JP7293796B2 - 樹脂組成物、硬化物、半導体素子及び電子デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物、硬化物、半導体素子及び電子デバイスに関する。
近年、半導体素子の高集積化及び小型化に伴い、半導体素子の表面保護層、層間絶縁層等の絶縁層は、優れた電気特性、耐熱性、機械特性等を有することが求められている。このような絶縁層を形成するための材料として、各種樹脂組成物が開発されている(例えば、下記特許文献1~4参照)。例えば、特許文献4には、5-アミノテトラゾール等の含窒素芳香族化合物を含有する樹脂組成物が開示されている。
特開2008-309885号公報 特開2007-57595号公報 国際公開第2010/073948号 国際公開第2013/088852号
半導体素子を作製する際に、銅を含む金属層(例えば銅配線)を絶縁層上に形成する場合、又は、銅を含む金属層(例えば銅配線)上に絶縁層を形成する場合がある。絶縁層としては、硬化性の樹脂組成物の硬化物を用いることができる。銅に対する硬化物の密着性が不充分であると、銅を含む金属層と硬化物との間で剥離が生じることがある。そして、このような剥離が生じると、断線、パッケージクラック等が起こることがある。一方、硬化物と銅との密着性を向上させるために密着助剤を用いた場合、樹脂組成物を長期間保存すると、粘度が上昇すること等により、樹脂組成物を用いて所望の厚さの樹脂膜(硬化して硬化物となる樹脂膜)が得られ難いことがある。そのため、樹脂組成物に対しては、銅に対する密着性に優れた硬化物を得ることが可能であると共に、優れた保存安定性を有することが求められる。
本発明の一側面は、銅に対する密着性に優れた硬化物を得ることが可能であると共に、優れた保存安定性を有する樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。また、本発明の他の一側面は、当該硬化物を有する半導体素子を提供することを目的とする。さらに、本発明の他の一側面は、当該半導体素子を備える電子デバイスを提供することを目的とする。
本発明の一側面は、樹脂成分と、トリアジン化合物と、架橋剤と、を含有し、前記トリアジン化合物がアミノ基及びフェノール性水酸基を有する、樹脂組成物を提供する。
上述の樹脂組成物によれば、銅に対する密着性に優れた硬化物を得ることができる。また、上述の樹脂組成物によれば、優れた保存安定性を得ることが可能であり、樹脂組成物を長期間保存する場合であっても、樹脂組成物を用いて所望の厚さの樹脂膜を得ることができる。
本発明の他の一側面は、上述の樹脂組成物の硬化物を提供する。本発明の他の一側面は、上述の硬化物を有する半導体素子を提供する。本発明の他の一側面は、上述の半導体素子を備える電子デバイスを提供する。
本発明の一側面によれば、銅に対する密着性に優れた硬化物を得ることが可能であると共に、優れた保存安定性を有する樹脂組成物及びその硬化物を提供することができる。また、本発明の他の一側面によれば、当該硬化物を有する半導体素子を提供することができる。さらに、本発明の他の一側面によれば、当該半導体素子を備える電子デバイスを提供することができる。本発明の他の一側面によれば、半導体素子又は電子デバイスへの樹脂組成物又はその硬化物の応用を提供することができる。
半導体素子の製造工程の一例を示す図である。 半導体素子の製造工程の一例を示す図である。 半導体素子の製造工程の一例を示す図である。 半導体素子の製造工程の一例を示す図である。 半導体素子の製造工程の一例を示す図である。 半導体素子の一例を示す概略断面図である。 半導体素子の一例を示す概略断面図である。 密着性の評価結果の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「層」又は「膜」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」等の他の類似の表現においても同様である。
本明細書において重量平均分子量は、例えば、下記条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得ることができる。
[測定装置]
検出器:L4000UV(株式会社日立製作所製)
ポンプ:L6000(株式会社日立製作所製)
カラム:Gelpack GL-S300MDT-5×2本
[測定条件]
溶離液:THF
LiBr(0.03mol/L)、HPO(0.06mol/L)
流速:1.0mL/分
検出器:UV270nm
測定方法:試料0.5mgに対して溶媒1mL(THF/DMF=1/1(容積比))の溶液を用いて測定する。
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、(A)樹脂成分(以下、場合により「(A)成分」という。)と、(B)トリアジン化合物(トリアジン環を有する化合物。以下、場合により「(B)成分」という。)と、(C)架橋剤(以下、場合により「(C)成分」という。)と、を含有し、トリアジン化合物がアミノ基及びフェノール性水酸基を有する。
本実施形態に係る樹脂組成物によれば、銅に対する密着性に優れた硬化物を得ることができる。本実施形態に係る樹脂組成物によれば、リフロー試験を施す場合であっても銅に対する密着性に優れた硬化物を得ることができる。本実施形態に係る樹脂組成物によれば、リフロー試験を施した後に温度サイクル試験を施す場合であっても銅に対する密着性に優れた硬化物を得ることができる。本実施形態に係る樹脂組成物によれば、信頼性に優れた半導体素子及び電子デバイスを得ることができる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物によれば、樹脂組成物を保存(例えば、室温(23℃)で保存)した際に優れた保存安定性(保管安定性)を得ることが可能であり、樹脂組成物を長期間(例えば2週間)保存する場合であっても、樹脂組成物を用いて保存前後で同等の厚さの樹脂膜を得ることができる。この場合、樹脂組成物を無駄に廃棄することなく長期間使用することができる。
本発明者の知見によれば、アミノ基及びフェノール性水酸基のうちの一方のみを有するトリアジン化合物を用いるのみでは、銅に対する密着性に優れた硬化物が得られる場合があるものの、当該優れた密着性を得つつ優れた保存安定性を得ることができない。一方、本実施形態に係る樹脂組成物によれば、優れた密着性と保存安定性とを両立することができる。アミノ基と銅との相互作用、及び、フェノール性水酸基と樹脂組成物の他成分(樹脂成分等)との相互作用が好適に作用することにより優れた密着性が得られると推察される。また、アミノ基を有するもののフェノール性水酸基を有さないトリアジン化合物を用いるのみでは、アミノ基が樹脂組成物の他成分と反応するために保存安定性が低下しやすい傾向にあるが、トリアジン化合物がフェノール性水酸基を有する場合には、アミノ基の反応性が抑制されることにより優れた保存安定性が得られると推察される。但し、優れた密着性及び保存安定性が得られる原因は当該内容に限定されない。
本実施形態に係る樹脂組成物は、硬化性の樹脂組成物として用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物は、絶縁性の樹脂組成物として用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物は、絶縁性の硬化物を得るための樹脂組成物として用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物は、感光性樹脂組成物として用いることが可能であり、アルカリ可溶性を有してよい。例えば、本実施形態に係る樹脂組成物は、ポジ型の感光性樹脂組成物として用いることができる。
((A)成分:樹脂成分)
本実施形態に係る樹脂組成物は、樹脂成分を含有する。樹脂成分は、ベース樹脂として用いることができる。樹脂成分としては、熱硬化性成分、光硬化性成分等を用いることができる。(A)成分は、1種の樹脂成分を含んでよく、2種以上の樹脂成分を含んでいてもよい。(A)成分としては、(B)成分に該当する化合物とは異なる化合物を用いることができる。
(A)成分は、アルカリ水溶液に可溶なアルカリ可溶性樹脂であってよい。アルカリ水溶液としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等のアルカリ性の水溶液が挙げられる。(A)成分がアルカリ可溶性樹脂を含有する場合、本実施形態に係る樹脂組成物は、アルカリ水溶液を用いて現像しやすい。
(A)成分がアルカリ水溶液に可溶であることは、例えば、以下のようにして確認することができる。(A)成分を任意の溶媒に溶解して得られたワニスを、シリコンウェハ等の基板上にスピンコートして形成することにより厚さ5μm程度の塗膜を得る。この塗膜をアルカリ水溶液(TMAH水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等)に20~25℃において浸漬する。その結果、塗膜が均一に溶解し得る場合、(A)成分がアルカリ性水溶液に可溶であると見なすことができる。
(A)成分は、銅に対する優れた密着性が得られやすい観点、及び、アルカリ水溶液への溶解性に優れる観点から、フェノール性水酸基を有する樹脂を含むことが好ましい。フェノール性水酸基を有する樹脂としては、例えば、ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレンに由来する構造単位を有する共重合体等のヒドロキシスチレン系樹脂;フェノール樹脂;ポリ(ヒドロキシアミド)等のポリベンゾオキサゾール前駆体;ポリ(ヒドロキシフェニレン)エーテル;ポリナフトールが挙げられる。
(A)成分は、電気特性(例えば絶縁性)に優れる観点、及び、硬化時の体積収縮が小さい観点から、ヒドロキシスチレン系樹脂を含むことが好ましい。ヒドロキシスチレン系樹脂は、下記一般式(A1)で表される構造単位を有してよい。
Figure 0007293796000001
式(A1)中、Ra11は水素原子又はメチル基を示し、Ra12はアルキル基、アリール基又はアルコキシ基を示し、m11は0~5の整数を示し、m12は1~3の整数を示す。m11とm12の合計は5以下である。m11は、0~4の整数又は0~3の整数であってよい。
a12のアルキル基としては、炭素数1~10のアルキル基を用いることができる。Ra12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。Ra12のアリール基としては、炭素数6~10のアリール基を用いることができる。Ra12のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。Ra12のアルコキシ基としては、炭素数1~10のアルコキシ基を用いることができる。Ra12のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノノキシ基及びデコキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
ヒドロキシスチレン系樹脂は、一般式(A1)で表される構造単位を与えるモノマを重合させることで得ることができる。一般式(A1)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、p-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシスチレン、o-ヒドロキシスチレン、p-イソプロペニルフェノール、m-イソプロペニルフェノール及びo-イソプロペニルフェノールが挙げられる。一般式(A1)で表される構造単位を与えるモノマは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ヒドロキシスチレン系樹脂は、その製造方法に制限されないが、例えば、一般式(A1)で表される構造単位を与えるモノマの水酸基をt-ブチル基、アセチル基等で保護して得られるモノマを重合することにより重合体を得た後、重合体を公知の方法(酸触媒下で脱保護してヒドロキシスチレン系構造単位に変換すること等)で脱保護することにより得ることができる。
一般式(A1)は、Ra11が水素原子であること、m11が0であること、及び、m12が1であることの少なくとも一つを満たしてよい。
ヒドロキシスチレン系樹脂は、一般式(A1)で表される構造単位からなる重合体(単独重合体)を含んでよく、一般式(A1)で表される構造単位と他の構造単位とを有する共重合体を含んでよい。一般式(A1)で表される構造単位の割合は、アルカリ水溶液に対する溶解性に優れる観点から、(A)成分を構成する構造単位100モル%に対して、10~100モル%が好ましく、20~97モル%がより好ましく、30~95モル%が更に好ましく、50~95モル%が特に好ましい。
ヒドロキシスチレン系樹脂は、下記一般式(A2)で表される構造単位を有してよく、一般式(A1)で表される構造単位と、一般式(A2)で表される構造単位とを有してよい。
Figure 0007293796000002
式(A2)中、Ra21は水素原子又はメチル基を示し、Ra22はアルキル基、アリール基又はアルコキシ基を示し、m2は0~5の整数を示す。m2は、0~4の整数又は0~3の整数であってよい。
a22のアルキル基、アリール基又はアルコキシ基としては、例えば、上述のRa12と同様の基が挙げられる。
一般式(A2)で表される構造単位を有するヒドロキシスチレン系樹脂は、一般式(A2)で表される構造単位を与えるモノマを重合させることで得ることができる。一般式(A2)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o-メトキシスチレン、m-メトキシスチレン、p-メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。一般式(A2)で表される構造単位を与えるモノマは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ヒドロキシスチレン系樹脂が、一般式(A2)で表される構造単位を有する場合、一般式(A2)で表される構造単位の割合は、銅に対する優れた密着性が得られやすい観点、及び、硬化物の吸水性に優れる観点から、(A)成分を構成する構造単位100モル%に対して、1~90モル%が好ましく、3~80モル%がより好ましく、5~70モル%が更に好ましく、5~50モル%が特に好ましい。
一般式(A2)は、Ra21が水素原子であること、及び、m2が0であることの少なくとも一つを満たしてよい。
ヒドロキシスチレン系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を有してもよく、一般式(A1)で表される構造単位と、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位とを有してよい。(メタ)アクリル酸エステルは、アルキル基(ヒドロキシアルキル基を除く)及びヒドロキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する化合物であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ヒドロキシスチレン系樹脂が、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を有する場合、硬化物の機械特性に優れる観点から、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位の割合は、(A)成分を構成する構造単位100モル%に対して、1~90モル%が好ましく、3~80モル%がより好ましく、5~70モル%が更に好ましく、5~50モル%が特に好ましい。
(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、アルカリ水溶液に対する溶解性と、硬化物の機械特性とのバランスに優れる観点から、1000~500000が好ましく、2000~200000がより好ましく、2000~100000が更に好ましく、3000~50000が特に好ましく、5000~30000が極めて好ましく、8000~20000が非常に好ましく、9000~15000がより一層好ましい。
(A)成分の含有量は、樹脂組成物の全質量(固形分の全質量。以下も同様)を基準として下記の範囲であってよい。(A)成分の含有量は、40質量%以上であってよく、45質量%以上であってよく、50質量%以上であってよく、55質量%以上であってよい。(A)成分の含有量は、70質量%以下であってよく、65質量%以下であってよく、60質量%以下であってよく、58質量以下であってよく、56質量%以下であってよく、55質量%以下であってよい。これらの観点から、(A)成分の含有量は、40~70質量%であってよい。
((B)成分:トリアジン化合物)
本実施形態に係る樹脂組成物は、トリアジン化合物を含有し、当該トリアジン化合物がアミノ基及びフェノール性水酸基を有する。トリアジン化合物は、イミノ基(例えば-NH-)を有してよい。
(B)成分におけるトリアジン環の数は、1以上である。(B)成分におけるトリアジン環の数は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。
アミノ基としては、アンモニア、第1級アミン又は第2級アミンから水素原子を除去した1価の官能基を用いることができる。(B)成分は、第1級アミン、第2級アミン、及び、第3級アミンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことができる。トリアジン化合物は、トリアジン環(トリアジン環を構成する炭素原子)に直接結合したアミノ基を有してよく、炭素鎖を介してトリアジン環に結合するアミノ基を有してよい。
(B)成分におけるアミノ基の数(例えば、トリアジン環に直接結合したアミノ基の数)は、下記の範囲が好ましい。アミノ基の数は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、1以上であり、2以上が好ましい。アミノ基の数は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。これらの観点から、アミノ基の数は、1~5が好ましい。
(B)成分におけるフェノール性水酸基の数は、下記の範囲が好ましい。フェノール性水酸基の数は、1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。フェノール性水酸基の数は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、6以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下が更に好ましい。これらの観点から、フェノール性水酸基の数は、1~6が好ましい。
(B)成分は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、下記一般式(B1)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 0007293796000003
一般式(B1)中、Rb1はアルキル基、アリール基又はアルコキシ基を示し、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5はそれぞれ独立にアルキル基又は水素原子を示し、Xはイミノ基又はアルキレン基を示し、n11は1以上の整数を示し、n12は1~4の整数を示し、n13は0~3の整数を示し、n14は1~10の整数を示し、n15及びn16はそれぞれ独立に0以上の整数を示す。n12とn13の合計は1~4である。
b1のアルキル基としては、炭素数1~10のアルキル基を用いることができる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。Rb1のアルキル基としては、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、炭素数1~10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
b1のアリール基としては、炭素数6~10のアリール基を用いることができる。アリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
b1のアルコキシ基としては、炭素数1~10のアルコキシ基を用いることができる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノノキシ基及びデコキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
b2、Rb3、Rb4及びRb5は、それぞれ独立にアルキル基又は水素原子を示す。アルキル基としては、炭素数1~10のアルキル基を用いることができる。アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5からなる群より選ばれる少なくとも一種が水素原子であることが好ましく、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5の全てが水素原子であることがより好ましい。
Xは、イミノ基(-NH-)又はアルキレン基を示す。アルキレン基としては、炭素数1~10のアルキレン基を用いることができる。Xは、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、イミノ基が好ましい。
一般式(B1)は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、下記の特徴の少なくとも一つを満たすことが好ましく、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5からなる群より選ばれる少なくとも一種が水素原子であると共に、下記の特徴の少なくとも一つを満たすことがより好ましい。n11は、1~10であってよい。n12は、1~3が好ましく、1又は2がより好ましい。n13は、0、1又は2が好ましい。n14は、1~5が好ましく、1~4がより好ましく、1~3が更に好ましく、1又は2が特に好ましい。n15及びn16からなる群より選ばれる少なくとも一種は、0~5が好ましく、0~3がより好ましく、0~2が更に好ましく、0又は1が特に好ましい。n14を有するアルキレン基は、フェノール性水酸基に対してオルト又はメタ位に位置していることが好ましい。n13が1以上である場合、Rb1は、フェノール性水酸基に対してオルト位又はメタ位に位置していることが好ましい。
(B)成分は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、一般式(B1)において、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5からなる群より選ばれる少なくとも一種が水素原子であり、n12が1であり、且つ、n13が0又は1である化合物を含むことが好ましく、一般式(B1)において、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5からなる群より選ばれる少なくとも一種が水素原子であり、n12が1であり、n13が0又は1であり、n14が1であり、n15が0であり、且つ、n16が0である化合物を含むことがより好ましく、一般式(B1)において、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5の全てが水素原子であり、n12が1であり、n13が0又は1であり、n14が1であり、前記n15が0であり、且つ、n16が0である化合物を含むことが更に好ましい。(B)成分は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、一般式(B1)において、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5からなる群より選ばれる少なくとも一種が水素原子であり、n12が1であり、n13が1であり、且つ、Rb1がアルキル基(例えばメチル基)である化合物を含むことが好ましく、一般式(B1)において、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5からなる群より選ばれる少なくとも一種が水素原子であり、n12が1であり、n13が1であり、n14が1であり、n15が0であり、n16が0であり、且つ、Rb1がアルキル基(例えばメチル基)である化合物を含むことがより好ましく、一般式(B1)において、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5の全てが水素原子であり、n12が1であり、n13が1であり、n14が1であり、n15が0であり、n16が0であり、且つ、Rb1がアルキル基(例えばメチル基)である化合物を含むことが更に好ましい。
(B)成分の重量平均分子量は、1500以下、1300以下、1100以下、1000以下、900以下、800以下、又は、700以下であってよい。(B)成分の重量平均分子量は、400以上、500以上、又は、600以上であってよい。これらの観点から、(B)成分の重量平均分子量は、400~1500であってよい。(B)成分の重量平均分子量が増加すると、保存安定性が向上しやすい。
(B)成分の水酸基当量は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、100g/eq以上が好ましく、110g/eq以上がより好ましく、120g/eq以上が更に好ましく、125g/eq以上が特に好ましい。(B)成分の水酸基当量は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、200g/eq以下が好ましく、180g/eq以下がより好ましく、160g/eq以下が更に好ましく、150g/eq以下が特に好ましい。これらの観点から、(B)成分の水酸基当量は、100~200g/eqが好ましい。
一般式(B1)で表される化合物の含有量は、(B)成分の全質量を基準として下記の範囲が好ましい。一般式(B1)で表される化合物の含有量は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、65質量%以上が特に好ましく、80質量%以上が極めて好ましく、90質量%以上が非常に好ましく、95質量%以上がより一層好ましく、98質量%以上が更に好ましく、99質量%以上が特に好ましい。(B)成分は、実質的に、一般式(B1)で表される化合物からなる((B)成分の100質量%が実質的に、一般式(B1)で表される化合物である)態様であってもよい。
(B)成分の含有量は、樹脂組成物の全質量を基準として下記の範囲が好ましい。(B)成分の含有量は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、4質量%以上が特に好ましく、5質量%以上が極めて好ましく、6質量%以上が非常に好ましく、8質量%以上がより一層好ましく、9質量%以上が更に好ましく、10質量%以上が特に好ましい。(B)成分の含有量は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましく、12質量%以下が特に好ましく、11質量%以下が極めて好ましい。これらの観点から、(B)成分の含有量は、1~30質量%が好ましい。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して下記の範囲が好ましい。(B)成分の含有量は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が更に好ましく、10質量部以上が特に好ましく、15質量部以上が極めて好ましく、20質量部以上が非常に好ましい。(B)成分の含有量は、銅に対する優れた密着性及び優れた保存安定性が得られやすい観点から、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、35質量部以下が更に好ましく、30質量部以下が特に好ましく、25質量部以下が極めて好ましい。これらの観点から、(B)成分の含有量は、1~50質量部が好ましい。
((C)成分:架橋剤)
本実施形態に係る樹脂組成物は、架橋剤((A)成分又は(B)成分に該当する化合物を除く)を含有する。架橋剤を用いることで、硬化物の強度を向上させることができる。架橋剤としては、熱架橋剤、光架橋剤等を用いることができる。
熱架橋剤は、樹脂組成物を加熱して硬化物を形成する際に、(A)成分と反応して橋架け構造を形成し得る構造を有する化合物である。熱架橋剤としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、アルコキシメチル基を有する化合物、及び、エポキシ基を有する化合物が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する化合物は、熱架橋剤として機能するだけでなく、樹脂組成物をアルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度を向上させやすい。フェノール性水酸基を有する化合物の重量平均分子量(Mw)は、アルカリ水溶液に対する溶解性と、機械特性とのバランスに優れる観点から、2000以下が好ましく、94~2000がより好ましく、108~2000が更に好ましく、200~1500が特に好ましく、300~1000が極めて好ましく、400~800が非常に好ましい。
熱架橋剤は、樹脂組成物の硬化時の溶融を防止する効果に優れる観点から、アルコキシメチル基を有する化合物を含むことが好ましく、硬化物の優れた耐熱性及び機械特性を得やすい観点から、4つ以上のアルコキシメチル基を有する化合物を含むことがより好ましい。
4つ以上のアルコキシメチル基を有する化合物は、硬化物の優れた耐熱性及び薬品耐性を得やすい観点から、下記一般式(C1)で表される化合物、及び、下記一般式(C2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
Figure 0007293796000004
式(C1)中、Rc11~Rc16は、それぞれ独立にアルキル基を示す。アルキル基の炭素数は、低温での反応性に優れる観点から、1~10が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が更に好ましく、1又は2が特に好ましく、1が極めて好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
Figure 0007293796000005
式(C2)中、Rc21~Rc26は、それぞれ独立にアルキル基を示す。アルキル基の炭素数は、低温での反応性に優れる観点から、1~10が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が更に好ましく、1又は2が特に好ましく、1が極めて好ましい。アルキル基としては、上述のRc11~Rc16と同様のものが例示できる。
光架橋剤は、樹脂組成物に光照射して硬化物を形成する際に、(A)成分と反応して橋架け構造を形成し得る構造を有する化合物である。光架橋剤としては、例えば、(メタ)アクリレートが挙げられる。
(C)成分の含有量は、硬化物の耐熱性が向上しやすい観点、及び、基板上に硬化物を形成した際の反りを低減しやすい観点から、樹脂組成物の全質量を基準として、5~30質量%が好ましく、7~20質量%がより好ましく、10~20質量%が更に好ましく、12~20質量%が特に好ましい。
(C)成分の含有量は、硬化物の耐熱性が向上しやすい観点、及び、基板上に硬化物を形成した際の反りを低減しやすい観点から、(A)成分100質量部に対して、0.5~50質量部が好ましく、1~40質量部がより好ましく、2~35質量部が更に好ましく、5~35質量部が特に好ましく、10~35質量部が極めて好ましい。
((D)成分:感光剤)
本実施形態に係る樹脂組成物は、(D)成分として感光剤((A)~(C)成分に該当する化合物を除く)を含有してもよい。(D)成分は、光により(光を受けることにより)酸を生成する化合物であり、樹脂組成物に感光性を付与しやすい。(D)成分は、例えば、光照射を受けて酸を生成し、樹脂組成物の光照射を受けた部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。
(D)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。(D)成分としては、例えば、o-キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩及びトリアリールスルホニウム塩が挙げられる。(D)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(D)成分は、感度が高い観点から、o-キノンジアジド化合物を含むことが好ましい。
o-キノンジアジド化合物としては、例えば、o-キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる化合物を用いることができる。反応温度は0~40℃が好ましい。反応時間は1~10時間が好ましい。
o-キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、例えば、ベンゾキノン-1,2-ジアジド-4-スルホニルクロリド、ナフトキノン-1,2-ジアジド-5-スルホニルクロリド及びナフトキノン-1,2-ジアジド-6-スルホニルクロリドが挙げられる。
ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-[4-{1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル}フェニル]エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4-トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4-トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10-テトラヒドロ-1,3,6,8-テトラヒドロキシ-5,10-ジメチルインデノ[2,1-a]インデン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン及びトリス(4-ヒドロキシフェニル)エタンが挙げられる。
アミノ化合物としては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-アミノフェノール、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシビフェニル、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン及びビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。
(D)成分は、o-キノンジアジド化合物を合成する際の反応性に優れる観点、及び、樹脂組成物を露光する際に適度な吸収波長範囲である観点から、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-[4-{1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル}フェニル]エタンと1-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホニルクロリドとの縮合物、及び、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン又はトリス(4-ヒドロキシフェニル)エタンと1-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホニルクロリドとの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
脱塩酸剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びピリジンが挙げられる。反応溶媒としては、例えば、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びN-メチルピロリドンが挙げられる。
o-キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物とは、o-キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対してヒドロキシ基とアミノ基とのモル数の合計が0.5~1モルになるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤及びo-キノンジアジドスルホニルクロリドの比率(脱塩酸剤/o-キノンジアジドスルホニルクロリド)は、0.95/1~1/0.95モル当量の範囲が好ましい。
(D)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、優れた感度が得られやすい観点から、(A)成分100質量部に対して、3~100質量部が好ましく、5~50質量部がより好ましく、7~30質量部が更に好ましく、10~20質量部が特に好ましい。
((E)成分:エラストマ)
本実施形態に係る樹脂組成物は、(E)成分としてエラストマ((A)~(D)成分に該当する化合物を除く)を含有してもよい。(E)成分としては、例えば、スチレン系エラストマ、オレフィン系エラストマ、ウレタン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、ポリアミド系エラストマ、アクリル系エラストマ及びシリコーン系エラストマが挙げられる。(E)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(E)成分は、硬化物の破断強度及び破断伸びに優れる観点から、アクリル系エラストマを含むことが好ましい。
アクリル系エラストマは、下記一般式(E1)で表される構造単位、下記一般式(E2)で表される構造単位、下記一般式(E3)で表される構造単位、及び、下記一般式(E4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてよい。
Figure 0007293796000006

[一般式(E1)中、Re11は水素原子又はメチル基を示し、Re12は炭素数2~20のヒドロキシアルキル基を示す。]
Figure 0007293796000007

[一般式(E2)中、Re21は、水素原子又はメチル基を示し、Re22は、1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を示す。]
Figure 0007293796000008

[一般式(E3)中、Re31は水素原子又はメチル基を示し、Re32は炭素数4~20のアルキル基を示す。]
Figure 0007293796000009

[一般式(E4)中、Re4は水素原子又はメチル基を示す。]
アクリル系エラストマが、一般式(E1)で表される構造単位を有することで、(A)成分と(E)成分との相互作用が良好になり、相溶性が向上しやすいため、硬化物の銅に対する密着性、機械特性及び熱衝撃性が向上しやすい。Re12は、(A)成分との相溶性及び硬化物の熱衝撃性が向上しやすい観点から、炭素数2~15のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2~10のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数2~8のヒドロキシアルキル基が更に好ましい。
e12で示される炭素数2~20のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基(ヒドロキシラウリル基という場合もある。)、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基及びヒドロキシエイコシル基が挙げられる。Re12で示される炭素数2~20のヒドロキシアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
一般式(E1)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシウンデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシドデシル((メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリルという場合もある。)、(メタ)アクリル酸ヒドロキシトリデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシテトラデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノナデシル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシエイコシルが挙げられる。一般式(E1)で表される構造単位を与えるモノマは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一般式(E1)で表される構造単位を与えるモノマは、(A)成分との相溶性、及び、硬化物の破断伸びが向上しやすい観点から、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシウンデシル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシドデシルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
(E)成分は、一般式(E1)で表される構造単位のみからなるアクリル系エラストマであってもよく、一般式(E1)で表される構造単位と、一般式(E1)で表される構造単位以外の構造単位とを有するアクリル系エラストマであってもよい。一般式(E1)で表される構造単位以外の構造単位を有するアクリル系エラストマである場合、アクリル系エラストマ中、一般式(E1)で表される構造単位の割合は、(A)成分との相溶性、及び、硬化物の熱衝撃性が向上しやすい観点から、(E)成分の総量に対して、0.1~30モル%が好ましく、0.3~20モル%がより好ましく、0.5~10モル%が更に好ましい。
アクリル系エラストマが、一般式(E2)で表される構造単位を有することで、樹脂組成物における未露光部の現像液に対する溶解阻害性が向上しやすいと共に、金属基板に対する密着性が向上しやすい。
一般式(E2)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N-メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N-エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ピペリジン-4-イル(メタ)アクリレート、1-メチルピペリジン-4-イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート及び2-(ピペリジン-4-イル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。一般式(E2)で表される構造単位を与えるモノマは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
e22としては、炭素数2~20のヒドロキシアルキル基とは異なる基を用いることができる。Re22は、硬化物の基板への密着性、及び、(A)成分との相溶性が向上しやすい観点から、下記一般式(E21)で表される1価の有機基であることが好ましい。
Figure 0007293796000010
一般式(E21)中、Yは炭素数1~5のアルキレン基を示し、Re211~Re215は各々独立に水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を示し、eは0~10の整数を示す。
一般式(E21)で表される1価の有機基を与えるモノマとしては、例えば、ピペリジン-4-イル(メタ)アクリレート、1-メチルピペリジン-4-イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート及び2-(ピペリジン-4-イル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。一般式(E21)で表される1価の有機基を与えるモノマとしては、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルメタクリレート及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルメタクリレートはFA-711MMとして、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルメタクリレートはFA-712HMとして、それぞれ商業的に入手可能である(いずれも日立化成株式会社製)。
(E)成分が一般式(E2)で表される構造単位を有する場合、一般式(E2)で表される構造単位の割合は、(A)成分との相溶性に優れる観点、及び、現像液に対する溶解性に優れる観点から、(E)成分の総量に対して、0.3~10モル%が好ましく、0.4~6モル%がより好ましく、0.5~5モル%が更に好ましい。
アクリル系エラストマが、一般式(E3)で表される構造単位を有することで、硬化物の耐熱衝撃性が向上しやすい。
e32としては、炭素数2~20のヒドロキシアルキル基、及び、1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基とは異なる基を用いることができる。Re32で示される炭素数4~20のアルキル基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基という場合もある。)、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びエイコシル基が挙げられる。炭素数4~20のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
e32としては、アルカリ溶解性、耐熱衝撃性、及び、(A)成分との相溶性に優れる観点から、炭素数4~16のアルキル基が好ましく、炭素数4~12のアルキル基がより好ましく、炭素数4のアルキル基(n-ブチル基等のブチル基)が更に好ましい。
一般式(E3)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルという場合もある。)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル及び(メタ)アクリル酸エイコシルが挙げられる。一般式(E3)で表される構造単位を与えるモノマは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。一般式(E3)で表される構造単位を与えるモノマは、硬化物の破断伸びが向上しやすく、低い弾性率が得られやすい観点から、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル及び(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
(E)成分が、一般式(E3)で表される構造単位を有する場合、一般式(E3)で表される構造単位の割合は、硬化物の耐熱衝撃性が向上しやすい観点から、(E)成分の総量に対して、50~93モル%が好ましく、55~85モル%がより好ましく、60~80モル%が更に好ましい。
アクリル系エラストマが、一般式(E4)で表される構造単位を有することで、樹脂組成物の露光部のアルカリ溶解性が向上しやすい。
一般式(E4)で表される構造単位を与えるモノマとしては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。
(E)成分が、一般式(E4)で表される構造単位を有する場合、一般式(E4)で表される構造単位の割合は、(A)成分との相溶性が向上しやすい観点、及び、露光部のアルカリ溶解性が向上しやすい観点から、(E)成分の総量に対して、5~35モル%が好ましく、10~30モル%がより好ましく、15~25モル%が更に好ましい。
アクリル系エラストマは、例えば、上記一般式(E1)で表される構造単位を与えるモノマ、及び、必要に応じて添加される、一般式(E2)、(E3)又は(E4)で表される構造単位を与えるモノマを配合し、乳酸エチル、トルエン、イソプロパノール等の溶媒中で撹拌し、必要に応じて加熱することにより得ることができる。
アクリル系エラストマの合成に用いられるモノマは、一般式(E1)、(E2)、(E3)又は(E4)で表される構造単位を与えるモノマ以外のモノマを含んでいてもよい。そのようなモノマとしては、例えば、N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸4-メチルベンジル、アクリロニトリル、ビニルアルコールのエステル類(ビニル-n-ブチルエーテル等)、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、α-ブロモ(メタ)アクリル酸、α-クロル(メタ)アクリル酸、β-フリル(メタ)アクリル酸、β-スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノエステル(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等)、フマール酸、ケイ皮酸、α-シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸及びプロピオール酸が挙げられる。これらのモノマは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(E)成分の重量平均分子量(Mw)は、2000~100000が好ましく、3000~60000がより好ましく、5000~50000が更に好ましく、10000~40000が特に好ましい。(E)成分の重量平均分子量が2000以上であると、硬化物の熱衝撃性が向上しやすい。(E)成分の重量平均分子量が100000以下であると、(A)成分との相溶性及び樹脂組成物の現像性が向上しやすい。
(E)成分の含有量は、樹脂組成物における露光部のアルカリ溶解性、及び、未露光部のアルカリ溶解阻害性のバランスに優れる観点、並びに、硬化物の金属基板との密着性及び耐熱衝撃性が向上しやすい観点から、(A)成分100質量部に対して、1~50質量部が好ましく、3~30質量部がより好ましく、5~20質量部が更に好ましい。
(その他の成分)
本実施形態に係る樹脂組成物は、上述の(A)~(E)成分に該当しない成分として、含窒素芳香族化合物、溶媒、加熱により酸を生成する化合物、溶解促進剤、溶解阻害剤、カップリング剤、界面活性剤又はレベリング剤等の成分を含有してもよい。
[含窒素芳香族化合物]
本実施形態に係る樹脂組成物が含窒素芳香族化合物を含有することにより、銅に対する優れた密着性が得られやすい。含窒素芳香族化合物は、銅に対する更に優れた密着性が得られやすい観点から、テトラゾール環を有するテトラゾール化合物を含むことが好ましい。テトラゾール化合物としては、1H-テトラゾール、5-アミノテトラゾール、5-フェニルテトラゾール、5-メチルテトラゾール等が挙げられる。含窒素芳香族化合物を用いる場合、含窒素芳香族化合物の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.01~20質量部が好ましく、0.015~10質量部がより好ましく、0.02~7質量部が更に好ましく、0.1~6質量部が特に好ましく、1~5質量部が極めて好ましく、2~4質量部が非常に好ましい。
[溶媒]
本実施形態に係る樹脂組成物が溶媒を含有することにより、基板上への樹脂組成物の塗布が容易化し、均一な厚さの塗膜を形成しやすい。溶媒としては、例えば、γ-ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n-ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオナート、3-メチルメトキシプロピオナート、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。溶媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。溶媒は、溶解性及び塗膜の均一性に優れる観点から、乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
[加熱により酸を生成する化合物]
加熱により酸を生成する化合物を用いることにより、樹脂組成物を加熱する際に酸を発生させることが可能であり、(A)成分と(C)成分との反応(すなわち熱架橋反応)が促進され、硬化物の耐熱性が向上しやすい。
加熱により酸を生成する化合物は、例えば、50~250℃まで加熱することにより酸を生成する化合物であってよい。加熱により酸を生成する化合物としては、例えば、オニウム塩等の強酸と塩基とから形成される塩、及び、イミドスルホナートが挙げられる。
加熱により酸を生成する化合物を用いる場合、加熱により酸を生成する化合物の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~30質量部が好ましく、0.2~20質量部がより好ましく、0.5~10質量部が更に好ましい。
[溶解促進剤]
樹脂組成物が溶解促進剤を含有することによって、樹脂組成物をアルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度及び解像性を向上させやすい。溶解促進剤としては従来公知のものを用いることができる。溶解促進剤としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸又はスルホンアミド基を有する化合物が挙げられる。溶解促進剤を用いる場合、溶解促進剤の含有量は、アルカリ水溶液に対する溶解速度によって調整可能であり、(A)成分100質量部に対して0.01~30質量部であってよい。
[溶解阻害剤]
溶解阻害剤は、(A)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物であり、残膜厚、現像時間及びコントラストをコントロールするために用いることができる。溶解阻害剤としては、例えば、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムクロリド及びジフェニルヨードニウムヨージドが挙げられる。溶解阻害剤を用いる場合、溶解阻害剤の含有量は、感度及び現像時間の許容幅に優れる観点から、(A)成分100質量部に対して、0.01~20質量部が好ましく、0.01~15質量部がより好ましく、0.05~10質量部が更に好ましい。
[カップリング剤]
カップリング剤としては、(B)成分とは異なる化合物を用いることができる。樹脂組成物がカップリング剤を含有することにより、形成される硬化物の基板との接着性を高めやすい。カップリング剤としては、例えば、有機シラン化合物及びアルミキレート化合物が挙げられる。有機シラン化合物としては、例えば、KBM-403(信越化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。カップリング剤を用いる場合、カップリング剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましい。
[界面活性剤又はレベリング剤]
樹脂組成物が界面活性剤又はレベリング剤を含有することにより、塗布性が向上しやすい。例えば、界面活性剤又はレベリング剤を用いることで、ストリエーション(膜厚のムラ)を防きやすいと共に、現像性を向上させやすい。界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルが挙げられる。市販品としては、例えば、メガファックF-171、F-565、RS-78(DIC株式会社製、商品名)が挙げられる。界面活性剤又はレベリング剤を用いる場合、その含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.001~5質量部が好ましく、0.01~3質量部がより好ましい。
<硬化物>
本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物である。本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る樹脂組成物の熱硬化物及び/又は光硬化物であってよい。本実施形態に係る硬化物は、膜状(硬化膜)であってよい。本実施形態に係る硬化物は、半導体素子の層間絶縁層又は表面保護層として用いることができる。本実施形態に係る硬化物の厚さ(例えば膜厚)は、3~20μm又は5~15μmであってよい。
本実施形態に係る硬化物の製造方法は、本実施形態に係る樹脂組成物を硬化させることにより硬化物を得る硬化工程を備える。硬化工程では、例えば、樹脂組成物を加熱すること、及び/又は、樹脂組成物に光照射することにより硬化物を得ることができる。
本実施形態に係る硬化物は、硬化物パターン(パターン状の硬化物)であってよい。本実施形態に係る硬化物がアルカリ可溶性を有している場合、本実施形態に係る硬化物をアルカリ溶液(例えばアルカリ水溶液)により現像することで硬化物パターンを得ることができる。硬化物パターンを加熱することで更に硬化させてもよい。
本実施形態に係る硬化物パターンの製造方法は、本実施形態に係る樹脂組成物を基板の一部又は全面に塗布及び乾燥して樹脂膜を形成する成膜工程(塗布・乾燥工程)と、樹脂膜の一部又は全面を露光する露光工程と、露光後の樹脂膜をアルカリ溶液により現像して樹脂パターン(パターン状の樹脂膜)を形成する現像工程と、を備えてよい。本実施形態に係る硬化物パターンの製造方法は、現像工程後に、樹脂パターンを加熱する加熱処理工程を備えてよい。以下、各工程の例について説明する。
成膜工程では、本実施形態に係る樹脂組成物を基板上に塗布した後に乾燥して樹脂膜を形成する。成膜工程では、スピンナー等を用いてガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(TiO、SiO等)、窒化ケイ素などの基板上に樹脂組成物を回転塗布することにより塗膜を形成することができる。塗膜の厚さは、例えば0.1~40μmである。塗膜が形成された基板をホットプレート、オーブン等を用いて乾燥することができる。乾燥温度及び乾燥時間に特に制限はないが、乾燥は、80~140℃で1~7分間行うことが好ましい。樹脂膜の厚さは、例えば0.1~40μmである。
露光工程では、基板上に形成した樹脂膜に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射する。g線、h線及びi線のいずれか又は全てを照射に用いてもよい。
現像工程では、例えば、露光工程後の樹脂膜の露光部を現像液で除去することにより樹脂膜がパターン化され、樹脂パターンが得られる。現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、TMAH等のアルカリ水溶液を好適に用いることができる。アルカリ水溶液の塩基濃度は、0.1~10質量%であることが好ましい。さらに、現像液にアルコール類及び/又は界面活性剤を添加して使用することもできる。アルコール類及び/又は界面活性剤の含有量は、現像液100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。現像液を用いて現像を行う場合は、例えば、シャワー現像、スプレー現像、浸漬現像、パドル現像等の方法により現像液を樹脂膜上に供給し、18~40℃の条件下、30~360秒間放置する。放置後、水洗し、スピン乾燥を行うことで樹脂パターンを洗浄する。
加熱処理工程では、現像工程で得られた樹脂パターンを加熱処理することができる。加熱処理工程における加熱温度は、半導体装置に対する熱によるダメージを充分に防止する観点から、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、230℃以下が更に好ましい。
加熱処理は、例えば、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉等のオーブンを用いて行うことができる。また、大気中、又は、不活性雰囲気(例えば窒素)中のいずれを選択することもできるが、窒素下で行うことによりパターンの酸化を防ぐことができる。上述の好ましい加熱温度の範囲は、従来の加熱温度よりも低いため、基板及び半導体装置へのダメージを小さく抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、電子デバイスを歩留まりよく製造することができる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。さらに、本実施形態に係る樹脂組成物によれば、感光性ポリイミド等に見られる加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。
加熱処理工程における加熱処理時間は、樹脂組成物が硬化するのに充分な時間であればよく、作業効率との兼ね合いから概ね5時間以下が好ましい。
加熱処理は、上述のオーブンの他、マイクロ波硬化装置又は周波数可変マイクロ波硬化装置を用いて行うこともできる。これらの装置を用いることにより、基板及び半導体装置の温度を例えば200℃以下に保ったままで樹脂膜のみを効果的に加熱することができる(J.Photopolym.Sci.Technol.,18,327-332(2005)参照)。
<半導体素子>
本実施形態に係る半導体素子は、本実施形態に係る硬化物を有する。本実施形態に係る半導体素子は、本実施形態に係る硬化物を層間絶縁層又は表面保護層として備えていてよい。本実施形態に係る半導体素子としては、多層配線構造、再配線構造等を有する、メモリ、パッケージなどが挙げられる。
図1~5に基づき半導体素子の製造工程の一例を説明する。図1~5は、半導体素子(多層配線構造を有する半導体素子)の製造工程の一例を示す概略斜視図及び概略端面図である。図1~5中、(a)は概略斜視図であり、(b)はそれぞれ(a)におけるIb-Ib~Vb-Vb端面を示す概略端面図である。
まず、図1に示す構造体100を準備する。構造体100は、回路素子を有する半導体基板(Si基板等)1と、回路素子が露出する所定のパターンを有し、半導体基板1を被覆する保護膜(シリコン酸化膜等)2と、露出した回路素子上に形成された第1導体層3と、保護膜2及び第1導体層3上にスピンコート法等により成膜された、ポリイミド樹脂等からなる層間絶縁層4と、を備える。
次に、図2に示すように、窓部6Aを有する感光性樹脂層5を層間絶縁層4上に形成することにより構造体200を得る。感光性樹脂層5は、例えば、塩化ゴム系、フェノールノボラック系、ポリヒドロキシスチレン系、ポリアクリル酸エステル系等の感光性樹脂をスピンコート法によって塗布することにより形成できる。窓部6Aは、所定部分の層間絶縁層4が露出するように公知の写真食刻技術によって形成される。
次に、図3に示すように、層間絶縁層4をエッチングして窓部6Bを形成した後に感光性樹脂層5を除去することにより構造体300を得る。層間絶縁層4のエッチングには、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段を用いることができる。このエッチングにより、窓部6Aに対応する部分の層間絶縁層4が選択的に除去され、第1導体層3が露出するように窓部6Bが設けられた層間絶縁層4が得られる。次いで、窓部6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5を除去する。
次に、図4に示すように、窓部6Bに対応する部分に第2導体層7を形成することにより構造体400を得る。第2導体層7の形成には、公知の写真食刻技術を用いることができる。これにより、第2導体層7と第1導体層3との電気的接続が行われる。
最後に、図5に示すように、層間絶縁層4及び第2導体層7上に表面保護層8を形成することにより半導体素子500を得る。表面保護層8は、例えば下記の手順で形成できる。まず、本実施形態に係る樹脂組成物をスピンコート法により層間絶縁層4及び第2導体層7上に塗布した後に乾燥して樹脂膜を形成する。次に、窓部6Cに対応するパターンを描いたマスクを介して所定部分に光照射した後、露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液にて現像して樹脂パターンを形成する。その後、樹脂パターンを加熱により硬化することで、表面保護層8として用いられる硬化物パターンが形成される。表面保護層8は、第1導体層3及び第2導体層7を、外部からの応力、α線等から保護するものであることから、表面保護層8を備える半導体素子500は信頼性に優れる。
なお、上述の実施形態では2層の配線構造を有する半導体素子の製造方法を示したが、3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。すなわち、層間絶縁層4を形成する各工程、及び、表面保護層8を形成する各工程を繰り返すことによって多層のパターンを形成することができる。また、上述の実施形態では、表面保護層8のみでなく、本実施形態に係る樹脂組成物を用いて層間絶縁層4も形成することができる。本実施形態に係る半導体素子は、上述の樹脂組成物を用いて形成される表面保護層、カバーコート層又は層間絶縁層を有するものに限られず、様々な構造をとることができる。
図6及び7は、半導体素子(再配線構造を有する半導体素子)の一例を示す概略断面図である。本実施形態に係る樹脂組成物は、図6及び7のような再配線構造を有する半導体素子において使用することができる。
図6は、半導体素子の一例としての配線構造を示す概略断面図である。図6に示す半導体素子600は、シリコン基板23と、シリコン基板23の一方面側に設けられた層間絶縁層11と、層間絶縁層11上に形成された、パッド部15を含むパターンを有するAl配線層(アルミニウム配線層)12と、パッド部15上に開口を形成しながら層間絶縁層11及びAl配線層12上に順次積層された絶縁層13(例えばP-SiN層)及び表面保護層14と、表面保護層14上で開口近傍に配された島状のコア18と、絶縁層13及び表面保護層14の開口内でパッド部15と接すると共にコア18の表面保護層14とは反対側の面に接するように表面保護層14上に延在する再配線層16とを備える。さらに、半導体素子600は、表面保護層14、コア18及び再配線層16を覆って形成され、コア18上の再配線層16の部分に開口が形成されているカバーコート層19と、カバーコート層19の開口においてバリアメタル20を間に挟んで再配線層16と接続された導電性ボール17と、導電性ボールを保持するカラー21と、導電性ボール17周囲のカバーコート層19上に設けられたアンダーフィル22と、を備える。導電性ボール17は外部接続端子として用いられ、はんだ、金等から形成される。アンダーフィル22は、半導体素子600を実装する際に応力を緩和するために設けられている。
図7は、半導体素子の他の例としての配線構造を示す概略断面図である。図7に示す半導体素子700においては、シリコン基板23上に、Al配線層(図示せず)、及び、Al配線層のパッド部15が形成されており、その上部には絶縁層13が形成され、素子の表面保護層14が更に形成されている。パッド部15上に再配線層16が形成され、この再配線層16は、導電性ボール17との接続部24の上部まで延びている。さらに、表面保護層14の上には、カバーコート層19が形成されている。再配線層16は、バリアメタル20を介して導電性ボール17に接続されている。
図6及び7の半導体素子において、本実施形態に係る樹脂組成物は、層間絶縁層11及び表面保護層14のみならず、カバーコート層19、コア18、カラー21、アンダーフィル22等を形成するための材料として使用することができる。本実施形態に係る樹脂組成物を用いた硬化物パターンは、Al配線層12若しくは再配線層16等のメタル層又は封止剤等との接着性に優れ、応力緩和効果も高いため、この硬化物パターンを層間絶縁層11、表面保護層14、カバーコート層19、コア18、はんだ等のカラー21、フリップチップ等で用いられるアンダーフィル22などに用いた半導体素子は、極めて信頼性に優れる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、図6及び7における再配線層16を有する半導体素子の層間絶縁層11、表面保護層14及び/又はカバーコート層19に用いることが好適である。層間絶縁層11、表面保護層14及びカバーコート層19の厚さは、3~20μm又は5~15μmであってよい。
<電子デバイス>
本実施形態に係る電子デバイスは、本実施形態に係る半導体素子を備える。電子デバイスとしては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、パソコン及びハードディスクサスペンションが挙げられる。
本実施形態によれば、銅を含む金属層と、当該金属層に接触した樹脂組成物(本実施形態に係る樹脂組成物)の硬化物と、を有する積層体を提供することができる。金属層が硬化物上に積層されていてよく、硬化物が金属層上に積層されていてもよい。本実施形態に係る積層体は、第1の硬化物、銅を含む金属層、及び、第2の硬化物がこの順に積層された積層体であってよく、第1の硬化物及び第2の硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種が本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物であってよい。本実施形態に係る積層体は、上述の半導体素子であってよい。
本実施形態によれば、銅に対する硬化物の密着性の向上方法を提供することができる。本実施形態に係る密着性の向上方法は、本実施形態に係る樹脂組成物を用いて、銅を含む金属層に接触した硬化物を形成する工程を備える。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<構成成分の準備>
樹脂組成物の構成成分として下記の材料を準備した。
(樹脂成分)
4-ヒドロキシスチレン/スチレン=85/15(モル比)の共重合体、丸善石油化学株式会社、商品名「マルカリンカーCST85」、重量平均分子量:10000
(添加剤)
B1:DIC株式会社、商品名「LA-3018-50P」、水酸基当量:151g/eq、重量平均分子量:619、数平均分子量:413、上記一般式(B1)においてn12は1であり、n13は1であり、n14は1であり、n15は0であり、n16は0であり、n14を有するアルキレン基は、フェノール性水酸基に対してオルト又はメタ位に位置している。
B2:DIC株式会社、商品名「LA-7052」、水酸基当量:120g/eq、重量平均分子量:1440、数平均分子量:583、上記一般式(B1)においてn12は1であり、n13は1であり、n14は1であり、n15は0であり、n16は0であり、n14を有するアルキレン基は、フェノール性水酸基に対してオルト又はメタ位に位置している。
B3:DIC株式会社、商品名「LA-7054」、水酸基当量:125g/eq、重量平均分子量:1228、数平均分子量:564、上記一般式(B1)においてn12は1であり、n13は1であり、n14は1であり、n15は0であり、n16は0であり、n14を有するアルキレン基は、フェノール性水酸基に対してオルト又はメタ位に位置している。
B4:DIC株式会社、商品名「LA-1356」、水酸基当量:146g/eq、重量平均分子量:837、数平均分子量:499、上記一般式(B1)においてn12は1であり、n13は0であり、n14は1であり、n15は0であり、n16は0であり、n14を有するアルキレン基は、フェノール性水酸基に対してオルト又はメタ位に位置している。
X1:下記一般式(X1)で表される化合物、アイカ工業株式会社、商品名「TAM-005」
Figure 0007293796000011
X2:下記式(X2)で表される化合物、東京化成工業株式会社、アセトグアナミン
Figure 0007293796000012
X3:下記式(X3)で表される化合物、株式会社ADEKA、商品名「LA-70F」
Figure 0007293796000013
X4:下記式(X4)で表される化合物、四国化成株式会社、商品名「2MZA-PW」
Figure 0007293796000014
(架橋剤)
一般式(C2)のRc21~Rc26が全てメチル基である化合物、本州化学工業株式会社、商品名「HMOM-TPPA」
(感光剤)
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-[4-{1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル}フェニル]エタンの1-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸エステル、ダイトーケミックス株式会社、商品名「PA28」
(エラストマ)
撹拌機、窒素導入管及び温度計を備えた100mLの三口フラスコに、乳酸エチル55gを秤取し、別途秤取したモノマ(アクリル酸n-ブチル(BA)34.7g、アクリル酸ラウリル(LA)2.2g、アクリル酸(AA)3.9g、アクリル酸ヒドロキシブチル(HBA)2.6g及び1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルメタクリレート(日立化成株式会社製、商品名「FA-711MM」)1.7g)と、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.29gとを加えた。室温にて約160rpmの撹拌回転数で撹拌しながら、窒素ガスを400mL/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を止め、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を10時間保持して重合反応を行い、アクリル系エラストマを得た。この際の重合率は99%であった。また、アクリル系エラストマの重量平均分子量は、約22000であった。なお、アクリル系エラストマにおけるモノマのモル比は「BA/LA/AA/HBA/FA711MM=75.5/2.5/15/5/2(mol%)」であった。
<樹脂組成物の調製>
樹脂成分100質量部と、表1に示す添加剤(含有量は表1参照)と、架橋剤25質量部と、感光剤18質量部と、エラストマ18質量部と、5-アミノテトラゾール3質量部と、乳酸エチル(溶媒)170質量部とを混合した後、1μm孔のテフロン(登録商標)フィルターを用いて加圧ろ過することにより樹脂組成物を得た。
<密着性の評価>
スピンコート(ミカサ株式会社製、1H-DXII)により銅基板(アドバンスマテリアルズテクノロジー株式会社製、商品名「銅スパッタウェハ」)上に樹脂組成物を塗布した後、ホットプレート(AS ONE製、HHP-230SQ)を用いた120℃3分間の加熱によって樹脂組成物を硬化させることにより厚さ11~12μmの樹脂膜(硬化膜)を得た。次に、縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ-TF」)を用いて、窒素中、温度200℃(昇温時間:1時間)で樹脂膜を2時間加熱処理することにより膜厚約10μmの樹脂膜A(硬化膜)を得た。ホットプレート(AS ONE製、HHP-230SQ)を用いて、樹脂膜Aに対して空気中、温度260℃で3分のリフロー試験(5サイクル)を行うことにより樹脂膜B(硬化膜)を得た。そして、樹脂膜Bに対して、株式会社カトー製の商品名「NEXIS SP-61NX-A」を用いて-65~150℃の温度サイクル試験を50サイクル行うことにより樹脂膜Cを得た。
JIS K 5600-5-6:1999の規格に準じて樹脂膜Cの密着性をクロスカット試験により評価した。具体的には、まず、カッターナイフを用いて、10mm×10mmの領域に、1mm×1mm四方の切れ込みを樹脂膜Cに形成した。その後、メンディングテープ#810(スリーエム株式会社製)を強く圧着させ、90秒後にテープの端からほぼ180°の角度の方向に素早く引き剥がした。次に、顕微鏡で観察し、樹脂膜における残存面積の割合(%)を測定した。密着性を下記の基準で評価した。結果を表1に示す。実施例では、樹脂膜Cが充分に残存し、密着性に優れることが確認された(例えば、実施例2に関する図8(a)参照。図8は樹脂膜の観察写真を示す)。実施例では、上述のクロスカット試験を樹脂膜Bに行った場合にも優れた密着性が確認された。比較例では、樹脂膜Cが剥離し、優れた密着性が得られていないことが確認された(例えば、比較例1に関する図8(b)参照)。
A:残存面積が95%以上
B:残存面積が80%以上95%未満
C:残存面積が80%未満
<保存安定性(膜厚変化率)>
上述のとおり各構成成分を混合して樹脂組成物を得た直後に、スピンコートにより6インチシリコンウエハ上に樹脂組成物を塗布した後、120℃で3分間加熱することにより樹脂膜を得た(目標膜厚:11~13μm)。その後、縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ-TF」)を用いて、窒素中、温度200℃(昇温時間:1時間)で樹脂膜を2時間加熱処理することにより樹脂膜A1を得た。また、上述のとおり各構成成分を混合して樹脂組成物を得た後に室温(23℃)で樹脂組成物を2週間放置し、樹脂膜A1と同様の方法により樹脂膜A2を得た。樹脂膜A1及び樹脂膜A2の膜厚を測定した後、膜厚変化率を下記式より算出した。結果を表1に示す。
膜厚変化率(%)=([樹脂膜A2の膜厚]-[樹脂膜A1の膜厚])/[樹脂膜A1の膜厚]×100
Figure 0007293796000015
1…半導体基板、2…保護膜、3…第1導体層、4…層間絶縁層、5…感光性樹脂層、6A,6B,6C…窓部、7…第2導体層、8…表面保護層、11…層間絶縁層、12…Al配線層、13…絶縁層、14…表面保護層、15…パッド部、16…再配線層、17…導電性ボール、18…コア、19…カバーコート層、20…バリアメタル、21…カラー、22…アンダーフィル、23…シリコン基板、24…接続部、100,200,300,400…構造体、500,600,700…半導体素子。

Claims (19)

  1. 樹脂成分と、トリアジン化合物と、架橋剤と、テトラゾール化合物と、を含有し、
    前記トリアジン化合物がアミノ基及びフェノール性水酸基を有する、樹脂組成物。
  2. フェノール性水酸基を有する重合体と、分子中に2個以上のアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物と、環状エーテル構造含有化合物と、光感応性酸発生剤と、トリアジン構造含有ノボラック樹脂と、を含有する感光性樹脂組成物であって、前記フェノール性水酸基を有する重合体は、環状エーテル構造及びトリアジン構造のいずれも有しておらず、前記環状エーテル構造含有化合物は、トリアジン構造を有していないことを特徴とする感光性樹脂組成物、を除く、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記トリアジン化合物が、下記一般式(B1)で表される化合物を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
    Figure 0007293796000016

    [一般式(B1)中、Rb1はアルキル基、アリール基又はアルコキシ基を示し、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5はそれぞれ独立にアルキル基又は水素原子を示し、Xはイミノ基又はアルキレン基を示し、n11は1以上の整数を示し、n12は1~4の整数を示し、n13は0~3の整数を示し、n14は1~10の整数を示し、n15及びn16は、それぞれ独立に0以上の整数を示す。]
  4. 前記トリアジン化合物が、前記一般式(B1)において、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5からなる群より選ばれる少なくとも一種が水素原子であり、前記n12が1であり、前記n13が0又は1であり、前記n14が1であり、前記n15が0であり、且つ、前記n16が0である化合物を含む、請求項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記トリアジン化合物が、前記一般式(B1)において、Rb2、Rb3、Rb4及びRb5の全てが水素原子であり、前記n12が1であり、前記n13が0又は1であり、前記n14が1であり、前記n15が0であり、且つ、前記n16が0である化合物を含む、請求項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記トリアジン化合物の含有量が、樹脂組成物の全質量を基準として1~30質量%である、請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記トリアジン化合物の含有量が、前記樹脂成分100質量部に対して1~50質量部である、請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記樹脂成分が、フェノール性水酸基を有する樹脂を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記架橋剤が、4つ以上のアルコキシメチル基を有する化合物を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記架橋剤が、下記一般式(C2)で表される化合物を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
    Figure 0007293796000017

    [式(C2)中、R c21 ~R c26 は、それぞれ独立にアルキル基を示す。]
  11. 感光剤を更に含有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  12. 前記感光剤がo-キノンジアジド化合物を含む、請求項11に記載の樹脂組成物。
  13. 前記感光剤の含有量が、前記樹脂成分100質量部に対して18~100質量部である、請求項11又は12に記載の樹脂組成物。
  14. エラストマを更に含有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  15. 前記エラストマがアクリル系エラストマを含む、請求項14に記載の樹脂組成物。
  16. 請求項1~15のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物。
  17. 膜状である、請求項16に記載の硬化物。
  18. 請求項16又は17に記載の硬化物を有する、半導体素子。
  19. 請求項18に記載の半導体素子を備える、電子デバイス。
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