JP4639733B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えばLCR等の受動素子を予め内蔵したプリント配線板に係り、特に、内蔵する抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止し得るプリント配線板の製造方法に関する。
近年、電子機器の高性能化・小型化の要求に伴い、回路部品の高密度化・高機能化が一層進んでいる。例えば、プリント配線板に電子部品を実装する場合、実装密度を高めつつ、ノイズ低減機能を持たせるためにコンデンサ素子(C)、レジスタ素子(R)、インダクタ素子(L)等の受動素子を基板に内蔵した構造のプリント配線板が用いられている。
このようなプリント配線板では、受動素子を内蔵するため、通常の受動素子に比べて小型の受動素子が望まれている。例えば、プリント配線板に内蔵するために適した構造の抵抗素子としては、抵抗素子電極間に、抵抗材料を配置した構造の抵抗素子が広く知られている。抵抗体の配置方法としては、めっきや抵抗性金属箔の積層後、エッチング等でパターニングする方法(例えば、特許文献1参照。)と、配線回路(配線層)及び抵抗素子電極形成後に樹脂系の抵抗体をスクリーン印刷等によって部分的に積層する方法(例えば、特許文献2参照。)がある。このうち後者の方法は、前者の方法に比べて、材料を効率的に使用でき、工程を少なくできるという利点がある。
ところが、後者の方法により抵抗素子を形成した場合、図6に示すように、銅配線の一部よりなる抵抗素子電極120A,120Bとカーボンペーストよりなる抵抗体130が直接接触するため、界面の接触抵抗の影響が大きくなる。特に、高温高湿条件下(気温40℃、相対湿度95%)では、界面の腐食等により抵抗値が大きく増加する(例えば、非特許文献1参照。)。
そこで、図7に示すように、抵抗素子電極120A,120Bと抵抗体130の間に電気的接続性に優れた銀ペースト140A,140Bを挟むことにより、界面の接触抵抗を抑えた構造の抵抗素子が考案されている。また、抵抗素子電極部120A,120Bに金めっき処理を施した抵抗素子などもある(例えば、特許文献3参照。)。
このように抵抗素子電極120A,120Bと抵抗体130の間に銀ペースト140A,140Bを配置した構造にすることにより、界面の接触抵抗の影響を抑えた抵抗素子を形成することができる。
特開2003−168851号公報 特開平1−295482号公報 特開平11−340633号公報 師岡 功: "埋め込み受動部品技術に使用されるポリマー抵抗体", エレクトロニクス実装学会誌,VOL.6,NO.4,pp.294−299,2003
しかしながら、図7に示した構造のプリント配線板では、抵抗体130の長さが各抵抗素子電極120A,120B上及び各抵抗素子電極120A,120Bの内側に印刷された銀ペースト140Aと銀ペースト140B間の距離となるため、銀ペースト140A,140Bの印刷精度が抵抗素子の長さに影響する。なお、銀ペースト140A,140Bは、互いに段差を有する抵抗素子電極120A,120Bと基板110とに印刷されるので、多少、印刷精度が低下する場合が生じてしまう。そのため、エッチングで形成した抵抗素子電極120A,120B間の距離が抵抗体130の長さとなる図6の構造に比べ、抵抗素子の長さを設計値に合わせ込むことが難しい。この設計値への合わせ込みの精度をあげるには抵抗体のレーザトリミングを行う必要がある。しかしながら、基板110上の全てをレーザトリミングにより修正することは煩雑であり、コストがかかる。また、あまりに大きく規格から外れた素子は電気的特性が悪くなるので修正ができない等の問題もあって現実的でない。まとめると、図7に示した構造は、段差に起因して銀ペースト140A,140Bの印刷精度が低下し、抵抗体130の長さが設計値から外れ、信頼性を低下させてしまうことを現実には避けられない状況にある。
また、抵抗体130と抵抗素子電極120A,120Bの間に銀ペースト140A,140Bを挟むと抵抗素子のサイズが大きくなるという問題点がある。
また、良導電性を実現するために銀フィラーが高充填されている銀ペースト140A,140Bを、抵抗素子電極120A,120Bと樹脂基板110上の段差部分150にスクリーン印刷するため、サーマルサイクル試験で段差部分150にクラック151が生じる心配があり、抵抗素子の信頼性を低下させる可能性がある。
また、配線の凹凸が存在する樹脂基板110上に銀ペースト140A,140Bあるいは抵抗体130をスクリーン印刷するため、印刷時に銀ペーストあるいはカーボンペーストのにじみや飛散等が起こり易い。よって、抵抗素子間あるいは抵抗素子配線間の密度を上げることが難しく、また、絶縁に対する信頼性を低下させ易い。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、内蔵する抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止し得るプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に対応する発明は、基板上に、第1配線層を選択的に形成すると共に、当該第1配線層と導通している少なくとも1対の電極を形成するステップと、前記第1配線層及び前記各電極とは異なる領域を埋め込むように、前記第1配線層及び前記各電極の表面に対して平滑な表面を有する第1絶縁層を前記基板上に形成するステップと、前記第1配線層の上面のみ及び前記各電極の上面のみを被覆するように貴金属層をめっき形成するステップと、前記貴金属層によりめっきされた各電極を電気的に接続するように前記貴金属層上及び前記各電極間の第1絶縁層上に選択的に印刷して抵抗体を形成するステップと、前記第1配線層、前記各電極、前記貴金属層、前記抵抗体を覆うように、前記基板上に第2絶縁層を形成するステップと、前記貴金属層上に前記第2の絶縁層を貫通する接続層を形成するステップと、前記接続層を介して前記貴金属層の一部と電気的に接続するように、前記接続層上及び前記第2の絶縁層上に第2配線層を選択的に形成するステップとを備えたプリント配線板の製造方法である。
請求項2に対応する発明は、請求項1に対応するプリント配線板の製造方法において、前記貴金属層は銀めっき膜からなるプリント配線板の製造方法である。
請求項3に対応する発明は、請求項2に対応するプリント配線板の製造方法において、前記第1配線層及び前記各電極は表面が粗面化処理されているプリント配線板の製造方法である。
請求項4に対応する発明は、請求項3に対応するプリント配線板の製造方法において、前記第1配線層及び前記各電極の表面粗さは、1〜2μmの範囲内にあり、前記銀めっき膜の厚さは、0.2〜0.4μmの範囲内にあるプリント配線板の製造方法である。
<作用>
請求項1に対応する発明は以上のような手段を講じたことにより、基板上に、第1配線層を選択的に形成すると共に、当該第1配線層と導通している少なくとも1対の電極を形成するステップと、前記第1配線層及び前記各電極とは異なる領域を埋め込むように、前記第1配線層及び前記各電極の表面に対して平滑な表面を有する第1絶縁層を前記基板上に形成するステップと、前記第1配線層の上面のみ及び前記各電極の上面のみを被覆するように貴金属層をめっき形成するステップと、前記貴金属層によりめっきされた各電極を電気的に接続するように前記貴金属層上及び前記各電極間の第1絶縁層上に選択的に印刷して抵抗体を形成するステップと、前記第1配線層、前記各電極、前記貴金属層、前記抵抗体を覆うように、前記基板上に第2絶縁層を形成するステップと、前記貴金属層上に前記第2の絶縁層を貫通する接続層を形成するステップと、前記接続層を介して前記貴金属層の一部と電気的に接続するように、前記接続層上及び前記第2の絶縁層上に第2配線層を選択的に形成するステップとを備えた構成により、第1絶縁層に対して表面がそれぞれ平滑になるように第1配線層及び電極を選択的に形成しているので、配線の凹凸に起因した印刷精度の低下をも阻止できる。よって、内蔵する抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止することができる抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
請求項2に対応する発明は、貴金属層としては銀めっき膜からなるプリント配線板の製造方法であるので、他の貴金属に比べ安価で安定した特性を示す傾向がある。よって、請求項1に対応する作用に加え、安価で且つ特性の安定性に優れた抵抗素子を内蔵したプリント配線板の製造方法を提供することができる。
請求項3に対応する発明は、第1配線層及び電極の表面が粗面化処理されているので、請求項2に対応する作用に加え、抵抗体の密着性が向上し、信頼性に優れた抵抗素子を内蔵したプリント配線板の製造方法を提供することができる。
請求項4に対応する発明は、第1配線層及び電極の表面粗さが1〜2μmの範囲内であり、銀めっき膜の厚さが0.2〜0.4μmの範囲内にあるプリント配線板の製造方法であるので、請求項3に対応する作用に加え、粗面化した第1配線層及び電極の上に貴金属メッキが付着しても粗面化された表面の凹凸形状が充分に残っており、電極となる領域と抵抗体の密着性を十分に確保することができるとともに、各第1配線層と第2絶縁層との密着性を十分に確保することができる。更に、置換型無電解銀めっきのめっき厚が0.2〜0.4μmの範囲内にあるので、必要最低限のめっき厚で電極と抵抗体を密着させることができ、抵抗素子のサイズを縮小しつつ、段差に起因した印刷精度の低下を解消できる。よって、抵抗素子のサイズが小さく、信頼性に優れた抵抗素子を内蔵したプリント配線板の製造方法を提供することができる。
以上説明したように本発明によれば、内蔵する抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止し得るプリント配線板及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るプリント配線板の構造の一例を示す断面図である。このプリント配線板10は、基板20と、基板20上に選択的に形成された第1絶縁層30と、第1絶縁層30上に形成された第2絶縁層35と、第2絶縁層35上に形成された1対の第2配線層90A、90Bとを備えている。
また、プリント配線板10は、第1絶縁層30に対して表面がそれぞれ平滑になるように選択的に基板20上に形成された1対の第1配線層40A,40Bと、各第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bを被覆する貴金属層60A,60Bとを備えている。なお、電極領域50A,50Bは第1配線層40A,40Bと電気的に接続されている。ここで、抵抗素子のための電極は少なくとも1対設けられていればよく、必要とする抵抗素子の数だけ設けることができる。さらにキャパシタの電源やインダクタを同時に作り込んでも良い。
さらに、プリント配線板10は、貴金属層60A,60Bを介して、電極領域50A,50Bを電気的に接続するように、各貴金属層60A,60B上及び前記第1絶縁層30上に選択的に印刷されて形成された抵抗体70と、第1配線層40A,40Bと第2配線層90A,90Bとを接続する接続層80A,80Bとを備えている。ここで、第1配線層40A,40Bと第2配線層90A,90Bとが接続層で接続されているものとしたが、これに限らず、どこかで導通がとれていれば良く、例えば接続層は基板を貫通して下方から第1配線層に接続しても良く、電極領域に直接接続しても良い。
なお、抵抗素子11は、抵抗体70、電極領域50A,50B及び第1貴金属層60A,60Bを備えている。
基板20は、第1絶縁層30が形成される樹脂基板である。また、基板20上に、抵抗素子11を備えている。
第1絶縁層30は、熱硬化性樹脂を主成分とするアンダーコート材である。ドライフィルム・液状どちらの形態であっても良く、市販のビルドアップ多層プリント配線板用絶縁樹脂フィルムまたはワニスをそのまま使用することができる。第1配線層40A,40Bの凹凸を平滑にする観点から、流動性が高く膜厚の制御ができる液状の絶縁樹脂を用いることが特に好ましい。
第2絶縁層35は、プリプレグ,樹脂付き銅箔,ビルドアップ基板用絶縁樹脂フィルムあるいはワニスのいずれの形態であっても構わないが、プリント配線板10に内蔵される抵抗素子11の埋め込み性、作業性等を考慮するとビルドアップ基板用絶縁樹脂フィルムを用いることが好ましい。また、一般にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂は硬化温度が高くなるほど架橋密度が高くなる傾向にあり、例えば一度硬化させた抵抗体70をさらに高い温度で加熱すると熱硬化性樹脂の硬化が進行し、抵抗値が下がる傾向にある。従って、抵抗素子11のプリント配線板10への内蔵前後での抵抗値の変化を少なくする観点から、絶縁樹脂のプレス・ラミネート・硬化等における最高到達温度は抵抗体70の硬化時における最高到達温度よりも低いことが好ましい。
第1配線層40A,40Bは、第1絶縁層30内であって、基板10上に形成される導体回路の配線であり、例えば銅により形成されるものである。なお、第1配線層40A,40Bは、図2(上面図)に概念を示すように、電極領域50A,50Bにより抵抗体70と電気的に接続され、プリント配線板10上の電気回路の一部として機能する。
電極領域50A,50B(電極)は、第1配線層40A、40Bの一部であり、貴金属層60A,60Bを介在して、抵抗体70と少なくとも重なる領域であり、ここではその周辺領域も含んでいる。すなわち、抵抗素子の電極であり、例えば銅により形成されるものである。
また、第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bの上面(貴金属層60A,60Bを形成する面)は、薬液処理により粗面化されている。粗面化による表面粗さRaは、1.0〜2.0μmの範囲内にあることが好ましい。これは、表面粗さRaが1.0μm未満では、貴金属めっき処理を行っても、凹凸形状が貴金属めっきにより埋まってしまい、抵抗体70や第2絶縁層35との充分な密着性が得られないからである。一方、表面粗さRaが、2.0μmを超えると、電極領域50A,50Bの電極形状が崩れてしまい、抵抗素子の設計値への合わせ込みが難しくなるからである。なお、貴金属薄膜自体の粗面化は困難であるので、貴金属薄膜を被覆する前段階で電極領域を粗面化し、粗面化した電極領域に貴金属薄膜を被覆することにより、貴金属薄膜を粗面化させるのが良い。
貴金属層60A,60Bは、それぞれ第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bを被覆する貴金属薄膜であり、銀や金により形成されるものである。コスト低減の観点から銀が使用される場合が多い。銀を使用する場合、貴金属層60A,60Bは、置換型無電界銀めっき処理により形成される。この置換型無電解銀めっき処理は、第1絶縁層30に覆われていない部分、すなわち上面のみに施すことにより、銀を第1配線層40A,40B、および電極領域50A,50Bの側面も含む全面に付ける場合に比べて、めっき面積が少ないため、銀めっきのコストを抑えている。また、第1配線層間あるいは電極領域50Aと電極領域50Bのピッチが細かくてもマイグレーションの懸念が少ない等の効果がある。なお、銀めっきのめっき厚は0.2μm以上、0.4μm以下の範囲にあることが好ましい。銀めっきが0.2μm未満の厚さでは抵抗体70と電極領域50A,50Bとの接触抵抗を充分に低減できず、一方、0.4μmを超える厚さでは接触抵抗の低減ができないからである。
抵抗体70は、熱硬化性樹脂と導電性フィラーを主成分としている。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、及びこれを変性した樹脂、またはこれらの樹脂と熱可塑性樹脂の混合物等を用いることができる。特に、基板20との密着性、耐薬品性、コストの観点からエポキシ樹脂を用いることが好ましい。導電性フィラーとしては安価なカーボンを用いることが好ましい。導電性フィラー以外にシリカ等の無機フィラーが加えてあっても構わない。なお、市販のカーボンペーストをそのまま使用することができる。
また、抵抗体70となる抵抗ペーストの粘度は、特に限定されるものではないが、メタルマスクでのスクリーン印刷をする場合、500〜1000ポイズ程度であることが好ましい。これは、500ポイズ未満の粘度であると印刷後に抵抗ペーストがだれて印刷形状が悪くなる傾向にあるからである。一方、1000ポイズを超える粘度だと印刷後にレベリングを行っても、印刷時に混入した気泡が抜けづらく、気泡が原因で抵抗体70にクラック等が発生することがあるからである。
接続層80A,80Bは、第2絶縁層35にCOレーザ等でビア加工した後に、無電界銅めっき、電気銅めっきを行い、第1配線層40A,40Bと第2配線層90A,90Bとを電気的に接続するものである。
第2配線層90A,90Bは、第2絶縁層35上に形成される導体回路の配線となるものであり、接続層80A,80Bを介して第1配線層40A,40Bに電気的に接続することで、第1絶縁層30および第2絶縁層35に内蔵された抵抗素子11に導通している。
次に、以上のように構成されたプリント配線板の製造方法の一例を図3及び図4の工程図面を用いて説明する。
始めに、基板20上の片面銅張積層板(第1金属層)41表面の銅箔をエッチングして、第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bを形成する(図3(A)(B))。
続いて、基板20上に、各第1配線層40A,40B及び各電極領域50A,50Bを被覆するように、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂ワニスをロールコーターで塗工し、所定の条件で乾燥・硬化させて第1絶縁層30を形成する。(図3(C))
次に、第1絶縁層30を平坦化処理し、第1絶縁層30に覆われた各第1配線層40A,40B及び各電極領域50A,50Bの表面を露出させる。平坦化処理の方法としては、セラミックあるいは不織布のバフによるバフ研磨、研磨ベルトによるベルトサンダー研磨等があるが、なかでも比較的、研磨材が柔らかく基板20へのダメージの少ない不織布バフによる研磨が好ましい。ここでは、バフ研磨機により、各第1配線層40A,40B及び各電極領域50A,50Bの表面が露出するまで第1絶縁層30を研磨する(図3(D))。
続いて、各第1配線層40A,40B及び各電極領域50A,50Bの表面を粗面化処理する。例えば、メックエッチボンドCZ−8101等の薬液で処理し、各第1配線層40A,40B及び各電極領域50A,50Bの表面粗さRaを1.0〜2.0μmの範囲内に粗面化する。ここで、置換型無電解銀めっき処理をする前に、あらかじめ各第1配線層40A,40B及び各電極領域50A,50Bの銅箔を薬液処理等で粗面化しておく理由は、通常の粗化薬液では銀めっきの付着した銅箔を粗面化できない、または粗面化できたとしても付着した銀めっきの厚さが薄くて下地の銅が露出してしまうからである。すなわち、銀めっき処理の前に銅箔を粗面化しておくことで銀めっきを銅箔の形状に沿って付着させることができ、各第1配線層40A,40Bと第2絶縁層35との間の密着性と、抵抗体70と各電極領域50A,50Bとの間の密着性をそれぞれ十分に確保することが可能となる。
次に、基板20を置換型無電解銀めっき処理すると、各第1配線層40A,40B及び各電極領域50A,50Bの形状に沿って、厚さ0.2〜0.4μm程度の薄い銀めっき膜からなる貴金属層60A,60Bが形成される。(図3(E))。
続いて、各電極領域50A,50Bの間に、各電極領域50A,50B上の貴金属層60A,60Bとそれぞれ一部が重なるように粘度500〜1000ポイズのカーボンペーストからなる抵抗体70を、開口を有する金属からなるメタルマスクによりスクリーン印刷し、所定の条件で乾燥させる(図4(A))。なお、貴金属層60A,60Bを介在して、第1配線層40A,40Bが抵抗体70と接触する領域及びその周辺領域を電極領域50A,50Bとしている。
乾燥後に、ペースト状の抵抗体70を最高到達温度が180℃以上となるような温度条件で硬化させる。この際、硬化後の抵抗体70の厚さを20μm前後にする。
ここで、抵抗体70のスクリーン印刷にメタルマスクを用いる理由は、第1絶縁層30の表面が平滑で密着した状態で印刷可能あれば、耐久性もあり、印刷精度が優れているからである。これに対し、通常、テトロンあるいはステンレス等のメッシュ状のスクリーン版による印刷では印刷面の制約は少ないが、スクリーン版と基板との間に数ミリ程度のギャップをとりスキージで版を強く押し込むことによりカーボンペーストを印刷するので、カーボンペーストのにじみや押し込むことによる開口部の変形、さらには繰り返し印刷することによる乳剤の劣化やテトロンあるいはステンレス繊維の歪み等が生じやすい。そのため、ここではメタルマスクを用いている。
次に、抵抗素子70が形成された基板20上に第2絶縁層35を形成する(図4(B))。第2絶縁層35は、ビルドアップ基板用絶縁樹脂フィルムを真空加圧式ラミネータで、例えば温度130℃、圧力3kg/cm程度の条件でラミネートし、平面プレス機で樹脂表面を平滑にした後、170℃で1時間程度絶縁樹脂を硬化させて形成する。
続いて、第2絶縁層35をCOレーザでビア加工し、ビアホール81A,81Bを形成する(図4(C))。そして、無電解銅めっき、電気銅めっきを行いビアホール81A,81B内に接続層80A,80Bを形成するとともに、接続層80A,80B上及び第2絶縁層35上に第2金属層91を形成する(図4(D))。この際、接続層80A、80Bは、第2絶縁層35を介して第1配線層40A,40Bと第2金属層91とを電気的に接続するように銅めっき処理されている。
次に、第2金属層91を選択的にエッチングし、第2絶縁層35上に第2配線層90A,90Bを形成する(図4(E))。これにより、抵抗素子を内蔵したプリント配線板10を形成することができる。
上述したように本実施形態によれば、各第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bを被覆するようにめっき形成された貴金属層60A,60Bと、各電極領域50A,50B間の基板20上には貴金属層60A,60Bを印刷しないことから、抵抗素子11のサイズを縮小しつつ、段差に起因した印刷制度の低下を解消できる。更に、第1絶縁層30に対して表面がそれぞれ平滑になるように各第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bを選択的に形成しているので、配線の凹凸に起因した印刷精度の低下をも阻止できる。よって、内蔵する抵抗素子11のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止することができる抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
また、各貴金属層60A,60Bとしては銀めっき膜からなるプリント配線板であるので、他の貴金属に比べ安価で安定した特性を示す傾向がある。よって、安価で且つ特性の安定性に優れた抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
さらに、各第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bの表面が粗面化処理されているので、抵抗体70の密着性が向上し、抵抗体70と電極領域50A,50Bの接触抵抗を減らすことができ、信頼性に優れた抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
また、第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bの表面粗さRaが1μmから2μmの範囲内であり、銀めっき膜の厚さが0.2μm0.4μmの範囲内にあるプリント配線板であるので、粗面化した各第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bの上に貴金属めっきが付着しても粗面化された表面の凹凸形状が充分に残っており、電極領域50A,50Bと抵抗体70の密着性を十分に確保することができるとともに、各第1配線層40A,40Bと第2絶縁層35との密着性を十分に確保することができる。更に、置換型無電解銀めっきのめっき厚が0.2μm以上、0.4μm以下の範囲内にあるので、必要最低限のめっき厚で電極領域50A,50Bと抵抗体70を密着させることができ、抵抗素子11のサイズを縮小しつつ、段差に起因した印刷精度の低下を解消できる。
補足すると、置換型無電解銀めっき処理が、あらかじめ薬液処理等で粗面化された電極領域50A,50Bに施されているので、貴金属めっきが付着した電極領域50A,50Bの表面を粗面化することが可能となり、抵抗体70の密着性が向上し、信頼性に優れた抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
さらに、抵抗体70に、熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させた抵抗材料を用いているので、一般に高温焼成が必要とされる抵抗体形成が耐圧性の低い有機基板上でも実施することができる。
また、抵抗体70を、最高到達温度が180℃以上となるような温度条件下で硬化させて形成しており、一般的な多層プリント配線板用絶縁材料の硬化温度以上で抵抗体70を硬化させているので、第2絶縁層35を形成する前後で、抵抗素子11の抵抗値変化を少なくすることができる。
さらに、抵抗体70を内蔵する第2絶縁層35を形成する際の、プレス・ラミネート・硬化等の工程における最高到達温度は抵抗体70の硬化時の最高到達温度よりも低くしているので、第2絶縁層35を形成する前後で、抵抗素子11の抵抗値変化を少なくすることができる。
また、アンダーコート材(第1絶縁層30)が平滑であるので、メタルマスクで抵抗ペーストをスクリーン印刷することができ、印刷制度に優れた抵抗体70を形成することができる。すなわち、基板上の金属間を全部絶縁樹脂で埋めることによって、印刷面を平坦化しており、メタルマスクが使用可能となり印刷精度が上がる。また、通常のメッシュ版に比べてメタル版のスクリーン印刷は、耐久性に優れるためコストの削減にも効果がある。
さらに、抵抗体70の粘度が、500〜1000ポイズの範囲内にあるので、メタルマスクでスクリーン印刷する際ににじみやダレが生じない。さらに、印刷時に気泡を生じにくい抵抗ペーストにより抵抗体70を形成しているので、高精度・高信頼性の抵抗素子を形成することが可能になる。
また、抵抗素子電極(電極領域50A,50B)の形状がエッチングで規定され、かつ配線の凹凸を第1絶縁層30の被覆及び研磨により平坦化した後に、メタルマスクを用いたスクリーン印刷で抵抗体70を形成するため印刷精度が向上し、レーザトリミング等の抵抗値調整が少なくて済む。
さらに、第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bを、あらかじめ熱硬化性樹脂を主成分とするアンダーコート材(第1絶縁層30)とともに平坦化処理して表面のみを露出しているので、置換貴金属めっき処理を施す際に、貴金属めっきを付着させる部分の表面積を少なくすることが可能となる。また、各第1配線層40A,40B及び電極領域50A,50Bの凹凸が無くなるため、めっき液の液切れが良くなり銀めっき液の持ち出しが減る等の効果がありコストを削減できる。
また、第1配線層40A,40Bを貴金属めっき処理しているので、ビアホール81A,81Bに形成された接続層80A,80Bとの接触抵抗も軽減されるとともに、酸化が防止され、導電性が維持される。
さらに、貴金属層をめっき処理しているので、ペースト状の貴金属のような接続部がなくなるため、温度サイクル試験での信頼性を向上できる。
なお、上記実施形態は、コア基板20上に1層のビルドアップ層を形成した場合について説明したが、これに限らず、コア基板20として両面銅張積層板を用いて両面にビルドアップ層を形成したものも包含し、ビルドアップ層を2層以上形成し、コア基板20と直接接していない絶縁層に抵抗素子11が形成されている構造のプリント配線板も包含する。
また、第1配線層40A,40Bを貴金属層60A,60Bで覆う構成により、接続層80A,80Bとの接触抵抗が軽減される。すなわち、第1配線層40A,40B上の全面を貴金属めっきするので、第1配線層40A,40Bと接続層80A,80Bとの間の接触抵抗が軽減される。さらに、第1配線層40A,40B表面の酸化も防止され、導電性が維持される。
<実施例>
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例及び比較例に示す製造方法で製造した抵抗素子を内蔵したプリント配線板について、(1)抵抗値測定、(2)抵抗素子占有面積比較、(3)高温高湿試験、(4)貴金属めっきまたは銀ペーストの絶縁信頼性試験、(5)サーマルサイクル試験(TCT)を行った。評価方法は以下に示す通りである。
◇実施例の評価方法
(1)<抵抗値測定>
抵抗値の設計値が100Ωである抵抗素子を内蔵したプリント配線板100個について、マルチメーターで抵抗値を測定し、平均抵抗値、標準偏差(σ)、3σの値を得た。これにより、抵抗値のばらつきに対する抵抗素子の信頼性を評価した。
(2)<素子占有面積比較>
抵抗値の設計値が100Ωである抵抗素子を内蔵したプリント配線板における、抵抗素子の占有面積を算出した。なお、抵抗素子は抵抗体、電極領域、貴金属層から構成される部分である。これにより、製造方法に対する抵抗素子のサイズの大小を比較した。
(3)<高温高湿試験>
抵抗素子を内蔵したプリント配線板を、温度40℃、湿度95%の条件下に1000時間置いた。試験前後の抵抗値を測定し、抵抗値の変化を求めた。これにより、高温高湿条件下での界面の腐食等に対する抵抗素子の信頼性を評価した。
(4)<絶縁信頼性試験>
抵抗体を印刷・硬化させる工程を除いて、全く同一の条件で製造した試験基板を40個作成し、この試験基板を高度加速寿命試験装置に温度121℃、湿度85%の条件下で投入して、20Vの電圧を168時間印加し、絶縁抵抗の経時測定を行った。試験基板は、JIS−C5012規格に基づいて100μm/100μmの櫛形電極(電極領域)を、実施例および各参考例で使用した基板と同一の基板上にパターニングして作成した。また、比較例1ではL/S=100μm/100μmの櫛形電極(電極領域)を銀ペーストで印刷形成した。そして、抵抗値が10Ω以下となったものを絶縁不良と判定して評価した。これにより、銀めっきもしくは銀ペーストの信頼性を評価した。
(5)<サーマルサイクル試験(TCT)>
抵抗値の設計値が100Ωである抵抗素子を内蔵したプリント配線板100個について、低温槽−40℃、高温槽125℃、さらし時間30分の条件で1000サイクルTCTを行い、試験後の抵抗値が10Ω以上となった素子をクラックによる不良と判定して評価した。これにより、温度変化に対する抵抗素子の信頼性を評価した。
◇実施例の製造方法
[実施例1]
始めに、銅厚18μmの0.6mmのBTレジン両面銅張積層板(第1金属層){三菱ガス化学社製}を脱脂、洗浄した後、エッチングレジストをラミネート・露光・現像し、不要部分の銅箔をエッチングして導体回路(第1配線層)を形成した。導体回路の一部は抵抗素子電極(電極領域)を有している。この基板にビルドアップ基板用絶縁樹脂ワニスHBI−200{太陽インキ社製}をロールコーターで塗布したのち、所定の温度で乾燥,硬化させてアンダーコート層(第1絶縁層)を形成した。
さらに、アンダーコート層(第1絶縁層)を不織布バフで研磨して導体回路(第1配線層)及び抵抗素子電極(電極領域)を露出させた後、メックエッチボンドCZ−8101{メック社製}で露出した銅箔の表面粗さRaが1.2μmとなる条件で粗面化処理した。表面粗さRaはレーザ顕微鏡にて測定した。この基板を置換型無電解銀めっきIM−SIVER{日本高純度化学社製}}にて処理を行い、導体回路(第1配線層)及び抵抗素子電極(電極領域)を厚さ0.3μmの銀めっき(貴金属層)で被覆した。
このようにして銀めっきで被覆された抵抗素子電極(電極領域)間にカーボンペーストのTU−100−8(抵抗体){アサヒ化学研究所社製}を抵抗体の端がそれぞれ抵抗素子電極(電極領域)と200μmづつ重なるようにメタルマスクを用いてスクリーン印刷した。印刷に使用したカーボンペースト(抵抗体)の粘度をビスコテスターVT−04で測定したところ、700ポイズ前後であった。また、抵抗素子電極(電極領域)間に挟まれる抵抗体の設計寸法は幅0.5mm、長さ0.67mmであった。
このようにして印刷された抵抗ペースト(抵抗体)を90℃で30分間乾燥させた後、200℃で1時間硬化させた。硬化後の抵抗体の膜厚を測定したところ、膜厚は約20μmであった。
この基板上にビルドアップ多層プリント配線板用絶縁樹脂フィルムABF−GX{味の素ファインテクノ社製}を真空ラミネータで温度130℃、圧力3kgにてラミネートした後、170℃で1時間硬化させて第2絶縁層を形成した。COレーザでビア加工を行った後、アルカリ性過マンガン酸塩による粗面化処理・無電解銅めっき・電気銅めっきを行い、ビアを電気的に接続する接続層を形成するとともに、第2金属層を形成した。この後、エッチングにより所定の導体パターン(第2配線層)を形成して、抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した。
[比較例1]
実施例1の比較例であり、従来の製造方法で抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した例である。すなわち、電極領域を貴金属めっき処理による薄膜ではなく、銀ペーストにより形成している。
始めに、実施例1と同じ両面銅張積層板(第1金属層){三菱ガス化学社製}に実施例1と同様にして、導体回路(第1配線層)を形成した。導体回路は抵抗素子電極(電極領域)を有している。この時、それぞれの抵抗素子電極の抵抗体長さ方向の設計値は200μmであった。次に、導電性銀ペーストLS−504J{アサヒ化学研究所社製}を1対の抵抗素子電極上それぞれに200μmと抵抗素子電極に挟まれた基板樹脂上に400μmの計600μmにわたって325メッシュステンレススクリーン版でスクリーン印刷した。乾燥・硬化後に、銀ペースト硬化物の膜厚を測定したところ、膜厚は約15μmであった。 この1対の銀ペースト硬化物のうち、それぞれの最も内側の200μmの部分に重なるようにカーボンペーストTU−100−8(抵抗体){アサヒ化学研究所社製}を200メッシュステンレスクリーン版でスクリーン印刷した。カーボンペースト(抵抗体)の粘度はビスコテスターVT−04で測定したところ、700ポイズ前後であった。また、銀ペースト硬化物の間に挟まれる抵抗体の設計寸法は幅1.0mm、長さ1.34mmであった。このようにして抵抗体が印刷された基板を、90℃で30分間乾燥させた後、200℃で1時間硬化させた。硬化後の抵抗体の膜厚は約20μmであった。この基板を、メックエッチボンドCZ−8101(メック社製)で処理し、抵抗素子電極(電極領域)の銅箔を粗面化した後、実施例1の製造方法と同様の方法で絶縁層及び導体回路(第1配線層)等を形成し、抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した。
[実施例2]
実施例2は、アンダーコート層(第1絶縁層)を形成してから抵抗体を印刷した実施例1とは異なり、抵抗体を印刷してから絶縁層を形成して、抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した例である。
始めに、実施例1と同じ両面銅張積層板(第1金属層){三菱ガス化学社製}に実施例1と同様にして、導体回路(第1配線層)及び抵抗素子電極(電極領域)を形成した。導体回路の一部は抵抗素子電極(電極領域)を有している。この基板を、メックエッチボンドCZ−8101{メック社製}で処理して、表面粗さRaが1.2μmとなる条件で粗面化処理した。この基板を置換型無電解銀めっきIM−SILVER{日本高純度化学社製}にて処理を行い、導体回路(第1配線層)及び抵抗素子電極(電極領域)を厚さ0.3μmの銀めっき(貴金属層)で被覆した。
このようにして銀めっきで被覆された抵抗素子電極(電極領域)上にカーボンペーストのTU−100−8(抵抗体){アサヒ化学研究所社製}を抵抗素子電極(電極領域)と200μmづつ重なるように200メッシュステンレススクリーン版でスクリーン印刷した。印刷に使用したカーボンペースト(抵抗体)の粘度をビスコテスターVT−04で測定したところ、700ポイズ前後であった。また、抵抗素子電極(電極領域)間に挟まれる抵抗体の設計寸法は幅1.0mm、長さ1.34mmであった。このようにして抵抗体が印刷された基板を実施例1と同様の工程に従って処理し、抵抗素子を内蔵した受動素子内蔵プリント配線板を製造した。
◇実施例の測定結果
実施例1の測定結果は、図5に示すように、比較例1と比較して、極めて良い測定値を示している。
具体的には、設計値100Ωにおける実施例1の平均抵抗値は97.2Ωであり、比較例1は78Ωである。また、実施例1の標準偏差σの値は2.1であり、比較例1は14.54である。また、実施例1の3σの値は6.3であり、比較例1は43.62である。
これにより、実施例1は、比較例1よりも、高い精度で抵抗体を印刷でき、段差や凹凸に起因した信頼性(印刷制度)の低下を阻止することを確認できた。
実施例1の素子占有面積の値は0.963mmであり、比較例1は4.572mmである。これにより、実施例1は、比較例1よりも、抵抗素子の大きさを縮小できることを確認できた。
実施例1の高温高湿試験に対する抵抗値変化は1.9%であり、比較例1は2.1%である。これにより、実施例1は、比較例1よりも、高温高湿条件下の界面の腐食等による抵抗値の増大を阻止できることを確認できた。
40個のサンプル数における実施例1の絶縁信頼性試験に対する不良発生数は0個であり、比較例1は29個である。これにより、実施例1は、比較例1とは異なり、寿命による劣化を阻止できることを確認できた。
100個のサンプル数における実施例1のTCT試験に対する不良発生数は0個であり、比較例1は26個である。これにより、実施例1は、比較例1とは異なり、温度変化によるクラックを抑制できることを確認できた。
以上示したように、本発明によれば、従来の抵抗素子を内蔵したプリント配線板に比べて、抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止できるプリント配線板及びその製造方法を提供することができた。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の一実施形態に係るプリント配線板の構造の一例を示す断面図である。 同実施形態に係るプリント配線板の構造の一例を概念的に示す上面図である。 同実施形態に係るプリント配線板の製造方法を示す工程断面図である。 同実施形態に係るプリント配線板の製造方法を示す工程断面図である。 同実施形態に係るプリント配線板の実施例及び比較例の結果を示す図である。 従来のプリント配線板の構造を示す断面図である。 従来のプリント配線板の構造を示す断面図である。
符号の説明
10・・・プリント配線板、11・・・抵抗素子、20・・・コア基板、30・・・第1絶縁層、35・・・第2絶縁層、40A,40B・・・第1配線層、41・・・第1金属層、50A,50B・・・電極領域(電極)、60A,60B・・・貴金属層、70・・・抵抗体、80A,80B・・・接続層、81A,81B・・・ビアホール、90A,90B・・・第2配線層、91・・・第2金属層。

Claims (4)

  1. 基板上に、第1配線層を選択的に形成すると共に、当該第1配線層と導通している少なくとも1対の電極を形成するステップと、
    前記第1配線層及び前記各電極とは異なる領域を埋め込むように、前記第1配線層及び前記各電極の表面に対して平滑な表面を有する第1絶縁層を前記基板上に形成するステップと、
    前記第1配線層の上面のみ及び前記各電極の上面のみを被覆するように貴金属層をめっき形成するステップと、
    前記貴金属層によりめっきされた各電極を電気的に接続するように前記貴金属層上及び前記各電極間の第1絶縁層上に選択的に印刷して抵抗体を形成するステップと、
    前記第1配線層、前記各電極、前記貴金属層、前記抵抗体を覆うように、前記基板上に第2絶縁層を形成するステップと、
    前記貴金属層上に前記第2の絶縁層を貫通する接続層を形成するステップと、
    前記接続層を介して前記貴金属層の一部と電気的に接続されるように、前記接続層上及び前記第2の絶縁層上に第2配線層を選択的に形成するステップと
    を備えたことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 請求項1に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記貴金属層は銀めっき膜からなることを特徴とするプリント配線板の製造方法
  3. 求項2に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記第1配線層及び前記各電極は表面が粗面化処理されていることを特徴とするプリント配線板の製造方法
  4. 請求項3に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記第1配線層及び前記各電極の表面粗さは、1〜2μmの範囲内にあり、
    前記銀めっき膜の厚さは、0.2〜0.4μmの範囲内にあることを特徴とするプリント配線板の製造方法
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