JP5999939B2 - 感光性樹脂組成物及び硬化レリーフパターンの製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物及び硬化レリーフパターンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、並びに該感光性樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化レリーフパターンを有する半導体装置及び表示体装置に関する。
従来から、半導体装置に用いられる永久膜、例えば表面保護膜及び層間絶縁膜には、優れた耐熱性、電気特性、及び機械特性を併せ持つ、ポリイミド樹脂又はポリベンゾオキサゾール樹脂が広く用いられてきた。これらの樹脂は、環状構造を有しており、そのままでは各種の溶剤への溶解性が低いため、一般に環状構造を開環させた前駆体を溶剤へ溶解させた組成物として使用される。従って、半導体装置を製造するためには、半導体素子上に該組成物を塗布する工程の後に、前駆体を閉環させる工程が必要となる。この閉環工程は、通常300℃以上に加熱する熱硬化によって行われる。
しかしながら、近年、従来品に比べて耐熱性に劣る半導体装置が開発されているので、表面保護膜又は層間絶縁膜の形成材料にも熱硬化温度の低下が求められるようになり、特に250℃以下での熱硬化性を求められることも多くなっている。
かかる要求に対し、特許文献1には、フェノール類とアルデヒド類とを縮合させることにより得られたフェノール樹脂と、このフェノール樹脂の耐熱衝撃性を改善するための架橋性微粒子とを用いた組成物が提案されている。フェノール樹脂は、半導体装置製造時にエッチング又は成膜工程でマスクとして一時的に用いられるレジストのベース樹脂として広く使用されており、かつ上記閉環工程を必要としないので、低温で熱硬化させることができるだけでなく、コスト及び感光性能にも優れる。
また、特許文献2には、フェノール樹脂の耐熱衝撃性を改善するために、フェノール樹脂を合成するときに、アルデヒド類の代わりに、α,α’−ジハロキシレン化合物、α,α’−ジヒドロキシキシレン化合物及びα,α’−ジアルコキシキシレン化合物から成る群から選択される少なくとも1種の置換キシレン化合物と、フェノール類化合物とを縮合させて得られる組成物が提案されている。
さらに、特許文献3には、アルカリ可溶性フェノール樹脂、及びポリヒドロキシスチレン又はポリヒドロキシスチレン誘導体、及び各種の感光性ジアゾナフトキノン化合物から成る感光性樹脂組成物が記述されている。
そして、特許文献4には、エポキシ含有物質、ビニルフェノール樹脂(以下、ポリヒドロキシスチレン樹脂ともいう)、ビフェニルフェノール樹脂、及び特定の尿素系架橋剤から成るネガ型感光性樹脂組成物であって、シリコンウエハー等に用いられる層間絶縁樹脂として用いられるネガ型感光性樹脂組成物が記述されている。
なお、下記特許文献5〜10は、後述する[発明を実施するための形態]において、感光性ジアゾナフトキノン化合物の説明箇所で引用する。より詳細には、特許文献5の[化17]〜[化22]、特許文献6の[化18]〜[化22]、特許文献7の[化15]及び[化16]、特許文献8の[化23]〜[化28]、特許文献9の[化24]及び[化25]、並びに特許文献10の[化18]〜[化32]を参照されたい。
特開2003−215789号公報 特開2007−057595号公報 特開2008−129178号公報 特開2006−243161号公報 特開2004−109849号公報 特開2001−356475号公報 特開2005−8626号公報 特開2001−92138号公報 特開2004−347902号公報 特開2001−109149号公報
樹脂膜を永久膜として半導体装置に適用する場合には、硬化後のレリーフパターンが崩れてパターンが埋まることなく、良好な形状が維持されていることが必要となる。しかしながら、上記特許文献1〜3には、半導装置に用いられる保護膜又は絶縁膜として必要な厚膜(硬化後5〜10μm)におけるレリーフパターン形成に関する記載がなく、さらに硬化パターンの形状についても記載がない。本発明者らが検討したところ、実用化されているポリイミド樹脂又はポリベンゾオキサゾール樹脂から成る硬化レリーフパターンと比較して、これらのフェノール樹脂の硬化レリーフパターンの形状については改良すべき余地があった(後述の比較例4,5参照)。
また、上記特許文献4には、エポキシ含有物質、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ビフェニルフェノール樹脂、及び特定の尿素系架橋剤から成るネガ型感光性樹脂組成物が記載されているが、近年、半導体の高性能化に伴い、半導体用保護膜又は絶縁膜に求められる解像度の要求レベルが上がり、一般的にネガ型よりも解像度の良好なポジ型感光性樹脂組成物が求められている。
従って、本発明は、低温での硬化が可能であり、硬化後のレリーフが崩れてパターンが埋まることのない、良好な形状の硬化レリーフパターンを与えるためのポジ型感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成する硬化レリーフパターンの形成方法、並びに該硬化レリーフパターンを有する半導体装置及び表示体装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、従来技術の問題に鑑みて、鋭意検討し実験を重ねた結果、特定の構造を有するフェノール樹脂を含む感光性樹脂組成物を特定の感光性ジアゾナフトキノンと組み合わせて用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を為すに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 下記一般式(1):
Figure 0005999939

{式(1)中、aは、0〜3の整数であり、R1は、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基を表し、aが2又は3である場合には、複数のR1は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよく、そしてXは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、下記一般式(2):
Figure 0005999939

(式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び芳香族基を有する2価の有機基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基を表す。}で表される構造を有するフェノール樹脂(A−1)と、ノボラック樹脂又はポリヒドロキシスチレン樹脂から選択される少なくとも1つのフェノール樹脂(A−2)とを、該フェノール樹脂(A−1)/該フェノール樹脂(A−2)の質量比として10/90〜90/10で含むフェノール樹脂混合物(A):100質量部;
感光性ジアゾナフトキノン化合物(B):0.1質量部〜70質量部;及び
溶剤(C):100質量部〜1000質量部;
を含む感光性樹脂組成物であって、該感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)は、下記一般式(3)〜(7):
Figure 0005999939

{式(3)中、X及びXは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜60の1価の有機基を表し、X及びXは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜60の1価の有機基を表し、r1、r2、r3及びr4は、それぞれ独立に、0〜5の整数であり、r3及びr4の少なくとも1つは、1〜5の整数であり、r1+r3=5であり、そしてr2+r4=5である。}
Figure 0005999939

{式(4)中、Zは、炭素数1〜20の4価の有機基を表し、X、X、X及びXは、それぞれ独立に、炭素数1〜30の1価の有機基を表し、r6は、0又は1の整数であり、r5、r7、r8及びr9は、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、r10、r11、r12及びr13は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、そしてr10、r11、r12及びr13の少なくとも1つは、1又は2である。}
Figure 0005999939

{式(5)中、r14は、1〜5の整数であり、r15は、3〜8の整数であり、(r14×r15)個のLは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の1価の有機基を表し、(r15)個のTは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を表し、そして(r15)個のSは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を表す。}
Figure 0005999939

{式(6)中、Aは、脂肪族の3級又は4級炭素を含む2価の有機基を表し、そしてMは、2価の有機基を表す。}
Figure 0005999939

{式(7)中、r17、r18、r19及びr20は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、r17、r18、r19及びr20の少なくとも1つは、1又は2であり、X10〜X19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリル基及びアシル基から成る群から選択される少なくとも1つの1価の基を表し、そしてY〜Yは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、フェニレン及び炭素数1〜20の2価の有機基から成る群から選択される少なくとも1つの2価の基を表す。}
から成る群から選択される少なくとも1つのヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル及び/又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルである、前記感光性樹脂組成物。
[2] 前記一般式(3)で表されるヒドロキシ化合物は、下記一般式(8):
Figure 0005999939

{式(8)中、r16は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、そしてXは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を表す。}
で表される化合物である、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3] 前記一般式(4)において、Zは、下記式:
Figure 0005999939

から成る群から選択される少なくとも1つの4価の基である、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[4] 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(9):
Figure 0005999939

{式(9)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されている炭素数1〜10の1価の脂肪族基であり、nは、0〜4の整数であり、Rは、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基から選択され、nが1の整数である場合には、Rは、水酸基、又は水酸基を有する1価の有機基であり、そしてnが2〜4の整数である場合には、Rの少なくとも1つは、水酸基、又は水酸基を有する1価の有機基であり、かつ複数のRは、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよい。}で表される2価の基及び/又は下記一般式(10):
Figure 0005999939

{式(10)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されている炭素数1〜10の1価の脂肪族基を表し、そしてYは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(2):
Figure 0005999939

(式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表されるアルキレンオキシド基、及び下記式(11):
Figure 0005999939

で表される2価の基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基を表す。}で表される2価の基である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[5] 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(12):
Figure 0005999939

で表される2価の有機基である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[6] 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(13):
Figure 0005999939

で表される2価の有機基である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[7] 前記フェノール樹脂(A−1)は、下記一般式(14):
Figure 0005999939

{式(14)中、R11は、炭化水素基又はアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つの炭素数1〜10の1価の基であり、nは、0〜3の整数であり、mは、1〜500の整数であり、そしてnが2又は3である場合には、複数のR11は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよい。}で表される構造及び下記一般式(15):
Figure 0005999939

{式(15)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭化水素基又はアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つの炭素数1〜10の1価の基であり、n及びnは、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、mは、1〜500の整数であり、nが2又は3である場合には、複数のR12は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよく、そしてnが2又は3である場合には、複数のR13は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよい。}で表される構造の両方を同一樹脂骨格内に有するフェノール樹脂である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[8] 以下の工程:
(1)[1]〜[7]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を基板上に形成する工程、
(2)該感光性樹脂層を露光する工程、
(3)該感光性樹脂層を現像して、レリーフパターンを得る工程、
(4)該レリーフパターンを加熱処理する工程、
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
[9] [8]に記載の方法により製造された硬化レリーフパターン。
[10] 半導体素子と、該半導体素子の上部に設けられた硬化膜とを備える半導体装置であって、該硬化膜は、[9]に記載の硬化レリーフパターンである、半導体装置。
[11] 表示体素子と、該表示体素子の上部に設けられた硬化膜とを備える表示体装置であって、該硬化膜は、[9]に記載の硬化レリーフパターンである、表示体装置。
本発明は、低温での硬化が可能であり、硬化後のレリーフパターンが埋まることなく、かつ良好な形状の硬化レリーフパターンを与えることができる感光性樹脂組成物を提供する。また、本発明は、該感光性樹脂組成物を用いた硬化レリーフパターンの形成方法、並びに該硬化レリーフパターンを有する半導体装置及び表示体装置も提供する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。なお本明細書を通じ、一般式において同一符号で表されている構造は、分子中に複数存在する場合に、互いに同一であるか、又は異なっていることができる。
<感光性樹脂組成物>
実施の形態では、感光性樹脂組成物は、以下の:
下記一般式(1)で表される構造を有するフェノール樹脂(A−1)と、ノボラック樹脂又はポリヒドロキシスチレン樹脂から選択される少なくとも1つのフェノール樹脂(A−2)とを、該フェノール樹脂(A−1)/該フェノール樹脂(A−2)の質量比として10/90〜90/10で含むフェノール樹脂混合物(A):100質量部;
感光性ジアゾナフトキノン化合物(B):0.1〜70質量部;
溶剤(C):100質量部〜1000質量部;
所望により、架橋剤(D):0.1質量部〜100質量部;及び
所望により、その他の成分;
を含む。
Figure 0005999939

{式(1)中、aは、0〜3の整数であり、R1は、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基を表し、aが2又は3である場合には、複数のR1は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよく、そしてXは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、下記一般式(2):
Figure 0005999939

(式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び芳香族基を有する2価の有機基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基を表す。}
上記成分の各々を以下で順に説明する。なお、本明細書では、一般式において同一符号で表されている構造は、分子中に複数存在する場合には、それぞれ同一であるか、又は異なっていてもよい。
[フェノール樹脂混合物(A)]
実施の形態では、フェノール樹脂混合物(A)は、前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール樹脂(A−1)と、ノボラック樹脂又はポリヒドロキシスチレン樹脂から選択される少なくとも1つのフェノール樹脂(A−2)との混合物である。
フェノール樹脂(A−1)とフェノール樹脂(A−2)の混合比は、質量比を基準として、フェノール樹脂(A−1)/フェノール樹脂(A−2)=10/90〜90/10の範囲である。この混合比は、アルカリ水溶液中での溶解性、及び硬化膜の伸度の観点から、(A−1)/(A−2)=10/90〜90/10が好ましく、(A−1)/(A−2)=20/80〜80/20であることがより好ましく、そして(A−1)/(A−2)=30/70〜70/30であることがさらに好ましい。
[フェノール樹脂(A−1)]
実施の形態では、フェノール樹脂(A−1)は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する。フェノール樹脂(A−1)は、例えば、従来使用されてきたポリイミド樹脂及びポリベンゾオキサゾール樹脂と比べて低温での硬化が可能であり、かつ良好な伸度を有する硬化膜の形成を可能にするため好ましい。フェノール樹脂(A−1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位(たとえば、2価のフェノール、ビフェニルエーテル等)を有してもよい。
上記一般式(1)において、R1は、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる1価の置換基であれば限定されないが、アルカリ溶解性の観点から、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、及び下記一般式(10):
Figure 0005999939

{式(16)中、R14、R15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、又は炭素数6〜20の芳香族基を表し、そしてR17は、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の2価の脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、又は炭素数6〜20の2価の芳香族基を表す。}で表される4つの基から成る群から選ばれる1価の置換基であることが好ましい。
実施の形態では、上記一般式(1)において、aは、0〜3の整数であれば限定されないが、アルカリ溶解性及び伸度の観点から、0又は1であることが好ましい。また、aが2又は3である場合には、複数のR1は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよい。
実施の形態では、上記一般式(1)において、Xは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、上記一般式(2)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び芳香族環を有する2価の有機基から成る群から選ばれる2価の有機基である。これらの2価の有機基の中で、硬化膜の強靭性の観点から、Xは、下記一般式(9)及び(10)で表される有機基の少なくとも一方であることが好ましい。
Figure 0005999939

{式(9)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されている炭素数1〜10の1価の脂肪族基であり、nは、0〜4の整数であり、Rは、ハロゲン原子、水酸基又は1価の有機基から選択され、nが1の整数である場合には、Rは、水酸基、又は水酸基を有する1価の有機基であり、そしてnが2〜4の整数である場合には、Rの少なくとも1つは、水酸基、又は水酸基を有する1価の有機基であり、かつ複数のRは、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよい。}で表される2価の基及び/又は下記一般式(10):
Figure 0005999939

{式(10)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されている炭素数1〜10の1価の脂肪族基を表し、そしてYは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(2):
Figure 0005999939

(式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表されるアルキレンオキシド基、及び下記式(11):
Figure 0005999939

で表される2価の基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基を表す。}
また、上記一般式(10)において、Yとしては、硬化膜の伸度の観点から、単結合、上記一般式(2)で表されるアルキレンオキシド基、並びに上記式(11)で表される2価の有機基の中でエステル基、アミド基又はスルホニル基から選ばれる2価の有機基が好ましい。
実施の形態では、上記一般式(1)において、Xは、上記一般式(9)又は(10)で表される2価の有機基であることが好ましく、そして上記一般式(10)で表される2価の有機基は、硬化膜の伸度の観点から、下記一般式(12)で表される2価の有機基であることがより好ましく、さらに下記一般式(13)で表される2価の有機基であることが特に好ましい。
Figure 0005999939
一般式(1)におけるフェノール性水酸基を含有する部位とXで表される部位の割合は、特に伸度の観点から、決定されることが好ましい。より詳細には、Xで表される部位の割合は、伸度の観点から、上記一般式(1)で表される構造中のモノマー単位の全質量を基準として、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。
また、フェノール樹脂(A−1)は、硬化膜の膜物性及び耐熱性、並びに硬化時のアルカリ溶解性の観点から、上記一般式(1)で表される構造として、下記一般式(14):
Figure 0005999939

{式(14)中、R11は、炭化水素基又はアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つの炭素数1〜10の1価の基であり、nは、0〜3の整数であり、mは、1〜500の整数であり、そしてnが2又は3である場合には、複数のR11は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよい。}で表される構造及び下記一般式(15):
Figure 0005999939

{式(15)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭化水素基又はアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つの炭素数1〜10の1価の基であり、n及びnは、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、mは、1〜500の整数であり、nが2又は3である場合には、複数のR12は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよく、そしてnが2又は3である場合には、複数のR13は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよい。}で表される構造の両方を同一樹脂骨格内に有することが好ましい。
上記一般式(14)中のm1及び上記一般式(15)中のm2は、ポリマー主鎖におけるそれぞれの繰り返し単位の総数を表す。すなわち、フェノール樹脂(A−1)において、上記一般式(14)で表される繰り返し単位と上記一般式(15)で表される繰り返し単位とは、ランダム、ブロック又はこれらの組合せで配列されていることができる。m1及びm2は、それぞれ独立に、1〜500の整数であり、下限値は、好ましくは2、より好ましくは3であり、そして上限値は、好ましくは450、より好ましくは400、さらに好ましくは350である。m1及びm2は、それぞれ独立に、硬化膜の強靭性の観点から、2以上であることが好ましく、一方で、アルカリ水溶液中での溶解性の観点から、450以下であることが好ましい。
上記一般式(14)で表される構造及び上記一般式(15)で表される構造の両方を同一樹脂骨格内に有するフェノール樹脂(A−1)は、上記一般式(14)で表される構造のモル比率が高いほど、硬化膜の物性が良好であり、耐熱性にも優れており、一方で、上記一般式(15)で表される構造のモル比率が高いほど、アルカリ溶解性が良好であり、硬化後のパターン形状に優れる。従って、上記一般式(14)で表される構造と上記一般式(15)で表される構造の比率の範囲としては、m1:m2=90:10〜20:80が硬化膜の物性の観点から好ましく、m1:m2=80:20〜40:60が硬化膜の物性及びアルカリ溶解性の観点から更に好ましく、m1:m2=70:30〜50:50が硬化膜の物性、パターン形状及びアルカリ溶解性の観点から特に好ましい。
典型的には、フェノール樹脂(A−1)は、フェノール化合物と共重合成分とを重合反応させることによって合成できる。具体的には、共重合成分としては、アルデヒド基を有する化合物(例えば、トリオキサンのように分解してアルデヒド化合物を生成する化合物も含む)、ケトン基を有する化合物、メチロール基を分子内に2個有する化合物、アルコキシメチル基を分子内に2個有する化合物、及びハロアルキル基を分子内に2個有する化合物から成る群から選ばれる1種類以上の化合物を含むものが挙げられ、より典型的には、共重合成分としては、これらの少なくとも1つから成る成分が好ましい。例えば、下記に示すようなフェノール及び/又はフェノール誘導体(以下、総称して「フェノール化合物」ともいう。)に対して、例えば、アルデヒド化合物、ケトン化合物、メチロール化合物、アルコキシメチル化合物、ジエン化合物、ハロアルキル化合物などの共重合成分を重合させることにより、フェノール樹脂(A−1)は得られることができる。この場合、上記一般式(1)において、OH基及び任意のR1基が芳香環に結合している構造で表される部分は上記フェノール化合物に由来し、Xで表される部分は上記共重合成分に由来することになる。反応制御並びに得られたフェノール樹脂(A−1)及び感光性樹脂組成物の安定性の観点から、フェノール化合物と上記共重合成分との仕込みモル比(フェノール化合物:共重合成分)は、5:1〜1.01:1であることが好ましく、2.5:1〜1.1:1であることがより好ましい。
実施の形態では、フェノール樹脂(A−1)の質量平均分子量は、好ましくは700〜100,000であり、より好ましくは1,500〜80,000であり、更に好ましくは2,000〜50,000である。質量平均分子量は、硬化膜の伸度の観点から、700以上であることが好ましく、一方で、感光性樹脂組成物のアルカリ溶解性の観点から、100,000以下であることが好ましい。
質量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により行い、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により算出することができる。
実施の形態では、フェノール樹脂(A−1)を得るために使用できるフェノール化合物としては、例えば、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、アミルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ヒドロキシビフェニル、ベンジルフェノール、ニトロベンジルフェノール、シアノベンジルフェノール、アダマンタンフェノール、ニトロフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、トリフルオロメチルフェノール、N−(ヒドロキシフェニル)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシフェニル)−5−メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、トリフルオロメチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸エチル、ヒドロキシ安息香酸ベンジル、ヒドロキシベンズアミド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシアセトフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾニトリル等が挙げられる。
上記アルデヒド化合物としては、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ピバルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、トリオキサン、グリオキザール、シクロヘキシルアルデヒド、ジフェニルアセトアルデヒド、エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキシル酸、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ナフトアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。
上記ケトン化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジシクロヘキシルケトン、ジベンジルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ビシクロヘキサノン、シクロヘキサンジオン、3−ブチン−2−オン、2−ノルボルナノン、アダマンタノン、2,2−ビス(4−オキソシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
上記メチロール化合物としては、例えば、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−エチルフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−プロピルフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−n−ブチルフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−t−ブチルフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メトキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−エトキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−プロポキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−n−ブトキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−t−ブトキシフェノール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、リビトール、アラビトール、アリトール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2−ベンジルオキシ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、モノアセチン、2−メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール、ペンタエリスリトール、2−フェニル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、3,6−ビス(ヒドロキシメチル)デュレン、2−ニトロ−p−キシリレングリコール、1,10−ジヒドロキシデカン、1,12−ジヒドロキシドデカン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキセン、1,6−ビス(ヒドロキシメチル)アダマンタン、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジメトキシベンゼン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,8−ビス(ヒドロキシメチル)アントラセン、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルチオエーテル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、4−ヒドロキシメチル安息香酸−4’−ヒドロキシメチルフェニル、4−ヒドロキシメチル安息香酸−4’−ヒドロキシメチルアニリド、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)フェニルウレア、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)フェニルウレタン、1,8−ビス(ヒドロキシメチル)アントラセン、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシメチルフェニル)プロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
上記アルコキシメチル化合物としては、例えば、2,6−ビス(メトキシメチル)−p−クレゾール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−エチルフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−プロピルフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−n−ブチルフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−t−ブチルフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−メトキシフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−エトキシフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−プロポキシフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−n−ブトキシフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−t−ブトキシフェノール、1,3−ビス(メトキシメチル)尿素、2,2−ビス(メトキシメチル)酪酸、2,2−ビス(メトキシメチル)−5−ノルボルネン、2,3−ビス(メトキシメチル)−5−ノルボルネン、1,4−ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メトキシメチル)シクロヘキセン、1,6−ビス(メトキシメチル)アダマンタン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、2,6−ビス(メトキシメチル)−1,4−ジメトキシベンゼン、2,3−ビス(メトキシメチル)ナフタレン、2,6−ビス(メトキシメチル)ナフタレン、1,8−ビス(メトキシメチル)アントラセン、2,2’−ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ジフェニルチオエーテル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゾフェノン、4−メトキシメチル安息香酸−4’−メトキシメチルフェニル、4−メトキシメチル安息香酸−4’−メトキシメチルアニリド、4,4’−ビス(メトキシメチル)フェニルウレア、4,4’−ビス(メトキシメチル)フェニルウレタン、1,8−ビス(メトキシメチル)アントラセン、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,2−ビス(4−メトキシメチルフェニル)プロパン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
上記ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、3−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ブタンジオール−ジメタクリラート、2,4−ヘキサジエン−1−オール、メチルシクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、1−ヒドロキシジシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジアリルエーテル、ジアリルスルフィド、アジピン酸ジアリル、2,5−ノルボルナジエン、テトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸ジアリル、イソシアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸ジアリルプロピル等が挙げられる。
上記ハロアルキル化合物としては、例えば、キシレンジクロライド、ビスクロロメチルジメトキシベンゼン、ビスクロロメチルデュレン、ビスクロロメチルビフェニル、ビスクロロメチル−ビフェニルカルボン酸、ビスクロロメチル−ビフェニルジカルボン酸、ビスクロロメチル−メチルビフェニル、ビスクロロメチル−ジメチルビフェニル、ビスクロロメチルアントラセン、エチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル等が挙げられる。
上述のフェノール化合物と上述の共重合成分とを、脱水、脱ハロゲン化水素、若しくは脱アルコールにより縮合させるか、又は不飽和結合を開裂させながら重合させることにより、フェノール樹脂(A−1)を得ることができるが、重合時に触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば、酸性触媒又はアルカリ性触媒などが挙げられる。酸性の触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、酢酸、シュウ酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、酢酸亜鉛、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・フェノール錯体、三フッ化ホウ素・エーテル錯体等が挙げられる。一方で、アルカリ性の触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、ピペリジン、ピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
実施の形態では、フェノール樹脂(A−1)を得るために使用される触媒の量は、共重合成分の合計モル数に対して、好ましくは、アルデヒド化合物、ケトン化合物、メチロール化合物、アルコキシメチル化合物、ジエン化合物及びハロアルキル化合物の合計モル数100モル%に対して、0.01モル%〜100モル%の範囲であることが好ましい。
フェノール樹脂(A−1)の合成反応を行うときには、必要に応じて有機溶剤を使用することができる。使用できる有機溶剤の具体例としては、限定されるものではないが、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの有機溶剤の使用量としては、仕込み原料の総質量を100質量部としたときに、通常10質量部〜1000質量部であり、好ましくは20質量部〜500質量部である。また、フェノール樹脂(A−1)の合成反応において、反応温度は、通常40℃〜250℃であることが好ましく、100℃〜200℃の範囲であることがより好ましく、そして反応時間は、概ね1時間〜10時間であることが好ましい。
[フェノール樹脂(A−2)]
フェノール樹脂(A−2)は、ノボラック樹脂及び/又はポリヒドロキシスチレン樹脂から選択されて、フェノール樹脂(A−1)と混合して使用されることにより、フェノール樹脂混合物(A)のアルカリ水溶液中での溶解性を向上させ、かつ実施の形態において感光性樹脂組成物のアルカリ現像を可能にするため好ましい。
実施の形態では、フェノール樹脂(A−2)は、ノボラック樹脂及び/又はポリヒドロキシスチレン樹脂から選択され、かつフェノール樹脂(A−1)を含まない。
実施の形態では、ノボラック樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒドを触媒の存在下で縮合させることにより得ることができる。上記フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。具体的なノボラック樹脂としては、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。
実施の形態では、ポリヒドロキシスチレン樹脂は、ポリパラビニルフェノールであることが好ましい。ポリパラビニルフェノールは、パラビニルフェノールを重合単位として含有するポリマーであれば特に限定されるものではない。本発明の目的に反しない限りは、ポリパラビニルフェノールを構成するために、パラビニルフェノール以外の重合単位を使用することができる。パラビニルフェノール以外の重合単位は、パラビニルフェノールと共重合可能な任意の化合物でよい。パラビニルフェノール以外の重合単位としては、限定されるものではないが、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルアクリレート、2−エトキシエチルメタアクリレート、t−ブチルアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、デカメチレングリコールジアクリレート、デカメチレングリコールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチル−2−2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、1−フェニルエチレン−1,2−ジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート及び1,4−ベンゼンジオールジメタクリレートのようなアクリル酸のエステル;スチレン並びに、例えば、2−メチルスチレンおよびビニルトルエンのような置換スチレン;例えば、ビニルアクリレート及びビニルメタクリレートのようなビニルエステル等のモノマー;並びにo−ビニルフェノール、m−ビニルフェノールなどが挙げられる。
また、上記で説明されたフェノール樹脂(A−2)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
実施の形態では、フェノール樹脂(A−2)の質量平均分子量は、好ましくは700〜100,000であり、より好ましくは1,500〜80,000であり、更に好ましくは2,000〜50,000である。質量平均分子量は、硬化膜の伸度の観点から、700以上であることが好ましく、一方で、感光性樹脂組成物のアルカリ溶解性の観点から、100,000以下であることが好ましい。
感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)
感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)は、後述される特定構造を有するヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び該ヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルから成る群から選択される少なくとも一種の化合物(以下、「ヒドロキシ化合物のNQD化物」ともいう。)である。
ヒドロキシ化合物のNQD化物は、常法に従って、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物をクロルスルホン酸又は塩化チオニルでスルホニルクロリドとし、得られたナフトキノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物とを反応させることにより得られる。例えば、ヒドロキシ化合物と、所定量の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド又は1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリドとを、ジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン等の溶媒中において、トリエチルアミン等の塩基性触媒の存在下で反応させてエステル化を行い、得られた生成物を水洗、乾燥することにより得ることができる。
感光性樹脂組成物において、感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)は、フェノール樹脂混合物(A)と組み合わせることにより、高感度を発現し、かつアルカリ現像液で膨潤することのない良好なレリーフパターンを与えることができる。
実施の形態では、感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)は、下記一般式(3)〜(7)で表されるヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び/または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物であることが好ましい。
Figure 0005999939

{式(3)中、X及びXは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜60(好ましくは、炭素数1〜30)の1価の有機基を表し、X及びXは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜60(好ましくは、炭素数1〜30)の1価の有機基を表し、r1、r2、r3及びr4は、それぞれ独立に、0〜5の整数であり、r3及びr4の少なくとも1つは、1〜5の整数であり、r1+r3=5であり、そしてr2+r4=5である。}
Figure 0005999939

{式(4)中、Zは、炭素数1〜20の4価の有機基を表し、X、X、X及びXは、それぞれ独立に、炭素数1〜30の1価の有機基を表し、r6は、0又は1の整数であり、r5、r7、r8及びr9は、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、r10、r11、r12及びr13は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、そしてr10、r11、r12及びr13の全てが0になることはない。}
Figure 0005999939

{式(5)中、r14は、1〜5の整数を表し、r15は、3〜8の整数を表し、(r14×r15)個のLは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の1価の有機基を表し、(r15)個のTは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を表し、そして(r15)個のSは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を表す。}
Figure 0005999939

{式(6)中、Aは、脂肪族の3級又は4級炭素を含む2価の有機基を表し、そしてMは、2価の有機基を表し、好ましくは下記化学式:
Figure 0005999939

で表される3つの基から選択される少なくとも1つの2価の基を表す。}
Figure 0005999939
{式(7)中、r17、r18、r19及びr20は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、r17、r18、r19及びr20の少なくとも1つは、1又は2であり、X10〜X19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリル基及びアシル基から成る群から選択される少なくとも1つの1価の基を表し、そしてY〜Yは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、フェニレン及び炭素数1〜20の2価の有機基から成る群から選択される少なくとも1つの2価の基を表す。}
さらなる実施の形態では、上記一般式(7)において、Y〜Yは、それぞれ独立に、下記一般式:
Figure 0005999939

Figure 0005999939

Figure 0005999939

{式中、X20及びX21は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、及び置換アリール基から成る群から選択される少なくとも1つの1価の基を表し、X22、X23、X24及びX25は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、r21は、1〜5の整数であり、そしてX26、X27、X28及びX29は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。}
で表される3つの2価の有機基から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
上記一般式(3)で表される化合物としては、下記式(8)及び(17)〜(20)で表されるヒドロキシ化合物が挙げられる。
Figure 0005999939

{式(8)中、r16は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、そしてXは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の一価の有機基を表し、Xが複数で存在する場合には複数のXは、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよく、そしてXは、下記化学式:
Figure 0005999939

(式中、r18は、0〜2の整数であり、X31は、水素原子、アルキル基、及びシクロアルキル基から成る群から選ばれた少なくとも1つの1価の有機基を表し、そしてr18が2である場合には、2つのX31は、互いに同一であるか、又は異なっていてよい。)
で表される1価の有機基であることが好ましい。}
Figure 0005999939

{式(17)中、X32は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数1〜20のシクロアルキル基から成る群から選ばれた少なくとも1つの1価の有機基を表す。}
Figure 0005999939

{式(18)中、r19は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、X33は、それぞれ独立に、水素原子又は下記一般式:
Figure 0005999939

(式中、r20は、0〜2の整数であり、X35は、水素原子、アルキル基及びシクロアルキル基から成る群から選ばれる少なくとも1つを表し、そしてr20が2である場合には、2つのX35は、互いに同一であるか、又は異なっていてよい。)で表される1価の有機基を表し、そしてX34は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のシクロアルキル基から成る群から選ばれる少なくとも1つを表す。}
Figure 0005999939

Figure 0005999939
また、上記式(20)で表される化合物としては、例えば、p−クミルフェノールが挙げられる。
上記式(8)で表される化合物としては、下記式(21)〜(23)で表されるヒドロキシ化合物が、NQD化物としたときの感度が高く、かつ感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい(特許文献5に記載されているポリヒドロキシ化合物のNQD化物である。)。
Figure 0005999939

Figure 0005999939

Figure 0005999939
上記式(17)で表される化合物としては、下記式(24)で表されるヒドロキシ化合物が、NQD化物としたときの感度が高く、かつ感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい(特許文献6に記載されているポリヒドロキシ化合物のNQD化物である。)。
Figure 0005999939
上記(18)で表される化合物としては、下記式(25)〜(27)で表されるヒドロキシ化合物が、NQD化物としたときの感度が高く、かつ感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい(特許文献7に記載されているポリヒドロキシ化合物のNQD化物である。)。
Figure 0005999939

Figure 0005999939

Figure 0005999939
上記一般式(4)において、Zは、炭素数1〜20の4価の有機基であればよく、特に限定されないが、感度の観点から、下記式:
Figure 0005999939

で表される構造を有する4価の基であることが好ましい。
上記一般式(4)で表される化合物の中で、下記式(28)〜(31)で表されるヒドロキシ化合物が、NQD化物としたときの感度が高く、かつ感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい(特許文献8に記載されているポリヒドロキシ化合物のNQD化物である。)。
Figure 0005999939

Figure 0005999939

Figure 0005999939

Figure 0005999939
上記一般式(5)で表される化合物としては、下記式(32)で表されるヒドロキシ化合物が、NQD化物としたときの感度が高く、かつ感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい(特許文献9に記載されているポリヒドロキシ化合物のNQD化物である。)。
Figure 0005999939

{式中、r40は、それぞれ独立に、0〜9の整数である。}
上記一般式(6)で表される化合物としては、下記式(33)及び(34)で表されるヒドロキシ化合物が、NQD化物としたときの感度が高く、かつ感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい。
Figure 0005999939

Figure 0005999939
上記一般式(7)で表される化合物としては、具体的には、特許文献10に記載されているポリヒドロキシ化合物のNQD化物が挙げられる。それらの化合物の中でも、下記式(35)で表されるポリヒドロキシ化合物のNQD化物が、感度が高く、かつ感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい。
Figure 0005999939
感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)において、1,2−ナフトキノンジアジドスルホニル基は、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基と1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基のいずれであってもよい。1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基は、水銀灯のi線領域を吸収することができるので、i線による露光に適している。一方で、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基は、水銀灯のg線領域さえも吸収することができるので、g線による露光に適している。
実施の形態では、露光する波長におうじて、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物の一方又は双方を選択することが好ましい。また、同一分子中に1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基及び1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を有する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を用いることもできるし、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル化合物を混合して使用することもできる。
感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)において、ヒドロキシ化合物のナフトキノンジアジドスルホニルエステルの平均エステル化率は、現像コントラストの観点から、10%〜100%であることが好ましく、20%〜100%であることがさらにこのましい。
実施の形態では、感光性樹脂組成物中の感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)の配合量は、フェノール樹脂混合物(A)100質量部に対して、0.1質量部〜70質量部であり、好ましくは1質量部〜40質量部、より好ましくは3質量部〜30質量部である。この使用量が0.1質量部以上であれば良好な感度が得られ、一方で、70質量部以下であれば硬化膜の機械物性が良好であるため好ましい。
感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)を形成するために、上記で説明されたヒドロキシ化合物の中で、硬化レリーフパターンの形状の観点から、上記式(19)〜(22)、(28)〜(31)、(33)及び(35)で表される化合物、並びに後述される式(36)で表される化合物(合成例8を参照されたい。)が好ましい。これらのヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルは、作用機序に拘束されるものではないが、熱硬化時に感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)に由来する架橋反応が起きていると考えられるため好ましい。
溶剤(C)
溶剤(C)としては、例えば、アミド類、スルホキシド類、ウレア類、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等が挙げられる。より詳細には、溶剤(C)としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルグリコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、モルフォリン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等を使用することができる。これらの中でも、樹脂の溶解性、樹脂組成物の安定性、及び基板への接着性の観点から、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルグリコール、及びテトラヒドロフルフリルアルコールが好ましい。
実施の形態では、感光性樹脂組成物中の溶剤(C)の配合量は、フェノール樹脂混合物(A)100質量部に対して、好ましくは100質量部〜1000質量部であり、より好ましくは120質量部〜700質量部であり、さらに好ましくは125質量部〜500質量部の範囲である。
[その他の成分]
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、架橋剤(D)、熱酸発生剤(E)、シランカップリング剤、染料、界面活性剤、溶解促進剤を含有させることが可能である。
架橋剤(D)は、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されたレリーフパターンを加熱硬化するときに、フェノール樹脂混合物(A)と架橋可能であるか、又は架橋剤自体が架橋ネットワークを形成することができる化合物をいう。架橋剤(D)は、分子内に架橋基を2個以上有する構造を取り、かつ感光性樹脂組成物から形成された硬化膜の熱特性、機械特性又は耐薬品性をさらに向上させることができる。
架橋剤(D)としては、フェノール樹脂混合物(A)と架橋可能であるか、又は架橋剤自体が架橋ネットワークを形成することができる化合物を使用することができるので、特に限定されるものではないが、例えば、メチロール基および/またはアルコキシメチル基含有化合物、オキシラン化合物、イソシアネート基含有化合物、ビスマレイミド化合物などが挙げられる。
メチロール基および/またはアルコキシメチル基含有化合物としては、例えば、サイメル(登録商標)300、301、303、370、325、327、701、266、267、238、1141、272、202、1156、1158、1123、1170、1174、UFR65、300、マイコート102、105(以上、三井サイテック社製)、ニカラック(登録商標)MX−270、−280、−290、ニカラックMS−11、ニカラックMW−30、−100、−300、−390、−750(以上、三和ケミカル社製)、DML−OCHP、DML−MBPC、DML−BPC、DML−PEP、DML−34X、DML−PSBP、DML−PTBP、DML−PCHP、DML−POP、DML−PFP、DML−MBOC、BisCMP−F、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−BisOC−P、DMOM−PTBT、TMOM−BP、TMOM−BPA、TML−BPAF−MF(以上、本州化学工業社製)、ベンゼンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)クレゾール、ビス(ヒドロキシメチル)ジメトキシベンゼン、ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、ヒドロキシメチル安息香酸ヒドロキシメチルフェニル、ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、ジメチルビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、ビス(メトキシメチル)ベンゼン、ビス(メトキシメチル)クレゾール、ビス(メトキシメチル)ジメトキシベンゼン、ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル、ビス(メトキシメチル)ベンゾフェノン、メトキシメチル安息香酸メトキシメチルフェニル、ビス(メトキシメチル)ビフェニル、ジメチルビス(メトキシメチル)ビフェニル等が挙げられる。
また、オキシラン化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール−キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール−キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール−ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグルシジルエーテル、1,1,2,2−テトラ(p−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、オルソセカンダリーブチルフェニルグリシジルエーテル、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、YDB−340、YDB−412、YDF−2001、YDF−2004(商品名、新日鐵化学(株)製)、NC−3000−H、EPPN−501H、EOCN−1020、NC−7000L、EPPN−201L、XD−1000、EOCN−4600(商品名、日本化薬(株)製)、エピコート(登録商標)1001、エピコート1007、エピコート1009、エピコート5050、エピコート5051、エピコート1031S、エピコート180S65、エピコート157H70、YX−315−75(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EHPE3150、プラクセルG402、PUE101、PUE105(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、エピクロン(登録商標)830、850、1050、N−680、N−690、N−695、N−770、HP−7200、HP−820、EXA−4850−1000(商品名、DIC社製)、デナコール(登録商標)EX−201、EX−251、EX−203、EX−313、EX−314、EX−321、EX−411、EX−511、EX−512、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−711、EX−731、EX−810、EX−911、EM−150(商品名、ナガセケムテックス社製)、エポライト(登録商標)70P、エポライト100MF(商品名、共栄社化学製)等が挙げられる。
また、イソシアネート基含有化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアナート、1,3−フェニレンビスメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、タケネート(登録商標)500、600、コスモネート(登録商標)NBDI、ND(商品名、三井化学社製)、デュラネート(登録商標)17B−60PX、TPA−B80E、MF−B60X、MF−K60X、E402−B80T(商品名、旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
また、ビスマレイミド化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、フェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、BMI−1000、BMI−1100、BMI−2000、BMI−2300、BMI−3000、BMI−4000、BMI−5100、BMI−7000、BMI−TMH、BMI−6000、BMI−8000(商品名、大和化成工業(株)製)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物中の架橋剤(D)の配合量としては、フェノール樹脂混合物(A)100質量部に対して、0.1質量部〜100質量部が好ましく、0.1〜40質量部がより好ましく、1〜30質量部が特に好ましい。該配合量が0.1質量部以上であれば熱硬化膜の熱物性及び機械強度が良好であり、一方で、100質量部以下であれば組成物のワニス状態での安定性及び熱硬化膜の伸度が良好であるため好ましい。
実施の形態では、熱酸発生剤(E)は、硬化温度を下げた場合でも、良好な硬化物の熱物性及び機械的物性を発現させるという観点から、感光性樹脂組成物に配合されることが好ましい。
(E)熱酸発生剤は、熱により酸を発生する化合物であればよい。熱酸発生剤(E)としては、限定されるものではないが、例えば、クロロ酢酸アリル、クロロ酢酸n−ブチル、クロロ酢酸t−ブチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸ベンジル、クロロ酢酸イソプロピル、クロロ酢酸2−メトキシエチル、ジクロロ酢酸メチル、トリクロロ酢酸メチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸2−エトキシエチル、シアノ酢酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、トリフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸メチル、トリフルオロ酢酸フェニル、トリフルオロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸イソプロピル、トリフルオロ酢酸アリル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸t−ブチル、2−クロロ安息香酸メチル、2−クロロ安息香酸エチル、4−クロロ安息香酸エチル、2,5−ジクロロ安息香酸エチル、2,4−ジクロロ安息香酸メチル、p−フルオロ安息香酸エチル、p−フルオロ安息香酸メチル、ペンタクロロフェニルカルボン酸t−ブチル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル、ペンタフルオロプロピオン酸エチル、クロトン酸t−ブチルなどのカルボン酸エステル類;フェノールフタレイン、チモールフタレインなどの環状カルボン酸エステル類;メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸2−メトキシエチル、メタンスルホン酸2−イソプロポキシエチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸2−フェニルエチル、p−トルエンスルホン酸n−プロピル、p−トルエンスルホン酸n−ブチル、p−トルエンスルホン酸t−ブチル、p−トルエンスルホン酸n−ヘキシル、p−トルエンスルホン酸n−ヘプチル、p−トルエンスルホン酸n−オクチル、p−トルエンスルホン酸2−メトキシエチル、p−トルエンスルホン酸プロパルギル、p−トルエンスルホン酸3−ブチニル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸n−ブチル、パーフルオロブタンスルホン酸エチル、パーフルオロブタンスルホン酸メチル、ベンジル(4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル(4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリメチルスルホニウムメチルスルファート、トリ−p−スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ピリジニウム−p−トルエンスルホナート、パーフルオロオクタンスルホン酸エチル等のスルホン酸エステル類;1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,3−プロパンスルトン、フェノールレッド、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープルなどの環状スルホン酸エステル類;並びに2−スルホ安息香酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、フタル酸無水物などが挙げられるが、熱により酸が発生する化合物であれば限定されない。
感光性樹脂組成物中の熱酸発生剤(E)の配合量としては、フェノール樹脂混合物(A)100質量部に対し、0.1質量部〜30質量部が好ましく、0.5質量部〜10質量部がより好ましく、1質量部〜5質量部であることがさらに好ましい。
シランカップリング剤としては、限定されるものではないが、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(例えば、信越化学工業株式会社製:商品名 KBM803、チッソ株式会社製:商品名 サイラエースS810など)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名 SIM6475.0)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(例えば、信越化学工業株式会社製:商品名 LS1375、アヅマックス株式会社製:商品名 SIM6474.0など)、メルカプトメチルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名 SIM6473.5C)、メルカプトメチルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名 SIM6473.0)、3−メルカプトプロピルジエトキシメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシジプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルジエトキシメトキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジプロポキシシラン、2−メルカプトエチルジメトキシプロポキシシラン、2−メルカプトエチルメトキシジプロポキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、4−メルカプトブチルトリエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリプロポキシシランが挙げられる。
また、シランカップリング剤としては、限定されるものではないが、例えば、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア(信越化学工業株式会社製:商品名 LS3610、アヅマックス株式会社製:商品名 SIU9055.0)、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ウレア(アヅマックス株式会社製:商品名 SIU9058.0)、N−(3−ジエトキシメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−エトキシジメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジエトキシプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−エトキシジプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジメトキシプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−メトキシジプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルエチル)ウレア、N−(3−エトキシジメトキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−エトキシジプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−ジメトキシプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−メトキシジプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルブチル)ウレア、N−(3−トリエトキシシリルブチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルブチル)ウレア、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名 SLA0598.0)、m−アミノフェニルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名 SLA0599.0)、p−アミノフェニルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名 SLA0599.1)アミノフェニルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名 SLA0599.2)、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン(アヅマックス株式会社製:商品名 SIT8396.0)が挙げられる。
また、シランカップリング剤としては、限定されるものではないが、例えば、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2−(ジメトキシシリルメチルエチル)ピリジン、2−(ジエトキシシリルメチルエチル)ピリジン、(3−トリエトキシシリルプロピル)−t−ブチルカルバメート、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラキス(メトキシエトキシシラン)、テトラキス(メトキシ−n−プロポキシシラン)、テトラキス(エトキシエトキシシラン)、テトラキス(メトキシエトキシエトキシシラン)、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)オクタジエン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ジ−t−ブトキシジアセトキシシラン、ジ−i−ブトキシアルミノキシトリエトキシシラン、ビス(ペンタジオネート)チタン−O,O’−ビス(オキシエチル)−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルシラントリオール、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルシフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシジ-p-トリルシラン、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、トリフェニルシラノール等が挙げられる。
実施の形態では、上記で列挙されたシランカップリング剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
上記で列挙されたシランカップリング剤の中でも、保存安定性の観点から、フェニルシラントリオール、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(p−トリル)シラン、ジフェニルシランジオール、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシジ−p−トリルシラン、トリフェニルシラノール、及び下記構造で表されるシランカップリング剤が好ましい。
Figure 0005999939
感光性樹脂組成物中のシランカップリング剤の配合量としては、フェノール樹脂混合物(A)100質量部に対して、0.01質量部〜20質量部が好ましい。
染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。感光性樹脂組成物中の染料の配合量としては、フェノール樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部が好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリグリコール類又はその誘導体などの非イオン系界面活性剤だけでなく、例えば、フロラード(登録商標、商品名、住友3M社製)、メガファック(登録商標、商品名、大日本インキ化学工業社製)、ルミフロン(登録商標、商品名、旭硝子社製)等のフッ素系界面活性剤;例えば、KP341(商品名、信越化学工業社製)、DBE(商品名、チッソ社製)、グラノール(商品名、共栄社化学社製)等の有機シロキサン界面活性剤なども挙げられる。
感光性樹脂組成物中の界面活性剤の配合量としては、フェノール樹脂混合物(A)100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましい。
溶解促進剤としては、例えば、水酸基又はカルボキシル基を有する化合物などが好ましい。水酸基を有する化合物の例としては、前述の感光性ジアゾナフトキノン化合物に使用しているバラスト剤、並びにパラクミルフェノール、ビスフェノール類、レゾルシノール類、及びMtrisPC、MtetraPC等の直鎖状フェノール化合物、TrisP−HAP、TrisP−PHBA、TrisP−PA等の非直鎖状フェノール化合物(全て本州化学工業社製)、ジフェニルメタンの2〜5個のフェノール性水酸基置換体、3,3−ジフェニルプロパンの1〜5個のフェノール性水酸基置換体、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物とをモル比1対2で反応させて得られる化合物、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと1,2−シクロヘキシルジカルボン酸無水物とをモル比1対2で反応させて得られる化合物、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシ5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド等が挙げられる。
また、カルボキシル基を有する化合物の例としては、3−フェニル乳酸、4−ヒドロキシフェニル乳酸、4−ヒドロキシマンデル酸、3,4−ジヒドロキシマンデル酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸、2−メトキシ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸、マンデル酸、アトロラクチン酸、α−メトキシフェニル酢酸、O−アセチルマンデル酸、イタコン酸等が挙げられる。
感光性樹脂組成物中の溶解促進剤の配合量としては、フェノール樹脂混合物(A)100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部が好ましい。
<硬化レリーフパターンの形成方法>
別の実施の形態では、上記で説明された感光性樹脂組成物を用いて硬化レリーフパターンを製造する方法が提供される。硬化レリーフパターンの製造方法は、以下の工程:
感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を基板に形成する工程、
該感光性樹脂層を露光する工程、
該露光の後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを得る工程、及び
該レリーフパターンを加熱処理する工程を含む。
硬化レリーフパターンの製造方法の一例を以下に説明する。
まず、上記で説明された感光性樹脂組成物を適当な支持体又は基板、例えばシリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等に塗布する。本明細書では、用語「基板」には、未加工の基板以外に、半導体素子又は表示体素子が表面に形成された基板も含まれる。感光性樹脂組成物を塗布するときに、形成するパターンと支持体との耐水接着性を確保するため、あらかじめ支持体又は基板にシランカップリング剤等の接着助剤を塗布しておいてもよい。感光性樹脂組成物の塗布は、例えば、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等で行われる。
次に、80℃〜140℃でプリベークして感光性樹脂組成物の塗膜を乾燥させる。乾燥後の塗膜の厚さは、1μm〜500μmであることが好ましい。
次に、感光性樹脂層は露光される。露光用の化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用されることができるが、200nm〜500nmの波長のものが好ましい。パターンの解像度及び取り扱い性の観点から、光源波長は、水銀ランプのg線、h線又はi線が好ましく、これらが単独でしようされるか、又は2つ以上の化学線を混合していてもよい。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、及びステッパ−が特に好ましい。露光後、必要に応じて、再度80℃〜140℃で塗膜を加熱してもよい。
次に、浸漬法、パドル法、回転スプレー法等の方法により、現像が行われる。現像により、塗布された感光性樹脂組成物から、露光部を溶出除去し、レリーフパターンを得ることができる。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩類等の水溶液、及び必要に応じて、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒、又は界面活性剤を適当量で添加した水溶液を使用することができる。これらの中で、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が好ましく、そして該テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの濃度は、好ましくは、0.5質量%〜10質量%であり、さらに好ましくは、1質量%〜5質量%である。
現像後、リンス液により洗浄を行い現像液を除去することにより、レリーフパターンが形成された基板を得ることができる。リンス液としては、例えば、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
最後に、このようにして得られたレリーフパターンを加熱することで硬化レリーフパターンを得ることができる。加熱温度は,
150℃以上300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。
半導体装置の永久膜用途に一般的に使われているポリイミド又はポリベンゾオキサゾール前駆体組成物を用いた硬化レリーフパターンの形成方法においては、300℃以上に加熱して脱水環化反応を進行させることにより、ポリイミド又はポリベンゾオキサゾール等に変換する必要があるが、本発明の硬化レリーフパターンの製造方法においてはより低温の加熱でも硬化させることができるので、熱に弱い半導体装置又は表示体装置にも好適に使用することができる。一例を挙げるならば、硬化レリーフパターンの製造方法は、プロセス温度に制約のある高誘電体材料又は強誘電体材料、例えばチタン、タンタル、又はハフニウム等の高融点金属の酸化物から成る絶縁層を有する半導体装置に好適に用いられる。また、半導体装置がこのような耐熱性上の制約を持たない場合であれば、もちろん、実施の形態においても、300℃〜400℃での加熱処理が行われてよい。このような加熱処理は、ホットプレート、オーブン、又は温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いることにより行うことができる。加熱処理を行うときの雰囲気気体としては、空気を用いてもよく、又は窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。また、より低温にて熱処理を行う必要が有るときには、真空ポンプ等を利用して減圧下にて加熱を行ってもよい。
実施の形態では、硬化レリーフパターンの製造方法は、半導装置に用いられる保護膜又は絶縁膜として必要な厚膜(硬化後5μm〜10μm)において、硬化後のレリーフパターンが埋まることなく、良好な形状の硬化レリーフパターン(硬化物)を与えることができる。評価方法は、下記の硬化レリーフパターン形状評価の欄に記載した。
<半導体装置>
別の実施の形態では、上記で説明された感光性樹脂組成物を用いて、上記で説明された方法で製造された硬化レリーフパターンを有する半導体装置も提供される。この実施の形態では、半導体装置は、半導体素子と該半導体素子の上部に設けられた硬化膜とを備えており、そして該硬化膜は、上記で説明された硬化レリーフパターンである。また、硬化レリーフパターンは、当該半導体素子に直接接触して積層されていてもよく、又は別の層を間に挟んで積層されていてもよい。例えば、該硬化膜として、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、及びバンプ構造を有する半導体装置の保護膜が挙げられる。実施の形態では、半導体装置は、既知の半導体装置の製造方法と上述した本発明の硬化レリーフパターンの製造方法とを組み合わせることで製造されることができる。
<表示体装置>
別の実施の形態では、上記で説明された感光性樹脂組成物を用いて、上記で説明された方法で製造された硬化レリーフパターンを有する表示体装置も提供される。この実施の形態では、表示体装置は、表示体素子と該表示体素子の上部に設けられた硬化膜とを備えており、そして該硬化膜は、上記で説明された硬化レリーフパターンである。また、硬化レリーフパターンは、当該表示体素子に直接接触して積層されていてもよく、又は別の層を間に挟んで積層されていてもよい。例えば、該硬化膜として、TFT液晶表示素子又はカラーフィルター素子の表面保護膜、絶縁膜、及び平坦化膜、MVA型液晶表示装置用の突起、並びに有機EL素子陰極用の隔壁を挙げることができる。実施の形態では、表示体装置は、上記で説明された半導体装置と同様に、既知の表示体装置の製造方法と上述した実施の形態の硬化レリーフパターンの製造方法とを組み合わせることで製造されることができる。
以下、合成例、実施例及び比較例により実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例中の測定条件は以下に示すとおりである。
<重量平均分子量>
各合成例で得たフェノール樹脂につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、以下の条件で分子量を測定し、標準ポリスチレン換算での重量平均分子量を求めた。
ポンプ:JASCO PU−980
検出器:JASCO RI−930
カラムオーブン:JASCO CO−965 40℃
カラム:Shodex KD−806M 直列に2本
移動相:0.1mol/l EtBr/NMP
流速:1ml/min.
<硬化レリーフパターンの形状評価>
感光性樹脂組成物をシリコンウエハー上にスピンコートし、ホットプレート上において該シリコンウエハー及びスピンコート膜を120℃で180秒間ホットプレートにてプリベークを行い、10μmの膜厚の塗膜を形成した。この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通して、i線(365nm)の露光波長を有するステッパNSR2005i8A(ニコン社製)を用いて露光量500mJ/cmのi線を照射することにより露光した。露光後、後述する実施例13についてのみ、120℃で180秒間ホットプレートにて再加熱した。次に、現像機(D−SPIN)により23℃で2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液AZ−300MIF(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用いて100秒間現像し、純水でリンスした後、縦型キュア炉VF200B(光洋サーモシステム社製)において、窒素雰囲気下、220℃で1時間に亘って硬化を行い、硬化レリーフパターンを得た。硬化パターンを光学顕微鏡で観察し、下記の基準にて評価した。但し、比較例5については、ネガ型のため、パターンが流れて形状が崩れてしまったものを「×」とした。結果を表2に示す。
○:10μm四方のレリーフパターンが埋まらずに形状を維持している。
△:10μm四方のレリーフパターンが埋まっているものの、20μm四方のレリーフパターンが埋まらずに形状を維持している。
×:20μm四方のレリーフパターンが埋まっている。
[合成例1]
<フェノール樹脂A−1bの合成>
容量0.5リットルのディーン・スターク装置付きセパラブルフラスラスコ中で、4−ヒドロキシ安息香酸メチル115.6g(0.76mol)、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル(以下「BMMB」ともいう。)121.2g(0.5mol)、ジエチル硫酸3.9g(0.025mol)、及びジエチレングリコールジメチルエーテル140gを70℃で混合攪拌し、固形物を溶解させた。
混合溶液をオイルバスにより140℃に加温し、反応液よりメタノールの発生を確認した。140℃で維持しながら反応液を2時間攪拌した。
次に反応容器を大気中で冷却し、これに別途100gのテトラヒドロフランを加えて攪拌した。上記反応希釈液を4Lの水に高速攪拌下で滴下し樹脂を分散析出させ、これを回収し、所望により水洗し、脱水の後に真空乾燥を施して、4−ヒドロキシ安息香酸メチル/BMMBから成る共重合体(A−1b)を収率70%で得た。
[合成例2]
<フェノール樹脂A−1cの合成>
容量1.0Lのディーン・スターク装置付きセパラブルフラスコを窒素置換し、その後、該セパラブルフラスコ中で、フェノール69.6g(0.74mol)、BMMB84.8g(0.35mol)、p−トルエンスルホン酸3.81g(0.02mol)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMEとも言う)116gを50℃で混合攪拌し、固形物を溶解させた。
溶解させた混合溶液をオイルバスにより120℃に加温し、反応液よりメタノールの発生を確認した。120℃を維持しながら反応液を3時間攪拌した。
次に、別の容器で2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール24.9g(0.150mol)、PGME249gを混合撹拌し、均一溶解させた溶液を、滴下漏斗を用いて、該セパラブルフラスコに1時間で滴下し、滴下後に更に2時間撹拌した。
反応終了後は合成例1と同様の処理を行い、フェノール/BMMB/2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾールから成る共重合体(A−1c)を収率77%で得た。
[合成例3]
<感光性ジアゾナフトキノンB−1の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(35)で表される3,3’−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン(旭有機材工業社製 商品名 BIPC−BI25X−F)30gを用い、このOH基の50モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドをアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン12gにトリエチルアミン12gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸22gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−1)を得た。
Figure 0005999939
[合成例4]
<感光性ジアゾナフトキノンB−2の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(28)で表される化合物(旭有機材工業社製 商品名 BIPC−BI25X−TPA)30g(0.0565モル)を用い、このOH基の80モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド48.6g(0.181モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン18gにトリエチルアミン18.3gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸22gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−2)を得た。
Figure 0005999939
[合成例5]
<感光性ジアゾナフトキノンB−3の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(29)で表される化合物(本州化学工業社製 商品名 Tekoc−4HBPA)30g(0.0474モル)を用い、このOH基の80モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド40.76g(0.152モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン15gにトリエチルアミン15.4gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸22gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−3)を得た。
Figure 0005999939
[合成例6]
<感光性ジアゾナフトキノンB−4の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(30)で表される3,3’,5,5’−テトラキス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルプロパン(旭有機材工業社製 商品名 TEPC−BIP−A)30g(0.0423モル)を用い、このOH基の80モル%に相当する量の1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸クロライド36.39g(0.135モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン14gにトリエチルアミン13.7gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸22gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B-4)を得た。
Figure 0005999939
[合成例7]
<感光性ジアゾナフトキノンB−5の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(31)で表される化合物(旭有機材工業社製 商品名 BIPC−PDAB)30g(0.0482モル)を用い、このOH基の62.5モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド64.75g(0.241モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン24gにトリエチルアミン24.4gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸30gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−5)を得た。
Figure 0005999939
[合成例8]
<感光性ジアゾナフトキノンB−6の合成>
レゾルシノール102.4g(0.92mol)及びヘキサナール92.0g(0.92mol)をエタノール920ml中に溶解し、0℃に冷却し、148mlの12N塩酸を滴下して攪拌した。次に、この混合物を窒素雰囲気下、70℃で10時間攪拌した。室温に冷却した後、濾過によって沈殿物を除去した。濾液を80℃の水で洗浄した後、乾燥して、得られた固体をメタノール、ヘキサン及びアセトン混合溶媒で再結晶を行なった。その後、真空乾燥を行なって、下記式(36)で表されるレゾルシン環状4量体を収率50%で得た。
Figure 0005999939
次に、76.9g(0.1mol)のレゾルシン環状4量体に、134.3g(0.5mol、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化率62.5%相当)の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド及び1057gのテトラヒドロフランを加えて、20℃で撹拌溶解した。混合物に、53.14g(0.525mol)のトリエチルアミンを266gのテトラヒドロフランで希釈した希釈物を、30分掛けて一定速度で滴下した。この反応時には、氷水浴を用いて反応液の温度を20〜30℃の範囲で制御した。滴下終了後、更に30分間、20℃で撹拌放置した後、36質量%濃度の塩酸水溶液6.83gを一回で投入し、次いで反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形分を吸引濾別した。得られた濾液を、0.5質量%濃度の塩酸水溶液10リットルに、その撹拌下で1時間掛けて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク(cake)状回収物を、再度イオン交換水5リットルに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で48時間に亘って真空乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−6)を得た。
[合成例9]
<感光性ジアゾナフトキノンB−7の合成>
1Lセパラブルフラスラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン109.9g(0.3mol)、テトラヒドロフラン(THF)330g、ピリジン47.5g(0.6mol)を入れ、さらに室温下で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物98.5g(0.6mol)を粉体のままで加えた。混合物に室温で3日間に亘って撹拌反応を行なった後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま1Lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、生成物を析出させた。
次に、析出物を濾別した後、THF500mLを加え、撹拌溶解して均一溶液を得た。陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバーリスト15)100gが充填されたガラスカラムに均一溶液を通して、残存するピリジンを除去した。次に、この溶液を3Lのイオン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、これを濾別した後、真空乾燥することにより下記式(33)で表される構造を有するイミドフェノール化合物(NI)を収率86%で得た。
Figure 0005999939
生成物がイミド化していることは、IRチャートにおいて、1394cm−1及び1774cm−1のイミド基の特性吸収が現れ、一方で、1540cm−1及び1650cm−1付近のアミド基の特性吸収が存在しないこと、並びにNMRチャートにおいて、アミド及びカルボン酸のプロトンのピークが存在しないことにより確認した。次に、上記イミドフェノール化合物(NI)65.9g(0.1モル)に、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドを53.7g(0.2モル)及びアセトン560gを加え、20℃で撹拌溶解した。混合物に、トリエチルアミン21.2g(0.21モル)をアセトン106.2gで希釈した希釈物を、30分掛けて一定速度で滴下した。この反応時には、氷水浴などを用いて反応液の温度を20〜30℃の範囲で制御した。
滴下終了後、反応物を20℃で30分間に亘って撹拌しながら放置した後、36質量%濃度の塩酸水溶液5.6gを一回で投入し、反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形分を吸引濾別した。得られた濾液を、0.5質量%濃度の塩酸水溶液5Lに、撹拌しながら1時間掛けて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5Lに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で48時間に亘って真空乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−7)を得た。
[合成例10]
<感光性ジアゾナフトキノンB−8aの合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(21)で表される4,4’−(1−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール(本州化学工業社製 商品名 Tris−PA)30g(0.0707モル)を用い、このOH基の83.3モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド47.49g(0.177モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン18gにトリエチルアミン17.9gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸30gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−8a)得た。
Figure 0005999939
[合成例11]
<感光性ジアゾナフトキノンB−8bの合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として上記式(21)で表される4,4’−(1−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール(本州化学工業社製 商品名 Tris−PA)30g(0.0707モル)を用い、このOH基の83.3モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド47.49g(0.177モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン18gにトリエチルアミン17.9gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸30gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−8b)を得た。
[合成例12]
<感光性ジアゾナフトキノンB−9の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(22)で表される化合物(本州化学工業社製 商品名 TPPA1100−2C)30g(0.0269モル)を用い、このOH基の80モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド51.98g(0.193モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン20gにトリエチルアミン19.5gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸30gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−9)を得た。
Figure 0005999939
[合成例13]
<感光性ジアゾナフトキノンB−10の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(24)で表される4,6−ビス((4−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(本州化学工業社製 商品名 BisHPMC−RS)30g(0.0857モル)を用い、このOH基の80モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド73.7g(0.274モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン28gにトリエチルアミン27.7gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸30gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B-10)を得た。
Figure 0005999939
[合成例14]
<感光性ジアゾナフトキノンB−11の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(25)で表される4,4’,4’’−メチリジントリスフェノール(本州化学工業社製 商品名 TrisP−PHBA)30g(0.103モル)を用い、このOH基の80モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド66.25g(0.247モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン25gにトリエチルアミン25.0gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸30gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−11)を得た。
Figure 0005999939
[合成例15]
<感光性ジアゾナフトキノンB−12の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(27)で表される化合物30g(0.032モル)を用い、このOH基の80モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド62.47g(0.233モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン24gにトリエチルアミン23.6gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸30gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−12)を得た。
Figure 0005999939
[合成例16]
<感光性ジアゾナフトキノンB−13の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコに、ヒドロキシ化合物として下記式(20)で表される構造を有するp−クミルフェノール(三井化学ファイン社製)30g(0.141モル)を用い、このOH基の100モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド37.9g(0.141モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン18gにトリエチルアミン17.9gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸30gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−13)を得た。
Figure 0005999939
[合成例17]
<感光性ジアゾナフトキノンB−14の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにポリヒドロキシ化合物として下記式(19)で表される化合物(旭有機材工業社製、商品名;BIMC−BZ)(上記式(3)に対応する化合物)15.0g(50mmol)を用い、このOH基の90mol%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド24.2g(90mmol)をアセトン197.4gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。これに、トリエチルアミン9.56g(94.5mmol)をアセトン47.8gで希釈したものを30分掛けて一定速度で滴下した。この際、反応液は氷水浴を用いて20〜30℃の範囲で温度制御した。滴下終了後、更に30分間、20℃で撹拌放置した後、36質量%濃度の塩酸水溶液3.6g(24.9mmol)を一回で投入し、次いで反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形物を吸引濾別した。この際得られた濾液を、0.5質量%濃度の塩酸水溶液5Lに、その撹拌下で1時間掛けて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水3Lに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を40℃で48時間に亘って真空乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−14)を得た。
Figure 0005999939
[合成例18]
<感光性ジアゾナフトキノンB−15の合成>
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した1Lセパラブルフラスコにヒドロキシ化合物として下記式(37)で表される2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン 30g(0.13モル)を用い、このOH基の67モル%に相当する量の1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸クロライド69.9g(0.26モル)をアセトン300gに撹拌溶解した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次に、アセトン26gにトリエチルアミン26.3gを溶解し、滴下ロートに仕込んだ後、これを30分掛けてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後、更に30分間撹拌を続け、その後、塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行なって、反応を終了させた。その後、反応物を濾過して、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。3Lビーカー中で純水1640gと塩酸30gを混合撹拌し、混合物に濾液を撹拌しながら滴下して、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、感光性ジアゾナフトキノン(B−15)を得た。
Figure 0005999939
[実施例1]
表1に示すとおり、フェノール樹脂(A−1a)50質量部、フェノール樹脂(A−2a)50質量部、感光性ジアゾナフトキノン(B−1)12質量部、及び架橋剤(D−1)5質量部、を溶剤(C−1)217質量部に溶解させ、0.1μmのフィルターで濾過してポジ型感光性樹脂組成物を調製した。この組成物の特性を前記の評価方法に従って測定した。得られた結果を表2に示す。
[実施例2〜31]
表1に示した成分から成る組成物を実施例1と同様に調製し、組成物及びその硬化膜の特性を実施例1と同様に測定した。得られた結果を表2に示す。
[比較例1〜3]
表1に示した成分から成る組成物を実施例1と同様に調製し、組成物及びその硬化膜の特性を実施例1と同様に測定した。得られた結果を表2に示す。
[比較例4]
上記特許文献3の実施例1と同様の組成物を、本明細書の実施例1と同様の手段で調製し、組成物及びその硬化膜の特性を本明細書の実施例1と同様に測定した。得られた結果を表2に示す。
[比較例5]
上記特許文献4の実施例1に記載された組成物のうち、フェノール樹脂(A−1a,A−2b)、光酸発生剤(B−16)、架橋剤(D−1)について、同じものを用いた。具体的にはフェノール樹脂(A−1a)50質量部、(A−2b)50質量部、架橋剤(D−1)5質量部に、光酸発生剤(B−16)15質量部を加え、溶剤(C−1)223質量部に溶解させ、0.1μmのフィルターで濾過してネガ型感光性樹脂組成物を調製した。この組成物の特性を前記評価方法に従って測定した。得られた結果を表2に示す。
Figure 0005999939
表1に記載の組成は、以下のとおりである。
<フェノール樹脂(A)>
A−1a:フェノール/ビフェニル樹脂、ポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)=2,400(明和化成社製、製品名MEH−7851M)
A−1b:4−ヒドロキシ安息香酸メチル/BMMBから成る共重合体、ポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)=20,000
A−1c:フェノール/BMMB/2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾールから成る共重合体、ポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)=9,800
A−2a:ノボラック樹脂、ポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)=10,600(旭有機材社製、製品名EP−4080G)
A−2b:ポリパラビニルフェノール、ポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)=10,000(丸善石油化学社製、製品名:マルカリンカーM、S−4)
<光酸発生剤(B)>
B−1:合成例3に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−2:合成例4に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−3:合成例5に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−4:合成例6に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−5:合成例7に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−6:合成例8に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−7:合成例9に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−8a:合成例10に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−8b:合成例11に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−9:合成例12に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−10:合成例13に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−11:合成例14に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−12:合成例15に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−13:合成例16に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−14:合成例17に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−15:合成例18に記載した感光性ジアゾナフトキノン
B−16:トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(旭電化工業社製、商品名;SP−150)
<溶剤(C)>
C−1:γ−ブチロラクトン(GBL)
<架橋剤(D)>
D−1:1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(三和ケミカル製、商品名;ニカラックMX−270)
Figure 0005999939
表2から、実施例で調製された感光性樹脂組成物は、半導装置に用いられる保護膜又は絶縁膜として必要な厚膜(硬化後5μm〜10μm)において、硬化後のレリーフパターンが崩れてパターンが埋まることなく、かつ良好な形状の硬化レリーフパターンを与えることができる、硬化膜を形成することができると分かる。したがって、本発明は、これらの諸特性に優れた半導体素子用の層間絶縁膜又は表面保護膜などを提供することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、半導体装置、表示体装置及び発光装置の表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、並びに液晶配向膜等として好適に利用できる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0005999939

    {式(1)中、aは、0〜3の整数であり、R1は、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる少なくとも1つの1価の置換基を表し、aが2又は3である場合には、複数のR1は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよく、そしてXは、下記一般式(10):
    Figure 0005999939

    [式(10)中、R 、R 、R 及びR 10 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されている炭素数1〜10の1価の脂肪族基を表し、そしてYは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(2):
    Figure 0005999939

    (式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表されるアルキレンオキシド基、及び下記式(11):
    Figure 0005999939

    で表される2価の基から成る群から選ばれる少なくとも1つの2価の有機基を表す。]で表される2価の基である。}で表される構造を有するフェノール樹脂(A−1)と、ノボラック樹脂又はポリヒドロキシスチレン樹脂から選択される少なくとも1つのフェノール樹脂(A−2)とを、該フェノール樹脂(A−1)/該フェノール樹脂(A−2)の質量比として10/90〜90/10で含むフェノール樹脂混合物(A):100質量部;
    感光性ジアゾナフトキノン化合物(B):0.1質量部〜70質量部;及び
    溶剤(C):100質量部〜1000質量部;
    を含む感光性樹脂組成物であって、該感光性ジアゾナフトキノン化合物(B)は、下記一般式(3)〜(7):
    Figure 0005999939

    {式(3)中、X及びXは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜60の1価の有機基を表し、X及びXは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜60の1価の有機基を表し、r1、r2、r3及びr4は、それぞれ独立に、0〜5の整数であり、r3及びr4の少なくとも1つは、1〜5の整数であり、r1+r3=5であり、そしてr2+r4=5である。}
    Figure 0005999939

    {式(4)中、Zは、炭素数1〜20の4価の有機基を表し、X、X、X及びXは、それぞれ独立に、炭素数1〜30の1価の有機基を表し、r6は、0又は1の整数であり、r5、r7、r8及びr9は、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、r10、r11、r12及びr13は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、そしてr10、r11、r12及びr13の少なくとも1つは、1又は2である。}
    Figure 0005999939

    {式(5)中、r14は、1〜5の整数であり、r15は、3〜8の整数であり、(r14×r15)個のLは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の1価の有機基を表し、(r15)個のTは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を表し、そして(r15)個のSは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を表す。}
    Figure 0005999939

    {式(6)中、Aは、脂肪族の3級又は4級炭素を含む2価の有機基を表し、そしてMは、2価の有機基を表す。}
    Figure 0005999939

    {式(7)中、r17、r18、r19及びr20は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、r17、r18、r19及びr20の少なくとも1つは、1又は2であり、X10〜X19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリル基及びアシル基から成る群から選択される少なくとも1つの1価の基を表し、そしてY〜Yは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、フェニレン及び炭素数1〜20の2価の有機基から成る群から選択される少なくとも1つの2価の基を表す。}
    から成る群から選択される少なくとも1つのヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル及び/又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルである、前記感光性樹脂組成物。
  2. 前記一般式(3)で表されるヒドロキシ化合物は、下記一般式(8):
    Figure 0005999939

    {式(8)中、r16は、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、そしてXは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を表す。}
    で表される化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記一般式(4)において、Zは、下記式:
    Figure 0005999939

    から成る群から選択される少なくとも1つの4価の基である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(12):
    Figure 0005999939

    で表される2価の有機基である、請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記一般式(1)において、Xは、下記一般式(13):
    Figure 0005999939

    で表される2価の有機基である、請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記フェノール樹脂(A−1)は、下記一般式(14):
    Figure 0005999939

    {式(14)中、R11は、炭化水素基又はアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つの炭素数1〜10の1価の基であり、nは、0〜3の整数であり、mは、1〜500の整数であり、そしてnが2又は3である場合には、複数のR11は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよい。}で表される構造及び下記一般式(15):
    Figure 0005999939

    {式(15)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭化水素基又はアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つの炭素数1〜10の1価の基であり、n及びnは、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、mは、1〜500の整数であり、nが2又は3である場合には、複数のR12は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよく、そしてnが2又は3である場合には、複数のR13は、それぞれ同一であるか、又は異なっていてよい。}で表される構造の両方を同一樹脂骨格内に有するフェノール樹脂である、請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 以下の工程:
    (1)請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を基板上に形成する工程、
    (2)該感光性樹脂層を露光する工程、
    (3)該感光性樹脂層を現像して、レリーフパターンを得る工程、
    (4)該レリーフパターンを加熱処理する工程、
    を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
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