JP2009158817A - Qfn用熱硬化型樹脂組成物及びそれを用いたqfn用接着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、封止工程では封止樹脂の漏れがなく、リードフレームの裏面及び封止樹脂の裏面から剥がれることがなくこれらに十分かつ安定に貼着し、剥離工程では容易に剥離可能であり、糊残りが生じたり破断したりしない接着シートと、これに用いられる熱硬化型樹脂組成物の提供を課題とする。
【解決手段】 アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)とマレイミド基を2個以上含む化合物(b)とを含有するQFN用熱硬化型樹脂組成物であって、前記アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)100質量部に対しマレイミド基を2個以上含む化合物(b)が20〜400質量部含有することが好ましい。また、耐熱性フィルムの片面に、これらのQFN用熱硬化型樹脂組成物からなる接着剤層が形成されてなるQFN用接着シート。
【選択図】 なし
【解決手段】 アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)とマレイミド基を2個以上含む化合物(b)とを含有するQFN用熱硬化型樹脂組成物であって、前記アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)100質量部に対しマレイミド基を2個以上含む化合物(b)が20〜400質量部含有することが好ましい。また、耐熱性フィルムの片面に、これらのQFN用熱硬化型樹脂組成物からなる接着剤層が形成されてなるQFN用接着シート。
【選択図】 なし
Description
本発明は、QFN(Quad Flat Non−lead)方式により半導体パッケージを組み立てる際にマスクテープとして好適に使用されるQFN用接着シートと、これに好適に用いられるQFN用熱硬化型樹脂組成物に関する。
近年、携帯電話を始めとするIT機器の小型化、薄型化、多機能化の要求に対し、半導体パッケージにおけるさらなる高密度実装技術の必要性が高まっている。
この要求に応えるCSP(Chip Size Package)技術として、QFN方式が注目され(特許文献1参照)、特に100ピン以下の少ピンタイプにおいては広く採用されつつある。
この要求に応えるCSP(Chip Size Package)技術として、QFN方式が注目され(特許文献1参照)、特に100ピン以下の少ピンタイプにおいては広く採用されつつある。
ここで、QFN方式による半導体パッケージ(以下、QFNパッケージという)の組み立て方法について図面を用いて説明する。
まず、図1に示すように、ICチップ等の半導体素子を搭載する島状の複数の半導体素子搭載部(ダイパッド部)21を具備し、各半導体素子搭載部21の外周に沿って多数のリード22が配設された構造のリードフレーム20を用意する。
次に図2(a)に示すように、リードフレーム20の裏面全面に、耐熱性フィルムからなる基材11とその片面に設けられた接着剤層12とからなる接着シート10を貼付する(テーピング工程)。この際、接着剤層12の側がリードフレーム20の裏側に密着するようにする。なお、図1はリードフレームを半導体素子を搭載する側から見た平面図、図2(a)〜(f)は、製造途中の半導体パッケージの図であり、図1のA−A’断面図である。
まず、図1に示すように、ICチップ等の半導体素子を搭載する島状の複数の半導体素子搭載部(ダイパッド部)21を具備し、各半導体素子搭載部21の外周に沿って多数のリード22が配設された構造のリードフレーム20を用意する。
次に図2(a)に示すように、リードフレーム20の裏面全面に、耐熱性フィルムからなる基材11とその片面に設けられた接着剤層12とからなる接着シート10を貼付する(テーピング工程)。この際、接着剤層12の側がリードフレーム20の裏側に密着するようにする。なお、図1はリードフレームを半導体素子を搭載する側から見た平面図、図2(a)〜(f)は、製造途中の半導体パッケージの図であり、図1のA−A’断面図である。
ついで、図2(b)に示すように、リードフレーム20の表面の半導体素子搭載部21に、熱硬化性のダイアタッチ剤を用いてICチップなどの半導体素子30を接着する(ダイアタッチ工程)。この際、ダイアタッチ剤を硬化させるため、通常150〜200℃程度に加熱するダイアタッチキュア処理を行う。その後、リードフレームの表面の酸化膜及び接着剤由来の不純物を除去するため、プラズマ照射を行う。
ついで、図2(c)に示すように、加熱下において半導体素子30とリードフレーム22との間を金ワイヤなどのボンディングワイヤ31で接続する(ワイヤボンディング工程)。
ついで、図2(c)に示すように、加熱下において半導体素子30とリードフレーム22との間を金ワイヤなどのボンディングワイヤ31で接続する(ワイヤボンディング工程)。
そして、このようなワイヤボンディング工程の後、図2(d)に示すように、半導体素子30が搭載された面をエポキシモールド樹脂などからなる封止樹脂40で覆う(樹脂封止工程)、ここで、リードフレーム20の裏面にはあらかじめ接着シート10が貼付され、この接着シート10が封止樹脂40をせき止める役割を奏しているため、封止樹脂40はリードフレーム20の表面に留まり、リードフレーム20の開口部を通過してリードフレーム20の裏面側に到達することはない。よって、樹脂硬化工程後には、半導体素子30が搭載された面のみが樹脂で封止された状態となる。
その後、接着シート10を剥離する(剥離工程)。これにより図2(e)のようにリードフレーム20の裏面におけるパターン部分はむき出しとなり、この部分が基板等との接続部となる。なお、場合によっては、その後この封止樹脂40を180℃程度に加熱し、これを硬化させた(樹脂硬化工程)後に接着シート10を剥離してもよい。
そして最後に、リードフレーム20を所定の位置でカットすることにより、複数のQFNパッケージ50を得ることができる(図2(f))。このような用途に使用される接着シート10には、剥離工程の前まではリードフレーム20の裏面及び封止樹脂の裏面から剥がれることなく十分かつ安定に貼着し、かつ、剥離工程では容易に剥離でき、リードフレーム20の裏面や封止樹脂の裏面に接着層が残留する糊残りや、接着シートの破断などの不都合がないものであることが要求される。
そして最後に、リードフレーム20を所定の位置でカットすることにより、複数のQFNパッケージ50を得ることができる(図2(f))。このような用途に使用される接着シート10には、剥離工程の前まではリードフレーム20の裏面及び封止樹脂の裏面から剥がれることなく十分かつ安定に貼着し、かつ、剥離工程では容易に剥離でき、リードフレーム20の裏面や封止樹脂の裏面に接着層が残留する糊残りや、接着シートの破断などの不都合がないものであることが要求される。
しかしながら、従来一般的に使用されている接着シートは、実用レベルを十分に満足するものではなかった。
例えば、従来の接着シートには、耐熱性フィルムからなる基材に、耐熱性粘着剤からなる接着剤層が積層した形態のものがあるが、これを使用した場合、テーピング工程を常温で容易に行えるという長所がある反面、テーピング工程後のダイアタッチキュア工程、ワイヤボンディング工程、樹脂封止工程、樹脂硬化工程で加えられる熱により、接着剤層が粘度低下し、接着剤層が発泡したり、流れ出したりしやすく、熱安定性が悪いという問題があるため、QFNパッケージの歩留りが低下しやすいという問題があった。また、剥離工程において糊残りが起こりやすいため、QFNパッケージに付着した接着剤層を削る工程が不可欠であった。
例えば、従来の接着シートには、耐熱性フィルムからなる基材に、耐熱性粘着剤からなる接着剤層が積層した形態のものがあるが、これを使用した場合、テーピング工程を常温で容易に行えるという長所がある反面、テーピング工程後のダイアタッチキュア工程、ワイヤボンディング工程、樹脂封止工程、樹脂硬化工程で加えられる熱により、接着剤層が粘度低下し、接着剤層が発泡したり、流れ出したりしやすく、熱安定性が悪いという問題があるため、QFNパッケージの歩留りが低下しやすいという問題があった。また、剥離工程において糊残りが起こりやすいため、QFNパッケージに付着した接着剤層を削る工程が不可欠であった。
また、接着シートとしては、接着剤層がポリイミド系熱可塑性樹脂からなるものもあるが、これを使用した場合、テーピング工程において200℃を超える高温まで加熱する必要性があるため、リードフレームの寸法精度が犠牲になるうえ、ラミネータによる連続貼付処理が不可能で枚葉処理が必須となり、生産性が制限されるという問題があった。
また、接着シートとして、接着剤層が熱硬化型樹脂からなるものも提案されているが、単に熱硬化型樹脂を使用しただけでは、テーピング工程後の加熱により硬化が進行し、剥離工程で剥離が困難であったり、接着シートが破断したり、糊残りが生じたりする場合もあった。
また、接着シートとして、接着剤層が熱硬化型樹脂からなるものも提案されているが、単に熱硬化型樹脂を使用しただけでは、テーピング工程後の加熱により硬化が進行し、剥離工程で剥離が困難であったり、接着シートが破断したり、糊残りが生じたりする場合もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、比較的低温でテーピング工程を連続的に行うことができ生産性も優れるとともに、剥離工程の前までは、QFNパッケージの組み立てに伴う熱履歴を受けても粘度低下が少なく、熱安定性に優れるため、封止樹脂の漏れがなく、リードフレームの裏面及び封止樹脂の裏面から剥がれることがなくこれらに十分かつ安定に貼着し、しかも、剥離工程では容易に剥離可能であり、糊残りが生じたり破断したりしない接着シートと、これに用いられる熱硬化型樹脂組成物の提供を課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、特定の成分からなる熱硬化型樹脂組成物は、常温においては固形の半硬化状態(Bステージ)であるため、これを接着シートの接着剤層に使用した場合、テーピング工程では、リードフレームの寸法精度などに何ら問題を与えることのない比較的低温の加熱により軟化し、ロールラミネータなどで連続的にリードフレームに貼付できることを見出した。また、このような接着シートでは、テーピング工程後のQFNパッケージ組み立てに伴う熱履歴(ダイアタッチキュア工程、ワイヤボンディング工程、樹脂封止工程、樹脂硬化工程における加熱)により接着剤層の熱安定性が低下するのではなく、逆に硬化が進行し不溶不融となるために熱安定性が向上し、そのため、封止樹脂の漏れがなく、また剥離工程前まではリードフレーム裏面及び封止樹脂の裏面から剥がれることなくこれらに十分かつ安定的に貼着し、さらに、このような接着シートは剥離工程では容易に剥離可能であり、糊残りや破断が生じないことも見出した。
すなわち、本発明のQFN用熱硬化型樹脂組成物は、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)とマレイミド基を2個以上含む化合物(b)とを含有することを特徴とする。
また、前記(a)成分100質量部に対し(b)成分が20〜400質量部含有することが好ましく、前記(a)成分が、アクリロニトリル含有量が5〜50質量%で、かつ数平均分子量から算出されるカルボキシル基当量が100〜20000のカルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合体であることが好ましい。
本発明のQFN用接着シートは、耐熱性フィルムの片面に、上記QFN用熱硬化型樹脂組成物からなる接着剤層が形成されてなることを特徴とする。
また、前記耐熱性フィルムは、厚さ12.5〜125μmのポリイミドフィルムであることが好ましい。
また、前記(a)成分100質量部に対し(b)成分が20〜400質量部含有することが好ましく、前記(a)成分が、アクリロニトリル含有量が5〜50質量%で、かつ数平均分子量から算出されるカルボキシル基当量が100〜20000のカルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合体であることが好ましい。
本発明のQFN用接着シートは、耐熱性フィルムの片面に、上記QFN用熱硬化型樹脂組成物からなる接着剤層が形成されてなることを特徴とする。
また、前記耐熱性フィルムは、厚さ12.5〜125μmのポリイミドフィルムであることが好ましい。
本発明によれば、テーピング工程を比較的低温で連続的に行うことができ、生産性に優れるとともに、剥離工程前までは、QFNパッケージ組み立てに伴う熱履歴を受けても、リードフレームの裏面及び封止樹脂の裏面から剥がれることなくこれらに十分かつ安定的に貼着し、しかも、剥離工程では容易に剥離可能であり、糊残りが生じたり破断しない接着シートと、これに用いられる熱硬化型樹脂組成物を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[QFN用熱硬化型樹脂組成物]
本発明のQFN用熱硬化型樹脂組成物(以下、熱硬化型樹脂組成物という)は、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)とマレイミド基を2個以上含む化合物(b)とを含有するものであって、QFN方式により半導体パッケージを組み立てる際にマスクテープとして使用されるQFN接着シート(以下、接着シートという)の接着剤層形成に好適に使用されるものである。
[QFN用熱硬化型樹脂組成物]
本発明のQFN用熱硬化型樹脂組成物(以下、熱硬化型樹脂組成物という)は、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)とマレイミド基を2個以上含む化合物(b)とを含有するものであって、QFN方式により半導体パッケージを組み立てる際にマスクテープとして使用されるQFN接着シート(以下、接着シートという)の接着剤層形成に好適に使用されるものである。
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)(以下、(a)成分という)は、加熱初期における熱硬化型樹脂組成物の溶融粘度を適度に維持する役割などを果たすとともに、硬化した熱硬化型樹脂組成物に対して良好な柔軟性、接着性を付与するものであって、これを含有することによって、耐熱性フィルムなどからなる基材への密着性がよく、割れのない接着剤層を形成することができる。(a)成分としては、公知のものを制限なく使用できるが、アクリロニトリル含有量が5〜50質量%のものが好ましく、10〜40質量%のものがより好ましい。アクリロニトリル含有量が5質量%未満の場合は、溶媒への溶解性や他成分との相溶性が低下するため、得られる熱硬化型樹脂組成物の均一性が低下する傾向がある。一方、アクリロニトリル含有量が50質量%を超えると、得られる熱硬化型樹脂組成物はリードフレームや封止樹脂への接着性が過度となり、これを接着シートに使用した場合、剥離工程での剥離が困難となったり、接着シートが破断したりする可能性がある。
また、(a)成分としては、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基等の官能基を含有し、これらにより変性されたアクリロニトリル−ブタジエン共重合体も使用できる。これらの中でも、カルボキシル基により変性されたカルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合体は、他の成分との相溶性が良いため好ましく使用できる。その場合、数平均分子量から算出されるカルボキシル基当量は100〜20000の範囲のものが好ましく、200〜10000のものがより好適である。カルボキシル基当量が100未満の場合は、他の成分との反応性が高くなりすぎ、得られる熱硬化型樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向にある。一方、カルボキシル基当量が20000を超えると、他の成分との反応性が不足するため、得られる熱硬化型樹脂組成物は、常温では、半硬化状態よりも硬化が不十分な低Bステージとなりやすい。その結果、これを接着シートに使用した場合、過熱初期、すなわちダイアタッチキュア処理などにおいて、熱安定性が低下する傾向にある。
なお、数平均分子量から算出されるカルボキシル基当量とは、数平均分子量(Mn)を1分子当たりのカルボキシル基数(官能基数)で除したものであって、下記式で示される。
カルボキシル基当量=Mn/官能基数
なお、数平均分子量から算出されるカルボキシル基当量とは、数平均分子量(Mn)を1分子当たりのカルボキシル基数(官能基数)で除したものであって、下記式で示される。
カルボキシル基当量=Mn/官能基数
マレイミド基を2個以上含む化合物(b)(以下、(b)成分という)は、熱硬化型樹脂組成物の熱硬化性を担うものであり、熱硬化型樹脂組成物に対して熱安定性を付与するとともに、接着剤層の接着性を調整・制御する作用を奏し、剥離工程で容易に剥離でき糊残りや破断の生じない接着剤層を形成することができる。
(b)成分の具体例としては、ビスマレイミド樹脂を構成する化合物が好ましく使用され、下記式(1)〜(3)などが挙げられるが、中でも下記式(1)または(3)で示される化合物が溶媒に対する溶解性の点で有用である。特に下記式(1)で示される化合物を(a)成分100質量部に対して50〜400質量部含有する熱硬化型樹脂組成物が、リードフレーム材や封止樹脂材との剥離強度が適切に調整・制御でき、リードフレーム材や封止樹脂材の裏面に糊残りが認められたり、接着シートが破断したりすることなく、良好な歩留りでQFNパッケージを得られるため好ましい。
(b)成分の具体例としては、ビスマレイミド樹脂を構成する化合物が好ましく使用され、下記式(1)〜(3)などが挙げられるが、中でも下記式(1)または(3)で示される化合物が溶媒に対する溶解性の点で有用である。特に下記式(1)で示される化合物を(a)成分100質量部に対して50〜400質量部含有する熱硬化型樹脂組成物が、リードフレーム材や封止樹脂材との剥離強度が適切に調整・制御でき、リードフレーム材や封止樹脂材の裏面に糊残りが認められたり、接着シートが破断したりすることなく、良好な歩留りでQFNパッケージを得られるため好ましい。
なお、上述の(a)、(b)の各成分としては、いずれも、1種の化合物から構成されたものを使用してもよいし、2種類以上の化合物の混合物を使用してもよい。
(a)成分100質量部に対し、(b)成分が20〜400質量部であることが好ましく、50〜250質量部がより好ましい。(b)成分が20質量部未満の場合は、熱硬化型樹脂組成物の反応性が低下するため、不溶不融化が進行しにくくなり、熱安定性が低下することにより接着力が強くなる傾向がある。一方、400質量部を超えると、加熱初期における熱硬化型樹脂組成物の溶融粘度が不足し、この熱硬化型樹脂組成物からなる接着層と耐熱性フィルムからなる基材との接着性が低下し糊残りがしやすくなったり、接着剤層が発泡しやすくなる傾向がある。
本発明の熱硬化型樹脂組成物は、前記(a)成分及び(b)成分以外の樹脂を含んでいてもよいが、(a)成分及び(b)成分のみからなるものが好ましい。前記(a)成分及び(b)成分以外の樹脂を含む場合は、(a)成分及び(b)成分以外の樹脂が全体の20質量%未満が好ましく、10質量%未満がより好ましく、更に5質量%未満が更に好ましい。(a)成分及び(b)成分以外の樹脂が全体の20質量%以上含んでいる場合は、リードフレーム材や封止樹脂材の裏面に糊残りが認められたり、接着シートがリードフレーム材や封止樹脂材の裏面から剥離しにくく破断しやすい。
本発明の熱硬化型樹脂組成物は、前記(a)成分及び(b)成分以外の樹脂を含んでいてもよいが、(a)成分及び(b)成分のみからなるものが好ましい。前記(a)成分及び(b)成分以外の樹脂を含む場合は、(a)成分及び(b)成分以外の樹脂が全体の20質量%未満が好ましく、10質量%未満がより好ましく、更に5質量%未満が更に好ましい。(a)成分及び(b)成分以外の樹脂が全体の20質量%以上含んでいる場合は、リードフレーム材や封止樹脂材の裏面に糊残りが認められたり、接着シートがリードフレーム材や封止樹脂材の裏面から剥離しにくく破断しやすい。
また、熱硬化型樹脂組成物には(a)、(b)の必須成分に加えて、有機過酸化物、反応性シロキサン化合物、イミダゾール類等の反応促進剤を添加してもよい。これらの添加により熱硬化型樹脂組成物を常温状態で良好なBステージにコントロールすることも可能である。
さらに溶融粘度のコントロール、熱伝導性向上、難燃性付与等の目的のために、平均粒径1μm以下のフィラーを添加してもよい。フィラーとしては、シリカ、アルミナ、マグネシア、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機フィラー、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の有機フィラーなどが挙げられる。フィラーを使用する場合には、その含有量は、熱硬化型樹脂組成物中、1〜40質量%とすることが好ましい。
さらに溶融粘度のコントロール、熱伝導性向上、難燃性付与等の目的のために、平均粒径1μm以下のフィラーを添加してもよい。フィラーとしては、シリカ、アルミナ、マグネシア、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機フィラー、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の有機フィラーなどが挙げられる。フィラーを使用する場合には、その含有量は、熱硬化型樹脂組成物中、1〜40質量%とすることが好ましい。
〔QFN用接着シート〕
本発明のQFN用接着シート(以下、接着シートという)は、基材である耐熱性フィルムの片面に、上述の熱硬化型樹脂組成物からなる接着層が形成されたものである。
このような接着シートを製造する場合には、まず、上述の熱硬化型樹脂組成物と溶媒とからなる接着剤塗料を調整する。ついで、この接着剤塗料を耐熱性フィルムの片面に、乾燥後の接着剤層の厚さが好ましくは3〜50μm、より好ましくは5〜20μmになるように塗布し、乾燥すればよい。また、接着剤層の保護のために、形成された接着剤層上には、さらに剥離性の保護フィルムを設けることが好ましく、その場合には、保護フィルム上に塗料を塗布、乾燥して接着剤層を形成し、その上に耐熱性フィルムを設ける方法で接着シートを製造してもよい。なお、保護フィルムは、接着シートの使用時には剥離されるものである。
本発明のQFN用接着シート(以下、接着シートという)は、基材である耐熱性フィルムの片面に、上述の熱硬化型樹脂組成物からなる接着層が形成されたものである。
このような接着シートを製造する場合には、まず、上述の熱硬化型樹脂組成物と溶媒とからなる接着剤塗料を調整する。ついで、この接着剤塗料を耐熱性フィルムの片面に、乾燥後の接着剤層の厚さが好ましくは3〜50μm、より好ましくは5〜20μmになるように塗布し、乾燥すればよい。また、接着剤層の保護のために、形成された接着剤層上には、さらに剥離性の保護フィルムを設けることが好ましく、その場合には、保護フィルム上に塗料を塗布、乾燥して接着剤層を形成し、その上に耐熱性フィルムを設ける方法で接着シートを製造してもよい。なお、保護フィルムは、接着シートの使用時には剥離されるものである。
耐熱性フィルムとしては、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等からなる耐熱性プラスチックフィルム、エポキシ樹脂−ガラスクロス等の複合耐熱フィルム等が挙げられるが、特にポリイミドフィルムが好ましい。
接着剤塗料に使用される溶媒としては、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類(テトラヒドロフラン)等の有機溶剤、水等のうち1種類以上を好ましく使用でき、その使用量は、塗料として適切な粘度となるように適宜調整すればよい。また、塗料の性状は、溶液、エマルジョン、サスペンジョンのいずれでもよく、使用する塗布装置及び環境条件などに応じて適宜選択すればよい。
接着剤塗料に使用される溶媒としては、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類(テトラヒドロフラン)等の有機溶剤、水等のうち1種類以上を好ましく使用でき、その使用量は、塗料として適切な粘度となるように適宜調整すればよい。また、塗料の性状は、溶液、エマルジョン、サスペンジョンのいずれでもよく、使用する塗布装置及び環境条件などに応じて適宜選択すればよい。
このような接着シートは、図1および図2を示して説明したようなQFNパッケージの組み立てにおいて、好適に使用できる。
すなわち、この接着シートの接着剤層に使用されている熱硬化型樹脂組成物は、常温においては固形の半硬化状態(Bステージ)であるため、テーピング工程では、リードフレームの寸法精度などに何ら問題を与えることのない比較的低温の加熱により軟化する。よって、比較的低温の加熱条件、60〜150℃においてロールラミネータなどによりテーピング工程を連続的に行うことができ、生産性に優れる。また、テーピング工程後のQFN組み立てに伴うダイアタッチキュア処理、ワイヤボンディング工程、樹脂封止工程、樹脂硬化工程で加えられる熱により熱安定性が低下するのではなく、硬化が進行して不溶不融となるため熱安定性が向上し、剥離工程の前まではリードフレームの裏面及び封止樹脂の裏面から剥がれることなくこれらに十分かつ安定に貼着する。さらに、剥離工程では容易に剥離でき、糊残りや破断が生じない。
すなわち、この接着シートの接着剤層に使用されている熱硬化型樹脂組成物は、常温においては固形の半硬化状態(Bステージ)であるため、テーピング工程では、リードフレームの寸法精度などに何ら問題を与えることのない比較的低温の加熱により軟化する。よって、比較的低温の加熱条件、60〜150℃においてロールラミネータなどによりテーピング工程を連続的に行うことができ、生産性に優れる。また、テーピング工程後のQFN組み立てに伴うダイアタッチキュア処理、ワイヤボンディング工程、樹脂封止工程、樹脂硬化工程で加えられる熱により熱安定性が低下するのではなく、硬化が進行して不溶不融となるため熱安定性が向上し、剥離工程の前まではリードフレームの裏面及び封止樹脂の裏面から剥がれることなくこれらに十分かつ安定に貼着する。さらに、剥離工程では容易に剥離でき、糊残りや破断が生じない。
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明する。
[実施例1〜7および比較例1〜2]
(接着剤塗料の組成)
表1に示す質量比率で、(a)、(b)成分、溶媒であるテトラヒドロフラン(THF)とを混合して、接着剤塗料を作成した。また、一部の実施例に反応促進成分としてビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンを使用し、接着剤塗料を作製した。
また比較例として熱硬化型樹脂にクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた接着剤塗料を用いた。
ついで、この接着剤塗料を厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名:カプトン100V)の片面に、乾燥後の接着剤層の厚さが10μmとなるように塗布し、160℃に設定した熱風循環型オーブン中で乾燥して接着シートを得た。
なお、使用した各成分の詳細は以下の通りである。
[実施例1〜7および比較例1〜2]
(接着剤塗料の組成)
表1に示す質量比率で、(a)、(b)成分、溶媒であるテトラヒドロフラン(THF)とを混合して、接着剤塗料を作成した。また、一部の実施例に反応促進成分としてビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンを使用し、接着剤塗料を作製した。
また比較例として熱硬化型樹脂にクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた接着剤塗料を用いた。
ついで、この接着剤塗料を厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名:カプトン100V)の片面に、乾燥後の接着剤層の厚さが10μmとなるように塗布し、160℃に設定した熱風循環型オーブン中で乾燥して接着シートを得た。
なお、使用した各成分の詳細は以下の通りである。
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体:重量平均分子量460000、アクリロニトリル含有量40質量%
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合体:数平均分子量より算出されるカルボキシル基当量4000、アクリロニトリル含有量27質量%
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:日本化薬社製、商品名:EOCN−1020
ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YL−980
カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合体:数平均分子量より算出されるカルボキシル基当量4000、アクリロニトリル含有量27質量%
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:日本化薬社製、商品名:EOCN−1020
ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YL−980
上記のようにして得られた実施例1〜7及び比較例1〜2の接着シートについて、下記のようにして、(1)リードフレーム材に対する剥離強度と(2)封止樹脂材に対する剥離強度を測定した。
(1)リードフレーム材に対する剥離強度の測定
(1-1)試験体の作製と熱処理
前記で得られた各接着シートを幅50mm×長さ120mmに裁断し、これを50mm×100mmのリードフレーム用銅材(古川電工社製:商品名EFTEC64T、厚さ125μm)にロールラミネータを使用して貼り付けたものを試験体とした。その際のラミネート条件は、温度80℃、圧力1kgf/cm2、圧着速度1m/分とした。
ついで、上述のようにして得られた各試験体に対して、実際のQFNの組み立てに伴う熱履歴を想定し、次の(1-a)〜(1-c)の各熱処理を順次実施した。
(1-a)175℃/1時間加熱:ダイアタッチキュア処理を想定した処理であって、通風オーブンを使用して加熱した。
(1-b)220℃/15分加熱:ワイヤボンディング工程を想定した処理であって、ホットプレートを使用して加熱した。
(1-c)175℃/3分加熱:樹脂封止工程を想定したものであって、ホットプレートを使用して加熱した。
(1-2)剥離強度の測定
上述の(1-c)の熱処理後の試験体について、万能引張試験機を使用して、90°ピール強度を測定した。なお、リードフレーム材を固定し、接着シートを垂直方向に引っ張って測定した。引張速度は300mm/分とした。また、上記(1-b)の熱処理直後の外観についても確認した。
その結果を表2に示す。
(1-1)試験体の作製と熱処理
前記で得られた各接着シートを幅50mm×長さ120mmに裁断し、これを50mm×100mmのリードフレーム用銅材(古川電工社製:商品名EFTEC64T、厚さ125μm)にロールラミネータを使用して貼り付けたものを試験体とした。その際のラミネート条件は、温度80℃、圧力1kgf/cm2、圧着速度1m/分とした。
ついで、上述のようにして得られた各試験体に対して、実際のQFNの組み立てに伴う熱履歴を想定し、次の(1-a)〜(1-c)の各熱処理を順次実施した。
(1-a)175℃/1時間加熱:ダイアタッチキュア処理を想定した処理であって、通風オーブンを使用して加熱した。
(1-b)220℃/15分加熱:ワイヤボンディング工程を想定した処理であって、ホットプレートを使用して加熱した。
(1-c)175℃/3分加熱:樹脂封止工程を想定したものであって、ホットプレートを使用して加熱した。
(1-2)剥離強度の測定
上述の(1-c)の熱処理後の試験体について、万能引張試験機を使用して、90°ピール強度を測定した。なお、リードフレーム材を固定し、接着シートを垂直方向に引っ張って測定した。引張速度は300mm/分とした。また、上記(1-b)の熱処理直後の外観についても確認した。
その結果を表2に示す。
なお、上記表2における判定欄の記号は、以下の内容を示す。
○:(1-c)の熱処理後の剥離強度が100〜500gf/50mmであって、リードフレーム材に糊残りが認められず、接着シートの破断もなく、(1-b)の熱処理後の外観にも異常が認められない場合。
×:(1-c)の熱処理後の剥離強度が1000gf/50mmを超えるか、リードフレーム材に糊残りが認められるか、接着シートに破断が認められるかのいずれか少なくとも1つに該当する場合。
△:上記「○」及び「×」のいずれにも該当しない場合。
○:(1-c)の熱処理後の剥離強度が100〜500gf/50mmであって、リードフレーム材に糊残りが認められず、接着シートの破断もなく、(1-b)の熱処理後の外観にも異常が認められない場合。
×:(1-c)の熱処理後の剥離強度が1000gf/50mmを超えるか、リードフレーム材に糊残りが認められるか、接着シートに破断が認められるかのいずれか少なくとも1つに該当する場合。
△:上記「○」及び「×」のいずれにも該当しない場合。
(2)封止樹脂材に対する剥離強度の測定
(2-1)試験体の作製と熱処理
前記で得られた各接着シートを幅50mm×長さ120mmに裁断し、これをQFNリードフレーム用銅材(古川電工社製:商品名EFTEC64T、厚さ125μm)を図3に示したように加工を行ったものにロールラミネータを使用して貼り付けたものを試験体とした。図3は、幅50mm×長さ100mmの銅材60の中央部に幅30mm×長さ50mmのくり抜き加工61を行ったものである。接着シートと銅材は、幅を合わせながら該接着シートを銅材の全面に貼り付けた。その際のラミネート条件は、温度80℃、圧力1kgf/cm2、圧着速度1m/分とした。
ついで、上述のようにして得られた各試験体に対して、実際のQFNの組み立てに伴う熱履歴を想定し、次の(2-a)〜(2-c)の各熱処理を順次実施した。
(2-a)175℃/1時間加熱:ダイアタッチキュア処理を想定した処理であって、通風オーブンを使用して加熱した。
(2-b)プラズマ照射処理:Yieldエンジニアリング社製1000Pにより、ガス種:Arを使用して、450W/60秒間処理した。
(2-c)220℃/15分加熱:ワイヤボンディング工程を想定した処理であって、ホットプレートを使用して加熱した。
ついで、(2-a)〜(2-c)の熱処理が済んだ試験体の接着シートが貼りあわされた面とは逆の銅材露出面に、モールドレス機を用いて、175℃/3分の条件で封止樹脂を積層した(樹脂封止工程)。封止樹脂としては信越化学社製のエポキシモールド樹脂(商品名KMC-3520C)を使用した。
(2-2)剥離強度の測定
上述の樹脂封止工程後の試験体について、接着シートとエポキシモールド樹脂とが直接接触した部分の接着シートを幅が10mmになるように、該接着シートのみを短冊状に裁断した。
ついで、万能引張試験機を使用して、短冊状に裁断した接着シートの端を剥離しながら10mm幅にて90°ピール強度を測定した。なお、測定は封止樹脂側を固定して行った。引張速度は300mm/分とした。
その結果を表3に示す。
(2-1)試験体の作製と熱処理
前記で得られた各接着シートを幅50mm×長さ120mmに裁断し、これをQFNリードフレーム用銅材(古川電工社製:商品名EFTEC64T、厚さ125μm)を図3に示したように加工を行ったものにロールラミネータを使用して貼り付けたものを試験体とした。図3は、幅50mm×長さ100mmの銅材60の中央部に幅30mm×長さ50mmのくり抜き加工61を行ったものである。接着シートと銅材は、幅を合わせながら該接着シートを銅材の全面に貼り付けた。その際のラミネート条件は、温度80℃、圧力1kgf/cm2、圧着速度1m/分とした。
ついで、上述のようにして得られた各試験体に対して、実際のQFNの組み立てに伴う熱履歴を想定し、次の(2-a)〜(2-c)の各熱処理を順次実施した。
(2-a)175℃/1時間加熱:ダイアタッチキュア処理を想定した処理であって、通風オーブンを使用して加熱した。
(2-b)プラズマ照射処理:Yieldエンジニアリング社製1000Pにより、ガス種:Arを使用して、450W/60秒間処理した。
(2-c)220℃/15分加熱:ワイヤボンディング工程を想定した処理であって、ホットプレートを使用して加熱した。
ついで、(2-a)〜(2-c)の熱処理が済んだ試験体の接着シートが貼りあわされた面とは逆の銅材露出面に、モールドレス機を用いて、175℃/3分の条件で封止樹脂を積層した(樹脂封止工程)。封止樹脂としては信越化学社製のエポキシモールド樹脂(商品名KMC-3520C)を使用した。
(2-2)剥離強度の測定
上述の樹脂封止工程後の試験体について、接着シートとエポキシモールド樹脂とが直接接触した部分の接着シートを幅が10mmになるように、該接着シートのみを短冊状に裁断した。
ついで、万能引張試験機を使用して、短冊状に裁断した接着シートの端を剥離しながら10mm幅にて90°ピール強度を測定した。なお、測定は封止樹脂側を固定して行った。引張速度は300mm/分とした。
その結果を表3に示す。
なお、上記表3における判定欄の記号は、以下の内容を示す。
○:(2-c)の熱処理後の剥離強度が200gf/10mm以下であって、封止用エポキシモールド樹脂表面に糊残りが認められず、接着シートの破断も認められない場合。
×:(2-c)の熱処理後の剥離強度が300gf/10mmを超える又は剥離不可であるか、封止用エポキシモールド樹脂表面に糊残りが認められるか、接着シートに破断が認められるかのいずれか少なくとも1つに該当する場合。
○:(2-c)の熱処理後の剥離強度が200gf/10mm以下であって、封止用エポキシモールド樹脂表面に糊残りが認められず、接着シートの破断も認められない場合。
×:(2-c)の熱処理後の剥離強度が300gf/10mmを超える又は剥離不可であるか、封止用エポキシモールド樹脂表面に糊残りが認められるか、接着シートに破断が認められるかのいずれか少なくとも1つに該当する場合。
各実施例で得られた接着シートは、実際のQFNパッケージの組み立て時を想定した各熱処理を経た後でも、糊残りが認められず、接着シートの破断も認められなかった。特に実施例1、3〜7については、接着剤層の発泡や流出の形跡が少しもなく、非常に熱安定性に優れていた。また、実施例3及び6については、表2および表3に示すように、上記(1)および(2)の各試験における剥離強度が適切であり、リードフレーム材や封止樹脂材の裏面に糊残りが認められたり、接着シートが破断したりすることなく、良好な歩留りでQFNパッケージを提供することが示された。
10 接着シート
11 基材
12 接着剤層
20 リードフレーム
21 半導体素子搭載部
22 リード
30 半導体素子
31 ボンディングワイヤ
40 封止樹脂
50 QFNパッケージ(半導体装置)
11 基材
12 接着剤層
20 リードフレーム
21 半導体素子搭載部
22 リード
30 半導体素子
31 ボンディングワイヤ
40 封止樹脂
50 QFNパッケージ(半導体装置)
Claims (5)
- アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)とマレイミド基を2個以上含む化合物(b)とを含有することを特徴とするQFN用熱硬化型樹脂組成物。
- 前記アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)100質量部に対しマレイミド基を2個以上含む化合物(b)が20〜400質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のQFN用熱硬化型樹脂組成物。
- 前記アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(a)が、アクリロニトリル含有量が5〜50質量%で、かつ数平均分子量から算出されるカルボキシル基当量が100〜20000のカルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のQFN用熱硬化型樹脂組成物。
- 耐熱性フィルムの片面に、請求項1ないし3のいずれかに記載のQFN用熱硬化型樹脂組成物からなる接着剤層が形成されてなることを特徴とするQFN用接着シート。
- 前記耐熱性フィルムは、厚さ12.5〜125μmのポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項4に記載のQFN用接着シート。
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