JP2019160839A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体チップ等の部材同士を、接着剤を介在させながらフリップチップ接続方式により接続することを含む、半導体装置を製造する方法において、接着剤のはみ出しを抑制すること。【解決手段】接合用ステージ45上に配置された仮圧着体4を第一の接続部(バンプ30)の融点又は第二の接続部(配線16)の融点のうち少なくとも一方よりも高い温度に加熱しながら、仮圧着体4の上方に配置された圧着ヘッド44を、仮圧着体4に到達するまで所定の下降速度で下降させ、次いで圧着ヘッド44によって仮圧着体4を加圧し、それにより第一の接続部(バンプ30)と第二の接続部(配線16)とが電気的に接続された接合体6を得ることを含む、半導体装置を製造する方法が開示される。圧着ヘッドの下降速度が3mm/秒以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
半導体装置を製造するための接続方式として、半導体チップ等にバンプと呼ばれる導電性突起を接続部として設け、対向する接続部同士を直接接続する、フリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。FC接続方式は、例えば、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられる。半導体チップと配線回路基板とを接続するCOB(Chip On Board)型の接続方式も、FC接続方式である。FC接続方式は、半導体チップ上にバンプ又は配線を形成して、半導体チップ同士を間で接続するCOC(Chip On Chip)型接続方式にも広く用いられている。
半導体ウエハ又は配線回路基板上に複数の半導体チップを仮圧着し、複数の半導体チップを一括で加圧して接続を確保する、ギャングボンディング方式も生産性向上の観点から注目されている。例えば、生産性向上の観点から、1枚の半導体ウエハ上に複数の半導体チップを接続した後、得られた接合体を個片化して半導体パッケージを作製するCOW(Chip On Wafer)が採用されることがある。半導体ウエハ同士を圧着した後に個片化して半導体パッケージを作製するWOW(Wafer On Wafer)も注目されている(特許文献1)。
特開2008−294382号公報
半導体チップ等の部材同士を、接着剤を介在させながらフリップチップ接続方式により接続する場合、接着剤が接続される部材の端部からはみ出すことがある。この接着剤のはみ出しが、生産性の更なる向上に対して妨げとなり得る。例えば、1枚の半導体ウェハに複数の半導体チップを接続することを経て半導体装置を製造するCOW(Chip On Wafer)において、半導体チップの端部から接着剤が多くはみ出すと、半導体チップの間隔を広くする必要がある。そうすると、1枚の半導体ウェハ上で作製できる半導体パッケージの量が少なくなり、これが生産性向上を妨げる要因となり得る。
そこで、本発明は、半導体チップ等の部材同士を、接着剤を介在させながらフリップチップ接続方式により接続することを含む、半導体装置を製造する方法において、接着剤のはみ出しを抑制することを目的とする。
本発明の一側面に係る半導体装置を製造する方法は、
第一の接続部を有する第一の部材、第二の接続部を有する第二の部材及び接着剤層を有する仮圧着体であって、前記第一の部材及び前記第二の部材が、前記接続部同士が対向配置されるように前記接着剤層を介して貼り合わせられている、仮圧着体を、接合用ステージ上に配置することと、
前記仮圧着体を前記第一の接続部の融点又は前記第二の接続部の融点のうち少なくとも一方よりも高い温度に加熱しながら、前記接合用ステージと対向するように前記仮圧着体の上方に配置された圧着ヘッドを前記仮圧着体に到達するまで所定の下降速度で下降させ、次いで前記圧着ヘッドによって前記仮圧着体を加圧し、それにより前記第一の接続部と前記第二の接続部とが電気的に接続された接合体を得ることと、を含む。
本発明の一側面に係る半導体装置を製造する方法は、
第二の接続部を有する第二の部材を接合用ステージ上に配置することと、
第一の接続部を有し圧着ヘッドに吸着された第一の部材を、前記第一の接続部と前記第二の接続部とが対向するように配置することと、
前記接合用ステージ及び/又は前記圧着ヘッドを前記第一の接続部の融点又は前記第二の接続部の融点のうち少なくとも一方よりも高い温度に加熱しながら、前記第一の部材と前記第二の部材との間に接着剤層を配置した状態で前記圧着ヘッドを前記第一の部材、前記接着剤層及び前記第二の部材を有する積層体が形成されるまで所定の下降速度で下降させ、次いで前記圧着ヘッドによって前記積層体を加圧し、それにより前記第一の接続部と前記第二の接続部とが電気的に接続された接合体を得ることと、を含む。
上記方法において、前記第一の部材が半導体チップ又は半導体ウエハで、前記第二の部材が配線回路基板、半導体チップ又は半導体ウエハである。前記下降速度が3mm/秒以上である。
接合体を得る際の圧着ヘッドの下降速度が大きいと、接着剤が押し出され易くなることが予測される。ところが、下降速度がある程度大きくなると、接着剤のはみ出しがむしろ抑制されることが、本発明者らの検討の結果、明らかとなった。
本発明によれば、半導体チップ等の部材同士を、接着剤を介在させながらフリップチップ接続方式により接続することを含む、半導体装置を製造する方法において、接着剤のはみ出しを抑制することができる。本発明に係る方法は、ボイド抑制と接続確保の両立の点でも、有利であり得る。本発明の方法は、多数の高信頼性の半導体装置を短時間で製造できる点でも優れる。
CPU、MPU等に用いられるエリアアレイ型の半導体装置(半導体パッケージ)では、高機能化が強く要求される。そのため、半導体チップの大型化、ピン(バンプ、配線)数の増加、ピッチ及びギャップの高密度化の傾向がある。さらなる小型化、薄型化、高機能化が強く要求された半導体パッケージでは、チップスタック型パッケージ、及びPOP(Package On Package)、TSV(Through−Silicon Via)等も広く普及し始めている。これらの技術は、半導体チップを平面状でなく立体的に配置することでパッケージを小さくできることから多用されている。これらは半導体装置の性能向上及びノイズ低減、実装面積の削減、省電力化にも有効であり、次世代の半導体配線技術として注目されている。本発明に係る方法は、これらの半導体装置を製造する方法としても有用である。
第一の部材と第二の部材とを圧着し仮圧着体を得る工程の一実施形態を示す工程図である。 仮圧着体を加熱及び加圧して接合体を得る工程の一実施形態を示す工程図である。 接合体を加圧雰囲気下で加熱する工程の一実施形態を示す工程図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の実施形態について詳細に説明する。図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づく。発明の構成は、図示の比率に限られるものではない。
<半導体装置を製造する方法>
第一の実施形態
図1及び図2は、半導体装置を製造する方法の一実施形態(第一の実施形態)を示す工程図である。本実施形態に係る方法は、第一の接続部を有する第一の部材及び第二の接続部を有する第二の部材を、それらの間に接着剤層を介在させながら重ね、形成された積層体を、第一の接続部の融点及び第二の部材の接続部の融点よりも低い温度で加圧することによって、仮圧着体を得ることと、仮圧着体を接合用ステージ上に配置することと、仮圧着体を第一の接続部の融点又は第二の接続部の融点のうち少なくとも一方よりも高い温度に加熱しながら、接合用ステージと対向するように仮圧着体の上方に配置された圧着ヘッドを仮圧着体に到達するまで所定の下降速度で下降させ、次いで圧着ヘッドによって仮圧着体を加圧し、それにより第一の接続部と第二の接続部とが電気的に接続された接合体を得ることとを含む。
図1は、半導体チップ1(第一の部材)と配線回路基板2(第二の部材)とを圧着し、仮圧着体4を得る工程を示す。まず、図1の(a)に示されるように、半導体チップ本体10、及び第一の接続部としてのバンプ30を有する半導体チップ1を、基板本体20、及び第二の接続部としての配線16を有する配線回路基板2に、これらの間に接着剤によって形成された接着剤層40を介在させながら重ねて、積層体3を形成させる。半導体チップ1は、ダイシングテープ上で半導体ウエハのダイシングによって形成された後、ピックアップされて配線回路基板2上まで搬送され、接続部としてのバンプ30と配線16とが対向配置されるように、位置合わせされる。半導体チップ1を圧着ヘッド41に吸着させることによりピックアップし、圧着ヘッド41に吸着された半導体チップ1を、配線回路基板2と重ねてもよい。積層体3は、対向配置された一対の仮圧着用押圧部材としての圧着ヘッド41及びステージ42の間に形成される。バンプ30は、半導体チップ本体10上に設けられた配線15上に設けられている。配線回路基板2の配線16は、基板本体20上の所定の位置に設けられている。バンプ30及び配線16は、それぞれ、金属材料によって形成された表面を有する。
接着剤層40は、熱硬化性であってもよい。接着剤層40は、予め準備されたフィルム状接着剤を配線回路基板2に貼り付けることによって形成された層であってもよい。フィルム状接着剤は、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって配線回路基板2に貼り付けることができる。接着剤層の供給面積及び厚さは、半導体チップ1又は配線回路基板2のサイズ、接続部の高さ等に応じて適宜設定される。フィルム状接着剤を半導体チップ1に貼付してもよい。フィルム状接着剤を半導体ウエハに貼付し、その後、半導体ウエハをダイシングして半導体ウエハを個片化することによって、フィルム状接着剤が貼付された半導体チップ1を作製してもよい。ペースト状の接着剤を配線回路基板2上、又は半導体チップ1上に供給することにより、接着剤層40を形成してもよい。
続いて、図1の(b)に示されるように、積層体3を、仮圧着用押圧部材としてのステージ42及び圧着ヘッド41の間に挟む熱プレスによって加熱及び加圧し、それにより半導体チップ1を配線回路基板2を仮圧着し、仮圧着体4を得る。図1の実施形態の場合、圧着ヘッド41は、半導体チップ1側に配置され、ステージ42は、配線回路基板2側に配置されている。ステージ及び圧着ヘッドを有する仮圧着用押圧装置としては、フリップチップボンダー等を用いることができる。
仮圧着のために積層体3を加圧する間、ステージ42又は圧着ヘッド41のうち少なくとも一方が、半導体チップ1の接続部としてのバンプ30の融点、及び配線回路基板2の接続部としての配線16の融点よりも低い温度に加熱される。本明細書において、「接続部の融点」は、接続部の表面を形成している金属材料の融点を意味する。
仮圧着体を得る工程では、第一の部材としての半導体チップ等をピックアップする際に熱が半導体チップ等へ転写しないように、仮圧着用押圧部材が低温に設定される。仮圧着のために積層体を加熱及び加圧する間、巻き込まれたボイドを排除できる程度に接着剤層の流動性を高めるために、仮圧着用押圧部材をある程度高温に加熱してもよい。冷却時間を短縮するため、半導体チップ等をピックアップする時の押圧部材の温度と、仮圧着体を得るために積層体を加熱及び加圧する時の押圧部材の温度(熱プレスの温度)との差は小さくてもよい。この温度差は100℃以下、又は60℃以下であってもよい。この温度差は一定であってもよい。温度差が100℃以下又は60℃以下であると、仮圧着用押圧部材の冷却にかかる時間を短くすることができる。
仮圧着体を得るための熱プレスの温度(ステージ42及び/又は圧着ヘッド41の温度)は、接着剤層の反応開始温度よりも低い温度であってもよい。反応開始温度とは、DSC(パーキンエルマー社製、DSC−Pyirs1)を用いて、接着剤のサンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気又は窒素の条件で測定したときに得られるDSCサーモグラムにおけるOn−set温度をいう。
以上の観点から、仮圧着体を得るための熱プレスの温度(ステージ42及び/又は圧着ヘッド41の温度)は、接着剤層が配線回路基板又は半導体ウエハ等に密着し、かつ接着剤層の硬化反応が進行しない温度に設定することができる。仮圧着体を得るための熱プレスの温度は、140℃以下、110℃以下、又は80℃以下であってもよく、25℃以上であってもよい。このように仮圧着体を得る工程を低温で行ったとしても、これに続く接合体を得る工程等を経ることにより、ボイド抑制及び接続の点で十分な半導体装置を得ることができる。
仮圧着体4を得るための熱プレスの押圧荷重は、バンプ数、バンプの高さばらつきの吸収、及びバンプ変形量の制御を考慮して適宜設定される。仮圧着体4において、半導体チップ1の接続部(バンプ30)と配線回路基板2の接続部(配線16)とが接触していてもよい。これにより、この後の接合の工程において接続部同士の金属結合が形成され易く、また、接着剤の噛み込みが少ない傾向がある。接続部同士を充分に接触させる観点から、押圧荷重は、例えば、半導体チップ1のバンプ30の1個あたり、0.009〜0.2Nであってもよい。
仮圧着体4を得るために積層体3を加圧する時間は、生産性向上の観点から、5秒以下、3秒以下、又は2秒以下であってもよく、0.1秒以上であってもよい。
図2は、仮圧着体4を加熱及び加圧する熱プレスによって、接合体6を得る工程を示す。図2の(a)及び(b)に示されるように、押圧装置43とは別に準備された、対向配置されたステージ45(接合用ステージ)及び圧着ヘッド44を有する接合用の押圧装置46を用いて、仮圧着体4を加熱及び加圧する。圧着ヘッド44は、半導体チップ1の上方に、仮圧着体4から離れて配置されている。仮圧着体4をステージ45によって加熱しながら、圧着ヘッド44を仮圧着体4に向けて所定の下降速度で下降させ、仮圧着体4まで到達した圧着ヘッド44によって仮圧着体を押圧することによって、仮圧着体4が加熱及び加圧される。
圧着ヘッド44をある程度大きな速度で下降させることにより、接着剤層40が半導体チップ1の外周よりも外側にはみ出すことが抑制され、それにより生産性向上を図ることができる。係る観点から、圧着ヘッドの下降速度は、3mm/秒以上、4mm/秒以上、又は7mm/秒以上であってもよい。圧着ヘッドの下降速度は、20mm/秒以下、15mm/秒以下、又は12mm/秒以下であってもよい。
圧着ヘッド44を下降させる間、及び仮圧着体4を圧着ヘッド44で押圧する間、ステージ45又は圧着ヘッド44のうち少なくとも一方が、半導体チップ1の接続部としてのバンプ30の融点、又は配線回路基板2の接続部としての配線16の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される。
ステージ45及び/又は圧着ヘッド44の温度(すなわち、接合体を得るための加熱温度)は、接続部表面の酸化膜が効率的に除去される温度以上に設定してもよい。係る加熱温度は、例えば220℃以上330℃以下である。例えば接続部の金属材料がはんだを含む場合、加熱温度が220℃以上であると、接続部のはんだが溶融して、充分な金属結合が形成され易い。温度が330℃以下であると、ボイドが発生し難く、また、はんだが飛散し難い。加熱温度は、接続部の金属材料が融点約220℃のSn/Agを含む場合も、220℃以上であってもよい。
接合体6を得るための押圧荷重は、接続部表面の酸化膜除去、バンプの数、バンプの高さばらつきの吸収、及びバンプ変形量の制御等を考慮して適宜設定される。押圧荷重が、大きいと、酸化膜が除去され易い傾向がある。押圧荷重は、例えば、半導体チップの接続部(バンプ)1個あたり、0.009〜0.2Nであってもよい。この押圧荷重が0.009N以上であると、接続部に形成された酸化膜が除去され易く、また、接着剤が接続部にトラップされ難い。押圧荷重が0.2N以下であると、はんだ等を含むバンプが潰れたり、飛散したりするといった不具合が生じ難い。
接合体6を得るための加圧時間は、生産性向上の観点から、5秒以下、3秒以下、又は2秒以下であってもよく、0.1秒以上であってもよい。
接着剤層40が熱硬化性である場合、接合体6を得るための熱プレスの過程で接着剤層40を十分に硬化させてもよい。接合体を後述のように加圧雰囲気下で更に加熱する場合、その際に接着剤層40がある程度流動性を有する程度に、接合体6を得るための熱プレスによって接着剤層40が部分的に硬化されてもよい。加圧雰囲気下での加熱の間に接着剤層40がある程接流動することで、接着剤層40中のボイドの残存をより一層抑制することができる。また、接合体6を得るための熱プレスにおいて接着剤層40に加えられる熱履歴を硬化反応率が小さく留まる程度にすることで、接続部周囲の接着剤のはみ出しをより効果的に抑制することもできる。加熱及び加圧の時間が3秒以下、又は1秒以下であると、接着剤層40を適切に部分的に硬化させ易い。
仮圧着用押圧部材及び接合用押圧部材は、2つ以上の別々の装置にそれぞれ設置されていてもよく、両方が1つの装置内に設置されていてもよい。
続いて、図3に示すように、接合体6を、加熱炉60内の加圧雰囲気下で加熱して、半導体装置100を得てもよい。加圧雰囲気下での加熱によって、通常、接着剤層によって接続部間の空隙を充てんすることができる。1つの加熱炉60内で複数の接合体6を一括して加熱することができる。1つの第二の部材及びこれと接合された複数の第一の部材を有する接合体を、加圧雰囲気下で加熱してもよい。加熱炉は、多数の接合体を容易に均一に加熱することができ、これにより生産性が向上する。接合体を得るための熱プレスの際に、半導体シップの端部から接着剤がはみ出すことがあるが、加熱炉内での加熱により、はみ出した部分の接着剤も十分に加熱することができ、それにより加熱時間の短縮を図ることができる。加熱炉としては、リフロ炉、加圧オーブン等を用いることができる。
接合体を加圧雰囲気下で加熱すると、接合体を押圧部材を用いて加熱及び加圧する場合と比較して、接着剤のはみ出しが抑制される傾向がある。はみ出し抑制は、小型化及び高密度化した半導体装置の製造において、特に重要である。ここで、はみ出し抑制とは、フィレット幅を小さく抑制することを意味し、フィレット値は、半導体装置の外周からはみ出した接着剤の最大幅である。フィレット幅は、例えば、半導体装置の外観画像を、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE製、VHX−5000)によって撮影し、得られた画像上で計測することができる。半導体チップの周囲4辺からはみ出した接着剤層の幅(フィレット幅)を計測し、その平均値がフィレット値として求められる。フィレット値は、半導体ウエハ又は配線回路基板等の上に多くの半導体チップ等を搭載する観点から、150μm以下であってもよい。
加熱炉60内を加圧雰囲気とした状態で、接合体が加熱される。本明細書において、「加圧雰囲気」は、大気圧を超える気圧を有する気体雰囲気を意味する。加熱炉60内の気圧は、大気圧を超えて1MPa以下、又は、0.05〜0.5MPaであってもよい。気圧が0.1MPa以上であると、ボイドが特に効果的に消失し、また、良好な接続を確保し易い。気圧が0.5MPa以下であると、接着剤のはみ出しがより一層抑制され得る。
加熱炉60内の雰囲気温度は、接着剤層が溶融する温度、又は、接着剤層のガラス転移温度(Tg)以上の温度であってもよく、接着剤層の硬化が進行する温度であってもよい。また、加熱炉60内の雰囲気温度が、接続部の融点以上であってもよい。加熱炉60内の雰囲気温度は、例えば、130℃以上300℃以下、又は140℃以上270℃以下であってもよい。この温度が130℃以上であると、接着剤層がある程度流動性を有しながら適切に硬化し易く、加圧によってボイドが特に効果的に抑制される傾向がある。温度が300℃以下であると、ボイドが特に抑制され、半導体装置の反りが生じ難い。後述のように加熱炉60内の雰囲気を昇温する場合、最高到達温度が上記範囲内であってもよい。
加圧雰囲気下の加熱の時間は、接着剤層の硬化が更に進行する程度に、設定される。例えば、加熱炉60内の雰囲気温度が130℃以上300℃以下である時間が、1分以上120分以下、又は5分以上60分以下であってもよい。
接合体を加熱する間に、加熱炉60内の雰囲気を昇温してもよい。その場合の昇温速度は、特に制限はないが、5℃/分以上300℃/分以下、又は10℃/分以上250℃/分以下であってもよい。昇温速度が5℃/分以上であると、生産性が向上するとともに、ボイドが特に効果的に消失する傾向がある。昇温速度が300℃/分以下であると、急昇温によるボイド発生等の不具合が生じ難い。
加熱炉60内の雰囲気は、特に制限はないが、空気、窒素、又は蟻酸等を含んでいてもよい。
生産性向上の観点から、第一の部材又は第二の部材のうち少なくとも一方として半導体ウエハを用いてもよい。その例としては、半導体ウエハに半導体チップを接続した後に個片化するCoW(Chip On Wafer)、半導体ウエハ同士を圧着した後に個片化するWoW(Wafer On Wafer)がある。
第二の実施形態
第一の実施形態のように仮圧着体を形成することを含む方法に代えて、第二の接続部を有する第二の部材を接合用ステージ上に配置することと、第一の接続部を有し圧着ヘッドに吸着された第一の部材を、第一の接続部と第二の接続部とが対向するように配置することと、接合用ステージ及び/又は圧着ヘッドを第一の接続部の融点又は第二の接続部の融点のうち少なくとも一方よりも高い温度に加熱しながら、第一の部材と第二の部材との間に接着剤層を配置した状態で圧着ヘッドを第一の部材、接着剤層及び第二の部材を有する積層体が形成されるまで所定の下降速度で下降させ、次いで圧着ヘッドによって積層体を加圧し、それにより第一の接続部と第二の接続部とが電気的に接続された接合体を得ることとを含む方法により、接合体を形成してもよい。この加熱及び加圧の過程で、第一の部材と第二の部材の間が、第一の接続部及び第二の接続部が封止されるように接着剤層によって充填される。
この方法における圧着ヘッドの下降速度が、3mm/秒以上、4mm/秒以上、又は7mm/秒以上であってもよく、20mm/秒以下、15mm/秒以下、又は12mm/秒以下であってもよい。これにより接着剤のはみ出しを抑制することができる。
第一の部材が半導体チップ又は半導体ウエハで、前記第二の部材が配線回路基板、半導体チップ又は半導体ウエハであることができる。
接着剤によって形成されたフィルム状接着剤を、第一の部材又は第二の部材に貼り付けることにより、第一の部材と第二の部材との間に接着剤を配置することができる。ペースト状の接着剤を、第一の部材上又は第二の部材上に供給してもよい。
圧着ヘッドを下降させる間、及び積層体を圧着ヘッドで押圧する間、接合用ステージ又は圧着ヘッドのうち少なくとも一方が、第一の接続部の融点、又は第二の接続部の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される。接合体を得るための加熱及び加圧の時間は、接続部がはんだバンプである場合、20秒以下、10秒以下、又は5秒以下であってもよい。銅−銅又は銅−金の金属接続の場合、加熱及び加圧の時間は60秒以下であってもよい。加熱及び加圧の時間は0.1秒以上であってもよい。
その他、加熱及び加圧の条件は、第一の実施形態における接合体を得るための加熱及び加圧の条件と同様に、設定することができる。形成された接合体を、第一の実施形態と同様に、加圧雰囲気下で更に加熱してもよい。
<半導体装置>
図4、図5、図6及び図7は、それぞれ、上述の実施形態に係る方法によって製造することができる半導体装置の他の実施形態を示す断面図である。
図4に示す半導体装置200は、半導体チップ本体10を有する半導体チップ1(第一の部材)と、基板本体20を有する配線回路基板2(第二の部材)と、これらの間に介在する接着剤層40とを備える。半導体装置200の場合、半導体チップは、接続部として、半導体チップ1の配線回路基板2側の面に配置されたバンプ32を有する。配線回路基板2は、接続部として、基板本体20の半導体チップ1側の面上に配置されたバンプ33を有する。半導体チップ1のバンプ32と、配線回路基板2のバンプ33とは、金属接合によって電気的に接続されている。すなわち、半導体チップ1及び配線回路基板2は、バンプ32,33によりフリップチップ接続されている。バンプ32,33は、接着剤層40によって封止されることで、外部環境から遮断されている。
図5及び図6は、半導体チップ同士が接続された接続体であるCoC型の半導体装置を示す。図5に示す半導体装置300の構成は、2つの半導体チップ1が第一の部材及び第二の部材として、配線15及びバンプ30を介してフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図6に示す半導体装置400の構成は、2つの半導体チップ1がバンプ32を介してフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置200と同様である。
図3〜図6に示される半導体装置100、200、300、及び400において、配線15、バンプ32等の接続部は、パッドと呼ばれる金属膜(例えば、金めっき)であってもよく、ポスト電極(例えば、銅ピラー)であってもよい。例えば、一方の半導体チップが接続部として銅ピラー及び接続バンプ(はんだ:スズ−銀)を有し、他方の半導体チップが接続部として金めっきを有していてもよい。この場合、接合体を得るための熱プレスの際に、接続部が、接続部の表面を形成している金属材料のうち最も融点が低いはんだの融点以上の温度に達すればよい。
配線15及び16、バンプ30、バンプ32及び33等の接続部の主成分の例としては、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケルが用いられる。接続部は単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。接続部は、これらの金属を含む複数の金属層が積層された構造を有していてもよい。金属材料のうち、銅、はんだが、比較的安価である。接続信頼性の向上及び反り抑制の観点から、接続部がはんだを含んでいてもよい。
配線15,16(配線パターン)の表面に、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を主成分とする金属層が形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。複数の金属層が積層されていてもよい。金属層が、比較的安価な銅又ははんだを含んでいてもよい。接続信頼性の向上及び反り抑制の観点から、金属層が、はんだを含んでいてもよい。
パッドの主成分の例としては、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等が用いられる。パッドは単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。パッドは、これらの金属が積層された構造を有していてもよい。接続信頼性の観点から、パッドが金又ははんだを含んでいてもよい。
接続部の電気伝導性・熱伝導性に優れた半導体装置を得るために、接続部を構成する金属は金、銀及び銅から選ばれてもよく、接続部が銀及び/又は銅を含んでいてもよい。製造コストの観点からは、接続部が銀、銅若しくははんだ、銅若しくははんだ、又ははんだを含んでいてもよい。室温において金属の表面に酸化膜が形成すると生産性が低下する場合、及びコストが増加する場合があるため、酸化膜の形成を抑制する観点から、接続部は金、銀、銅若しくははんだ、又は金若しくは銀を含んでいてもよい。
半導体チップ本体10としては、特に制限はなく、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体などの各種半導体を用いることができる。
配線回路基板2としては、特に制限はなく、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分とする絶縁基板を基板本体として有し、その表面に形成された金属層の不要な箇所をエッチング除去して配線(配線パターン)が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線(配線パターン)が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線(配線パターン)が形成された回路基板などを用いることができる。配線回路基板は、インターポーザー又はマザーボードであることができる。
半導体装置100、200、300、400のような半導体装置(パッケージ)を積層して、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等で電気的に接続してもよい。接続するための金属は、比較的安価な銅又ははんだであってもよい。例えば、TSV技術で見られるような、接着剤層を半導体チップ間に介して、フリップチップ接続又は積層し、半導体チップを貫通する孔を形成し、パターン面の電極とつなげてもよい。
図7は、半導体装置の他の一実施形態を示す断面図である。図7に示す半導体装置500は、複数の半導体チップ1が積層されたTSV(Through−Silicon Via)構造を有する。図7に示す半導体装置500では、配線回路基板としてのインターポーザー本体50上に形成された配線15が半導体チップ1のバンプ30と接続されることにより、半導体チップ1とインターポーザー5とがフリップチップ接続されている。半導体チップ1とインターポーザー5との間には接着剤層40が介在している。半導体チップ1におけるインターポーザー5と反対側の表面上に、配線15、バンプ30及び接着剤層40を介して半導体チップ1が繰り返し積層されている。半導体チップ1の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ本体10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。
図7に例示されるようなTSV構造の半導体装置によれば、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することができる。更には、半導体チップ1内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ1間、並びに、半導体チップ1及びインターポーザー5間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。
図7の半導体装置500の場合、複数の半導体チップ1を一つずつ積み重ねて順次仮圧着し、その後の加熱及び加圧によって接合体を得て、最後に一括で複数の半導体チップ1を加圧雰囲気下で加熱してもよい。
多層の半導体チップを有する半導体装置の他の例として、チップスタック型パッケージ、POP(Package On Package)もあり、これもTSVと同様の方法により製造することができる。
<接着剤>
以下、上述の実施形態に係る半導体装置を製造する方法において用いることのできる接着剤のいくつかの実施形態について、説明する。一実施形態に係る接着剤は、熱硬化性樹脂、及びその硬化剤を含有する。接着剤は、フラックス剤を含有していてもよい。接着剤は、必要に応じて、重量平均分子量が10000以上の高分子成分を含有していてもよい。接着剤は、必要に応じて、フィラーを含有していてもよい。
(a)成分:熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂は、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であってもよい。エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及び各種多官能エポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。熱硬化性樹脂の重量平均分子量は、通常10000未満である。
熱硬化性樹脂は、高温での接続時に分解して揮発成分が発生することを抑制する観点から、半導体装置を製造する工程における加熱及び加圧の加熱温度が250℃の場合は、250℃における熱重量減少量率が5%以下の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。加熱温度が300℃の場合は、300℃における熱重量減少量率が5%以下の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂の含有量は、接着剤の全量基準で、例えば5〜75質量%であり、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは15〜35質量%である。
(b)成分:硬化剤
硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤が挙げられる。硬化剤がフェノール性水酸基、酸無水物、アミン類又はイミダゾール類を含むと、接続部に酸化膜が生じることを抑制するフラックス活性を示し、接続信頼性・絶縁信頼性を向上させることができる。
(i)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂及び各種多官能フェノール樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール性水酸基/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(ii)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物基/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iii)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドを使用することができる。
熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iv)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及び、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。これらの中でも、優れた硬化性、保存安定性及び接続信頼性の観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤としてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、熱硬化性樹脂(又はエポキシ樹脂)100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。イミダゾール系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、20質量部以下であると金属接合が形成される前に接着剤が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
(v)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、熱硬化性樹脂(又はエポキシ樹脂)100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。ホスフィン系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、10質量部以下であると金属接合が形成される前に接着剤が硬化し難く、接続不良が発生しにくい傾向がある。
フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びアミン系硬化剤は、それぞれ1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいが、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤と共に用いてもよい。
(c)フラックス剤
フラックス剤は、例えば式(1)で表される基を有する化合物である。フラックス剤は、式(1)で表される化合物の1種単独、又は2種以上の組み合わせであることができる。
Figure 2019160839
式(1)中、Rは、電子供与性基を示す。電子供与性基としては、例えば、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、が挙げられる。電子供与性基は、他の成分(例えばエポキシ樹脂)と反応しにくいものが好ましく、アルキル基、水酸基又はアルコキシル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。電子供与基は多い方が電子供与性が強いが、立体障害も大きくなる。そのため、アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよいが、直鎖状であることが好ましい。アルキル基が直鎖状である場合、立体障害の観点から、アルキル基の炭素数は、カルボン酸を含む主鎖の炭素数と同等かそれ以下が好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基がより好ましい。電子供与基は多い方が電子供与性は強いが、立体障害も大きくなる。そのため、アルコキシ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。アルコキシ基のアルキル基部分が直鎖状である場合、立体障害の観点から、その炭素数がカルボン酸を含む主鎖と同等かそれ以下が好ましい。
アルキルアミノ基としては、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が挙げられる。モノアルキルアミノ基としては、炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基が好ましく、炭素数1〜5のモノアルキルアミノ基がより好ましい。モノアルキルアミノ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ジアルキルアミノ基としては、炭素数1〜20のジアルキルアミノ基が好ましく、炭素数1〜10のジアルキルアミノ基がより好ましい。ジアルキルアミノ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
フラックス剤は、カルボキシル基を2つ有する化合物(ジカルボン酸)であることが好ましい。カルボキシル基を2つ有する化合物は、カルボキシル基を1つ有する化合物(モノカルボン酸)と比較して、接続時の高温によっても揮発し難く、ボイドの発生を一層抑制できる。また、カルボキシル基を2つ有する化合物を用いると、カルボキシル基を3つ以上有する化合物を用いた場合と比較して、保管時・接続作業時等における接着剤の粘度上昇を一層抑制することができる。その結果、半導体装置の接続信頼性を一層向上させることができる。
フラックス剤としては、下記式(2)で表される化合物を好適に用いることができる。下記式(2)で表される化合物からなるフラックス剤によれば、半導体装置の耐リフロー性及び接続信頼性を一層向上させることができる。
Figure 2019160839
式(2)中、Rは電子供与性基を示し、Rは水素原子又は電子供与性基を示し、nは0〜10の整数を示す。
式(2)におけるnは、2〜10の整数であることが好ましく、0〜8の整数であることがより好ましい。nが10以下であると、フラックス活性がより短時間で発現するようになり、特に接続時間が短い場合において、一層優れた接続信頼性が得られる。また、nが2以上であると、接続時の高温によっても揮発し難く、ボイドの発生を一層抑制することができる。
は、水素原子であっても電子供与性基であってもよい。Rが水素原子であると、融点が低くなる傾向があり、接続信頼性(はんだ濡れ性)がよくなる場合がある。例えば、R及びR共にメチル基があるフラックス剤の融点は、R又はRのうち一方がメチル基であるフラックス剤の融点に比べて高くなる傾向がある。はんだの濡れ性は、融点によっては(例えば150℃以上になると)低下する傾向がある。
フラックス剤としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸及びドデカン二酸から選択されるジカルボン酸の2位に電子供与性基が置換した化合物を用いることができる。
フラックス剤の融点は、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。このようなフラックス剤は、熱硬化性樹脂と硬化剤との硬化反応が生じる前にフラックス活性を十分に発現する。そのため、このようなフラックス剤を含有する接着剤によれば、接続信頼性に一層優れる半導体装置を実現できる。また、フラックス剤の融点は、25℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。フラックス化合物の融点は、例えば装置は二重管式温度計に試料を詰めた毛細管を取り付けて温浴で加温する方法により測定することができる。
フラックス剤の含有量は、接着剤の全量基準で、0.5〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
(d)成分:高分子成分
接着剤は、必要に応じて、高分子成分を含有していてもよい。高分子成分を含有する接着剤は、耐熱性及びフィルム形成性に一層優れる。
高分子成分としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルゴムが挙げられる。これらの中でも耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂及びポリカルボジイミド樹脂が好ましく、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びアクリルゴムがより好ましい。これらの高分子成分は単独で又は2種以上の混合物又は共重合体として使用することもできる。但し、高分子成分には、上述の熱硬化性樹脂は含まれない。
高分子成分のガラス転移温度(Tg)は、接着剤の基板又は半導体チップへの貼付性に優れる観点から、50℃以上200℃以下、50℃以上180℃以下、又は50℃以上150℃以下であることが好ましい。高分子成分のTgが200℃を超えると、半導体チップのバンプ、基板に形成された電極及び配線パターン等の凹凸を接着剤により埋め込むことが難しなるため、ボイド抑制の効果が相対的に小さくなる可能性がある。ここでのTgは、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気の条件で測定されるTgである。
高分子成分の重量平均分子量は、通常10000以上である。単独で良好なフィルム形成性を示すために、高分子成分の重量平均分子量は30000以上が好ましく、40000以上がより好ましく、50000以上が更に好ましい。本明細書において、重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定される、標準ポリスチレン換算の値を意味する。
接着剤が高分子成分を含有するとき、高分子成分の含有量Cに対する熱硬化性樹脂の含有量Cの比C/C(質量比)は、0.01〜5であることが好ましく、0.05〜3であることがより好ましく、0.1〜2であることがさらに好ましい。比C/Cを0.01以上とすることで、より良好な硬化性及び接着力が得られ、比C/Cを5以下とすることでより良好なフィルム形成性が得られる。
(e)成分:フィラー
接着剤は、必要に応じて、フィラーを含有していてもよい。フィラーによって、接着剤の粘度、接着剤の硬化物の物性等を制御することができる。具体的には、フィラーによれば、例えば、接続時のボイド発生の抑制、接着剤の硬化物の吸湿率の低減、等を図ることができる。
フィラーとしては、絶縁性無機フィラー、ウィスカー、樹脂フィラー等を用いることができる。フィラーとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
絶縁性無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ及び窒化ホウ素が挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ及び窒化ホウ素がより好ましい。
ウィスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び窒化ホウ素が挙げられる。
樹脂フィラーとしては、例えば、ポリウレタン、ポリイミド等の樹脂からなるフィラーが挙げられる。
フィラーの形状、粒径及び含有量は特に制限されない。フィラーは、表面処理によって物性を適宜調整されたものであってもよい。
フィラーの含有量は、接着剤の全量基準で、10〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましい。
(その他の成分)
接着剤には、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、イオントラップ剤等の添加剤を配合してもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの配合量については、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
接着剤は、フィルム状であることができる。接着剤を用いたフィルム状接着剤の作製方法の一例を以下に示す。
まず、熱硬化性樹脂、硬化剤及び必要に応じて添加されるその他の成分を、有機溶媒に加え、攪拌混合、混錬等により、溶解又は分散させて、樹脂ワニスを調製する。その後、離型処理を施した基材フィルム上に、樹脂ワニスをナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター等を用いて塗布する。塗膜から加熱により有機溶媒を除去することにより、基材フィルム上にフィルム状接着剤を形成することができる。
樹脂ワニスの調製に用いる有機溶媒としては、各成分を均一に溶解又は分散し得る特性を有するものが好ましく、その例としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、及び酢酸エチルが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂ワニス調製の際の攪拌混合及び混錬は、例えば、攪拌機、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル又はホモディスパーを用いて行うことができる。
基材フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム及びポリエーテルイミドフィルムを例示できる。基材フィルムは、これらのフィルムからなる単層のものに限られず、2種以上の材料からなる多層フィルムであってもよい。
基材フィルムへ塗布した樹脂ワニスの塗膜から有機溶媒を揮発させる際の乾燥条件は、有機溶媒が十分に揮発する条件とすることが好ましく、具体的には、50〜200℃、0.1〜90分間の加熱を行うことが好ましい。有機溶媒は、フィルム状接着剤全量に対して1.5質量%以下まで除去されることが好ましい。
接着剤からなる接着剤層を、第一の部材又は第二の部材上(特に、半導体ウエハ上)に直接形成してもよい。具体的には、例えば、上記樹脂ワニスを第一の部材又は第二の部材上に直接スピンコートして膜を形成した後、有機溶媒を除去することにより、半導体ウエハ上等に直接接着剤層を形成してもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<原材料>
フィルム状接着剤の作製のために使用した原材料は以下の通りである。
(a)エポキシ樹脂
・トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「EP1032H60」)
・ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「YL983U」)
・柔軟性エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「YL7175」)
(b)硬化剤
・2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体(四国化成株式会社製、商品名「2MAOK−PW」)
(c)フラックス剤
・グルタル酸(東京化成株式会社製、融点:約98℃)
(d)重量平均分子量Mwが10000以上の高分子成分
・フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名「ZX1356」、Tg:約71℃、Mw:約63000)
(e)フィラー
(e−1)無機フィラー
・シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050」、平均粒径0.5μm)
・エポキシシラン処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SEJ」、平均粒径0.5μm)
・アクリル表面処理ナノシリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「YA050C−SM」、平均粒径約50nm)
(e−2)樹脂フィラー
・有機フィラー(ロームアンドハースジャパン株式会社製、商品名「EXL−2655」、コアシェルタイプ有機微粒子)
<フィルム状接着剤の作製>
エポキシ樹脂3g(「EP1032H60」:2.4g、「YL983U」:0.45g、「YL7175」:0.15g)、硬化剤「2MAOK−PW」0.1g、グルタル酸0.1g(0.69mmol)、無機フィラー1.9g(「SE2050」:0.38g、「SE2050−SEJ」:0.38g、「YA050C−SM」:1.14g)、及び樹脂フィラー「EXL−2655」0.25gからなる固形分と、固形分の濃度が63質量%となる量のメチルエチルケトンを、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社、遊星型微粉砕機P−7)の容器に入れた。そこに直径0.8mmのビーズ及び直径2.0mmのビーズを、固形分と同重量加え、内容物を30分撹拌した。次いで、フェノキシ樹脂「ZX1356」1.7gを更に加え、内容物を再度ビーズミルで30分撹拌した。撹拌に用いたビーズをろ過によって除去し、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを、基材フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA53」)上に、小型精密塗工装置(株式会社廉井精機)で塗工し、塗膜をクリーンオーブン(ESPEC株式会社製)で乾燥(70℃/10min)して、フィルム状接着剤を得た。
<評価>
半導体装置の作製
半導体チップ(10mm、厚さ0.1mm厚、接続部金属:Au、製品名:WALTS−TEG IP80、WALTS製)、及び、はんだバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:7.3mm×7.3mm、厚さ0.05mm、はんだバンプの融点:220℃、バンプ(接続部)高さ:約45μm(銅ピラーとはんだの合計)、バンプ数:1048ピン、ピッチ80μm、製品名:WALTS−TEG CC80、WALTS製)を準備し、これらを、フリップチップボンダー(商品名「FCB3」、パナソニック株式会社製)を用いて以下の2つの手順により接合して、半導体装置を作製した。
(第一の実施形態)実施例1〜3、比較例1〜2
フィルム状接着剤を8mm四方、厚さ0.045mmのサイズに切り抜き、これを半導体チップに貼付した。半導体チップに貼付されたフィルム状接着剤の上に、はんだバンプ付き半導体チップを重ね、形成された積層体を、フリップチップボンダーのステージ及び圧着ヘッドで挟むことにより加熱及び加圧して、仮圧着体を得た。仮圧着の条件は、ステージ温度80℃、荷重25N、加圧時間3秒とした。
仮圧着体を、フリップチップボンダーの260℃に加熱されたステージ上に配置した。仮圧着体を加熱しながら、上方から所定の下降速度で圧着ヘッドを下降させ、圧着ヘッドが仮圧着体に到達後、直ちに仮圧着体を圧着ヘッドで荷重25N、加圧時間5秒の条件で加圧することにより2つの半導体チップを接着剤を介して接合して、半導体装置を得た。つまり、上方から圧着ヘッドを所定の下降速度設定で、仮圧着体への荷重が25Nになるまで下降させ、その荷重を保ったまま5秒間加圧して2つの半導体チップを接合し、半導体装置を得た。仮圧着体に到達するまでの圧着ヘッドの下降速度を4mm/秒、7mm/秒、10mm/秒、0.1mm/秒、又は1mm/秒に設定して、半導体装置を作製した。
(第二の実施形態)実施例4〜6、比較例3〜4
フィルム状接着剤を8mm四方、厚さ0.045mmのサイズに切り抜いた。フィルム状接着剤を、半導体チップに貼付した。フィルム状接着剤が貼付された半導体チップを、260℃に加熱されたステージ上に配置した。半導体チップ及びフィルム状接着剤の上方から、フリップチップボンダーの圧着ヘッドに吸着されたはんだバンプ付き半導体チップを、はんだバンプ付き半導体チップがフィルム状接着剤に到達するまで所定の下降速度で下降させて、半導体チップ、フィルム状接着剤及びはんだバンプ付き半導体チップからなる積層体を形成した。積層体が形成されてから直ちに圧着ヘッドで260℃、荷重25N、加圧時間3秒の条件で積層体を加圧することにより、2つの半導体チップを接着剤を介して接合して、半導体装置を得た。つまり、上方から圧着ヘッドを、半導体チップ、フィルム状接着剤及びはんだバンプ付き半導体チップからなる積層体が形成され、積層体への荷重が25Nになるまで下降させ、その荷重を保ったまま5秒間加圧して2つの半導体チップを接合し、半導体装置を得た。圧着ヘッドの下降速度を4mm/秒、7mm/秒、10mm/秒、0.1mm/秒、又は1mm/秒に設定して、半導体装置を作製した。
はみ出し量測定
得られた半導体装置を、デジタルマイクロスコープ(キーエンス製、商品名「VHX−5000」)を用いて観察し、半導体チップの外周よりも外側にはみ出した接着剤(フィレット)の最大幅を、はみ出し量として測定した。はみ出し量が200μm以下である場合を「良好」、はみ出し量が200μmよりも大きい場合を「不良」と判定した。
Figure 2019160839
Figure 2019160839
表1及び表2に示される実施例と比較例の比較から、圧着ヘッドの下降速度をある程度大きくすることで、接着剤のはみ出しが抑制されることが確認された。
1…半導体チップ、2…配線回路基板、3…積層体、4…仮圧着体、5…インターポーザー、6…接合体、10…半導体チップ本体、15,16…配線、20…基板本体、30,32,33…バンプ、34…貫通電極、40…接着剤層、41,44…圧着ヘッド、42,45…ステージ、43,46…押圧装置、50…インターポーザー本体、60…加熱炉、100,200,300,400,500…半導体装置。

Claims (7)

  1. 第一の接続部を有する第一の部材、第二の接続部を有する第二の部材及び接着剤層を有する仮圧着体であって、前記第一の部材及び前記第二の部材が、前記接続部同士が対向配置されるように前記接着剤層を介して貼り合わせられている、仮圧着体を、接合用ステージ上に配置することと、
    前記仮圧着体を前記第一の接続部の融点又は前記第二の接続部の融点のうち少なくとも一方よりも高い温度に加熱しながら、前記接合用ステージと対向するように前記仮圧着体の上方に配置された圧着ヘッドを前記仮圧着体に到達するまで所定の下降速度で下降させ、次いで前記圧着ヘッドによって前記仮圧着体を加圧し、それにより前記第一の接続部と前記第二の接続部とが電気的に接続された接合体を得ることと、
    を含み、
    前記第一の部材が半導体チップ又は半導体ウエハで、前記第二の部材が配線回路基板、半導体チップ又は半導体ウエハであり、
    前記下降速度が3mm/秒以上である、
    半導体装置を製造する方法。
  2. 前記第一の部材及び前記第二の部材を、それらの間に前記接着剤層を介在させながら重ね、形成された積層体を、前記第一の接続部の融点及び前記第二の接続部の融点よりも低い温度で加圧することによって、前記仮圧着体を得ることを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 第二の接続部を有する第二の部材を接合用ステージ上に配置することと、
    第一の接続部を有し圧着ヘッドに吸着された第一の部材を、前記第一の接続部と前記第二の接続部とが対向するように配置することと、
    前記接合用ステージ及び/又は前記圧着ヘッドを前記第一の接続部の融点又は前記第二の接続部の融点のうち少なくとも一方よりも高い温度に加熱しながら、前記第一の部材と前記第二の部材との間に接着剤層を配置した状態で前記圧着ヘッドを前記第一の部材、前記接着剤層及び前記第二の部材を有する積層体が形成されるまで所定の下降速度で下降させ、次いで前記圧着ヘッドによって前記積層体を加圧し、それにより前記第一の接続部と前記第二の接続部とが電気的に接続された接合体を得ることと、
    を含み、
    前記第一の部材が半導体チップ又は半導体ウエハで、前記第二の部材が配線回路基板、半導体チップ又は半導体ウエハであり、
    前記下降速度が3mm/秒以上である、
    半導体装置を製造する方法。
  4. 前記接着剤層が、重量平均分子量10000未満の熱硬化性樹脂、及びその硬化剤を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記接着剤層が、重量平均分子量10000以上の高分子成分を更に含有する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記高分子成分の重量平均分子量が30000以上で、前記高分子成分のガラス転移温度が50℃以上200℃以下である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記接着剤層が、予め準備されたフィルム状接着剤を前記第一の部材又は前記第二の部材に貼り付けることによって形成された層である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
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