JP4640037B2 - ポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子などの層間絶縁膜(パッシベーション膜)や表面保護膜(オーバーコート膜)、高密度実装基板用絶縁膜などに用いられるポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびそれを硬化してなる硬化物に関する。より詳細には、永久膜レジストとして解像性に優れているとともに、熱衝撃性に優れ、硬化収縮率や吸水率が小さい硬化物、およびそのような硬化物が得られるポジ型感光性絶縁樹脂組成物に関する。
電子機器の半導体素子に用いられる層間絶縁膜、表面保護膜などには、耐熱性、機械的特性などに優れたポリイミド系樹脂やポリベンゾオキサゾール系樹脂が広く使用されていた。たとえば、特許文献1(特開平5−5996号公報)や特許文献2(特開2000−98601号公報)などには、ポリイミド前駆体とキノンジアジド化合物とからなるポジ型感光性樹脂組成物が記載されており、特許文献3(特開平11−237736号公報))などには、ポリベンゾオキサゾール前駆体とキノンジアジド化合物とからなるポジ型感光性樹脂組成物が記載されている。しかしながら、これらのポジ型感光性樹脂組成物は、硬化後の膜減り(体積収縮率)や硬化時の多段階ベークの必要性、雰囲気制御などの問題点を抱えている。また、特許文献4(特開2001−312064号公報)や特許文献5(特開2001−312065号公報)には、ポリフェニレンオキシド誘導体を含有するポジ型感光性樹脂組成物が記載されている。しかしながら、このポジ型感光性樹脂組成物は、製造方法が複雑であり、工業的な観点からより容易に製造できるポジ型感光性樹脂組成物が求められている。
さらに、アルカリ可溶性樹脂、架橋剤、キノンジアジド化合物および光酸発生剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献6〜15)。特に、特許文献14(特開2003−215789号公報)および特許文献15(特開2003−215795号公報)には、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂として、ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレン、フェノール類−キシレングリコール縮合樹脂などが開示されている。そして、これらのアルカリ可溶性樹脂の使用量がアルカリ水溶液による現像性に影響したり、分子量が絶縁膜の解像性、熱衝撃性、耐熱性に影響することも記載されている。しかしながら、これらの特許文献には、上記特性以外の特性をアルカリ可溶性樹脂により改善できることは示唆されておらず、まして、アルカリ可溶性樹脂の種類による効果については何ら示唆されていない。特に、熱衝撃性については架橋微粒子の添加により改善できることが示唆されているものの、硬化収縮性や低吸水性については全く示唆されていない。
特開平5−5996号公報 特開2000−98601号公報 特開平11−237736号公報 特開2001−312064号公報 特開2001−312065号公報 特開昭63−97948号公報 特開平6−43637号公報 特開平6−130666号公報 特開平7−140648号公報 特開2001−281853号公報 特開2001−281861号公報 特開2003−76006号公報 特開2003−207891号公報 特開2003−215789号公報 特開2003−215795号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、解像性、熱衝撃性、硬化収縮率、吸水率等の特性に優れた硬化物を提供することを目的としている。また、このような硬化物を得ることができ、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの用途に適したポジ型感光性絶縁樹脂組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究し、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂の中でも、特定の構造および構成比を有する樹脂をポジ型感光性絶縁樹脂組成物に使用することによって、熱衝撃性、低硬化収縮性、低吸水性等の特性がより優れた硬化物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るポジ型感光性絶縁樹脂組成物は、下記式(1)で表される構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂(A)、キノンジアジド基を有する化合物(B)、前記アルカリ可溶性樹脂(A)と反応可能な官能基を有する化合物(C)、および溶剤(D)を含有することを特徴としている。
Figure 0004640037
(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、または水酸基を表す。mは0〜3である。)
前記アルカリ可溶性樹脂(A)は、フェノール類と、α、α’−ジハロキシレン化合物、α、α’−ジヒドロキシキシレン化合物およびα、α’−ジアルコキシキシレン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の置換キシレン化合物とを縮合反応させて得られる樹脂であることが好ましい。
前記化合物(C)は、アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物、オキシラン環を含有する化合物およびホルミル基を含有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
前記ポジ型感光性絶縁樹脂組成物は、ガラス転移温度が0℃以下かつ平均粒子径が20〜500nmである粒子状ポリマー(E)をさらに含有することが好ましい。
本発明に係る硬化物は、上記ポジ型感光性絶縁樹脂組成物を硬化して得られる。
本発明に係る半導体素子は、金属配線パターンを有する基板と、この基板の前記金属配線パターンを有する面上に、パターン状溝部を有する絶縁膜と前記溝部に金属材料を充填して形成した金属配線パターンとを有する層を少なくとも1層有する半導体素子素材の最上位の層上に、請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性絶縁樹脂組成物を硬化して
形成された絶縁膜を有することを特徴としている。
本発明に係るポジ型感光性絶縁樹脂組成物を用いると、解像度、熱衝撃性、低硬化収縮性、低吸水性などの特性に優れた硬化物を製造することができ、この硬化物は、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの永久膜レジストとして有用である。
以下、本発明にかかるポジ型感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物について具体的に説明する。
〔ポジ型感光性絶縁樹脂組成物〕
本発明に係るポジ型感光性絶縁樹脂組成物は、上記式(1)で示される構造単位(A1)を有するアルカリ可溶性樹脂(A)、キノンジアジド基を有する化合物(B)、前記アルカリ可溶性樹脂(A)と反応可能な官能基を有する化合物(C)、および溶剤(D)を含有する。前記ポジ型感光性絶縁樹脂組成物は、さらに、ガラス転移温度が0℃以下かつ平均粒子径が20〜500nmである粒子状ポリマー(E)を含有していてもよい。
前記ポジ型感光性絶縁樹脂組成物が、上記式(1)で示される構造単位(A1)を有するアルカリ可溶性樹脂(A)を含有することにより、熱衝撃性および低吸水性に優れた硬化物が得られる。
(A)アルカリ可溶性樹脂:
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂(A)は、上記式(1)で示される構造単位(A1)を含有し、この構造単位(A1)のみからなることが好ましい。このアルカリ可溶性樹脂(A)の分子量は特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、たとえば、100,000以下、好ましくは2,000〜50,000である。Mwが上記下限以上であると硬化物の耐熱性や伸びなどの物性が良好であり、Mwが上記上限以下にあると共重合体(A)は他の成分と良好な相溶性を示し、樹脂組成物が良好なパターニング特性を示す。なお、MwおよびMnは、東ソー社製GPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本)を用い、流量:1.0ml/分、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準として示差屈折計により測定した値である。
上記構造単位(A1)を有するアルカリ可溶性樹脂(A)は、たとえば、フェノール類と、α、α’−ジハロキシレン化合物、α、α’−ジヒドロキシキシレン化合物およびα、α’−ジアルコキシキシレン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の置換キシレン化合物とを、無触媒下またはハロゲン化水素触媒の存在下で縮合反応させることにより製造できる。
フェノール類としては、たとえば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、2,3−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールなどが挙げられる。
α、α’−ジハロキシレン化合物としては、α、α’−ジクロルp−キシレン、α、α’−ジブロムp−キシレン、α、α’−ジクロルm−キシレン、α、α’−ジブロムm−キシレンなどが挙げられる。α、α’−ジヒドロキシキシレン化合物としては、α、α’−ジヒドロキシp−キシレン、α、α’−ジヒドロキシm−キシレンなどが挙げられる。α、α’−ジアルコキシキシレン化合物としては、1,4−ベンゼンジメタノール(α、α’−ジメトキシp−キシレン)、α、α’−ジメトキシm−キシレンなどが挙げられる
フェノール類と上記置換キシレン化合物とを縮合反応させる際、必ずしも触媒を使用する必要はないが、反応時間を短縮するために塩化水素、臭化水素などのハロゲン化水素を用いてもよい。また、必要に応じて溶媒を用いてもよく、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの高沸点の不活性溶媒を適宜選択できる。
上記縮合反応において、フェノール類は、置換キシレン化合物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは1.0〜3.0モルの量で使用される。反応温度は50℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃である。反応時間は、所望の分子量によって適宜設定される。
反応終了後、残存した未反応フェノールおよび反応で生成したハロゲン化水素を留去する。さらに、得られたアルカリ可溶性樹脂(A)の分子量および分子量分布を任意の範囲に制御する場合には、アルカリ可溶性樹脂(A)中の低分子量成分を貧溶媒などで分別除去することもできる。
本発明に係るポジ型感光性絶縁樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(A)を、組成物全体(溶媒(D)を含む)に対して、通常5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%の量で用いられる。アルカリ可溶性樹脂(A)の量が上記範囲にあると、組成物の取り扱い性が良好であり、容易に硬化物を形成することができる。
(フェノール樹脂(a1)およびフェノール化合物(a2))
本発明に係るポジ型感光性絶縁樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂(A)のアルカリ溶解性が不十分な場合には、上記アルカリ可溶性樹脂(A)以外のフェノール性水酸基を有する樹脂(以下、「フェノール樹脂(a1)」という。)および/またはフェノール性水酸基を有する低分子量化合物(以下、「フェノール化合物(a2)」という。)を併用することができる。
フェノール樹脂(a1)としては、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン単独重合体などが挙げられる。
フェノール化合物(a2)としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが挙げられる。
上記フェノール樹脂(a1)とフェノール化合物(a2)は併用してもよいが、通常、いずれか一方が用いられる。本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物は、フェノール樹脂(a1)とフェノール化合物(a2)との合計量が、上記共重合体(A)100重量部に対して、100重量部以下、好ましくは50重量部以下である。また、本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物がフェノール樹脂(a1)とフェノール化合物(a2)のいずれか一方を含有する場合、その含有量は、共重合体(A)100重量部に対して、通常5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部である。
フェノール樹脂(a1)および/またはフェノール化合物(a2)を上記範囲で含有する樹脂組成物は、十分なアルカリ溶解性を発現することができる。
(B)キノンジアジド基を有する化合物:
本発明に用いられるキノンジアジド基を有する化合物(B)(以下、「キノンジアジド化合物(B)」ともいう)は、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物である。
前記フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物は特に限定されないが、たとえば、下記式で示される化合物が好ましい。
Figure 0004640037
(式(2)中、X1〜X10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基または水酸基である。ただし、X1〜X5のうちの少なくとも1つは水酸基である。Aは単結合、O、S、CH2、C(CH32、C(CF32、C=
O、またはSO2である。)
Figure 0004640037
(式(3)中、X11〜X24は、式(2)のX1〜X10と同じ定義であり、互いに同じであ
っても異なっていてもよい。ただし、X11〜X15のうちの少なくとも1つは水酸基である。R1〜R4は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。)
Figure 0004640037
(式(4)中、X31〜X45は、式(2)のX1〜X10と同じ定義であり、互いに同じであ
っても異なっていてもよい。ただし、X31〜X35のうちの少なくとも1つおよびX36〜X40のうちの少なくとも1つは水酸基である。R5は、水素原子または炭素数1〜4のアル
キル基である。)
Figure 0004640037
(式(5)中、X51〜X69は、式(2)のX1〜X10と同じ定義であり、互いに同じであ
っても異なっていてもよい。ただし、X51〜X55のうちの少なくとも1つ、X56〜X60のうちの少なくとも1つ、およびX61〜X65のうちの少なくとも1つは水酸基である。R6
〜R8は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。)
Figure 0004640037
(式(6)中、X71〜X84は、式(2)のX1〜X10と同じ定義であり、互いに同じであ
っても異なっていてもよい。ただし、X71〜X74のうちの少なくとも1つおよびX75〜X79のうちの少なくとも1つは水酸基である。)
このようなキノンジアジド化合物(B)としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンなどの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物などが挙げられる。
本発明に係るのポジ型感光性絶縁樹脂組成物において、キノンジアジド化合物(B)は、アルカリ可溶性樹脂(A)とフェノール樹脂(a1)とフェノール化合物(a2)との合計量100重量部に対して、10〜60重量部、好ましくは15〜40重量部の量で配合される。配合量が上記下限未満では未露光部の残膜率の低下や解像度の低下が起こることがある。また、配合量が上記上限を超えるとパターン形状の劣化や硬化時に発泡する恐れがある。
(C)架橋剤:
本発明に用いられる、前記アルカリ可溶性樹脂(A)と反応可能な官能基を有する化合物(C)(以下、「硬化剤(C)」ともいう)は、アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物(以下、「アルキルエーテル化アミノ基含有化合物」ともいう)、オキシラン環を含有する化合物(以下、「オキシラン環含有化合物」ともいう)およびホルミル基を含有する化合物以下、「ホルミル基含有化合物」ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
前記アルキルエーテル化アミノ基含有化合物は、分子中に少なくとも2つのアルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物であれば特に制限されない。ここで、アルキルエーテル化されたアミノ基とは、たとえば下記式で示される基である。
−NHR11−O−R12
(式中、R11はアルキレン基(2価の炭化水素基)を示し、R12はアルキル基を示す。)
このようなアルキルエーテル化アミノ基含有化合物としては、たとえば、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレアなどの窒素化合物中の活性メチロール基(CH2OH基)の全部または一部(ただし、少なくとも2個)がアルキルエーテル化された
化合物を挙げることができる。アルキルエーテルを構成するアルキル基は、メチル基、エチル基またはブチル基であり、アルキルエーテル化アミノ基含有化合物中に2個以上含有されるアルキルエーテルを構成するアルキル基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果オリゴマー成分が形成されてもよい。
このようなアルキルエーテル化アミノ基含有化合物して、具体的には、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミン、テトラメトキシメチル化グリコールウリル、テトラブトキシメチル化グリコールウリルなどを用いることができる。
オキシラン環含有化合物としては、分子内にオキシラン環を含有する化合物であれば特に限定されない。具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂のエポキシ化物、ポリアルキレングリコールのエポキシ化物などを挙げることができる。
ホルミル基含有化合物としては、分子内にホルミル基を含有する化合物であれば特に限定されない。具体的には、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキザール、ブルタルアルデヒドなどが挙げられる。
これらの硬化剤(C)は、1種単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。
硬化剤(C)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂(A)とフェノール樹脂(a1)とフェノール化合物(a2)との合計量100重量部に対して、通常1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部である。配合量が上記下限以上になると、十分に硬化し、良好な電気絶縁性を示す硬化物が得られ、上記上限以下であると良好なパターニング特性や耐熱性を示す硬化物が得られる。
(D)溶剤:
溶剤(D)は、樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節するために添加される。このような溶剤の種類は、特に制限されるものではないが、たとえば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ブチルカルビ
トール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類を挙げることができる。これらの溶媒は1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
本発明における溶剤(D)の量は、組成物の用途や用いる塗布方法に応じて適宜選択され、組成物を均一な状態にすることができれば特に制限されないが、通常、組成物全体に対して、通常10〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%となる量である。
(E)粒子状ポリマー:
本発明に用いられる粒子状ポリマー(E)は、示差走査熱量分析(DSC)により測定されたガラス転移温度(Tg)が0℃以下かつ平均粒子径が20〜500nmである粒子状ポリマー(以下、「架橋微粒子(E)」ともいう。)である。この粒子状ポリマー(E)は上記物性を有するものであれば特に限定されないが、不飽和重合性基を2個以上有する架橋性モノマー(以下、単に「架橋性モノマー」ともいう。)と、この架橋性モノマーと共重合可能であって、粒子状ポリマー(E)のTgが0℃以下となるように選択される1種以上のその他モノマー(以下、単に「その他モノマー(e)」ともいう。)との共重合体が好ましい。特に、その他モノマー(e)として、重合性基以外の官能基、たとえば、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基等の官能基を有するモノマーを用いた共重合体が好ましい。
前記架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和基を複数有する化合物を挙げることができる。なかでも、ジビニルベンゼンが好ましい。
前記その他モノマー(e)しては、ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリルなどの不飽和ニトリル化合物類;
(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド等の不飽和アミド類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;
スチレン、α−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−
イソプロペニルフェノールなどの芳香族ビニル化合物;
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、グリコールのジグリシジルエーテルなどと(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどとの反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート類;
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリイソシアナートとの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート類;
グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和化合物;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、コハク酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、マレイン酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、フタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸−β−(メタ)アクリロキシエチルなどの不飽和酸化合物;
ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和化合物;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有不飽和化合物;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物
などを例示することができる。
これらの中では、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類などが好ましく、ブタジエンが特に好ましい。
前記架橋微粒子(E)を構成する架橋モノマーとその他のモノマーとの割合は、共重合に用いる全モノマーに対して、架橋モノマーが1〜20重量%かつその他のモノマーが80〜99重量%、好ましくは架橋モノマーが2〜10重量%かつその他のモノマーが90〜98重量%の量で用いられることが望ましい。架橋微粒子(C)が、架橋モノマーとその他のモノマーとを上記の範囲で共重合したものであると、ゴム状の軟らかい微粒子となり、特に得られる硬化膜にクラック(割れ)が生ずるのを防止でき、耐久性に優れた硬化膜を得ることができる。
前記架橋微粒子(E)の平均粒子径は好ましくは20〜500nmであり、より好ましくは50〜200nmである。架橋微粒子の粒径コントロール方法は、特に限定されるものではないが、乳化重合により架橋微粒子を合成する場合であれば、使用する乳化剤の量により、乳化重合中のミセルの数を制御し、粒径をコントロールする方法を例示できる。
また、架橋微粒子(E)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂(A)とフェノール樹脂(a1)とフェノール化合物(a2)との合計量100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部である。配合量が上記範囲にあると、架橋微粒子(E)が他成分と良好な相溶性(分散性)を示すとともに、得られる硬化膜が良好な熱衝撃性、耐熱性を有する。
その他添加剤:
本発明に係るポジ型感光性絶縁樹脂組成物には、密着助剤、レベリング剤、染料などのその他添加剤を含有させることもできる。
<感光性絶縁樹脂組成物の調製方法>
本発明に係るポジ型感光性絶縁樹脂組成物は、所定量の上記各成分を、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用いて分散、混合することによって調製できる。また必要に応じて、メッシュメンブランフィルターなどを用いて濾過してもよい
〔硬化物〕
本発明に係るポジ型感光性絶縁樹脂組成物は、解像性に優れているとともに、その硬化物は熱衝撃性、低硬化収縮性、低吸水性などに優れている。したがって、本発明のポジ型感光性絶縁樹脂組成物は、特に、半導体素子の層間絶縁膜や表面保護膜などの材料として好適に使用することができる。
本発明に係る硬化物は、上記感光性絶縁樹脂組成物を硬化させることにより形成される。具体的には、以下のようにして硬化物を形成することができる。
上記感光性絶縁樹脂組成物を、たとえば、配線パターンが形成されたシリコンウエハーなどの基板上に塗工し、乾燥により溶剤などを揮発させて塗膜を形成する。その後、所望のマスクパターンを介して露光する。次いで、アルカリ性現像液により現像して、露光部を溶解、除去することにより所望のパターンを得ることができる。その後、さらに加熱処理を行うことにより、絶縁膜特性を有する硬化膜を得ることができる。
ここで、樹脂組成物を支持体に塗工する方法としては、たとえば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法などの塗布方法を用いることができる。また、塗布の厚さは、塗布手段、組成物の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
露光に用いられる放射線としては、たとえば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、i線ステッパーなどの紫外線や電子線、レーザー光線などが挙げられる。露光量は、使用する光源や樹脂膜厚などによって適宜選定されるが、たとえば高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、樹脂膜厚が5〜50μmであれば、1,000〜20,000J/m2程度である。
アルカリ性現像液による現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法などを挙げることができ、現像条件は、通常20〜40℃で1〜10分程度である。
前記アルカリ性現像液としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどのアルカリ性化合物を水に溶解して濃度が1〜10重量%程度になるように調製したアルカリ性水溶液を挙げることができる。前記アルカリ性水溶液には、たとえば、メタノール、エタノールなどの水溶性の有機溶剤や界面活性剤などを適量添加することもできる。なお、アルカリ性現像液で現像した後、パターニングした塗膜を水で洗浄し、乾燥させる。
現像後の加熱処理条件は、特に制限されないが、硬化物の用途に応じて、100〜250℃の温度で、30分〜10時間程度加熱処理し、パターニングした塗膜を硬化させることができる。この現像後の加熱処理は、得られたパターン状の塗膜の硬化を十分に進行させたり、その変形を防止するために、二段階以上の工程で実施してもよい。たとえば、第一段階では50〜100℃の温度で10分〜2時間程度加熱し、第二段階では100〜250℃の温度で20分〜8時間程度加熱して、パターン状の塗膜を硬化させることもできる。このような硬化条件であれば、加熱設備としてホットプレート、オーブン、赤外線炉などを使用することができる。
〔半導体素子〕
本発明に係る半導体素子は、たとえば図1または図2に示すように、金属配線パターン2を有するシリコンウエハーなどの基板1と、この基板1の前記金属配線パターン2を有
する面上に、パターン状溝部を有する絶縁膜3と前記溝部に金属材料を充填して形成した金属配線パターン4とを有する層を少なくとも1層有する半導体素子素材5の最上位の層上に、上記ポジ型感光性絶縁樹脂組成物を硬化して形成された絶縁膜6を有する。
絶縁膜3と金属配線パターン4とを有する層が複数存在する場合、各層を構成する絶縁膜3は、同じ絶縁樹脂組成物を用いて形成されていてもよいし、それぞれ異なる絶縁樹脂組成物を用いて形成されていてもよい。また、各層の金属配線パターン4も同じ金属材料を用いて形成されていてもよいし、それぞれ異なる金属材料を用いて形成されていてもよい。
上記絶縁膜6は、上記硬化物(硬化膜)の形成方法を適用してパターン状に形成できる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における部は特に断らない限り重量部の意味で用いる。
また、硬化物の各特性については、下記の方法で評価した。
解像性:
6インチのシリコンウエハーに感光性絶縁樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレートを用いて100℃で5分間加熱し、10μm厚の均一な塗膜を作製した。その後、アライナー(Suss Mictotec社製 MA−150)を用い、パターンマスクを介して高圧水銀灯からの紫外線を波長350nmにおける露光量が6,000J/m2とな
るように露光した。次いで、2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて23℃で3分間、浸漬現像した。得られたパターンの最小寸法を解像度とした。
熱衝撃性:
図3および図4に示すような基板12上にパターン状の銅箔11を有する熱衝撃性評価用基材13に、感光性絶縁樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて100℃で5分間加熱し、銅箔11上での厚さが10μmである樹脂塗膜を作製した。その後、対流式オーブンで190℃、1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を有する基材を得た。この基材について、冷熱衝撃試験器(タバイエスペック(株)社製)を用いて−55℃/30分〜150℃/30分を1サイクルとして耐性試験を行った。硬化膜にクラックなどの欠陥が発生するまでのサイクル数を100サイクル毎に確認した。
硬化収縮率:
8インチのシリコンウエハーに感光性絶縁樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて100℃で5分間加熱し、10μm厚の樹脂塗膜を作製した。その後、対流式オーブンで190℃、1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を得た。この硬化膜について硬化前後の膜厚を測定し、下記式から硬化収縮率を求めた。
硬化収縮率(%)=(X−Y)/X × 100
X:硬化前の膜厚、Y:硬化後の膜厚
吸水率:
6インチのシリコンウエハーに感光性絶縁樹脂組成物を塗布し、ホットプレートを用いて100℃で5分間加熱し、10μm厚の樹脂塗膜を作製した。その後、対流式オーブンで190℃、1時間加熱して樹脂塗膜を硬化させて硬化膜を有する基材を得た。この基材を純水に浸漬し、23℃で24時間放置した。純水に浸漬する前後の硬化膜の重量を測定し、吸水率を下記式により求めた。
吸水率(%)=(B−A)/A × 100
A;浸漬前の硬化膜の重量、B;浸漬後の硬化膜の重量
[合成例1]
(アルカリ可溶性樹脂(A−1)の合成)
フェノールと1,4−ベンゼンジメタノールとをモル比100:120の割合で混合し、この混合物をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した。この混合溶液にp−トルエンスルホン酸触媒を用いて常法により縮合して、ポリスチレン換算の重量平均分子量が5500のアルカリ可溶性樹脂(A−1)を得た。
[合成例2]
(アルカリ可溶性樹脂(A−2)の合成)
m−クレゾールと1,4−ベンゼンジメタノールとをモル比100:120割合で混合し、この混合物をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解した。この混合溶液にp−トルエンスルホン酸触媒を用いて常法により縮合して、ポリスチレン換算の重量平均分子量が5500のアルカリ可溶性樹脂(A−2)を得た。
[合成例3]
(フェノール樹脂(a−1)の合成)
m−クレゾールとp−クレゾールとをモル比80:20の割合で混合し、この混合物にホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合して、ポリスチレン換算の重量平均分子量が6,800のクレゾールノボラック樹脂(以下、「フェノール樹脂(a−1)」という)を得た。
[実施例1〜5]
表1に示す、アルカリ可溶性樹脂(A)、フェノール樹脂(a1)またはフェノール化合物(a2)、キノンジアジド化合物(B)、硬化剤(C)および架橋微粒子(E)を溶剤(D)に、それぞれ表1に示す量で溶解させ、ポジ型感光性絶縁樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を用いて、上記評価方法に記載の方法に従って硬化膜を作製した。
樹脂組成物および硬化膜の特性を上記評価方法にしたがって測定した。結果を表2に示す。
[比較例1〜2]
表1に示す成分からなる樹脂組成物およびその硬化膜を実施例1と同様に調製した。樹脂組成物およびその硬化膜の特性を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004640037
アルカリ可溶性樹脂(A):
A−1:フェノールと1,4−ベンゼンジメタノールとからなる樹脂、
ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=5,500
A−2:m−クレゾールと1,4−ベンゼンジメタノールとからなる樹脂、
ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=5,500
フェノール樹脂(a1):
a1−1:m−クレゾール/p−クレゾール=80/20(モル比)のノボラック
樹脂、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=6,800
フェノール化合物(a2):
a2−1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−
ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン
キノンジアジド化合物(B):
B−1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンと1,2−ナフト
キノンジアジド−5−スルホン酸との縮合物(モル比=1.0:2.0)
B−2:2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフト
キノンジアジド−5−スルホン酸との縮合物(モル比=1.0:2.5)
硬化剤(C):
C−1:ヘキサメトキシメチル化メラミン
(三井サイテック(株)製、商品名;サイメル300)
C−2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂
(日本化薬(株)製、商品名;RE−303S)
C−3:イソフタルアルデヒド
溶剤(D):
D−1:乳酸エチル
D−2:2−ヘプタノン
架橋微粒子(E):
E−1:ブタジエン/ヒドロキシブチルメタクリレート/メタクリル酸/ジビニル
ベンゼン=55/37/6/2(重量%)、平均粒径=75nm、
Figure 0004640037
本発明に係る感光性絶縁樹脂組成物を用いると、熱衝撃性、低硬化収縮性、低吸水性などに優れた硬化物を形成することができ、特に、熱衝撃性、低硬化収縮性、低吸水性などに優れた、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜を得ることができる。
図1は、本発明に係る半導体素子の一例を示す断面図である。 図2は、本発明に係る半導体素子の一例を示す断面図である。 図3は、熱衝撃性評価用基材の断面図である。 図4は、熱衝撃性評価用基材の上面図である。
符号の説明
1 基板
2、4 金属配線
3 絶縁膜
5 半導体素子素材
6 本発明に係るポジ型感光性絶縁樹脂組成物からなる絶縁膜
11 銅箔
12 基板
13 基材

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂(A)、キノンジアジド基を有する化合物(B)、前記アルカリ可溶性樹脂(A)と反応可能な官能基を有する架橋剤(C)、および溶剤(D)を含有することを特徴とするポジ型感光性絶縁樹脂組成物。
    Figure 0004640037
    (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、または水酸基を表す。mは0〜3である。)
  2. 前記アルカリ可溶性樹脂(A)が、フェノール類と、α、α’−ジハロキシレン化合物、α、α’−ジヒドロキシキシレン化合物およびα、α’−ジアルコキシキシレン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の置換キシレン化合物とを縮合反応させて得られる樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性絶縁樹脂組成物。
  3. 前記架橋剤(C)が、アルキルエーテル化されたアミノ基を含有する化合物、オキシラン環を含有する化合物およびホルミル基を含有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性絶縁樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のポジ型感光性絶縁樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
  5. 金属配線パターンを有する基板と、この基板の前記金属配線パターンを有する面上に、パターン状溝部を有する絶縁膜と前記溝部に金属材料を充填して形成した金属配線パターンとを有する層を少なくとも1層有する半導体素子素材の最上位の層上に、請求項1〜のいずれかに記載のポジ型感光性絶縁樹脂組成物を硬化して形成された絶縁膜を有することを特徴とする半導体素子。
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