JP2015022057A - 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、半導体素子及び電子デバイス - Google Patents

感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、半導体素子及び電子デバイス Download PDF

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優 青木
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寛 松谷
粕谷 圭
Kei Kasuya
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Akitoshi Tanimoto
明敏 谷本
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Shingo Tahara
真吾 田原
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Abstract

【課題】 露光部の溶解性を維持しながら、未露光部の現像液耐性を保持する感光性樹脂組成物、それを用いたパターン硬化膜とその製造方法、該パターン硬化膜を層間絶縁層又は表面保護層として有する半導体素子、該半導体素子を有する電子デバイスを提供する。【解決手段】(A)所定の構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)光により酸を生成する化合物と、(C)アルコキシメチル基を有する熱架橋剤と、(D)所定の構造単位を有するアクリル樹脂と、を含有する感光性樹脂組成物。【選択図】 図1

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、パターン硬化膜とその製造方法、半導体素子及び電子デバイスに関する。
近年、半導体素子の高集積化、小型化に伴い、半導体素子の表面保護層及び層間絶縁層は、より優れた電気特性(誘電率等)、耐熱性(熱膨張係数、ガラス転移温度等)、機械特性(弾性率、破断伸び等)等を有することが求められている。このような特性を併せ持つ表面保護層及び層間絶縁層を形成するための材料としては、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性樹脂組成物が開発されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの感光性樹脂組成物を基板上に塗布及び乾燥して樹脂膜を形成し、該樹脂膜を露光及び現像することでパターン樹脂膜(パターン形成された樹脂膜)が得られる。そして、上記パターン樹脂膜を加熱硬化することでパターン硬化膜(パターン形成された硬化膜)を形成でき、該パターン硬化膜は表面保護層及び層間絶縁層として用いることができる。しかも、これらの感光性樹脂組成物はパターン硬化膜を形成する工程において、低温での加熱硬化が可能であるという利点がある。
また、上記フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂として、ポリヒドロキシスチレンを含有する感光性樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2008−309885号公報 特開2007−57595号公報 国際公開第2010/073948号 特開2006−154780号公報
ところで、感光性樹脂組成物は、溶解性を高くすると未露光部の溶解性も向上してしまうため現像後の残膜率が低下すること。現像及び水洗時の水圧で未露光部がはがれ、残渣としてパターン底部に付着することが問題となる。
そのため感光性樹脂組成物は、露光部の溶解性を維持しながら、未露光部の現像液耐性を保持する必要がある。しかし、従来の感光性樹脂組成物では、そのような問題点を抑制することは難しい。
そこで本発明は、上記問題を解決するために、露光部の溶解性を維持しながら、未露光部の現像液耐性を保持する感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、該感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜とその製造方法、該パターン硬化膜を層間絶縁層又は表面保護層として有する半導体素子、該半導体素子を有する電子デバイスを提供することを目的とする。
本発明は次のものに関する。
<1> (A)下記一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、
(B)光により酸を生成する化合物と、
(C)アルコキシメチル基を有する熱架橋剤と、
(D)下記一般式(2)と(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂と、
を含有する感光性樹脂組成物。
Figure 2015022057
[一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。]
Figure 2015022057
[一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
Figure 2015022057
[一般式(3)中、R5は水素原子又はメチル基を、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0〜5の整数を示す。]
<2> (D)成分がさらに下記一般式(4)で表される構造単位を有するアクリル樹脂である、<1>記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2015022057
[一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を示す。]
<3> (D)成分がさらに下記一般式(5)で表される構造単位を有するアクリル樹脂である、<1>または<2>に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2015022057
[一般式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を示す。]
<4> (D)成分がさらに下記一般式(6)で表される構造単位を有するアクリル樹脂である、<1>〜<3>のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2015022057
[一般式(6)中、R10は水素原子又はメチル基を示す。]
<5> (A)成分がさらに下記一般式(7)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である、<1>〜<4>のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2015022057
[一般式(7)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示す。]
<6> (B)成分がo−キノンジアジド化合物である、<1>〜<5>のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
<7><1>〜<6>のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を加熱することにより得られるパターン硬化膜。
<8> <1>〜<6>のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板の一部又は全面に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成する工程と、樹脂膜の一部又は全面を露光する工程と、露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、パターン樹脂膜を加熱する工程とを有する、パターン硬化膜の製造方法。
<9> <8>に記載のパターン硬化膜の製造方法により形成されるパターン硬化膜を、層間絶縁層として有する半導体素子。
<10> <8>に記載のパターン硬化膜の製造方法により形成されるパターン硬化膜を、表面保護層として有する半導体素子。
<11> <9>又は<10>に記載の半導体素子を有する電子デバイス。
本発明によれば、露光部の溶解性を維持しながら、未露光部の現像液耐性を保持する感光性樹脂組成物を提供することができる。また、該感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜とその製造方法、該パターン硬化膜を層間絶縁層又は表面保護層として有する半導体素子、該半導体素子を有する電子デバイスを提供することができる。
半導体素子の製造工程の一実施形態を説明する概略斜視図及び概略端面図である。 半導体素子の製造工程の一実施形態を説明する概略斜視図及び概略端面図である。 半導体素子の製造工程の一実施形態を説明する概略斜視図及び概略端面図である。 半導体素子の製造工程の一実施形態を説明する概略斜視図及び概略端面図である。 半導体素子の製造工程の一実施形態を説明する概略斜視図及び概略端面図である。 半導体素子の一実施形態を示す概略断面図である。 半導体素子の一実施形態を示す概略断面図である。
本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。また本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル酸」等の他の類似の表現においても同様である。
[感光性樹脂組成物]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)光により酸を生成する化合物と、(C)アルコキシメチル基を有する熱架橋剤と、(D)一般式(2)と(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂と、を含有する。
まず、感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
<(A)成分>
(A)成分は一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性(アルカリ水溶液に可溶な)樹脂である。ここで、本発明の(A)成分がアルカリ水溶液に可溶であることの1つの基準を以下に説明する。(A)成分単独と任意の溶剤又は(A)成分と、以下に順を追って説明する(B)成分、(C)成分及び(D)成分から得られた樹脂溶液を、シリコンウエハ等の基板上にスピン塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液及び有機アミン水溶液のいずれか一つに、20〜25℃において浸漬する。この結果、樹脂膜が均一な溶液として溶解し得るとき、用いた(A)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断する。
(A)成分であるアルカリ可溶性樹脂は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する。
Figure 2015022057

[一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。]
(A)アルカリ可溶性樹脂は一般式(1)で表される構造単位を与えるモノマ等を重合させることで得られる。
一般式(1)において、Rで表わされる炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。また、炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノノキシ基及びデコキシ基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
一般式(1)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール及びo−イソプロペニルフェノールが挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)アルカリ可溶性樹脂を得る方法に特に制限はないが、例えば、一般式(1)で示される構造単位を与えるモノマの水酸基をt−ブチル基、アセチル基等で保護して水酸基が保護されたモノマとし、水酸基が保護されたモノマを重合して重合体を得て、さらに得られた重合体を、公知の方法(酸触媒下で脱保護してヒドロキシスチレン系構造単位に変換すること等)で脱保護することにより得られる。
(A)成分は、一般式(1)で表される構造単位を与えるモノマのみからなる重合体又は共重合体であってもよく、一般式(1)で表される構造単位を与えるモノマとそれ以外のモノマとの共重合体であってもよい。(A)成分が共重合体である場合、共重合体中の一般式(1)で示される構造単位の割合は、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の観点から、(A)成分100モル%に対し、10〜100モル%が好ましく、20〜97モル%がより好ましく、30〜95モル%がさらに好ましく、50〜95モル%が特に好ましい。
(A)成分は、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性をより向上する観点から、さらに下記一般式(7)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
Figure 2015022057
[一般式(7)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示す。]
12で表わされる炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基としては、それぞれ一般式(1)のRと同様のものが例示できる。
一般式(7)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂は、一般式(7)で表される構造単位を与えるモノマを用いることで得られる。一般式(7)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)成分が一般式(7)で示される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である場合、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性及びパターン硬化膜の機械特性の観点から、一般式(7)で示される構造単位の割合は(A)成分100モル%に対し、1〜90モル%が好ましく、3〜80モル%がより好ましく、5〜70モル%がさらに好ましく、5〜50モル%が特に好ましい。
また、(A)成分は、弾性率を低くする観点から、さらに下記一般式(8)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
Figure 2015022057
[一般式(8)中、R13は水素原子又はメチル基を示し、R14は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す。]
一般式(8)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂は、一般式(8)で表される構造単位を与えるモノマを用いることで得られる。一般式(8)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシルが挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)成分が一般式(8)で示される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である場合、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性及びパターン硬化膜の機械特性の観点から、一般式(8)で示される構造単位の割合は(A)成分100モル%に対し、1〜90モル%が好ましく、3〜80モル%がより好ましく、5〜70モル%がさらに好ましく、5〜50モル%が特に好ましい。
(A)成分は、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性及びパターン硬化膜の機械特性の観点から一般式(1)で表される構造単位と一般式(7)で表される構造単位とを有するアルカリ可溶性樹脂、一般式(1)で表される構造単位と一般式(8)で表される構造単位とを有するアルカリ可溶性樹脂、一般式(1)で表される構造単位と一般式(7)で表される構造単位と一般式(8)で表される構造単位とを有するアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。本発明の効果をより発現する観点から、一般式(1)で表される構造単位と一般式(7)又は(8)で表される構造単位とを有するアルカリ可溶性樹脂であることがより好ましい。
(A)成分の分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光特性及びパターン硬化膜の機械特性のバランスを考慮すると、重量平均分子量で1000〜500000が好ましく、2000〜200000がより好ましく、2000〜100000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得られる値である。
<(B)成分>
(B)成分である光により酸を生成する化合物は、感光性樹脂組成物において感光剤として機能する。(B)成分は、光照射を受けて酸を生成させ、光照射を受けた部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。(B)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。(B)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩及びトリアリールスルホニウム塩が挙げられる。(B)成分は、これらの化合物のうちの1種のみからなるものであってもよく、また2種以上を含んで構成されるものであってもよい。これらの中で、感度が高いことから、o−キノンジアジド化合物が好ましい。
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られるものを用いることができる。
反応に用いられるo−キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド及びナフトキノン−1,2−ジアジド−6−スルホニルクロリドが挙げられる。
反応に用いられるヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2´,3´−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3´,4´,5´−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン及びトリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが挙げられる。
反応に用いられるアミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3´−ジアミノ−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン及びビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。
これらの中でも、o−キノンジアジド化合物を合成する際の反応性の観点と、樹脂膜を露光する際に適度な吸収波長範囲である観点から、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたもの、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン又はトリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたものを用いることが好ましい。
反応に用いられる脱塩酸剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びピリジンが挙げられる。また、反応溶媒としては、例えば、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びN−メチルピロリドンが用いられる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物との配合は、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基とのモル数の合計が0.5〜1モルになるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい配合割合は、0.95/1モル〜1/0.95モル当量の範囲である。
なお、上述の反応の好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
(B)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、感度がより良好となる点から、(A)成分100質量部に対して3〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、5〜30質量部がさらに好ましく、5〜20質量部とすることが特に好ましい。
<(C)成分)>
(C)成分である熱架橋剤はアルコキシメチル基を有する。(c)成分は、パターン樹脂膜を加熱して硬化する際に、(A)成分と反応して橋架け構造を形成し得る構造を有する化合物である。これにより、膜の脆さ及び膜の溶融を防ぐことができる。(C)成分としては、例えば、アルコキシメチル基及びフェノール性水酸基を有する化合物並びにアルコキシメチルアミノ基を有する化合物が挙げられる。
なお、ここでいう「アルコキシメチル基及びフェノール性水酸基を有する化合物」には、(A)アルカリ可溶性樹脂は包含されない。熱架橋剤としてのアルコキシメチル基及びフェノール性水酸基を有する化合物は、熱架橋剤としてだけでなく、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度を向上させることができる。このようなアルコキシメチル基及びフェノール性水酸基を有する化合物の重量平均分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光特性及び機械特性のバランスを考慮して、2000以下であることが好ましく、94〜2000であることがより好ましく、108〜2000であることがさらに好ましく、108〜1500であることが特に好ましい。
アルコキシメチル基及びフェノール性水酸基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができるが、下記一般式(9)で表される化合物が、露光部の溶解促進効果と感光性樹脂膜の硬化時の溶融を防止する効果のバランスに優れているため、好ましい。
Figure 2015022057
[一般式(9)中、Xは単結合又は2価の有機基を示し、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立にアルキル基を示し、s及びtはそれぞれ独立に1〜3の整数を示し、u及びvはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。]
一般式(9)において、Xが単結合である化合物は、ビフェノール(ジヒドロキシビフェニル)誘導体である。また、Xで示される2価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜10のアルキレン基、エチリデン基等の炭素数2〜10のアルキリデン基、フェニレン基等の炭素数6〜30のアリーレン基、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合及びアミド結合が挙げられる。さらに、R15、R16、R17及びR18で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びエイコシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。これらの中でも、感度及び耐熱性をより向上できる点から、R15、R16、R17及びR18で示されるアルキル基が炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(9)で表わされる化合物としては、例えば、1,1−ビス{3,5−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル}メタン(本州化学工業社製、商品名「TMOM−pp−BPF」)を用いることができる。
アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えば、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等の活性メチロール基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基及びブチル基が挙げられ、これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルコキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル及びテトラキス(メトキシメチル)尿素が挙げられる。
上述した(C)成分の中で、感度及び耐熱性をより向上できる点から、アルコキシメチル基及びフェノール性水酸基を有する化合物又はアルコキシメチルアミノ基を有する化合物を用いることが好ましく、解像度及び塗膜の伸びもより向上できる点から、ヒドロキシメチルアミノ基の全部又は一部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物がより好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物がさらに好ましい。
上記ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物の中でも、下記一般式(10)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015022057
[一般式(10)中、R31〜R36は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を示す。]
一般式(10)において、R31〜R36で表される炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
(C)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、感度がより良好となる点から、(A)成分100質量部に対して0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましく、2〜30質量部がさらに好ましい。
<(D)成分>
(D)成分であるアクリル樹脂は、下記一般式(2)と(3)で表される構造単位を有する。
Figure 2015022057
[一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0〜5の整数を示す。]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)成分を含有することにより、感光特性及び熱衝撃性(高温放置後及び冷熱衝撃試験後での機械特性の変化率が小さいこと)をより向上することができる。(D)成分は、1種のアクリル樹脂のみからなるものであってもよく、2種以上のアクリル樹脂を含むものであってもよい。
(D)成分は上記一般式(2)で表される構造単位を含むことで、(D)成分と(A)成分との相互作用が良好になり、相溶性が向上するため、レジストパターンの基板への密着性、機械特性及び耐熱衝撃性をより向上できる。
一般式(2)中、(A)成分との相溶性及び熱衝撃性をより向上できる点から、Rが炭素数2〜15のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数2〜8のヒドロキシアルキル基が特に好ましい。
で示される炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基(ヒドロキシラウリル基という場合もある。)、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基及びヒドロキシエイコシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
一般式(2)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を与えるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルが挙げられる。
このような(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えば、下記一般式(11)で表される化合物が挙げられる。
CH=C(R)−COOR …(11)
[一般式(11)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
なお、本発明の効果をより高度に発現できる観点から、一般式(2)で表わされる構造単位を有するアクリル樹脂はポリマとして添加することが望ましい。
一般式(11)で表されるモノマ体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシウンデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシドデシル((メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリルという場合もある。)、(メタ)アクリル酸ヒドロキシトリデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシテトラデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノナデシル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシエイコシルが挙げられる。これらのモノマは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、(A)成分との相溶性、破断伸びをより向上する観点から、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシウンデシル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシドデシルを用いることが好ましい。
(D)成分は、アクリル樹脂中の一般式(2)で表される構造単位の割合は、(D)成分の総量に対して、0.1〜30モル%であることが好ましく、0.3〜20モル%であることがより好ましく、0.5〜10モル%であることがさらに好ましい。
上記一般式(2)で表される構造単位の組成比が0.1〜30モル%であることにより、(A)成分との相溶性及びパターン硬化膜の耐熱衝撃性をより向上することができる。
(D)成分はさらに上記一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂である。
Figure 2015022057
[一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0〜5の整数を示す。]
(D)成分が一般式(3)で表される構造単位を有することで、未露光部の現像液に対する溶解阻害性と現像液耐性をより向上できる。
一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を与えるモノマとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸4−メチルベンジルが挙げられる。これらのモノマは単独で又は2種を組み合わせて用いられる。これらの中でも、露光部の溶解性とのバランスの観点から、ベンジルアクリレートを用いることがより好ましい。
一般式(3)で表される構造単位の割合は、(A)成分との相溶性と現像液に対する溶解性の点から、(D)成分の総量に対して、0.5〜20モル%であることが好ましく、1〜15モル%であることがより好ましく、2〜10モル%であることが更に好ましい。
(D)成分はさらに下記一般式(4)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
Figure 2015022057
[一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を示す。]
(D)成分が一般式(4)で表される構造単位を有することで、未露光部の現像液に対する溶解阻害性をより向上できる。
一般式(4)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を与えるモノマとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート及び2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのモノマは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、パターン硬化膜の基板への密着性、機械特性及び耐熱衝撃性をより向上できる観点から、一般式(4)中、Rが下記一般式(12)で表される1価の有機基であることが好ましい。
Figure 2015022057
[一般式(12)中、Yは炭素数1〜5のアルキレン基を示し、R21〜R25は各々独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは0〜10の整数を示す。]
一般式(4)中、Rが一般式(12)で表される1価の有機基で表される構造単位を与える重合性単量体としては、例えば、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート及び2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中で、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−711MMとして、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−712HMとして(いずれも日立化成株式会社製)、それぞれ商業的に入手可能であるため好ましい。
(D)アクリル樹脂が一般式(4)で表される構造単位を有する場合、一般式(4)で表される構造単位の割合は、(A)成分との相溶性と現像液に対する溶解性の点から、(D)成分の総量に対して、0.3〜10モル%であることが好ましく、0.3〜7モル%であることがより好ましく、0.4〜6モル%であることが更に好ましく、0.5〜5モル%であることが特に好ましい。
(D)成分はさらに下記一般式(5)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
Figure 2015022057
[一般式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を示す。]
(D)成分が一般式(5)で表される構造単位を有することで、未露光部の現像液に対する溶解阻害性をより向上できる。
一般式(5)中、Rで示される炭素数4〜20のアルキル基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基という場合もある。)、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びエイコシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
一般式(5)中、感度、解像度及び耐熱衝撃をより向上できる点から、Rが炭素数4〜16のアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4のアルキル基(特にn−ブチル基)であることがさらに好ましい。
一般式(5)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、下記一般式(13)で表される化合物が挙げられる。
CH=C(R)−COOR …(13)
[一般式(13)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を示す。]
一般式(13)で表されるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルという場合もある。)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル及び(メタ)アクリル酸エイコシルが挙げられる。これらの重合性単量体は単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも破断伸びをより向上し、弾性率をより低くする観点から、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル又は(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルともいう。)を用いることが好ましい。
(D)アクリル樹脂が一般式(5)で表される構造単位を有する場合、一般式(5)で表される構造単位の割合は、(D)成分の総量に対して、50〜95モル%であることが好ましく、55〜85モル%であることがより好ましく、60〜80モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(5)で表される構造単位の割合が50〜95モル%であることにより、パターン硬化膜の耐熱衝撃性をより向上することができる。
より詳しくは、(メタ)アクリル酸ブチルを50〜93モル%含有することが好ましく、55〜85モル%含有することがより好ましく、60〜80モル%含有することがさらに好ましく、68〜80モル%含有することが特に好ましい。
また、(メタ)アクリル酸ラウリルを0.5〜20モル%含有することが好ましく、0.75〜15モル%含有することがより好ましく、1〜10モル%含有することがさらに好ましい。
(D)成分はさらに下記一般式(6)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
Figure 2015022057
[一般式(6)中、R10は水素原子又はメチル基を示す。]
(D)成分が一般式(6)で表される構造単位を有することで、感度をより向上することができる。
一般式(6)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。
(D)アクリル樹脂が一般式(6)で表される構造単位を有する場合、一般式(6)で表される構造単位の割合は、(D)成分の総量に対して、5〜35モル%であることが好ましく、10〜30モル%であることがより好ましく、15〜25モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(6)で表される構造単位の組成比が5〜35モル%であることにより、(A)成分との相溶性及び現像性をより向上することができる。
(D)成分は、例えば、上記一般式(2)、(3)で表される構造単位を与えるモノマ、及び必要に応じて添加される一般式(4)、(5)及び(6)で表される構造単位を与えるモノマを配合し、乳酸エチル、トルエン、イソプロパノール等の溶媒中で攪拌し、必要に応じて加熱することにより得られる。
また、(D)アクリル樹脂の合成に用いられるモノマは、一般式(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)で表される構造単位を与えるモノマ以外のモノマをさらに含んでいてもよい。
そのようなモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸4−メチルベンジル、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸及びプロピオール酸が挙げられる。これらのモノマは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(D)成分の重量平均分子量は、2000〜100000であることが好ましく、3000〜60000であることがより好ましく、5000〜50000であることがさらに好ましく、10000〜40000であることが特に好ましい。重量平均分子量が2000以上では硬化膜の耐熱衝撃性をより向上でき、100000以下であると(A)成分との相溶性及び現像性をより向上できる。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
(D)成分の含有量は、感度、解像度、密着性、機械特性及び耐熱衝撃性のバランスの観点から、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部がさらに好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分以外に、溶剤、エラストマー、加熱により酸を生成する化合物、溶解促進剤、溶解阻害剤、カップリング剤、及び、界面活性剤又はレベリング剤等の成分を含有してもよい。
(溶剤)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、溶剤を含有することにより、基板上への塗布を容易にし、均一な厚さの塗膜を形成できるという効果を奏する。溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオナート、3−メチルメトキシプピオナート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、溶解性と塗布膜の均一性の点から、乳酸エチル又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
(エラストマー)
エラストマーとしては、従来公知のものを用いることができるが、エラストマーを構成する重合体のガラス転移温度(Tg)が20℃以下であることが好ましい。
このようなエラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー及びシリコーン系エラストマーが挙げられる。また、エラストマーは、微粒子状のエラストマーであってもよい。これらのエラストマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エラストマーを用いる場合の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1〜60質量部が好ましく、3〜40質量部がより好ましく5〜30質量部がさらに好ましい。
(加熱により酸を生成する化合物)
加熱により酸を生成する化合物を用いることにより、パターン樹脂膜を加熱する際に酸を発生させることが可能となり、(A)成分と(C)成分との反応、すなわち熱架橋反応が促進され、パターン硬化膜の耐熱性が向上する。また、加熱により酸を生成する化合物は光照射によっても酸を発生するため、露光部のアルカリ水溶液への溶解性が増大する。よって、未露光部と露光部とのアルカリ水溶液に対する溶解性の差がさらに大きくなり解像度がより向上する。
このような加熱により酸を生成する化合物は、例えば、50〜250℃まで加熱することにより酸を生成するものであることが好ましい。加熱により酸を生成する化合物の具体例としては、オニウム塩等の強酸と塩基とから形成される塩、及びイミドスルホナートが挙げられる。
加熱により酸を生成する化合物を用いる場合の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部がさらに好ましい。
(溶解促進剤)
溶解促進剤を上述の感光性樹脂組成物に配合することによって、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度及び解像性を向上させることができる。溶解促進剤としては従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸又はスルホンアミド基を有する化合物が挙げられる。
このような溶解促進剤を用いる場合の含有量は、アルカリ水溶液に対する溶解速度によって決めることができ、例えば、(A)成分100質量部に対して、0.01〜30質量部とすることができる。
(溶解阻害剤)
溶解阻害剤は(A)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物であり、残膜厚、現像時間及びコントラストをコントロールするために用いられる。その具体例としては、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムクロリド及びジフェニルヨードニウムヨージドが挙げられる。溶解阻害剤を用いる場合の含有量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(A)成分100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましく、0.01〜15質量部がより好ましく、0.05〜10質量部がさらに好ましい。
(カップリング剤)
カップリング剤を感光性樹脂組成物に配合することによって、形成されるパターン硬化膜の基板との接着性をより高めることができる。カップリング剤としては、例えば、有機シラン化合物及びアルミキレート化合物が挙げられる。また、有機シラン化合物としては、例えば、尿素プロピルトリエトキシシランが挙げられる。
カップリング剤を用いる場合の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
(界面活性剤又はレベリング剤)
界面活性剤又はレベリング剤を感光性樹脂組成物に配合することによって、塗布性をより向上することができる。具体的には、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有することで、ストリエーション(膜厚のムラ)をより防いだり、現像性をより向上させたりすることができる。このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルが挙げられる。市販品としては、例えば、メガファックスF171、F173、R−08(DIC株式会社製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社製、商品名)及びオルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。
界面活性剤又はレベリング剤を用いる場合の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液を用いて現像することが可能である。さらに、上述の本実施形態の感光性樹脂組成物を用いることにより、充分に高い感度及び解像度で、良好な密着性及び耐熱衝撃性を有するパターン硬化膜を形成することが可能となる。
[パターン硬化膜及びパターン硬化膜の製造方法]
本発明のパターン硬化膜は、感光性樹脂組成物を加熱することにより得られる。
次に、パターン硬化膜の製造方法について説明する。本実施形態のパターン硬化膜の製造方法は、本実施形態の感光性樹脂組成物を基板の一部又は全面に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成する工程(塗布・乾燥(成膜)工程)と、樹脂膜の一部又は全面を露光する工程(露光工程)と、露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン樹脂膜を形成する工程(現像工程)と、パターン樹脂膜を加熱する工程(加熱処理工程)とを有する。以下、各工程について説明する。
<塗布・乾燥(成膜)工程>
まず、本実施形態の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する。この工程では、まず、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えば、TiO及びSiO)、窒化ケイ素等の基板上に、本実施形態の感光性樹脂組成物を、スピンナー等を用いて回転塗布し、塗膜を形成する。この塗膜が形成された基板をホットプレート、オーブン等を用いて乾燥する。これにより、支持基板上に感光性樹脂膜が形成される。感光樹脂膜の厚さに特に制限はないが、0.1〜40μmであることが好ましい。
<露光工程>
次に、露光工程では、基板上に形成した樹脂膜に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射する。本実施形態の感光性樹脂組成物において、(A)成分はi線に対する透明性が高いので、i線の照射を好適に用いることができる。なお、露光後、必要に応じて溶解速度を向上させる観点から露光後加熱(PEB)を行うこともできる。露光後加熱を行なう場合の温度は70〜140℃、露光後加熱の時間は1〜5分が好ましい。
<現像工程>
現像工程では、露光工程後の樹脂膜の露光部を現像液で除去することにより、樹脂膜がパターン化され、パターン樹脂膜が得られる。現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液が好適に用いられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10質量%とすることが好ましい。さらに、上記現像液にアルコール類又は界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で配合することができる。現像液を用いて現像を行なう方法としては、例えば、現像液をシャワー現像、スプレー現像、浸漬現像、パドル現像等の方法により感光性樹脂膜上に配し、18〜40℃の条件下、30〜360秒間放置する。放置後水洗し、スピン乾燥を行うことでパターン樹脂膜を洗浄する。
<加熱処理工程>
次いで、加熱処理工程では、パターン樹脂膜を加熱処理することにより、パターン硬化膜を形成することができる。加熱処理工程における加熱温度は、半導体装置に対する熱によるダメージを充分に防止する点から、250℃以下が好ましく、225℃以下がより好ましく、140〜200℃であることがさらに好ましい。
加熱処理は、例えば、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉等のオーブンを用いて行うことができる。また、大気中又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することもできるが、窒素下で行う方がパターンの酸化を防ぐことができるので望ましい。上述の好ましい加熱温度の範囲は従来の加熱温度よりも低いため、支持基板及び半導体装置へのダメージを小さく抑えることができる。従って、本実施形態のレジストパターンの製造方法を用いることによって、電子デバイスを歩留まり良く製造することができる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。さらに、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、感光性ポリイミド等に見られる加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。
加熱処理工程における加熱処理時間は、感光性樹脂組成物が硬化するのに充分な時間であればよいが、作業効率との兼ね合いから概ね5時間以下が好ましい。
また、加熱処理は、上述のオーブンの他、マイクロ波硬化装置又は周波数可変マイクロ波硬化装置を用いて行うこともできる。これらの装置を用いることにより、基板及び半導体装置の温度を例えば200℃以下に保ったままで、感光性樹脂膜のみを効果的に加熱することが可能である(J.Photopolym.Sci.Technol.,18,327−332(2005)参照)。
上述の本実施形態のパターン硬化膜の製造方法によれば、充分に高い感度及び解像度で、密着性及び耐熱衝撃性にも優れるパターン硬化膜が得られる。
[層間絶縁層、表面保護層]
本実施形態のパターン硬化膜の製造方法により得られたパターン硬化膜は、半導体素子の層間絶縁層又は表面保護層として用いることができる。
[半導体素子]
また、本実施形態の半導体素子は、本実施形態の層間絶縁層又は表面保護層を有する。
本実施形態の半導体素子に特に制限はないが、多層配線構造、再配線構造等を有する、メモリ、パッケージ等のことを指す。
ここで、半導体素子の製造工程の一例を図面に基づいて説明する。図1〜5は、多層配線構造を有する半導体素子の製造工程の一実施形態を示す概略斜視図及び概略端面図である。図1〜5中、(a)は概略斜視図であり、(b)は、それぞれ(a)におけるIb−Ib〜Vb−Vb端面を示す概略端面図である。
まず、図1に示す構造体100を準備する。構造体100は、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1と、回路素子が露出する所定のパターンを有し、半導体基板1を被覆するシリコン酸化膜等の保護膜2と、露出した回路素子上に形成された第1導体層3と、保護膜2及び第1導体層3上にスピンコート法等により成膜されたポリイミド樹脂等からなる層間絶縁層4とを備える。
次に、層間絶縁層4上に窓部6Aを有する感光性樹脂層5を形成することにより、図2に示す構造体200を得る。感光性樹脂層5は、例えば、塩化ゴム系、フェノールノボラック系、ポリヒドロキシスチレン系、ポリアクリル酸エステル系等の感光性樹脂を、スピンコート法により塗布することにより形成される。窓部6Aは、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁層4が露出するように形成される。
層間絶縁層4をエッチングして窓部6Bを形成した後に、感光性樹脂層5を除去し、図3に示す構造体300を得る。層間絶縁層4のエッチングには、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段を用いることができる。このエッチングにより、窓部6Aに対応する部分の層間絶縁層4が選択的に除去され、第1導体層3が露出するように窓部6Bが設けられた層間絶縁層4が得られる。次いで、窓部6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5を除去する。
さらに、窓部6Bに対応する部分に第2導体層7を形成し、図4に示す構造体400を得る。第2導体層7の形成には、公知の写真食刻技術を用いることができる。これにより、第2導体層7と第1導体層3との電気的接続が行われる。
最後に、層間絶縁層4及び第2導体層7上に表面保護層8を形成し、図5に示す半導体素子500を得る。本実施形態では、表面保護層8は次のようにして形成する。まず、上述の感光性樹脂組成物をスピンコート法により層間絶縁層4及び第2導体層7上に塗布し、乾燥して感光性樹脂膜を形成する。次に、所定部分に窓部6Cに対応するパターンを描いたマスクを介して光照射した後、露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液にて現像してパターン樹脂膜を形成する。その後、パターン樹脂膜を加熱により硬化することで、表面保護層8として用いられるパターン硬化膜が形成される。この表面保護層8は、第1導体層3及び第2導体層7を外部からの応力、α線等から保護するものであり、本実施形態の表面保護層8を用いた半導体素子500は信頼性に優れる。
なお、上述の実施形態では2層の配線構造を有する半導体素子の製造方法を示したが、3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。すなわち、層間絶縁層4を形成する各工程、及び表面保護層8を形成する各工程を繰り返すことによって、多層のパターンを形成することが可能である。また、上記例において、表面保護層8のみでなく、層間絶縁層4も本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて形成することが可能である。
本実施形態の電子デバイスは、上述の感光性樹脂組成物を用いて形成される表面保護層、カバーコート層又は層間絶縁層を有するものに限られず、様々な構造をとることができる。
図6及び7は、再配線構造を有する半導体素子の一実施形態を示す概略断面図である。本実施形態の感光性樹脂組成物は、応力緩和性、接着性等にも優れるため、近年開発された図6〜7のような再配線構造を有する半導体素子において使用することができる。
図6は、半導体素子の一実施形態としての配線構造を示す概略断面図である。図6に示す半導体素子600は、シリコン基板23と、シリコン基板23の一方面側に設けられた層間絶縁層11と、層間絶縁層11上に形成された、パッド部15を含むパターンを有するAl配線層12と、パッド部15上に開口を形成しながら層間絶縁層11及びAl配線層12上に順次積層された絶縁層13(例えばP−SiN層)及び表面保護層14と、表面保護層14上で開口近傍に配された島状のコア18と、絶縁層13及び表面保護層14の開口内でパッド部15と接するとともにコア18の表面保護層14とは反対側の面に接するように表面保護層14上に延在する再配線層16とを備える。さらに、半導体素子600は、表面保護層14、コア18及び再配線層16を覆って形成され、コア18上の再配線層16の部分に開口が形成されているカバーコート層19と、カバーコート層19の開口においてバリアメタル20を間に挟んで再配線層16と接続された導電性ボール17と、導電性ボールを保持するカラー21と、導電性ボール17周囲のカバーコート層19上に設けられたアンダーフィル22とを備える。導電性ボール17は外部接続端子として用いられ、はんだ、金等から形成される。アンダーフィル22は、半導体素子600を実装する際に応力を緩和するために設けられている。
図7の半導体素子700においては、シリコン基板23上にAl配線層(図示せず)及びAl配線層のパッド部15が形成されており、その上部には絶縁層13が形成され、さらに素子の表面保護層14が形成されている。パッド部15上には、再配線層16が形成され、この再配線層16は、導電性ボール17との接続部24の上部まで伸びている。さらに、表面保護層14の上には、カバーコート層19が形成されている。再配線層16は、バリアメタル20を介して導電性ボール17に接続されている。
図6及び7の半導体素子において、感光性樹脂組成物は、層間絶縁層11及び表面保護層14ばかりではなく、カバーコート層19、コア18、カラー21、アンダーフィル22等を形成するための材料として使用することができる。本実施形態の感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜は、Al配線層12若しくは再配線層16等のメタル層又は封止剤等との接着性に優れ、応力緩和効果も高いため、このパターン硬化膜を層間絶縁層11、表面保護層14、カバーコート層19、コア18、はんだ等のカラー21、フリップチップ等で用いられるアンダーフィル22等に用いた半導体素子は、極めて信頼性に優れるものとなる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、図6及び7における再配線層16を有する半導体素子の層間絶縁層11、表面保護層14及び/又はカバーコート層19に用いることが好適である。
層間絶縁層11、表面保護層14及び上記カバーコート層19の膜厚は、3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。
[電子デバイス]
本実施形態の電子デバイスは、本実施形態の半導体素子を有する。電子デバイスとは、上述の半導体素子を含むものであり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、パソコン及びハードディスクサスペンションが挙げられる。
以上のように、本実施形態の感光性樹脂組成物は、白濁が充分に抑制されるため、形成されるパターン硬化膜のヘーズ値が小さくなり、パターン硬化膜形成後の半導体素子の製造工程において、位置合わせがしやすくなる。また本実施形態の感光性樹脂組成物により形成されるパターン硬化膜は機械特性に優れ、かつ高温放置後及び冷熱衝撃試験後での機械特性の変化率が小さい。また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、信頼性に優れた半導体素子及び電子デバイスを提供することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施例で用いた材料について以下に示す。
[(A)成分]
A1:p−t−ブトキシスチレンとスチレンとを、モル比85:15の割合で合計100質量部用意し、これらをプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解し、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を用いて10時間、70度保持のままで約160回転/分(rpm)の攪拌回転数で攪拌し、重合を行なった。その後、反応溶液に硫酸を加えて反応温度を90℃に保持して10時間反応させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してp−ヒドロキシスチレンに変換した。得られた共重合体に酢酸エチルを加え、水洗を5回繰り返し、酢酸エチル相を分取し、溶剤を除去して、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体A1を得た。この共重合体A1の重量平均分子量(Mw)は10000であった。また、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合モル比は85:15であった。
A2:p−t−ブトキシスチレンのみ100質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル150質量部に溶解させた以外は、共重合体A1の合成と同様にして、p−ヒドロキシスチレン単独重合体A2を得た。この単独重合体A2の重量平均分子量は10000であった。
A3:p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸メチル=50/50(モル比)の共重合体(重量平均分子量=10000、丸善石油化学株式会社製、商品名「マルカリンカーCMM」)
なお、重量平均分子量は、それぞれゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて、標準ポリスチレン換算により求めた。
具体的には、以下の装置及び条件にて重量平均分子量を測定した。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所製L4000UV
ポンプ:株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF
LiBr(0.03mol/l)、HPO(0.06mol/l)
流速:1.0ml/分、検出器:UV270nm
試料0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
[(B)成分]
B1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約90%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名「TPPA528」)
B2:トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約95%)
[(C)成分]
C1:ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン(株式会社三和ケミカル製、商品名「ニカラックMW−30HM」、下記式(C1)で表される化合物)
Figure 2015022057
C2:1,1−ビス{3,5−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル}メタン(本州化学工業株式会社製、商品名「TMOM−pp−BPF」、下記式(C2)で表される化合物)
Figure 2015022057
[(D)成分]
D1:攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた100mlの三口フラスコに、乳酸エチル55gを秤取し、別途に秤取した重合性単量体(アクリル酸n−ブチル(BA)34.68g、アクリル酸ラウリル(DDA)2.15g、アクリル酸(AA)3.87g、アクリル酸ヒドロキシブチル(HBA)2.58g、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:FA−711MM、日立化成株式会社製)1.72g)、及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.29gを加えた。室温(25℃)にて約160回転/分(rpm)の攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を止め、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を10時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂D1を得た。この際の重合率は99%であった。また、このD1の上述の方法により測定した重量平均分子量は、約22000であった。
なお、アクリル樹脂D1における重合性単量体のモル比は下記のとおりである。
BA/DDA/AA/HBA/FA711MM=75.5/2.5/15/5/2(mol%)
D2:攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた100mlの三口フラスコに、乳酸エチル55gを秤取し、別途に秤取した重合性単量体(アクリル酸n−ブチル(BA)31.95g、アクリル酸ラウリル(DDA)2.12g、アクリル酸(AA)3.82g、アクリル酸ヒドロキシブチル(HBA)2.55g、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:FA−711MM、日立化成株式会社製)1.69g)、ベンジルアクリレート(BZA)2.87g及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.29gを加えた。室温にて約160回転/分(rpm)の攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を止め、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を10時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂D2を得た。この際の重合率は99%であった。また、このD2の上述の方法により測定した重量平均分子量は、約21000であった。
なお、アクリル樹脂D2における重合性単量体のモル比は下記のとおりである。
BA/DDA/AA/HBA/FA711MM/BZA=70.5/2.5/15/5/2/5(mol%)
D3:攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた100mlの三口フラスコに、乳酸エチル55gを秤取し、別途に秤取した重合性単量体(アクリル酸n−ブチル(BA)29.29g、アクリル酸ラウリル(DDA)2.10g、アクリル酸(AA)3.77g、アクリル酸ヒドロキシブチル(HBA)2.51g、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:FA−711MM、日立化成株式会社製)1.67g)、ベンジルアクリレート(BZA)5.66g及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.29gを加えた。室温にて約160回転/分(rpm)の攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を止め、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を10時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂D3を得た。この際の重合率は99%であった。また、このD3の上述の方法により測定した重量平均分子量は、約21000であった。
なお、アクリル樹脂D3における重合性単量体のモル比は下記のとおりである。
BA/DDA/AA/HBA/FA711MM/BZA=65.5/2.5/15/5/2/10(mol%)
D4:攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた100mlの三口フラスコに、乳酸エチル55gを秤取し、別途に秤取した重合性単量体(アクリル酸n−ブチル(BA)31.77g、アクリル酸ラウリル(DDA)2.11g、アクリル酸(AA)3.80g、アクリル酸ヒドロキシブチル(HBA)2.53g、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:FA−711MM、日立化成株式会社製)1.68g)、ベンジルアクリレート(BZA)3.10g及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.29gを加えた。室温にて約160回転/分(rpm)の攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を止め、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を10時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂D4を得た。この際の重合率は99%であった。また、このD4の上述の方法により測定した重量平均分子量は、約21000であった。
なお、アクリル樹脂D4における重合性単量体のモル比は下記のとおりである。
BA/DDA/AA/HBA/FA711MM/BZM=70.5/2.5/15/5/2/5(mol%)
(実施例1〜9及び比較例1〜3)
表1に示した配合量の(A)〜(D)成分、溶剤として乳酸エチル120質量部及びカップリング剤として尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液2質量部を配合した。得られた配合物を3μm孔のポリテトラフルオロエチレンフィルターを用いて加圧ろ過して、実施例1〜9及び比較例1〜3の感光性樹脂組成物を調製した。
<感光性樹脂組成物の評価>
実施例1〜9及び比較例1〜3の感光性樹脂組成物について、以下に示す評価を行った。その結果を表1に示した。
(残膜率、感度、解像度)
実施例1〜9及び比較例1〜3で得られた感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚11〜13μmの塗膜を形成した。次いで、i線ステッパー(キャノン株式会社製、商品名「FPA−3000iW」)を用いて、1μm×1μmから100μm×100μmまでの正方形ホールパターンを有するマスクを介してi線(365nm)で縮小投影露光した。露光量は、100〜1520mJ/cmまで20mJ/cmずつ変えながら行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38質量%水溶液を用いて現像した。現像後の未露光部の残膜率を、表1に示した。なお、ポジ型の感光性樹脂組成物であるため、残膜率は露光量に依存しなかった。また、残膜率は、下式により算出した。
残膜率(%)=(現像後の塗膜の膜厚/現像前の塗膜の膜厚)×100
その後、水でリンスし、100μm×100μmの正方形ホールパターンが形成できる最小露光量を感度とした。また、上記露光量の範囲内で、開口している正方形ホールパターンのうち最小のものの大きさ(一辺の長さ)を解像度の指標とした。なお、感度及び解像度は、小さい程良好である。結果を表1に示した。
(残渣)
上記で得られた10μm×10μmの正方形ホールパターンを、SEM(電子顕微鏡)を用いて開口部の残渣の有無を観察した。残渣が開口部の端面から0.5μm未満の場合を「○」、0.5以上、1.0μm未満の場合を「△」、1.0μm以上の場合を「×」として評価した。結果を表1に示した。
Figure 2015022057
表1から明らかなように、実施例1〜9の感光性樹脂組成物は、感度、残膜率に優れ、残渣も無い。一方、(D)成分として一般式(2)と(3)の片方しか有さないD1を用いた比較例1は残渣が生じ、比較例2は残膜率が低く、残渣も生じた。また、(D)成分を用いていない比較例3では、感度及び解像度が低下し、残渣が生じた。
1…半導体基板、2…保護膜、3…第1導体層、4…層間絶縁層、5…感光性樹脂層、6A,6B,6C…窓部、7…第2導体層、8…表面保護層、11…層間絶縁層、12…配線層、13…絶縁層、14…表面保護層、15…パッド部、16…再配線層、17…導電性ボール、18…コア、19…カバーコート層、20…バリアメタル、21…カラー、22…アンダーフィル、23…シリコン基板、24…接続部、100,200,300,400…構造体、500,600,700…半導体素子。

Claims (11)

  1. (A)下記一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、
    (B)光により酸を生成する化合物と、
    (C)アルコキシメチル基を有する熱架橋剤と、
    (D)下記一般式(2)と(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂と、
    を含有する感光性樹脂組成物。
    Figure 2015022057
    [一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。]
    Figure 2015022057
    [一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
    Figure 2015022057
    [一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0〜5の整数を示す。]
  2. (D)成分がさらに下記一般式(4)で表される構造単位を有するアクリル樹脂である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2015022057
    [一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を示す。]
  3. (D)成分がさらに下記一般式(5)で表される構造単位を有するアクリル樹脂である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2015022057
    [一般式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を示す。]
  4. (D)成分がさらに下記一般式(6)で表される構造単位を有するアクリル樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2015022057
    [一般式(6)中、R10は水素原子又はメチル基を示す。]
  5. (A)成分がさらに下記一般式(7)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2015022057
    [一般式(7)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示す。]
  6. (B)成分がo−キノンジアジド化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を加熱することにより得られるパターン硬化膜。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板の一部又は全面に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成する工程と、樹脂膜の一部又は全面を露光する工程と、露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、パターン樹脂膜を加熱する工程とを有する、パターン硬化膜の製造方法。
  9. 請求項8に記載のパターン硬化膜の製造方法により形成されるパターン硬化膜を、層間絶縁層として有する半導体素子。
  10. 請求項8に記載のパターン硬化膜の製造方法により形成されるパターン硬化膜を、表面保護層として有する半導体素子。
  11. 請求項9又は10に記載の半導体素子を有する電子デバイス。
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