JP4642173B2 - フィルム状接着剤用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム状接着剤組成物に関するものであり、詳しくは、半導体チップとリードフレーム又は回路基板を接合するに適した絶縁性フィルム状接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DIP、SOP、QFP、BGA、CSPに代表される半導体パッケージを構成する材料の中で、半導体チップとリードフレーム又は回路基板を接着するダイボンディング材料は、従来Au−Si共晶合金、はんだ、銀ペースト等が使用されてきた。現在、汎用及び大型のパッケージには生産性、放熱性、大チップ適用性、価格等の総合的な判断から銀ペーストによる接着が主流となっている。銀ペーストは、ディスペンス方式でリードフレーム又は回路基板に塗布し、半導体チップの仮圧着も容易にできることから優れた生産性を示す反面、液状であるために接着厚み精度、塗布位置精度及びボイドレスのコントロールが難しいという問題があった。
【0003】
近年、エリアアレイタイプのチップサイズパッケージが登場し、携帯機器の軽薄短小化に大きく貢献している。しかしながら、このようなパッケージは半導体チップとパッケージの大きさが限りなく近づくことから、半導体チップとリードフレーム及び回路基板を接着するときのフィレットエリアは最小面積が求められるとともに、チップ接着面は完全に接着層に覆われることも同時に要求される。更に、形成された接着層内部のボイドは耐湿信頼性やパッケージクラックに大きく影響を及ぼすことから、ボイドフリーであることが好ましい。以上の経緯から、より高い位置精度の接着剤への要求が高まり、従来のペースト状接着剤の生産性を維持しつつ、厚み精度、位置精度が高く、ボイドの生じにくいフィルム状接着剤が求められていた。また、エリアアレイタイプの半導体パッケージは、マザーボードに実装されたのち、温度サイクル試験のような応力によるダメージを加速する評価を行うと、パッケージ構成材料やマザーボード材料との接合部分が線膨張率の違いで発生する応力によって破壊される問題も発生していることから、接合される異種材料の線膨張率の違いにより発生する応力を抑制する接着剤も求められている。
【0004】
一方、フィルム状接着剤に用いられる接着剤組成物として、特開平5−320610号公報にはフェノキシ樹脂、多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、潜在性硬化剤を必須成分としたものが記載されている。しかしながら、ここに記載されたフィルム状接着剤は、エリアタイプの半導体パッケージに用いた場合、線膨張率が大きいため前記した被着体との関係で応力を抑制する性質が劣るばかりでなく、仮圧着性にも問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、厚み精度、位置精度が高くボイドの発生が極力少ないフィルム状接着剤特性を有することに加え、半導体チップとリードフレーム又は回路基板を接合するような異種物質間の接合時に発生する応力を抑制し、且つ、接着作業時の加工性(仮圧着性)に優れた絶縁性フィルム状接着剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、従来の組成物にシリカを加えた特定の性質を有する組成物が上記問題を解決するのに有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(A)シリカ、(B)フェノキシ樹脂、(C)グリシジルエーテル型エポキシ樹脂及び(D)エポキシ樹脂硬化剤を必須成分とし、組成物中のシリカ含有量が50〜80wt%であり、且つ(B)フェノキシ樹脂/(C)グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の重量比が0.02〜1の範囲であるフィルム状接着剤用組成物であって、このフィルム状接着剤用組成物中の樹脂成分の軟化点が50〜100℃であること、及びこのフィルム状接着剤を硬化物としたとき常温での線膨張率が30(×10 -6 )以下となることを満足するフィルム状接着剤用組成物を、厚さ10〜150μmのフィルム状にしてなることを特徴とするフィルム状接着剤である。ここで、上記シリカは、平均粒径5〜40μmの球状シリカと、平均粒径0.1〜5μmの微粒子球状シリカの混合物であり、全シリカ中に占める微粒子球状シリカの割合が50wt%以下であることが好ましい。更に、本発明は、組成物中の樹脂成分の軟化点が100℃以下である前記フィルム状接着剤である。
【0008】
また、本発明は、フィルム状接着剤用組成物を厚さ10〜150μmのフィルム状にしてなるフィルム状接着剤、及びこれを硬化して得られる常温での線膨張率が30ppm以下であるフィルム状接着剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる(A)シリカは、特に限定されるものではないが、破砕状や球状の溶融シリカ粉末が挙げられる。その中でも平均粒径が5〜40μmの球状シリカと平均粒径が0.1〜5μmの微粒子球状シリカの混合物であることが好ましい。この場合、全球状シリカ中に占める微粒子球状シリカの割合は、50wt%以下であることが好ましく、5〜50wt%の範囲であることがより好ましい。微粒子球状シリカの割合が50wt%より多い場合は、組成物の溶融粘度が増大し、仮圧着特性を低下させる傾向があり、また、微粒子球状シリカの割合が5wt%より少ないとフィルム状接着剤としたときのシートの表面状態が悪くなったり、シート自体がやや脆いものとなったりする傾向がある。微粒子球状シリカ比率が5〜50wt%のときには、幅広い粒度分布となり、安定したフィルム表面性状、フィルム流動性を示す。
【0010】
組成物中のシリカの総使用量は線膨張率低減のためにはできるだけ多いほうがよいが、組成物全体中50〜80wt%の範囲であることが必要である。シリカ含有量が80wt%を超えると、バインダーとして働く樹脂成分の不足による組成物の粘度上昇で脆いフィルム状接着剤となり仮圧着性能を著しく低下させる。シリカ含有量が50wt%未満では、線膨張率が十分に低減できないため、半導体チップとリードフレーム及び回路基板間の応力を抑制する働きが小さいため好ましくない。例えば、パッケージに組み立てられた後の温度サイクル試験(−65〜150℃)等の際に発生する応力に耐えられないケースが生じる。
【0011】
本発明に用いる(B)フェノキシ樹脂は、公知のフェノキシ樹脂を用いることができる。フェノキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールAのようなビスフェノールとエピクロロヒドリンとから得られる通常、分子量が10,000以上の熱可塑性樹脂である。このフェノキシ樹脂は、エポキシ樹脂と構造が類似していることから相溶性がよく、また、接着性もよいという特徴を示す。好ましいフェノキシ樹脂は、主骨格がビスフェノールA型のものであるが、その他にビスフェノールA/F混合型フェノキシ樹脂や臭素化フェノキシ樹脂等市販のフェノキシ樹脂が好ましいものとして挙げられる。
【0012】
本発明に用いる(C)グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、単独あるいは複数の混合物を使用することが可能である。使用できるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラックグリシジルエーテル型、オルソクレゾールノボラックグリシジルエーテル型、フルオレンビスフェノールグリシジルエーテル型、トリアジングリシジルエーテル型、ナフトールグリシジルエーテル型、ナフタレンジオールグリシジルエーテル型、トリフェニルグリシジルエーテル型、テトラフェニルグリシジルエーテル型、ビスフェノールAグリシジルエーテル型、ビスフェノールFグリシジルエーテル型、ビスフェノールADグリシジルエーテル型、ビスフェノールSグリシジルエーテル型、トリメチロールメタングリシジルエーテル型等が例として挙げられる。これらの中でも、分子内に2個以上のグルシジルエーテル基を持つものが好ましい。
【0013】
(C)エポキシ樹脂と(B)フェノキシ樹脂の混合比率は、組み合わせによって変わるが、樹脂成分の混合物の軟化点が、好ましくは100℃以下、更に好ましくは50〜100℃、最も好ましくは65〜90℃の範囲にあるものが、これを本発明のフィルム状接着剤とした場合、優れた仮圧着性を示すことから好ましい。樹脂成分の軟化点が100℃を超える場合は、シートが硬く、脆くなるとともにマイルドな条件での仮圧着が困難になるので好ましくなく、また、軟化点が50℃以下の場合、シート表面にタック性が強く発現してハンドリング性が著しく悪化するとともに、常温保存時にシートが流動するという不具合が発生するので好ましくない。ここで、樹脂成分とは、(C)エポキシ樹脂と(B)フェノキシ樹脂とその他必要により加えられる樹脂(但し、(D)エポキシ樹脂硬化剤を除く)をいい、樹脂成分の軟化点とはこれらを均一な組成物としたときの軟化点をいう。そして、(B)フェノキシ樹脂/(C)エポキシ樹脂で計算される重量比は0.02〜1、好ましくは0.1〜0.7の範囲である。
【0014】
本発明の組成物中の樹脂成分は、エポキシ樹脂とフェノキシ樹脂を主成分とするが、本発明の効果を損なわない範囲であれば他の樹脂成分を少量含有させてもよい。組成物中の樹脂成分中に占めるフェノキシ樹脂の割合は、50wt%以下であることが好ましい。フェノキシ樹脂の割合を50wt%以下とすることで、フイルム状接着剤(接着シート又はシートともいう)としての支持性を持たせることが容易となる。ここで、樹脂成分中フェノキシ樹脂の割合は、10〜50wt%の範囲にあるものが好ましい。フェノキシ樹脂の割合が10wt%未満の場合、シートは脆いものになり、樹脂成分の軟化点も低くなるため、シート単独での支持性が発現しにくく、また、フェノキシ樹脂の割合が、50wt%を超えるとシートが硬くなり、シート単独では割れやすくなる。
【0015】
本発明に用いる(D)エポキシ樹脂硬化剤には、アミン類、酸無水物類、多価フェノール類等の公知の硬化剤を使用することができるが、好ましくは常温以上の所定の温度、例えば前記樹脂成分が必要な粘着性を示す温度以上で硬化性を発揮し、しかも速硬化性を発揮する潜在性硬化剤である。潜在性硬化剤には、ジシアンジアミド、イミダゾール類、ヒドラジド類、三弗化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン塩及びこれらの変性物、更にマイクロカプセル型のものも使用可能である。これらは、単独あるいは2種以上混ぜて使用できる。潜在性硬化剤を使用することで室温での長期保存も可能な保存安定性の高いフィルム接着剤用組成物を提供できる。エポキシ樹脂硬化剤の使用量は、通常、エポキシ樹脂に対して0.5〜50wt%の範囲である。
【0016】
上記で得られた絶縁性フィルム状接着剤組成物中には、他の添加剤として、例えばカップリング剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、応力緩和剤としてブタジエン系ゴムやシリコーンゴム等を含有することも可能である。
【0017】
カップリング剤は、シリカとの界面を補強し高い破壊強度を発現させるとともに接着力向上の目的から好ましい。カップリング剤としては、アミノ基、エポキシ基を含有したものが好ましい。
【0018】
本発明のフィルム状接着剤は、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、MIBKやMEK等のケトン系、モノグライム、ジグライム等のエーテル系の単独又は混合物に本組成物を溶解させたワニスを、離型処理されたPP、PE、PET等の基材(保護フィルム)に塗工し、樹脂混合物の硬化開始温度以下の熱処理を施し、乾燥することで得られる。本発明の組成物から形成されるフィルム状接着剤の厚みは、10〜150μmの範囲であることがよい。
【0019】
本発明の組成物の硬化物又はフィルム状接着剤の硬化物の線膨張率は、常温において30ppm以下であることが好ましい。線膨張率の値が30ppmより高いと、リードフレームや回路基板等との線膨張率の差が大きくなるため、これら被接着物との応力を抑制する効果が低く、製品の一部を破壊させることにつながり好ましくない。リードフレームや回路基板の線膨張率に合わせるためには、10〜20ppmがより好ましい。
【0020】
本発明のフィルム状接着剤は各種の用途に使用され、各種の使用方法で使用可能であるが、次のような使用方法に適する。例えば、基板にチップ等を接着する場合、まず所定の形状、大きさに切断したフィルム状接着剤を、基板の所定位置に配置し、50℃以上に加熱して、0.5〜5kgf/cm2程度の圧をかけて仮圧着させる。この際、フィルムの形状、大きさは可及的に変化しないことがよい。フィルム状接着剤は常温では殆ど粘着性がなく、50℃以上で粘着性を発揮することがよいが、その硬化温度以下で仮圧着する。ボイドの発生を防止するためには、圧力が必要であるが、高すぎるとフィルムの変形等が生じる。フィルム状接着剤を仮圧着したのち、表面側の保護フィルムを剥がし、この上にチップを載せて仮圧着、フィルム状接着剤の硬化を行い、基板とチップを、硬化フィルム状接着剤を介して完全に接着させる。硬化は、硬化温度以上の熱をかけることにより行う。ここでいう仮圧着性が優れるとは、フィルム状接着剤の変形が少ないこと、ボイドの発生が少ないこと、粘着力により所定の接着強度が生じること等をいう。
【0021】
【実施例】
実施例1
YP−50(フェノキシ樹脂、重量平均分子量59,000、Tg約100℃、東都化成社製)20g、YDCN−702(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、軟化点75℃、東都化成社製)50g、YD−127(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成社製)40gを秤量し、80gのMIBKを溶剤として500mlのセパラブルフラスコ中、110℃で2時間加熱攪拌して樹脂ワニスを得た。この溶液190gを800mlのプラネタリーミキサーに秤量し、FB−48(球状シリカ、平均粒径16μm、デンカ社製)240gとSO−C2(微粒子球状シリカ、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)40gを加えて混合したものを3本ロールで混練した。この混合物に、AH−150(ジシアンジアミド、味の素社製)8g、HX−3722(マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤、旭チバ社製)2gを加えてプラネタリーミキサーで攪拌混合後、真空脱泡して混合ワニスを得た。上記混合ワニスを厚さ50μmの離型処理されたPETフィルム上に塗布後、60℃/5分、120℃/5分で熱風乾燥させ、70μm厚の接着シート、すなわちフィルム状接着剤を得た。
【0022】
このフィルム状接着剤の仮圧着性能は、125μmの銅板の上に10×10mmの大きさのフィルム状接着剤を置き、60℃に加熱したヒートブロックをエアシリンダーによって3kg/cm2の圧力で3秒間プレス後、フィルム状接着剤の銅板へ圧着した外観を観察することで評価した。プレス後にフィルム状接着剤が完全に仮圧着できているものを◎(良好)とし、接着不良(未充填)を○とし、流れ出し(流れ)のものを△とし、殆ど圧着できなかったものを×とする4段階評価を行った。
【0023】
シート性状は、接着シート表面状態、離型処理PETフィルムからの剥離性、単独シートでの支持性、柔軟性、脆さ等を観察し、◎(良好)、○ほぼ良好、△やや悪い、×(悪い)の4段階で評価した。
【0024】
樹脂混合物軟化点は、フィルム接着剤作成時の中間品として得られる樹脂ワニスを単独で70℃減圧乾燥でシート化し、溶媒を除去したものを、滴下式軟化点測定装置(Mettler FP83 メトラー製)にて測定した。
【0025】
線膨張率は、フィルム状接着剤を180℃、1時間の硬化条件で圧縮成形した成形物を4×4×10mmの大きさに切削したものを試験片として使用し、熱機械分析装置(TMA SSC5200 セイコー電子製)で、−100〜300℃、昇温速度7℃/分で測定後、10〜30℃の範囲での線膨張率を求めた。
【0026】
以下の例は、組成物の組成を変えた他は、実施例1と同様にしてフィルム状接着剤を製造し、同様にして評価した例である。
【0027】
実施例2
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂として、EPPN−501H(多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、軟化点55℃、日本化薬社製)60g及びYD−127を30g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0028】
実施例3
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂として、ESN−185(ナフタレン系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、軟化点85℃、新日鐵化学社製)50g、YD−127を40g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0029】
実施例4
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂として、YD−127のみを70g、更にフェノキシ樹脂としてYP−50を40g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0030】
実施例5
シリカとして、FB−48を180g、SO−C2を100g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0031】
実施例6
シリカとして、FB−48を300g、SO−C2を50g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0032】
実施例7
シリカとして、FB−48のみを280g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0033】
実施例8
シリカとして、FB−48を130g、SO−C2を150g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0034】
実施例9
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂として、YDCN−702を65g、YD−127を40g使用し、更にフェノキシ樹脂としてYP−50を5g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0035】
実施例10
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としてYDCN−702のみを90g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0036】
比較例1
シリカとして、FB−48を90g、SO−C2を20g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
比較例2
シリカとして、FB−48を600g、SO−C2を100g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
比較例3
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としてYD−127のみを50g、フェノキシ樹脂としてYP−50を60g使用した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
比較例4
シリカを全く使用しない他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
以上の組成及び評価結果をまとめて表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004642173
【0038】
シリカの含有量が70wt%のレベルでは、線膨張率が17〜20ppmとなり、回路基板並みの線膨張率を示した。実施例1〜3ではグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の種類を変えたが、オルソクレゾール型、多官能型、ナフタレン型何れも良好な仮圧着性能、シート性状を示した。特に、ナフタレン型については、他の骨格よりも低い線膨張率であった。実施例1に対して、実施例5、6、7、8ではシリカ配合を変えたが、全量球状シリカを使用するとシート表面の艶が低下し、やや脆いものであった。また、微粒子球状シリカ使用量が50%を超える領域では、シートが硬く、やや脆くなり、銅板との仮圧着評価でも未充填が若干発生した。実施例1と6及び比較例1,2,4では、シリカ使用量を変えたが、シリカ使用量が50wt%以下のときは、仮圧着時の流れ出し、シート表面のベタツキが激しくなり、シートの支持性も無かった。また、80wt%を超える時は、仮圧着できず、シートも脆いものであった。実施例1に対し、実施例4、9、比較例3では樹脂混合物中に占めるフェノキシ樹脂比率を変えたが、10wt%以下の時にはシートが柔らかく支持性が低下し、50wt%を超えるときは、硬くて脆いシートとなり、仮圧着性も未充填が発生した。実施例10、比較例3では樹脂混合物の軟化点を変えたが、100℃を超えた軟化点のときは、未充填がやや発生した。なお、シリカを配合していない比較例4のものは、仮圧着時の流れ出し、シート表面のベタツキが激しくなり、シートの支持性も無く、線膨張率も大きなものとなった。
【0039】
【発明の効果】
本発明のフィルム状接着剤用組成物によって、マイルドな条件で仮圧着が可能な、低線膨張率の半導体チップ接合用フィルム状接着剤を提供することができる。
本発明のフィルム状接着剤用組成物は、半導体チップとリードフレーム、回路基板に近づけた線膨張率を持つことから、半導体チップとリードフレーム、回路基板等の組み合わせのような異種材料の接合時に発生する応力を最小限に留めることが可能になることから、製品の破壊を防止することができる。更に、軟化点を調整した樹脂混合物をバインダーとして使用することで、低温、低圧、短時間のマイルドな条件での仮圧着が可能となり、ペースト材料使用時のディスペンス方式に比べて、生産速度を落とすことなく、かつボイドが発生しにくいので平滑な位置精度の高い接着層を形成することが可能となる。

Claims (3)

  1. (A)シリカ、(B)フェノキシ樹脂、(C)グリシジルエーテル型エポキシ樹脂及び(D)エポキシ樹脂硬化剤を必須成分とし、組成物中のシリカ含有量が50〜80wt%であり、且つ(B)フェノキシ樹脂/(C)グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の重量比が0.02〜1の範囲であるフィルム状接着剤用組成物であって、このフィルム状接着剤用組成物中の樹脂成分の軟化点が50〜100℃であること、及びこのフィルム状接着剤を硬化物としたとき常温での線膨張率が30(×10 -6 )以下となることを満足するフィルム状接着剤用組成物を、厚さ10〜150μmのフィルム状にしてなることを特徴とするフィルム状接着剤。
  2. シリカが、平均粒径5〜40μmの球状シリカと、それより微粒の平均粒径0.1〜5μmの微粒子球状シリカの混合物であり、全シリカ中に占める微粒子球状シリカの割合が5〜50wt%である請求項1記載のフィルム状接着剤。
  3. 請求項1又は2に記載のフィルム状接着剤の硬化物であって常温での線膨張率が30(×10 -6 )以下であるフィルム状接着剤硬化物
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