JP2002158441A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法

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JP2002158441A
JP2002158441A JP2001255777A JP2001255777A JP2002158441A JP 2002158441 A JP2002158441 A JP 2002158441A JP 2001255777 A JP2001255777 A JP 2001255777A JP 2001255777 A JP2001255777 A JP 2001255777A JP 2002158441 A JP2002158441 A JP 2002158441A
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hole
paste
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holes
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JP2001255777A
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Atsushi Suzuki
敦 鈴木
Toshifumi Kojima
敏文 小嶋
Kazue Obayashi
和重 大林
Hisato Kashima
壽人 加島
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント配線板のスルーホールの径が120
μm以下と小さい場合や、スルーホールの中心間距離の
ピッチが300μm以下と小さい場合においても、印刷
用マスクの版離れ不良、加熱硬化時の樹脂流れ(ブリー
ドアウト)、スルーホールの小径化による印刷性の悪化
等に起因するスルーホール充填材の露出面の凹みや充填
不良を生じることなく、容易かつ確実に穴埋め充填ペー
ストをスルーホール内に充填できるようにすること。 【構成】 スルーホールの直径が120μm以下の小径
スルーホールが中心間距離にて300μm以下のピッチ
で形成されている基板の密集領域に対して、密集領域に
対応する供給口を有する密集領域用印刷マスクを用い
て、まず、穴埋め充填ペーストを小径スルーホールに穴
埋め充填印刷する。次いで、同じ密集領域用印刷マスク
を用いて、密集領域を覆うように穴埋め充填ペースト
を、基板の厚みの5〜25%の厚みになるように塗布印
刷する。穴埋め充填ペーストを半硬化した後、基板から
の突出部を研磨除去して平坦化する。その後半硬化した
穴埋め充填ペーストを硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁基板の両面に形成
された導体層間を接続導通するためのスルーホール内に
穴埋め充填ペーストを充填硬化させた配線基板の製造方
法に関する。本発明の配線基板の製造方法は、高密度多
層配線化の進んだビルドアップ多層配線板等の製造方法
として好適である。
【0002】
【従来の技術】電気、電子機器等の小型化に伴い、これ
らの機器に搭載される配線基板等にも小型化、高密度化
が要求されている。かかる市場の要求に応えるべく、配
線基板の多層化技術が検討されている。かかる多層化の
方法としては、スルーホールを有する基板(いわゆるコ
ア基板)に対して、絶縁層と配線層とを交互に積層一体
化する、いわゆるビルドアップ法が一般的に用いられ
る。
【0003】しかし、コア基板には、基板両面の配線間
の接続導通をとるためのスルーホールが存在し、このス
ルーホール直上近傍に積層した絶縁層及び配線層(いわ
ゆるビルドアップ層)の平坦性が保てなくなる問題があ
る。そこで、ビルドアップ層の平坦性を確保するため
に、事前にスルーホール内に穴埋め充填ペーストを充填
硬化して平坦化してからビルドアップするのが一般的で
ある。
【0004】スルーホール内に穴埋め充填ペーストを充
填する方法としては、スキージを用いて充填する方法
(いわゆる印刷穴埋め法)、充填ノズルより圧入しつつ
充填する方法(いわゆる充填ノズル法)、ロールコータ
ーを用いて充填する方法(いわゆるロール穴埋め法)、
等が代表的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】穴埋め充填ペーストに
は、良好な印刷性、流動性が要求されるため、一般的に
は10〜100Pa・s程度の比較的低粘度のものが用
いられる。しかし、かかる比較的低粘度のペーストは、
加熱処理により粘度の更なる低下が起こり、スルーホー
ル開口面からのペーストダレ(いわゆるブリードアウ
ト)や、それに伴うスルーホール開口面の凹みを発生さ
せる。かかるスルホール開口面の凹みは、次いで形成さ
れるビルドアップ層に凹凸を発生させる原因となる。
【0006】加熱処理時の粘度低下に起因するスルホー
ル開口面の凹みの発生を防止するには、穴埋め充填ペー
ストの粘度を上げればよい。しかし、単に穴埋め充填ペ
ーストの粘度を300Pa・s以上にすると、印刷性、
流動性が徐々に悪化して、スルーホール内への充填が困
難になったり、充填ペースト中に空孔、クラック等の欠
陥が生じるようになる。かかる高粘度の穴埋め充填ペー
ストの充填性の問題は、特には、アスペクト比が大きい
スルーホール(2〜32、更には、5〜32、特には、
8〜32)を有する配線基板において問題となる。1枚
の基板中に通常用いられるスルーホール(例えば、基板
厚み800μm/直径300μm)と、かかる高アスペ
クト比のスルーホール(例えば、基板厚み800μm/
直径25〜150μm)とが混在する場合においては、
これらの間で充填性が不均一になりやすい問題がある。
【0007】スルーホールを小径化する程、極端に充填
性が低下していく。そこで、直径の小さいスルーホール
に高粘度のペーストを充填するためには、通常以上に高
い印刷圧力をかける必要がある。しかし、高い圧力をか
けつつ印刷スキージを掃引すると、スキージが基板に強
く押しつけられ、逆にペーストがスキージに掻き取られ
てスルーホールの開口部に凹みが生じて不良となる。
【0008】また、高粘度のペーストは版離れ性が悪い
ため、基板から印刷マスクにペーストが引きはがされ、
スルーホールの開口部に凹みが生じて不良となる(いわ
ゆる、印刷マスクによるアタッチ)。特に、印刷マスク
のペースト供給口を各スルーホールに対応させ、マスク
の供給口ピッチを基板のスルーホールピッチに合致させ
ると、印刷マスクのペースト供給口の端とスルーホール
が近くなり、印刷マスクによるアタッチが起こりやすく
なる。また、図10に示すように、スルーホール(4)
とマスクのペースト供給口(90)とを精度良く位置合
わせすることが困難になる。
【0009】近年は配線の更なる高密度化の要求がある
ため、スルーホールの小径化及びその狭ピッチ化が進ん
でいる。具体的には、直径が小さく(120μm以下)
アスペクト比が大きく(アスペクト比3以上)、かつス
ルーホールが狭ピッチ(スルーホール中心間距離にて3
00μm以下)で密集した配線基板を製造する必要があ
る。上記の諸問題で説明したように、単に穴埋め充填ペ
ーストの粘度を300Pa・s以上にする方法だけで
は、この要求に対応することは非常に困難である。
【0010】本発明の目的は、配線基板のスルーホール
の直径が120μm以下と小さい場合や、スルーホール
の中心間距離のピッチが300μm以下と小さい場合に
おいても、印刷用マスクの版離れ不良、加熱硬化時の樹
脂流れ(ブリードアウト)、スルーホールの小径化によ
る印刷性の悪化等に起因するスルーホール充填材の露出
面の凹みや充填不良を生じることなく、容易かつ確実に
穴埋め充填ペーストをスルーホール内に充填できるよう
な配線基板の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁基板の両
面に形成された導体層間を接続導通するためのスルーホ
ールを有する基板の該スルーホール内に、穴埋め充填ペ
ーストを充填硬化させた配線基板の製造方法であって、
以下の(a)〜(e)の工程を含むことを要旨とする。
本発明の一態様を示す図面を参考にしながら、本発明の
詳細を以下に説明する。
【0012】まず、工程(a)は、スルーホールの直径
が120μm以下の小径スルーホール(図1、図3の
4)が中心間距離にて300μm以下のピッチで形成さ
れている密集領域(図1、図3の3)に対して、該密集
領域に対応する供給口(図2の300)を有する密集領
域用印刷マスク(図2の100)を用いて、穴埋め充填
ペーストを小径スルーホールに穴埋め充填印刷する工程
である。図4に示すように、基板(1)上に密集領域用
印刷マスク(100)を配置して、穴埋め充填ペースト
をスキージ(図示せず。)によりスルーホール内に充填
する。尚、図2の400は、密集領域用印刷マスク(1
00)の供給口(300)に対応する密集領域(3)に
存在する小径スルーホールを仮想的に示したものであ
る。
【0013】工程(a)においては、スルーホールの形
成ピッチが更に細かい場合においても有効である。特に
中心間距離にて250μm以下、更には200μm以下
のピッチで形成されている場合に有効である。通常はこ
のように密集したスルーホールにおいては、熱衝撃試験
時に応力集中を起こしてビルドアップ層にクラック等の
不具合を生ずることがあるが、本発明の製造方法を用い
ればこのような問題は解決できる。
【0014】また、スルーホールの直径が100μm以
下、更には75μm、特には60μm以下の小径スルー
ホールの場合においても有効である。例えば、スルーホ
ールの直径が60μm(基板厚みが400μmの場合、
アスペクト比が4)、スルーホールの形成ピッチが24
0μm、スルーホール総数400個のスルーホール密集
領域が挙げられる。このように小径、かつ密集したスル
ーホールや、レーザードリリングにより形成されたスル
ーホールやコア基板の少なくとも一面に、絶縁層及び配
線層を交互に積層したビルドアップ層を形成し、該コア
基板及び該ビルドアップ層を貫通するように形成された
スルーホール(図12を参照)等のように、スルーホー
ルの内壁面にうねりや段差があって直線性に乏しいがゆ
えに極めて充填性が悪いスルーホールにおいて極めて有
効である。特には、スルーホール導体の表面が化学エッ
チング等により粗化されている場合に好適である。図1
や図3に示すように、直径の異なるスルーホールが混在
(例えば、100μmと300μmが混在)する基板を
用いる場合の各スルーホールを充填する場合にも有用で
ある。尚、スルーホールの内壁面には導通用のスルーホ
ール導体が形成されているのがよいが、導電性穴埋め充
填ペーストを用いる場合は、スルーホール導体形成を省
略できる。
【0015】工程(a)においてスキージにかける圧力
(P)は、図5に示すように、一度の穴埋め印刷で基
板の裏面に突出するまで十分に充填されるよう高い圧力
をかけると良い。この圧力値自体は、用いるスキージの
種類や穴埋め充填ペーストの粘度に依存するため、個別
に適宜スルーホールへの充填性を調査して定めるべき設
計事項である。ただし、適宜定められた適切な圧力(P
a)に対してスキージの圧力を75%以下(0.75Pa
以下)に設定すると、穴埋め充填ペースト中に気泡をか
みやすくなるので注意が必要である。また、定められた
適切な圧力(Pa)に対してスキージの圧力を50%以
下(0.5Pa以下)に設定すると、充填不足不良が発
生するので注意が必要である。尚、定められた適切な圧
力(Pa)に対してスキージの圧力を下げていくと塗布
厚みが厚くなっていくが、あまり厚く塗布すると後の研
磨除去が困難になるため、スキージの圧力を下げ過ぎる
のは好ましくない。
【0016】工程(a)は、具体的には、以下のように
行うことができる。例えば、図4に示すように、穴埋め
充填ペーストの供給口(9)を形成した密集領域用印刷
マスク(7)を、スルーホールの直径が120μm以下
の小径スルーホールが中心間距離にて300μm以下の
ピッチで形成されている密集領域(3)上に配置する。
このマスクは作製が容易・安価で、かつ印刷マスクの位
置合わせが容易で作業性に優れる利点がある。そして、
印刷スキージ(図示せず。)を用いて穴埋め充填を行
う。この充填においては、スルーホールの直径が120
μm以下と小さいため、22〜23℃における粘度が3
00Pa・s以上であるような高粘度のペーストを十分
に充填するためには、通常の穴埋め印刷の条件に比べて
スキージの圧力を高くする必要がある。工程(a)にお
けるスキージの圧力(P)を高く設定しないと、穴埋
め充填ペーストが基板の裏面側まで十分に充填されな
い。裏面側まで十分に穴埋め充填ペーストを充填しない
と、スルーホールの下部(基板の裏面付近)に穴埋め充
填ペーストが充填される際に巻き込んだ空気泡が残り不
良となる。
【0017】穴埋め印刷の終了の時点においては、スキ
ージの圧力を高く設定しているため、図5の3に示すよ
うに、スキージが密集領域における穴埋め充填ペースト
を全て掻き取っており、印刷マスクの開口部に露出した
基板上には穴埋め充填ペーストがほとんど残らない。こ
の状態でペーストを硬化させるとペーストの硬化収縮や
ブリードアウトの為、図11の13に示すように、穴埋
め充填ペーストに凹み(13)が発生し不良となる。こ
の凹み不良を回避するために、続いて以下の工程(b)
を行う必要がある。
【0018】工程(b)は、再度密集領域用印刷マスク
を用いて、穴埋め印刷を行った密集領域を覆うように穴
埋め充填ペーストを、該基板の厚みの5〜25%の厚み
になるように塗布印刷する工程である。図6に示すよう
に、工程(a)で用いた同じ印刷マスク(7)を用い
て、再度スルーホールの密集領域(3)の全体を覆うよ
うに(図7の120を参照。)穴埋め充填ペーストを塗
布する。この際、工程(b)のスキージの圧力(P
は、工程(a)のスキージの圧力(P)よりも圧力を
下げて、かつ基板の厚みの5〜25%の厚みになるよう
に穴埋め充填ペーストを塗布印刷することが重要であ
る。工程(b)のスキージの圧力(P)を工程(a)
のスキージの圧力(P)よりも下げないと、塗布すべ
き穴埋め充填ペーストがスキージによりかきとられてし
まい、基板の厚みの5〜25%の厚みになるように穴埋
め充填ペーストを塗布印刷することができなくなるから
である。工程(a)のスキージの圧力(P)に対する
工程(b)のスキージの圧力(P)の比(P
)は、0.2〜0.6の範囲にするとよい。好まし
くは0.3〜0.5である。基板の厚みの5〜25%の
厚みになるように穴埋め充填ペーストを塗布印刷するこ
とがより容易にできるようにできるからである。この塗
布厚みは、好ましくは7〜20%、より好ましくは10
〜15%の範囲にするとよい。ブリードアウトに起因す
る穴埋め充填ペーストの凹みの発生を効果的に防止で
き、かつ後工程での研磨除去が容易にできるからであ
る。尚、スキージの圧力値自体は、用いるスキージの種
類や穴埋め充填ペーストの粘度に依存するため、個別に
適宜スルーホールへの充填性を調査して定めるべき設計
事項である。従って、本発明においては、スキージの圧
力値自身ではなく、工程(a)のスキージの圧力
(P)に対する工程(b)のスキージの圧力(P
の比(P/P)を特定範囲にすることが重要であ
る。但し、工程(a)の適宜定められたスキージの圧力
(Pa)に対して75%以下の圧力を用いるのは好まし
くないことは前述した通りである。
【0019】このようにスルーホールの密集領域に穴埋
め充填ペーストを薄く塗布することにより、硬化収縮や
ブリードアウトを原因とした凹み不良を防止することが
できる。通常の穴埋め印刷に比べ工程が1つ増加する
が、同じ印刷マスクを用いることができるので、印刷圧
力の条件を変更するのみでワーク、印刷マスク、スキー
ジの取り外しや交換の必要が無いので、効率よくスルー
ホール開口部の凹みを防止することができる。スキージ
の圧力を自動切換えするように設定できる印刷装置を用
いれば、工程(a)と工程(b)とを極めて容易に連続
的に行うことができる。尚、工程(a)と工程(b)と
では、スキージの圧力以外に、スキージの印刷速度やワ
ークと印刷マスクとのギャップ等を適宜変更してもよ
い。
【0020】工程(b)で塗布した穴埋め充填ペースト
の厚みが基板の厚みの25%を超えると、穴埋めペース
トの硬化収縮に起因する基板の反りが発生したり、続い
て行う工程(c)での研磨量が増えて作業が煩雑になり
好ましくない。また工程(b)で塗布した穴埋め充填ペ
ーストの厚みが基板の厚みの5%未満になると、ブリー
ドアウトによる凹み防止の効果が得られない。好ましく
は、穴埋め充填ペーストを基板の厚みの7〜20%、更
に好ましくは基板の厚みの10〜15%の厚みになるよ
うに塗布印刷すると良い。上記問題の発生をより効果的
に防止できるからである。
【0021】次いで、工程(c)について説明する。工
程(c)は、スルーホール内に穴埋め充填印刷した穴埋
め充填ペースト及び密集領域を覆うように塗布印刷した
穴埋め充填ペーストを半硬化する工程(図示せず。)で
ある。完全硬化させない理由は、続く工程(d)で行う
穴埋め充填ペーストの基板からの突出部の研磨除去がよ
り容易にできるようにするためである。工程(b)を終
えた基板を、80〜120℃の比較的低温下に5〜60
分間置くことで、半硬化状態にすることができる。
【0022】次いで、工程(d)について説明する。工
程(d)は、半硬化した穴埋め充填ペーストのうち、基
板から突出した部分を研磨除去する工程である。前述し
たように、穴埋め充填ペーストを完全硬化させてから研
磨除去するのは効率面で劣る。そこで、穴埋め充填ペー
ストの基板からの突出部を半硬化の状態で研磨除去すれ
ば、効率良く突出部を研磨除去できる。穴埋め材は半硬
化状態であるため、完全硬化したものと比較して、たや
すく研磨除去することがからである。この突出部は、後
工程において形成されるビルドアップ層の平坦性を損な
う原因となる。そこで、半硬化後の穴埋め充填材の基板
面からの突出部を容易に研磨除去して、穴埋め充填後の
基板上に新たな絶縁層をビルドアップする際に平坦化
(図3に例示する。)しておく必要がある。また、金属
フィラーや誘電体フィラーを含む場合、研磨してフィラ
ーの露出面を平坦化することにより、続くビルドアップ
層のメッキ導体層との密着性や接触面積を稼ぐ効果が得
られる。充填状態の向上やペーストの高粘度化を併用し
て半硬化後の凹凸の発生を抑えるとともに、半硬化状態
で研磨することで、研磨工程に要する時間を短縮するこ
とができる。研磨除去する工程としては、まずベルトサ
ンダーを用いてコア基板表面を研磨(粗研磨)した後、
バフ研磨(仕上げ研磨)して平坦化するのがよい。続く
ビルドアップ層をより平坦に精度よく形成することがで
きるからである。
【0023】次いで、工程(e)について説明する。工
程(e)は、半硬化した穴埋め充填ペーストを硬化する
工程(図示せず。)である。既に半硬化されてるため、
硬化後に硬化収縮やブリードアウトに起因する凹みが発
生することはない。したがって、続いて積層されるビル
ドアップ層に凹凸を生じさせることもない。
【0024】以上の工程(a)〜(e)の各工程を兼備
することで、たとえスルーホールの直径が120μm以
下の小径で、かつ中心間距離にて300μm以下のピッ
チで形成されている場合であっても、スルーホール内へ
の充填が容易になり、充填ペースト中に空孔、クラック
等の欠陥の発生を抑制できる。また、スルホール開口面
の凹凸の発生をより効果的に防止できるため、続いて形
成されるビルドアップ層が凹凸になることはない。更
に、穴埋め充填ペーストの粘度が300Pa・s以上の
高粘度で印刷性、流動性が劣る場合であっても、穴埋め
充填ペースト中に空孔、クラック等の欠陥の発生を抑制
できる。本発明で好適に用いることができる高粘度(3
00〜1500Pa・s以上)の穴埋め充填ペースト
は、極めてチクソトロピー性に劣り、印刷性、流動性が
悪い。しかし、工程(a)〜(e)を用いれば、スルー
ホール内への充填を容易に行い、穴埋め充填ペースト中
に空孔、クラック等の欠陥の発生を抑制できる効果を奏
する。
【0025】用いる穴埋め充填ペーストの22〜23℃
における粘度を300Pa・s以上の高粘度にすること
で、スルーホール内に充填した穴埋め充填ペーストの加
熱処理時に起こるペーストの粘度低下に起因する、スル
ーホール開口面からのペーストダレや、それに伴うスル
ホール開口面の凹みの発生をより効果的に低減すること
ができる。本発明に適した穴埋め充填ペーストの22〜
23℃における粘度の好ましい範囲は、600Pa・s
以上である。より好ましくは700Pa・s以上、更に
好ましくは1000Pa・s以上、特には1500Pa
・s以上である。
【0026】ここにいう穴埋め用マスクとしては、ステ
ンレス等の金属製板状体(金属箔状も含む。)やPE
T、ポリイミド、PPS等の樹脂製板状体(フィルム状
も含む。)を用いるのがよい。好ましくは、ステンレス
製のメタルマスクである。
【0027】ここにいう「スルーホールを有する基板」
としては、FR−4、FR−5等のいわゆるコア基板を
用いるのがよいが、熱可塑性樹脂シートにスルーホール
を形成したものを用いてもよい。ここにいう「穴埋め充
填ペースト」としては、熱硬化性樹脂に無機フィラー、
硬化剤、脱泡剤等を添加したものを用いることができ
る。熱硬化性樹脂としては、いわゆるエポキシ系樹脂を
用いるのがよい。エポキシ系樹脂としては、いわゆるB
P(ビスフェノール)型、PN(フェノールノボラッ
ク)型、CN(クレゾールノボラック)型のものを用い
るのがよい。特には、BP(ビスフェノール)型を主体
とするものがよく、BPA(ビスフェノールA)型やB
PF(ビスフェノールF)型が最もよい。
【0028】ここにいう「無機フィラー」とは、セラミ
ックフィラー、誘電体フィラー、金属フィラー等をい
う。セラミックフィラーとしては、シリカ、アルミナ等
がよい。誘電体フィラーとしては、チタン酸バリウム、
チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛等がよい。金属フィ
ラーとしては、銅、銀、銀/銅合金等がよい。
【0029】ここにいう「硬化剤」としては、無水カル
ボン酸系や、アミン系のものを用いることができる。特
には、イミダゾール系の硬化剤がよい。また、ここにい
う「脱泡剤」としては、公知の市販品を用いることがで
きる。穴埋め充填材は、できる限り揮発性物質を含まな
いことが好ましいので、穴埋め充填ペーストにした状態
の揮発減量割合が1%以下、好ましくは0.5%以下と
なる脱泡剤を用いるのがよい。
【0030】このように、以上の(a)〜(e)の各工
程を経た後、公知の方法を用いて樹脂絶縁層と配線層と
を交互に積層形成(ビルドアップ)して、多層配線基板
を得る。ビルドアップの方法は問わないが、セミアディ
ティブ法、フルアディティブ法等の公知のアディティブ
法や、ガラスクロス、耐熱樹脂製不織布、金属箔等を芯
材にして樹脂絶縁層をプリプレグでラミネートするラミ
ネート法等を用いることができる。
【0031】アディティブ法を用いる場合は、ビルドア
ップ層を形成する前には、露出した配線表面に化学エッ
チング、黒化処理、針状メッキ等の公知の粗化面形成処
理を行う。それによって、続いて形成される樹脂絶縁層
の密着力が向上できる。形成された樹脂絶縁層の表面を
過マンガン酸カリウム処理、クロム酸処理等により粗化
処理する。続いて形成される配線層の密着力を上げるた
めである配線層は無電解メッキ、電解メッキ、フォトリ
ソグラフィを用いた公知の方法で形成できる。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。 実施例1;スルーホール充填性評価 穴埋め充填ペーストは、ビスフェノール型エポキシ樹脂
に無機フィラー(銅又はシリカ)とイミダゾール系硬化
剤を添加して混練したものを用いる。粘度は表1に示す
6種類を用いる。銅貼りコア基板は、厚み400μmの
ガラス−エポキシ複合材料からなるコア基板(FR−
5)に、スルーホール内壁面には銅メッキにより形成さ
れた導体を有する小径スルーホールの密集領域を有する
ものである。スルーホールは、図1に示すように、直径
75μmの小径スルーホールからなるの密集領域と、こ
れらを囲むように直径250μmのスルーホールが形成
されている。
【0033】(実施例/試料番号3〜8、10〜14)
真空吸引装置の付いた台座の上に不繊紙を設置し、上記
銅貼りコア基板を、台座の上に配置する。その上にスル
ーホールの密集位置に対応するようにペースト供給口を
有するステンレス製の穴埋めマスクを設置する。次い
で、穴埋め充填ペーストを載せ、スキージを用いて加圧
しながら、ペーストをスキージで掻き取りつつ穴埋め充
填を行う。一回目の充填が終了した後、印圧を変更し基
板上に穴埋め充填ペーストが表1に示す塗布厚み(コア
基板の厚み400μmに対する%表示)になるように印
刷圧力やマスク厚みを調整して印刷した。二回目の穴埋
め充填印刷終了後、スルーホール端面から倍率200倍
の拡大鏡にて、充填不具合の有無を目視検査した。P
/Pは0.2〜0.6の範囲で行った。
【0034】充填を完了したコア基板を、120℃×2
0分の条件下で半硬化させる。半硬化した穴埋め材のス
ルーホール端面から倍率200倍の拡大鏡を用いて、ス
ルーホール充填材の凹み、クラック等の不具合の有無を
目視検査した。次いで、ベルトサンダー(粗研磨)を用
いてコア基板表面を研磨した後、バフ研磨(仕上げ研
磨)して平坦化する。次いで、150℃×5時間の条件
下で硬化させて、穴埋め工程を完了する。穴埋め材のス
ルーホール端面から倍率200倍の拡大鏡を用いて、ス
ルーホール充填材の凹み、クラック等の不具合の有無を
目視検査した。またスルーホールの断面を切り出し拡大
鏡で目視検査した
【0035】(比較例1/試料番号9)穴埋め工程が各
スルーホールに対応した貫通孔を持つメタルマスクを用
い、一回目の充填のみを行った以外は、実施例1と同じ
条件で行う。メタルマスクの貫通孔の直径は基板スルー
ホールの2倍とした。実施例1と同様に、充填終了後、
同様に検査する。結果を表1に示す。
【0036】(比較例2/試料番号1)穴埋め工程がス
ルーホールの密集位置に対応するようにペースト供給口
を有するステンレス製の穴埋めマスク用い、一回目の充
填と二回目の充填を同じ圧力で行い基板上にペーストを
残さなかった以外は、実施例と同じ条件で行う。実施例
と同様に、充填終了後、同様に検査する。結果を表1に
示す。
【0037】(比較例3/試料番号2)穴埋め工程がス
ルーホールの密集位置に対応するようにペースト供給口
を有するステンレス製の穴埋めマスク用い、一回目の充
填のみを行い基板上にペーストを残さなかった以外は、
実施例と同じ条件で行う。実施例と同様に、充填終了
後、同様に検査する。結果を表1に示す。
【0038】(比較例4/試料番号15)穴埋め工程が
スルーホールの密集位置に対応するようにペースト供給
口を有するステンレス製の穴埋めマスク用い、Pb/Pa
を0.1にして行った以外は、実施例と同じ条件で行
う。実施例と同様に、充填終了後、同様に検査する。結
果を表1に示す。
【0039】(比較例4/試料番号16)穴埋め工程が
スルーホールの密集位置に対応するようにペースト供給
口を有するステンレス製の穴埋めマスク用い、Paを今
までの圧力の0.75倍とし、Pb/Paを0.4にして
行った以外は、実施例と同じ条件で行った。実施例と同
様に、充填終了後、同様に検査する。結果を表1に示
す。
【0040】(比較例5/試料番号17)穴埋め工程が
スルーホールの密集位置に対応するようにペースト供給
口を有するステンレス製の穴埋めマスク用い、Paを今
までの圧力の0.5倍とし、Pb/P aを0.4にして行
った以外は、実施例と同じ条件で行った。実施例と同様
に、充填終了後、同様に検査する。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1の結果より、通常のスクリーン印刷法
では充填困難な直径が小さいスルーホールが密集した領
域でも高粘度の穴埋め充填ペースト(300Pa.s以
上)を、本発明によれば充填不良を生じさせることなく
充填、硬化が可能であることがわかる。1枚の基板中に
異なる直径のスルーホールを有する場合であっても、充
填性を均一にできる。
【0043】充填用マスクの貫通孔を各スルーホール対
応の物を使用した場合(試料番号9)、マスクの位置合
わせが困難でかつマスクを外す時にペーストがマスクに
取られた為と硬化時のペーストダレ(ブリードアウト)
の為、スルーホールの開口部に凹みが発生した。2回目
の印刷による基板上へのペーストの塗布を行わなかった
場合も(試料番号2)、試料番号9と同様の理由で、ス
ルーホールの開口部に同様の凹みが発生した。Pb/Pa
を0.1にして行った場合は(試料番号15)、ペース
トの塗布厚みが厚すぎて、次工程の研磨除去が困難とな
った。また一回目のスキージの圧力(Pa)が0.75
倍と低く充填が不十分な場合(試料番号16)には、ス
ルーホール内に泡が入る不良が発生した。さらに一回目
のスキージの圧力(Pa)が0.5倍と低い場合には、
充填が不十分でペーストが裏面まで到達せず不良となっ
た(試料番号17)。
【0044】このように、スルーホール密集部は位置合
わせおよびマスクの作製が容易で安価なマスクを使用
し、十分に圧力をかけ充填した後、基板上に薄くペース
トを塗布することにより、スルーホール開口部の凹みが
無くかつ効率的にスルーホールを充填することが可能に
なった。
【0045】実施例2;配線基板の製造 コア基板の少なくとも一面に、絶縁層及び配線層を交互
に積層したビルドアップ層を形成するとともに、開口部
をコア基板及びビルドアップ層を貫通するように形成し
た基板を用いた多層配線基板は、例えば以下のように製
造するとよい(図12〜図26)。ここでは、図12に
示すいわゆる「FC−PGA」構造の実施例を用いて以
下に説明する。
【0046】図13に示すような、厚み0.4mmの絶
縁基板(100)に厚み18μmの銅箔(200)を貼
り付けたFR−5製両面銅張りコア基板を用意する。こ
こで用いるコア基板の特性は、TMAによるTg(ガラ
ス転移点)が175℃、基板面方向のCTE(熱膨張係
数)が16ppm/℃、基板面垂直方向のCTE(熱膨
張係数)が50ppm/℃、1MHzにおける誘電率ε
が4.7、1MHzにおけるtanδが0.018であ
る。
【0047】コア基板上にフォトレジストフィルムを貼
り付けて露光現像を行い、直径600μmの開口部及び
所定の配線形状に対応する開口部(図示せず。)を設け
る。フォトレジストフィルムの開口部に露出した銅箔を
亜硫酸ナトリウムと硫酸を含むエッチング液を用いてエ
ッチング除去する。フォトレジストフィルムを剥離除去
して、図14に示すような露出部(300)及び所定の
配線形状に対応する露出部(図示せず。)が形成された
コア基板を得る。
【0048】市販のエッチング処理装置(メック社製
CZ処理装置)によってエッチング処理を施して銅箔の
表面粗化をした後、エポキシ樹脂を主体とする厚み35
μmの絶縁フィルムをコア基板の両面に貼り付ける。そ
して、170℃×1.5時間の条件にてキュアして絶縁
層を形成する。このキュア後の絶縁層の特性は、TMA
によるTg(ガラス転移点)が155℃、DMAによる
Tg(ガラス転移点)が204℃、CTE(熱膨張係
数)が66ppm/℃、1MHzにおける誘電率εが
3.7、1MHzにおけるtanδが0.033、30
0℃での重量減が−0.1%、吸水率が0.8%、吸湿
率が1%、ヤング率が3GHz、引っ張り強度が63M
Pa、伸び率が4.6%である。
【0049】図15に示すように、炭酸ガスレーザを用
いて絶縁層(400)に層間接続用のビアホール(50
0)を形成する。ビアホールの形態は、表層部の直径は
120μm、底部の直径は60μmのすりばち状であ
る。更に炭酸ガスレーザの出力を上げて、絶縁層とコア
基板を貫通するように直径300μmのスルーホール
(600)を形成する。更に、スルーホールの直径が1
20μm小径スルーホールが中心間距離にて300μm
のピッチで形成して、密集領域を設ける(図示せず)。
スルーホールの内壁面はレーザ加工に特有のうねり(図
示せず。)を有する。そして、基板を塩化パラジウムを
含む触媒活性化液に浸漬した後、全面に無電解銅メッキ
を施す(図示せず。)。
【0050】次いで、基板の全面に厚み18μmの銅パ
ネルメッキ(700)をかける。ここで、ビアホールに
は、層間を電気的に接続するビアホール導体(800)
が形成される。またスルーホールには、基板の表裏面を
電気的に接続するスルーホール導体(900)が形成さ
れる。市販のエッチング処理装置(メック社製 CZ処
理装置)によってエッチング処理を施して銅メッキの表
面粗化する。その後、同社の防錆剤によって防錆処理
(商標名:CZ処理)を施して疎水化面を形成して、疎
水化処理を完了する。疎水化処理を施した導体層表面の
水に対する接触角2θを、接触角測定器(商品名:CA
−A、協和科学製)により液適法で測定したところ、接
触角2θは101度であった。
【0051】真空吸引装置の付いた台座の上に不繊紙を
設置し、上記基板を、台座の上に配置する。その上にス
ルーホールの位置に対応するように貫通孔を有するステ
ンレス製の穴埋めマスクを設置する。次いで、銅フィラ
ーを含むスルーホール充填用ペーストを載せ、ローラー
式スキージを加圧しながら穴埋め充填を行う。
【0052】図16に示すように、スルーホール内に充
填したスルーホール充填用ペースト(1000)を、1
20℃×20分の条件下で仮キュアさせる。次いで、図
17に示すように、ベルトサンダー(粗研磨)を用いて
コア基板表面を研磨した後、バフ研磨(仕上げ研磨)し
て平坦化(図示せず。)して、150℃×5時間の条件
下でキュアさせて、穴埋め工程を完了する。
【0053】図18に示すように、金型(図示せず。)
を用いて□8mmの貫通孔(110)を形成する。図1
9に示すように、基板の一面にマスキングテープ(12
0)を貼り付ける。そして、図20に示すように、貫通
孔(110)に露出したマスキングテープ上に、積層チ
ップコンデンサ(130)をチップマウンタを用いて8
個配置する。この積層チップコンデンサは、積層体(1
50)からなり、電極(140)が積層体から70μm
突き出している。
【0054】図21に示すように、積層チップコンデン
サを配置した貫通孔の中に、埋め込み樹脂(160)を
ディスペンサ(図示せず。)を用いて充填する。埋め込
み樹脂を、1次加熱工程を80℃×3時間、2次加熱工
程を170℃×6時間の条件により脱泡および熱硬化す
る。
【0055】図22に示すように、硬化した埋め込み樹
脂の表面を、ベルトサンダーを用いて粗研磨した後、ラ
ップ研磨にて仕上げ研磨する。研磨面には、チップコン
デンサーの電極の端面が露出している。次いで、仮キュ
アした穴埋め樹脂を150℃×5時間の条件下で硬化さ
せる。
【0056】その後、膨潤液とKMnO4溶液を用い
て、埋め込み樹脂の研磨面を粗化する。粗化面をPd触
媒活性化した後、無電解メッキ、電解メッキの順番で銅
メッキを施す。図23に示すように、埋め込み樹脂の上
に形成されたメッキ層は、チップコンデンサーの電極の
端面と電気的に接続されている。メッキ面にレジストを
形成し、所定の配線パターンをパターニングする。不要
な銅をNa228/濃硫酸を用いてエッチング除去す
る。レジストを剥離して、図24に示すように、配線の
形成を完了する。市販のエッチング処理装置(メック社
製 CZ処理装置)によってエッチング処理を施して配
線の銅メッキの表面粗化する。
【0057】その上に絶縁層となるフィルム(190)
をラミネートして熱硬化した後、炭酸ガスレーザーを照
射して層間接続用のビアホールを形成する。絶縁層の表
面を上記と同じ酸化剤を用いて粗化し、同様の手法で所
定の配線(201)を形成する。配線基板の最表面にソ
ルダーレジスト層となるドライフィルムをラミネートし
て、半導体素子の実装パターンを露光、現像して形成し
て、ソルダーレジスト層(210)の形成を完了する。
実装用のピン付けを行う面についても同様の方法によ
り、所定の配線(230)とソルダーレジスト層(24
0)を形成して、図25に示すように、ピン付け前の多
層プリント配線板を得る。
【0058】半導体素子を実装する端子電極(201)
には、Niメッキ、Auメッキの順番でメッキを施す
(図示せず。)。その上に低融点ハンダからなるハンダ
ペーストを印刷した後、ハンダリフロー炉を通して半導
体素子を実装するためのハンダバンプ(220)を形成
する。
【0059】一方、半導体素子実装面の反対側には、高
融点ハンダからなるハンダペーストを印刷した後、ハン
ダリフロー炉を通してピン付けするためのハンダバンプ
(260)を形成する。治具(図示せず。)にピン(2
50)をセットした上に基板を配置した状態で、ハンダ
リフロー炉を通してピン付けを行い(図示せず。)、図
26に示すように、半導体素子を実装する前のFC−P
GA型の多層プリント配線板を得る。投影機を用いて埋
め込み樹脂で埋め込んだ開口部に対応する領域に付けら
れたピンの先端の所定位置からの位置ずれ量を測定した
ところ、0.1mm以下と良好な結果が得られた。
【0060】半導体素子実装面上に半導体素子(27
0)を実装可能な位置に配置して、低融点ハンダのみが
溶解する温度条件にてハンダリフロー炉を通して、半導
体素子を実装する。実装部にアンダーフィル材をディス
ペンサーで充填した後、熱硬化して、図11に示すよう
な半導体素子を実装したFC−PGA型の多層プリント
配線板を用いた半導体装置を得る。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、120μm以下と直径
が小さいスルーホールが密集した領域(スルーホール中
心間距離300μm以下)でも高粘度の穴埋め充填ペー
ストを用いてスルーホール充填できるため、加熱により
半硬化又は硬化させた後に、スルーホールからの穴埋め
充填ペーストのブリードアウトやマスクのアタッチによ
る凹みを生じることがなく、更には、充填ペースト中に
空孔(気泡)、クラック等の欠陥が発生しない配線基板
の製造方法を提供できる。特に、22〜23℃における
粘度が300Pa・s以上の高粘度の穴埋め充填ペース
トを用いた場合に効果的な配線基板の製造方法を提供で
きる。スルーホール開口端面近傍の穴埋め充填ペースト
に凹みを発生させないため、続いて形成されるビルドア
ップ層に凹凸を生じさせることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた小径スルーホールが形
成されている密集領域を有する配線基板の説明図。
【図2】本発明の実施例で用いた小径スルーホールが形
成されている密集領域に対応する供給口を有する密集領
域用印刷マスクの説明図。
【図3】本発明の配線基板の製造方法の説明図であっ
て、小径スルーホールが形成されている密集領域を有す
る基板の断面図。
【図4】本発明の配線基板の製造方法の説明図であっ
て、小径スルーホールが形成されている密集領域を有す
る基板上に、密集領域に対応する供給口を有する密集領
域用印刷マスクを配置した状態を示す断面図。
【図5】本発明の配線基板の製造方法の説明図であっ
て、穴埋め充填印刷後の基板の断面図。
【図6】本発明の配線基板の製造方法の説明図であっ
て、穴埋め充填印刷後の基板上に、密集領域に対応する
供給口を有する密集領域用印刷マスクを配置した状態を
示す断面図。
【図7】本発明の配線基板の製造方法の説明図であっ
て、穴埋め充填印刷後の密集領域を覆うように穴埋め充
填ペーストを塗布印刷した基板の断面図。
【図8】本発明の配線基板の製造方法の説明図であっ
て、半硬化した穴埋め充填ペーストの基板面に塗布した
部分を研磨除去した基板の断面図。
【図9】各スルーホール毎に対応した供給口を有する従
来の印刷マスクの説明図。
【図10】従来の配線基板の製造方法の説明図であっ
て、小径スルーホールが形成されている密集領域を有す
る基板上に、各スルーホール毎に対応する供給口を有す
る従来の印刷マスクを配置した状態を示す断面図。
【図11】ブリードアウトに起因する穴埋め充填ペース
トの凹みを示す説明図。
【図12】本発明の一態様であるFC−PGA型の多層
プリント配線板を用いた半導体装置の説明図。
【図13】厚み400μmの銅張りコア基板の概略図。
【図14】厚み400μmの銅張りコア基板のパターニ
ング後の状態を示す説明図。
【図15】コア基板の両面に絶縁層を形成した基板にビ
アホールとスルーホールを形成した状態を示す説明図。
【図16】コア基板の両面に絶縁層を形成した基板にパ
ネルメッキをかけた後の状態を示す説明図。
【図17】スルーホールを穴埋め充填した基板の説明
図。
【図18】貫通孔を打ち抜き形成した基板を示す説明
図。
【図19】貫通孔を打ち抜き形成した基板の一面にマス
キングテープを貼り付けた状態を示す説明図。
【図20】貫通孔内に露出したマスキングテープ上に積
層チップコンデンサを配置した状態を示す説明図。
【図21】貫通孔内に埋め込み樹脂を充填した状態を示
す説明図。
【図22】基板面を研磨して平坦化した状態を示す説明
図。
【図23】基板の研磨面にパネルメッキをかけた状態を
示す説明図。
【図24】配線をハターニングした状態を示す説明図。
【図25】基板上にビルドアップ層及びソルダーレジス
ト層を形成した状態を示す説明図。
【図26】本発明の一態様であるFC−PGA型の多層
プリント配線板の説明図。
【符号の説明】
1 基板 2 小径スルーホール 3 小径スルーホールの密集領域 4 通常径のスルーホール 5、6 スルーホール導体 7、100 密集領域用印刷マスク 8 密集領域用印刷マスクの非開口部 9、300 密集領域用印刷マスクの密集領域に対応す
る供給口 10、200 密集領域用印刷マスクの通常径のスルー
ホールに対応する供給口 11 通常径のスルーホールに穴埋め充填された穴埋
め充填ペースト 12 小径スルーホールに穴埋め充填された穴埋め充
填ペースト 13 穴埋め充填ペーストの凹み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加島 壽人 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 5E317 AA24 BB02 BB12 BB13 BB15 BB18 CC17 CC22 CC25 CC32 CC33 CC44 CD25 CD27 CD32 GG11 5E346 AA42 CC04 CC09 CC32 CC37 CC38 CC40 DD12 DD23 DD24 DD32 FF13 FF14 FF18 FF45 GG15 GG22 HH07 HH22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板の両面に形成された導体層間を
    接続導通するためのスルーホールを有する基板の該スル
    ーホール内に、穴埋め充填ペーストを充填硬化させた配
    線基板の製造方法であって、以下の(a)〜(e)の工
    程を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。 (a).スルーホールの直径が120μm以下の小径ス
    ルーホールが中心間距離にて300μm以下のピッチで
    形成されている密集領域に対して、該密集領域に対応す
    る供給口を有する密集領域用印刷マスクを用いて、穴埋
    め充填ペーストを小径スルーホールに穴埋め充填印刷す
    る工程。 (b).該密集領域用印刷マスクを用いて、該密集領域
    を覆うように穴埋め充填ペーストを、該基板の厚みの5
    〜25%の厚みになるように塗布印刷する工程。 (c).穴埋め充填印刷及び塗布印刷した穴埋め充填ペ
    ーストを半硬化する工程。 (d).該半硬化した穴埋め充填ペーストのうち、基板
    から突出した部分を研磨除去する工程。 (e).該半硬化した穴埋め充填ペーストを硬化する工
    程。
  2. 【請求項2】 前記穴埋め充填ペーストの22〜23℃
    における粘度が300Pa・s以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記絶縁基板として、コア基板の少なく
    とも一面に、絶縁層及び配線層を交互に積層したビルド
    アップ層を形成し、該コア基板及び該ビルドアップ層を
    貫通するようにスルーホールを形成したものを用いるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の配線基板
    の製造方法。
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