JP4044349B2 - 薄型フィルム状接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム状接着剤に関するものであり、詳しくは、半導体チップとリードフレーム又は回路基板及び半導体チップと半導体チップを接合するに適した薄型の絶縁性フィルム状接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DIP(Dual In-line Package)、SOP(Small Outline Package)、QFP(Quad Flat Package) 、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Sized Package)に代表される半導体パッケージを構成する材料の中で、半導体チップとリードフレーム又は回路基板を接着するダイボンディング材料は、従来Au−Si共晶合金、はんだ、銀ペースト等が使用されてきた。現在、汎用及び大型のパッケージには生産性、放熱性、大チップ適用性、価格等の総合的な判断から銀ペーストによる接着が主流となっている。銀ペーストは、ディスペンス方式でリードフレーム又は回路基板に塗布し、半導体チップの仮圧着も容易にできることから優れた生産性を示す反面、液状であるために接着厚み精度、塗布位置精度及びボイドレスのコントロールが難しいという問題があった。
【0003】
近年、エリアアレイタイプのチップサイズパッケージが登場し、携帯機器の軽薄短小化に大きく貢献している。しかしながら、このようなパッケージは半導体チップとパッケージの大きさが限りなく近づくことから、半導体チップとリードフレーム及び回路基板を接着するときのフィレットエリアは最小面積が求められるとともに、チップ接着面は完全に接着層に覆われることも同時に要求される。更に、形成された接着層内部のボイドは耐湿信頼性やパッケージクラックに大きく影響を及ぼすことから、ボイドフリーであることが好ましい。以上の経緯から、より高い位置精度の接着剤への要求が高まり、従来のペースト状接着剤の生産性を維持しつつ、厚み精度、位置精度が高く、ボイドの生じにくいフィルム状接着剤が求められていた。また、エリアアレイタイプの半導体パッケージは、マザーボードに実装されたのち、温度サイクル試験のような応力によるダメージを加速する評価を行うと、パッケージ構成材料やマザーボード材料との接合部分が線膨張率の違いで発生する応力によって破壊される問題も発生していることから、接合される異種材料の線膨張率の違いにより発生する応力を抑制する接着剤も求められている。
【0004】
一方、フィルム状接着剤に用いられる接着剤組成物として、特開2001―49220号公報にシリカ、フェノキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を必須成分としたものが記載されている。しかしながら、ここに記載されたフィルム状接着剤は、シート厚みが60μm程度になると、シート表面に粒状異物の存在が確認される。このような粒状異物はフィルムの厚み精度を悪くするとともに、半導体チップとリードフレーム及び回路基板などに接着する際にチップ破損の原因となる可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、厚み精度、位置精度が高くボイドの発生が極力少ないフィルム状接着剤特性を有することに加え、半導体チップとリードフレーム又は回路基板を接合するような異種物質間の接合時に発生する応力を抑制し、あるいはチップとチップ間の同種物質間の接着においても仮圧着性に優れ、表面状異物が存在しない厚み60μm以下の絶縁性フィルム状接着剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、厚みが60μm以下のシリカを含有するフィルム状接着剤を作製する際、シリカを特定のシリカ混合物とし、その最大粒子径をフィルム厚みTに対して、0.8T以下とすることが上記問題を解決するのに有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、樹脂分(A)100重量部に対し、シリカ(B)150〜300重量部を配合してなる熱硬化性樹脂組成物から形成されるフィルム厚み60μm以下の薄型フィルム状接着剤において、樹脂分(A)が熱可塑性樹脂10〜50重量%、熱硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂と硬化剤を50〜90重量%含有し、シリカ(B)が、平均粒子径3〜10μmのシリカ(b1)と平均粒子径0.1〜2μmの微粒子シリカ(b2)の混合物であり、シリカ(B)の最大粒子径がフィルム厚みTに対して0.8T以下であることを特徴とする薄型フィルム状接着剤である。
また、上記薄型フィルム状接着剤において、シリカ(b1)とシリカ(b2)が球状のシリカであり、重量比が95/5〜50/50であることが好ましい。更に、樹脂分(A)をエポキシ樹脂(a1)30〜60重量%、熱可塑性樹脂(a2)10〜50重量%及びエポキシ樹脂硬化剤(a3)30〜50重量%とすることも好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
本発明に用いるシリカ(B)の種類は、特に限定されるものではなく、破砕状や球状の溶融シリカ粉末が例示される。好ましくは、球状のシリカである。シリカは、少なくとも、平均粒子径3〜10μmのシリカ(b1)と平均粒子径0.1〜2μmの微粒子シリカ(b2)の2種の平均粒子径をもつ混合物である。そして、そのシリカ(B)の最大粒子径は製造する接着フィルムの厚みTに対して80%以下とすることが必要である。フィルム厚みTに対して最大粒径が80%以上のシリカを使用すると、フィルム状とした場合に、その表面に粒状異物が生じはじめる。したがって、使用するシリカの最大粒子径は0.8T以下ものであることを必要とする。ここで、平均粒子径は数平均粒子径によるメディアン径を意味し、最大粒子径は実質的に全部(99.9%以上)がその径以下であることを意味する。なお、シリカの粒子径の測定においては、使用するシリカの一部を測定用のサンプルとして採取して測定することになるが、不作為に採取したサンプルの大部分の測定結果が上記要件及び定義を満たせばよい。
【0009】
本発明でいうシリカ(B)についての平均粒子径は、その測定方法に制限されるものではない。すなわち、顕微鏡法、沈降法、光透過法及び光散乱法等の公知の粒子径測定方法であれば、そのいずれの測定値であっても本発明の規定する範囲にあれば本発明の範囲内である。また、最大粒子径も同様にその測定方法に制限されるものではない。
【0010】
接着剤中のシリカの総使用量は線膨張率低減のためにはできるだけ多いほうがよいが、樹脂分(A)100重量部に対し、シリカ(B)150〜300重量部であることが必要である。シリカ含有量が300重量部を超えると、バインダーとして働く樹脂成分の不足による組成物の粘度上昇で脆いフィルム状接着剤となり仮圧着性能を著しく低下させる。シリカ含有量が150重量部未満では、線膨張率が十分に低減できないため、半導体チップとリードフレーム及び回路基板間の応力を抑制する働きが小さいため好ましくない。例えば、パッケージに組み立てられた後の温度サイクル試験(−65〜150℃)等の際に発生する応力に耐えられないケースが生じる。
【0011】
樹脂分(A)には、熱可塑性樹脂を含有することが必要であり、熱可塑性樹脂10〜50重量%、熱硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂と硬化剤を50〜90重量%含有するものである。好ましい樹脂組成は、エポキシ樹脂(a1)、熱可塑性樹脂(a2)及びエポキシ樹脂硬化剤(a3)から構成されるものである。
【0012】
エポキシ樹脂(a1)の好ましいものとしてはグリシジルエーテル型エポキシ樹脂があり、これを単独あるいは複数の混合物として使用することが可能である。使用できるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラックグリシジルエーテル型、オルソクレゾールノボラックグリシジルエーテル型、フルオレンビスフェノールグリシジルエーテル型、トリアジングリシジルエーテル型、ナフトールグリシジルエーテル型、ナフタレンジオールグリシジルエーテル型、トリフェニルグリシジルエーテル型、テトラフェニルグリシジルエーテル型、ビスフェノールAグリシジルエーテル型、ビスフェノールFグリシジルエーテル型、ビスフェノールADグリシジルエーテル型、ビスフェノールSグリシジルエーテル型、トリメチロールメタングリシジルエーテル型等のエポキシ樹脂が例として挙げられる。これらの中でも、分子内に2個以上のグルシジルエーテル基を持つものが好ましい。
【0013】
熱可塑性樹脂(a2)としては、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリスチレン樹脂等の熱可塑性の樹脂が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂と構造が類似していることから相溶性がよく、また接着性もよいという特徴を示すフェノキシ樹脂が好ましい。フェノキシ樹脂を用いる場合は、公知のフェノキシ樹脂を用いることができる。使用するフェノキシ樹脂の好ましい分子量範囲は、重量平均分子量で10,000以上、特に30,000〜70,000の範囲である。好ましいフェノキシ樹脂は、主骨格がビスフェノールA型のものであるが、その他にビスフェノールA/F混合型フェノキシ樹脂や臭素化フェノキシ樹脂等市販のフェノキシ樹脂が好ましい物として挙げられる。
【0014】
エポキシ樹脂硬化剤(a3)としては、アミン類、酸無水物類、多価フェノール類等の汎用の硬化剤や潜在性硬化剤を使用することができる。潜在性硬化剤は、ジシアンジアミド、イミダゾール類、ヒドラジド類、三弗化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン塩及びこれらの変性物、更にマイクロカプセル型のものが使用可能なものとして例示される。特に、常温以上の所定の温度、例えば前記樹脂成分が必要な粘着性を示す温度以上で硬化性を発揮し、しかも速硬化性を発揮する潜在性硬化剤であることが好ましい。潜在性硬化剤を使用することで室温での長期保存も可能な保存安定性の高いフィルム接着剤用組成物を提供できる。エポキシ樹脂硬化剤は、単独あるいは2種以上混ぜて使用できる。
【0015】
樹脂分(A)中の上記(a1)〜(a3)各成分の好ましい配合割合は、エポキシ樹脂(a1)30〜60重量%、熱可塑性樹脂(a2)10〜50重量%及びエポキシ樹脂硬化剤(a3)20〜50重量%である。フィルム状接着剤としての可とう性や接着性及びハンドリング性などのフィルム特性を考慮するとエポキシ樹脂や熱可塑性樹脂は上記範囲にあることが好ましい。各成分の量が上記範囲にないとワニス時の相分離やフィルム時における接着力の低下やタック性の悪化が生じ、また、硬化物にあっては強度や弾性率が所望のものが得られない。
【0016】
上記組成物中には、他の添加剤として、例えばカップリング剤、レベリング剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、応力緩和剤としてブタジエン系ゴムやシリコーンゴム等を含有することも可能である。
【0017】
カップリング剤は、シリカとの界面を補強し高い破壊強度を発現させるとともに接着力向上の目的から好ましい。カップリング剤としては、アミノ基、エポキシ基を含有したものが好ましい。
【0018】
本発明のフィルム状接着剤は、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン(MIBK)やメチルエチルケトン(MEK)等のケトン系、モノグライム、ジグライム等のエーテル系の単独又は混合物に上記樹脂分とシリカを混合したワニスを、離型処理されたPP、PE、PET等の基材(保護フィルム)に塗工し、樹脂混合物の硬化開始温度以下の熱処理を施し、乾燥することで得られる。ここで、ワニス作製後一定条件下で静置させることで、フィラーと樹脂の界面のなじみをよくすることができる。詳しくは、まず、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、熱可塑性樹脂、シリカ及び溶剤を混合した樹脂ワニスを調整、混練する。混練は3本ロール等の任意の混練手段を用い、常温で行うことができる。その後、密閉容器にて15日以上、冷蔵条件下(10℃以下)で静置させることが好ましい。そして、このように調整された樹脂ワニスは必要に応じ、硬化触媒や他の添加剤を添加し、接着フィルムの形成のための原料とすることができる。本発明のフィルム状接着剤の厚みは、60μm以下、好ましくは20〜60μmの範囲であることがよい。
【0019】
なお、本発明のフィルム状接着剤は、上記樹脂分(A)とシリカ(B)を事前に用意し、これを混合して得られるものに限定されない。例えば、樹脂分(A)を構成する成分及びシリカ(B)を構成する成分又はその他の添加剤を、一回で混合して接着剤としてもよく、二回以上で混合して接着剤としてもよく、二回以上で混合する場合は任意の順番で混合してもよい。また、事前に樹脂分(A)を構成する成分の一部とびシリカ(B)を構成する成分の一部とを混合するなどして接着剤としてもよい。また、本発明のフィルム状接着剤は、上記樹脂分(A)とシリカ(B)の他に上記のような添加剤及び溶剤を含みうるが、固形物(乾燥又は硬化後に残存する成分であり、溶剤を除く)中に、樹脂分(A)とシリカ(B)を95wt%以上、好ましくは98wt%以上含むことが有利である。
【0020】
本発明のフィルム状接着剤は各種の用途に使用され、各種の使用方法で使用可能であるが、次のような使用方法に適する。例えば、基板にチップ等を接着する場合、まず所定の形状、大きさに切断したフィルム状接着剤を、基板の所定位置に配置し、50℃以上に加熱して、50〜500kPa・Gauge程度の圧をかけて仮圧着させる。この際、フィルムの形状、大きさは可及的に変化しないことがよい。フィルム状接着剤は常温では殆ど粘着性がなく、50℃以上で粘着性を発揮することがよいが、その硬化温度以下で仮圧着する。ボイドの発生を防止するためには、圧力が必要であるが、高すぎるとフィルムの変形等が生じる。フィルム状接着剤を仮圧着したのち、表面側の保護フィルムを剥がし、この上にチップを載せて仮圧着、フィルム状接着剤の硬化を行い、基板とチップを、硬化フィルム状接着剤を介して完全に接着させる。硬化は、硬化温度以上の熱をかけることにより行う。ここでいう仮圧着性が優れるとは、フィルム状接着剤の変形が少ないこと、ボイドの発生が少ないこと、粘着力により所定の接着強度が生じること等をいう。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお、実施例中使用したシリカ(B)は下記の球状シリカを使用した。また、その平均粒子径、最大粒子径の値は、光散乱法によって得られた値である。
シリカC:平均粒子径5.0μm、最大粒子径24μm以上カットの球状シリカ
シリカD:平均粒子径0.5μm、最大粒子径0.6μmの微粒子球状シリカ
シリカE:平均粒子径6μm、最大粒子径48μmの球状シリカ
シリカF:平均粒子径17μm、最大粒子径48μmの球状シリカ
【0022】
実施例1
熱硬化樹脂分として、エピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製)28g、ZX-1059(ビスフェノールA型とビスフェノールF型エポキシ樹脂の等量混合物;東都化成社製)27g、PKHP-200(重量平均分子量58000のフェノキシ樹脂;インケム社製)16gを準備し、この樹脂分と共に溶剤として40gのMIBKを使用してフラスコ中、140℃で2hr加熱攪拌して樹脂ワニスを得た。
また、SN-170(フェノール樹脂;新日鐵化学社製)47gを装入し100℃で溶解させた後、23.5gのMIBKを投入し、100℃で1hr時間撹拌して、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液と樹脂ワニスの全量をプラネタリーミキサーに装入し、シリカC256gとシリカD28.5gを加えて撹拌混合した。次に、これを3本ロールで更に混練した。この混合物に、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤1gを加えてプラネタリーミキサーで攪拌混合後、真空脱泡して混合ワニスを得た(A法)。
上記A法で作製した混合ワニスを厚さ50μmの離型処理されたPETフィルム上に塗布後、熱風乾燥(80℃:16分及び150℃:1分)し、50μm厚の接着シート、すなわちフィルム状接着剤を得た。
【0023】
フィルム性状は、接着フィルムの表面状態、ハンドリングの目安となる柔軟性及び脆さを観察し、◎良好、○やや良好、△やや悪い、×悪いの4段階で評価した。
【0024】
上記A法の別法として、3本ロール混練後、樹脂とフィラーのなじみを良くする目的で15〜20日間冷蔵保存し、その後、A法と同様に潜在性硬化剤を加えてプラネタリーミキサーで撹拌混合後、真空脱泡して混合ワニスを得る実験を行った(B法)。以下の例は、シリカの種類、フィルム厚み又はA法とB法を変えた他は、実施例1と同様にしてフィルム状接着剤を製造し、同様にして評価した例である。
【0025】
実施例2
B法を採用し、シリカとして、シリカC及びシリカDを使用し、3本ロール混練後、15日間冷蔵保存した他は、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0026】
実施例3
シリカとして、シリカC、シリカDを使用し、実施例1と同様にして30μm厚の接着シートを製造し、評価した。
【0027】
実施例4
シリカとして、シリカC、シリカDを使用し、3本ロール混練後、B法に準じ15日間保存し、実施例1と同様にして30μm厚の接着シートを製造し、評価した。
【0028】
比較例1
シリカとして、シリカE、シリカDを使用し、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0029】
比較例2
シリカとしてシリカF、シリカDを使用し、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0030】
比較例3
シリカとしてシリカCのみを使用し、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
【0031】
比較例4
シリカとしてシリカDのみを使用し、実施例1と同様にして接着シートを製造し、評価した。
以上のフィルム状接着剤について、単独シート支持性、柔軟性、脆さ及び表面状態の外観目視の評価結果をまとめて表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
シリカCとシリカDを併用した実施例1〜4の系ではフィルム特性もよく、表面状態も優れている。特に、B法で作製したものはA法で作製したものよりもクレーターと呼ばれるはじき状の部分が改善された。シリカCのみを使用した比較例3では外観目視では異物のない滑らかな表面が得られているが、シート性状が硬く、脆いものとなった。また、シリカDのみを使用した比較例4においては、比較例3と同様フィルム性状が硬くなっており、表面にもシリカ微粒子の凝集体に起因すると思われる異物が多数存在している。
【0034】
【発明の効果】
本発明の薄型フィルム状接着剤によって、パッケージの軽薄短小化に貢献すると共に、スタックド構造などのパッケージにおいても有利である。更に、マイルドな条件での仮圧着が可能であり、低線膨張率の特性を持ち合わせている半導体チップ接合用フィルム状接着剤として優れる。また、本発明の薄型フィルム状接着剤は均一な表面状態を持つことから、ペースト材料使用時のディスペンス方式に比べて、生産速度を落とすことなく、かつボイドが発生しにくいので平滑な位置精度の高い接着層を形成することが可能となる。
Claims (3)
- 樹脂分(A)100重量部に対し、シリカ(B)150〜300重量部を配合してなる熱硬化性樹脂組成物から形成されるフィルム厚み60μm以下の薄型フィルム状接着剤において、樹脂分(A)が熱可塑性樹脂10〜50重量%、熱硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂と硬化剤を50〜90重量%含有し、シリカ(B)が、平均粒子径3〜10μmのシリカ(b1)と平均粒子径0.1〜2μmの微粒子シリカ(b2)の混合物であり、シリカ(B)の最大粒子径がフィルム厚みTに対して0.8T以下であることを特徴とする薄型フィルム状接着剤。
- シリカ(B)が、球状のシリカ(b1)と球状のシリカ(b2)の混合物であり、(b1)/(b2)の重量比が95/5〜50/50である請求項1記載の薄型フィルム状接着剤。
- 樹脂分(A)が、エポキシ樹脂(a1)30〜60重量%、熱可塑性樹脂(a2)10〜50重量%及びエポキシ樹脂硬化剤(a3)30〜50重量%からなる請求項1又は2記載の薄型フィルム状接着剤。
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