JP3373356B2 - 銅又は銅合金の変色防止液及び変色防止方法並びにそれを適用してなる電子部品材料 - Google Patents

銅又は銅合金の変色防止液及び変色防止方法並びにそれを適用してなる電子部品材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、銅又は銅合金の変色
防止液及び変色防止方法並びにそれを適用してなる電子
部品材料に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、リ−ドフレ−ム等といっ
た電子部品材料(一般には銅,銅合金,鉄,鉄合金,ニ
ッケル,ニッケル合金等で構成されている)に高速部分
銀めっきを行うことが多く行われている。この高速部分
銀めっきは、通常、次の如くに行われる。まず、リ−ド
フレ−ム等の電子部品材料として用いられる基材を脱脂
し酸洗した後、必要に応じて基材との密着性向上のため
の“銅ストライクめっき”もしくは“銅又は銅合金めっ
き”の処理(以降、 総称して“銅ストライクめっき処
理”と呼ぶ)が施される。続いて、上記処理を施された
基材は、水洗後、“基材を銀めっき液に浸漬した時に銀
の置換析出が起きるのを防止するための前処理”を施さ
れ、その後で必要部分のみに高速電気銀めっきが施され
る。
【0003】ここで、高速部分銀めっきを施すに当って
の前処理は、被めっき基材(必要に応じて銅ストライク
めっき処理が施されたもの)を銀置換防止液中へ浸漬す
る形態で実施されるのが普通であるが、このような前処
理が必要な理由は次の通りである。即ち、高速電気銀め
っき液は銀濃度が高いため、これに銀より卑な金属から
成る基材を浸漬すると浸漬しただけで銀が大量に置換析
出してしまう。この置換析出層は基材に対する密着性が
極めて悪く、この上に銀を電気めっきしても密着性は改
善されずにめっき皮膜の“剥がれ”乃至は“加熱時の膨
れや変色”を生じる原因となるので、上記置換析出層を
極力抑えるべく前処理を施すことが必要となるわけであ
る。なお、前処理で使用する処理液はこのような銀の置
換防止剤を含有しており、基材表面に薄い置換防止皮膜
を形成することにより銀の置換を防止するもので、銀の
置換防止剤としては例えばチオカルボン酸もしくはその
塩, 2,2′- ジピリジル等の含窒素複素環化合物,2-チ
オバルビツル酸等のチオウレイレン基を環内に含む化合
物等が用いられる。
【0004】電子部品材料等として用いられる基材の部
分的な高速電気銀めっきは上述の如き要領で行われる
が、この高速部分銀めっきを実施した場合、種々の理由
によって前記基材の銀めっき不要部分にまで銀がめっき
されたり銀の析出が起きたりするといった不都合を生じ
ることが多い。このような銀の異常析出部を放置してお
くと、銀のマイグレ−ションが起こる可能性があり、電
子部品材料の信頼性が低下する。従って、通常、このよ
うな銀の異常析出部は公知の銀の剥離液を用いて選択的
に溶解除去される。
【0005】ところが、最近、このようにして製造され
た部分銀めっき電子部品材料において、その運搬や貯蔵
等を行っている際、異常析出部に析出した銀を剥離した
後に露出した“銅又は銅合金基材表面”もしくは“銅ス
トライクめっき処理を施した銅又は銅合金めっき面”が
変色するという問題点のあることが認識されるようにな
った。なお、この変色は、特に銀を剥離した銅又は銅合
金の露出面が運搬や貯蔵等のために重ね合わせられた部
位で著しかった。
【0006】この変色原因については未だ明瞭な結論が
出ていないが、変色部に酸化銅が生成していることが確
認されていることから、 a) 銀を剥離した直後なので該部分の銅又は銅合金表面
が活性である, b) 銀と銅又は銅合金との間に電位差が発生して銅又は
銅合金表面が活性となる, 等の理由によって銀を剥離した銅又は銅合金の露出面部
分が酸化されることが変色の原因であると考えられる。
【0007】何れにしろ、この銅又は銅合金面の酸化変
色は、はんだ付け性を悪くしたり酸化された銅が剥がれ
て短絡を生じるおそれが出てくる等の理由によってやは
り電子部品材料の信頼性を低下することから、大きな問
題となるものであった。
【0008】そこで、この問題を解決するため、本出願
人は先に、銀めっき不要部分に付着した銀を剥離した後
の銀剥離面の銅の変色を防止するための処理液として、
5-メチル-1H-ベンゾトリアゾ−ル,5,6-ジメチル-1H-ベ
ンゾトリアゾ−ル及び2-メルカプトピリミジンから選ば
れる1種又は2種以上を含有する無機酸及び/又は有機
酸の酸性溶液からなり、更に必要に応じてpH緩衝剤を
も含有する銅変色防止液を提案した(特開平4−160
173号)。この変色防止液は、使用に当っては銀を剥
離した基材を変色防止液に浸漬し乾燥するだけで良く、
非常に有用で多方面への活用が期待されている。
【0009】しかしながら、その後の検討により、先の
提案になる上記銅変色防止液は通常環境下での変色防止
効果には大変優れているものの、処理面の耐熱性がそれ
ほど良好ではなく、例えば大気中で260℃程度に30
分間ほど加熱されると変色防止液で処理済のものであっ
ても“銅又は銅合金表面の銀を剥離した部位”に剥離し
やすい酸化被膜が形成されがちであることが明らかとな
った。
【0010】このようなことから、本発明が目的とした
のは、通常の運搬,貯蔵環境下で優れた変色防止効果を
発揮することは勿論、より高温の環境においても変色防
止効果が維持される“耐熱性に優れた変色防止処理表
面”を得るための銅又は銅合金の変色防止手段を確立
し、信頼性の高い電子部品材料の提供を可能にすること
であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究を行った結果、分子内に窒素乃至
は硫黄を含んでいて銅のインヒビタ−(腐食抑制剤)と
して働く複素環状化合物を含有する溶液に、特に銅より
も貴な金属又はその塩(何れも溶液中でイオン化する)
を添加し、この溶液に銅又は銅合金の表面を接触させる
処理を施した場合には、銀の剥離液を用いて選択的に銀
の電解析出層を除去した表面に対してであっても優れた
変色防止効果を付与することができる上、処理面は十分
な耐熱性を有していて高い温度下でも変色防止効果を維
持することが可能であるとの知見を得ることができた。
【0012】本発明は、上記知見事項等に基づいてなさ
れたものであり、(1)“分子内に窒素又は硫黄あるいは
これら両方を含んでいて銅のインヒビタ−として働く複
素環状化合物”を含有する溶液に“銅よりも貴な金属”
又は“銅よりも貴な金属の塩”を添加して成る、銅又は
銅合金の変色防止液,(2)“銅よりも貴な金属”又は“銅
よりも貴な金属の塩”が銀,金,白金,パラジウム,ロ
ジウム,ルテニウム,イリジウム及びオスミウムから選
択された金属の塩である、前記 (1)項に記載の銅又は銅
合金の変色防止液,(3)“銅のインヒビタ−として働く
複素環状化合物”として 1,2,3-ベンゾトリアゾ−ル,
5-メチル-1H-ベンゾトリアゾ−ル,5,6-ジメチル-1H-ベ
ンゾトリアゾ−ル,トリアゾ−ル,ベンズイミダゾ−
ル,イミダゾ−ル,インド−ル,ピロ−ル,ピリミジ
ン,トリアジン,アデニン,ベンゾチアゾ−ル,チアゾ
−ル,チオバルビツル酸,チオウラシル,ロダニン,チ
アゾリジンチオン,1-フェニル-2- テトラゾリン-5- チ
オン及び2-メルカプトピリジンから選択された複素環状
化合物の1種又は2種以上を 0.1mg/L〜 10g/L含み、ま
た“銅よりも貴な金属の塩”として シアン化銀,シア
ン化銀カリウム,シアン化銀ナトリウム及び硝酸銀から
選択された金属塩の1種又は2種以上を0.1mg/L 〜10g/
L 添加して成る、前記 (1)項又は (2)項に記載の銅又は
銅合金の変色防止液,(4) 更にpH緩衝剤又は界面活
性剤あるいはその双方をも含んで成る、前記(1)項〜
(3)項の何れかに記載の銅又は銅合金の変色防止液,を
提供するものである。
【0013】また、本発明によれば、前記 (1)項〜 (4)
項の何れかに記載の変色防止液に銅又は銅合金を浸漬す
るか、あるいは該変色防止液を銅又は銅合金に散布又は
スプレ−することを特徴とする銅又は銅合金の変色防止
方法が提供され、更にはこれらの変色防止方法により、
銅又は銅合金で構成された電子部品材料の銅又は銅合金
表面に銅よりも貴な金属の置換層皮膜が形成されてなる
ことを特徴とする電子部品材料が提供される。
【0014】さて、本発明に係る変色防止液は、その主
成分として“分子内に窒素又は硫黄あるいはこれら両方
を含んでいて銅のインヒビタ−として働く複素環状化合
物”を含有する。この複素環状化合物の具体例として、
含窒素複素環状化合物としては 1,2,3-ベンゾトリアゾ
−ル,5-メチル-1H-ベンゾトリアゾ−ル,5,6-ジメチル
-1H-ベンゾトリアゾ−ル,トリアゾ−ル,ベンズイミダ
ゾ−ル,イミダゾ−ル,インド−ル,ピロ−ル,ピリミ
ジン,トリアジン,アデニン等を挙げることができる。
【0015】また、含硫黄複素環状化合物としては、ベ
ンゾチアゾ−ル,チアゾ−ル,チオバルビツル酸,チオ
ウラシル,ロダニン,チアゾリジンチオン,1-フェニル
-2-テトラゾリン-5- チオン,2-メルカプトピリジン等
が挙げられる。
【0016】本発明に係る変色防止液におけるこれらの
複素環状化合物は何れもほぼ等しい作用・効果を発揮す
るが、本発明に係る変色防止液ではこれら複素環状化合
物から1種又は2種以上が選択され、好ましくは 0.1mg
/L〜 10g/L(より好ましくは1〜1000mg/L)の割合で含
有せしめられる。これは、該複素環状化合物の含有割合
が 0.1mg/Lよりも少ないと銅又は銅合金の変色防止効果
が今一つ十分でなく、また 10g/Lを超える割合で前記複
素環状化合物を含有させてもそれ以上の効果を期待する
ことができないからである。
【0017】本発明に係る変色防止液においては、銅よ
りも貴な金属又はその塩は何れもほぼ等しい作用・効果
を発揮するが、好ましくは銀,金,白金,パラジウム,
ロジウム,ルテニウム,イリジウム及びオスミウムから
選択された金属あるいはその塩を用いるのが良い。もっ
とも、一般的には銀塩、具体的にはシアン化銀,シアン
化銀カリウム,シアン化銀ナトリウム,硝酸銀等を用い
るのが経済性からして有利と言える。
【0018】本発明に係る変色防止液においては、これ
らの金属あるいは金属塩から1種又は2種以上が選択さ
れて、好ましくは 0.1mg/L〜 10g/L(より好ましくは
0.1〜10g/L )の割合で添加される。これは、銅よりも
貴な金属又はその塩の添加割合が 0.1mg/Lよりも少ない
と金属の析出量が少なくて耐熱性があまり向上せず、ま
た 10g/Lを超える割合で前記金属又は金属塩を添加して
もそれ以上の効果を期待できないからである。
【0019】また、本発明に係る変色防止液には、必要
に応じてpH緩衝剤又は界面活性剤あるいはその双方を
含むことが可能である。pH緩衝剤としてはホウ酸系,
リン酸系,カルボン酸系のpH緩衝剤を使用することが
でき、これらを添加する場合にはそれらの含有割合が1
〜100g/L、好ましくは10〜 50g/Lとなるように添加す
る。界面活性剤としてはアニオン系,カチオン系,ノニ
オン系の何れか又はそれらの混合物を用いることが可能
であり、これらを添加する場合にはそれらの含有割合が
1μg/L 〜1g/L となるように添加する。
【0020】本発明に係る変色防止液のpHは、上記の
成分が溶解するpHであれば良く、特に限定されない。
また、変色防止液の温度は好ましくは5〜80℃、より
好ましくは10〜40℃とする。なお、変色防止液の溶
媒としては基本的には水溶液が好ましいが、成分が溶解
しない場合にはアルコ−ル等の有機溶媒を添加しても構
わない。
【0021】本発明に係る上記変色防止液を使用する銅
又は銅合金の処理は、基材となる銅又は銅合金を上記の
変色防止液に浸漬するか、あるいは該変色防止液を銅又
は銅合金に散布またはスプレ−することによって行うこ
とができる。この際の処理時間は 0.1秒〜10分で良
く、好ましくは1〜180秒である。この処理により、
銀の剥離液を用いて選択的に銀の電解析出層を除去した
表面であっても優れた変色防止効果を付与することがで
きる。
【0022】ところで、本発明における変色防止処理を
施される基材としての“銅又は銅合金”とは、銅あるい
は銅合金のみからなる無垢の材料は勿論のこと、鉄又は
鉄合金,ニッケル又はニッケル合金等といった銀よりも
卑な金属に銅ストライクめっき処理を施したものなど、
銅あるいは銅合金の表面が存在する材料の全てを包含す
ることは言うまでもない。
【0023】
【作用】本発明に係る「“分子内に窒素又は硫黄あるい
はこれらの両方を含んでいて銅のインヒビタ−として働
く複素環状化合物”を含有する溶液に“銅よりも貴な金
属”又は“銅よりも貴な金属の塩”を添加して成る銅又
は銅合金の変色防止液」に銅又は銅合金基材を浸漬,散
布あるいはスプレ−等により接触させることによって、
銅又は銅合金基材の表面に変色防止機能が付与される理
由は次の通りである。
【0024】即ち、本発明に係る変色防止液を銅又は銅
合金基材に接触させると、銅又は銅合金基材の表面に酸
化膜が形成されることなく、その表面に前記“銅よりも
貴な金属”の置換層皮膜が10〜1000Å程度の厚さ
で均一に薄く形成される。そして、この“銅よりも貴な
金属”の置換層皮膜の形成により、銅又は銅合金は運搬
乃至は貯蔵環境から保護され、変色が防止される。しか
も、前記“銅よりも貴な金属”の置換層皮膜は耐熱性に
富んでいるので、比較的高温の環境に置かれた場合にも
“自身の酸化”及び“銅又は銅合金面の酸化”を防止す
ることができ、酸化膜の剥離といった不都合を来たすこ
とはない。勿論、前記“銅よりも貴な金属”の置換層皮
膜の形成によって銅又は銅合金素材に望まれる本来のの
特性が失われることもない。
【0025】以下、実施例によって本発明を比較例と対
比しながらより具体的に説明する。
【実施例】銅ストライクめっきを施した「25mm幅×4
0mm長× 0.2mm厚」の銅合金(Cu:97.77%-Sn:2.0%-Ni:
0.2%-P:0.03%) 製基材(複数枚)を純水で水洗した
後、置換防止剤である2-チオバルビツル酸を100g/L含む
と共にpHが10に調整された“前処理液”に液温30
℃で10秒間浸漬し、続いて純水水流で10秒間洗浄し
てから、 KAg (CN)2:130g/L , K2 HPO4 :100g/L を含むと共にpHが 8.5に調整された高速電気銀めっき
液に浸漬してDk =70A/dm2 で10秒間銀めっきを
行った。
【0026】その後、銀めっきした基材を純水で水洗し
てから、中央部(7mm×6mm)を除く他の部位の銀めっ
き層を市販の銀剥離液を用いて溶解除去し、再度純水で
水洗した後、表1,表2及び表3に示した変色防止液に
浸漬するか、あるいは表1,表2及び表3に示した変色
防止液を表面に散布する処理を行った。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】このような処理を行った各基材を煮沸純水
中に10分間浸漬し、銅ストライクめっき部(剥離液に
よって銀めっき層を除去した部位)の変色を目視により
判定した。ここで、「煮沸純水中に10分間浸漬する」
という前記熱処理は、大気中に放置した場合の加速試験
として通常に行われている処理であることは言うまでも
ない。
【0031】また、上記の変色防止処理を行った各基材
について、“30分間熱処理した時に酸化被膜がテ−プ
試験で剥離する温度”を調べて耐熱性の評価を行った。
【0032】なお、比較例として、“銅よりも貴な金
属”や“銅よりも貴な金属の塩”を加えない変色防止液
を使用して同様の試験を行い、その結果を評価した。こ
れらの結果を前記表1,表2及び表3に併せて示す。
【0033】表1,表2及び表3に示される結果から
は、本発明に係る変色防止液を用いた処理では非常に良
好な色防止効果が得られる上に、処理面は酸化被膜のテ
−プ剥離温度で300〜380℃と高い耐熱性を示した
ことが確認できる。これに対して、比較例では、変色防
止効果は実施例と同様に良好であったが、テ−プ剥離温
度は280℃と低く、処理面の耐熱性に問題があった。
【0034】なお、本実施例では“銅よりも貴な金属の
塩”としてシアン化銀カリウムを使用したが、銀,金,
白金,パラジウム,ロジウムあるいはルテニウム等、そ
の他の“銅よりも貴な金属の塩”あるいは“銅よりも貴
な金属そのもの”を使用しても同様の結果を得られるこ
とは確認済である。
【0035】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、通常環境下での変色防止効果に優れると共に、耐熱
性に優れた処理面を与える銅又は銅合金の変色防止手段
を提供でき、従って高速銀めっきが施こされた電子部品
材料(例えばリ−ドフレ−ム)等の信頼性向上に大きく
寄与し得るなど、産業上有用な効果がもたらされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−81159(JP,A) 特開 平5−230675(JP,A) 特開 昭58−16079(JP,A) 特開 昭57−70279(JP,A) 特開 昭56−90987(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 11/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 “分子内に窒素又は硫黄あるいはこれら
    両方を含んでいて銅のインヒビタ−として働く複素環状
    化合物”を含有する溶液に銅よりも貴な金属又はその塩
    を添加して成る、銅又は銅合金の変色防止液。
  2. 【請求項2】 銅よりも貴な金属又はその塩が銀,金,
    白金,パラジウム,ロジウム,ルテニウム,イリジウム
    及びオスミウムから選択された金属あるいはその塩であ
    る、請求項1に記載の銅又は銅合金の変色防止液。
  3. 【請求項3】“銅のインヒビタ−として働く複素環状化
    合物”として1,2,3-ベンゾトリアゾ−ル,5-メチル-1H-
    ベンゾトリアゾ−ル,5,6-ジメチル-1H-ベンゾトリアゾ
    −ル,トリアゾ−ル,ベンズイミダゾ−ル,イミダゾ−
    ル,インド−ル,ピロ−ル,ピリミジン,トリアジン,
    アデニン,ベンゾチアゾ−ル,チアゾ−ル,チオバルビ
    ツル酸,チオウラシル,ロダニン,チアゾリジンチオ
    ン,1-フェニル-2- テトラゾリン-5- チオン及び2-メル
    カプトピリジンから選択された複素環状化合物の1種又
    は2種以上を0.1mg/L 〜10g/L 含み、また“銅よりも貴
    な金属の塩”としてシアン化銀,シアン化銀カリウム,
    シアン化銀ナトリウム及び硝酸銀から選択された金属塩
    の1種又は2種以上を0.1mg/L 〜10g/L 添加して成る、
    請求項1又は2に記載の銅又は銅合金の変色防止液。
  4. 【請求項4】 更にpH緩衝剤又は界面活性剤あるいは
    その双方をも含んで成る、請求項1〜3の何れかに記載
    の銅又は銅合金の変色防止液。
  5. 【請求項5】“分子内に窒素又は硫黄あるいはこれらの
    両方を含んでいて銅のインヒビタ−として働く複素環状
    化合物”を含有する溶液に銅よりも貴な金属又はその塩
    を添加して成る変色防止液を用い、この変色防止液に銅
    又は銅合金を浸漬するかあるいは該変色防止液を銅又は
    銅合金に散布又はスプレ−することを特徴とする、銅又
    は銅合金の変色防止方法。
  6. 【請求項6】 銅よりも貴な金属又はその塩”として
    銀,金,白金,パラジウム,ロジウム,ルテニウム,イ
    リジウム及びオスミウムから選択された金属あるいはそ
    の塩を添加して成る変色防止液を用いることを特徴とす
    る、請求項5に記載の銅又は銅合金の変色防止方法。
  7. 【請求項7】“銅のインヒビタ−として働く複素環状化
    合物”として1,2,3-ベンゾトリアゾ−ル,5-メチル-1H-
    ベンゾトリアゾ−ル,5,6-ジメチル-1H-ベンゾトリアゾ
    −ル,トリアゾ−ル,ベンズイミダゾ−ル,イミダゾ−
    ル,インド−ル,ピロ−ル,ピリミジン,トリアジン,
    アデニン,ベンゾチアゾ−ル,チアゾ−ル,チオバルビ
    ツル酸,チオウラシル,ロダニン,チアゾリジンチオ
    ン,1-フェニル-2- テトラゾリン-5- チオン及び2-メル
    カプトピリジンから選択された複素環状化合物の1種又
    は2種以上を0.1mg/L 〜10g/L 含有し、また“銅よりも
    貴な金属の塩”としてシアン化銀,シアン化銀カリウ
    ム,シアン化銀ナトリウム及び硝酸銀から選択された金
    属塩の1種又は2種以上を0.1mg/L 〜10g/L 添加して成
    る変色防止液を用いることを特徴とする、請求項5に記
    載の銅又は銅合金の変色防止方法。
  8. 【請求項8】 更にpH緩衝剤又は界面活性剤あるいは
    その双方をも含んで成る変色防止液を用いることを特徴
    とする、請求項5〜7の何れかに記載の銅又は銅合金の
    変色防止方法。
  9. 【請求項9】 請求項5乃至8の何れかに記載の銅又は
    銅合金の変色防止方法により、銅又は銅合金で構成され
    た電子部品材料の銅又は銅合金表面に銅よりも貴な金属
    の置換層皮膜が形成されてなることを特徴とする、電子
    部品材料。
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