JP2021024963A - 半導体用接着剤、それを用いた半導体用接着剤フィルムの製造方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接続性を確保しつつ、低反り化を図れる半導体用接着剤、それを用いた半導体用接着剤フィルムの製造方法及び半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】 重量平均分子量が10000未満の硬化性樹脂と、硬化剤と、ユークリプタイトと、を含有する半導体用接着剤。前記ユークリプタイトのメジアン径(D50)が、20μm以下であると好ましい。更に、重量平均分子量が10000以上の高分子量樹脂を含有すると好ましい。前記の半導体用接着剤を有機溶媒に溶解又は分散させて樹脂ワニスを調製し、基材上に塗布し、乾燥する工程を有する半導体用接着剤フィルムの製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体用接着剤、それを用いた半導体用接着剤フィルムの製造方法及び半導体装置の製造方法に関する。
従来、半導体チップと基板とを接続するには金ワイヤ等の金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されてきたが、半導体装置に対する高機能・高集積・高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板間で直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
フリップチップ接続方式としては、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法、超音波振動を印加して金属接合させる方法、樹脂の収縮力によって機械的接触を保持する方法などが知られているが、接続部の信頼性の観点から、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法が一般的である。
例えば、半導体チップと基板間の接続においては、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もフリップチップ接続方式である。また、フリップチップ接続方式は、半導体チップ上にバンプ又は配線を形成して、半導体チップ間で接続するCOC(Chip On Chip)型の接続方式にも広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
更なる小型化、薄型化、高機能化が強く要求されたパッケージでは、上述した接続方式を積層・多段化したチップスタック型パッケージ、POP(Package On Package)、TSV(Through−Silicon Via)等も広く普及し始めている。平面状でなく立体状に配置することでパッケージを小さくできることから、これらの技術は多用され、半導体の性能向上及びノイズ低減、実装面積の削減、省電力化にも有効であり、次世代の半導体配線技術として注目されている。
生産性向上の観点から、ウエハ上に半導体チップを圧着(接続)した後に個片化して半導体パッケージを作製するCOW(Chip On Wafer)、ウエハ同士を圧着(接続)した後に個片化して半導体パッケージを作製するWOW(Wafer On Wafer)も注目されている。更に、同様の観点から、ウエハ上又はマップ基板上に複数のチップを位置合わせして仮圧着した後、これら複数のチップを一括で本圧着して接続を確保するギャングボンディング方式も注目されている。
特開2008−294382号公報
フリップチップパッケージでは、チップと半導体用接着剤やチップと基板との熱膨張率の差によって、パッケージに反りが発生する場合がある。上述したパッケージの小型化、薄型化に伴い、パッケージの反りが起こりやすくなっている。
また、上述した積層・多段化したチップスタック型パッケージでも、一段と比べて、反りが大きくなりやすい。
この反りによって、オーバーモールドが行いにくいことやパッケージの接続不良が発生する。そのため、特性面に加えて生産性からも、パッケージの低反り化が強く求められている。
ここで、パッケージの低反り化を図る手段として、半導体用接着剤に必要な特性には、低熱膨張化が挙げられる。低熱膨張化させる手法として、従来、半導体用接着剤に無機フィラーを添加する方法が知られている。しかし、無機フィラーを添加すると接続性が低下する傾向があり、接続性が低下することなく、低反り化を図ることが困難である。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、接続性を確保しつつ、低反り化を図れる半導体用接着剤、並びに該半導体用接着剤を用いた半導体用接着剤フィルムの製造方法及びその接着フィルムを用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記[1]〜[6]を提供する。
[1] 重量平均分子量が10000未満の硬化性樹脂と、硬化剤と、ユークリプタイトと、を含有する半導体用接着剤。
[2] 前記、ユークリプタイトのメジアン径(D50)が、20μm以下である、上記[1]に記載の半導体用接着剤。
[3] 更に、重量平均分子量が10000以上の高分子量樹脂を含有する、上記[1]又は[2]に記載の半導体用接着剤。
[4] 前記高分子量樹脂の重量平均分子量が、30000以上であり、前記高分子量樹脂のガラス転移温度が100℃以下である、上記[3]に記載の半導体用接着剤。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の半導体用接着剤を有機溶媒に溶解又は分散させて樹脂ワニスを調製し、基材上に塗布し、乾燥する工程を有する半導体用接着剤フィルムの製造方法。
[6] 半導体チップと、基板又は他の半導体チップと、これらの間に介在する上記[5]に記載の半導体用接着剤フィルムの製造方法により得られる半導体用接着剤フィルムとを備え、前記半導体チップ、前記基板、及び前記他の半導体チップのそれぞれが金属材料によって形成された表面を有する接続部を有し、前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とが金属接合によって電気的に接続されている、半導体装置の製造方法であって、前記半導体チップと、前記基板又は前記他の半導体チップと、これらの間に配置された前記半導体用接着剤フィルムとを有し、前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とが対向配置されている積層体を、対向する一対の仮圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより前記半導体チップに前記基板又は前記他の半導体チップを仮圧着する工程と、更に対向する一対の本圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程と、をこの順に備え、前記一対の仮圧着用押圧部材のうち少なくとも一方が、前記積層体を加熱及び加圧する時に、前記半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、及び前記基板又は前記他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱され、前記一対の本圧着用押圧部材のうち少なくとも一方が、前記積層体を加熱及び加圧する時に、前記半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は前記基板若しくは前記他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される半導体装置の製造方法。
本発明の半導体用接着剤によれば、接続性を確保しつつ、低反り化を図れる半導体用接着剤フィルムと、そのフィルムを用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。
半導体チップに基板を仮圧着する工程の一例を示す工程図である。 半導体チップの接続部と基板の接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程の一例を示す工程図である。 半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書に記載される数値範囲の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。実施例に記載される数値も、数値範囲の上限値又は下限値として用いることができる。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はそれに対応するメタクリルを意味する。
<半導体装置の製造方法>
図1は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体チップに基板を仮圧着する工程の一例を示す工程図である。
まず、図1の(a)に示されるように、半導体チップ本体10、及び接続部としてのバンプ30を有する半導体チップ1を、基板本体20、及び接続部としての配線16を有する基板2に、これらの間に接着剤層40(半導体用接着剤、半導体用接着剤フィルム)を配置しながら重ねあわせて、積層体3を形成させる。半導体チップ1は、半導体ウエハのダイシングによって形成された後、ピックアップされて基板2上まで搬送され、接続部としてのバンプ30と配線16とが対向配置されるように、位置合わせされる。積層体3は、対向配置された一対の仮圧着用押圧部材としての圧着ヘッド41及びステージ42を有する押圧装置43のステージ42上で形成される。バンプ30は、半導体チップ本体10上に設けられた配線15上に設けられている。基板2の配線16は、基板本体20上の所定の位置に設けられている。バンプ30及び配線16は、それぞれ、金属材料によって形成された表面を有する。
接着剤層40は、予め準備された半導体用接着剤フィルムを基板2に貼り付けることによって形成された層であってもよい。又は、接着剤層40は、予め準備された半導体用接着剤フィルムを半導体チップ1のバンプ30側に貼り付けることによって形成された層であってもよい。半導体用接着剤フィルムは、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって貼り付けることができる。半導体用接着剤フィルムの供給面積及び厚みは、半導体チップ1又は基板2のサイズ、接続部の高さ等に応じて適宜設定される。前記のように半導体用接着剤フィルムは半導体チップ1に貼付してもよい。半導体用接着剤フィルムを半導体ウエハに貼付し、その後、半導体ウエハをダイシングして半導体ウエハを個片化することによって、半導体用接着剤フィルムが貼付された半導体チップ1を作製してもよい。
続いて、図1の(b)に示されるように、積層体3を、仮圧着用押圧部材としてのステージ42及び圧着ヘッド41で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより半導体チップ1に基板2を仮圧着する。図1の実施形態の場合、圧着ヘッド41は、積層体3の半導体チップ1側に配置され、ステージ42は、積層体3の基板2側に配置されている。
ステージ42及び圧着ヘッド41のうち少なくとも一方が、仮圧着のために積層体3を加熱及び加圧する時に、半導体チップ1の接続部としてのバンプ30の表面を形成している金属材料の融点、及び基板2の接続部としての配線16の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱される。
半導体チップ1に基板2を仮圧着する工程では、半導体チップをピックアップする際に熱が半導体チップ等へ転写しないように、仮圧着用押圧部材が低温であることが好ましい。仮圧着のための加熱及び加圧の時には、巻き込み時のボイドを排除できるように接着剤層の流動性を高めるために、仮圧着用押圧部材がある程度高温であることが好ましい。また、冷却時間を短縮するため、半導体チップをピックアップする時の押圧部材の温度と仮圧着する時の押圧部材の温度との差は小さい方が好ましい。この温度差は100℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。この温度差は一定であることが好ましい。温度差が100℃を超える場合は、仮圧着用押圧部材の冷却にかかる時間が長くなりやすいため、生産性が低下しやすい。
仮圧着用押圧部材の温度は、接着剤層の反応開始温度よりも低い温度であることが好ましい。反応開始温度とは、DSC(示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry)、パーキンエルマー社製、DSC−Pyirs1)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気又は窒素の条件で測定したときのOn−set温度をいう。
以上の観点から、ステージ42又は圧着ヘッド41の温度は、半導体チップをピックアップする間は例えば30℃以上130℃以下で、仮圧着のために積層体3を加熱及び加圧する間は例えば50℃以上150℃以下であってもよい。
仮圧着のために仮圧着用押圧部材が加熱される温度T(積層体を加熱及び加圧する時の仮圧着用押圧部材の温度)において、接着剤層の溶融粘度は、7000Pa・s以下であると好ましい。ここで、「溶融粘度」とは、レオメーター(株式会社アントンパール・ジャパン製、MCR301)にて、サンプル厚み:400μm、昇温速度10℃/分、周波数:1Hzの条件で、測定治具(ディスポーザブルプレート(直径8mm)及びディスポーザブルサンプルディッシュ)を用いて測定したときの温度Tにおける溶融状態の接着剤層の粘度をいう。
仮圧着のために仮圧着用押圧部材が加熱される温度Tは、接着剤層の反応開始温度以下で、接着剤層の粘度が最も低く、樹脂が流動しやすい温度であることが好ましい。ただし、粘度が低すぎると樹脂がチップ側面を這い上がり、圧着用押圧部材に付着し、生産性を低下させる場合がある。そのため、仮圧着する工程において、接着剤層の溶融粘度は、仮圧着のために仮圧着用押圧部材が加熱される温度Tにおいて、1000Pa・s以上であることが好ましい。
仮圧着用押圧部材を用いて仮圧着する際の荷重は、半導体チップ間又は半導体チップ−基板間のボイドを排除して、それぞれの接続部を互いに充分に接触させる観点から、例えば、半導体チップの1ピン(1バンプ)あたり0.009〜0.2Nが好ましい。
図2は、半導体チップの接続部と基板の接続部とを金属接合によって電気的に接続する本圧着の工程の一例を示す工程図である。
図2の(a)及び(b)に示されるように、押圧装置43とは別に準備された、本圧着用押圧部材としてのステージ45及び圧着ヘッド44を有する押圧装置46を用いて、積層体3を更に加熱及び加圧する。積層体3を、ステージ45及び圧着ヘッド44で挟むことによって加熱及び加圧し、それによりバンプ30と配線16とを金属接合によって電気的に接続する。図2の実施形態の場合、圧着ヘッド44は、積層体3の半導体チップ1側に配置され、ステージ45は、積層体3の基板2側に配置されている。
ステージ45及び圧着ヘッド44のうち少なくとも一方が、積層体3を加熱及び加圧する時に、半導体チップ1の接続部としてのバンプ30の表面を形成している金属材料の融点、又は基板2の接続部としての配線16の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される。
ステージ45又は圧着ヘッド44の温度は、複数の積層体3を順次加熱及び加圧することを繰り返して複数の半導体装置を連続的に製造する間、一定以上の温度に維持されてもよい。装置を一定の範囲の温度に維持することで、冷却時間が必要なく生産性がより向上する。ステージ45又は圧着ヘッド44の温度は、外気及び半導体チップに接触する際に熱が逃げ、僅かに変動することがあるが、±10℃以下であれば変動しても問題はない。ステージ45又は圧着ヘッド44の温度は、接続部の金属材料がはんだを含む場合は、230℃以上、330℃以下が好ましい。温度が230℃未満であると接続部のはんだが溶融せず、充分な金属結合が形成されない場合があり、温度が330℃を超えると、ボイドが発生しやすく、はんだが飛散しやすくなる。
ステージ45又は圧着ヘッド44の温度は、積層体を加熱及び加圧する時に、接着剤層の反応開始温度よりも高温であることが好ましい。本圧着中に接着剤層の硬化を促進することでボイド抑制及び接続性が向上する。
図1及び図2の実施形態では、半導体チップと基板とを圧着する工程の例を示したが、半導体装置を製造する方法は、半導体チップ同士を互いに圧着する工程を含んでいてもよい。半導体チップ同士をバンプの融点以上の温度で加熱しながら押し付けて(接続部にはんだを用いる場合は、はんだ部分に250℃以上かかることが好ましい)、半導体チップ間を接続すると共に、半導体用接着剤フィルムによって半導体チップ間の空隙を封止充てんする。接続荷重は、バンプ数に依存するが、バンプの高さばらつき吸収、及びバンプ変形量の制御を考慮して設定される。接続時間は、生産性向上の観点から、短時間であるほど好ましく、はんだを溶融させ、酸化膜及び表面の不純物を除去し、金属接合を接続部に形成することが好ましい。
仮圧着にかかる圧着時間及び本圧着にかかる接続時間(圧着時間)は、生産性向上の観点から、短時間であることが好ましい。短時間の接続時間(圧着時間)とは、接続形成(本圧着)中に接続部が230℃以上に加熱される時間(例えば、はんだ使用時の時間)が5秒以下であることをいう。接続時間は、4秒以下が好ましく、3秒以下がより好ましい。また、各圧着時間が冷却時間よりも短時間であると、より本発明の製造方法の効果が発現する。
仮圧着用又は本圧着用の押圧装置としては、フリップチップボンダー、加圧オーブン等を用いることができる。
仮圧着及び本圧着では、複数のチップを圧着してもよい。例えば、平面的に複数のチップを圧着するギャングボンディングでは、ウエハ又はマップ基板に複数の半導体チップを一つずつ仮圧着し、その後、一括で複数のチップを本圧着してもよい。
TSV構造のパッケージで多く見られるスタック圧着では、立体的に複数のチップを圧着する。この場合も複数の半導体チップを一つずつ積み重ねて仮圧着し、その後、一括で複数のチップを本圧着してもよい。
<半導体装置>
本実施形態に係る半導体装置の製造方法によって得られる半導体装置について説明する。本実施形態に係る半導体装置における接続部は、バンプと配線との金属接合、及び、バンプとバンプとの金属接合のいずれでもよい。本実施形態に係る半導体装置では、例えば、接着剤層を介して電気的な接続を得るフリップチップ接続を用いることができる。
図3は、半導体装置の一実施形態(半導体チップ及び基板のCOB型の接続態様)を示す模式断面図である。図3の(a)に示す半導体装置100は、半導体チップ1と基板(配線回路基板)2と、これらの間に介在する接着剤層40(半導体用接着剤、半導体用接着剤フィルム)とを備える。半導体装置100の場合、半導体チップ1は、半導体チップ本体10と、半導体チップ本体10の基板2側の面上に配置された配線15と、配線15上に配置された接続部としてのバンプ30とを有する。基板2は、基板本体20と、基板本体20の半導体チップ1側の面上に配置された接続部としての配線16とを有する。半導体チップ1のバンプ30と、基板2の配線16とは、金属接合によって電気的に接続されている。半導体チップ1及び基板2は、配線16及びバンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15,16及びバンプ30は、接着剤層40により封止されることで、外部環境から遮断されている。
図3の(b)に示す半導体装置200は、半導体チップ1と、基板2と、これらの間に介在する接着剤層40(半導体用接着剤、半導体用接着剤フィルム)とを備える。半導体装置200の場合、半導体チップ1は、接続部として、半導体チップ1の基板2側の面に配置されたバンプ32を有する。基板2は、接続部として、基板2の半導体チップ1側の面に配置されたバンプ33を有する。半導体チップ1のバンプ32と、基板2のバンプ33とは、金属接合によって電気的に接続されている。半導体チップ1及び基板2は、バンプ32,33によりフリップチップ接続されている。バンプ32,33は、接着剤層40により封止されることで、外部環境から遮断されている。
図4は、半導体装置の他の実施形態(半導体チップ同士のCOC型の接続態様)を示す模式断面図である。図4の(a)に示す半導体装置300の構成は、2つの半導体チップ1が配線15及びバンプ30を介してフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図4の(b)に示す半導体装置400の構成は、2つの半導体チップ1がバンプ32を介してフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置200と同様である。
図3及び4において、配線15、バンプ32等の接続部は、パッドと呼ばれる金属膜(例えば、金めっき)であってもよく、ポスト電極(例えば、銅ピラー)であってもよい。例えば、図4の(b)において、一方の半導体チップが接続部として銅ピラー及び接続バンプ(はんだ:スズ−銀)を有し、他方の半導体チップが接続部として金めっきを有する態様では、接続部が、接続部の金属材料のうち最も融点が低いはんだの融点以上の温度に達すれば、はんだが溶融して接続部間に金属接合が形成され、接続部間の電気的な接続が可能となる。
半導体チップ本体10としては、特に制限はなく、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体などの各種半導体を用いることができる。
基板2としては、配線回路基板であれば特に制限はなく、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分とする絶縁基板の表面に形成された金属層の不要な箇所をエッチング除去して配線(配線パターン)が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線(配線パターン)が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線(配線パターン)が形成された回路基板などを用いることができる。
配線15及び16、バンプ30、バンプ32及び33(導電性突起)等の接続部の材質としては、主成分として、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等が用いられ、単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、これらの金属が積層された構造をなすように形成されていてもよい。銅、はんだは安価であることから好ましい。接続信頼性の向上及び反り抑制の観点から、はんだがより好ましい。
パッドの材質としては、主成分として、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等が用いられ、単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、これらの金属が積層された構造をなすように形成されていてもよい。接続信頼性の観点から、金及びはんだが好ましい。
配線15,16(配線パターン)の表面には、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を主成分とする金属層が形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。銅、はんだは安価であることから好ましい。接続信頼性の向上及び反り抑制の観点から、はんだがより好ましい。
図3又は図4に示すような半導体装置(パッケージ)を積層して、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等で電気的に接続してもよい。銅、はんだは安価であることから好ましい。例えば、TSV技術で見られるような、接着剤層を半導体チップ間に介して、フリップチップ接続又は積層し、半導体チップを貫通する孔を形成し、パターン面の電極とつなげてもよい。
図5は、半導体装置の他の実施形態(半導体チップ積層型の態様(TSV))を示す模式断面図である。図5に示す半導体装置500では、基板としてのインターポーザー本体50上に形成された配線15が半導体チップ1のバンプ30と接続されることにより、半導体チップ1とインターポーザー5とがフリップチップ接続されている。半導体チップ1とインターポーザー5との間には接着剤層40(半導体用接着剤、半導体用接着剤フィルム)が介在している。上記半導体チップ1におけるインターポーザー5と反対側の表面上に、配線15、バンプ30及び接着剤層40を介して半導体チップ1が繰り返し積層されている。半導体チップ1の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ本体10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。
このようなTSV技術により、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することができる。更には、半導体チップ1内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ1間、並びに、半導体チップ1及びインターポーザー5間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。本実施形態に係る接着剤層は、このようなTSV技術において、対向する半導体チップ1間、並びに、半導体チップ1及びインターポーザー5間の封止材料として適用することができる。
エリアバンプチップ技術等の自由度の高いバンプ形成方法では、インターポーザーを介さないでそのまま半導体チップをマザーボードに直接実装できる。本実施形態に係る接着剤層は、このような半導体チップをマザーボードに直接実装する場合にも適用することができる。なお、本実施形態に係る接着剤層は、2つの配線回路基板を積層する場合に、基板間の空隙を封止する際にも適用することができる。
<半導体用接着剤>
接着剤層は、重量平均分子量が10000未満の硬化性樹脂と、硬化剤と、ユークリプタイトと、を含有する半導体用接着剤によって形成された層である。
((a)硬化性樹脂)
硬化性樹脂は、加熱により架橋構造を形成し得る化合物である。硬化性樹脂は、重量平均分子量が10000以下の分子量を有する。分子量が小さい成分は加熱時に分解等してボイドの原因となるため、耐熱性の観点から、硬化性樹脂としては、硬化剤と反応して架橋構造を形成する化合物が好ましい。硬化性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル化合物及びエポキシ樹脂が挙げられる。
(a1)(メタ)アクリル化合物
(メタ)アクリル化合物は、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に制限されない。(メタ)アクリル化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル、ビフェニル、トリフェニルメタン、ジシクロペンタジエン、フルオレン、アダマンタン及びイソシアヌル酸から選ばれる化合物に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート、並びに各種多官能(メタ)アクリル化合物が挙げられる。その中でも、耐熱性の観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレン、フルオレン、アダマンタン及びイソシアヌル酸から選ばれる化合物に由来する骨格を有する(メタ)アクリレートが好ましい。アクリル樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル化合物としては、例えば、一官能(メタ)アクリレート、二官能(メタ)アクリレート、及び、少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
一官能(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
二官能(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート等の、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物などが挙げられる。
(メタ)アクリル化合物の含有量は、半導体用接着剤の全量100質量部に対して、10〜50質量部が好ましく、15〜40質量部がより好ましい。(メタ)アクリル化合物の含有量が10質量部未満であると、硬化成分が少ないため、硬化後も樹脂の流動を充分に制御することが難しくなる傾向がある。(メタ)アクリル化合物の含有量が50質量部を超えると、硬化物が硬くなりすぎてパッケージの反りが大きくなる傾向がある。
(メタ)アクリル化合物は、室温(25℃)で固形であることが好ましい。液状に比べて固形の方が、ボイドが発生しにくく、また、硬化前(Bステージ)の半導体用接着剤の粘性(タック)が小さく、取り扱い性に優れる。室温(25℃)で固形であるアクリル樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、フルオレン、アダマンタン及びイソシアヌル酸から選ばれる化合物に由来する骨格を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル化合物における(メタ)アクリロイル基の官能基数は、3以下が好ましい。官能基数が4以上であると、官能基数が多いため短時間での硬化が充分に進行せず、硬化反応率が低下する(硬化のネットワークが急速に進み、未反応基が残存する)場合がある。
(a2)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型及びジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、並びに各種多官能エポキシ樹脂が挙げられる。その中でも、速硬化性及び耐熱性の観点から、ビスフェノールF型及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂の含有量は、半導体用接着剤の全量100質量部に対して、10〜50質量部が好ましい。エポキシ樹脂の含有量が10質量部未満であると、硬化成分が少ないため、硬化後も樹脂の流動を充分に制御することが難しくなる傾向がある。エポキシ樹脂の含有量が50質量部を超えると、硬化物が硬くなりすぎてパッケージの反りが大きくなる傾向がある。
((b)硬化剤)
硬化剤は、硬化性樹脂と反応して、硬化性樹脂とともに架橋構造を形成する化合物であれば特に制限されない。硬化剤としては、例えば、硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ホスフィン系硬化剤が、硬化性樹脂が(メタ)アクリル化合物の場合、アゾ化合物及び有機過酸化物が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化性樹脂と硬化剤との組み合わせは、硬化が進行すれば特に制限されない。(メタ)アクリル化合物と組み合わせる硬化剤としては、取り扱い性及び保存安定性の観点から、有機過酸化物が好ましい。エポキシ樹脂と組み合わせる硬化剤としては、取り扱い性、保存安定性及び硬化性に優れる観点から、フェノール樹脂系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、及びイミダゾール系硬化剤単独が好ましい。その中でも、短時間で硬化すると生産性が向上することから、速硬化性に優れたイミダゾール系硬化剤を単独で用いることがより好ましい。短時間で硬化すると、低分子成分等の揮発分の量を減少できることから、ボイドの発生をより抑制することができる。
(b1)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤は、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限されない。フェノール樹脂系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール及び各種多官能フェノール樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール性水酸基/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。この当量比が0.3以上であると、硬化性が向上して接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると、未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられて、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(b2)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物基/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。この当量比が0.3以上であると、硬化性が向上して接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると、未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられて、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(b3)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、ドデカンジアミン、ポリアミノアミド、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。この当量比が0.3以上であると、硬化性が向上して接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると、未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(b4)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及び、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。これらの中でも、硬化性、保存安定性及び接続信頼性に優れる観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤として用いてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。この含有量が0.1質量部以上であると、硬化性が向上する傾向があり、20質量部以下であると、金属接合が形成される前に半導体用接着剤が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
(b5)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。この含有量が0.1質量部以上であると、硬化性が向上する傾向があり、10質量部以下であると、金属接合が形成される前に半導体用接着剤が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
(b6)アゾ化合物
アゾ化合物としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(V−40)が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アゾ化合物の含有量は、(メタ)アクリル化合物100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。含有量が0.5質量部未満の場合、充分に硬化が進行しない場合があり、含有量が10質量部を超える場合、硬化が急激に進行して反応点が多くなるため、分子鎖が短くなったり、未反応基が残存したりして信頼性が低下しやすい傾向がある。
(b7)有機過酸化物
有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネイト、パーオキシエステル等が挙げられる。有機過酸化物としては、保存安定性の観点から、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド及びパーオキシエステルが好ましい。更に、有機過酸化物としては、耐熱性の観点から、ハイドロパーオキサイド及びジアルキルパーオキサイドが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機過酸化物の含有量は、(メタ)アクリル化合物100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。含有量が0.5質量部未満の場合、充分に硬化が進行しない場合があり、含有量が10質量部を超える場合、硬化が急激に進行して反応点が多くなるため、分子鎖が短くなったり、未反応基が残存したりして信頼性が低下しやすい傾向がある。
((c)重量平均分子量が10000以上の高分子量樹脂)
本実施形態に係る半導体用接着剤は、10000以上の重量平均分子量を有する高分子量樹脂を更に含有していてもよい。硬化性樹脂、硬化剤等の、高分子量樹脂以外の成分の重量平均分子量又は分子量は、通常、10000未満である。高分子量樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルゴムが挙げられる。その中でも、耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂及びポリカルボジイミド樹脂が好ましく、耐熱性及びフィルム形成性に更に優れる観点から、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂及びアクリルゴムがより好ましい。これらの高分子量樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子量樹脂と(メタ)アクリル化合物との質量比は、特に制限されないが、高分子量樹脂1質量部に対して、(メタ)アクリル化合物の含有量は0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜5質量部が更に好ましい。この質量比が0.01質量部より小さいと、硬化性が低下し、接着力が低下する場合があり、10質量部より大きいと、フィルム形成性が低下する場合がある。
高分子量樹脂とエポキシ樹脂との質量比は、特に制限されないが、高分子量樹脂1質量部に対して、エポキシ樹脂の含有量は0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜4質量部がより好ましく、0.1〜3質量部が更に好ましい。この質量比が0.01質量部より小さいと、硬化性が低下し、接着力が低下する場合があり、5質量部より大きいと、フィルム形成性及び膜形成性が低下する場合がある。
高分子量樹脂のガラス転移温度(Tg)は、半導体用接着剤の基板及びチップへの貼付性に優れる観点から、100℃以下が好ましく、85℃以下がより好ましい。Tgが100℃を超える場合には、半導体チップに形成されたバンプ、基板に形成された電極又は配線パターン等の凹凸を半導体用接着剤により埋め込むことが難しく、気泡が残存してボイドが発生しやすい傾向がある。なお、Tgとは、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気の条件で測定したときのTgである。
高分子量樹脂の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で10000以上であるが、単独で良好なフィルム形成性を示すために、30000以上が好ましく、40000以上がより好ましく、50000以上が更に好ましい。重量平均分子量が10000未満であると、フィルム形成性が低下する傾向がある。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製C−R4A)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量を意味する。
((d)ユークリプタイト)
本発明の半導体用接着剤には、フィラーとしてユークリプタイトを用いる。
反りの低減には、半導体用接着剤の熱膨張係数を基板又は半導体チップの熱膨張係数に近づけることが好ましい。そのためには、接着剤中に熱膨張係数の低いフィラーを配合することが効果的である。シリコンより平均熱膨張率が小さいフィラーとしては、シリカガラス、窒化ホウ素、窒化珪素、リチウムの化合物であるユークリプタイト、スポジュウメン、アルミニウムタイタネイト等を利用することができる。中でも熱膨張係数が0.5×10−6/℃と極めて小さい石英ガラス(SiO)は高価であるが好ましい結果を与える。その他、チタン酸アルミニウム(Al・TiO)、及びユークリプタイト(LiO・Al・4SiO)を含むリシヤ磁器も好ましいフィラーである。
約20年ほど前から、温めると縮む、つまり”負の熱膨張”を示す物質が発見されており、この”負の熱膨張物質”を基板となる材料に混ぜ合わせれば、材料の”プラスの熱膨張”が、添加した物質の”負の熱膨張”で打ち消され熱膨張係数を効果的に減少させることができる。こうした発想のもとで”結晶化ガラス”という材料が、すでに商品化され、”負の熱膨張”を示すβ-ユークリプタイト(LiAlSiO)と呼ばれる物質をガラス中に析出させたもので、身近なものではIHクッキングヒーターのトップパネルや電子レンジのターンテーブルなどに使われている。積層板分野では、負の熱膨張係数を有するケブラー繊維を強化剤として用い、低熱膨張係数の積層基板を提供している。ケブラーは芳香族ポリアミド樹脂の商品名で、パラフェニレンジアミンとテレフタル酸クロリドの重合によって得られ、分子構造が剛直で直鎖状の骨格を有している。
ユークリプタイト(LiAlSiO)は、aLiO−bAl−cSiOで表され、LiO、Al、及びSiOなどの各酸化物成分を粉末合成法で合成することができる。a=b=0.9〜1.1、c=1.2〜2.1となるようにして結晶化ガラスとし、LiAlSiO結晶構造を効果的に合成する。好ましくは、a=b=1、c=2となるようにして合成する。
各酸化物成分を約1000℃以上、通常1100〜1500℃で溶融し、溶融物を水中にて急冷してポップコーン状ガラスとするか或いは水冷ロールに挟んでフレーク状ガラスとする。次いで、上記した方法で得られたガラスを、例えばボールミル中でアルミナボール等を用いて、乾式或いは水系溶媒又は有機溶剤系溶媒にてガラスを湿式粉砕する。湿式粉砕にて得られたスラリーは乾燥機で乾燥してケーキ状とし、その後、篩又は粉砕機等を用いて解砕して粉末状とする。また上記スラリーをスプレードライヤー等を用いて直接粉末化してもよい。かくして得られるユークリプタイト粉末の粒径は、通常メジアン径(D50)0.1〜30μm程度、好ましくは0.5〜20μm程度の範囲にあるのが最適である。従って、粒径が30μmを超える粗大粒子が生成している場合は、例えば気流分級装置や篩等を用いて除いておくのが好ましく、更に10μm以下に制御することがより好ましい。この場合、粒径は、レーザー散乱検出型粒度分布測定装置によって測定した値である。
また、ユークリプタイトは、水溶液状態のそれぞれのLiCl、Al(OH)、及びNaSiOを混合及び合成して製造することができる。
ユークリプタイトの含有量は、半導体用接着剤の固形分全体を基準として、ユークリプタイト単独では30〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。この含有量が30質量%未満では、反りに対する効果が低く、放熱性が低く、また、ボイド発生、吸湿率が大きくなる等の傾向がある。この含有量が90質量%を超えると、粘度が高くなって半導体用接着剤の流動性の低下及び接続部へのフィラーの噛み込み(トラッピング)が生じ、接続信頼性が低下する傾向がある。
((f)フィラー)
本実施形態に係る半導体用接着剤は、粘度及び硬化物の物性を制御するため、及び、半導体チップ同士、又は半導体チップと基板とを接続した際のボイドの発生及び吸湿率の更なる抑制のために、(d)ユークリプタイトに併用して、ユークリプタイト以外の(f)フィラーを更に含有していてもよい。フィラーとしては、例えば、無機フィラー及び樹脂フィラーが挙げられる。無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ及び窒化ホウ素等の絶縁性無機フィラーが挙げられる。その中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ及び窒化ホウ素がより好ましい。絶縁性無機フィラーはウィスカーであってもよい。ウィスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び窒化ホウ素が挙げられる。樹脂フィラーとしては、例えば、ポリウレタン、ポリイミド、メタクリル酸メチル樹脂及びメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(MBS)が挙げられる。フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。フィラーの形状、粒径、及び含有量は特に制限されない。
絶縁信頼性に優れる観点から、フィラーは絶縁性であることが好ましい。本実施形態に係る半導体用接着剤は、銀フィラー、はんだフィラー等の導電性の金属フィラーを含有していないことが好ましい。
ユークリプタイトを含めフィラーは、表面処理によって物性を適宜調整されていてもよい。フィラーは、分散性及び接着力向上の観点から、表面処理されたフィラーであることが好ましい。表面処理剤としては、グリシジル系(エポキシ系)、アミン系、フェニル系、フェニルアミノ系、(メタ)アクリル系、ビニル系の化合物等が挙げられる。
表面処理としては、表面処理のしやすさから、エポキシシラン系、アミノシラン系、アクリルシラン系等のシラン化合物によるシラン処理が好ましい。表面処理剤としては、分散性、流動性、接着力に優れる観点から、グリシジル系、フェニルアミノ系、アクリル系及びメタクリル系の化合物が好ましい。その中でも、保存安定性の観点から、フェニル系、アクリル系及びメタクリル系の化合物がより好ましい。
フィラーの平均粒径は、フリップチップ接続時のかみ込み防止の観点から、1.5μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。フィラーの粒径は、粒子の長軸径を意味する。
樹脂フィラーは無機フィラーに比べて、260℃等の高温で柔軟性を付与することができるため、耐リフロ性向上に適している。また、柔軟性付与が可能であるため、フィルム形成性向上にも効果がある。
(d)及び(f)を合わせたフィラーの含有量は、半導体用接着剤の固形分全体を基準として、30〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。この含有量が30質量%未満では、反りに対する効果が低く、放熱性が低く、また、ボイド発生、吸湿率が大きくなる等の傾向がある。この含有量が90質量%を超えると、粘度が高くなって半導体用接着剤の流動性の低下及び接続部へのフィラーの噛み込み(トラッピング)が生じ、接続信頼性が低下する傾向がある。
((e)フラックス剤)
本実施形態に係る半導体用接着剤は、フラックス剤(すなわち、フラックス活性(酸化物及び不純物を除去する活性)を示すフラックス活性剤)を更に含有していてもよい。フラックス剤としては、例えば、イミダゾール類及びアミン類等の非共有電子対を有する含窒素化合物、カルボン酸類、フェノール類及びアルコール類が挙げられる。アルコール等に比べて有機酸(2−メチルグルタル酸等のカルボン酸類など)がフラックス活性を強く発現し、接続性が向上する。
フラックス剤の含有量は、半導体用接着剤の固形分全体を基準として、0.005〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
本実施形態に係る半導体用接着剤は、イオントラッパー、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤等の添加剤を更に含有していてもよい。添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。添加剤の含有量は、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
本実施形態に係る半導体用接着剤を200℃で5秒保持したときの硬化反応率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。200℃(はんだ溶融温度以下)/5秒の硬化反応率が80%より低いと、接続時(はんだ溶融温度以上)ではんだが飛散・流動し、接続信頼性及び絶縁信頼性が低下しやすい。硬化反応率は、未硬化の半導体用接着剤10mgをアルミパンに入れた後、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて昇温速度20℃/min、30〜300℃の温度範囲で測定することにより得ることができる。
例えば、示差走査熱量測定(DSC)において未処理のサンプルの発熱量ΔH(J/g)を「ΔH1」、ホットプレート上で200℃/5秒の熱処理をした後のサンプルの発熱量ΔH(J/g)を「ΔH2」とし、以下の式で硬化反応率を算出した。
硬化反応率(%)=(ΔH1−ΔH2)/ΔH1×100
半導体用接着剤の硬化系がラジカル重合である場合、半導体用接着剤がアニオン重合性のエポキシ樹脂(特に、重量平均分子量10000未満のエポキシ樹脂)を含有すると、硬化反応率を80%以上に調整することが難しい場合がある。半導体用接着剤が(メタ)アクリル化合物及びエポキシ樹脂を含有する場合、エポキシ樹脂の含有量は、(メタ)アクリル化合物80質量部に対して、20質量部以下が好ましい。
本実施形態に係る半導体用接着剤は、200℃以上の高温での圧着に用いることができる。また、はんだ等の金属を溶融させて接続を形成するフリップチップパッケージでは、更に優れた硬化性が発現する。
本実施形態に係る接着剤層は、生産性が向上する観点から、予め準備された半導体接着用フィルムによって形成された層であることが好ましい。半導体用接着剤フィルムの作製方法の一例を以下に示す。
まず、半導体用接着剤の構成成分である、重量平均分子量が10000未満の硬化性樹脂、硬化剤、ユークリプタイト、必要に応じて、更に、高分子量樹脂、フィラー、その他の添加剤等を有機溶媒中に加えた後に攪拌混合、混練等により溶解又は分散させて樹脂ワニスを調製する。次いで、必要により離型処理を施した基材上に、ナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター、ダイコーター、コンマコーター等を用いて樹脂ワニスを塗布した後、加熱により有機溶媒を減少させて、基材上に半導体用接着剤フィルムを形成する。
また、加熱により有機溶媒を減少させる前に、樹脂ワニスをウエハ等にスピンコートして膜を形成した後、溶媒乾燥を行う方法によりウエハ上に半導体用接着剤フィルムを形成することもできる。
前記の基材として、金属板、金属箔、ガラス板、基材フィルム等の平坦で、耐熱性、耐溶剤性のある材料が挙げられ、中でも基材フィルムが好ましい。
基材フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチルペンテンフィルム等が挙げられる。基材フィルムとしては、これらのフィルムのうちの1種からなる単層のものに限られず、2種以上のフィルムからなる多層フィルムであってもよい。
塗布後の樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させる際の条件は、具体的には、50〜200℃、0.1〜90分間の加熱を行うことが好ましい。実装後のボイド及び粘度調製に影響がなければ、有機溶媒が1.5%以下まで揮発する条件とすることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下に示す成分を表1に示す配合を用い、下記の方法に従ってフィルム状接着剤を作製した。また、得られたフィルム状接着剤(半導体用接着剤フィルム)について、下記の方法に従って各特性を評価した。結果を表1に示す。
<接着剤フィルム(半導体用接着剤フィルム)の作製>
接着剤フィルムの作製に使用した化合物を以下に示す。
(a)成分:重量平均分子量が10000未満の硬化性樹脂
(a−1):トリフェノールメタン骨格含有多官能エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、EP1032H60、重量平均分子量:800〜2000)
(a−2):ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、YL983U、重量平均分子量:約340)
(a−3):可とう性半固形状エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、YX7110B60、重量平均分子量:約1000〜5000)
(b)成分:硬化剤:2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体(四国化成工業株式会社製、2MAOK−PW)
(c)成分:ユークリプタイト:LiAlSiO(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、EUC−03)
(d)成分:重量平均分子量(Mw)が10000以上の高分子量樹脂:フェノキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、ZX1356、Tg:約71℃、Mw:約63000)
(e)成分:フラックス剤(カルボン酸):グルタル酸(融点約95℃)
(f)成分:無機フィラー
(f−1):シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SE2050、平均粒径:0.5μm)
(f−2):メタクリル表面処理ナノシリカフィラー(株式会社アドマテックス製、YA050C−SM、以下「SMナノシリカ」と表記する、平均粒径:約50nm)
(g)成分:樹脂フィラー:有機フィラー(ロームアンドハースジャパン株式会社製、EXL−2655:ブタジエン−スチレン−メタクリレート共重合体から形成されたコアシェルタイプ有機微粒子)
作製方法を以下に示す。
(フィルム状接着剤(半導体用接着剤フィルム)の製造例)
(a)成分、(b)成分、(c)成分、(e)成分、(f)成分及び(g)成分を固形分が60質量%になるように有機溶媒(メチルエチルケトン)を添加した。その後、直径1.0mm、2.0mmのビーズを固形分と同質量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、遊星型微粉砕機P−7)で30分撹拌した。その後、(d)成分を加え、再度、ビーズミルで30分撹拌した。その後に用いたビーズをろ過によって除去した。作製したワニスをテーブルコータでフィルム基材上に塗工、乾燥(80℃、5min)し、フィルム状接着剤(半導体用接着剤フィルム)を得た。
<半導体装置の製造方法>
作製した製造例の接着剤フィルム(半導体用接着剤フィルム)を切り抜き(縦、横、厚み=7.3mm、7.3mm、0.04mm)、半導体チップはんだバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:縦、横、厚み=7.3mm、7.3mm、0.15mm、接続部の金属:銅ピラー+はんだ、バンプ高さ:銅ピラー+はんだ計約45μm、バンプ数328)上に貼り付け、ガラスエポキシ基板(ガラスエポキシ基材:厚み=0.42mm、銅配線:厚み=9μm)に高速・高精度フリップチップボンダーFCB3(パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社製)で実装(実装条件:100℃、0.5MPa、1sで仮圧着した後、260℃、0.5MPa、5sの条件で本圧着)した。図1に示す半導体装置と同様の構造を有する半導体装置を得た。圧着する際に基板を置くステージ温度は80℃とした。
<評価>
得られた半導体装置について、接続性評価、反り評価及び耐TCT評価を行った。
[接続評価]
作製した半導体装置の接続部の抵抗値を、デジタルマルチメータ(株式会社アドバンテスト製、商品名「R6871E」)を用いて初期導通の可否を測定した。初期抵抗値が、28.0Ω以上、35.0Ω以下の場合を「A」(接続良好)、初期抵抗値が35.0Ω超、又は接続できていない場合を「B」(接続不良)とした。
[反り評価]
作製した半導体装置に対し、非接触式形状測定装置(ソニービジネスソリューション株式会社製)を用いて、チップの対角方向の2辺の形状を計測した。EXCELを用いて、計測データの傾きを補正し、1辺の凹凸の最大値と最小値の差を反り量(μm)とした。反り量が70μm以下を「A」、70μm超を「B」として評価した。
[耐TCT評価(温度サイクル試験)]
上記に記載した方法で作製した半導体装置を、封止材(日立化成株式会社製、商品名「CEL9750ZHF10」)を用いて、180℃、6.75MPa、90秒の条件でモールドし、クリーンオーブン(エスペック株式会社製)中で175℃で5時間アフターキュアを行い、パッケージを得た。次に、このパッケージを冷熱サイクル試験機(オーヨー株式会社製、商品名「THERMAL SHOCK CHAMBER NT1200」)につなぎ、1mA電流を流し、25℃2分間/−55℃15分間/25℃2分間/125℃15分間/25℃2分間を1サイクルとして、1000サイクル繰り返した後の接続抵抗の変化を評価した。初期の抵抗値と比べて1000サイクル後も大きな変化がなかった場合を「A」、1kΩ以上又はopenが生じた場合を「B」として評価した。
Figure 2021024963
ユークリプタイトを含有する実施例1〜2の接着剤は、ユークリプタイトを含有しない比較例1と比較して、低反り化が図れ、無機フィラーの含有量を増やした比較例2と比較して、接続性に優れる特性を示した。以上により、本発明によれば、接続性を確保しつつ、低反り化を図れる半導体用接着剤とそれを用いた半導体装置を提供することができる。
1…半導体チップ、2…基板、3…積層体、5…インターポーザー、10…半導体チップ本体、15,16…配線、20…基板本体、30,32,33…バンプ、34…貫通電極、40…接着剤層(半導体用接着剤、半導体用接着剤フィルム)、41,44…圧着ヘッド、42,45…ステージ、43…仮圧着用押圧装置、46…本圧着用押圧装置、50…インターポーザー本体、100,200,300,400,500…半導体装置

Claims (6)

  1. 重量平均分子量が10000未満の硬化性樹脂と、硬化剤と、ユークリプタイトと、を含有する半導体用接着剤。
  2. 前記ユークリプタイトのメジアン径(D50)が、20μm以下である、請求項1に記載の半導体用接着剤。
  3. 更に、重量平均分子量が10000以上の高分子量樹脂を含有する、請求項1又は請求項2に記載の半導体用接着剤。
  4. 前記高分子量樹脂の重量平均分子量が、30000以上であり、前記高分子量樹脂のガラス転移温度が100℃以下である、請求項3に記載の半導体用接着剤。
  5. 前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体用接着剤を有機溶媒に溶解又は分散させて樹脂ワニスを調製し、基材上に塗布し、乾燥する工程を有する半導体用接着剤フィルムの製造方法。
  6. 半導体チップと、基板又は他の半導体チップと、これらの間に介在する前記請求項5に記載の半導体用接着剤フィルムの製造方法により得られる半導体用接着剤フィルムとを備え、前記半導体チップ、前記基板、及び前記他の半導体チップのそれぞれが金属材料によって形成された表面を有する接続部を有し、前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とが金属接合によって電気的に接続されている、半導体装置の製造方法であって、前記半導体チップと、前記基板又は前記他の半導体チップと、これらの間に配置された前記半導体用接着剤フィルムとを有し、前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とが対向配置されている積層体を、対向する一対の仮圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより前記半導体チップに前記基板又は前記他の半導体チップを仮圧着する工程と、更に対向する一対の本圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程と、をこの順に備え、前記一対の仮圧着用押圧部材のうち少なくとも一方が、前記積層体を加熱及び加圧する時に、前記半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、及び前記基板又は前記他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱され、
    前記一対の本圧着用押圧部材のうち少なくとも一方が、前記積層体を加熱及び加圧する時に、前記半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は前記基板若しくは前記他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される半導体装置の製造方法。
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