JP7022133B2 - 半導体装置の製造方法および積層シート - Google Patents

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Description

本発明は、封止された電子部品を備える半導体装置の製造方法、および当該製造方法に使用できる積層シートに関する。
従来、半導体装置の製造方法において、シート状に形成された封止材を備える封止シートを用いて、半導体チップといった電子部品を封止して、半導体パッケージを製造することが行われている。
例えば、特許文献1には、支持体としての半導体ウエハ上に半導体チップを載置した後、当該半導体チップを封止用シートにて封止する方法が開示されている。また、特許文献2には、配線回路基板上に半導体チップを載置した後、当該半導体チップをシート状樹脂組成物にて封止する方法が開示されている。上述の半導体ウエハや配線回路基板には予め配線が設けられており、上記半導体チップの載置の際には、当該半導体チップに存在する取り出し電極と上記配線とが電気的に接続するように上述の半導体ウエハまたは配線回路基板上に載置される。
特開2016-96308号公報 特許第5042297号
近年、半導体装置の高集積化および高機能化が求められており、例えば、半導体チップが内蔵された基板(チップ内蔵基板)等の開発が進められている。しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示される方法によって得られる半導体パッケージでは、半導体装置の高集積化および高機能化の要請に十分応えることはできない。
また、近年、ファンアウト型ウエハレベルパッケージ(FOWLP)、ファンアウト型パネルレベルパッケージ(FOPLP)等の開発も進められている。このようなパッケージの製造方法では、複数の半導体チップを封止用シートにて一括封止した後、所定の位置で分割することで、複数の半導体パッケージが得られる。これにより、効率的に且つ歩留まり高く半導体パッケージを生産することができる。そのため、このようなパッケージの製造方法の使用に適した封止シートの開発も求められている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、半導体装置の高集積化および高機能化を可能とするとともに、効率的で歩留まり高い方法にも適用できる半導体装置の製造方法、および当該製造方法に使用できる積層シートを提供する。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材および前記基材の片面側に積層された粘着剤層を備える粘着シートと、前記粘着シートにおける前記粘着剤層側の面に積層された硬化性の第1の樹脂組成物層とを備える積層シートにおける前記第1の樹脂組成物層側の面上に、1または2以上の電子部品を載置する電子部品載置工程、少なくとも前記電子部品を覆うとともに、前記第1の樹脂組成物層に接触するように、少なくとも硬化性の第2の樹脂組成物層を備える封止シートにおける前記第2の樹脂組成物層を積層する積層工程、前記第1の樹脂組成物層が硬化してなる第1の硬化層と、前記第2の樹脂組成物層が硬化してなる第2の硬化層と、前記第1の硬化層および前記第2の硬化層により封止された前記電子部品とを備えるとともに、前記粘着シートが剥離されてなる封止体を得る硬化工程、前記第1の硬化層および前記第2の硬化層の少なくとも一方を貫通する孔であって、前記電子部品の表面の一部を露出させる孔を形成する孔形成工程、前記孔が形成された前記封止体をデスミア処理するデスミア工程、および前記孔を通じて前記電子部品に電気的に接続された電極を形成する電極形成工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る半導体装置の製造方法は、上述した工程を含むことにより、電極形成までの工程を、極めて簡単な作業内容にて、効率的に行うことができる。また、第1の硬化層および第2の硬化層の少なくとも一方に孔を形成し、当該孔に電極を設けるため、半導体パッケージの所望の側、特に両側に電極を形成することが可能となり、これにより、半導体パッケージの3次元実装も容易となり、その結果、半導体装置の高集積化および高機能化が容易となる。また、上記製造方法は、FOWLPやFOPLP、部品内蔵基板等の製造にも適用することができる。特に、上記製造方法は、複数の電子部品を一括して封止することができるため、例えば、後述する枠状部材を用いて、この枠状部材と複数の電子部品を一括して封止する、いわゆるパネルレベルパッケージの製造に適用することができる。
上記発明(発明1)においては、前記第1の樹脂組成物層の硬化および前記第2の樹脂組成物層の硬化を同時に行い、前記粘着シートの剥離を、前記第1の樹脂組成物層および前記第2の樹脂組成物層の硬化の後に行うことが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記第1の硬化層および前記第2の硬化層の少なくとも一方は、絶縁性を示すことが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1~3)において、前記第1の樹脂組成物層および前記第2の樹脂組成物層の少なくとも一方における硬化は、加熱処理により行われることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明4)において、前記加熱処理は、複数回の加熱処理により段階的に行われることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明5)において、前記加熱処理は、温度T1で熱硬化させる第1の加熱処理と、温度T1よりも高い温度T2にて熱硬化させる第2の加熱処理とにより行われることが好ましい(発明6)。
上記発明(発明1~6)において、前記第1の樹脂組成物層の硬化は、前記第1の硬化層の反応率が85%以上になるように行うことが好ましい(発明7)。
上記発明(発明1~7)において、前記第2の樹脂組成物層の硬化は、前記第2の硬化層の反応率が85%以上になるように行うことが好ましい(発明8)。
上記発明(発明1~8)において、前記第1の樹脂組成物層および前記第2の樹脂組成物層の少なくとも一方は、熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物から形成されたものであることが好ましい(発明9)。
上記発明(発明9)において、前記樹脂組成物は、無機フィラーを含有することが好ましい(発明10)。
上記発明(発明10)において、前記無機フィラーは、最小被覆面積が550m/g未満である表面処理剤により表面処理されていることが好ましい(発明11)。
上記発明(発明9~11)において、前記第1の樹脂組成物層および前記第2の樹脂組成物層は、同一の組成を有する前記樹脂組成物から形成されたものであることが好ましい(発明12)。
上記発明(発明1~12)において、前記第1の樹脂組成物層の厚さは、1μm以上、100μm以下であることが好ましい(発明13)。
上記発明(発明1~13)において、前記第2の樹脂組成物層の厚さは、50μm以上、1000μm以下であることが好ましい(発明14)。
第2に本発明は、基材および前記基材の片面側に積層された粘着剤層を備える粘着シートと、前記粘着シートにおける前記粘着剤層側の面に積層された硬化性の第1の樹脂組成物層とを備える、上記半導体装置の製造方法(発明1~14)に使用するための積層シートを提供する(発明15)。
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体装置の高集積化および高機能化を可能とするとともに、効率的で歩留まり高い方法にも適用できる。また、本発明の積層シートは、当該製造方法に使用することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部を説明する断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法は、基材および上記基材の片面側に積層された粘着剤層を備える粘着シートと、上記粘着シートにおける上記粘着剤層側の面に積層された硬化性の第1の樹脂組成物層とを備える積層シートにおける上記第1の樹脂組成物層側の面上に、1または2以上の電子部品を載置する電子部品載置工程、少なくとも上記電子部品を覆うとともに、上記第1の樹脂組成物層に接触するように、少なくとも硬化性の第2の樹脂組成物層を備える第1の封止シートにおける上記第2の樹脂組成物層を積層する積層工程、上記第1の樹脂組成物層が硬化してなる第1の硬化層と、上記第2の樹脂組成物層が硬化してなる第2の硬化層と、上記第1の硬化層および上記第2の硬化層により封止された上記電子部品とを備えるとともに、上記粘着シートが剥離されてなる封止体を得る硬化工程、上記第1の硬化層および上記第2の硬化層の少なくとも一方を貫通する孔であって、上記電子部品の表面の一部を露出させる孔を形成する孔形成工程、上記孔が形成された上記封止体をデスミア処理するデスミア工程、および上記孔を通じて上記電子部品に電気的に接続された電極を形成する電極形成工程を含む。
〔積層シート〕
最初に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法に使用できる積層シートについて説明する。当該積層シートは、上述の通り、基材および上記基材の片面側に積層された粘着剤層を備える粘着シートと、当該粘着シートにおける上記粘着剤層側の面に積層された硬化性の第1の樹脂組成物層とを備える。
1.粘着シート
(1)基材
基材としては、基材に積層される粘着剤層や第1の樹脂組成物層を支持可能である限り、その材料は特に限定されない。特に、基材は、第1の樹脂組成物層および第2の樹脂組成物層を熱硬化する際の加熱に耐えうる耐熱性を有することが好ましい。当該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、液晶ポリマーフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、単層であってもよいし、同種または異種の複数層を積層したフィルムであってもよい。上記の中でも、後述する加熱処理における温度領域での耐熱性の点からは、ポリエステルフィルムおよびポリイミドフィルムの少なくとも一方が好ましく、汎用性の点からは、ポリエステルフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
基材には、基材上に直接積層される粘着剤層との密着性を向上させる目的で、酸化法や凹凸化法などによる表面処理、またはプライマー処理を施してもよい。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶射処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、基材の種類に応じて適宜選ばれる。
基材の厚さは、作業性、コスト等の観点から適宜設定することが可能であり、例えば、10μm以上であることが好ましく、特に15μm以上であることが好ましく、さらには20μm以上であることが好ましい。また、基材の厚さは、500μm以下であることが好ましく、特に300μm以下であることが好ましく、さらには100μm以下であることが好ましい。
(2)粘着剤層
粘着剤層は、第1の樹脂組成物層に対して十分な密着性を示すとともに、第1の樹脂組成物層または第1の樹脂組成物層を硬化してなる第1の硬化層から粘着シートを良好に剥離できる限り、当該粘着剤層を構成する粘着剤は特に限定されない。特に、粘着剤層は、第1の樹脂組成物層や第2の樹脂組成物層を熱硬化する際の加熱に耐えうる耐熱性を有することが好ましい。粘着剤層を構成する粘着剤としては、所望の粘着力および再剥離性を有するものが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤等を使用することができ、これらの中でも、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤を使用することが好ましい。これらの粘着剤には、可塑剤、安定剤、粘着付与材、着色剤、カップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を含有してもよい。また、粘着剤層は、非エネルギー線硬化性粘着剤から構成されてもよいし、エネルギー線硬化性粘着剤から構成されてもよい。
粘着剤層の厚さは、粘着力、作業性、コスト等の観点から適宜設定することが可能であり、例えば、1μm以上であることが好ましく、特に5μm以上であることが好ましく、さらには10μm以上であることが好ましい。また、粘着剤層の厚さは、500μm以下であることが好ましく、特に100μm以下であることが好ましく、さらには50μm以下であることが好ましい。
粘着剤層は、100℃における、測定周波数を1Hzとしたときの貯蔵弾性率が1×10Pa以上であることが好ましい。粘着剤層がこのような貯蔵弾性率を有していれば、第1の樹脂組成物層を硬化し、第1の硬化層を形成した後に、当該第1の硬化層から粘着シートを容易に剥離することができ、かつ被着体の表面に粘着剤が残るという不具合(いわゆる糊残り)を防止することができる。粘着剤層の100℃における、測定周波数を1Hzとしたときの貯蔵弾性率の上限は、特に限定されないが、1×10Pa以下であることが好ましい。なお、上記貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置を用いて、ねじりせん断法により測定した値であり、測定方法の詳細は、後述する実施例に記載の通りである。
粘着シートは、加熱後に、次のような粘着力を示すことが好ましい。まず、粘着シート1の粘着面を被着体(銅箔またはポリイミドフィルム)に貼着させ、100℃及び30分間の条件で加熱し、続いて180℃及び30分間の条件で加熱し、さらに190℃及び1時間の条件で加熱した後、銅箔に対する室温での粘着力、及びポリイミドフィルムに対する室温での粘着力が、それぞれ0.7N/25mm以上、2.0N/25mm以下であることが好ましい。このような加熱を行った後の粘着力が上記範囲であれば、硬化工程の途中で、粘着シートが剥離することを効果的に防止できる。さらに、後述する第1の樹脂組成物層の硬化を、第1積層工程と粘着シート1の剥離工程との間の段階において行う場合に、粘着シートが加熱された場合でも、粘着シートを剥離し易い。なお、上記粘着力の測定方法の詳細は、後述する実施例に記載の通りとする。また、本明細書において室温とは、22℃以上、24℃以下の温度をいうものとする。
粘着剤層は、粘着シートが加熱された後に剥離された際における、粘着剤層の劣化に起因した糊残りを効果的に抑制する観点から、5%重量減少温度が250℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがより好ましい。この5%重量減少温度は、例えば、粘着剤層に使用する粘着剤の架橋度を高めること、粘着剤中の低分子の含有量を減少させること等によって調整することができる。なお、上記5%重量減少温度の測定方法の詳細は、後述する実施例に記載の通りである。
2.第1の樹脂組成物層
第1の樹脂組成物層は、硬化性を有するものであれば特に限定されない。ここで、第1の樹脂組成物層が硬化性を有するとは、第1の樹脂組成物層が硬化し得ることをいう。第1の樹脂組成物層は、熱硬化性であってもよく、エネルギー線硬化性であってもよいが、熱硬化性であることが好ましい。第1の樹脂組成物層が熱硬化性であることにより、積層された第1の樹脂組成物層に対してエネルギー線を照射し難い場合であっても、当該第1の樹脂組成物層を加熱することで良好に硬化することができる。また、第1の樹脂組成物層は、粘着剤層とは反対側の面においてタックを有することが好ましい。第1の樹脂組成物層がタックを有することにより、電子部品載置工程において第1の樹脂組成物層上に電子部品を載置した後、積層工程において第2の樹脂組成物層を積層するまでの間に、電子部品が所定の位置からずれることを抑制することができる。
上記第1の樹脂組成物層は、熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物から形成されたものであることが好ましい。樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含有することで、形成される第1の樹脂組成物層は、所望の硬化性を有し易くなる。第1の樹脂組成物層を硬化してなる第1の硬化層は、絶縁性を示すことが好ましい。当該第1の硬化層が絶縁性を示すことにより、得られる半導体装置では、短絡等の不具合が抑制され、優れた性能を得ることができる。
(1)熱硬化性樹脂
上記樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含有することにより、得られる第1の樹脂組成物層によって電子部品を封止する際に、当該電子部品を強固に封止し易くなる。熱硬化性樹脂としては、第1の樹脂組成物層の硬化を可能とするものであれば特に限定されず、例えば、封止材に通常含有される樹脂を使用することができる。具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ナフトール系樹脂、活性エステル系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、シアネートエステル系樹脂などが挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エポキシ樹脂は、一般的に、加熱を受けると三次元網状化し、強固な硬化物を形成する性質を有する。このようなエポキシ樹脂としては、公知の種々のエポキシ樹脂が用いることができ、具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノール、フェニルノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール類のグリシジルエーテル;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸のグリシジルエーテル;アニリンイソシアヌレート等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したグリシジル型もしくはアルキルグリシジル型のエポキシ樹脂;ビニルシクロヘキサンジエポキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-ジシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシ)シクロヘキシル-5,5-スピロ(3,4-エポキシ)シクロヘキサン-m-ジオキサン等のように、分子内の炭素-炭素二重結合を例えば酸化することによりエポキシが導入された、いわゆる脂環型エポキシドを挙げることができる。その他、ビフェニル骨格、トリフェニルメタン骨格、ジシクロヘキサジエン骨格、ナフタレン骨格等を有するエポキシ樹脂を用いることもできる。これらエポキシ樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。上述したエポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールAのグリシジルエーテル(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂)、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂(ナフタレン型エポキシ樹脂)またはこれらの組み合わせを使用することが好ましい。
上記フェノール樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールA、ビフェノール、ビスフェノールF、ジアリルビスフェノールF、トリフェニルメタン型フェノール、テトラキスフェノール、ノボラック型フェノール、クレゾールノボラック樹脂、ビフェニルアラルキル骨格を有するフェノール(ビフェニル型フェノール)等が挙げられ、これらの中でも、ビフェニル型フェノールを使用することが好ましい。これらのフェノール樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合には、エポキシ樹脂との反応性等の観点から、フェノール樹脂を併用することが好ましい。
樹脂組成物中における熱硬化性樹脂の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、特に15質量%以上であることが好ましく、さらには、20質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、60質量%以下であることが好ましく、特に50質量%以下であることが好ましく、さらには40質量%以下であることが好ましい。当該含有量が10質量%以上であることで、第1の樹脂組成物層の硬化がより十分なものとなり、電子部品をより強固に封止することができる。また、当該含有量が60質量%以下であることで、第1の樹脂組成物層の意図しない段階での硬化をより抑制することができ、保存安定性がより優れたものとなる。なお、熱硬化性樹脂の上記含有量は、固形分換算値である。
(2)熱可塑性樹脂
また、樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含有していてもよい。上記樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含有することにより、第1の樹脂組成物層をシート状に形成することが容易となり、ハンドリング性が向上する。また、第1の樹脂組成物層を硬化してなる第1の硬化層の低応力性が効果的に得られる。さらに、第1の樹脂組成物層に対して前述したタックを付与し易くなる。そのため、当該熱可塑性樹脂としては、第1の樹脂組成物層をシート状に形成することを可能とするものであれば特に限定されず、例えば、封止材に通常含有される樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂の例としては、フェノキシ系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アミド系樹脂、スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体(SIS)等のスチレン系樹脂、シラン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、これらは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、電極形成性の観点から、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
フェノキシ系樹脂としては、特に限定されないものの、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型、ビスフェノールS型、ビスフェノールアセトフェノン型、ノボラック型、フルオレン型、ジシクロペンタジエン型、ノルボルネン型、ナフタレン型、アントラセン型、アダマンタン型、テルペン型、トリメチルシクロヘキサン型、ビフェノール型、ビフェニル型のフェノキシ系樹脂等が例示され、これらの中でもビスフェノールA型フェノキシ樹脂を使用することが好ましい。フェノキシ系樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基であってもよい。フェノキシ系樹脂は1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物中における熱可塑性樹脂の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、特に3質量%以上であることが好ましく、さらには、5質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、30質量%以下であることが好ましく、特に20質量%以下であることが好ましく、さらには10質量%以下であることが好ましい。当該含有量が上記範囲であることで、第1の樹脂組成物層をシート状に形成することがより容易となるとともに、第1の樹脂組成物層が良好なタックを発揮し易くなる。なお、熱可塑性樹脂の上記含有量は、固形分換算値である。
(3)無機フィラー
また、樹脂組成物は、無機フィラーを含有していてもよい。上記樹脂組成物が無機フィラーを含有することにより、第1の樹脂組成物層が硬化してなる第1の硬化層が優れた機械的強度を有するものとなり、得られる半導体装置の信頼性が向上する。かかる無機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、ムライト、コージェライト等の複合酸化物、モンモリロナイト、スメクタイト、ベーマイト、タルク、酸化鉄、炭化珪素、酸化ジルコニウム等を材料とするフィラーを例示することができ、これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でもシリカフィラー、アルミナフィラーを使用することが好ましく、特にシリカフィラーを使用することが好ましい。
上記無機フィラーは、所定の最小被覆面積を有する表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。これにより、樹脂組成物中における無機フィラーの分散性や充填性が優れたものとなるとともに、使用する表面処理剤に依って後述する効果を得ることもできる。
第1の樹脂組成物層を硬化してなる第1の硬化層の表面にメッキを形成した際における、メッキの膨れを抑制する観点からは、上記表面処理剤として、最小被覆面積が550m/g未満である表面処理剤を使用することが好ましい。
最小被覆面積が550m/g未満である表面処理剤により表面処理された無機フィラーは、デスミア工程で使用するようなアルカリ性溶液といった処理溶液との親和性が比較的高く、第1の硬化層が当該処理溶液に晒されたときに、無機フィラーが第1の硬化層から脱離し易い。そのため、デスミア工程に続き、電極形成工程において金属のメッキ処理を行った際に、硬化層における無機フィラーが脱離した部位に金属が侵入して、アンカー効果が発現され、メッキが硬化層に対して強固に密着するものとなる。その結果、第1の硬化層とメッキとの界面に空気が入り込み難くなり、その後の製造工程や、得られる半導体装置の使用の際に熱が生じたとしても、空気が膨張してメッキの膨れが生じることが抑制される。
メッキの膨れの発生をより効果的に抑制する観点からは、表面処理剤の最小被覆面積は、520m/g以下であることが好ましく、特に450m/g以下であることが好ましい。一方、表面処理剤の最小被覆面積の下限値については、100m/g以上であることが好ましく、特に200m/g以上であることが好ましく、さらには300m/g以上であることが好ましい。最小被覆面積が100m/g以上であることで、樹脂組成物中における無機フィラーの分散性や充填性がより優れたものとなる。
なお、表面処理剤における最小被覆面積(m/g)とは、1gの表面処理剤を用いて単分子膜を形成した際の当該単分子膜の面積(m)をいう。最小被覆面積は、表面処理剤の構造等から理論的に算出することができ、例えば、反応性基としてトリアルコキシシラン基を有する表面処理剤を考える場合、当該トリアルコキシシラン基が加水分解して生じるSi(O)の構造は、1個のSi原子と3個のO原子とをそれぞれ頂点とする四面体となる。ここで、Si原子が半径2.10Åの球形であり、O原子が半径1.52Åの球形であり、Si-O結合の距離が1.51Åであり、2つのSi-O結合の辺のなす角度が109.5°であると仮定する。そして、当該四面体中の3個のO原子の全てが、無機フィラー表面のヒドロキシ基と反応するとして、3個のO原子が被覆できる最小の円形面積を計算すると、表面処理剤1分子当たり1.33×10-19/分子となる。これを、1モル当たりに換算すると8.01×10/モルとなり、この1モルあたりの面積を表面処理剤の分子量で除することで、当該表面処理剤の最小被覆面積(m/g)を得ることができる。
最小被覆面積が550m/g未満である表面処理剤の好適な例としては、エポキシシランおよびビニルシランが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
上記エポキシシランの具体例としては、例えば3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、無機フィラーの脱離を効果的に促進できるという観点から、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用することが好ましい。
上記ビニルシランの具体例としては、例えばビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。これらの中でも、無機フィラーの脱離を効果的に促進できるという観点から、ビニルトリメトキシシランを使用することが好ましい。
無機フィラーの形状は、粒状、針状、板状、不定型等の何れでもよいものの、無機フィラーとして、上述の表面処理剤により表面処理されたものを使用する場合には、当該表面処理を効果的に行うことができる点で、球状であることが好ましい。
上記無機フィラーの平均粒径は、0.01μm以上であることが好ましく、特に0.1μm以上であることが好ましく、さらには0.3μm以上であることが好ましい。また、上記無機フィラーの平均粒径は、3.0μm以下であることが好ましく、特に1.0μm以下であることが好ましい。無機フィラーの平均粒径が0.01μm以上であると、無機フィラーとして上述の表面処理剤により表面処理されたものを使用する場合に、表面処理剤によって表面処理し易い表面積を有するものとなり、効果的に表面処理することが可能となる。一方、無機フィラーの平均粒径が3.0μm以下であることで、第1の硬化層中に無機フィラーが良好に充填され、第1の硬化層がより良好な機械的強度を有するものとなる。特に、無機フィラーとして、上述の表面処理剤により表面処理されたものを使用する場合には、平均粒径が3.0μm以下であることで、無機フィラーが、表面処理剤によって表面処理し易い表面積を有するものとなり、効果的に表面処理することが可能となる。なお、本明細書における無機フィラーの平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製,製品名「ナノトラックWave-UT151」)を使用して、動的光散乱法により測定した値とする。
また、上記無機フィラーの最大粒径は、0.05μm以上であることが好ましく、特に0.5μm以上であることが好ましい。また、当該最大粒径は、5μm以下であることが好ましく、特に3μm以下であることが好ましい。無機フィラーの最大粒径が上記範囲であることで、第1の硬化層中に無機フィラーを充填し易くなり、第1の硬化層がより優れた機械的強度を有するものとなる。本明細書における無機フィラーの最大粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製,製品名「ナノトラックWave-UT151」)を使用して、動的光散乱法により測定した値とする。
樹脂組成物中における無機フィラーの含有量は、40質量%以上であることが好ましく、特に50質量%以上であることが好ましい。当該含有量が40質量%以上であることで、第1の硬化層の機械的強度を有することと、表面処理剤で表面処理したことによる効果とを両立し易くなる。また、樹脂組成物中における無機フィラーの含有量は、90質量%以下であることが好ましく、特に85質量%以下であることが好ましく、さらには80質量%以下であることが好ましい。表面処理剤で表面処理された無機フィラーの含有量が90質量%以下であることで、第1の樹脂組成物層がより良好な機械的強度を有するものとなる。なお、無機フィラーの上記含有量は、固形分換算値である。
(4)硬化触媒
上記樹脂組成物は、硬化触媒をさらに含有することが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂の硬化反応を効果的に進行させることが可能となり、第1の樹脂組成物層を良好に硬化することが可能となる。硬化触媒としては、例えば、イミダゾール系硬化触媒、アミン系硬化触媒、リン系硬化触媒等が挙げられる。
イミダゾール系硬化触媒の具体例としては、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾールなどが挙げられ、反応性の観点から、2-エチル-4-メチルイミダゾールを使用することが好ましい。
アミン系硬化触媒の具体例としては、2,4-ジアミノ-6-〔2’―メチルイミダゾリル-(1’)〕エチル-s-トリアジン等のトリアジン化合物、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン等の第三級アミン化合物が挙げられる。中でも、2,4-ジアミノ-6-〔2’―メチルイミダゾリル-(1’)〕エチル-s-トリアジンが好ましい。
また、リン系硬化触媒の具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p-メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン等が挙げられる。
上述した硬化触媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物中における硬化触媒の含有量は、0.01質量%以上であることが好ましく、特に0.05質量%以上であることが好ましく、さらには、0.1質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、2.0質量%以下であることが好ましく、特に1.5質量%以下であることが好ましく、さらには1.0質量%以下であることが好ましい。当該含有量が上記範囲であることで、第1の樹脂組成物層をより良好に硬化することが可能となる。なお、硬化触媒の上記含有量は、固形分換算値である。
(5)その他の成分
上記樹脂組成物は、さらに、可塑剤、安定剤、粘着付与材、着色剤、カップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
(6)第1の樹脂組成物層の物性
第1の樹脂組成物層を構成する材料は、硬化前における90℃での溶融粘度(以下、「90℃溶融粘度」ということがある。)が、上限値として1.0×10Pa・s以下であることが好ましく、特に1.0×10Pa・s以下であることが好ましい。90℃溶融粘度の上限値が上記であると、加熱下で第1の樹脂組成物層に電子部品が良好に埋め込まれ、これにより、電部品の周囲におけるボイドの発生を効果的に抑制することができる。また、90℃溶融粘度は、下限値として1.0Pa・s以上であることが好ましく、特に10Pa・s以上であることが好ましい。90℃溶融粘度の下限値が上記であると、積層工程において、加熱下で第2の樹脂組成物層を電子部品に積層したときに、第1の樹脂組成物層を構成する材料がフローし過ぎることがなく、装置の汚染やチップシフトを防止することができる。
ここで、本明細書における90℃溶融粘度は、粘弾性測定装置を用いて測定したものである。具体的には、厚さ15mmの樹脂組成物層について、MCR302(Anton parl社製)を用い、温度範囲30~150℃、昇温速度5℃/minの条件で溶融粘度を測定することができる。
(7)第1の樹脂組成物層の厚さ
第1の樹脂組成物層の厚さは、封止の用途や、封止後の硬化した第1の樹脂組成物層の厚さ等を考慮して設定することができ、例えば、1μm以上であることが好ましく、特に5μm以上であることが好ましく、さらには10μm以上であることが好ましい。また、第1の樹脂組成物層の厚さは、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることが好ましい。第1の樹脂組成物層の厚さが1μm以上であることで、第1の樹脂組成物層を硬化してなる第1の硬化層によって電子部品を保護する効果を良好に得ることができるとともに、良好な絶縁性が得られる。また、第1の樹脂組成物層の厚さが300μm以下であることで、第1の樹脂組成物層を硬化してなる第1の硬化層の硬化収縮の発生を低減でき、これにより、封止体の反りの発生を抑制することができる。
3.剥離シート
上記積層シートは、剥離シートを備えていてもよい。すなわち、積層シートにおける第1の樹脂組成物層側の面に剥離シートが積層されていてもよい。剥離シートを備えることで、積層シートの保管時等における取り扱い性が優れたものとなる。剥離シートの構成は任意であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムが挙げられる。これらの剥離面には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、シリコーン系、アルキド系、フッ素系、長鎖アルキル系等の剥離剤が挙げられる。
剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20μm以上、250μm以下である。
4.積層シートの製造方法
本実施形態に係る積層シートは、例えば、基材と粘着剤層とを備える粘着シート、および第1の樹脂組成物層と剥離シートとを備える樹脂シートをそれぞれ作製した後、当該粘着シートにおける粘着剤層側の面と、当該樹脂シートにおける第1の樹脂組成物層側の面とを積層することで製造することができる。なお、剥離シートは粘着シートと樹脂シートとの積層の後に剥離してもよいし、封止に使用するまでの間、第1の樹脂組成物層を保護していてもよい。
上記粘着シートは、一般的な製造方法により製造することができ、例えば、工程材料としての剥離シート上に粘着剤層を形成した後、当該粘着剤層を基材の一の面上に転写することで製造することができる。ここで、粘着剤層は、構成する粘着性組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗工液を調製し、剥離シートの剥離面上に、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、スリットコーター、ナイフコーター等によりその塗工液を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させることで形成することができる。
第1の樹脂組成物層と剥離シートとを備える樹脂シートは、例えば、上述の樹脂組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗工液を調製し、剥離シートの剥離面上に、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、スリットコーター、ナイフコーター等によりその塗工液を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させて第1の樹脂組成物層とすることで、製造することができる。
上述した粘着剤層を形成するための塗工液および第1の樹脂組成物層を形成するための塗工液は、塗布を行うことが可能であればその性状は特に限定されず、粘着剤層または第1の樹脂組成物層を形成するための成分を溶質として含有する場合もあれば、分散質として含有する場合もある。また、上記溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンの有機溶媒等が挙げられる。
〔封止シート〕
次に、上述の本実施形態に係る半導体装置の製造方法に使用できる封止シートについて説明する。当該封止シートは、硬化性の第2の樹脂組成物層を少なくとも備える。ここで、第2の樹脂組成物層が硬化性を有するとは、樹脂組成物層が硬化し得ることをいい、言い換えれば、第2の樹脂組成物層は、封止シートを構成している状態では未硬化である。第2の樹脂組成物層は、熱硬化性であってもよく、エネルギー線硬化性であってもよいが、熱硬化性であることが好ましい。第2の樹脂組成物層が熱硬化性であることにより、積層された第2の樹脂組成物層に対してエネルギー線を照射し難い場合であっても、当該第2の樹脂組成物層を加熱することで良好に硬化することができる。また、封止シートは、上記第2の樹脂組成物層の少なくとも一方の面に積層された剥離シートをさらに備えてもよい。
1.第2の樹脂組成物層
上記第2の樹脂組成物層は、熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物から形成されたものであることが好ましい。第2の樹脂組成物層を形成するための樹脂組成物は、第1の樹脂組成物層を形成するための樹脂組成物として前述したものを使用することができる。第2の樹脂組成物層を硬化してなる第2の硬化層は、絶縁性を示すことが好ましい。当該第2の硬化層が絶縁性を示すことにより、得られる半導体装置では、短絡等の不具合が抑制され、優れた性能を得ることができる。なお、第1の硬化層および第2の硬化層の両方が、絶縁性を有することが好ましい。また、第1の樹脂組成物層および第2の樹脂組成物層は、これらの層の密着性の観点から、同一の組成を有する樹脂組成物から形成されたものであることが好ましい。
(1)第2の樹脂組成物層の物性
第2の樹脂組成物層を構成する材料は、硬化前における90℃での溶融粘度(以下、「90℃溶融粘度」ということがある。)が、上限値として1.0×10Pa・s以下であることが好ましく、特に1.0×10Pa・s以下であることが好ましい。90℃溶融粘度の上限値が上記であると、積層工程において、加熱下で第2の樹脂組成物層に電子部品が良好に埋め込まれ、これにより、電部品の周囲におけるボイドの発生を効果的に抑制することができる。また、90℃溶融粘度は、下限値として1.0Pa・s以上であることが好ましく、特に10Pa・s以上であることが好ましい。90℃溶融粘度の下限値が上記であると、積層工程において、加熱下で第2の樹脂組成物層を電子部品に積層したときに、第2の樹脂組成物層を構成する材料がフローし過ぎることがなく、装置の汚染を防止することができる。
ここで、本明細書における90℃溶融粘度は、粘弾性測定装置を用いて測定したものである。具体的には、厚さ15mmの樹脂組成物層について、MCR302(島津製作所社製)を用い、温度範囲30~150℃、昇温速度5℃/minの条件で溶融粘度を測定することができる。
(2)第2の樹脂組成物層の厚さ
第2の樹脂組成物層の厚さは、封止の用途や、封止後の硬化した第2の樹脂組成物層の厚さ等を考慮して設定することができ、例えば、20μm以上であることが好ましい。また、第2の樹脂組成物層の厚さは、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、特に300μm以下であることが好ましく、さらには200μm以下であることが好ましい。第2の樹脂組成物層の厚さが20μm以上であることで、積層工程において、電子部品が第2の樹脂組成物層に良好に埋め込まれるとともに、第2の樹脂組成物層を硬化してなる第2の硬化層によって電子部品を保護する効果を良好に得ることができる。さらに、第1の硬化層の硬化収縮に伴い生じる第1の硬化層の反りを、第2の硬化層の反りによって良好に相殺し易くなり、これにより封止体自体の反りの発生を抑制することができる。また、第2の樹脂組成物層の厚さが1000μm以下であることにより、第2の樹脂組成物層を硬化してなる第2の硬化層の硬化収縮の発生を低減でき、封止体の反りの発生を抑制することができる。
2.剥離シート
上記封止シートは、剥離シートを備えていてもよい。当該剥離シートは、前述の樹脂シートが備える剥離シートとして説明したものを使用することができる。封止シートは、第2の樹脂組成物層における片面のみに剥離シートを備えていてもよく、また、第2の樹脂組成物層における両面に剥離シートを備えていてもよい。
3.封止シートの製造方法
本実施形態に係る半導体装置の製造方法に使用される封止シートは、従来の封止シートと同様に製造することができる。例えば、上述の樹脂組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗工液を調製し、剥離シートの剥離面上に、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、スリットコーター、ナイフコーター等によりその塗工液を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させることにより封止シートを製造することができる。塗工液は、塗布を行うことが可能であればその性状は特に限定されず、第2の樹脂組成物層を形成するための成分を溶質として含有する場合もあれば、分散質として含有する場合もある。剥離シートは工程材料として剥離してもよいし、封止に使用するまでの間、樹脂組成物層を保護していてもよい。
また、第2の樹脂組成物層の両面に剥離シートがそれぞれ積層された封止シートの製造方法としては、前述の剥離シートの剥離面上に塗工液を塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させて第2の樹脂組成物層と剥離シートとからなる樹脂シートを形成し、この樹脂シートの第2の樹脂組成物層における剥離シートとは反対の面を他の剥離シートの剥離面に貼付して、剥離シート/第2の樹脂組成物層/剥離シートからなる封止シートを得ることができる。この封止シートにおける剥離シートの少なくとも一方は工程材料として剥離してもよいし、封止に使用するまでの間、第2の樹脂組成物層を保護していてもよい。なお、上記溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンの有機溶媒等が挙げられる。
〔半導体装置の製造方法〕
続いて、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図1~図3には、本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する断面図が示される。最初に、図1(a)に示されるように、電子部品載置工程として、前述した積層シート1における第1の樹脂組成物層11側の面上に1または2以上の電子部品2を載置する。なお、図1(a)では、積層シート1が、粘着シート12と、当該粘着シート12上に積層された第1の樹脂組成物層11とを備えている状態が示されている。積層シート1上に電子部品2を載置する手法は特に限定されず、一般的な手法を採用することができる。また、積層シート1上に電子部品2を載置する際に、加熱することも好ましい。加熱することで、電子部品2との密着性を向上させることができる。
電子部品2としては、一般的に封止の対象となる電子部品であれば特に限定されず、例えば、半導体チップ等が挙げられる。さらに、電子部品2は、インターポーザの所定の位置に半導体チップが載置されたものであってもよい。この場合、そのように載置された状態で、当該半導体チップ等とともに、インターポーザの少なくとも一部が封止される。上記インターポーザの例としては、リードフレーム、ポリイミドテープ、プリント基板等が挙げられる。さらに、積層シート1上における電子部品2の周囲に、上記インターポーザの例としては、リードフレーム、ポリイミドテープ、プリント基板等が挙げられる。さらに、積層シート1上1上における電子部品2の周囲に、銅等の金属からなるフレーム、樹脂製フレーム等のフレーム(枠状部材ともいう)を設け、当該電子部品2とともに、当該枠状部材の少なくとも一部を封止してもよい。上記枠状部材は、通常、厚さ方向に貫通した孔から1以上の開口部と、銅等や樹脂等により構成される枠状部とからなる。
上記枠状部材を用いる場合、電子部品載置工程において、例えば、粘着シート1の粘着面上に、上記枠状部材を載置した後、上記枠状部材の開口部の位置に、電子部品2を載置する。これにより、積層工程において、開口部の外への封止樹脂のしみ出しを抑制し、得られる半導体装置の厚さを均一にすることができ、さらに、硬化層の反りの発生を抑制し、得られる半導体装置の反りを抑制することができる。
続いて、図1(b)に示されるように、積層工程として、電子部品2を覆うとともに、第1の樹脂組成物層11に接触するように、少なくとも硬化性の第2の樹脂組成物層3を備える封止シートにおける第2の樹脂組成物層3を積層する。封止シートが片面のみに剥離シートを備える場合には、封止シートにおける第2の樹脂組成物層3の露出面を、電子部品2を覆うように積層した後、剥離シートを第2の樹脂組成物層3から剥離することが好ましい。また、封止シートが両面に剥離シートを備える場合には、一方の剥離シートを剥離して露出した第2の樹脂組成物層3の露出面を、電子部品2を覆うように積層した後、他方の剥離シートを第2の樹脂組成物層3から剥離することが好ましい。なお、封止シートが片面または両面に剥離シートを備える場合には、封止シートにおける第2の樹脂組成物層3の露出面を、電子部品2を覆うように積層した後、後述するように、第2の樹脂組成物層3を硬化して、第2の硬化層3’を形成し、その後、剥離シートを第2の硬化層3’から剥離してもよい。
上記積層工程は、従来公知のラミネート装置を用いて行うことができ、積層の条件としては、例えば、第2の樹脂組成物層3の温度を40℃以上とすることが好ましく、特に50℃以上とすることが好ましい。また、当該温度は、180℃以下とすることが好ましく、150℃以下とすることがさらに好ましく、特に120℃以下とすることが好ましい。積層の圧力は、0.1MPa以上とすることが好ましい。また、当該圧力は、0.5MPa以下とすることが好ましい。積層に要する時間は、10秒以上とすることが好ましく、特に30秒以上とすることが好ましい。また、当該時間は、10分間以下であることが好ましく、特に5分間であることが好ましい。
上記積層工程は、常圧条件下で行ってもよいが、第2の樹脂組成物層3の電子部品2への密着性と埋め込み性の観点から、減圧条件下で行うことが好ましい。減圧条件としては、例えば、5kPa以下とすることが好ましく、500Pa以下とすることがさらに好ましく、特に100Pa以下とすることが好ましい。
次に、図1(c)および図1(d)に示されるように、硬化工程により、封止体4を得る。当該硬化工程では、最初に、図1(c)に示されるように、第1の樹脂組成物層11および第2の樹脂組成物層3を同時に硬化して、それぞれ第1の硬化層11’および第2の硬化層3’を形成することが好ましい。当該硬化は、加熱処理により行うことが好ましく、すなわち、第1の樹脂組成物層11および第2の樹脂組成物層3を加熱することで硬化することが好ましい。
硬化が完了した後における、第1の硬化層11’の反応率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることが好ましく、特に95%以上であることが好ましい。第1の硬化層11’の反応率が85%以上となるように、第1の樹脂組成物層11を硬化する場合、第1の樹脂組成物層11の硬化反応がより良好に進行し、適度に三次元網目状化しているため、後述するデスミア工程後において、第1の硬化層11’表面が過度に粗くならず、第1の硬化層11’表面の算術平均粗さが比較的小さくなる。これにより、その後の電極形成工程で、第1の硬化層11’の内部に導体が形成されにくくなるため、微細な電極を形成した場合でも、ショート等の絶縁不良を効果的に抑制できる。なお、上記反応率の測定方法は、後述する試験例に記載の通りである。
また、硬化が完了した後における、第2の硬化層3’の反応率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることが好ましく、特に95%以上であることが好ましい。第2の硬化層3’の反応率が85%以上となるように、第2の樹脂組成物層3を硬化する場合、第2の樹脂組成物層3の硬化反応がより良好に進行し、適度に三次元網目状化しているため、後述するデスミア工程後において、第2の硬化層3’表面が過度に粗くならず、第2の硬化層3’表面の算術平均粗さが比較的小さくなる。これにより、その後の電極形成工程で、第2の硬化層3’の内部に導体が形成されにくくなるため、微細な電極を形成した場合でも、ショート等の絶縁不良を効果的に抑制できる。なお、上記反応率の測定方法は、後述する試験例に記載の通りである。
形成される第1の硬化層11’における電子部品2と反対側の面の算術平均粗さ(Ra値)は、微細な電極を良好に形成し易いという観点から、300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、特に100nm以下であることが好ましく、さらには50nm以下であることが好ましい。算術平均粗さ(Ra値)の下限値は、特に制限はないが、後述する電極形成工程後に、電極6の密着性をより安定化させるという観点から、1nm以上であることが好ましく、特に5nm以上であることが好ましく、さらには10nm以上であることが好ましい。なお、当該算術平均粗さ(Ra値)の測定方法は、後述する試験例に記載の通りである。
形成される第2の硬化層3’における電子部品2と反対側の面の算術平均粗さ(Ra値)は、微細な電極を良好に形成し易いという観点から、300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、特に100nm以下であることがさらに好ましく、さらには50nm以下であることが好ましい。算術平均粗さ(Ra値)の下限値は、特に制限はないが、後述する電極形成工程後に、電極6の密着性をより安定化させるという観点から、1nm以上であることが好ましく、特に5nm以上であることが好ましく、さらには10nm以上であることが好ましい。なお、当該算術平均粗さ(Ra値)の測定方法は、後述する試験例に記載の通りである。
上述した加熱による第1の樹脂組成物層11および第2の樹脂組成物層3の硬化では、加熱処理の温度を、例えば、100℃以上とすることが好ましく、特に120℃以上とすることが好ましい。また、当該温度は、240℃以下とすることが好ましく、特に200℃以下とすることが好ましい。また、加熱処理の時間は、15分間以上とすることが好ましく、特に20分間以上とすることが好ましい。また、当該時間は、300分間以下とすることが好ましく、特に100分間以下とすることが好ましい。また、上述した加熱による第1の樹脂組成物層11および第2の樹脂組成物層3の硬化は、複数回の加熱処理により段階的に行うことが好ましい。これにより、第1の硬化層11’および第2の硬化層3’における上記反応率が所望の値を達成し易くなる。この場合の加熱は、2回以上に分けて行うことが好ましく、特に、温度T1で熱硬化させる第1の加熱処理と、温度T1よりも高い温度T2にて熱硬化させる第2の加熱処理とによる、2段階の加熱の処理により行われることがより好ましい。この場合、第1の加熱処理では、温度T1が100℃以上、130℃以下であることが好ましく、加熱処理の時間は15分以上、60分以下であることが好ましい。また、第2の加熱処理では、温度T2が、150℃以上、220℃以下であることが好ましく、加熱処理の時間は30分以上、120分以下であることが好ましい。
第1の樹脂組成物層11および第2の樹脂組成物層3の硬化に続き、図1(d)に示されるように、第1の硬化層11’から粘着シート12を剥離することが好ましい。これにより、第1の硬化層11’と、第2の硬化層3’と、第1の硬化層11’および第2の硬化層3’により封止された電子部品2とを備える封止体4が得られる。ここで、粘着シート12がエネルギー線硬化性を有する粘着剤層を備える場合には、前述の通り、剥離の前に、当該粘着剤層に対してエネルギー線を照射して硬化させて、粘着シート12の粘着力を低下させることで、当該剥離を容易に行うことが可能となる。
なお、図1(c)および図1(d)に示される硬化工程では、第1の樹脂組成物層11および第2の樹脂組成物層3の硬化に続いて、粘着シート12の剥離を行っているものの、粘着シート12の剥離を最初に行い、それに続いて、第1の樹脂組成物層11および第2の樹脂組成物層3の硬化を行ってもよい。また、図1(c)および図1(d)に示される硬化工程では、第1の樹脂組成物層11および第2の樹脂組成物層3の硬化を同時に行っているものの、電子部品載置工程と積層工程との間の段階において第1の樹脂組成物層11の硬化を行い、硬化工程において第2の樹脂組成物層3の硬化を行ってもよい。このように、第1の樹脂組成物層11の硬化と第2の樹脂組成物層3の硬化とを別々に行う場合であっても、それぞれの硬化の好ましい条件は上述した通りとなる。
次に、第1の硬化層および前記第2の硬化層の少なくとも一方には、従来公知の任意な方法により電極を形成することができる。以下では、セミアディティブ法により形成する例を説明する。
すなわち、硬化工程に続いて、孔形成工程として、第1の硬化層11’および第2の硬化層3’の少なくとも一方を貫通する孔5であって、電子部品2の表面の一部を露出させる孔5を形成する。孔5の形成は、得られる半導体装置の構成等に合わせて、第1の硬化層11’および第2の硬化層3’の所望の片側に設けることができ、また、第1の硬化層11’および第2の硬化層3’の両方の側に設けることもできる。ここで、図2(a)には、第1の硬化層11’を貫通する孔5を形成した状態の断面図が示されている。この場合、第1の硬化層11’における第2の硬化層3’とは反対側の面から、第1の硬化層11’と電子部品2との界面までを貫通する孔5を形成する。一方、図3(a)には、第2の硬化層3’を貫通する孔5を形成した状態の断面図が示されている。この場合、第2の硬化層3’における第1の硬化層11’とは反対側の面から、第2の硬化層3’と電子部品2との界面までを貫通する孔5を形成する。孔5の形成は、一般的な方法で行ってよく、例えば、孔5を形成する面に対し、レーザー照射装置を使用して、一般的な照射条件にて、レーザーを照射することで形成することができる。
次に、デスミア工程として、孔5が形成された封止体4をデスミア処理する。上述した孔形成工程では、孔5を形成する際に、第1の硬化層11’または第2の硬化層3’を構成する成分の残渣(スミア)が発生し、当該スミアが孔5内に残ることがある。しかしながら、デスミア工程を行うことで、孔5内のスミアを除去することができ、続く電極形成工程において孔5内に電極を形成した際に、当該電極の導通不良を抑制することができる。
上述のデスミア処理は、一般的な手法により行うことができ、例えば、30℃以上、120℃以下のアルカリ性溶液中に、封止体4を1~30分間浸漬させることで行うことができる。また、使用されるアルカリ性溶液としては、デスミア処理に一般的に使用される溶液(デスミア液)を使用することができ、例えば、過マンガン酸カリウムを含有する水酸化ナトリウム溶液、過マンガン酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを含有する水溶液等を使用することができる。また、上記アルカリ性溶液としては、過マンガン酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを含有する水溶液の他に、水酸化カリウムを含有する水溶液等も使用することができる。
最後に、電極形成工程として、孔5を通じて電子部品2に電気的に接続された電極6を形成する。ここで、図2(b)には、孔形成工程において第1の硬化層11’に形成した孔5に、電極5を形成した状態の断面図が示されている。また、図3(b)には、孔形成工程において第2の硬化層3’に形成した孔5に、電極6を形成した状態の断面図が示されている。電極6の形成は、一般的な手法により行うことができる。例えば、封止体4の孔5を形成した面に対して、銅、銀等の導電性金属を用いたメッキ処理を行い、孔5に対して当該導電性金属を埋め込むとともに、上記面を当該導電性金属で覆う。続いて、上記面を覆った導電性金属における不要な部分をエッチング等により除去して、孔5に埋め込まれた導電性金属と、当該埋め込まれた導電性金属に繋がり、上記面上に残った所定の形状を有する導電性金属とからなる電極6を形成することができる。電極6の形成により、封止された電子部品2とともに、当該電子部品2に電気的に接続された電極6を備える半導体装置が得られる。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、上述の通り、半導体装置の用途等に合わせて、第1の硬化層11’および第2の硬化層3’の所望の層に孔5を形成し、電極6を設けることができる。また、第1の硬化層11’および第2の硬化層3’の両方の層に孔5を形成し、電極6を設けることもできる。そのため、得られる半導体装置において、電極6を自由な位置に設け易くなり、得られた半導体装置の3次元実装も容易となる。その結果、半導体装置の高集積化および高機能化が容易となる。
また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、ファンアウト型ウエハレベルパッケージ(FOWLP)、ファンアウト型パネルレベルパッケージ(FOPLP)、部品内蔵基板等の製造にも適用することができる。特に、上記製造方法は、複数の電子部品を一括して封止することができるため、これによって得られるパッケージは、所定の位置で切断することで、複数の半導体パッケージに分割することができ、効率的に且つ歩留まり高く半導体パッケージを生産することができる。すなわち、本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、効率的で歩留まり高い方法にも適用することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例および試験例等を示すことにより本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の試験例等に何ら限定されるものではない。
〔製造例1〕(積層シートの作製)
(1)粘着シートの作製
アクリル酸エステル共重合体(アクリル酸2-エチルヘキシル92.8質量%と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル7.0質量%と、アクリル酸0.2質量%との共重合体)40質量部(固形分換算,以下同じ)と、粘着付与剤としての両末端水酸基水素化ポリブタジエン(日本曹達社製,製品名「GI-1000」)5質量部と、架橋剤としてのヘキサメチレンジイソシアネートを有する脂肪族系イソシアネート(日本ポリウレタン工業社製,製品名「コロネートHX」)3.5質量部とを、メチルエチルケトン中にて混合し、固形分濃度が30質量%である粘着剤組成物の塗工液を調製した。
次いで、調製した塗工液を、ロールコーターを用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面をシリコーン系剥離層により剥離処理した剥離フィルム(リンテック社製,製品名「SP-PET382150」,厚さ:38μm)の剥離処理面に塗布し、90℃及び90秒間の加熱を行い、続いて115℃及び90秒間の加熱を行い、塗膜を乾燥させることで粘着剤層を形成し、厚さ50μmの粘着剤層と剥離フィルムとの積層体を得た。
続いて、得られた粘着剤層における剥離フィルムとは反対側の面を、基材としての透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製,製品名「PET50A-4300」,厚さ:50μm,ガラス転移温度Tg:67℃,MD方向熱収縮率:1.2%,CD方向熱収縮率:0.6%)の片面に貼り合わせて粘着シートを得た。
なお、得られた粘着剤層について、後述する方法により、100℃における、測定周波数を1Hzとしたときの貯蔵弾性率を測定したところ、2.36×10Paであった。また、得られた粘着シートの銅箔に対する粘着力を後述する方法にて測定したところ、1.2N/25mmであった。また、粘着シートのポリイミドフィルムに対する粘着力を後述する方法にて測定したところ、1.1N/25mmであった。また、粘着剤層の5%重量減少温度を後述する方法にて測定したところ、304℃であった。
上述した貯蔵弾性率は、次の通り測定した。上記の通り作製した、粘着剤層と剥離フィルムとの積層体を複数用いて、厚さの合計が3mmとなるまで粘着剤層を積層した後、直径8mmの円柱体(厚さ3mm)を打ち抜き、これをサンプルとした。当該サンプルについて、JIS K7244-6:1999に準拠し、粘弾性測定器(REOMETRIC社製,製品名「DYNAMIC ANALYZER」)を用いてねじりせん断法により、測定周波数:1Hzおよび測定温度:100℃の条件で貯蔵弾性率(Pa)を測定した。
上述した銅箔に対する粘着力は、次の通り測定した。上記の通り作製した粘着シートを長さ100mm、幅25mmに裁断し、剥離フィルムを剥離したものを試験片とし、銅箔に対し0.5MPa、50℃で20分加圧して貼付した後、標準環境下(23℃,50%RH)にて24時間放置した。その後、標準環境下(23℃,50%RH)にて、引張試験機(島津製作所社製,製品名「オートグラフAG-IS」)を用いて180°の剥離角度、300mm/分の剥離速度で粘着シートを剥離し、粘着力(mN/25mm)を測定した。また、上述したポリイミドフィルムに対する粘着力は、粘着シートの貼付する対象を、銅箔からポリイミドフィルムに変更する以外、上記と同様の粘着力の測定方法により測定した。
上述した5%重量減少温度は、次の通り測定した。すなわち、製造例3において形成した粘着剤層について、示差熱・熱重量同時測定装置(島津製作所社製,製品名「DTG-60」)を用い、流入ガスを窒素として、ガス流入速度100ml/min、昇温速度20℃/minで、40℃から550℃まで昇温させて熱重量測定を行った(JIS K7120「プラスチックの熱重量測定方法」に準拠)。得られた熱重量曲線に基づいて、温度100℃での質量に対して質量が5%減少する温度(5%重量減少温度)を求めた。
(2)第1の樹脂組成物層と剥離フィルムとからなる樹脂シートの作製
熱可塑性樹脂としてのビスフェノールA型フェノキシ樹脂(三菱化学社製,製品名「jER1256」)5.1部と、熱硬化性樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製,製品名「jER828」)5.7部と、熱硬化性樹脂としてのビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製,製品名「NC-3000-L」)5.7部と、熱硬化性樹脂としてのナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製,製品名「HP-4700」)4.1部と、熱硬化性樹脂としてのビフェニル型フェノール(明和化成社製,製品名「MEHC-7851-SS」)14.3部と、イミダゾール系硬化触媒としての2-エチル-4-メチルイミダゾール(四国化成社製,製品名「2E4MZ」)0.1部と、無機フィラーとしてのエポキシシラン処理シリカフィラー〔シリカフィラー(アドマテックス社製,製品名「SO-C2」,平均粒径:0.5μm,最大粒径:2μm,形状:球状)を3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製,製品名「KBM-403」,最小被覆面積:330m/g)を用いて表面処理したもの〕65部とを、メチルエチルケトン中にて混合して、固形分濃度が50質量%である樹脂組成物の塗工液を得た。当該塗工液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にアルキッド系剥離剤層を設けてなる剥離フィルム(リンテック社製,製品名「SP-PET38AL-5」)の剥離面上に塗布し、得られた塗膜をオーブンにて100℃で1分間乾燥することで、厚さ20μmの第1の樹脂組成物層と剥離フィルムとからなる樹脂シートを作製した。
(3)積層シートの作製
続いて、上記工程(1)で作製した粘着シートから剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層の露出面と、上記工程(2)で作製した樹脂シートにおける第1の樹脂組成物層側の面とを貼り合わせて、剥離フィルム付き積層シートを得た。
〔製造例2〕(封止シートの作製)
熱可塑性樹脂としてのビスフェノールA型フェノキシ樹脂(三菱化学社製,製品名「jER1256」)5.1部と、熱硬化性樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製,製品名「jER828」)5.7部と、熱硬化性樹脂としてのビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製,製品名「NC-3000-L」)5.7部と、熱硬化性樹脂としてのナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製,製品名「HP-4700」)4.1部と、熱硬化性樹脂としてのビフェニル型フェノール(明和化成社製,製品名「MEHC-7851-SS」)14.3部と、イミダゾール系硬化触媒としての2-エチル-4-メチルイミダゾール(四国化成社製,製品名「2E4MZ」)0.1部と、無機フィラーとしてのエポキシシラン処理シリカフィラー〔シリカフィラー(アドマテックス社製,製品名「SO-C2」,平均粒径:0.5μm,最大粒径:2μm,形状:球状)を3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製,製品名「KBM-403」,最小被覆面積:330m/g)を用いて表面処理したもの〕65部とを、メチルエチルケトン中にて混合して、固形分濃度が40質量%である樹脂組成物の塗工液を得た。当該塗工液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にアルキッド系剥離剤層を設けてなる剥離フィルム(リンテック社製,製品名「SP-PET38AL-5」)の剥離面上に塗布し、得られた塗膜をオーブンにて100℃で1分間乾燥することで、厚さ50μmの第2の樹脂組成物層と剥離フィルムとからなる封止シートを作製した。
〔実施例1〕
(電子部品載置工程)
まず、製造例1において作製した積層シートから剥離フィルムを剥離して露出した第1の樹脂組成物層側の面上に、複数の開口部を有する枠状部材(銅製,厚さ:130μm,開口部のサイズ:8mm×8mm)を貼着した。次いで、複数の半導体チップ(5mm×5mm,厚さ:130μm)を準備し、枠状部材における各々の開口部の所定位置に、半導体チップを1つずつ載置した。
(積層工程)
次いで、製造例2で作製した封止シートにおける第2の樹脂組成物層側の面を、100℃に加熱した状態で、半導体チップ及び枠状部材を覆うように積層シート上に積層して、仮付けした。次いで、封止シートを、真空ラミネータ装置を用いて、2hPa以下に減圧した状態に置き、その後90℃、圧力0.1MPaで耐熱ゴムを用いて10秒間プレスした後、90℃、圧力0.3MPaで耐熱ゴムを用いて30秒間プレスした。
(硬化工程)
その後、積層された封止シートから、剥離フィルムを剥離し、第1の樹脂組成物層および第2の樹脂組成物層を100℃(T1)で30分間熱硬化した後、180℃(T2)で60分間熱硬化し、第1の硬化層および第2の硬化層を形成した。次いで、第1の硬化層から粘着シートを剥離角度180°で剥離した。
(孔形成工程)
得られた封止体における第1の硬化層側の面に対して、COレーザー加工機を使用してレーザーを照射して、封止体表面における直径が100μmであり、半導体チップに達するビアホールを形成した。
(デスミア工程)
次いで、封止体における第2の硬化層側の面(ビアホールが形成された第1の硬化層の面とは反対側の面)を保護テープで全面カバーした後、グリコールエーテル系溶媒とエチレングリコールモノブチルエーテルとが混合されてなるアルカリ性の膨潤液中に、60℃で5分間浸漬した後、粗化液(アルカリ性過マンガン酸水溶液)に80℃で15分間浸漬し、最後に、硫酸の水溶液に40℃で5分間浸漬して中和し、その後80℃で5分間乾燥した。
(電極形成工程)
続いて、封止体を、無電解メッキ用溶液に40℃で6分間浸漬し、次に無電解銅メッキ液に25℃で18分間浸漬し、その後、150℃にて30分間アニール処理を行った。その後、封止体におけるビアホールが形成された面にめっき用レジスト層を貼りあわせ、露光、現像により、当該めっき用レジスト層における所定のパターンを有する領域を除去した。その後、硫酸銅電解めっきを行って、上記除去した領域に、10μmの厚さの銅からなる層を形成した。次に、残っためっき用レジスト層を剥離し、フラッシュエッチングにより不要な無電解銅めっき部分を除去することで、配線の形状を有する電極を得た。当該配線の配線パターンは、配線幅(L)が50μmであり配線間隔(S)が50μmである配線パターン1、および配線幅(L)が10μmであり配線間隔(S)が10μmである配線パターン2であった。最後に、保護テープを剥離し、アニール処理を190℃にて60分間行うことで、第1の硬化層面に電極が形成された封止体を得た。
〔実施例2〕
第2の硬化層側の面に電極を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、封止体を得た。すなわち、第1の硬化層側の面には電極が形成されておらず、第2の硬化層側の面のみに電極が形成された封止体を得た。
〔実施例3〕
硬化工程において、硬化条件として170℃(T1)で30分間の一度の加熱処理により、第1の樹脂組成物層および第2の樹脂組成物層を熱硬化したこと以外は、実施例1と同様にして、封止体を得た。
〔実施例4〕
硬化工程において、硬化条件として100℃(T1)で30分間熱硬化した後、150℃(T2)で30分間熱硬化したこと以外は、実施例1と同様にして、封止体を得た。
〔試験例1〕(反応率の測定)
製造例1において作製した樹脂シートについて、剥離フィルムを剥離して得た第1の樹脂組成物層を、下記条件の示差走査熱量計(DSC)に供し、第1の樹脂組成物の熱硬化による発熱量(積分量)を測定した。これにより測定された発熱量をΔH0(kJ)とした。
示差走査熱量計(DSC)
装置:TAインスツルメント社製
昇温速度:10℃/min
温度範囲:50℃~300℃
また、製造例1において作製した樹脂シートを、実施例1の硬化工程における熱硬化と同様の条件〔100℃(T1)で30分間熱硬化した後、180℃(T2)で60分間熱硬化〕にて熱硬化した後、剥離フィルムを剥がして得られた第1の硬化層を、上記と同様の条件にて示差走査熱量計(DSC)に供し、第1の硬化層の熱硬化による発熱量(積分量)を測定した。測定された発熱量をΔH1(kJ)とした。
そして、測定されたΔH0(kJ)およびΔH1(kJ)を用いて、下記式から実施例1に係る第1の硬化層の反応率(%)を算出した。結果を表1に示す。
反応率(%)=(ΔH0-ΔH1)/ΔH0×100
また、製造例2と同様に作製した封止シートについても、剥離フィルムを剥離して得た第2の樹脂組成物層の発熱量ΔH0(kJ)を、上記と同様に測定した。さらに、製造例2と同様に作製した封止シートを、実施例1の硬化工程における熱硬化と同様の条件〔100℃(T1)で30分間熱硬化した後、180℃(T2)で60分間熱硬化〕にて熱硬化した後、剥離フィルムを剥がして得られた第2の硬化層の発熱量ΔH1(kJ)を、上記と同様に測定した。そして、測定されたΔH0(kJ)およびΔH1(kJ)から、上記と同様に算出することで、実施例1に係る第2の硬化層の反応率(%)を算出した。結果を表1に示す。
さらに、上述した発熱量ΔH1(kJ)を測定する際の熱硬化の条件を、各実施例に記載される条件に変更した以外、上述の方法と同様にして、実施例2~4に係る第1の硬化層の反応率(%)および第2の硬化層の反応率(%)を算出した。これらの結果も表1に示す。
〔試験例2〕(算術平均粗さの測定)
実施例1~4の製造方法における硬化工程において得られ、孔形成工程を行う前における封止体(第1の硬化層および第2の硬化層により封止された半導体チップを備える封止体)において、第1の硬化層および第2の硬化層の表面について、JIS B0601-1994に準拠して、接触型粗さ計(ミツトヨ社製,製品名「SV3000S4」)を用いて、算術平均粗さRa(μm)を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例3〕(電極形成性の評価)
実施例にて製造した封止体における配線パターン1(L/S=50μm/50μm)および配線パターン2(L/S=10μm/10μm)を、デジタル顕微鏡(キーエンス社製,製品名「VHX-100」)を用いて観察し、以下の基準により電極形成性を評価した。
A:意図した配線パターンが形成されている。
B:意図した配線パターンからの逸脱が部分的に生じている。
C:意図した配線パターンからの逸脱が生じ、配線間の接触(ショート)も生じている。
Figure 0007022133000001
実施例に係る製造方法によれば、チップ実装工程から、封止樹脂への電極形成までの工程が、極めて簡単な作業内容にて、効率的に行えることが確認できた。また、表1に示される通り、封止体のいずれの面にも、良好な配線パターンを有する電極を形成できることが確認できた。これにより、半導体装置の高集積化および高機能化を可能とすることができる。以上より、実施例に係る製造方法によれば、電子部品を良好に封止することができ、半導体装置を良好に製造することができた。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、チップ内蔵基板、ファンアウト型ウエハレベルパッケージやファンアウト型パネルレベルパッケージといった半導体装置の製造に好適に利用することができる。
1…積層シート
11…第1の樹脂組成物層
11’…第1の硬化層
12…粘着シート
2…電子部品
3…第2の樹脂組成物層
3’…第2の硬化層
4…封止体
5…孔
6…電極

Claims (16)

  1. 基材および前記基材の片面側に積層された粘着剤層を備える粘着シートと、前記粘着シートにおける前記粘着剤層側の面に積層された硬化性の第1の樹脂組成物層とを備える積層シートにおける前記第1の樹脂組成物層側の面上に、1または2以上の電子部品を載置する電子部品載置工程、
    少なくとも前記電子部品を覆うとともに、前記第1の樹脂組成物層に接触するように、少なくとも硬化性の第2の樹脂組成物層を備える封止シートにおける前記第2の樹脂組成物層を積層する積層工程、
    前記第1の樹脂組成物層が硬化してなる第1の硬化層と、前記第2の樹脂組成物層が硬化してなる第2の硬化層と、前記第1の硬化層および前記第2の硬化層により封止された前記電子部品とを備えるとともに、前記粘着シートが剥離されてなる封止体を得る硬化工程、
    前記第1の硬化層および前記第2の硬化層の少なくとも一方を貫通する孔であって、前記電子部品の表面の一部を露出させる孔を形成する孔形成工程、
    前記孔が形成された前記封止体をデスミア処理するデスミア工程、および
    前記孔を通じて前記電子部品に電気的に接続された電極を形成する電極形成工程
    を含み、
    前記基材が、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルムおよび液晶ポリマーフィルムから選択される少なくとも1種であり、
    前記基材の厚さが、10μm以上、100μm以下であり、
    前記粘着剤層が、非エネルギー線硬化性粘着剤から構成される
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1の樹脂組成物層の硬化および前記第2の樹脂組成物層の硬化を同時に行い、
    前記粘着シートの剥離を、前記第1の樹脂組成物層および前記第2の樹脂組成物層の硬化の後に行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 剥離角度180°で前記粘着シートの前記剥離が行われることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1の硬化層および前記第2の硬化層の少なくとも一方は、絶縁性を示すことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1の樹脂組成物層および前記第2の樹脂組成物層の少なくとも一方における硬化は、加熱処理により行われることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記加熱処理は、複数回の加熱処理により段階的に行われることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記加熱処理は、温度T1で熱硬化させる第1の加熱処理と、温度T1よりも高い温度T2にて熱硬化させる第2の加熱処理とにより行われることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第1の樹脂組成物層の硬化は、前記第1の硬化層の反応率が85%以上になるように行うことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第2の樹脂組成物層の硬化は、前記第2の硬化層の反応率が85%以上になるように行うことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1の樹脂組成物層および前記第2の樹脂組成物層の少なくとも一方は、熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物から形成されたものであることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記樹脂組成物は、無機フィラーを含有することを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記無機フィラーは、最小被覆面積が550m/g未満である表面処理剤により表面処理されていることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第1の樹脂組成物層および前記第2の樹脂組成物層は、同一の組成を有する前記樹脂組成物から形成されたものであることを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記第1の樹脂組成物層の厚さは、1μm以上、100μm以下であることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記第2の樹脂組成物層の厚さは、50μm以上、1000μm以下であることを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 基材および前記基材の片面側に積層された粘着剤層を備える粘着シートと、前記粘着シートにおける前記粘着剤層側の面に積層された硬化性の第1の樹脂組成物層とを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載される半導体装置の製造方法に使用するための積層シート。
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