JP2005277135A - 半導体用接着剤組成物およびそれを用いた半導体用接着剤シート、半導体集積回路接続用基板、半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー加工性に優れる半導体装置用接着剤組成物を提供するとともに、高接着力、高耐リフロー性を有する半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置を興行的に提供すること。
【解決手段】半導体装置に用いられる接着剤組成物であって、組成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、無機粒子をそれぞれ少なくとも1種類含み、該無機粒子は、表面が金属酸化物により被覆された雲母であることを特徴とする半導体装置用接着剤組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】半導体装置に用いられる接着剤組成物であって、組成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、無機粒子をそれぞれ少なくとも1種類含み、該無機粒子は、表面が金属酸化物により被覆された雲母であることを特徴とする半導体装置用接着剤組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、半導体集積回路を実装し、パッケージ化をする際に用いられる半導体集積回路接続用基板(インターポーザー)を構成する半導体装置や多層配線板に用いられる接着剤組成物に関する。
近年、半導体集積回路(IC)パッケージにおいて、多ピン化、小型化の手段としてBGA方式、LGA方式、PGA方式、等が実用化されてきた。中でもBGA方式はプラスチック材料の利用による低コスト化、軽量化、薄型化の可能性が高く注目されている。
図1にBGA方式の例を示す。IC1を接続するために絶縁体層3および導体パターン5、接着剤4からなる配線基板層、補強板(スティフナー)、放熱板(ヒートスプレッダー)、シールド板等の導体パターンが形成されていない層7、およびこれらを積層するための接着剤層6を、それぞれ少なくとも1層以上有しており、さらに金バンプ2、ソルダーレジスト8をもち、IC1を接続した半導体集積回路接続用基板の外部接続部としてICのピン数にほぼ対応する半田ボール9を格子状(グリッドアレイ)に有している。
上記に説明したBGA方式は以下のような課題がある。(a)半田ボールの面の平面性を保つ、(b)放熱を良くする、(c)温度サイクルやリフローの際に半田ボールにかかる熱応力を緩和する、(d)リフロー回数が多いのでより高い耐リフロー性を要する。これらを改善する方法として、半導体集積回路接続用基板に補強、放熱、電磁的シールドを目的とする金属板等の材料を積層する方法が一般的である。特に、ICを接続するための絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層にTABテープやフレキシブルプリント基板を用いた場合は重要である。このため、半導体集積回路接続用基板は、図2に例示するように、ICを接続するための絶縁体層11および導体パターン13、接着剤層12からなる配線基板層、補強板(スティフナー)、放熱板(ヒートスプレッダー)、シールド板等の導体パターンが形成されていない層15、およびこれらを積層するための接着剤層14、ソルダーレジスト16をそれぞれ少なくとも1層以上有する構成となっている。
最終的に、接着剤層14は、パッケージ内部に残留する。接着剤層14に要求される特性は(a)易加工性、(b)耐リフロー性、(c)温度サイクルやリフローの際に、配線基板層と補強板等の異種材料間で発生する応力吸収(低応力性)、(d)配線上に積層する場合の絶縁性等が挙げられる。
現在ますます高速化・高密度化されていく半導体パッケージでは、配線基板層の両面に導体パターンを形成する、または配線のライン/スペース間を狭くし、配線数を増すことで一層の多ピン化が進んでいる。その際、多ピン化、配線の狭ピッチ化による電気的ノイズの増加が問題となる。そこで解決策としては、配線基板層より補強板(スティフナー)や放熱板(ヒートスプレッダー)に導通を取り、グランド層として活用することが行われており、ノイズ低減に有効である。
しかしながら、補強板や放熱板に導通をとる際は、配線基板層から接着剤層14を貫通するスルーホールの孔開けが必要である。一般にドリルやレーザーによる孔開けが行われているが、孔径が微細になっていくと、ドリル孔開けでは、抜きカスや精度の問題で困難になる。このため孔の微細化に伴い、レーザーによる孔開けが好ましく行われている。しかしながらレーザーによる孔開け加工の場合、接着剤層のレーザー波長吸収が悪いと、孔開けが不十分でスルーホールとして不具合を生じる。
他方、従来のTABテープとヒートスプレッダーの接着に適した接着剤組成物は、エポキシ樹脂、熱可塑性樹脂、シリカ粉末を含有する接着剤が挙げられる(例えば特許文献1参照)。また、特にレーザー加工に適した接着剤組成物として、サルフォン基含有熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、無機充填材から成る接着剤が挙げられる(例えば特許文献2参照)。
特開H10−178067号公報(16〜50段落)
特開2002−198659号公報(6〜22段落)
しかしながら、前述の接着剤を上記の高精細化された半導体パッケージに用いて、レーザーによる微細なスルーホール孔開けを行うと、接着剤のレーザー波長吸収特性が影響し、充分なスルーホールとして必要な孔を開けることが困難であった。
本発明の目的は、上述の半導体用接着剤組成物のレーザー加工性における問題点を解決し、特にレーザー加工性に優れる半導体装置用接着剤組成物を提供するとともに、本発明の半導体用接着剤組成物を用いることで、高接着力、高耐リフロー性を有する半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置を得ることにある。
すなわち本発明は、半導体装置に用いられる接着剤組成物であって、接着剤組成物が熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、無機粒子をそれぞれ少なくとも1種類含み、該無機粒子は、表面が金属酸化物により被覆された雲母を含むことを特徴とする半導体装置用接着剤組成物である。
本発明によれば、レーザー加工性に優れ、高接着力、高耐熱性を有する半導体装置用接着剤組成物ならびに、半導体集積回路接続用基板、半導体装置を得ることができる。
本発明における半導体用接着剤組成物とは、スティフナー、ヒートスプレッダー、半導体素子や配線基板(インターポーザー)用の層間接着剤であり、それら被着体の形状および材料は特に限定されない。
また、本接着剤組成物をフレキシブルプリント基板の接着剤層に適用することも出来る。その場合、耐熱性絶縁フィルムと金属箔とを積層するのに本接着剤組成物を用いる。フレキシブルプリント基板の保護に用いるカバーレイフィルムの接着剤層にも本接着剤組成物を適用することも可能である。特にビルドアップ工法による多層プリント配線板用の接着剤として用いた場合は、レーザー孔開けによるインナービアホール形成工程があるため、適している。
本発明の接着剤層を構成する接着剤組成物は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂をそれぞれ少なくとも1種類を含むことが好ましく、その種類は特に限定されない。
熱可塑性樹脂は接着性、可撓性、熱応力の緩和、低吸水性による絶縁性の向上等の機能を有する。熱可塑性樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂(ABS)、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン−エチレン樹脂(SEBS)、炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸エステル樹脂(アクリルゴム)、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン等が例示される。また、これらの熱可塑性樹脂は後述の熱硬化性樹脂との反応が可能な官能基を有していてもよい。具体的には、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、メチロール基、イソシアネート基、ビニル基、シラノール基等である。これらの官能基により熱硬化性樹脂との結合が強固になり、耐熱性が向上するので好ましい。さらに上記(B)導体パターンが形成されていない層として用いられる素材との接着性、可撓性、熱応力の緩和効果の点から炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸エステルを必須共重合成分とする共重合体は特に好ましく使用できる。また、これらの共重合体についても後述の熱硬化性樹脂との反応が可能な官能基を有していてもよい。具体的には、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、メチロール基、イソシアネート基、ビニル基、シラノール基等である。さらにこの場合、官能基としてカルボキシル基および/または水酸基を有する共重合体に、カルボキシル基と水酸基以外の官能基を有する共重合体を混合して用いるとさらに好ましい。熱硬化性樹脂と反応可能な官能基の全含有量については、0.07〜0.7eq/kgが好ましく、より好ましくは0.07〜0.45eq/kg、さらに好ましくは、0.07〜0.14eq/kgである。
熱硬化性樹脂は耐熱性、高温での絶縁性、耐薬品性、接着剤層の強度等のバランスを実現するために重要である。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、シアン酸エステル樹脂、等公知のものが例示される。特に、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂は絶縁性に優れるので好適である。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものなら特に制限されないが、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジシクロペンタジエンジフェノール等のジグリシジルエーテル、エポキシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノボラック、エポキシ化トリスフェニロールメタン、エポキシ化テトラフェニロールエタン、エポキシ化メタキシレンジアミン、シクロヘキサンエポキサイド等の脂環式エポキシ等が挙げられる。具体的には、YD−128(東都化成(株)製)、”エピコート”828、”エピコート”180(油化シェルエポキシ(株)製)等が例示できる。さらに、難燃性付与のために、ハロゲン化エポキシ樹脂、特に臭素化エポキシ樹脂を用いることも有効である。この際、臭素化エポキシ樹脂のみでは難燃性の付与はできるものの、接着剤の耐熱性の低下が大きくなるため、非臭素化エポキシ樹脂との混合系とすることがさらに有効である。臭素化エポキシ樹脂の例としては、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAの共重合型エポキシ樹脂、あるいは”BREN”−S(日本化薬(株)製)等の臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの臭素化エポキシ樹脂は臭素含有量およびエポキシ当量を考慮して2種類以上混合しても良い。
フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等の公知のフェノール樹脂がいずれも使用できる。たとえば、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、p−フェニルフェノール等のアルキル置換フェノール、テルペン、ジシクロペンタジエン等の環状アルキル変性フェノール、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基等のヘテロ原子を含む官能基を有するもの、ナフタレン、アントラセン等の骨格を有するもの、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール、ピロガロール等の多官能性フェノールからなる樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂の添加量は熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜400重量部、好ましくは50〜200重量部である。熱硬化性樹脂の添加量が5重量部未満であると、高温での弾性率低下が著しく、半導体装置を実装した機器の使用中に半導体集積回路接続用基板の変形が生じるとともに加工工程において取り扱いの作業性に欠けるので好ましくない。熱硬化性樹脂の添加量が400重量部を越えると弾性率が高く、熱膨張係数が小さくなり熱応力の緩和効果が小さいので好ましくない。
本発明の接着剤層にエポキシ樹脂およびフェノール樹脂の硬化剤および硬化促進剤を添加することは何等制限されない。たとえば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールおよび1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの3級アミン化合物、3,3’5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4,4’−トリアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の有機酸、ジシアンジアミド、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィンおよびトリ(ノニルフェニル)ホスフィンなどの有機ホスフィン化合物等の公知のものが使用できる。これらを単独または2種以上混合しても良い。添加量は接着剤組成物100重量部に対して0.1〜50重量部であると好ましい。
また、硬化剤として、シランカップリング剤を併用することも出来る。シランカップリング剤は、ケイ素に有機マトリックスと親和もしくは結合可能な有機官能基と無機材料と結合可能な加水分解基を持った構造している。有機官能基としては、アルキル基、フェニル基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリロキシ基、メルカプトキシ基等があり、一般的には炭素数1〜6のアルキレン基を介してケイ素原子と結合している。また、有機官能基はエポキシ基、アミノ基を有しているものが反応性がよく、接着剤の耐リフロー性に優れ、好ましい。具体的には、有機官能基がアミノ基の場合、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル−トリス(β−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、トリアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−4,5ジヒドロキシイミダゾールプロピルトリエトキシシランが挙げられる。有機官能基がエポキシ基の場合、β−3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
本発明において、表面が金属酸化物により被覆された雲母を添加することが重要である。これにより、接着剤層のレーザー波長吸収が向上し、レーザー孔開け加工性が向上する。雲母表面を被覆する金属酸化物の種類は特に限定されないが、具体例としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化アンチモンをドープさせた酸化スズ等が挙げられる。通常はこれらを単層で雲母表面に被覆するが、2層以上の被覆を行っても良い。また、金属酸化物による被覆は、雲母表面全体に施す必要がある。
雲母の粒径については特に限定されないが、塗料への分散性の良さ、塗工性の観点から、最大粒径15μm以下であることが望ましい。また、最大粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置、動的光散乱式粒径分布測定装置などを用いて測定することが出来る。雲母の添加量は、接着剤組成物全体の0.5重量%以上20重量%以下であることが好ましい。0.5重量%未満ではレーザー加工性向上効果が得られない。また、20重量%を超えると接着強度、耐リフロー性が低下する。
以上の成分以外に、接着剤組成物の接着強度、膜強度を向上させる目的で、金属酸化物により被覆された雲母以外の粒子成分を添加することが好ましい。特に耐リフロー性の点より、半田リフロー時の250〜260℃といった温度で分解が生じないもの、具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク等の金属酸化物、アルミニウム、金、銀、ニッケル、鉄、等の金属微粒子、あるいはカーボンブラック、ガラスが挙げられる。これらを単独または2種以上混合して用いても良い。
中でも熱分解温度が 300℃を大きく超える点、接着剤シートの流動性を調整しやすい点、粒径の安定性からシリカが特に好ましい。粒子形状に制限はされず、破砕系、球状、鱗片状などが用いられるが、塗料への分散性の良さ、接着剤組成物の接着強度・膜強度等が優れることから球状が好ましい。粒子成分の粒径は特に制限されないが、分散性および塗工性、耐半田リフロー性等の観点から、平均粒径5μm以下、最大粒径15μm以下が好ましい。なお、平均粒径、最大粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置、動的光散乱式粒径分布測定装置などを用いて測定することが出来る。また、実装後の信頼性向上のため、粒子の純度は99%を超え、好ましくは99.8%を超え、さらに好ましくは99.9%を超えることが好ましい。純度99%以下であると、ウラン、トリウム等の放射線不純物により放出されるα線により、半導体素子のソフトエラーが生じやすくなる。また、これらの無機粒子に耐熱性、接着強度等の向上のため、シランカップリング剤等を用いて、表面処理を施しても良い。無機粒子の配合量は、前述の雲母との合計量でで接着剤組成物全体の5重量%以上50重量%以下が適している。5重量%未満であると目的である膜強度、接着剤層の破壊靭性向上効果が得られない。また、50重量%を超えると接着強度が低下する。
本発明の接着剤層の厚みは、接着強度、レーザー孔開け加工性との関係で適宜選択できるが、10μm以上250μm以下が好ましい。
本発明の半導体装置用接着剤シートは、有機絶縁性フィルムの少なくとも一方の面に本発明の組成物から成る接着剤層が形成されたものであれば良く、接着剤層の両面に有機絶縁性フィルムを有している態様も含む。用いられる有機絶縁性フィルムは大きく分けて2通りあり、基材として用いられる場合と保護層として用いられる場合とで以下のような材料が挙げられる。
有機絶縁性フィルムを基材として用いる場合を以下に示す。銅箔等の金属板を、本発明の接着剤層により有機絶縁性フィルムへ貼り合わせ、銅箔をエッチングすることによりパターン形成をすると、配線基板として用いることが出来る。この際の有機絶縁性フィルムは、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート等のプラスチックあるいはエポキシ樹脂含浸ガラスクロス等の複合材料からなる、厚さ10〜125μmの可撓性を有する絶縁性フィルムが用いられる。
次に有機絶縁性フィルムを接着剤の保護層の役割として用いる場合を以下に示す。本発明の半導体装置用接着剤シートは、接着剤層の保護のために、少なくとも片面、必要であれば両面に保護層を有することは構わない。保護層の材料については、絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層(TABテープ等)、あるいは導体パターンが形成されていない層(スティフナー、ヒートスプレッター等)に接着剤層を貼り合わせる前に、接着剤層の形態および機能を損わず、また必要に応じ剥離できれば特に限定されない。その具体例は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等のプラスチックフィルム、これらにシリコーン、アルキッド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂あるいは含フッ素化合物等の離型剤のコーティング処理を施したフィルムあるいはこれらのフィルムをラミネートした紙やこれらフィルムの積層体、離型性のある樹脂を含浸あるいはコーティング処理した紙等が挙げられる。また、サンドマット加工フィルムも挙げられる。これはフィルム表面を微粒子吹きつけなどにより、微小の凹凸を付けたもので、離型性を凹凸レベルにより調節できる。これらの保護フィルムの中で、特に本発明で好ましく用いられるものは離型性の調節に優れる、シリコーンあるいは含フッ素化合物等の離型処理を施したフィルムである。さらに好ましくは、前述の離型処理が施されたポリエステルフィルムが耐熱性の点で優れている。
また、特に図3のように接着剤層の両面に保護フィルム層を有する場合は、それぞれの保護フィルム層の接着剤層に対する剥離力をF1、F2(F1>F2)としたとき、F1−F2は好ましくは5N/m以上、さらに好ましくは10N/m以上が必要である。F1−F2が5N/mより小さい場合は、剥離面がいずれの保護フィルム側になるかが安定せず、使用上問題となるので好ましくない。また、剥離力F1、F2はいずれも1〜200N/m、好ましくは3〜150N/m、さらに好ましくは3〜100N/mである。1N/mより小さい場合は保護フィルムの脱落が生じ、200N/mを越えると剥離が困難になり好ましくない。
保護フィルムは、加工時に視認性が良いように顔料による着色が施されていても良い。これにより、先に剥離する側の保護フィルムが簡便に認識できるため、誤使用を避けることが出来る。
また、本発明における接着剤シートは、銅箔や補強板等の被着体へ貼り合わせ時に気泡を噛み込むとリフロー時の膨れ原因にもなり好ましくない。したがって接着剤自体の粘着性を下げるため、接着剤層の片面、必要であれば両面が粗面化されていても構わない。接着剤層自体の粘着性が高くとも、粗面化することで貼り合わせる対象物への接点が分散されることにより、粘着性が低減される。接着剤の粗面化の方法は、特に限定されるものではないが、次の例が挙げられる。接着剤組成物が溶解された塗液をフィルム上に塗布、乾燥し、半硬化状態の接着剤シートを作製する際、接着剤組成物が塗布されるフィルムの表面形状に凹凸があれば、その凹凸が接着剤シート表面に転写され、粗面化できる。例えばエンボス加工やサンドマット加工されたフィルムであれば良い。また作製された接着剤シートの保護フィルム層に、凹凸のあるフィルムを用い、ラミネートすれば同様に凹凸が接着剤シート表面に転写される。ただし、フィルム表面の凹凸に接着剤が埋まり込むことより、実際の使用の際、フィルムを剥がしにくくなることがある。このため、特に本発明で好ましく用いられるフィルムは、シリコーンあるいは含フッ素化合物等の離型処理を施したフィルムである。その他にも、接着剤シートを凹凸のあるゴムロールなどで粗面化することもできる。
また、本発明の接着剤層に、低粘着な接着剤層を薄く積層して粘着性を下げる手法と粗面化を組み合わせることで、より低粘着な接着剤シートにすることもできる。低粘着な接着剤層の具体的な例としては、無機粒子を増量した組成から成る接着剤、もしくは薄厚の接着剤シートを加熱エージングをかけることで粘着性をコントロールしたものなどが挙げられる。
本発明の半導体集積回路接続用基板とは、シリコンなどの半導体基板上に素子が形成された後、切り分けられた半導体集積回路(ベアチップ)を接続するものであり、(A)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層、(B)導体パターンが形成されていない層および(C)接着剤層をそれぞれ1層以上有するものであれば、形状、材料および製造方法は特に限定されない。したがって、最も基本的なものは、A/C/Bの構成であるが、A/C/B/C/B等の多層構造もこれに含まれる。
本発明でいう半導体装置とは本発明の半導体集積回路接続用基板を用いたものをいい、例えば、BGAタイプ、LGAタイプパッケージであれば特に形状や構造は限定されない。半導体集積回路接続用基板とICの接続方法は、TAB方式のギャングボンディングおよびシングルポイントボンディング、リードフレームに用いられるワイヤーボンディング、フリップチップ実装での樹脂封止、異方性導電フィルム接続等のいずれでもよい。また、CSPと称されるパッケージも本発明の半導体装置に含まれる。
本発明の(A)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層は、半導体素子の電極パッドとパッケージの外部(プリント基板等)を接続するための導体パターンを有する層であり、絶縁体層の片面または両面に導体パターンが形成されているものである。
ここでいう絶縁体層は、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート等のプラスチックあるいはエポキシ樹脂含浸ガラスクロス等の複合材料からなる、厚さ10〜125μmの可撓性を有する絶縁性フィルム、アルミナ、ジルコニア、ソーダガラス、石英ガラス等のセラミック基板が好適であり、これから選ばれる複数の層を積層して用いてもよい。また、必要に応じて、絶縁体層に加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化、易接着コーティング処理等の表面処理を施すことができる。
導体パターンの形成は、一般にサブトラクティブ法あるいはアディティブ法のいずれかで行われるが、本発明ではいずれを用いてもよい。
サブトラクティブ法では、絶縁体層に銅箔等の金属板を絶縁性接着剤で接着するか、あるいは金属板に絶縁体層の前駆体を積層し、加熱処理などにより絶縁体層を形成する方法で作製した材料を、薬剤処理でエッチングすることによりパターン形成する。材料の具体例としては、リジッドあるいはフレキシブルプリント基板用銅貼り材料やTABテープなどが挙げられる。中でも、少なくとも1層以上のポリイミドフィルムを絶縁体層とし、銅箔を導体パターンとするフレキシブルプリント基板用銅貼り材料やTABテープが好ましく用いられる。
アディティブ法では、絶縁体層に無電解メッキ、電解メッキ、スパッタリング等により直接導体パターンを形成する。いずれの場合も、形成された導体に腐食防止のため耐食性の高い金属がメッキされていてもよい。また、配線基板層には必要に応じてビアホールが形成され、両面に形成された導体パターンがメッキにより接続されていてもよい。
本発明における(B)導体パターンが形成されていない層は実質的に(A)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層または(C)接着剤層とは独立した均一な層であり、半導体集積回路接続用基板の補強および寸法安定化(補強板あるいはスティフナーと称される)、外部とICの電磁的なシールド、ICの放熱(ヒートスプレッター、ヒートシンクと称される)、半導体集積回路接続基板への難燃性の付与、半導体集積回路接続用基板の形状的による識別性の付与等の機能を担持するものである。また加えて、配線基板層より(B)導体パターンが形成されていない層に導通を取り、グランド層として活用されることがある。
したがって、形状は層状だけでなく、たとえば放熱用としてはフィン構造を有するものでもよい。上記の機能を有するものであれば絶縁体、導電体のいずれであってもよく、材料も特に限定されない。金属としては、銅、鉄、アルミニウム、金、銀、ニッケル、チタン等、無機材料としてはアルミナ、ジルコニア、ソーダーガラス、石英ガラス、カーボン等、有機材料としてはポリイミド系、ポリアミド系、ポリエステル系、ビニル系、フェノール系、エポキシ系等のポリマー材料が挙げられる。また、これらの組み合わせによる複合材料も使用できる。例えば、ポリイミドフィルム上に薄い金属メッキをした形状のもの、ポリマーにカーボンを練り込んで導電性をもたせたもの、金属板に有機絶縁性ポリマーをコーティングしたもの等が挙げられる。また、上記(A)配線基板層に含まれる絶縁体層と同様に種々の表面処理を行うことは制限されない。
本発明の半導体集積回路接続用基板とは、半導体集積回路用基板および半導体装置を作成するために用いられる中間加工段階の材料である。半導体集積回路接続用基板は、絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層としてフレキシブルプリント基板あるいはTABテープを用い、その片面あるいは両面にシリコーン処理したポリエステル保護フィルムを有するBステージの接着剤層を積層した接着剤付き配線基板や、導体パターンが形成されていない層として銅、ステンレス、42アロイ等の金属板の片面あるいは両面に上記と同様に保護フィルムを有する接着剤層を積層した接着剤付き金属板(接着剤付きスティフナー等)が該当する。絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層、および導体パターンが形成されていない層をそれぞれ1層以上有する場合でも、その最外層に保護フィルムを有するBステージの接着剤層を積層した、いわゆる接着剤付き半導体集積回路接続用基板も本発明に包含される。
本発明でいう半導体装置とは本発明の半導体装置用接着剤シートを用いて作成されるものをいい、例えば、BGAタイプ、LGAタイプパッケージであれば特に形状や構造は限定されない。半導体集積回路接続用基板とICの接続方法は、TAB方式のギャングボンディングおよびシングルポイントボンディング、リードフレームに用いられるワイヤーボンディング、フリップチップ実装での樹脂封止、異方性導電フィルム接続等のいずれでもよい。また、CSPと称されるパッケージも本発明の半導体装置に含まれる。
次に、本発明の半導体装置用接着剤シートおよびそれを用いた半導体集積回路接続用基板の製造方法、半導体装置の製造方法の例について説明する。
(1)半導体装置用接着剤シートの作成:本発明の接着剤組成物を溶剤に溶解した塗料を、両面ともに離型処理を行ったポリエステルフィルム上に塗布、乾燥することで半硬化、すなわちBステージ状態の接着剤を得る。接着剤層の膜厚は10〜100μmとなるように塗布することが好ましい。乾燥条件は、100〜200℃、1〜5分である。溶剤は特に限定されないが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系、メチルエチルケトン、メチルエチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン系、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、Nメチルピロドリン等の非プロトン系極性溶剤単独あるいは混合物が好適である。
塗工、乾燥した接着剤層上にさらに高い離型性を有するポリエステルあるいはポリオレフィン系の保護フィルムをラミネートして、本発明の接着剤シートを得る。さらに接着剤厚みを増す場合は、接着剤シートを複数回積層すればよく、場合によってはラミネート後に、例えば40〜100℃で1〜200時間程度エージングして硬化度を調整してもよい。図3に本発明で得られた半導体装置用接着剤シートの形状を例示する。保護フィルム層18を接着剤層17の両面に有している。
(2)接着剤付き半導体集積回路接続用基板(TABテープ)の作成:ポリイミドフィルム上に接着剤層および保護フィルム層を積層した3層構造のTABテープを下記(a)〜(d)の工程により加工する。(a)スプロケットおよびデバイス孔の穿孔、(b)銅箔との熱ラミネート、(c)スズまたは金メッキ処理を施す。以上のようにして、パターン付きTABテープを得る。そのTABテープの導体パターン面あるいは裏面のポリイミドフィルム面に上記(1)作成した半導体装置用接着剤シートの片面の保護フィルムを剥がした後にラミネートする。貼り合わせ条件は温度20〜200℃、圧力0.1〜5MPaが好適である。次いで、配線基板層から接着剤層14を貫通するスルーホール孔開けが施される。この孔開けには、CO2レーザーやUVレーザー、YAGレーザーが用いられる。
以上述べた半導体集積回路接続用基板の例を図2に示す。
(3)半導体装置の作成:(2)で得られた部品(接着剤付きTABテープ)から保護フィルムを剥がし、適宜成型したヒートスプレッダーに貼り合わせる。ヒートスプレッダーに用いられる金属としては、銅、ステンレス、42アロイが好適で、厚さ0.05〜0.5mmが通常である。貼り合わせ条件は、温度20〜200℃、圧力0.1〜5MPaが好適である。最後に熱風オーブン内で接着剤層の加熱硬化のため、80〜200℃で15〜180分程度のポストキュアを行う。次いで、スルーホールをメッキにより埋め、TABテープとヒートスプレッダー間の導通を取る。
次に半導体集積回路接続用基板のインナーリード部を、半導体チップの金バンプに熱圧着(インナーリードボンディング)し、半導体チップを搭載する。次いで、封止樹脂による封止工程を経て半導体装置を作成する。図1に半導体装置の一態様の断面図を示す。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。まず、実施例および比較例で用いた評価方法について説明する。
<1>接着強度
ポリイミドフィルム(75μm:宇部興産(株)製「ユーピレックス75S」)上に厚み50μmの接着剤シートを130℃、1MPa、0.5m/minの条件でラミネートした。その後、先のポリイミドフィルム上にラミネートした接着剤シート面を0.35mm厚の純銅板上へさらにラミネートした後、エアオーブン中で、100℃、1時間、150℃、1時間の順次ポストキュアを行い、評価用サンプルを作成した。ポリイミドフィルムを5mm幅にスリットした後、5mm幅のポリイミドフィルムを90°方向に50mm/分の速度で剥離し、その際の接着力を測定した。接着強度としては、加工性、ハンドリング性、半導体装置の信頼性の観点より、10N/cm以上であることが好ましい。
ポリイミドフィルム(75μm:宇部興産(株)製「ユーピレックス75S」)上に厚み50μmの接着剤シートを130℃、1MPa、0.5m/minの条件でラミネートした。その後、先のポリイミドフィルム上にラミネートした接着剤シート面を0.35mm厚の純銅板上へさらにラミネートした後、エアオーブン中で、100℃、1時間、150℃、1時間の順次ポストキュアを行い、評価用サンプルを作成した。ポリイミドフィルムを5mm幅にスリットした後、5mm幅のポリイミドフィルムを90°方向に50mm/分の速度で剥離し、その際の接着力を測定した。接着強度としては、加工性、ハンドリング性、半導体装置の信頼性の観点より、10N/cm以上であることが好ましい。
<2>耐リフロー性
上記<1>の方法で作成したポストキュア済みサンプルを30mm角に切断したものを10個片準備する。そのサンプルを125℃、12時間の加熱乾燥させた後に30℃、70%RHの条件下、168時間吸湿させた後、すみやかに最高温度260℃、10秒のIRリフローにかけ、その剥離状態を超音波短傷機により観察した。この試験で剥離が生じたサンプルが10個片中何個あるかを調べ、その割合を不良率とした。
上記<1>の方法で作成したポストキュア済みサンプルを30mm角に切断したものを10個片準備する。そのサンプルを125℃、12時間の加熱乾燥させた後に30℃、70%RHの条件下、168時間吸湿させた後、すみやかに最高温度260℃、10秒のIRリフローにかけ、その剥離状態を超音波短傷機により観察した。この試験で剥離が生じたサンプルが10個片中何個あるかを調べ、その割合を不良率とした。
<3>レーザー加工性
本発明の接着剤組成物を溶剤に溶解した塗料を、両面ともに離型処理を行ったポリエステルフィルム上に塗布、乾燥することで半硬化、すなわちBステージ状態の接着剤厚み50μmの接着剤シートを作製し、ポリエステルフィルムを両面とも剥がした接着剤シート単膜を評価サンプルとする。CO2レーザー装置(日立ベアメカニクス製LC−2E21B/1C)を用い、接着剤シート表面へのレーザー照射を行い、加工条件については、加工径設定100μm、出力2.0W、周波数2KHz、パルス幅5μs、ショット数1回、マスク径4.5mmで行った。
本発明の接着剤組成物を溶剤に溶解した塗料を、両面ともに離型処理を行ったポリエステルフィルム上に塗布、乾燥することで半硬化、すなわちBステージ状態の接着剤厚み50μmの接着剤シートを作製し、ポリエステルフィルムを両面とも剥がした接着剤シート単膜を評価サンプルとする。CO2レーザー装置(日立ベアメカニクス製LC−2E21B/1C)を用い、接着剤シート表面へのレーザー照射を行い、加工条件については、加工径設定100μm、出力2.0W、周波数2KHz、パルス幅5μs、ショット数1回、マスク径4.5mmで行った。
加工径100μm設定に対し、接着剤シートの底面側(レーザー照射面と対比する側)が設定径に近いほど孔開け加工性が良いと判断され、その底面側径でレーザー加工性を示した。設定径の90%、すなわち90μmを越えるものが好ましい。
実施例1
下記熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂およびその他添加剤を、それぞれ表1に示した組成比となるように配合し、濃度28重量%となるようにDMF/モノクロルベンゼン/MIBK混合溶媒に40℃で撹拌、溶解して接着剤溶液を作成した。
下記熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂およびその他添加剤を、それぞれ表1に示した組成比となるように配合し、濃度28重量%となるようにDMF/モノクロルベンゼン/MIBK混合溶媒に40℃で撹拌、溶解して接着剤溶液を作成した。
A.熱硬化性樹脂
1.ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、”エピコート
”828、エポキシ当量:186)
2.ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、XD−1000−2L、エポキシ当量:240)
3.フェノールノボラック樹脂(水酸基当量:107、群栄化学工業(株)製、PSM4261)
B.熱可塑性樹脂
1.カルボキシル基含有アクリルゴム(帝国化学産業(株)製、SG−280DR)
2.エポキシ基含有アクリルゴム(帝国化学産業(株)製、SGP−3)
3.カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン−エチレン樹脂(旭化成(株)製、MX−073)
4.末端水酸基変性ポリエーテルサルフォン(平均分子量24000)
C.金属酸化物被覆雲母
1.酸化鉄被覆雲母(メルク(株)製、”イリオジン”LS−835)
2.酸化アンチモンをドープした酸化スズ被覆雲母(メルク(株)製、”イリオジン”LS−825)
3.酸化チタン被覆雲母(メルク(株)製、”イリオジン”LS−810)
4.雲母(メルク(株)製、”イリオジン”LS−800)
D.無機充填剤
1.シリカ((株)アドマテックス製、SO−C5、平均粒径1.5μm、最大粒径8μm)
2.シリカ((株)アドマテックス製、SO−E1、平均粒径0.3μm、最大粒径1μm)
E.硬化剤
1.4,4’−ジアミノジフェニルスルホン
2.トリフェニルホスフィン
3.2−ウンデシルイミダゾール
4.2−メチルイミダゾール。
1.ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、”エピコート
”828、エポキシ当量:186)
2.ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、XD−1000−2L、エポキシ当量:240)
3.フェノールノボラック樹脂(水酸基当量:107、群栄化学工業(株)製、PSM4261)
B.熱可塑性樹脂
1.カルボキシル基含有アクリルゴム(帝国化学産業(株)製、SG−280DR)
2.エポキシ基含有アクリルゴム(帝国化学産業(株)製、SGP−3)
3.カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン−エチレン樹脂(旭化成(株)製、MX−073)
4.末端水酸基変性ポリエーテルサルフォン(平均分子量24000)
C.金属酸化物被覆雲母
1.酸化鉄被覆雲母(メルク(株)製、”イリオジン”LS−835)
2.酸化アンチモンをドープした酸化スズ被覆雲母(メルク(株)製、”イリオジン”LS−825)
3.酸化チタン被覆雲母(メルク(株)製、”イリオジン”LS−810)
4.雲母(メルク(株)製、”イリオジン”LS−800)
D.無機充填剤
1.シリカ((株)アドマテックス製、SO−C5、平均粒径1.5μm、最大粒径8μm)
2.シリカ((株)アドマテックス製、SO−E1、平均粒径0.3μm、最大粒径1μm)
E.硬化剤
1.4,4’−ジアミノジフェニルスルホン
2.トリフェニルホスフィン
3.2−ウンデシルイミダゾール
4.2−メチルイミダゾール。
これらの接着剤溶液をバーコータで、両面ともシリコーン処理された厚さ75μmのポリエステルフィルム(以下、ポリエステルフィルム1という)に、50μmの乾燥厚さとなるように塗布し、100℃、1分および150℃で5分間乾燥し、その上にポリエステルフィルム1より剥離力が低いポリエステルフィルム(以下、ポリエステルフィルム2という)をラミネートしながらロール上に巻き取り、接着剤厚さ50μmの接着剤シートを作製した。接着剤シートの構造としては、図3のようになる。
実施例2〜5、比較例1〜4
表1記載の組成で上記実施例1と同様に作製した。
表1記載の組成で上記実施例1と同様に作製した。
表1の結果から明らかなように、本発明により得られた半導体装置用接着剤シートは、接着力、耐リフロー性、レーザー加工性、いずれにも優れていた。一方、比較例1〜4は、レーザー加工性に劣る。
1 半導体集積回路
2 金バンプ
3、11 可撓性を有する絶縁体層
4、12 配線基板層を構成する接着剤層
5、13 半導体集積回路接続用の導体
6、14、17 本発明の接着剤組成物より構成される接着剤層
7、15 導体パターンが形成されていない層
8、16 ソルダーレジスト
9 半田ボール
10 封止樹脂
18 保護フィルム層
2 金バンプ
3、11 可撓性を有する絶縁体層
4、12 配線基板層を構成する接着剤層
5、13 半導体集積回路接続用の導体
6、14、17 本発明の接着剤組成物より構成される接着剤層
7、15 導体パターンが形成されていない層
8、16 ソルダーレジスト
9 半田ボール
10 封止樹脂
18 保護フィルム層
Claims (4)
- 半導体装置に用いられる接着剤組成物であって、接着剤組成物が熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、無機粒子をそれぞれ少なくとも1種類含み、該無機粒子は、表面が金属酸化物により被覆された雲母を含むことを特徴とする半導体装置用接着剤組成物。
- 有機絶縁性フィルムの少なくとも一方の面に接着剤層を有する半導体装置用接着剤シートであって、接着剤層が請求項1記載の接着剤組成物である半導体装置用接着剤シート。
- (A)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層、(B)導体パターンが形成されていない層および(C)接着剤層、をそれぞれ少なくとも1層有する半導体集積回路接続用基板であって、(C)接着剤層に請求項2記載の半導体装置用接着剤シートを用いたことを特徴とする半導体集積回路接続用基板。
- 請求項3記載の半導体集積回路接続用基板を用いたことを特徴とする半導体装置。
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JP2004088793A JP2005277135A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 半導体用接着剤組成物およびそれを用いた半導体用接着剤シート、半導体集積回路接続用基板、半導体装置 |
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- 2004-03-25 JP JP2004088793A patent/JP2005277135A/ja active Pending
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