例えばボンディングワイヤを介したノイズの伝播も防止することができる。
これによって、基板74と半導体チップ72との間のノイズの伝播がこの伝熱導電板75で遮られ、半導体チップ72で発生した熱もこの伝熱導電板75を介して放散されるので、誤動作等を防止することができ、図22に示すような基板77上に直接半導体チップ78を載置した構成の半導体装置79に比べて、格段に、信頼性を向上させることができる。
また、第3参考例では、伝熱導電シート28として、シールド層28aが絶縁層28b、28cによって挟まれるように積層されてなるシート状部材を用いる場合について述べたが、例えば、図24に示すように、単に、シールド層28aが絶縁層28b上に形成されてなる伝熱導電シート28Aを用いるようにしても良い。
また、伝熱導電体としては、伝熱導電板や伝熱導電シートに限らず、下層半導体チップの端子等の形成されていない領域に例えば銀ペーストを塗布して形成した伝熱導電層を用いても良い。この伝熱導電層の形成後に、上層半導体チップを載置するようにする。
また、伝熱導電板や伝熱導電層に用いる材料としては、アルミニウムや銅に限らず、例えばクロムや銀等であっても良い。
また、例えば、第1参考例では、2つの半導体チップがともに回路形成面を上方に向けた状態で配置された場合について、第1実施例では、2個の半導体チップが回路形成面同士を互いに対向させた状態で配置された場合について述べたが、2個の半導体チップがともに回路形成面を下方に向けた状態で配置された場合や、2個の半導体チップが回路が形成されていない側の面同士を互いに対向させた状態で配置された場合にも、伝熱導電板を介挿するようにしても良い。
また、例えば第3実施例では、基板52のチップ搭載面上に銀ペースト等の接着剤63を塗布した後、下層半導体チップ53を降下させて載置する場合について述べたが、銀ペーストの塗布とは限らず、例えば、シート状の導電性接着材を載置して、この後に下層半導体チップ53を降下させて載置するようにしても良い。
また、第3実施例においても、伝熱導電板55に代えて、伝熱導電シートを用いるようにしても良い。
また、基板としては、配線基板に限らず、複数個のパターンが連結され、所定の位置にマウントステージ58の吸着部61が挿入される開口や切欠きを設けたリードフレームを用いるようにしても良い。
また、図30に示すように、基板97上に一定の高さの枠状の堰部98を形成し、この四角部に切欠き部99を設けて、この枠状の堰部98内の下層半導体チップの載置領域に所定量の接着剤を滴下又は塗布した後、下層半導体チップを搭載するようにしても良い。
2、12、25、35、42、52、67、74、77、83、87、88、93、97 基板
3、13、26、36、43、53、68 下層半導体チップ(第1の半導体チップ)
4、14、27、37、44、54、69 上層半導体チップ(第2の半導体チップ)
5、15、16、55 伝熱導電板(伝熱導電体)
28、38、45 伝熱導電シート(伝熱導電体)
58 マウントステージ(部品載置台)
59 マウントツール(部品把持具)
61 吸着部(第1の吸着部)
62 吸着部(第2の吸着部)
Claims (3)
- 基板上に複数個の半導体チップが積層されてなる半導体装置であって、
前記基板と最上層の半導体チップとの間に、前記半導体チップで発生した熱を放散させると共に電磁ノイズを遮蔽するための熱伝導性及び導電性を有する少なくとも一つの伝熱導電シートが介挿され、
前記複数個の半導体チップを構成し、前記伝熱導電シートを介して互いに隣接する第1及び第2の半導体チップは、それぞれの回路形成面を互いに対向させた状態で、積層化されて前記基板上に搭載され、
前記伝熱導電シートは、シールド層と、該シールド層を挟む一対の非接着性絶縁層との積層部材からなると共に、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとの間に介挿されるシールド部と、該シールド部から前記基板の接地配線にまで延設されて、当該接地配線に電気的及び熱的に直接接続されている複数のリード部とを有して構成され、かつ、
前記絶縁層及び前記シールド層内には、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップの端子とを電気的に接続するための接続配線層が設けられていることを特徴とする半導体装置。 - 前記リード部は、略矩形状のシールド部の四角部から前記基板の接地配線にまで延設されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記リード部は、略矩形状のシールド部の四端縁から前記基板の接地配線にまで延設されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
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