JP2002363262A - 新規フェノール化合物とその誘導体、および該化合物あるいは誘導体を含んでなる組成物 - Google Patents

新規フェノール化合物とその誘導体、および該化合物あるいは誘導体を含んでなる組成物

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JP2002363262A
JP2002363262A JP2001167724A JP2001167724A JP2002363262A JP 2002363262 A JP2002363262 A JP 2002363262A JP 2001167724 A JP2001167724 A JP 2001167724A JP 2001167724 A JP2001167724 A JP 2001167724A JP 2002363262 A JP2002363262 A JP 2002363262A
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Japan
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compound
group
hydroxyl group
epoxy
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JP2001167724A
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English (en)
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Nobuaki Otsuki
信章 大槻
Takahisa Sugioka
卓央 杉岡
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被塗物への密着性等の特性に優れた塗膜を得
ることができる新規な多価フェノール化合物の提供、お
よびそのフェノール化合物から得られ、熱や光で硬化し
て可撓性等の特性に優れた硬化物を形成することができ
る新規なエポキシ化合物やラジカル重合性化合物の提
供、さらには画像形成に有用なアルカリ現像性に優れた
化合物の提供、およびそれらの化合物を含んでなる組成
物の提供。 【解決手段】 本発明の多価フェノール化合物、および
そのフェノール化合物から得られるエポキシ化合物やラ
ジカル重合性化合物は、いずれも芳香環がキシリレン基
で連結された構造を有し、かつアルコール性ヒドロキシ
ル基を有することを特徴とする化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細加工や画像形
成に有用で、耐熱性や可撓性等に優れた硬化物を与える
新規な化合物および該化合物を含んでなる組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】プリント基板等のパターニング等に利用
される画像形成方法として、ノボラック型フェノール樹
脂と1,2−キノンジアジド化合物から構成されるポジ
型フォトレジストを利用する方法、エポキシ樹脂と光カ
チオン重合開始剤から構成されるカチオン重合機構を利
用する方法、不飽和二重結合を含有するラジカル重合性
樹脂と光重合開始剤から構成されるラジカル重合機構を
利用する方法等が知られている。ノボラック型フェノー
ル樹脂と1,2−キノンジアジド化合物から構成される
ポジ型フォトレジストを利用する方法とは、1,2−キ
ノンジアジド化合物の紫外線露光による分解、Wolf
f転移を経てインデンカルボン酸となりアルカリ可溶と
なる。また、1,2−キノンジアジド化合物はノボラッ
ク型フェノール樹脂との相互作用により溶解禁止剤とし
て働く。このように、露光部分がアルカリ可溶、未露光
部分がアルカリ不溶となるものである。
【0003】アルカリに対する溶解性はフェノール性ヒ
ドロキシル基の存在により発現するが、フェノール性ヒ
ドロキシル基は弱酸性であるため、露光後のアルカリ現
像を水酸化カリウムや水酸化ナトリウムといった強アル
カリの水溶液を用いて行わなければならない。強アルカ
リでの現像による未露光部分も剥離してしまうことがあ
り、高精度に現像するためには非常に綿密な現像条件を
設定し、制御する必要があった。
【0004】逆に、エポキシ樹脂と光カチオン重合開始
剤から構成されるカチオン重合機構を利用する方法や、
不飽和二重結合を含有するラジカル重合性樹脂と光重合
開始剤から構成されるラジカル重合機構を利用する方法
は、露光部分が重合硬化して架橋構造を形成することで
有機溶剤あるいはアルカリに不溶となり、未露光部分が
可溶であることを利用して画像形成するものである。
【0005】不飽和二重結合を含有するラジカル重合性
樹脂の一つとして、ノボラック型フェノール樹脂とエピ
クロルヒドリンとの反応により得られるノボラック型エ
ポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸との反応により得られる
不飽和二重結合を含有する変性ノボラック樹脂(ビニル
エステル樹脂)が知られており、さらに環境対策の点か
ら、希薄な弱アルカリ水溶液で現像することのできる樹
脂材料が使用されている。このような樹脂の一例として
は、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得
られるエポキシ(メタ)アクリレートに酸無水物を反応
させてカルボキシル基を導入した、カルボキシル基含有
エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる(例えば、
特開昭61−243869号や特開昭63−25897
5号)。
【0006】しかしながら、この樹脂は硬化の際、自由
体積減少に起因する内部応力蓄積という問題が不可避で
ある。成形材料として用いた場合、これが大きいと硬化
収縮によりクラック、反りが生じ、内部歪みの蓄積によ
り耐熱性、耐湿性等の特性も低下することになる。ま
た、塗料として用いた場合は、基材との密着不良が起こ
り得る。
【0007】一方で、エポキシ樹脂とカチオン重合機構
によって硬化物を与えるタイプの樹脂組成物は、耐溶剤
性、耐熱性等に優れた硬化塗膜が得られる上に、ラジカ
ル重合よりも硬化時の収縮、応力の蓄積が小さいという
特長を有してはいるが、高温・高湿条件下での耐性に改
善の余地があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、被
塗物への密着性等の特性に優れた塗膜を得ることができ
る新規なフェノール化合物、およびそのフェノール化合
物から得られ、熱や光で硬化して、被塗物への密着性、
耐熱性、耐湿性、可撓性等の特性に優れた硬化物を形成
することができる新規なエポキシ化合物やラジカル重合
性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物を提供
することを課題として掲げた。また、アルカリ現像性を
有し、しかも硬化後の物性に優れた塗膜を形成し得る化
合物およびその組成物の提供も併せて課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の多価フェノール
化合物は、ノボラック構造においての芳香環を結合する
アルキレン基の一部または全部がキシリレン基に置換さ
れた構造を有し、かつアルコール性ヒドロキシル基を有
するところに要旨を有する。このフェノール化合物が、
原料フェノールの一部または全部として、アルコール性
ヒドロキシル基を有するフェノールを用いたものである
ことは、本発明の好ましい実施形態である。
【0010】本発明のエポキシ化合物は、ノボラック構
造においての芳香環を結合するアルキレン基の一部また
は全部がキシリレン基に置換された構造を有するエポキ
シ化合物であって、少なくとも一つの芳香環が、アルコ
ール性ヒドロキシル基を有する置換基と、エポキシ基を
有する置換基とを、芳香環上の異なる炭素原子に結合し
て有するところに要旨を有する。このエポキシ化合物
が、前記のフェノール化合物中のフェノール性ヒドロキ
シル基にグリシジル化剤を反応させたものであること
は、本発明の好ましい実施形態である。
【0011】本発明のラジカル重合性化合物は、ノボラ
ック構造においての芳香環を結合するアルキレン基の一
部または全部がキシリレン基に置換された構造を有し、
前記芳香環の一部または全部がアルコール性ヒドロキシ
ル基を有する置換基とラジカル重合性不飽和二重結合を
有する置換基とを、各々芳香環上の異なる炭素原子に結
合して有しているところに要旨を有する。このラジカル
重合性化合物が、前記のフェノール化合物中のフェノー
ル性ヒドロキシル基に対し、フェノール性ヒドロキシル
基と反応し得る官能基とラジカル重合性不飽和二重結合
とを有するラジカル重合性付与化合物を反応させたもの
であること、あるいは前記のエポキシ化合物とラジカル
重合性不飽和一塩基酸とを反応させたものであること
は、本発明の好ましい実施形態である。
【0012】また本発明は、上記フェノール化合物、エ
ポキシ化合物、ラジカル重合性化合物のアルコール性ヒ
ドロキシル基に対し、多塩基酸無水物を反応させて、該
化合物中にカルボキシル基を導入したタイプの化合物も
提供するものである。この構成の採用によって、アルカ
リ現像性の良好な化合物を得ることができた。
【0013】本発明の組成物は、カルボキシル基を含有
していない場合、カルボキシル基を含有する場合、いず
れにおいても、上記各化合物と共に感光剤、硬化剤ある
いは重合開始剤を含有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の多価フェノール化合物
は、アルコール性ヒドロキシル基を有するので、通常の
ノボラック型フェノール樹脂に比べてアルコール性ヒド
ロキシル基の存在によって、被塗物に対する密着性が向
上している。さらに、分子間にヒドロキシル基による水
素結合が形成されるため分子間力が増大し、硬化物の強
度や耐熱性等の特性が良好となる作用を発揮する。ま
た、芳香環を結合するアルキレン基の一部または全部が
キシリレン基に置換された構造を有するので、被塗物と
の密着に関わるフェノール性ヒドロキシル基あるいはア
ルコール性ヒドロキシル基が離間した位置にあるため、
可撓性に優れた塗膜を得ることができる。
【0015】このような、ノボラック構造においての芳
香環を結合するアルキレン基の一部または全部がキシリ
レン基に置換された構造を有し、かつアルコール性ヒド
ロキシル基を有する多価フェノール化合物は、原料フェ
ノールの一部または全部として、アルコール性ヒドロキ
シル基を有するフェノールを用い、原料アルデヒドおよ
び/またはケトン化合物の一部または全部に変えて、キ
シリレングリコール、キシリレンジハライド、キシリレ
ンジアルキルエーテルあるいはキシリレンジアルキルエ
ステルから選ばれる少なくとも1種であることは、本発
明の好ましい実施形態である。
【0016】ノボラック構造においての芳香環を結合す
るアルキレン基の一部または全部がキシリレン基に置換
された構造とは、フェノールやクレゾール等のフェノー
ル化合物と、アルデヒドおよび/またはケトン化合物お
よび/またはキシリレングリコール、キシリレンジハラ
イド、キシリレンジアルキルエーテルあるいはキシリレ
ンジアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種とを
縮重合させることにより形成され、必須構成単位である
フェノール化合物がキシリレン基および/またはメチレ
ン結合等のアルキレン結合によって連結した構造であ
る。
【0017】アルコール性ヒドロキシル基は、芳香環に
間接的に結合していれば(直接結合するとフェノール性
となる)よい。芳香環とアルコール性ヒドロキシル基と
の間の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル
基、エステル結合、芳香環等が単独でまたは組み合わさ
れて結合した有機基が挙げられる。
【0018】このアルコール性ヒドロキシル基の存在に
よって、被塗物に対する密着性が向上する。さらに、樹
脂分子の間にヒドロキシル基による水素結合が形成され
るため分子間力が増大し、硬化物の強度や耐熱性等の特
性が良好となる作用を発揮する。
【0019】本発明の多価フェノール化合物の構成単位
である芳香環は、ノボラック型フェノール樹脂の原料フ
ェノール化合物として知られているフェノール化合物が
有している他の置換基を有していてもよい。
【0020】本発明の、ノボラック構造においての芳香
環を結合するアルキレン基の一部または全部がキシリレ
ン基に置換された構造を有し、かつアルコール性ヒドロ
キシル基を有する多価フェノール化合物の合成を行うの
に際し、アルコール性ヒドロキシル基を導入するため
に、原料フェノール化合物の一部または全部として、ア
ルコール性ヒドロキシル基を有するフェノール化合物を
用いる。アルコール性ヒドロキシル基を有するフェノー
ル化合物としては、フェノール化合物にアルコール性ヒ
ドロキシル基が間接的に結合したものであり、縮重合後
にアルコール性ヒドロキシル基として存在しているもの
が利用可能である。従って、芳香環とアルコール性ヒド
ロキシル基との間の有機基は、炭素数2以上のものであ
ることが好ましい。縮重合反応に利用されてしまうメチ
ロール基は、アルコール性ヒドロキシル基としては好ま
しくない。芳香環とアルコール性ヒドロキシル基との間
の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、エ
ステル結合、芳香環等が単独でまたは組み合わされて結
合した有機基が挙げられる。
【0021】アルコール性ヒドロキシル基を有する置換
基を持つフェノール化合物の具体例としては、p−ヒド
ロキシフェニル−2−エタノール、p−ヒドロキシフェ
ニル−3−プロパノール、p−ヒドロキシフェニル−4
−ブタノール、ヒドロキシエチルクレゾール等のヒドロ
キシアルキルフェノールまたはヒドロキシアルキルクレ
ゾール;ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル安息
香酸、ヒドロキシフェノキシ安息香酸等のカルボキシル
基含有フェノール化合物と、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセロール等とのエステル化物;
ビスフェノールのモノエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノールのモノプロピレンオキサイド付加物;等が挙
げられ、これらのうちの1種または2種以上を使用する
ことができる。
【0022】上記アルコール性ヒドロキシル基を有する
置換基を持つフェノール化合物と共に、原料フェノール
化合物の一部として、他の公知のフェノール化合物を使
用してもよい。このようなフェノール化合物としては、
フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノ
ール、ブチルフェノール、トリメチルフェノール等のア
ルキルフェノール;ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフ
ェニル安息香酸、あるいはヒドロキシフェノキシ安息香
酸等のカルボキシル基を含む置換基を有するフェノー
ル;メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフ
ェノール等のアルコキシフェノール;ビニルフェノー
ル、アリルフェノール等のアルケニルフェノール;フェ
ニルフェノール等のアリールフェノール;ベンジルフェ
ノール等のアラルキルフェノール;メトキシカルボニル
フェノール等のアルコキシカルボニルフェノール;ベン
ゾイルオキシフェノール等のアリールカルボニルフェノ
ール;クロロフェノール等のハロゲン化フェノール;カ
テコールやレゾルシノール等のポリヒドロキシベンゼ
ン;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ジフェノー
ル酸等のビスフェノール;等が挙げられる。ナフトール
化合物としては、α−あるいはβ−ナフトールが挙げら
れる。また、これらのメチロール化物、例えば、ビスヒ
ドロキシメチル−p−クレゾール等を用いることもでき
る。さらに、m−キシレンのようなフェノール以外の化
合物を一部縮重合に用いてもよい。
【0023】芳香環を結合するアルキレン基の一部また
は全部がキシリレン基に置換された構造を導入するに
は、フェノール化合物の縮重合相手であるアルデヒドお
よび/またはケトン化合物の一部または全部に変えて、
キシリレングリコール、キシリレンジハライド、キシリ
レンジアルキルエーテルあるいはキシリレンジアルキル
エステルから選ばれる少なくとも1種を用いる。
【0024】これらの化合物の具体例としては、α,
α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒド
ロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−o−
キシレン等のキシリレングリコール類;α,α’−ジク
ロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレ
ン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジ
ブロモ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシ
レン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−
ジフルオロ−p−キシレン、α,α’−ジフルオロ−m
−キシレン、α,α’−ジフルオロ−o−キシレン、
α,α’−ジヨード−p−キシレン、α,α’−ジヨー
ド−m−キシレン、α,α’−ジヨード−o−キシレン
等のキシリレンジハライド類;α,α’−ジメトキシ−
p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、
α,α’−ジメトキシ−o−キシレン、α,α’−ジエ
トキシ−p−キシレン、α,α’−ジエトキシ−m−キ
シレン、α,α’−ジエトキシ−o−キシレン、α,
α’−ジ−n−プロポキシ−p−キシレン、α,α’−
ジ−n−プロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n
−プロポキシ−o−キシレン、α,α’−ジイソプロポ
キシ−p−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−m
−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−o−キシレ
ン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p−キシレン、α,
α’−ジ−n−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ
−n−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−sec
−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブ
トキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキ
シ−o−キシレン等のキシリレンジアルキルエーテル
類;前記したキシリレングリコール類と酢酸、プロピオ
ン酸、ブタン酸等の脂肪族カルボン酸や安息香酸等の芳
香族カルボン酸等とのエステル化物であるキシリレンジ
アルキルエステル類が挙げられ、中でもα,α’−ジヒ
ドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m
−キシレン、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,
α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ
−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレ
ン、α,α’−ジアセトキシ−p−キシレン、α,α’
−ジアセトキシ−m−キシレン等が好ましく、これらの
うち1種または2種以上を用いることができる。
【0025】ここで、フェノール化合物の縮重合相手と
して上記キシリレン基を有する化合物と共に、アルデヒ
ドおよび/またはケトン化合物を用いてもよい。このよ
うなアルデヒドおよび/またはケトン化合物としては、
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、
ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、メト
キシベンズアルデヒド、ヒドロキシフェニルアセトアル
デヒド、メトキシフェニルアセトアルデヒド、クロトン
アルデヒド、クロロアセトアルデヒド、クロロフェニル
アセトアルデヒド、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ
プロピオンアルデヒド、グリセルアルデヒド、グリオキ
シル酸、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸フェニ
ル、グリオキシル酸ヒドロキシフェニル、ホルミル酢
酸、ホルミル酢酸メチル、2−ホルミルプロピオン酸、
2−ホルミルプロピオン酸メチル、ピルビン酸、レプリ
ン酸、4−アセチルブチル酸、アセトンジカルボン酸、
3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用い
ることができる。なお、ホルムアルデヒドはその前駆体
であるp−ホルムアルデヒド、トリオキサン等の形態で
用いてもよい。
【0026】縮重合反応は、塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸、
p−トルエンスルホン酸、シュウ酸等の公知の酸性触媒
を使用して、ノボラック型フェノール樹脂を合成すると
きの公知の条件で行う。原料のフェノール化合物1モル
に対し、キシリレン基を有する化合物、あるいはアルデ
ヒドおよび/またはケトン化合物を併用する場合はその
合計で0.05〜1モル使用することが好ましい。
【0027】本発明の多価フェノール化合物は、以上説
明したとおり、アルコール性ヒドロキシル基を有する多
価フェノール化合物であり、この多価フェノール化合物
にアルカリ溶解性を付与すれば、画像形成等の用途に適
した弱アルカリで現像可能なポジ型の感光性樹脂を得る
ことができる。弱アルカリでの現像を可能ならしめるに
は、多価フェノール化合物中の、アルコール性ヒドロキ
シル基に多塩基酸無水物を反応させてカルボキシル基を
導入する方法が採用できる。
【0028】アルコール性ヒドロキシル基に反応させる
ための多塩基酸無水物としては、無水フタル酸、無水コ
ハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無
水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無
水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水
フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、テトラブロモ無水フタル酸、トリメリット酸等の
二塩基酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニル
エーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカル
ボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無
水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−1
0−フォスファフェナントレン−10−オキシドと無水
イタコン酸あるいは無水マレイン酸との反応物等の脂肪
族あるいは芳香族四塩基酸二無水物等が挙げられ、これ
らのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0029】本発明のカルボキシル基を有する多価フェ
ノール化合物を、弱アルカリ水溶液で現像可能なポジ型
感光性樹脂として用いる場合、上記アルコール性ヒドロ
キシル基と多塩基酸無水物は、アルコール性ヒドロキシ
ル基1化学当量に対し、多塩基酸無水物を0.1〜1.
1モル反応させることが好ましい。弱アルカリ水溶液で
の現像性を良好に発現させるためには、得られるカルボ
キシル基含有多価フェノール化合物中のカルボキシル基
量が、多価フェノール化合物1gあたり0.5×10
-3モル以上になるようにすることが好ましい。より好
ましくは1.0×10-3モル以上である。なお、カル
ボキシル基が多くなり過ぎると、解像度が低下すること
があるので、カルボキシル基量の上限は、5×10-3
モルが好ましい。より好ましい上限は、3×10-3
ルである。
【0030】カルボキシル基量を上記の範囲にするため
に、原料となるフェノール化合物、キシリレン基を有す
る化合物および/またはアルデヒド化合物および/また
はケトン化合物の種類や量を適宜選択することによっ
て、調整しておくことが好ましい。
【0031】上記カルボキシル基導入反応は、後述の溶
媒やラジカル重合性モノマーといった希釈剤の存在下ま
たは非存在下で、必要によりハイドロキノンや酸素等の
重合禁止剤の存在下、通常50〜130℃で行う。この
とき必要に応じて、反応触媒として三級アミン、4級ア
ンモニウム塩、イミダゾール化合物、リン化合物、金属
の有機酸または無機塩あるいはキレート化合物等を使用
することができる。
【0032】以上によって、カルボキシル基を持たな
い、または、カルボキシル基を有する多価フェノール化
合物が得られるが、必要に応じて任意の工程で、鎖延長
剤を用いて高分子量化を行ってもよい。鎖延長剤として
は、ヒドロキシル基に対してはイソシアネート化合物や
四塩基酸二無水物等、カルボキシル基に対してはエポキ
シ化合物やオキサゾリン化合物等が利用できる。
【0033】本発明の多価フェノール化合物は、1,2
−キノンジアジド化合物と組み合わせることによって、
アルカリ水溶液で現像可能なポジ型感光性樹脂組成物と
することができる。
【0034】1,2−キノンジアジド化合物としては、
1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸、1,
2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸、1,2−
ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸等のエステルが
用いられる。エステル化の相手としては、2,3,4−
トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テ
トラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4−テ
トラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,
4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,
3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノ
ン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類が好ましい。エ
ステル化反応は、これらのポリヒドロキシベンゾフェノ
ンと、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホニル
クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スル
ホニルクロライド、1,2−ベンゾキノンジアジド−4
−スルホニルクロライド等とを、トリエチルアミン等の
塩基性触媒下、0〜60℃で反応させることにより行わ
れる。生成物は、塩析後、水洗・乾燥して得ることがで
きる。
【0035】1,2−キノンジアジド化合物は、1種ま
たは2種以上混合して使用することができる。使用量
は、感光性樹脂100重量部に対し、5〜100重量部
が適切である。10〜80重量部がより好ましい範囲で
ある。
【0036】ポジ型感光性樹脂組成物中には、上述した
本発明の多価フェノール化合物とともに、公知のフェノ
ール樹脂を一部配合してもよい。このようなフェノール
樹脂としては、アルコール性ヒドロキシル基もカルボキ
シル基も有さないフェノールアラルキル樹脂、キシリレ
ン基を有さないノボラック型フェノール樹脂、レゾール
型フェノール樹脂、ビスフェノール樹脂、ビフェノール
樹脂、フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロ
ペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によ
り得られるポリフェノール化合物、トリアジンフェノー
ルノボラック樹脂等が挙げられる。
【0037】感光性樹脂組成物を基材に塗布する際の作
業性等の観点から、組成物中に溶媒を配合してもよい。
溶媒としてはトルエン、キシレン等の炭化水素類;セロ
ソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビト
ール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;セロソ
ルブアセテート、カルビトールアセテート、(ジ)プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエ
ステル類;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類;(ジ)エチレングリコールジメチルエ
ーテル等のエーテル類等が挙げられる。これらの溶媒は
1種または2種以上を混合して用いることができ、塗布
作業時に最適粘度となるよう適当量使用する。
【0038】さらに必要に応じて、増感剤、界面活性
剤、染料や顔料、架橋剤、接着助剤等の当該分野におけ
る公知の添加剤を添加してもよい。
【0039】本発明の感光性樹脂組成物を塗膜化した
後、光照射を行うと、光が照射されていない部分は、
1,2−キノンジアジド化合物が多価フェノール化合物
と相互作用を起こして溶解禁止剤として働いているので
アルカリに溶けないが、光が照射された部分では、1,
2−キノンジアジド化合物が光分解して溶解禁止効果を
失う。従って、露光部分がアルカリ可溶となる。本発明
の感光性樹脂でカルボキシル基を有するものは、弱アル
カリや希薄なアルカリ水溶液で速やかに現像することが
できる。
【0040】使用可能なアルカリの具体例としては、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等の弱アルカ
リ無機化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属化合物;水酸化カルシウム等のアルカリ土
類金属化合物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロ
ピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ポリエチレンイミン等の弱アルカリ有機化合物;テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエ
チルアンモニウムハイドロオキサイド;等が挙げられ、
これらの1種または2種以上を水溶液として使用するこ
とができる。
【0041】本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、画像
形成や、繊細な回路形成用の感光性樹脂組成物として有
用である。また、本発明の多価フェノール化合物は、成
形材料や塗料等の分野で従来公知のノボラック型フェノ
ール樹脂に代えて使用することができる。
【0042】例えば、本発明の多価フェノール化合物と
無機充填剤および硬化剤を含有する成形材料用樹脂組成
物や、本発明の多価フェノール化合物とエポキシ樹脂、
無機充填剤および硬化剤を含有する封止材用樹脂組成物
として使用でき、耐熱性、可撓性、難燃性を兼ね備えた
硬化物を得ることができる。また、本発明の多価フェノ
ール化合物とエポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤(光
酸発生剤)からなる感光性樹脂組成物として使用でき、
耐溶剤性、耐熱性、可撓性等に優れた硬化塗膜を得るこ
とができ、プリント配線板上の永久レジスト等に利用で
きる。このとき組み合わせて使用できるエポキシ樹脂と
しては、特に限定されず、1分子中に2個以上のエポキ
シ基を有するエポキシ樹脂であればいずれも用いること
ができ、ビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型
エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;テトラグリシジル
アミノジフェニルメタン等の多官能性グリシジルアミン
樹脂;テトラフェニルグリシジルエーテルエタン等の多
官能性グリシジルエーテル樹脂;フェノールノボラック
型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール等の
フェノール類やナフトール類とフェノール性水酸基を有
する芳香族アルデヒドとの縮合反応により得られる多価
フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応物;フ
ェノール類とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン
等のジオレフィン化合物との付加反応により得られる多
価フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応物;4−
ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を
過酸でエポキシ化したもの;トリグリシジルイソシアヌ
レート等の複素環を有するエポキシ樹脂;フェノールア
ラルキル型エポキシ樹脂;後述する本発明のエポキシ化
合物;等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使
用することができる。
【0043】ところで、本発明の多価フェノール化合物
が有しているフェノール性ヒドロキシル基を利用してエ
ポキシ基やラジカル重合性二重結合を導入することがで
きる。次に、これらの樹脂について説明する。
【0044】本発明のエポキシ化合物は、ノボラック構
造においての芳香環を結合するアルキレン基の一部また
は全部がキシリレン基に置換された構造を有するエポキ
シ化合物であって、少なくとも一つの芳香環が、アルコ
ール性ヒドロキシル基を有する置換基と、エポキシ基を
有する置換基とを、芳香環上の異なる炭素原子に結合し
て有する必要がある。このようなエポキシ化合物は、前
記のフェノール化合物中のフェノール性ヒドロキシル基
にグリシジル化剤を反応させることによって得られる。
【0045】このように本発明のエポキシ化合物は、ア
ルコール性ヒドロキシル基を有するので、通常のノボラ
ック型エポキシ樹脂に比べてアルコール性ヒドロキシル
基の存在によって、被塗物に対する密着性が向上する。
さらに、分子間にヒドロキシル基による水素結合が形成
されるため分子間力が増大し、硬化物の強度や耐熱性等
の特性が良好となる作用を発揮する。また、芳香環を結
合するアルキレン基の一部または全部がキシリレン基に
置換された構造を有するので、被塗物との密着に関わる
アルコール性ヒドロキシル基が離間した位置にあるた
め、可撓性に優れた塗膜を得ることができる。
【0046】本発明のエポキシ化合物は本発明の多価フ
ェノール化合物を変性することで得られる。変性前の多
価フェノール化合物の持つフェノール性ヒドロキシル基
をエピハロヒドリンとの反応によりグリシジル化するこ
とで、本発明のエポキシ化合物が有するもう一つの必須
置換基であるエポキシ基が導入される。本発明の目的を
阻害しない範囲であれば、一部フェノール化合物のまま
で存在する芳香環があってもよい。
【0047】本発明のエポキシ化合物を得る方法として
は特に限定されないが、代表的な手法としては、本発明
の多価フェノール化合物を合成し、次いでフェノール化
合物中のフェノール性ヒドロキシル基に対して、エピハ
ロヒドリンを反応させてグリシジル化し、エポキシ基を
導入する方法がある。以下、この方法について説明す
る。
【0048】上記で得た本発明の多価フェノール化合物
中のフェノール性ヒドロキシル基に対し、エポキシ基を
導入して、アルコール性ヒドロキシル基を有するエポキ
シ化合物を得るための変性反応、すなわちエピハロヒド
リンを反応させてグリシジル化する。
【0049】この変性反応は、通常のノボラック型フェ
ノール樹脂中のフェノール性ヒドロキシル基をグリシジ
ル化してノボラック型エポキシ樹脂を得るのと同様の公
知の方法を採用することができる。具体的には、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下、
該フェノール化合物をエピクロルヒドリン、エピブロム
ヒドリン等のグリシジル化剤と反応させた後、水洗、乾
燥工程等を経て得ることができる。
【0050】該グリシジル化反応は、通常10〜80℃
の温度で前記フェノール化合物とグリシジル化剤との混
合物中に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ水溶液を連続的に添加することにより行う。このと
きグリシジル化剤の使用量はフェノール性ヒドロキシル
基1化学当量に対して2〜20モル、好ましくは3〜7
モルが適している。
【0051】このアルコール性ヒドロキシル基を有する
エポキシ化合物を得るためには、アルコール性ヒドロキ
シル基はグリシジル化させずに残して、フェノール性ヒ
ドロキシルのみ基をグリシジル化してエポキシ基を導入
する必要があるが、フェノール性ヒドロキシル基とアル
コール性ヒドロキシル基とは反応性が異なっているので
上記の変性反応を行うことにより、フェノール性ヒドロ
キシル基を優先的にグリシジル化することができる。
【0052】この変性反応によりアルコール性ヒドロキ
シル基を有するエポキシ化合物が得られる。
【0053】本発明のエポキシ化合物は、以上説明した
とおり、アルコール性ヒドロキシル基を有するエポキシ
化合物であり、このエポキシ化合物にアルカリ溶解性を
付与すれば、画像形成等の用途に適したアルカリ現像型
の光硬化性樹脂を得ることができる。アルカリ現像性を
付与するには、エポキシ化合物中の、アルコール性ヒド
ロキシル基を有するフェノール化合物由来のアルコール
性ヒドロキシル基に多塩基酸無水物を反応させてカルボ
キシル基を導入する方法が採用できる。
【0054】アルコール性ヒドロキシル基に反応させる
ための多塩基酸無水物としては、前記した多価フェノー
ル化合物に対して使用できるもの1種または2種以上を
用いることができる。
【0055】上記アルコール性ヒドロキシル基と多塩基
酸無水物は、アルコール性ヒドロキシル基1化学当量に
対し、多塩基酸無水物を0.1〜1.1モル反応させる
ことが好ましい。良好なアルカリ現像性を発現させるた
めには、最終的に得られるカルボキシル基含有エポキシ
化合物の酸価が30mgKOH/g以上になるようにす
ることが好ましく、この点から、カルボキシル基導入反
応前のエポキシ化合物中のアルコール性ヒドロキシル基
の量を、原料フェノールの組み合わせを適宜選択するこ
とによって、調整しておくことが好ましい。
【0056】上記カルボキシル基導入反応は、後述の溶
媒やラジカル重合性モノマーといった希釈剤の存在下ま
たは非存在下で、必要によりハイドロキノンや酸素等の
重合禁止剤の存在下、通常50〜130℃で行う。この
とき必要に応じて、反応触媒として三級アミン、4級ア
ンモニウム塩、イミダゾール化合物、リン化合物、金属
の有機酸または無機塩あるいはキレート化合物等を使用
することができるが、反応後には貯蔵安定性向上の点か
ら、過酸化物や酸素等の酸化剤により触媒活性を失活さ
せておくことが好ましい。
【0057】以上によって、カルボキシル基を持たな
い、または、カルボキシル基を有するエポキシ化合物が
得られるが、必要に応じて任意の工程で、鎖延長剤を用
いて高分子量化を行ってもよい。鎖延長剤としては、エ
ポキシ基に対しては多塩基酸等、ヒドロキシル基に対し
てはイソシアネート化合物や四塩基酸二無水物等、カル
ボキシル基に対してはエポキシ化合物やオキサゾリン化
合物等が利用できる。
【0058】本発明のエポキシ化合物は、硬化時に開環
して架橋点となるエポキシ基がキシリレン基により隔て
られており、またフェノール化合物由来のアルコール性
ヒドロキシル基あるいはこのヒドロキシル基部分に導入
されたカルボキシル基とが、芳香環によって隔てられて
いることから複合材料のマトリックス樹脂、接着剤、塗
料、インキとして用いた場合に、充填材・強化材や被塗
物に対する密着性向上のために、これらの官能基を有効
に活用することができる。また、可撓性に優れた硬化物
を得ることができる。さらに、カルボキシル基含有エポ
キシ化合物では、カルボキシル基の位置もエポキシ化合
物の主鎖部分といった高疎水性領域から離間した位置に
あるため、アルカリ現像性も向上する。
【0059】本発明のエポキシ化合物は、硬化剤を必須
成分として、硬化性樹脂組成物として用いることができ
る。本発明には、これまで述べてきたエポキシ化合物と
熱または光により架橋反応を開始させるための硬化剤と
を含有する硬化性樹脂組成物も含まれる。
【0060】本発明の硬化性樹脂組成物に用いられる硬
化剤としては、室温あるいは高温条件下(光は必須とし
ない)で架橋反応を開始させるもの(熱硬化型)、ある
いは光照射により架橋反応を開始させるもの(光硬化
型)が挙げられ、それぞれ公知のものが使用できる。
【0061】熱硬化型としては、脂肪族や脂環族あるい
は芳香族アミン系、酸無水物系、ジシアンジアミド、イ
ミダゾール化合物やこれらの誘導体等を挙げることがで
きる。これらは1種または2種以上の混合物として使用
され、エポキシ化合物100重量部に対し、1〜150
重量部の使用が好ましく、用途、要求特性、硬化剤の分
子量や官能基当量、混合時の安定性等により適宜調整さ
れる。
【0062】また光硬化型としては、光酸発生剤、すな
わち光により分解してルイス酸やブレンステッド酸が発
生するものが挙げられる。この発生した酸が架橋反応を
開始させる。このような光酸発生剤としては、芳香族ジ
アゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニ
ウム塩等のオニウム化合物や、例えば、特開昭58−2
10904号に開示されているような鉄−アレーン化合
物等が挙げられる。
【0063】光酸発生剤の具体的な化合物名としては、
ビス−[4−(ジフェニルフェニルスルホニオ)フェニ
ル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ト
リフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジメ
チルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェー
ト、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、
(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)
[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチ
ル)ベンゼン]アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォ
スフェイト(1−)等が挙げられる。
【0064】また、光酸発生剤として使用できる化合物
の具体的な商品名は、「UVE−1014」、「UVE
−1016」(以上、GE社製)、「Cyracure
UVI−6970」、「Cyracure UVI−
6990」(以上、ユニオン・カーバイド社製)、「オ
プトマーSP150」、「オプトマーSP170」(以
上、旭電化社製)、「イルガキュアー261」(チバガ
イギー社製)等が挙げられる。これらの光酸発生剤は1
種または2種以上の混合物として使用され、エポキシ化
合物100重量部に対し、0.5〜30重量部含まれて
いることが好ましい。光酸発生剤の量が0.5重量部よ
り少ない場合には塗膜の硬化が不充分となり、30重量
部を越えると、塗膜の耐水性等の物性が低下するため好
ましくない。
【0065】本発明の硬化性樹脂組成物を基材に塗布す
る際の作業性等の観点から、組成物中に溶媒を配合して
もよく、溶媒としては、前記した多価フェノール化合物
において使用できるもの1種または2種以上を用いるこ
とができる。
【0066】本発明の硬化性樹脂組成物中には、ラジカ
ル重合性化合物を配合してもよい。例えば、ラジカル重
合性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル、エポキ
シアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステル
アクリレート等が使用でき、ラジカル重合性モノマーと
しては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロス
チレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリル
フタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族
ビニルモノマー;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビ
ニルエステルモノマー;メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレ
ート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)−メ
チル(メタ)アクリレート、(ジ)エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
トのトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系
モノマー;トリアリルシアヌレート等が使用可能であ
る。これらのラジカル重合性化合物は、用途に応じ適宜
1種または2種以上選択することができる。
【0067】さらに必要に応じて、光(または熱)ラジ
カル重合開始剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、充填材、
増粘剤、顔料、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤
等の公知の添加剤や、ノボラック型エポキシ樹脂、ビス
フェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリ
グリシジルイソシアヌレート等の公知のエポキシ樹脂、
公知のフェノール樹脂や前述の本発明の多価フェノール
化合物、あるいはオキセタン化合物やビニルエーテル化
合物を添加してもよい。さらに、各種強化繊維を補強用
繊維として用い、繊維強化複合材料とすることができ
る。
【0068】本発明の硬化性樹脂組成物を光照射により
硬化させる際には、光照射後に、熱処理(ポストベー
ク)を行うことにより硬化反応が促進されて、さらに高
硬度化することができる。
【0069】本発明のエポキシ化合物のうち、カルボキ
シル基が導入されていないエポキシ化合物を画像形成用
等の光硬化性樹脂組成物として使用する場合には、基材
に塗布し、露光して硬化塗膜を得た後、未露光部分を、
前記した溶媒やトリクロロエチレン等のハロゲン系溶媒
等を用いて溶剤現像することができる。
【0070】また、カルボキシル基が導入されたエポキ
シ化合物を光硬化性樹脂として使用する場合は、未露光
部分がアルカリ水溶液に溶解するので、アルカリ現像を
行うことができる。使用可能なアルカリとしては、前述
した本発明のポジ型感光性樹脂組成物で使用できるもの
がここでも使用可能である。
【0071】本発明のエポキシ化合物は、硬化物を得る
ために使用することが好ましく成形材料、接着剤、塗
料、インク等に利用可能である。また、耐熱性、耐湿
性、可撓性等が高度に要求される電気用プリント配線基
板や絶縁板といった複合材料のマトリックス樹脂として
も好適に使用できる。さらに、本発明のエポキシ化合物
は、光重合開始剤と希釈剤等を配合して、画像形成や微
細加工を行うための液状感光性樹脂組成物として、印刷
版や各種レジスト材料として利用可能である。
【0072】また、本発明のエポキシ化合物が有してい
るアルコール性ヒドロキシル基を、ルイス酸やジメチル
スルホキシド等と苛性ソーダ等のアルカリ金属水酸化物
との共存下、エピクロルヒドリンと反応させることによ
りエポキシ化することができる。このようにして得られ
るエポキシ化合物も、従来公知のエポキシ樹脂と同様に
硬化させて使用することができる。
【0073】次に、本発明のラジカル重合性化合物は、
ノボラック構造においての芳香環を結合するアルキレン
基の一部または全部がキシリレン基に置換された構造を
有し、前記芳香環の一部または全部がアルコール性ヒド
ロキシル基を有する置換基とラジカル重合性不飽和二重
結合を有する置換基とを、各々芳香環上の異なる炭素原
子に結合して有しているものであり、該化合物を得る手
法としては、本発明の多価フェノール化合物中のフェノ
ール性ヒドロキシル基と、フェノール性ヒドロキシル基
と反応し得る官能基とラジカル重合性不飽和二重結合を
有する化合物とを反応させる方法、あるいは本発明のエ
ポキシ化合物とラジカル重合性不飽和一塩基酸とを反応
させる方法が挙げられる。
【0074】本発明のラジカル重合性化合物は、その骨
格中に、不飽和二重結合から離れた部位にアルコール性
ヒドロキシル基を導入したことにより、ラジカル重合
性、ヒドロキシル基の付与効果共に十分に引き出すこと
ができ、また、芳香環を結合するアルキレン基の一部ま
たは全部がキシリレン基に置換された構造を有するの
で、硬化物の耐熱性、耐湿性、可撓性向上を可能ならし
め、さらに該化合物を画像形成用の感光性樹脂組成物と
して用いた場合には、塗膜の速やかな現像性、および硬
化塗膜特性の向上が達成できたわけである。
【0075】本発明のラジカル重合性化合物は本発明の
多価フェノール化合物を、以下の2つの手法で変性する
ことで得られる。
【0076】第一の手法は、本発明の多価フェノール化
合物中のフェノール性ヒドロキシル基と、フェノール性
ヒドロキシル基と反応し得る官能基とラジカル重合性不
飽和二重結合を有する化合物とを反応させる方法であ
り、第二の手法は本発明のエポキシ化合物とラジカル重
合性不飽和一塩基酸とを反応させる方法である。
【0077】まず、第一の方法について説明する。これ
は、本発明の多価フェノール化合物の持つフェノール性
ヒドロキシル基とフェノール性ヒドロキシル基と反応し
得る官能基とラジカル重合性不飽和二重結合を有する化
合物とを反応させることで、本発明のラジカル重合性化
合物を得るものである。この反応により本発明の樹脂が
有する必須置換基であるラジカル重合性不飽和二重結合
が導入される。本発明の目的を阻害しない範囲であれ
ば、一部フェノール性ヒドロキシル基のままで結合した
芳香環があってもよい。
【0078】フェノール性ヒドロキシル基と反応し得る
官能基とラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物
のフェノール性ヒドロキシル基と反応し得る官能基とし
ては、例えばエポキシ基、チオエポキシ基、アジリジン
基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシアルキルアミド
基、アミノ基、カルボン酸ハライド等が挙げられ、これ
らの2種以上を有していてもよい。
【0079】このような官能基を有する化合物の具体例
としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグ
リシジルエーテル、2,3−エピチオプロピル(メタ)
アクリレート、N−(メタ)アクリロイルアジリジン、
2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリレー
ト、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、N−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アリルアミン、
(メタ)アクリル酸クロライド等の重合性単量体;前記
のラジカル重合性不飽和二重結合以外の官能基の1種ま
たは2種以上を2個以上持つ化合物と、これらの官能基
と反応し得る基とラジカル重合性不飽和二重結合を合わ
せて有する化合物との反応により得られる化合物;上記
の重合性単量体とこれと共重合可能な重合性単量体との
共重合体と不飽和一塩基酸との反応により得られる化合
物;上記の重合性単量体と無水マレイン酸、場合によっ
てはこれらと共重合可能な重合性単量体との共重合体の
無水マレイン酸部にヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート等のアルコール性のヒドロキシル基を持つ(メタ)
アクリレートを反応させハーフエステル化した化合物等
が挙げられる。
【0080】本発明では、本発明の多価フェノール化合
物と、フェノール性ヒドロキシル基と反応し得る官能基
とラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物との反
応を、後述の希釈剤の存在下あるいは非存在下で、ハイ
ドロキノンや酸素等の重合禁止剤、およびトリエチルア
ミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウム
クロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−
メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェ
ニルフォスフィン等のリン化合物等の反応触媒の共存
下、通常80〜130℃で行うことによりラジカル重合
性化合物が得られる。
【0081】このとき、フェノール性ヒドロキシル基と
反応し得る官能基とラジカル重合性不飽和二重結合を有
する化合物中の、フェノール性ヒドロキシル基と反応し
得る官能基は、本発明の多価フェノール化合物中のフェ
ノール性ヒドロキシル基1化学当量に対して0.5〜
1.2モル、好ましくは0.8〜1.1モルが適してい
る。この割合よりも少ない場合は、ラジカル重合する不
飽和二重結合量が少ないことによる架橋密度不足と、残
存するフェノール性ヒドロキシル基による硬化阻害、こ
の2点により十分な硬化度が得られない。またこの割合
よりも多い場合は、未反応で残存する化合物が多くな
り、やはり十分な硬化物物性が得られない。次に、第二
の方法について説明する。これは、本発明のエポキシ化
合物の持つエポキシ基と不飽和一塩基酸とを反応して得
られるものである。この反応により本発明の樹脂が有す
る必須置換基であるラジカル重合性不飽和二重結合が導
入される。本発明の目的を阻害しない範囲であれば、一
部エポキシ基のままで結合した芳香環があってもよい。
【0082】不飽和一塩基酸とは、1個のカルボキシル
基と1個以上の重合性不飽和結合を有する一塩基酸であ
る。具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、ケイヒ酸、β−アクリロキシプロピオン酸、1
個のヒドロキシル基と1個の(メタ)アクリロイル基を
有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと二塩
基酸無水物との反応物、1個のヒドロキシル基と2個以
上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)ア
クリレートと二塩基酸無水物との反応物等が挙げられ、
好ましい具体例は、アクリル酸、メタクリル酸等の(メ
タ)アクリロイル基を有するものである。これらは、1
種または2種以上を用いることができる。
【0083】本発明のエポキシ化合物と不飽和一塩基酸
との反応においては、不飽和一塩基酸の使用量は、エポ
キシ化合物中のエポキシ基1化学当量に対し、0.8〜
1.1モルが適しており、後述のラジカル重合性モノマ
ーや溶媒といった希釈剤の存在下あるいは非存在下で、
ハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤、およびトリエチ
ルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニ
ウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−
4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリ
フェニルフォスフィン等のリン化合物、金属の有機酸ま
たは無機塩あるいはキレート化合物等の反応触媒の共存
下、通常80〜130℃で行うことにより、本発明のラ
ジカル重合性化合物を得ることができる。
【0084】また、本発明におけるエポキシ化合物と不
飽和一塩基酸との反応の際に、不飽和一塩基酸と併用し
て長鎖アルキル基、芳香環を含む置換基、アルコール性
ヒドロキシル基等を有するフェノール化合物や、酢酸、
プロピオン酸、ジメチロールプロピオン酸等のラジカル
重合性を有さない一塩基酸を、1種または2種以上用い
てもよい。これらの種類や使用量は、硬化物物性等の各
要求特性に応じて適宜選択される。これらを不飽和一塩
基酸と併用してラジカル重合性化合物を得る場合、エポ
キシ化合物中のエポキシ基の1化学当量に対して不飽和
一塩基酸を0.4モル以上、好ましくは0.5以上が適
しており、不飽和一塩基酸とフェノール化合物やラジカ
ル重合性を有さない一塩基酸との合計としては、エポキ
シ基1化学当量に対して0.8〜1.1モルとするのが
好ましい。不飽和一塩基酸の量が少ないと、ラジカル重
合性が不充分となる。また、またこの合計量が1.1モ
ルを越えると、未反応で残存する不飽和一塩基酸等が増
大し、これらの低分子量化合物が硬化物の特性低下を引
き起こすため好ましくない。
【0085】以上により、本発明のラジカル重合性化合
物が得られる。このラジカル重合性化合物には、本発明
の多価フェノール化合物に由来するアルコール性ヒドロ
キシル基や、フェノール性ヒドロキシル基と反応し得る
官能基とラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物
との反応の際、フェノール性ヒドロキシル基と反応し得
る官能基としてエポキシ基を用いた場合や、不飽和一塩
基酸とエポキシ化合物中のエポキシ基とを反応させた場
合には、エポキシ基が開環して生成したアルコール性ヒ
ドロキシル基が存在している。本発明では、これらのヒ
ドロキシル基と、多塩基酸無水物を反応させることによ
りラジカル重合性化合物にカルボキシル基を導入するこ
とができる。得られるカルボキシル基含有ラジカル重合
性化合物はアルカリ現像が可能となるので、画像形成用
等のアルカリ現像型硬化性樹脂として利用することがで
きる。
【0086】アルコール性ヒドロキシル基に反応させる
ための多塩基酸無水物としては、前記した多価フェノー
ル化合物に対して使用できるもの1種または2種以上を
用いることができる。
【0087】これらの多塩基酸無水物とラジカル重合性
化合物との反応においては、多塩基酸無水物の使用量
は、ラジカル重合性化合物中のヒドロキシル基1化学当
量に対し、0.1〜1.1モルが適しており、希釈剤の
存在下または非存在下でハイドロキノンや酸素等の重合
禁止剤の存在下、通常50〜130℃で行う。このとき
必要に応じて、トリエチルアミン等の三級アミン、トリ
エチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモ
ニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイ
ミダゾール化合物、トリフェニルフォスフィン等のリン
化合物等を触媒として添加してもよい。
【0088】以上によりアルコール性ヒドロキシル基を
有するラジカル重合性化合物、あるいはさらにカルボキ
シル基をも有するアルカリ現像可能なラジカル重合性化
合物が得られる。
【0089】また、本発明においてはこれらのラジカル
重合性化合物と、該ラジカル重合性化合物が有する官能
基と反応性を有する基を分子内に2個以上有する化合物
(鎖延長剤)とを反応させることにより高分子量化され
たラジカル重合性化合物を得ることができる。このよう
な鎖延長剤としては、ヒドロキシル基に対してはイソシ
アネート化合物や四塩基酸二無水物を、カルボキシル基
に対してはエポキシ化合物やオキサゾリン化合物を例と
して挙げることができる。
【0090】さらに本発明においては、工程中任意の段
階で、イソシアネート基を含有する多官能(メタ)アク
リレートをヒドロキシル基に対して反応させることによ
り、より多くの不飽和二重結合を含有したラジカル重合
性化合物を得ることができる。
【0091】このようにして得られた本発明のラジカル
重合性化合物は、従来のノボラック型エポキシ樹脂から
得られる不飽和二重結合含有変性ノボラック樹脂(ビニ
ルエステル樹脂)と異なり、硬化時に架橋点となる重合
性不飽和結合から離れた部分にヒドロキシル基やカルボ
キシル基が存在するため、複合材料のマトリックス樹
脂、あるいは接着剤、塗料やインキに用いた場合に、強
化材、充填材、さらには基材との密着性向上にこれらの
基を有効に活用することができる。また、アルカリ現像
型パターン形成用の感光性樹脂として用いた場合には、
高疎水領域から離れた部分にカルボキシル基が存在する
ため、より高い現像性を得ることができる。
【0092】本発明においては、上記のラジカル重合性
化合物および後述の重合開始剤を必須成分として、必要
によりその他の成分としてラジカル重合性不飽和単量体
や広範囲のラジカル重合性不飽和オリゴマーを併用した
硬化性樹脂組成物として用いることができる。
【0093】ラジカル重合性不飽和オリゴマーやラジカ
ル重合性不飽和単量体としては、前記したエポキシ化合
物に対して使用できるもの1種または2種以上を用いる
ことができ、その用途、要求特性に応じて種々の性状の
ものを適宜選択して用いることができる。
【0094】本発明のラジカル重合性化合物を含む樹脂
組成物を実際に硬化させて使用する際には、(熱あるい
は光)重合開始剤が用いられる。
【0095】熱重合開始剤としては公知のものを使用で
き、具体的にはメチルエチルケトンパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサ
イド等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ系化合物が挙げられる。また、熱重合時には硬化
促進剤を混合して使用してもよく、硬化促進剤として
は、ナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルト等あるい
は3級アミンが代表例として挙げられる。熱重合開始剤
は、樹脂組成物100重量部に対し、0.05〜5重量
部の使用が好ましい。
【0096】また本発明で利用できる光重合開始剤とし
ては公知のものを使用でき、具体的にはベンゾイン、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等
のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−
ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等
のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−
アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノ
ン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;
2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロ
ピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチ
オキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベ
ンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノ
ン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチ
ル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス
(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の
ベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチ
オ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン
や2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モル
ホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオ
キサイド類およびキサントン類等が挙げられる。
【0097】これらの光重合開始剤は1種または2種以
上の混合物として使用され、樹脂組成物100重量部に
対し、0.5〜30重量部含まれていることが好まし
い。
【0098】本発明の樹脂組成物は、離型剤、滑剤、可
塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制
剤、充填剤、増粘剤、顔料、その他の公知の添加剤を用
途に応じて使用してもよい。さらに、各種強化繊維を補
強用繊維として用い、繊維強化複合材料とすることがで
きる。
【0099】本発明のラジカル重合性化合物を含む樹脂
組成物を画像形成等、基材に塗布し、光照射して硬化塗
膜を得るための液状感光性樹脂組成物として使用する際
には、前記のラジカル重合反応に参加できるラジカル重
合性不飽和単量体以外の溶媒を用いることができる。溶
媒としては、前記した多価フェノール化合物において使
用できるもの1種または2種以上を用いることができ
る。
【0100】これらの溶媒または前記ラジカル重合性不
飽和単量体は、1種または2種以上混合して使用するこ
とができ、塗布方法により最適粘度に合わせて配合する
ことが好ましい。
【0101】本発明のラジカル重合性化合物を用いて感
光性樹脂組成物を構成する際には、以上説明した(カル
ボキシル基含有)ラジカル重合性化合物、光重合開始
剤、および希釈剤に、さらに必要に応じて、タルク、ク
レー、硫酸バリウム等の充填材、着色用顔料、消泡剤、
カップリング剤、レベリング剤等や、ノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポ
キシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキ
シ樹脂およびジシアンジアミド、イミダゾール化合物等
のエポキシ硬化剤等を添加することもできる。
【0102】本発明のラジカル重合性化合物を用いた感
光性樹脂組成物は、アルカリ現像可能なものは光が照射
されていない部分がアルカリ水溶液に溶解するので、ア
ルカリ現像ができる。現像に使用可能なアルカリとして
は、前述した本発明のポジ型感光性樹脂組成物で使用で
きるものがここでも使用可能である。
【0103】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。なお、実施例中の部及
び%は重量基準である。 合成例1(1,2−キノンジアジド化合物の合成) 撹拌機、還流冷却管および温度計を取り付けた反応器
に、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン24.6部、1,2−ナフトキノンジアジド−5−ス
ルホニルクロライド53.7部およびアセトン800部
を仕込み、均一に溶解した。次いで、トリエチルアミン
21.2gを反応器に滴下し、25℃で3時間かけて反
応させた。反応混合物を1%の塩酸3000部中に投入
し、生じた沈殿を濾過し、水洗、乾燥して、1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホン酸と2,3.4.
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとのエステルを
得た。 合成例2(多価フェノール化合物A1−1の合成) 撹拌機、還流冷却管および温度計を取り付けた反応器
に、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン2070
部、p−ヒドロキシフェニル−2−エタノール4140
部およびp−トルエンスルホン酸52部、トルエン14
20部を仕込み、100℃で反応させた。反応終了後、
得られた反応物を冷却し、水洗してp−トルエンスルホ
ン酸を除去した後、減圧下で揮発成分を留去し、多価フ
ェノール化合物A1−1を得た。核磁気共鳴スペクトル
の分析から、アルコール性ヒドロキシル基、フェノール
性ヒドロキシル基、キシリレン基の存在を確認した。こ
の化合物4000部をプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート2154部に溶解し、フェノール化
合物A1−1を65%含むプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートとの混合物を得た。 合成例3(多価フェノール化合物A1−2の合成) 合成例2と同様の装置を用いて、p−ヒドロキシフェニ
ル−2−エタノール4140部をp−ヒドロキシフェニ
ル−2−エタノール2070部およびフェノール141
0部に変えたこと以外は合成例1と同様の処方により、
多価フェノール化合物A1−2を得た。核磁気共鳴スペ
クトルの分析から、アルコール性ヒドロキシル基、フェ
ノール性ヒドロキシル基、キシリレン基の存在を確認し
た。この化合物4000部をプロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート2154部に溶解し、フェノ
ール化合物A1−2を65%含むプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテートとの混合物を得た。 合成例4(カルボキシル基を有する多価フェノール化合
物A1−3の合成) 合成例2で得たフェノール化合物A1−1を65%含む
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと
の混合物200部に、テトラヒドロ無水フタル酸25.
2部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート13.6部を加え、90℃で反応させた。固
形分1gあたり1.07×10-3モルのカルボキシル基
を有する多価フェノール化合物A1−3を65%含むプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの
混合物を得た。 合成例5(カルボキシル基を有する多価フェノール化合
物A1−4の合成) 合成例3で得たフェノール化合物A1−2を65%含む
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと
の混合物200部に、テトラヒドロ無水フタル酸25.
2部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート13.6部を加え、90℃で反応させた。固
形分1gあたり1.07×10-3モルのカルボキシル基
を有する多価フェノール化合物A1−4を65%含むプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの
混合物を得た。 合成例6(エポキシ化合物A2−1の合成) 合成例2で得た多価フェノール化合物A1−1の900
部にエピクロルヒドリン1730部を加えて溶解し、反
応器内の圧力を150mmHgに調整して68℃に昇温
した。ここに48重量%水酸化ナトリウム水溶液313
部を連続滴下しながら3.5時間反応させた。この間、
反応により生成する水および水酸化ナトリウム水溶液の
水を、水−エピクロルヒドリン共沸混合物の還流により
分離し、反応系外へ連続的に除去した。反応終了後、常
圧に戻して110℃まで昇温し、水を留去した。次いで
過剰のエピクロルヒドリンを留去し、さらに15mmH
gの減圧下、140℃で蒸留を行った。得られた化合物
および塩化ナトリウムの混合物に、メチルイソブチルケ
トン1110部および10重量%水酸化ナトリウム水溶
液100部を加え、85℃で1.5時間反応させた。反
応終了後、メチルイソブチルケトン2220部および水
2000部を加え、塩化ナトリウム水溶液層を分液除去
した。得られたメチルイソブチルケトン溶液層の水洗を
繰り返した後、減圧下、140℃でメチルイソブチルケ
トンを留去し、本発明のエポキシ化合物A2−1を得
た。このエポキシ化合物のエポキシ当量は310であっ
た。この化合物200部をプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート107.7部に溶解し、エポキ
シ化合物A2−1を65%含むプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテートとの混合物を得た。 合成例7(エポキシ化合物A2−2の合成) 合成例3で得た多価フェノール化合物A1−2の818
部にエピクロルヒドリン1730部を加えて溶解し、反
応器内の圧力を150mmHgに調整して68℃に昇温
した。ここに48重量%水酸化ナトリウム水溶液313
部を連続滴下しながら3.5時間反応させた。この間、
反応により生成する水および水酸化ナトリウム水溶液の
水を、水−エピクロルヒドリン共沸混合物の還流により
分離し、反応系外へ連続的に除去した。反応終了後、常
圧に戻して110℃まで昇温し、水を留去した。次いで
過剰のエピクロルヒドリンを留去し、さらに15mmH
gの減圧下、140℃で蒸留を行った。得られた化合物
および塩化ナトリウムの混合物に、メチルイソブチルケ
トン1028部および10重量%水酸化ナトリウム水溶
液100部を加え、85℃で1.5時間反応させた。反
応終了後、メチルイソブチルケトン2056部および水
2000部を加え、塩化ナトリウム水溶液層を分液除去
した。得られたメチルイソブチルケトン溶液層の水洗を
繰り返した後、減圧下、140℃でメチルイソブチルケ
トンを留去し、本発明のエポキシ化合物A2−2を得
た。このエポキシ化合物のエポキシ当量は287であっ
た。この化合物200部をプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート107.7部に溶解し、エポキ
シ化合物A2−2を65%含むプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテートとの混合物を得た。 合成例8(カルボキシル基を有するエポキシ化合物A2
−3の合成) 合成例6で得たエポキシ化合物A2−1を65%含むプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの
混合物200部に、テトラヒドロ無水フタル酸25.2
部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート13.6部を加え、90℃で反応させた。酸価
61のカルボキシル基を有するエポキシ化合物A2−3
を65%含むプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテートとの混合物を得た。 合成例9(カルボキシル基を有するエポキシ化合物A2
−4の合成) 合成例7で得たエポキシ化合物A2−2を65%含むプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの
混合物200部に、テトラヒドロ無水フタル酸25.2
部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート13.6部を加え、90℃で反応させた。酸価
62のカルボキシル基を有するエポキシ化合物A2−4
を65%含むプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテートとの混合物を得た。 合成例10(ラジカル重合性化合物A3−1の合成) 合成例2で得たフェノール化合物A1−1を65%含む
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと
の混合物200部に、グリシジルメタクリレート76.
7部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート41.3部、トリエチルアミン2.1部、およびメ
チルハイドロキノン0.3部を加えて120℃で反応さ
せ、ラジカル重合性化合物A3−1を65%含むプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合
物を得た。 合成例11(ラジカル重合性化合物A3−2の合成) 合成例3で得たフェノール化合物A1−2を65%含む
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと
の混合物200部に、グリシジルメタクリレート84.
7部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート45.6部、トリエチルアミン2.1部、およびメ
チルハイドロキノン0.3部を加えて120℃で反応さ
せ、ラジカル重合性化合物A3−2を65%含むプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合
物を得た。 合成例12(カルボキシル基を有するラジカル重合性化
合物A3−3の合成) 合成例10で得たラジカル重合性化合物A3−1を65
%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートとの混合物100部に、テトラヒドロ無水フタル酸
11.3部、およびプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート6.1部を加え、100℃で反応させ
て酸価56のカルボキシル基を有するラジカル重合性化
合物A3−3を65%含むプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートとの混合物を得た。 合成例13(カルボキシル基を有するラジカル重合性化
合物A3−3の合成) 合成例11で得たラジカル重合性化合物A3−2を65
%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートとの混合物100部に、テトラヒドロ無水フタル酸
11.3部、およびプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート6.1部を加え、100℃で反応させ
て酸価57のカルボキシル基を有するラジカル重合性化
合物A3−4を65%含むプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートとの混合物を得た。 合成例14(ラジカル重合性化合物A3−5の合成) 合成例6で得たエポキシ化合物A2−1を65%含むプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの
混合物400部に、アクリル酸61.6部、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート33.2部、
トリフェニルフォスフィン1.6部、およびメチルハイ
ドロキノン0.3部を加え、115℃で反応させ、酸価
6のラジカル重合性化合物A3−5を65%含むプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合
物を得た。 合成例15(ラジカル重合性化合物A3−6の合成) 合成例7で得たエポキシ化合物A2−2を65%含むプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの
混合物400部に、アクリル酸66.5部、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート35.8部、
トリフェニルフォスフィン1.6部、およびメチルハイ
ドロキノン0.3部を加え、115℃で反応させ、酸価
6のラジカル重合性化合物A3−6を65%含むプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合
物を得た。 合成例16(カルボキシル基を有するラジカル重合性化
合物A3−7の合成) 合成例14で得たラジカル重合性化合物A3−5を65
%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートとの混合物100部に、テトラヒドロ無水フタル酸
11.3部、およびプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート6.1部を加え、100℃で反応させ
て酸価61のカルボキシル基を有するラジカル重合性化
合物A3−7を65%含むプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートとの混合物を得た。 合成例17(カルボキシル基を有するラジカル重合性化
合物A3−8の合成) 合成例15で得たラジカル重合性化合物A3−6を65
%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートとの混合物100部に、テトラヒドロ無水フタル酸
11.3部、およびプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート6.1部を加え、100℃で反応させ
て酸価62のカルボキシル基を有するラジカル重合性化
合物A3−8を65%含むプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートとの混合物を得た。 比較合成例1(比較用多価フェノール化合物B1−1の
合成) 合成例2と同様の装置を用いて、p−ヒドロキシフェニ
ル−2−エタノール4140部をフェノール2820部
に変えたこと以外は合成例1と同様の処方により、キシ
リレン基を有し、アルコール性ヒドロキシル基は導入さ
れていない多価フェノール化合物B1−1を得た。この
化合物2000部をプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート1077部に溶解し、比較用のフェノ
ール化合物B1−1を65%含むプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテートとの混合物を得た。 比較合成例2(比較用多価フェノール化合物B1−2の
合成) 合成例2と同様の装置を用いて、フェノール188部、
ホルマリン水溶液(ホルムアルデヒド含有率37%)1
29.7部、メチルイソブチルケトン163.4部、p
−トルエンスルホン酸1.9部を仕込み、撹拌下、90
℃で反応させた。反応後、反応物を冷却し、メチルイソ
ブチルケトン350部を投入した。この溶液を水洗して
p−トルエンスルホン酸を除去した後、減圧下で揮発分
を留去し、キシリレン基もアルコール性ヒドロキシル基
も有しない多価フェノール化合物B1−2を得た。この
化合物200部をプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート107.7部に溶解し、比較用の多価フ
ェノール化合物B1−2を65%含むプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテートとの混合物を得た。 比較合成例3(比較用エポキシ化合物B2−1の合成) 比較合成例1で得た多価フェノール化合物B1−1の7
35部にエピクロルヒドリン1730部を加えて溶解
し、反応器内の圧力を150mmHgに調整して68℃
に昇温した。ここに48重量%水酸化ナトリウム水溶液
313部を連続滴下しながら3.5時間反応させた。こ
の間、反応により生成する水および水酸化ナトリウム水
溶液の水を、水−エピクロルヒドリン共沸混合物の還流
により分離し、反応系外へ連続的に除去した。反応終了
後、常圧に戻して110℃まで昇温し、水を留去した。
次いで過剰のエピクロルヒドリンを留去し、さらに15
mmHgの減圧下、140℃で蒸留を行った。得られた
化合物および塩化ナトリウムの混合物に、メチルイソブ
チルケトン945部および10重量%水酸化ナトリウム
水溶液100部を加え、85℃で1.5時間反応させ
た。反応終了後、メチルイソブチルケトン1890部お
よび水2000部を加え、塩化ナトリウム水溶液層を分
液除去した。得られたメチルイソブチルケトン溶液層の
水洗を繰り返した後、減圧下、140℃でメチルイソブ
チルケトンを留去し、比較用のエポキシ化合物B2−1
を得た。この化合物のエポキシ当量は272であった。
この化合物200部をプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート107.7部に溶解し、比較用のエ
ポキシ化合物B2−1を65%含むプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテートとの混合物を得た。 比較合成例4(比較用ラジカル重合性化合物B3−1の
合成) 比較合成例1で得たフェノール化合物B1−1を65%
含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
トとの混合物200部に、グリシジルメタクリレート9
4.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート50.7部、トリエチルアミン2.2部、およ
びメチルハイドロキノン0.3部を加えて120℃で反
応させ、比較用のラジカル重合性化合物B3−1を65
%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートとの混合物を得た。 比較合成例5(比較用カルボキシル基を有するラジカル
重合性化合物B3−2の合成) 比較合成例4で得たラジカル重合性化合物B3−1を6
5%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートとの混合物100部に、テトラヒドロ無水フタル
酸11.3部、およびプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート6.1部を加え、100℃で反応さ
せて酸価59の比較用のカルボキシル基を有するラジカ
ル重合性化合物B3−2を65%含むプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテートとの混合物を得た。 比較合成例6(比較用ラジカル重合性化合物B3−3の
合成) 比較合成例3で得たエポキシ化合物B2−1を65%含
むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
との混合物400部に、アクリル酸70.2部、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート37.8
部、トリフェニルフォスフィン1.7部、およびメチル
ハイドロキノン0.3部を加え、115℃で反応させ、
酸価8の比較用のラジカル重合性化合物B3−3を65
%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートとの混合物を得た。 比較合成例7(比較用カルボキシル基を有するラジカル
重合性化合物B3−4の合成) 比較合成例6で得たラジカル重合性化合物B3−3を6
5%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートとの混合物100部に、テトラヒドロ無水フタル
酸12.6部、およびプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート6.8部を加え、100℃で反応さ
せて酸価65の比較用のカルボキシル基を有するラジカ
ル重合性化合物B3−4を65%含むプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテートとの混合物を得た。 参考例(比較用ノボラック型エポキシ化合物B2−2) 比較用として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂E
SCN195XHH(住友化学製、エポキシ当量20
0)を比較用エポキシ化合物B2−2とし、これを65
%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートとの混合物を調製した。 比較合成例8(比較用ラジカル重合性化合物B3−5の
合成) 参考例で得たエポキシ化合物B2−2を65%含むプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混
合物400部に、アクリル酸95.5部、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート51.4部、ト
リフェニルフォスフィン1.8部、およびメチルハイド
ロキノン0.4部を加え、115℃で反応させ、酸価9
の比較用のラジカル重合性化合物B3−5を65%含む
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと
の混合物を得た。 比較合成例9(比較用カルボキシル基を有するラジカル
重合性化合物B3−6の合成) 比較合成例8で得たラジカル重合性化合物B3−5を6
5%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートとの混合物100部に、テトラヒドロ無水フタル
酸11.3部、およびプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート6.1部を加え、100℃で反応さ
せて酸価66の比較用のカルボキシル基を有するラジカ
ル重合性化合物B3−6を65%含むプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテートとの混合物を得た。 比較合成例10(比較用カルボキシル基を有するラジカ
ル重合性化合物B3−7の合成) 比較合成例8で得たラジカル重合性化合物B3−5を6
5%含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートとの混合物100部に、テトラヒドロ無水フタル
酸16.7部、およびプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート9部を加え、100℃で反応させて
酸価86の比較用のカルボキシル基を有するラジカル重
合性化合物B3−7を65%含むプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテートとの混合物を得た。 実施例1〜4および比較例1、2 合成例1〜5および比較合成例1、2で得られた化合物
を用い、表1に示した配合組成に従ってポジ型の液状感
光性樹脂組成物を調製した。下記特性評価を行い、結果
を表1に併記した。 〔露光部分の現像性評価〕組成物をスピナーを用いてガ
ラス板上に塗布し、90℃で3分乾燥させ、約1μmの
塗膜を得た。この塗膜を、10μmのラインアンドスペ
ースのマスクを介して、1kWの超高圧水銀ランプを用
いて2000mJ/cm の光量を照射した後、1
10℃で60秒間後加熱した。次いで、2.38%テト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(現像
性−1)、あるいは1%Na CO 水溶液(現像
性−2)を使用して30℃で60秒間現像を行い、現像
後の状態を目視、および顕微鏡を用いて観察し、下記基
準で評価した。
【0104】◎:目視-----マスクに対応したポジ型の
パターンが得られた。
【0105】顕微鏡---断面形状の垂直なパターンが得
られた。
【0106】○:目視-----マスクに対応したポジ型の
パターンが得られた。
【0107】顕微鏡---断面形状は台形であった。
【0108】×:目視-----現像性不良(パターンが得
られなかった)。 〔パターン形成後の耐熱性評価〕現像性評価で得られた
パターン付きガラス板を150℃で10分加熱した後、
30℃で60秒間2.38%テトラメチルアンモニウム
ハイドロオキサイド水溶液に浸漬し、浸漬後のパターン
の状態を下記基準で目視で評価した。 ○:外観に異常なし ×:欠落あり
【0109】
【表1】
【0110】実施例5〜8および比較例3、4 合成例6〜9および比較合成例3で得られた化合物、お
よび参考例の化合物を用い、表2に示した配合組成に従
って液状感光性樹脂組成物を調製した。下記特性評価を
行い、結果を表2に併記した。 〔現像性−1〕脱脂洗浄した厚さ1.6mmの銅張積層
板上に、20〜30μmの厚さに感光性樹脂組成物を塗
布し、熱風循環式乾燥炉中で80℃で30分乾燥して未
露光塗膜を得た。次いで、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートを使用して30℃で60秒間現
像を行い、残存する塗膜の存在を下記基準で目視で評価
した。
【0111】 ○:現像性良好−−−−−銅面上に付着物が全くない ×:現像性不良−−−−−銅面上に付着物が残る 〔現像性−2〕脱脂洗浄した厚さ1.6mmの銅張積層
板上に、20〜30μmの厚さに感光性樹脂組成物を塗
布し、熱風循環式乾燥炉中で80℃で30分乾燥して未
露光塗膜を得た。次いで、1%Na CO 水溶
液を使用して30℃で60秒間現像を行い、残存する塗
膜の存在を現像性−1と同じ基準で目視で評価した。 〔耐煮沸性評価〕現像性評価のときと同様にして得た乾
燥塗膜に、1kWの超高圧水銀ランプを用いて2000
mJ/cmの光量を照射した後、60℃で10分間加
熱して硬化塗膜を得た。この得られた硬化塗膜を150
℃で30分間加熱処理し、煮沸したイオン交換水中に1
分間浸漬した後、粘着テープによるピーリング試験を行
い、密着性を目視で評価した。 ○:密着性良好 ×:剥離あり
【0112】
【表2】
【0113】実施例9〜16および比較例5〜11 合成例10〜17および比較合成例4〜10で得られた
化合物を用い、表3に示した配合組成に従って液状感光
性樹脂組成物を調製した。下記特性評価を行い、結果を
表3に併記した。 〔現像性−1〕脱脂洗浄した厚さ1.6mmの銅張積層
板上に、20〜30μmの厚さに感光性樹脂組成物を塗
布し、熱風循環式乾燥炉中で80℃で30分乾燥して未
露光塗膜を得た。次いで、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートを使用して30℃で60秒間現
像を行い、残存する塗膜の存在を下記基準で目視で評価
した。
【0114】 ○:現像性良好−−−−−銅面上に付着物が全くない ×:現像性不良−−−−−銅面上に付着物が残る 〔現像性−2〕脱脂洗浄した厚さ1.6mmの銅張積層
板上に、20〜30μmの厚さに感光性樹脂組成物を塗
布し、熱風循環式乾燥炉中で80℃で30分乾燥して未
露光塗膜を得た。次いで、1%Na CO 水溶
液を使用して30℃で60秒間現像を行い、残存する塗
膜の存在を現像性−1と同じ基準で目視で評価した。 〈耐煮沸性評価〉現像性評価のときと同様に塗膜を形成
し、1Kwの超高圧水銀灯を用いて500mJ/cm
の光量を照射し、塗膜を硬化させた。次いでこの得られ
た硬化塗膜を150℃で30分加熱し、さらに煮沸した
イオン交換水中に1分間浸漬した後、粘着テープによる
ピーリング試験を行い、密着性を目視で評価した。 ○:密着性良好 ×:剥離あり
【0115】
【表3】
【0116】
【発明の効果】本発明の多価フェノール化合物、および
そのフェノール化合物から得られエポキシ化合物やラジ
カル重合性化合物は、いずれも通常の化合物と同様に使
用可能である。エポキシ化合物やラジカル重合性化合物
は、熱や光により硬化可能であり、被塗物への密着性、
耐熱性、耐湿性、可撓性等の特性に優れた硬化物を与え
る。また、フェノール化合物も被塗物への密着性等の特
性に優れた塗膜を得ることができ、ポジ型感光性材料と
して有用である。従って本発明の化合物および含んでな
る樹脂組成物は、液状感光性樹脂組成物として微細加
工、画像形成が可能なので、印刷板や各種レジスト材料
に使用することができ、耐熱性、耐湿性、可撓性等が高
度に要求される電気用プリント配線基板や絶縁板用等の
複合材料のマトリックス樹脂として、あるいは接着剤、
塗料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/027 515 G03F 7/027 515 7/028 7/028 H05K 3/00 H05K 3/00 F Fターム(参考) 2H025 AA10 AA11 AA13 AA14 AB15 AC01 AD01 AD03 BA04 BC34 BC73 BC74 BC85 BC86 CA00 CB28 CB29 CB43 CB45 FA17 4J027 AE01 AH03 CB03 CC02 CD10 4J032 CA04 CA07 CB01 CF03 CG00 CG06 4J036 AE07 AK06 AK10 CA20 CA21 CA22 CA25 CA26 DB05 DB14 HA02 JA09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノボラック構造においての芳香環を結合
    するアルキレン基の一部または全部がキシリレン基に置
    換された構造を有し、かつアルコール性ヒドロキシル基
    を有する多価フェノール化合物。
  2. 【請求項2】 上記多価フェノール化合物が、アルコー
    ル性ヒドロキシル基を有する置換基と芳香環を結合する
    置換基とを芳香環上の異なる炭素原子に結合して有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の多価フェノール化合
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載の多
    価フェノール化合物中のアルコール性ヒドロキシル基に
    対し、多塩基酸無水物を反応させて該化合物中にカルボ
    キシル基を導入したことを特徴とする多価フェノール化
    合物。
  4. 【請求項4】 請求項1もしくは2のいずれかに記載の
    多価フェノール化合物または請求項3に記載のカルボキ
    シル基を有する多価フェノール化合物と、1,2−キノ
    ンジアジド化合物とを含有することを特徴とするポジ型
    感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ノボラック構造においての芳香環を結合
    するアルキレン基の一部または全部がキシリレン基に置
    換された構造を有するエポキシ化合物であって、少なく
    とも一つの芳香環が、アルコール性ヒドロキシル基を有
    する置換基と、エポキシ基を有する置換基とを、芳香環
    上の異なる炭素原子に結合して有することを特徴とする
    エポキシ化合物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載のフェノ
    ール化合物中のフェノール性ヒドロキシル基にグリシジ
    ル化剤を反応させて得られることを特徴とする請求項5
    に記載のエポキシ化合物。
  7. 【請求項7】 請求項5または6のいずれかに記載のエ
    ポキシ化合物中のアルコール性ヒドロキシル基に対し、
    多塩基酸無水物を反応させて該化合物中にカルボキシル
    基を導入したことを特徴とするエポキシ化合物。
  8. 【請求項8】 請求項5もしくは6のいずれかに記載の
    エポキシ化合物または請求項7に記載のカルボキシル基
    を有するエポキシ化合物と、硬化剤とを含有することを
    特徴とする硬化性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 ノボラック構造においての芳香環を結合
    するアルキレン基の一部または全部がキシリレン基に置
    換された構造を有し、前記芳香環の一部または全部がア
    ルコール性ヒドロキシル基を有する置換基とラジカル重
    合性不飽和二重結合を有する置換基とを、各々芳香環上
    の異なる炭素原子に結合して有していることを特徴とす
    るラジカル重合性化合物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3のいずれかに記載のフェ
    ノール化合物中のフェノール性ヒドロキシル基に対し、
    フェノール性ヒドロキシル基と反応し得る官能基とラジ
    カル重合性不飽和二重結合とを有するラジカル重合性付
    与化合物を反応させて得られることを特徴とする請求項
    9に記載のラジカル重合性化合物。
  11. 【請求項11】 請求項5〜7のいずれかに記載のエポ
    キシ化合物とラジカル重合性不飽和一塩基酸とを反応さ
    せて得られることを特徴とする請求項9に記載のラジカ
    ル重合性化合物。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11のいずれかに記載のラ
    ジカル重合性化合物中のアルコール性ヒドロキシル基に
    対し、多塩基酸無水物を反応させて該化合物中にカルボ
    キシル基を導入したことを特徴とするラジカル重合性化
    合物。
  13. 【請求項13】 請求項9〜11のいずれかに記載のラ
    ジカル重合性化合物または請求項12に記載のカルボキ
    シル基を有するラジカル重合性化合物と、重合開始剤と
    を含有することを特徴とする重合性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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