JP2017045891A - 半導体装置及びそれを製造する方法 - Google Patents

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Kazutaka Honda
一尊 本田
幸一 茶花
Koichi Chabana
幸一 茶花
敬司 小野
Takashi Ono
敬司 小野
永井 朗
Akira Nagai
朗 永井
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    • H01L2224/16135Disposition the bump connector connecting between different semiconductor or solid-state bodies, i.e. chip-to-chip
    • H01L2224/16145Disposition the bump connector connecting between different semiconductor or solid-state bodies, i.e. chip-to-chip the bodies being stacked

Abstract

【課題】接続部同士を金属接合により接続することを含む、半導体装置の製造に関して、より高い生産性を可能にすること。【解決手段】半導体チップと、基板又は他の半導体チップと、これらの間に配置された接着剤層とを有する積層体を、対向する一対の仮圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより半導体チップに基板又は他の半導体チップを仮圧着する工程と、積層体を加熱することにより半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程と、をこの順に備える、半導体装置を製造する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置及びそれを製造する方法に関する。
従来、半導体チップと基板とを接続するには金ワイヤ等の金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されてきたが、半導体装置に対する高機能・高集積・高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板間で直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
フリップチップ接続方式としては、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法、超音波振動を印加して金属接合させる方法、樹脂の収縮力によって機械的接触を保持する方法などが知られているが、接続部の信頼性の観点から、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法が一般的である。
例えば、半導体チップと基板間の接続においては、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もフリップチップ接続方式である。また、フリップチップ接続方式は、半導体チップ上にバンプ又は配線を形成して、半導体チップ間で接続するCOC(Chip On Chip)型の接続方式にも広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
CPU、MPU等に用いられるエリアアレイ型の半導体パッケージでは、高機能化が強く要求されており、具体的な要求としてチップの大型化、ピン(バンプ、配線)数の増加、ピッチ及びギャップの高密度化が挙げられている。
更なる小型化、薄型化、高機能化が強く要求されたパッケージでは、上述した接続方式を積層・多段化したチップスタック型パッケージ、POP(Package On Package)、TSV(Through−Silicon Via)等も広く普及し始めている。平面状でなく立体状に配置することでパッケージを小さくできることから、これらの技術は多用され、半導体の性能向上及びノイズ低減、実装面積の削減、省電力化にも有効であり、次世代の半導体配線技術として注目されている。
生産性向上の観点から、ウエハ上に半導体チップを圧着(接続)した後に個片化して半導体パッケージを作製するCOW(Chip On Wafer)、ウエハ同士を圧着(接続)した後に個片化して半導体パッケージを作製するWOW(Wafer On Wafer)も注目されている。更に、同様の観点から、ウエハ上又はマップ基板上に複数のチップを位置合わせして仮圧着した後、これら複数のチップを一括で本圧着して接続を確保するギャングボンディング方式も注目されている。
特開2008−294382号公報
上述したフリップチップパッケージの組立方法としては、例えば以下の方法が考えられる。まず、ダイシングしたウエハから半導体用接着剤が供給された半導体チップをコレットでピックアップし、圧着用押圧部材に供給する。次いで、チップ−チップ間又はチップ−基板間で位置合わせを行った後、それらを互いに仮圧着する。そして、チップ−チップ間又はチップ−基板間の接続部の融点以上に達するように圧着用押圧部材の温度を上昇させ、接続部に金属結合を形成させて、チップとチップ又はチップと基板とを互いに本圧着する。以上により、1つのフリップチップパッケージが得られる。その後、本圧着時に高温になった圧着用押圧部材を冷却してから、再び半導体チップを圧着用押圧部材でピックアップする。半導体チップに半導体用接着剤が供給されている場合、圧着用押圧部材は半導体チップの半導体用接着剤が供給された面(接続を行う面)とは反対側の面を吸着して半導体チップをピックアップする。
ピックアップから本圧着までのサイクルでは、1つの圧着用押圧部材を用いるため、圧着用押圧部材の温度を、接続部の金属が溶融する高温まで上昇させたり、半導体用接着剤が供給された半導体チップをピックアップ可能な低温まで下降させたりする必要がある。しかし、圧着用押圧部材の温度を変化させるには時間がかかり、半導体装置の製造時間が長くなるため、生産性が低下し易い。
また、接続部の金属の融点以上に加熱して接続を確保するフリップチップ接続方式では、本圧着後の圧着用押圧部材は高温(接続部の金属がはんだであれば、例えば240℃以上)となっている。ここで、圧着用押圧部材を冷却せずに半導体チップをコレットからピックアップすると、圧着用押圧部材の熱がコレットに転写し、コレット自体の温度が上昇するため、ピックアップ時に不具合が生じて生産性が低下し易い。また、半導体用接着剤が供給されている半導体チップでは、圧着用押圧部材の熱がコレットに転写し、コレットの熱により半導体用接着剤の温度が上昇する。これにより、半導体用接着剤の粘性が発現すると、半導体用接着剤がコレットに付着し易くなり、生産性が低下し易い。さらに、コレットが高温化すると、ダイシングテープから個片化した半導体チップをピックアップする際に、コレットを経由してダイシングテープに熱が伝わり、ピックアップ性が低下して生産性が低下し易い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接続部同士を金属接合により接続することを含む、半導体装置の製造に関して、より高い生産性を可能にすることを主な目的とする。
本発明の一側面は、半導体チップと、基板及び/又は他の半導体チップと、これらの間に介在する接着剤層とを備え、半導体チップ、基板、及び他の半導体チップのそれぞれが金属材料によって形成された表面を有する接続部を有し、半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とが金属接合によって電気的に接続されている、半導体装置を製造する方法に関する。当該方法は、半導体チップと、基板又は他の半導体チップと、これらの間に配置された接着剤層とを有し、半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とが対向配置されている、積層体を、対向する一対の仮圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより半導体チップに基板又は他の半導体チップを仮圧着する工程と、半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程と、をこの順に備える。一対の仮圧着用押圧部材のうち少なくとも一方は、積層体を加熱及び加圧する時に、半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、及び基板又は前記他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱される。半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程において、積層体が、加熱炉内又はホットプレート上で、半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は基板若しくは他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される。
接続部の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度で仮圧着する工程と、接続部の表面を形成している金属材料の融点以上の温度で加熱する工程とを別々に行うことで、仮圧着用押圧部材の加熱及び冷却に要する時間を短縮することができる。そのため、1つの圧着用押圧部材で圧着するよりも短時間で生産性よく半導体装置を製造することができる。その結果、短時間で多くの高信頼性な半導体装置を製造できる。
上記方法では、複数の積層体を加熱炉内又はホットプレート上で一括して加熱してもよい。これにより更に高い生産性で半導体装置を製造することができる。
上記接着剤層は、10000以下の分子量を有する熱硬化性樹脂、及びその硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物によって形成された層であってもよい。
上記熱硬化性樹脂組成物は、10000以上の重量平均分子量を有する高分子成分を更に含有することが好ましい。上記高分子成分の重量平均分子量は、30000以上であることが好ましい。上記高分子成分のガラス転移温度は、100℃以下であることが好ましい。
上記接着剤層は、予め準備された接着剤フィルムによって形成された層であってもよい。
本発明によれば、接続部同士を金属接合により接続することを含む、半導体装置の製造に関して、より高い生産性を達成することができる。
半導体チップに基板を仮圧着する工程の一例を示す工程図である。 半導体チップの接続部と基板の接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程の一例を示す工程図である。 半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書に記載される数値範囲の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。実施例に記載される数値も、数値範囲の上限値又は下限値として用いることができる。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はそれに対応するメタクリルを意味する。
<半導体装置の製造方法>
図1は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体チップに基板を仮圧着する工程の一例を示す工程図である。
まず、図1の(a)に示されるように、半導体チップ本体10、及び接続部としてのバンプ30を有する半導体チップ1を、基板本体20、及び接続部としての配線16を有する基板2に、これらの間に接着剤層40を配置しながら重ねあわせて、積層体3を形成させる。半導体チップ1は、半導体ウエハのダイシングによって形成された後、ピックアップされて基板2上まで搬送され、接続部としてのバンプ30と配線16とが対向配置されるように、位置合わせされる。積層体3は、対向配置された一対の仮圧着用押圧部材としての圧着ヘッド41及びステージ42を有する押圧装置43のステージ42上で形成される。バンプ30は、半導体チップ本体10上に設けられた配線15上に設けられている。基板2の配線16は、基板本体20上の所定の位置に設けられている。バンプ30及び配線16は、それぞれ、金属材料によって形成された表面を有する。
接着剤層40は、予め準備された接着剤フィルムを基板2に貼り付けることによって形成された層であってもよい。接着剤フィルムは、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって貼り付けることができる。接着剤フィルムの供給面積及び厚みは、半導体チップ1又は基板2のサイズ、接続部の高さ等に応じて適宜設定される。接着剤フィルムは半導体チップ1に貼付してもよい。接着剤フィルムを半導体ウエハに貼付し、その後、半導体ウエハをダイシングして半導体ウエハを個片化することによって、接着剤フィルムが貼付された半導体チップ1を作製してもよい。
続いて、図1の(b)に示されるように、積層体3を、仮圧着用押圧部材としてのステージ42及び圧着ヘッド41で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより半導体チップ1に基板2を仮圧着する。図1の実施形態の場合、圧着ヘッド41は、積層体3の半導体チップ1側に配置され、ステージ42は、積層体3の基板2側に配置されている。仮圧着は、半導体チップ1の接続部と基板2の接続部とが接触するように行うことが好ましい。これにより、続く加熱工程において接続部間の金属接合が形成し易くなるとともに、接続部間への接着剤層の噛み込みを少なくすることができ、接続性がより向上する。
ステージ42及び圧着ヘッド41のうち少なくとも一方が、仮圧着のために積層体3を加熱及び加圧する時に、半導体チップ1の接続部としてのバンプ30の表面を形成している金属材料の融点、及び基板2の接続部としての配線16の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱される。
半導体チップ1に基板2を仮圧着する工程では、半導体チップをピックアップする際に熱が半導体チップ等へ転写しないように、仮圧着用押圧部材が低温であることが好ましい。仮圧着のための加熱及び加圧の時には、巻き込み時のボイドを排除できるように接着剤層の流動性を高めるために、仮圧着用押圧部材がある程度高温であることが好ましい。また、冷却時間を短縮するため、半導体チップをピックアップする時の押圧部材の温度と仮圧着する時の押圧部材の温度との差は小さい方が好ましい。この温度差は100℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。この温度差は一定であることが好ましい。温度差が100℃を超える場合は、仮圧着用押圧部材の冷却にかかる時間が長くなり易いため、生産性が低下し易い。
仮圧着用押圧部材の温度は、接着剤層の反応開始温度よりも低い温度であることが好ましい。反応開始温度とは、DSC(パーキンエルマー社製、DSC−Pyirs1)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気又は窒素の条件で測定したときのOn−set温度をいう。
以上の観点から、ステージ42及び/又は圧着ヘッド41の温度は、半導体チップをピックアップする間は例えば30℃以上130℃以下で、仮圧着のために積層体3を加熱及び加圧する間は例えば50℃以上150℃以下であってもよい。
仮圧着のための荷重は、半導体チップ間又は半導体チップ−基板間のボイドを排除して、それぞれの接続部を互いに充分に接触させる観点から、例えば、半導体チップの1ピン(1バンプ)あたり0.009〜0.2Nが好ましい。
仮圧着にかかる圧着時間は、生産性向上の観点から、短時間であることが好ましい。短時間の圧着時間とは、圧着中に接続部に、230℃以上かかる時間(例えば、はんだ使用時の時間)が5秒以下であることをいう。接続時間は、3秒以下が好ましく、2秒以下がより好ましい。
仮圧着用押圧部材としては、フリップチップボンダー、加圧オーブン等を用いることができる。
続いて、図2に示すように、仮圧着された積層体3を加熱炉60内で加熱することによって、半導体チップ1のバンプ30と、基板2の配線16とを金属接合によって電気的に接続する。1つの加熱炉60内で複数の積層体を加熱して、複数の積層体における接続を一括して行ってもよい。
加熱炉60内の気体は、積層体を加熱する時に、半導体チップ1の接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は基板2の接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される。
加熱炉60内の気体の温度は、積層体を加熱する時に、接続部の金属材料がはんだを含む場合は、230℃以上330℃以下が好ましい。温度が230℃未満であると接続部のはんだが溶融せず、充分な金属結合が形成されない場合があり、温度が330℃を超えると、ボイドが発生し易く、はんだが飛散し易くなる。加熱炉60内の圧力は、特に制限されないが、大気圧であってもよい。
加熱炉60内の気体の温度は、積層体を加熱する時に、接着剤層の反応開始温度よりも高温であることが好ましい。加熱工程中に接着剤層の硬化を促進することでボイド抑制及び接続性が向上する。
加熱炉60内において、積層体におもりを載せたり、積層体をクリップでとめる等した状態で、積層体を加熱してもよい。これにより、半導体チップと基板との間、及び半導体チップと接着剤層との間の熱膨張差によって生じる反り及び接続不良をより抑制することができる。
加熱炉としては、リフロ炉、オーブン等を用いることができる。あるいは、積層体をホットプレート上で加熱してもよい。この場合、ホットプレートの温度は、加熱炉内の空気と同様の温度に設定することができる。
接続部を接続する工程(加熱工程)は、金属結合形成だけでなく、接着剤層の硬化を促進してもよい。圧着用押圧部材を用いて接続を行う場合、フィレット(圧着の際にチップ側面にはみ出る接着剤)には圧着用押圧部材の熱がかかり難い。そのため、接続後に更にフィレット部分等の硬化を充分にするため、更なる加熱処理工程が必要となる。しかし、圧着用押圧部材を用いることなく、積層体の全体に熱がかかるリフロ炉、オーブン、ホットプレート等を用いる場合、接続後の加熱処理を短縮又は無くすことができる。
図1及び図2の実施形態では、半導体チップと基板とを圧着する工程の例を示したが、半導体装置を製造する方法は、半導体チップ同士を互いに圧着する工程を含んでいてもよい。半導体チップ同士をバンプの融点以上の温度で加熱しながら押し付けて(接続部にはんだを用いる場合は、はんだ部分に250℃以上かかることが好ましい)、半導体チップ間を接続すると共に、接着剤フィルムによって半導体チップ間の空隙を封止充てんする。接続荷重は、バンプ数に依存するが、バンプの高さばらつき吸収、及びバンプ変形量の制御を考慮して設定される。接続時間は、生産性向上の観点から、短時間であるほど好ましく、はんだを溶融させ、酸化膜及び表面の不純物を除去し、金属接合を接続部に形成することが好ましい。
仮圧着では、複数のチップを圧着してもよい。例えば、平面的に複数のチップを圧着するギャングボンディングでは、ウエハ又はマップ基板に複数の半導体チップを一つずつ仮圧着し、その後、一括で複数のチップを接続してもよい。
TSV構造のパッケージで多く見られるスタック圧着では、立体的に複数のチップを圧着する。この場合も複数の半導体チップを一つずつ積み重ねて仮圧着し、その後、一括で複数のチップを本圧着してもよい。
<半導体装置>
本実施形態に係る半導体装置の製造方法によって得られる半導体装置について説明する。本実施形態に係る半導体装置における接続部は、バンプと配線との金属接合、及び、バンプとバンプとの金属接合のいずれでもよい。本実施形態に係る半導体装置では、例えば、接着剤層を介して電気的な接続を得るフリップチップ接続を用いることができる。
図3は、半導体装置の一実施形態(半導体チップ及び基板のCOB型の接続態様)を示す模式断面図である。図3の(a)に示す半導体装置100は、半導体チップ1と基板(配線回路基板)2と、これらの間に介在する接着剤層40とを備える。半導体装置100の場合、半導体チップ1は、半導体チップ本体10と、半導体チップ本体10の基板2側の面上に配置された配線15と、配線15上に配置された接続部としてのバンプ30とを有する。基板2は、基板本体20と、基板本体20の半導体チップ1側の面上に配置された接続部としての配線16とを有する。半導体チップ1のバンプ30と、基板2の配線16とは、金属接合によって電気的に接続されている。半導体チップ1及び基板2は、配線16及びバンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15,16及びバンプ30は、接着剤層40により封止されることで、外部環境から遮断されている。
図3の(b)に示す半導体装置200は、半導体チップ1と、基板2と、これらの間に介在する接着剤層40とを備える。半導体装置200の場合、半導体チップ1は、接続部として、半導体チップ1の基板2側の面に配置されたバンプ32を有する。基板2は、接続部として、基板2の半導体チップ1側の面に配置されたバンプ33を有する。半導体チップ1のバンプ32と、基板2のバンプ33とは、金属接合によって電気的に接続されている。半導体チップ1及び基板2は、バンプ32,33によりフリップチップ接続されている。バンプ32,33は、接着剤層40により封止されることで、外部環境から遮断されている。
図4は、半導体装置の他の実施形態(半導体チップ同士のCOC型の接続態様)を示す模式断面図である。図4の(a)に示す半導体装置300の構成は、2つの半導体チップ1が配線15及びバンプ30を介してフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図4の(b)に示す半導体装置400の構成は、2つの半導体チップ1がバンプ32を介してフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置200と同様である。
図3及び4において、配線15、バンプ32等の接続部は、パッドと呼ばれる金属膜(例えば、金めっき)であってもよく、ポスト電極(例えば、銅ピラー)であってもよい。例えば、図4の(b)において、一方の半導体チップが接続部として銅ピラー及び接続バンプ(はんだ:スズ−銀)を有し、他方の半導体チップが接続部として金めっきを有する態様では、接続部が、接続部の金属材料のうち最も融点が低いはんだの融点以上の温度に達すれば、はんだが溶融して接続部間に金属接合が形成され、接続部間の電気的な接続が可能となる。
半導体チップ本体10としては、特に制限はなく、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体などの各種半導体を用いることができる。
基板2としては、配線回路基板であれば特に制限はなく、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分とする絶縁基板の表面に形成された金属層の不要な箇所をエッチング除去して配線(配線パターン)が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線(配線パターン)が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線(配線パターン)が形成された回路基板などを用いることができる。
配線15及び16、バンプ30、バンプ32及び33(導電性突起)等の接続部の材質としては、主成分として、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等が用いられ、単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、これらの金属が積層された構造をなすように形成されていてもよい。銅、はんだは安価であることから好ましい。接続信頼性の向上及び反り抑制の観点から、はんだがより好ましい。
パッドの材質としては、主成分として、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等が用いられ、単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、これらの金属が積層された構造をなすように形成されていてもよい。接続信頼性の観点から、金及びはんだが好ましい。
配線15,16(配線パターン)の表面には、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を主成分とする金属層が形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。銅、はんだは安価であることから好ましい。接続信頼性の向上及び反り抑制の観点から、はんだがより好ましい。
図3又は図4に示すような半導体装置(パッケージ)を積層して、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等で電気的に接続してもよい。銅、はんだは安価であることから好ましい。例えば、TSV技術で見られるような、接着剤層を半導体チップ間に介して、フリップチップ接続又は積層し、半導体チップを貫通する孔を形成し、パターン面の電極とつなげてもよい。
図5は、半導体装置の他の実施形態(半導体チップ積層型の態様(TSV))を示す模式断面図である。図5に示す半導体装置500では、基板としてのインターポーザー本体50上に形成された配線15が半導体チップ1のバンプ30と接続されることにより、半導体チップ1とインターポーザー5とがフリップチップ接続されている。半導体チップ1とインターポーザー5との間には接着剤層40が介在している。上記半導体チップ1におけるインターポーザー5と反対側の表面上に、配線15、バンプ30及び接着剤層40を介して半導体チップ1が繰り返し積層されている。半導体チップ1の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ本体10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。
このようなTSV技術により、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することができる。更には、半導体チップ1内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ1間、並びに、半導体チップ1及びインターポーザー5間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。本実施形態に係る接着剤層は、このようなTSV技術において、対向する半導体チップ1間、並びに、半導体チップ1及びインターポーザー5間の封止材料として適用することができる。
エリアバンプチップ技術等の自由度の高いバンプ形成方法では、インターポーザーを介さないでそのまま半導体チップをマザーボードに直接実装できる。本実施形態に係る接着剤層は、このような半導体チップをマザーボードに直接実装する場合にも適用することができる。なお、本実施形態に係る接着剤層は、2つの配線回路基板を積層する場合に、基板間の空隙を封止する際にも適用することができる。
<熱硬化性樹脂組成物>
接着剤層は、10000以下の分子量を有する熱硬化性樹脂、及びその硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物によって形成された層であることが好ましい。
((a)熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂は、加熱により架橋構造を形成し得る化合物である。熱硬化性樹脂は10000以下の分子量を有する。分子量が小さい成分は加熱時に分解等してボイドの原因となるため、耐熱性の観点から、熱硬化性樹脂としては、硬化剤と反応して架橋構造を形成する化合物が好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂が挙げられる。
(a1)アクリル樹脂
アクリル樹脂は、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に制限されない。アクリル樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル、ビフェニル、トリフェニルメタン、ジシクロペンタジエン、フルオレン、アダマンタン及びイソシアヌル酸から選ばれる化合物に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート、並びに各種多官能(メタ)アクリル化合物が挙げられる。その中でも、耐熱性の観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレン、フルオレン、アダマンタン及びイソシアヌル酸から選ばれる化合物に由来する骨格を有する(メタ)アクリレートが好ましい。アクリル樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の全量100質量部に対して、10〜50質量部が好ましく、15〜40質量部がより好ましい。アクリル樹脂の含有量が10質量部未満であると、硬化成分が少ないため、硬化後も樹脂の流動を充分に制御することが難しくなる傾向がある。アクリル樹脂の含有量が50質量部を超えると、硬化物が硬くなりすぎてパッケージの反りが大きくなる傾向がある。
アクリル樹脂は、室温(25℃)で固形であることが好ましい。液状に比べて固形の方が、ボイドが発生し難く、また、硬化前(Bステージ)の熱硬化性樹脂組成物の粘性(タック)が小さく、取り扱い性に優れる。室温(25℃)で固形であるアクリル樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、フルオレン、アダマンタン及びイソシアヌル酸から選ばれる化合物に由来する骨格を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
アクリル樹脂における(メタ)アクリロイル基の官能基数は、3以下が好ましい。官能基数が4以上であると、官能基数が多いため短時間での硬化が充分に進行せず、硬化反応率が低下する(硬化のネットワークが急速に進み、未反応基が残存する)場合がある。
(a2)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型及びジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、並びに各種多官能エポキシ樹脂が挙げられる。その中でも、速硬化性及び耐熱性の観点から、ビスフェノールF型及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の全量100質量部に対して、10〜50質量部が好ましい。エポキシ樹脂の含有量が10質量部未満であると、硬化成分が少ないため、硬化後も樹脂の流動を充分に制御することが難しくなる傾向がある。エポキシ樹脂の含有量が50質量部を超えると、硬化物が硬くなりすぎてパッケージの反りが大きくなる傾向がある。
((b)硬化剤)
硬化剤は、熱硬化性樹脂と反応して、熱硬化性樹脂とともに架橋構造を形成する化合物であれば特に制限されない。硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ホスフィン系硬化剤、アゾ化合物及び有機過酸化物が挙げられる。硬化系としてはラジカル重合系が好ましい。硬化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化性樹脂と硬化剤との組み合わせは、硬化が進行すれば特に制限されない。アクリル樹脂と組み合わせる硬化剤としては、取り扱い性及び保存安定性の観点から、有機過酸化物が好ましい。エポキシ樹脂と組み合わせる硬化剤としては、取り扱い性、保存安定性及び硬化性に優れる観点から、フェノール樹脂系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、及びイミダゾール系硬化剤単独が好ましい。その中でも、短時間で硬化すると生産性が向上することから、速硬化性に優れたイミダゾール系硬化剤を単独で用いることがより好ましい。短時間で硬化すると、低分子成分等の揮発分の量を減少できることから、ボイドの発生をより抑制することができる。
(b1)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤は、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限されない。フェノール樹脂系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール及び各種多官能フェノール樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール性水酸基/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。この当量比が0.3以上であると、硬化性が向上して接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると、未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられて、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(b2)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物基/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。この当量比が0.3以上であると、硬化性が向上して接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると、未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられて、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(b3)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、ドデカンジアミン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。この当量比が0.3以上であると、硬化性が向上して接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると、未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(b4)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及び、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。これらの中でも、硬化性、保存安定性及び接続信頼性に優れる観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤として用いてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。この含有量が0.1質量部以上であると、硬化性が向上する傾向があり、20質量部以下であると、金属接合が形成される前に熱硬化性樹脂組成物が硬化することがなく、接続不良が発生し難い傾向がある。
(b5)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。この含有量が0.1質量部以上であると、硬化性が向上する傾向があり、10質量部以下であると、金属接合が形成される前に熱硬化性樹脂組成物が硬化することがなく、接続不良が発生し難い傾向がある。
(b6)アゾ化合物
アゾ化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アゾ化合物の含有量は、アクリル樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。含有量が0.5質量部未満の場合、充分に硬化が進行しない場合があり、含有量が10質量部を超える場合、硬化が急激に進行して反応点が多くなるため、分子鎖が短くなったり、未反応基が残存したりして信頼性が低下し易い傾向がある。
(b7)有機過酸化物
有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネイト、パーオキシエステル等が挙げられる。有機過酸化物としては、保存安定性の観点から、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド及びパーオキシエステルが好ましい。更に、有機過酸化物としては、耐熱性の観点から、ハイドロパーオキサイド及びジアルキルパーオキサイドが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機過酸化物の含有量は、アクリル樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。含有量が0.5質量部未満の場合、充分に硬化が進行しない場合があり、含有量が10質量部を超える場合、硬化が急激に進行して反応点が多くなるため、分子鎖が短くなったり、未反応基が残存したりして信頼性が低下し易い傾向がある。
((c)高分子成分)
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、10000以上の重量平均分子量を有する高分子成分を更に含有していてもよい。熱硬化性樹脂、硬化剤等の、高分子成分以外の成分の重量平均分子量又は分子量は、通常、10000未満である。高分子成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルゴムが挙げられる。その中でも、耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂及びポリカルボジイミド樹脂が好ましく、耐熱性及びフィルム形成性に更に優れる観点から、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂及びアクリルゴムがより好ましい。これらの高分子成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子成分とアクリル樹脂との質量比は、特に制限されないが、高分子成分1質量部に対して、アクリル樹脂の含有量は0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜5質量部が更に好ましい。この質量比が0.01質量部より小さいと、硬化性が低下し、接着力が低下する場合があり、10質量部より大きいと、フィルム形成性が低下する場合がある。
高分子成分とエポキシ樹脂との質量比は、特に制限されないが、高分子成分1質量部に対して、エポキシ樹脂の含有量は0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜4質量部がより好ましく、0.1〜3質量部が更に好ましい。この質量比が0.01質量部より小さいと、硬化性が低下し、接着力が低下する場合があり、5質量部より大きいと、フィルム形成性及び膜形成性が低下する場合がある。
高分子成分のガラス転移温度(Tg)は、熱硬化性樹脂組成物の基板及びチップへの貼付性に優れる観点から、100℃以下が好ましく、85℃以下がより好ましい。Tgが100℃を超える場合には、半導体チップに形成されたバンプ、基板に形成された電極又は配線パターン等の凹凸を熱硬化性樹脂組成物により埋め込むことが難しく、気泡が残存してボイドが発生し易い傾向がある。なお、Tgとは、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気の条件で測定したときのTgである。
高分子成分の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で10000以上であるが、単独で良好なフィルム形成性を示すために、30000以上が好ましく、40000以上がより好ましく、50000以上が更に好ましい。重量平均分子量が10000未満であると、フィルム形成性が低下する傾向がある。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製C−R4A)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量を意味する。
((d)フィラー)
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、粘度及び硬化物の物性を制御するため、及び、半導体チップ同士、又は半導体チップと基板とを接続した際のボイドの発生及び吸湿率の更なる抑制のために、フィラーを更に含有していてもよい。フィラーとしては、例えば、無機フィラー及び樹脂フィラーが挙げられる。無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ及び窒化ホウ素等の絶縁性無機フィラーが挙げられる。その中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ及び窒化ホウ素がより好ましい。絶縁性無機フィラーはウィスカーであってもよい。ウィスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び窒化ホウ素が挙げられる。樹脂フィラーとしては、例えば、ポリウレタン、ポリイミド、メタクリル酸メチル樹脂及びメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(MBS)が挙げられる。フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。フィラーの形状、粒径、及び含有量は特に制限されない。
絶縁信頼性に優れる観点から、フィラーは絶縁性であることが好ましい。本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、銀フィラー、はんだフィラー等の導電性の金属フィラーを含有していないことが好ましい。
フィラーは、表面処理によって物性を適宜調整されていてもよい。フィラーは、分散性及び接着力向上の観点から、表面処理されたフィラーであることが好ましい。表面処理剤としては、グリシジル系(エポキシ系)、アミン系、フェニル系、フェニルアミノ系、(メタ)アクリル系、ビニル系の化合物等が挙げられる。
表面処理としては、表面処理のし易さから、エポキシシラン系、アミノシラン系、アクリルシラン系等のシラン化合物によるシラン処理が好ましい。表面処理剤としては、分散性、流動性、接着力に優れる観点から、グリシジル系、フェニルアミノ系、アクリル系及びメタクリル系の化合物が好ましい。その中でも、保存安定性の観点から、フェニル系、アクリル系及びメタクリル系の化合物がより好ましい。
フィラーの平均粒径は、フリップチップ接続時のかみ込み防止の観点から、1.5μm以下が好ましく、視認性(透明性)に優れる観点から、1.0μm以下がより好ましい。フィラーの粒径は、粒子の長軸径を意味する。
樹脂フィラーは無機フィラーに比べて、260℃等の高温で柔軟性を付与することができるため、耐リフロ性向上に適している。また、柔軟性付与が可能であるため、フィルム形成性向上にも効果がある。
フィラーの含有量は、熱硬化性樹脂組成物の固形分(溶媒以外の成分)全体を基準として、30〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。この含有量が30質量%未満では、放熱性が低く、また、ボイド発生、吸湿率が大きくなる等の傾向がある。この含有量が90質量%を超えると、粘度が高くなって熱硬化性樹脂組成物の流動性の低下及び接続部へのフィラーの噛み込み(トラッピング)が生じ、接続信頼性が低下する傾向がある。
((e)フラックス剤)
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、フラックス剤(すなわち、フラックス活性(酸化物及び不純物を除去する活性)を示すフラックス活性剤)を更に含有していてもよい。フラックス剤としては、例えば、イミダゾール類及びアミン類等の非共有電子対を有する含窒素化合物、カルボン酸類、フェノール類及びアルコール類が挙げられる。アルコール等に比べて有機酸(2−メチルグルタル酸等のカルボン酸類など)がフラックス活性を強く発現し、接続性が向上する。
フラックス剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の固形分(溶媒以外の成分)全体を基準として、0.005〜0.05質量%が好ましい。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、イオントラッパー、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤等の添加剤を更に含有していてもよい。添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。添加剤の含有量は、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物を200℃で5秒保持したときの硬化反応率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。200℃(はんだ溶融温度以下)/5秒の硬化反応率が80%より低いと、接続時(はんだ溶融温度以上)ではんだが飛散・流動し、接続信頼性及び絶縁信頼性が低下し易い。硬化反応率は、未硬化の熱硬化性樹脂組成物10mgをアルミパンに入れた後、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて昇温速度20℃/min、30〜300℃の温度範囲で測定することにより得ることができる。
熱硬化性樹脂組成物の硬化系がラジカル重合である場合、熱硬化性樹脂組成物がアニオン重合性のエポキシ樹脂(特に、重量平均分子量10000未満のエポキシ樹脂)を含有すると、硬化反応率を80%以上に調整することが難しい場合がある。熱硬化性樹脂組成物がアクリル樹脂及びエポキシ樹脂を含有する場合、エポキシ樹脂の含有量は、アクリル樹脂80質量部に対して、20質量部以下が好ましい。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、200℃以上の高温での圧着に用いることができる。また、はんだ等の金属を溶融させて接続を形成するフリップチップパッケージでは、更に優れた硬化性が発現する。
本実施形態に係る接着剤層は、生産性が向上する観点から、予め準備された接着フィルムによって形成された層であることが好ましい。接着剤フィルムの作製方法の例を以下に示す。
まず、必要に応じて、熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子成分、フィラー、その他の添加剤等を有機溶媒中に加えた後に攪拌混合、混錬等により溶解又は分散させて樹脂ワニスを調製する。次いで、離型処理を施した基材フィルム上に、ナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター、ダイコーター、コンマコーター等を用いて樹脂ワニスを塗布した後、加熱により有機溶媒を減少させて、基材フィルム上に接着剤フィルムを形成する。また、加熱により有機溶媒を減少させる前に、樹脂ワニスをウエハ等にスピンコートして膜を形成した後、溶媒乾燥を行う方法によりウエハ上に接着剤フィルムを形成してもよい。
基材フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチルペンテンフィルム等が挙げられる。基材フィルムとしては、これらのフィルムのうちの1種からなる単層のものに限られず、2種以上のフィルムからなる多層フィルムであってもよい。
塗布後の樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させる際の条件は、具体的には、50〜200℃、0.1〜90分間の加熱を行うことが好ましい。実装後のボイド及び粘度調製に影響がなければ、有機溶媒が1.5%以下まで揮発する条件とすることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<接着剤フィルムの作製>
接着剤フィルムの作製に使用した化合物を以下に示す。
(a)熱硬化性樹脂
アクリル樹脂
・エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、A−9300、アクリロイル基の官能基数:3)
・フルオレンに由来する骨格を有するアクリレート化合物(大阪ガスケミカル株式会社製、EA0200、アクリロイル基の官能基数:2)
(b)硬化剤
・ジクミル過酸化物(日油株式会社製、パークミルD)
(c)高分子成分
・フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製、ZX1356、Tg:約71℃、重量平均分子量:約63000)
・アクリルゴム(日立化成株式会社製、KH−C865、Tg:0〜12℃、重量平均分子量:450000〜650000)
(d)フィラー
無機フィラー
・シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SE2050、平均粒径:0.5μm)
・エポキシシランで表面処理されたシリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SE2050SEJ、平均粒径:0.5μm)
・メタクリル表面処理ナノシリカフィラー(株式会社アドマテックス製、YA050C−SM、以下「SMナノシリカ」と表記する、平均粒径:約50nm)
樹脂フィラー
・有機フィラー(ロームアンドハースジャパン(株)製、EXL−2655:コアシェルタイプ有機微粒子)
(製造例1)
表1に示す配合量(単位:質量部)のアクリル樹脂(A9300)、無機フィラー(SE2050、SE2050SEJ及びSMナノシリカ)及び樹脂フィラー(EXL2655)を、不揮発分(固形分(溶媒以外の成分)、ここでの溶媒はメチルエチルケトン)濃度60質量%になるようにメチルエチルケトンに加えた。次いで、Φ1.0mm、Φ2.0mmのビーズを、メチルエチルケトンに加えたアクリル樹脂及び無機フィラーの合計量と同じ量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、遊星型微粉砕機P−7)で30分撹拌した。その後、高分子成分としてのフェノキシ樹脂(ZX1356)を加え、再度、ビーズミルで30分撹拌した。撹拌後、硬化剤(パークミルD)を添加して攪拌し、ビーズをろ過によって除去してワニスを得た。得られたワニスを小型精密塗工装置(株式会社廉井精機製)で塗工し、クリーンオーブン(ESPEC製)で乾燥(70℃/10min)して、接着剤フィルムを得た。
(製造例2)
使用した材料を表1に示すように変更したこと以外は製造例1と同様にして、接着剤フィルムを得た。
Figure 2017045891
<半導体装置の製造>
(実施例1)
作製した製造例1の接着剤フィルムを切り抜き(8mm×8mm×0.045mm)、半導体チップ(チップサイズ:10mm×10mm×0.4mm、接続部の金属:Au、製品名:WALTS−TEG IP80、WALTS製)上に貼付した。次いで、接着剤フィルムを貼付した半導体チップを、仮圧着用押圧部材としての押圧部材1のステージ上に供給した。このステージ上の半導体チップと、はんだバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:7.3mm×7.3mm×0.15mm、接続部の金属:銅ピラー+はんだ、バンプ高さ:銅ピラー+はんだ計約45μm、バンプ数1048ピン、ピッチ80μm、製品名:WALTS−TEG CC80、WALTS製)とをそれぞれの接続部が互いに対向するように位置合わせした。その後、半導体チップ、接着剤フィルム及び半導体チップからなる積層体を、圧着ヘッドとステージの間に挟んで加圧及び加熱して、半導体チップ同士を仮圧着した。次いで、得られた積層体をリフロ炉に搬送し、最高温度を260℃として600秒加熱することで、チップ−チップ間を電気的に接続した。仮圧着工程で積層体を複数形成し、それらを一括でリフロ炉へ搬送することで、一度に複数の半導体装置を製造した。上記の半導体装置の製造では、下記の接続評価がAとなるように条件が設定されている。半導体装置1パッケージ(PKG)あたりの仮圧着工程及び加熱工程のそれぞれに要した製造時間、半導体装置100パッケージ(PKG)あたりの製造時間の結果を表2に示す。
・仮圧着条件
圧着ヘッドの温度:80℃、荷重:75N、ステージ温度:80℃
[接続評価]
作製した半導体装置の接続抵抗値を、マルチメータ(ADVANTEST製、商品名「R6871E」)を用いて測定することにより、実装後の初期導通を評価した。ペリフェラル部分の内周の初期接続抵抗値が45Ω以下で、かつ、外周の初期接続抵抗値が85Ω以下の場合を「A」とし、内周の初期接続抵抗値が45Ωを超える場合、外周の初期接続抵抗値が85Ωを超える場合、及び、導通していない(抵抗値が表示されない)場合を全て「B」とした。
(比較例1)
実施例1に対して次の変更をしたこと以外は実施例1と同様にして半導体装置を製造した。押圧部材のステージ上で半導体チップとバンプ付半導体チップとを位置合わせした。その後、押圧部材の圧着ヘッドとステージとで加圧しながら、圧着ヘッドの温度を1秒間で280℃まで昇温させた後、その状態で2秒間保持した。これにより、半導体チップとバンプ付半導体チップとを互いに圧着し、電気的に接続した。圧着にかかった時間の合計は3秒であった。その後、圧着ヘッドの温度を280℃から半導体チップ供給温度の80℃まで冷却した。押圧部材を用いて、半導体装置を複数製造した。上記の半導体装置の製造では、上記の接続評価が「A」となるように条件が設定されている。圧着工程の各段階に要した製造時間、半導体装置100パッケージ(PKG)あたりの製造時間の結果を表2に示す。
Figure 2017045891
(実施例2)
加熱装置としてリフロ炉の代わりにオーブンを用い、積層体を260℃のオーブン内で600秒加熱したこと以外は実施例1と同様にして半導体装置の製造を行った。結果を表3に示す。
Figure 2017045891
(実施例3)
製造例2の接着剤フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして半導体装置の製造を行った。結果を表4に示す。
(比較例2)
製造例2の接着剤フィルムを用いこと以外は比較例1と同様にして半導体装置の製造を行った。結果を表4に示す。
Figure 2017045891
(実施例4)
加熱装置としてリフロ炉の代わりにオーブンを用い、積層体を260℃のオーブン内で600秒加熱したこと以外は実施例3と同様にして半導体装置の製造を行った。結果を表5に示す。
Figure 2017045891
表2〜5の結果から明らかなように、本実施形態に係る半導体装置を製造する方法によれば、半導体装置の製造時間を短くすることができる。
1…半導体チップ、2…基板、3…積層体、5…インターポーザー、10…半導体チップ本体、15,16…配線、20…基板本体、30,32,33…バンプ、34…貫通電極、40…接着剤層、41…圧着ヘッド、42…ステージ、43…押圧装置、50…インターポーザー本体、60…加熱炉、100,200,300,400,500…半導体装置。

Claims (7)

  1. 半導体チップと、基板及び/又は他の半導体チップと、これらの間に介在する接着剤層とを備え、前記半導体チップ、前記基板、及び前記他の半導体チップのそれぞれが金属材料によって形成された表面を有する接続部を有し、前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とが金属接合によって電気的に接続されている、半導体装置を製造する方法であって、
    前記半導体チップと、前記基板又は前記他の半導体チップと、これらの間に配置された前記接着剤層とを有し、前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とが対向配置されている、積層体を、対向する一対の仮圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより前記半導体チップに前記基板又は前記他の半導体チップを仮圧着する工程と、
    前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程と、
    をこの順に備え、
    前記一対の仮圧着用押圧部材のうち少なくとも一方が、前記積層体を加熱及び加圧する時に、前記半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、及び前記基板又は前記他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱され、
    前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程において、前記積層体が、加熱炉内又はホットプレート上で、前記半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は前記基板若しくは前記他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される、方法。
  2. 複数の前記積層体が前記加熱炉内又は前記ホットプレート上で一括して加熱される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記接着剤層が、10000以下の分子量を有する熱硬化性樹脂、及びその硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物によって形成された層である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記熱硬化性樹脂組成物が、10000以上の重量平均分子量を有する高分子成分を更に含有する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記高分子成分の重量平均分子量が30000以上であり、前記高分子成分のガラス転移温度が100℃以下である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記接着剤層が、予め準備された接着剤フィルムによって形成された層である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法によって得られる、半導体装置。
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