JP4647073B2 - 銅及び銅合金のはんだ付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は銅及び銅合金の表面に、耐熱性に優れた化成被膜を形成する水溶液系表面処理剤及び表面処理方法に関するものであり、特に硬質プリント配線板及びフレキシブルプリント配線板における銅回路部の防錆処理として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近時プリント配線板の実装方法として、実装密度を向上させた表面実装が多く採用されるようになってきた。このような表面実装方法は、チップ部品をクリームはんだで接合する両面表面実装、チップ部品のクリームはんだによる表面実装とディスクリート部品のスルホール実装を組み合わせた混載実装等に分けられる。いずれの実装方法においても、プリント配線板は数回のはんだ付けが行われ、複数回の熱履歴を受ける。
このようなプリント配線板の銅回路を空気酸化から保護する目的で、銅回路部表面に化成被膜処理が施されており、銅回路部分が複数回の熱履歴を受けた後も良好なはんだ付け性を示すことが要求されている。
【0003】
また、電子機器関連の業界では地球環境保護の観点より、プリント配線板と電子部品を接合するために従来から一般的に使用されていた錫−鉛系共晶はんだが、鉛を全く含まない無鉛はんだ、例えば錫−銀系はんだ、錫−銅系はんだ、錫−亜鉛系はんだ、錫−銀−銅系はんだ、錫−銀−銅−ビスマス系はんだ等に置き換わりつつあり、大半の電子機器は2010年までに、これら無鉛はんだによる表面実装が行われると予測されている。
【0004】
無鉛はんだの多くは、はんだ融点が高く、はんだ付け温度が従来の錫−鉛系共晶はんだに比べて20〜50℃程高くなるため、プリント配線板の銅回路部の表面処理剤として使用されている水溶性プレフラックスに対し耐熱性の向上が望まれている。
また、これまでの水溶性プリフラックスにより表面処理したプリント配線板の銅回路部と無鉛はんだとのはんだ付け性は、従来の錫−鉛共晶はんだに比べて劣るため水溶性プレフラックスに対しはんだ付け性の改善が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、無鉛はんだに対して良好なはんだ付け性を示すはんだ付け方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような事情に鑑み鋭意研究を行った結果、プリント配線板の銅回路部の表面に形成された化成被膜に銀を含有させることにより、化成被膜の耐熱性ならびに無鉛はんだに対するはんだ濡れ性が向上することを見い出した。
即ち、化7ないし化12で示されるイミダゾール化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物と、銀イオンを有効成分として含有させた水溶液によって銅回路部を有するプリント配線板を処理することにより、所期の目的を達成し得ることを認め本発明を完成するに至った。
【0007】
【化7】
(式中、R1、R2及びR3は同一あるいは異なって水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はハロゲン原子を表わす。但し、R 1 、R 2 及びR 3 が同一に水素原子である場合を除く。)
【0008】
【化8】
(式中、R1、R2、R3及びR4は同一あるいは異なって水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はハロゲン原子を表わす。nは0〜8の整数を表わす。)
【0009】
【化9】
(式中、R1及びR2は同一あるいは異なって水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はハロゲン原子を表わす。nは0〜8の整数を表わす。)
【0010】
【化10】
(式中、R1、R2及びR3は同一あるいは異なって水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はハロゲン原子を表わす。但し、R 1 、R 2 及びR 3 が同一に水素原子である場合を除く。)
【0011】
【化11】
(式中、R1、R2、R3及びR4は同一あるいは異なって水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はハロゲン原子を表わす。nは0〜8の整数を表わす。)
【0012】
【化12】
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一あるいは異なって水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はハロゲン原子を表わす。nは0〜8の整数を表わす。)
【0013】
【発明実施の形態】
本発明の実施に適するイミダゾール化合物の代表的なものとしては、2−ペンチルイミダゾール、2−ウンデシル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール等の2−アルキルイミダゾール化合物、2−フェニルイミダゾール、2−トルイルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ベンジルイミダゾール、2,4−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等の2−アリールイミダゾール化合物、2−ベンジルイミダゾール、2−ベンジル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルエチルイミダゾール、2−(2−フェニルエチル)イミダゾール、2−(2−フェニルペンチル)イミダゾール等の2−アラルキルイミダゾール化合物、2−プロピルベンズイミダゾール、2−ペンチルベンズイミダゾール、2−オクチルベンズイミダゾール、2−ノニルベンズイミダゾール、2−ヘキシル−5−メチルベンズイミダゾール、2−(2−メチルプロピル)ベンズイミダゾール、2−(1−エチルプロピル)ベンズイミダゾール、2−(1−エチルペンチル)ベンズイミダゾール等のアルキルベンズイミダゾール化合物、2−シクロヘキシルベンズイミダゾール、2−(2−シクロヘキシルエチル)ベンズイミダゾール、2−(5−シクロヘキシルペンチル)ベンズイミダゾール等の2−(シクロヘキシルアルキル)ベンズイミダゾール化合物、2−フェニルベンズイミダゾール、2−フェニル−5−メチルベンズイミダゾール等の2−アリールベンズイミダゾール化合物、2−ベンジルベンズイミダゾール、2−(2−フェニルエチル)ベンズイミダゾール、2−(5−フェニルペンチル)ベンズイミダゾール、2−(3−フェニルプロピル)−5−メチルベンズイミダゾール、2−(4−クロロベンジル)ベンズイミダゾール、2−(2,4−ジクロロベンジル)ベンズイミダゾール、2−(3,4−ジクロロベンジル)ベンズイミダゾール等の2−アラルキルベンズイミダゾール化合物、2−(メルカプトメチル)ベンズイミダゾール、2−(2−アミノエチル)ベンズイミダゾール、2,2’−エチレンジベンズイミダゾール、2−(1−ナフチルメチル)ベンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)ベンズイミダゾール、2−(2−フェニルビニル)ベンズイミダゾール、2−(2−フェノキシメチル)ベンズイミダゾール、2−(2−フェノキシメチル)−5−メチルベンズイミダゾール等が挙げられる。
これらイミダゾール化合物は、表面処理剤に対して0.1〜10重量%の割合、好ましくは0.1〜5重量%の割合で配合される。
【0014】
本発明の実施において、銀イオンを供給するために用いられる代表的な化合物は、酢酸銀、臭化銀、炭酸銀、塩素酸銀、塩化銀、クロム酸銀、シアン化銀、沃素酸銀、沃化銀、乳酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、酸化銀、過塩素酸銀、硫酸銀、硫化銀、チオシアン酸銀等が挙げられる。
【0015】
銅及び銅合金の表面に化成皮膜を形成する方法としては、銅及び銅合金の表面を化7ないし化12で示されるイミダゾール化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物と、1〜50000ppmの銀イオンを有効成分として含有する水溶液に接触させることが挙げられる。
【0016】
また、銅及び銅合金の表面を1〜50000ppmの銀イオンを含有する水溶液に接触させて銀メッキ処理した後、化7ないし化12で示されるイミダゾール化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物及び有機酸もしくは無機酸からなる水溶液に接触させることもできる。
【0017】
さらに、銅及び銅合金の表面を化7ないし化12で示されるイミダゾール化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物及び有機酸もしくは無機酸からなる水溶液に接触させて化成被膜処理を行った後、1〜50000ppmの銀イオンを含有する水溶液に接触させてもかまわない。
【0018】
本発明の実施において、イミダゾール化合物を水溶液化するに当たっては、有機酸もしくは無機酸を用いたり、少量の有機溶媒を併用することができる。この際に用いられる有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘプタン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、グリコール酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、パラニトロ安息香酸、パラトルエンスルホン酸、サリチル酸、ピクリン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、酒石酸、アジピン酸等であり、無機酸としては、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等である。これらの酸は、水溶液に対し0.01〜40重量%の割合、好ましくは0.2〜20重量%の割合で添加すれば良い。
また、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコールあるいはアセトン、N,N−ジメチルホルムアミド等の水と自由に混和させることができるものである。
【0019】
本発明の表面処理剤を用いて銅及び銅合金の表面を処理する際の条件としては、処理剤の液温を10〜70℃、接触時間は1秒ないし10分間が適当である。接触方法としては、浸漬、噴霧、塗布等の方法が挙げられる。
【0020】
本発明の実施に当たり、金属表面における化成皮膜の形成速度を速めるために銅化合物を添加することができ、また形成された化成被膜の耐熱性を更に向上させるために亜鉛化合物を添加しても良い。
前記銅化合物の代表的なものとしては、酢酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化銅、水酸化銅、リン酸銅、硫酸銅、硝酸銅等であり、また前記亜鉛化合物の代表的なものとしては、酸化亜鉛、蟻酸亜鉛、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛、乳酸亜鉛、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛等が挙げられ、いずれも表面処理剤に対して0.01〜10重量%の割合、好ましくは0.02〜5重量%で添加すれば良い。
このように銅化合物あるいは亜鉛化合物を用いる場合には、有機酸あるいは無機酸の他にアンモニアあるいはアミン類等の緩衝作用を有する物質を添加して溶液のpHを安定にすることが望ましい。
【0021】
また本発明の表面処理を行った後、化成被膜上に熱可塑性樹脂により二重構造を形成し、更に耐熱性を高めることも可能である。
すなわち、銅あるいは銅合金上に銀を含有した化成被膜を生成させた後、ロジン、ロジンエステル等のロジン誘導体、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン樹脂誘導体、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂等の炭化水素樹脂または其れらの混合物からなる耐熱性に優れた熱可塑性樹脂をトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール等の溶媒に溶解し、ロールコーター等により化成被膜上に膜厚1〜30μmの厚みになるように均一に塗布して、銀を含む化成被膜と熱可塑性樹脂の二重構造を形成させれば良い。
【0022】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、はんだ濡れ性試験の測定は次のとおりである。
【0023】
[はんだ濡れ時間]
まず、試験片として縦5mm、横50mm、厚さ0.3mmの大きさの銅板を用意し、これらの試験片を脱脂、ソフトエッチング及び水洗を行ったのち、所定の液温に保持した表面処理剤に所定時間浸漬し、次いで水洗、乾燥して試験片表面に厚さ約0.10〜0.30μmの化成被膜をそれぞれ形成させた。
被膜形成処理がなされた試験片を200℃の熱風オーブン中で約10分間加熱処理を行った。続いて、これらの試験片をポストフラックス(商品名:スパークルフラックスESR−213、千住金属工業(株)製)に浸漬付着させ、錫−鉛系の共晶はんだ及び錫−銀−銅(組成:95.75/3.5/0.75重量%)系無鉛はんだを用いて、はんだ濡れ時間を測定した。
測定に当たっては、半田濡れ性試験器(製品名:WET−3000、(株)レスカ製)を用い、はんだ温度250℃、浸漬深さ2mm、浸漬速度16mm/秒の条件にて測定した。
【0024】
[はんだ広がりの長さ]
試験片として、縦50mm、横50mm、厚さ1.6mmのガラスエポキシ基板(銅箔からなる導体幅0.80mm、長さ20mm、導体間隔1.0mm、導体部10本のもの)を用意し、これら試験片を脱脂、ソフトエッチング及び水洗を行ったのち、前記はんだ濡れ時間の測定と同様にして、所定の液温に保持した表面処理剤に所定時間浸漬し、次いで水洗、乾燥して試験片の表面に厚さ約0.10〜0.30μmの化成被膜を形成させた。
被膜形成処理がなされた試験片を赤外線リフロー装置(製品名:MULTI−PRO−306、ヴィトロニクス社製)を用いて、ピーク温度が250℃であるリフロー加熱を1回行った。その後、開口径0.95mm、厚み150μmのメタルマスクを使用して、導体の中央部にクリームはんだを印刷し、前記条件でリフロー加熱を行い、はんだ付けを行った。それぞれの試験片について、導体上に濡れ広がったはんだの長さを測定した。
使用したクリームはんだは、錫−鉛系の共晶クリームはんだ(商品名:OZ7053−340F−32−11F、千住金属工業(株)製)及び錫−銀−銅(組成:95.75/3.5/0.75重量%)系無鉛クリームはんだ(商品名:M31−221BM5、千住金属工業(株)製)である。
【0025】
〔実施例1〕
2−オクチルベンズイミダゾール0.4重量%、酢酸5.0重量%、酢酸銅0.06重量%及び塩化アンモニウム0.007重量%を含む水溶性処理液に、試験片を40℃で30秒浸漬した後、取り出して水洗、水切りを行った。次いで、硝酸銀0.2重量%を溶解させた水溶液に10℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表1に示したとおりであった。
【0026】
〔実施例2〕
硝酸銀0.002重量%を溶解させた水溶液に試験片を10℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、水切りを行った。次いで、2−オクチルベンズイミダゾール0.4重量%、酢酸5.0重量%、酢酸銅0.06重量%及び塩化アンモニウム0.007重量%を含む水溶性処理液に40℃で30秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表1に示したとおりであった。
【0027】
〔比較例1〕
2−オクチルベンズイミダゾール0.4重量%、酢酸5.0重量%、酢酸銅0.06重量%及び塩化アンモニウム0.007重量%を含む水溶性処理液に、試験片を40℃で30秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表1に示したとおりであった。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例1および2の表面処理によれば、比較例1に比べてはんだ濡れ時間が短く、はんだ広がり長さが長くなっており、良好なはんだ濡れ性を示しているものと認められる。
【0030】
〔実施例3〕
2−(5−フェニルペンチル)ベンズイミダゾール0.25重量%、酢酸5.0重量%及び臭化銅0.1重量%を含む水溶性処理液に、試験片を40℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、水切りを行った。次いで、硝酸銀2.0重量%を溶解させた水溶液に20℃で30秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表2に示したとおりであった。
【0031】
〔実施例4〕
硝酸銀0.02重量%を溶解させた水溶液に試験片を20℃で30秒浸漬した後、取り出して水洗、水切りを行った。次いで、2−(5−フェニルペンチル)ベンズイミダゾール0.25重量%、酢酸5.0重量%及び臭化銅0.1重量%を含む水溶性処理液に、40℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表2に示したとおりであった。
【0032】
〔比較例2〕
2−(5−フェニルペンチル)ベンズイミダゾール0.25重量%、酢酸5.0重量%及び臭化銅0.1重量%を含む水溶性処理液に、試験片を40℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表2に示したとおりであった。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例3および4の表面処理によれば、比較例2に比べてはんだ濡れ時間が短く、はんだ広がり長さが長くなっており、良好なはんだ濡れ性を示しているものと認められる。
【0035】
〔実施例5〕
2−(1−ナフチルメチル)−5−メチルベンズイミダゾール0.2重量%、ギ酸10.0重量%、臭化銅0.05重量%および酢酸亜鉛1.4重量%を含む水溶性処理液に試験片を40℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、水切りを行った。次いで、硝酸銀0.2重量%を溶解させた水溶液に30℃で30秒浸漬した後、取り出し水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表3に示したとおりであった。
【0036】
〔実施例6〕
硝酸銀0.2重量%を溶解させた水溶液に試験片を30℃で30秒浸漬した後、取り出して水洗、水切りを行った。次いで、2−(1−ナフチルメチル)−5−メチルベンズイミダゾール0.2重量%、ギ酸10.0重量%、臭化銅0.05重量%および酢酸亜鉛1.4重量%を含む水溶性処理液に40℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表3に示したとおりであった。
【0037】
〔比較例3〕
2−(1−ナフチルメチル)−5−メチルベンズイミダゾール0.2重量%、ギ酸10.0重量%、臭化銅0.05重量%および酢酸亜鉛1.4重量%を含む水溶性処理液に試験片を40℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表3に示したとおりであった。
【0038】
【表3】
【0039】
実施例5および6の表面処理によれば、比較例3に比べてはんだ濡れ時間が短く、はんだ広がり長さが長くなっており、良好なはんだ濡れ性を示しているものと認められる。
【0040】
〔実施例7〕
2,4−ジフェニルイミダゾール0.25重量%、酢酸9.0重量%、酢酸銅0.09重量%及び臭化アンモニウム0.02重量%を含み、アンモニア水でpH4.0に調整した水溶性処理液に、試験片を40℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、水切りを行った。次いで、硝酸銀0.02重量%を溶解させた水溶液に試験片を40℃で10秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表4に示したとおりであった。
【0041】
〔実施例8〕
硝酸銀2.0重量%を溶解させた水溶液に試験片を40℃で10秒浸漬した後、取り出して、水洗、水切りを行った。次いで、2,4−ジフェニルイミダゾール0.25重量%、酢酸9.0重量%、酢酸銅0.09重量%及び臭化アンモニウム0.02重量%を含み、アンモニア水でpH4.0に調整した水溶性処理液に試験片を40℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表4に示したとおりであった。
【0042】
〔比較例4〕
2,4−ジフェニルイミダゾール0.25重量%、酢酸9.0重量%、酢酸銅0.09重量%及び臭化アンモニウム0.04重量%を含み、アンモニア水でpH4.0に調整した水溶性処理液に、試験片を40℃で60秒浸漬した後取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表4に示したとおりであった。
【0043】
【表4】
【0044】
実施例7および8の表面処理によれば、比較例4に比べてはんだ濡れ時間が短く、はんだ広がり長さが長くなっており、良好なはんだ濡れ性を示しているものと認められる。
【0045】
〔実施例9〕
2−ウンデシルイミダゾール1.0重量%、酢酸1.6重量%及び酢酸銀0.02重量%を含み、アンモニア水でpH4.4に調整した水溶性処理液に、試験片を50℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表5に示したとおりであった。
【0046】
〔比較例5〕
2−ウンデシルイミダゾール1.0重量%及び酢酸1.6重量%を含み、アンモニア水でpH4.4に調整した水溶性処理液に、試験片を50℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表5に示したとおりであった。
【0047】
【表5】
【0048】
実施例9の表面処理によれば、比較例5に比べてはんだ濡れ時間が短く、はんだ広がり長さが長くなっており、良好なはんだ濡れ性を示しているものと認められる。
【0049】
〔実施例10〕
2−(2,4−ジクロロベンジル)−4,5−ジメチルイミダゾール1.0重量%、酢酸3.0重量%及び硝酸銀0.02重量%を含み、アンモニア水でpH5.0に調整した水溶性処理液に、試験片を50℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果は表6に示したとおりであった。
【0050】
〔比較例6〕
2−(2,4−ジクロロベンジル)−4,5−ジメチルイミダゾール1.0重量%及び酢酸3.0重量%を含み、アンモニア水でpH5.0に調整した水溶性処理液に、試験片を50℃で60秒浸漬した後、取り出して水洗、乾燥した。このようにして処理した試験片を用いて、はんだ濡れ時間及びはんだ広がり長さを測定した。
これらの試験結果はを表6に示したとおりであった。
【0051】
【表6】
【0052】
実施例10の表面処理によれば、比較例6に比べてはんだ濡れ時間が短く、はんだ広がり長さが長くなっており、良好なはんだ濡れ性を示しているものと認められる。
【0053】
【発明の効果】
本発明のはんだ付け方法によれば、プリント配線板の銅回路部の表面に銀を含む化成被膜を形成させることができ、はんだの濡れ性が飛躍的に向上し、銅回路部に対するはんだ付け性が良好なものとなるので、無鉛はんだを使用する部品実装工程において、信頼性の高い実装が可能となり実践面での効果は多大である。
Claims (3)
- 銅及び銅合金の表面を、化1ないし化6で示されるイミダゾール化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物と、銀イオンを含有する水溶液に接触させて化成被膜を形成させた後、銅及び銅合金の表面を無鉛はんだを用いてはんだ付けを行うことを特徴とする銅及び銅合金のはんだ付け方法。
- 銅及び銅合金の表面を銀イオンを含有する水溶液に接触させた後、請求項1に記載の化1ないし化6で示されるイミダゾール化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物及び有機酸もしくは無機酸を含有する水溶液に接触させて化成被膜を形成させた後、銅及び銅合金の表面を無鉛はんだを用いてはんだ付けを行うことを特徴とする銅及び銅合金のはんだ付け方法。
- 銅及び銅合金の表面を請求項1に記載の化1ないし化6で示されるイミダゾール化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物及び有機酸もしくは無機酸を含有する水溶液に接触させた後、銀イオンを含有する水溶液に接触させて化成被膜を形成させた後、銅及び銅合金の表面を無鉛はんだを用いてはんだ付けを行うことを特徴とする銅及び銅合金のはんだ付け方法。
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