JP2002164649A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JP2002164649A
JP2002164649A JP2000361231A JP2000361231A JP2002164649A JP 2002164649 A JP2002164649 A JP 2002164649A JP 2000361231 A JP2000361231 A JP 2000361231A JP 2000361231 A JP2000361231 A JP 2000361231A JP 2002164649 A JP2002164649 A JP 2002164649A
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filled
resin
resin paste
holes
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JP2000361231A
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English (en)
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Tetsuya Kashiwagi
哲哉 柏木
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被充填基板に形成した貫通孔に樹脂ペースト
を充填、穴埋めする際に、穴埋めが不完全になるのを防
止することが可能なプリント配線板の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 本発明のプリント配線板の製造方法は、
表面及び裏面を有し、表面と裏面間を貫通し内側に貫通
孔を有するスルービア導体を複数有する被充填基板を用
いる。この被充填基板表面から貫通孔内に樹脂ペースト
を充填して穴埋め印刷をする際に、マスクを介すること
なくスキージにて直接、樹脂ペーストを貫通孔内に入れ
込む。よって、前記被充填基板の貫通孔が小径で、かつ
密集する部分と、密集しない疎の部分とを有する場合で
も、樹脂ペーストの穴埋めが不完全になることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貫通孔を有するス
ルービア導体を備える被充填基板について、これらの貫
通孔に樹脂ペーストを充填して穴埋めするプリント配線
板の製造方法に関し、特に、複数の貫通孔が密集して配
置される被充填基板であっても貫通孔に樹脂ペーストが
不完全に穴埋めされることを防止することができるプリ
ント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線板の表裏面や内部に
形成した各配線層を接続するために、スルービア導体な
どを形成し、各々の配線層間を接続させることが一般に
行われている。このようなプリント配線板を製造するに
際し、これらのスルービア導体の貫通孔内には、その上
に積層する樹脂絶縁層を平坦に形成するため、樹脂ペー
ストを充填して穴埋めする。
【0003】ここで、樹脂ペーストをスルービア導体の
貫通孔内へ充填、穴埋めする方法としては、例えば、図
4に示すような方法がある。即ち、図4に示すように、
表面51Aと裏面51B間を貫通し、内側に貫通孔52
を有するスルービア導体53が形成され、内部に配線層
56を有する被充填基板51を用意する。この被充填基
板51の表面51Aは、配線層(配線パターン)が形成
されていない状態で、全面を金属層57が覆っている。
そして、その表面51A上に、これらの貫通孔52にそ
れぞれ対応した開口部HL、HLが開けられたマスクM
Sを戴置し、マスクMSの上からスキージ70を矢印の
方向へ移動させ、樹脂ペースト61を貫通孔52内に充
填して、穴埋め印刷する。その後、この穴埋め印刷した
被充填基板51を加熱して、穴埋め充填した樹脂ペース
ト61を硬化させ、貫通孔52内に硬化樹脂を形成す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、配線パターンの
高密度化により、スルービア導体の内側にある貫通孔の
径が小径化し、また、複数の貫通孔のうち、隣接する貫
通孔の中心間距離が狭くなる傾向にある。例えば、前記
貫通孔の径が150μm以下、さらには100μm以下
となり、また、前記複数の貫通孔のうち、隣接する貫通
孔の中心間距離が200μm以下となることが要求され
る。
【0005】図4に示すような穴埋め方法によると、被
充填基板51のそれぞれの貫通孔52に対応した開口部
HLを有するマスクMSを介して、スキージ70により
樹脂61をそれぞれの貫通孔に穴埋めしているため、前
記貫通孔が高密度化した場合、前記開口部も高密度、小
径となるため、樹脂ペーストが完全に貫通孔内に埋まら
ない不具合が生じたり、穴埋めした樹脂ペースト中に気
泡(ボイド)が含まれるという不具合が生じていた。こ
のように、樹脂ペーストが貫通孔内のうち、被充填基板
の表面側のみに充填され裏面側まで充填されないよう
に、不完全に充填されると、さらに被充填基板の裏面側
からも樹脂ペーストを印刷する工程が必要となり生産性
が悪くなる。このため、被充填基板の表面側から一度に
貫通孔に樹脂ペーストを完全に、また、ボイドを含むこ
となく充填することが求められる。
【0006】本発明はかかる現状に鑑みてなされたもの
であって、被充填基板に形成した貫通孔に樹脂ペースト
61を充填、穴埋めする場合に、特に、前記貫通孔が小
径で、前記貫通孔の中心間距離が狭くても、不完全に充
填されることを防止可能なプリント配線板の製造方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】その解決
手段は、表面及び裏面を有し、前記表面と裏面間を貫通
し内側に貫通孔を有するスルービア導体を複数備える被
充填基板について、前記表面側から、スキージにより直
接、前記貫通孔内に樹脂ペーストを印刷し前記複数の貫
通孔を穴埋め充填する樹脂印刷充填工程を含むプリント
配線板の製造方法である。
【0008】本発明によれば、樹脂印刷充填工程におい
て、樹脂ペーストは、マスクを介することはなく、スキ
ージにより直接貫通孔内に印刷、充填される。このた
め、スキージにより樹脂ペーストが、直接、貫通孔に圧
入されるので、被充填基板の貫通孔が小径化され、貫通
孔の中心間距離が狭くなり、また、貫通孔の密集してい
る部分があっても、樹脂ペーストの穴埋めが不完全にな
ることはない。
【0009】従来、マスクを介しての樹脂ペーストの印
刷、充填をする際に、被充填基板の貫通孔が密集してい
る部分がある場合、樹脂ペーストの穴埋めが不完全にな
ったのは、貫通孔が高密度になると、マスクの開口部も
これに対応して小径化し、マスクの開口部より貫通孔内
に充分な量の樹脂ペーストが供給されないためと考えら
れる。さらに、マスクの開口部と被充填基板の貫通孔と
の位置合わせも困難となる。
【0010】ところが、本発明では、スキージにより直
接、前記貫通孔内に樹脂ペーストを印刷し複数の貫通孔
を穴埋め充填するため、貫通孔内に充分な量の樹脂ペー
ストが供給されやすい。このため、貫通孔内に樹脂ペー
ストが完全に充填され、被充填基板の裏面側に樹脂ペー
ストが充填されない部分(凹み)が生じたり、貫通孔内
の樹脂ペーストに気泡(ボイド)が発生することがな
い。さらに、マスクの開口部と被充填基板の貫通孔との
位置合わせ不必要となる。従って、従来のように、充填
した樹脂の表面が被充填基板の表面よりも凹んでできた
空間を補充するために、再度樹脂ペーストを塗布し直
し、再度加熱硬化させる必要がなくなる。このため、樹
脂印刷充填工程および樹脂硬化工程(即ち、樹脂を硬化
させる工程)をそれぞれ1工程ずつ従来よりも省略する
ことができるため、安価にプリント配線板を製造するこ
とができる。
【0011】ここで、被充填基板は、その表面から裏面
を貫通し、内側に貫通孔を備えるスルービア導体、およ
び表面に配置され、凹所を有するブラインドビア導体
(図示しない)のうち少なくともいずれかを複数形成し
たものであり、従って、絶縁層が単数層であるものの
他、複数層積層してあるものでも良い。また、この基板
の表面については、表面全体が金属層で覆われたもので
も良いし、予め表面に配線層が形成されたものでも良
い。特に樹脂ペーストは金属層上に拡がり易いため、表
面全体が金属層で覆われた場合に本発明を適用するのが
好ましい。このスルービア導体の形成方法としては、例
えば、レーザやドリルなどで被充填基板を穿孔し、内側
に貫通孔を有するように、穿孔した孔の内壁にメッキを
施すなどの方法が挙げられる。
【0012】また、上記発明は、スルービア導体内側の
貫通孔の径が150μm以下、さらには100μm以下
であり、また、前記複数の貫通孔のうち、隣接する貫通
孔の中心間距離が300μm以下、さらには200μm
以下である被充填基板に本発明を適用するのが好まし
い。但し、本明細書で、「隣接する」とは、最も近いこ
とを言う。
【0013】さらに、本発明による前記被充填基板は、
樹脂製の絶縁層を含む被充填基板であり、内側に貫通孔
を有するスルービア導体を備えることが好ましい。即
ち、樹脂製の被充填基板の貫通孔内に樹脂ペーストを印
刷し、前記複数の貫通孔を穴埋め充填するのがよい。つ
まり、貫通孔に樹脂ペーストを完全に充填するのであ
り、セラミックグリーンシートの貫通孔の内壁のみに金
属ペーストを印刷(所謂キャスタレーションメタライズ
印刷や、スルーホール内壁のメタライズ印刷)する場合
とは技術的思想および解決課題が異なる。また、このブ
ラインドビア導体の形成方法としては、例えば、フォト
リソグラフィ法やレーザ穴開けなどで被充填基板表面に
盲孔を穿孔し、内側に凹所を有するように、穿孔した盲
孔の内壁にメッキを施すなどの方法が挙げられる。
【0014】さらに、その解決手段は、表面及び裏面を
有し、前記表面と裏面間を貫通し内側に貫通孔を有する
スルービア導体を複数備える複数の製品部分領域と、前
記複数の製品部分領域を取り囲んで配置された捨て代部
分領域と、を備える被充填基板について、前記製品部分
領域に対応する貫通部を備える板状体を、前記表面上の
少なくとも前記捨て代部分領域に載置し、前記表面側か
ら、スキージにより直接、前記貫通孔内に樹脂ペースト
を印刷し前記複数の貫通孔を穴埋め充填する樹脂印刷充
填工程を含むプリント配線板の製造方法である。本発明
によれば、樹脂印刷充填工程において、樹脂ペースト
は、マスクを介することはなく、スキージにより直接貫
通孔内に印刷、充填される。このため、スキージにより
樹脂ペーストが、直接、貫通孔に圧入されるので、被充
填基板の貫通孔が小径化され、貫通孔の中心間距離が狭
くなり、また、貫通孔の密集している部分があっても、
樹脂ペーストの穴埋めが不完全になることはない。
【0015】また、前記被充填基板の製品部分領域(即
ち、多数個取りの製品単位の基板領域)が複数隣接して
集合する部分を取り囲んで配置された捨て代部分領域に
少なくとも対応するように、前記被充填基板の表面に
(即ち、スキージにより樹脂ペーストを印刷する側の表
面に)、前記製品部分領域に対応する貫通部を備える板
状体を載置して、前記貫通部内に露出する前記製品部分
領域の貫通孔内に、スキージにより直接、樹脂ペースト
を印刷し、前記複数の貫通孔を穴埋め充填する。このた
め、前記製品部分領域内の貫通孔に、樹脂ペーストを充
填した後、スキージによりかき出された樹脂ペースト
(即ち、印刷余りの樹脂ペースト)が、前記捨て代部分
上に載置された板状体の表面に移動する。よって、本発
明のようにマスクを介さずに直接スキージにより樹脂ペ
ーストを貫通構内に充填する際に、印刷余りの樹脂ペー
ストの回収が容易となる。
【0016】また、上記発明は、スルービア導体内側の
貫通孔の径が150μm以下、さらには100μm以下
であり、また、前記複数の貫通孔のうち、隣接する貫通
孔の中心間距離が300μm以下、さらには200μm
以下である被充填基板に本発明を適用するのが好まし
い。
【0017】さらに、本発明による前記被充填基板は、
樹脂製の絶縁層を含む被充填基板であり、内側に貫通孔
を有するスルービア導体を備えることが好ましい。即
ち、樹脂製の被充填基板の貫通孔内に樹脂ペーストを印
刷し、前記複数の貫通孔を穴埋め充填するのがよい。つ
まり、貫通孔に樹脂ペーストを完全に充填するのであ
り、セラミックグリーンシートの貫通孔の内壁のみに金
属ペーストを印刷(所謂キャスタレーションメタライズ
印刷や、スルーホール内壁のメタライズ印刷)する場合
とは技術的思想および解決課題が異なる。また、基板上
への平面印刷の場合も、本発明の貫通孔への樹脂ペース
トの充填とは技術的思想および解決課題が異なるのは、
言うまでもない。
【0018】樹脂ペーストは、貫通孔および凹所を穴埋
め充填できるものであればよいが、被充填基板の熱膨張
率と同程度の熱膨張率であるものが良い。熱応力の発生
を少なくできるからである。また、樹脂硬化工程の際、
貫通孔および凹所内の樹脂の表面が、被充填基板の表面
よりも凹むのを抑制するために、熱硬化収縮の少ないも
のが良く、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、B
T樹脂などから適宜選択すれば良い。また、これらの樹
脂にシリカ、アルミナ等の無機粉末を混入させても良
く、更にはCu粉末、Ag粉末等の導電粉末を含有させ
て導電性を付与したものであっても良い。
【0019】樹脂硬化工程後は、硬化された樹脂により
表面の略全面が覆われた被充填基板の表面を研磨して、
充填した貫通孔内の樹脂の表面と被充填基板の表面とが
面一になるように加工する。その後、絶縁層を積層し、
さらにその上に配線層を形成するなどして、必要に応じ
て複数層積層(即ち、ビルドアップ)してプリント配線
板を製造する。このように、プリント配線板が完成後、
複数の製品部分領域が、個々の製品部分領域(即ち、多
数個取りの製品単位の基板領域)にダイシング加工等に
よって切断されるとともに、前記捨て代部分領域も切断
され、後に廃棄される。
【0020】なお、表面全面が金属層で覆われた被充填
基板を用いる場合、樹脂印刷充填工程および樹脂硬化工
程後、上記した研磨を行い、その後エッチング法などに
よって、被充填基板表面に配線層を形成し、また、予め
表面に配線層が形成された被充填基板を用いる場合、樹
脂印刷充填工程および樹脂硬化工程後、上記した研磨を
行って、それぞれ次の絶縁層の積層工程を行う。
【0021】ここで、上記プリント配線板の製造方法で
あって、前記板状体は、前記被充填基板に当接する基板
当接面と、前記基板当接面と反対側の基板非当接面と、
を有し、前記板状体の貫通部の側面は、前記基板当接面
から基板非当接面へと徐々に広がる形状となることを特
徴とするプリント配線板の製造方法とすると良い。
【0022】本発明によれば、前記板状体の貫通部の側
面は、前記基板当接面から基板非当接面へと徐々に広が
る形状となるため、前記製品部分領域内の貫通孔に、樹
脂ペーストを充填した後、スキージによりかき出された
樹脂ペースト(即ち、印刷余りの樹脂ペースト)が、前
記捨て代部分上に載置された板状体の表面に容易に移動
する。よって、本発明のようにマスクを介さずに直接ス
キージにより樹脂ペーストを貫通構内に充填する際に、
印刷余りの樹脂ペーストの回収が、更に容易となる。
【0023】さらに、その解決手段は、表面及び裏面を
有し、前記表面と裏面間を貫通し内側に貫通孔を有する
スルービア導体を複数備える複数の製品部分領域と、前
記複数の製品部分領域を取り囲んで配置された捨て代部
分領域と、を備える被充填基板について、前記表面上
の、少なくとも樹脂ペーストの印刷終了部側の前記捨て
代部分領域に板状体を載置し、前記表面側から、スキー
ジにより直接、前記貫通孔内に樹脂ペーストを印刷し前
記複数の貫通孔を穴埋め充填する樹脂印刷充填工程を含
むプリント配線板の製造方法である。
【0024】本発明によれば、樹脂印刷充填工程におい
て、樹脂ペーストは、マスクを介することはなく、スキ
ージにより直接貫通孔内に印刷、充填される。このた
め、スキージにより樹脂ペーストが、直接、貫通孔に圧
入されるので、被充填基板の貫通孔が小径化され、貫通
孔の中心間距離が狭くなり、また、貫通孔の密集してい
る部分があっても、樹脂ペーストの穴埋めが不完全にな
ることはない。
【0025】また、前記被充填基板の製品部分領域(即
ち、多数個取りの製品単位の基板領域)が複数隣接して
集合する部分を取り囲んで配置された捨て代部分領域の
うち、樹脂ペーストの印刷終了部側に少なくとも対応す
るように、前記被充填基板の表面に(即ち、スキージに
より樹脂ペーストを印刷する側の表面に)、板状体を載
置して、前記製品部分領域の貫通孔内に、スキージによ
り直接、樹脂ペーストを印刷し、前記複数の貫通孔を穴
埋め充填する。このため、前記製品部分領域内の貫通孔
に、樹脂ペーストを充填した後、スキージによりかき出
された樹脂ペースト(即ち、印刷余りの樹脂ペースト)
が、樹脂ペーストの印刷終了部側に捨て代部分上に載置
された板状体の表面に移動する。よって、本発明のよう
にマスクを介さずに直接スキージにより樹脂ペーストを
貫通構内に充填する際に、印刷余りの樹脂ペーストの回
収が容易となる。なお、本明細書において、樹脂ペース
トの印刷終了部とは、スキージにより貫通孔に樹脂ペー
ストを穴埋め充填した後、前記製品部分領域からスキー
ジが離れる部分を言う。
【0026】また、上記発明は、スルービア導体内側の
貫通孔の径が150μm以下、さらには100μm以下
であり、また、前記複数の貫通孔のうち、隣接する貫通
孔の中心間距離が300μm以下、さらには200μm
以下である被充填基板に本発明を適用するのが好まし
い。
【0027】さらに、本発明による前記被充填基板は、
樹脂製の絶縁層を含む被充填基板であり、内側に貫通孔
を有するスルービア導体を備えることが好ましい。即
ち、樹脂製の被充填基板の貫通孔内に樹脂ペーストを印
刷し、前記複数の貫通孔を穴埋め充填するのがよい。つ
まり、貫通孔に樹脂ペーストを完全に充填するのであ
り、セラミックグリーンシートの貫通孔の内壁のみに金
属ペーストを印刷(所謂キャスタレーションメタライズ
印刷や、スルーホール内壁のメタライズ印刷)する場合
とは技術的思想および解決課題が異なる。また、基板上
への平面印刷の場合も、本発明の貫通孔への樹脂ペース
トの充填とは技術的思想および解決課題が異なるのは、
言うまでもない。
【0028】また、上記プリント配線板の製造方法であ
って、前記板状体は、前記被充填基板に当接する基板当
接面と、前記基板当接面と反対側の基板非当接面と、を
有し、前記板状体の樹脂ペーストの印刷開始部側側面
は、前記基板当接面から基板非当接面へと徐々に広がる
形状となることを特徴とするプリント配線板の製造方法
とすると良い。
【0029】本発明によれば、前記板状体の樹脂ペース
トの印刷開始部側側面(即ち、前記板状体の前記製品部
分領域側の側面)は、前記基板当接面から基板非当接面
へと徐々に広がる形状となるため、前記製品部分領域内
の貫通孔に、樹脂ペーストを充填した後、スキージによ
りかき出された樹脂ペースト(即ち、印刷余りの樹脂ペ
ースト)が、前記捨て代部分上に載置された板状体の表
面に容易に移動する。よって、本発明のようにマスクを
介さずに直接スキージにより樹脂ペーストを貫通構内に
充填する際に、印刷余りの樹脂ペーストの回収が、更に
容易となる。なお、本明細書において、樹脂ペーストの
印刷開始部とは、スキージにより貫通孔に樹脂ペースト
を穴埋め充填する前に、前記製品部分領域内に前記スキ
ージが接触を開始する部分を言う。
【0030】さらに、上記いずれかのプリント配線板の
製造方法であって、前記樹脂ペーストを硬化させる樹脂
硬化工程を含むプリント配線板の製造方法であると良
い。本発明によると、後の樹脂硬化工程での被充填基板
の表面および裏面より突出する樹脂の研摩が容易とな
る。
【0031】さらに、上記いずれかのプリント配線板の
製造方法であって、前記樹脂ペーストを硬化させる樹脂
硬化工程と、前記被充填基板の裏面側に突出する樹脂を
先に研摩し除去した後、前記被充填基板の表面側に突出
する樹脂を研摩し除去する工程と、を含むプリント配線
板の製造方法であると良い。樹脂ペーストを硬化する
と、被充填基板の表面および裏面より突出した形で樹脂
が残るが、その後、被充填基板の表面および裏面に絶縁
層および配線層を平坦に形成するために、前記突出した
樹脂ペーストを機械的研磨(例えば、研磨ロールによる
研磨や、ベルトサンダーによる研磨)により除去し、被
充填基板の表面および裏面を平坦面にする。
【0032】上記いずれかのプリント配線板の製造方法
のように、スキージにより直接貫通孔に穴埋め充填する
と、表面側においては、貫通構内に樹脂ペーストが充填
されると共に、略全面が樹脂ペーストにより覆われ、ベ
タ面となる。この樹脂ペーストの被充填基板表面からの
厚みは、例えば、30μm程度となる。
【0033】一方、被充填基板の裏面においては、貫通
孔より樹脂ペーストが押し出されて隣接する貫通孔から
突出する樹脂ペースト同士は、通常またがることなく突
出する。よって、被充填基板の裏面には、それぞれの貫
通孔より突出した樹脂ペーストが凸凹状に存在する。
【0034】このように、上記いずれかのプリント配線
板の製造方法のように、スキージにより直接貫通孔に穴
埋め充填すると、被充填基板の表面と裏面とで、樹脂ペ
ーストの突出する形状が異なるようになる。このような
被充填基板の表面および裏面を研摩する際には、両面を
一度に研摩すると、表面および裏面での研摩量のバラン
スが保たれなくなる。また、表面を先に研摩する場合
は、裏面の凸凹状の樹脂ペースト形状にそった凸凹状
に、表面の樹脂ペーストが研摩される。これらの場合に
は、被充填基板の表面および裏面上にビルドアップ層
(即ち、絶縁層、配線層、ビア導体等)を形成する際
に、この凸凹状が原因で、正常に形成されない等の支障
をきたす。
【0035】すなわち、裏面側を図示しない受けロール
や支持板などの治具により固定し、表面側を研摩ロール
などで先に研磨すると、裏面側の凸凹状の樹脂の突出部
分が支点となり、被充填基板自体にたわみが生じる。す
ると、回転する研磨ロールの研磨圧力にバラツキが生じ
るため研摩の際に被充填基板がガタついてしまい、被充
填基板の表面側が凸凹状となり平坦性が損なわれる。
【0036】また、表裏面を同時に研磨すると、表面側
のベタ面状の樹脂形状と、裏面側の凸凹状の樹脂形状と
のバランスが悪く、研摩の量にバラツキが生じるため、
被充填基板の表面側と裏面側とで平坦性が損なわれる。
このような被充填基板の表面および裏面に樹脂絶縁層や
配線層を形成(ビルドアップ)すると、前記樹脂絶縁層
や配線層の厚みが不均一となってしまう。
【0037】これに対し、本発明によると、裏面側の凸
凹形状を先に研摩した後、裏面側に比べて少量しか突出
していないベタ面状の樹脂を研磨除去するため、被充填
基板自体のたわみの発生が防止されつつ研摩され、研摩
後の被充填基板の表面側と裏面側とで平坦性を保つこと
が可能となる。具体的には、表面側のベタ面側を図示し
ない受けロールや支持板などの治具により固定し、裏面
側を研摩ロールなどで先に研磨すると、表面側のベタ面
が支点となるため被充填基板自体にたわみが発生しない
か、仮に生じても、問題とならない程度のたわみが生じ
る。すると、回転する研磨ロールの研磨圧力にバラツキ
が生じないため、研摩の際、被充填基板のガタつきが生
ずることはない。かくして、被充填基板の表面側と裏面
側とで平坦性が保たれる。付言すると、裏面のそれぞれ
の貫通孔より突出した凸凹状の樹脂ペーストが表面より
も先に研摩されるため、表面の研摩の際に、裏面の凸凹
状樹脂ペースト形状の影響がなくなる。
【0038】なお、ここで前記樹脂硬化工程は、前記穴
埋め充填された樹脂を機械的研磨に耐えうる硬度まで硬
化する工程である。また、硬化の状態は、完全には硬化
していない半硬化の状態でもよい。
【0039】さらに、上記いずれかのプリント配線板の
製造方法であって、前記研磨し除去する工程が、前記被
充填基板の裏面側に突出する樹脂を先に研磨し除去する
工程と、前記被充填基板の表面側に突出する樹脂を研磨
し除去する工程と、を交互に複数回数繰り返すことを特
徴とするプリント配線板の製造方法であることが好まし
い。本発明によると、被充填基板の表面および裏面の平
坦性をいっそう確実に保つことが可能となる。以上よ
り、本発明によると、被充填基板の表面および裏面を確
実に研摩により平坦化することが出来るため、被充填基
板の表面および裏面上に確実にビルドアップ層を形成す
ることができる。
【0040】さらに、上記いずれかのプリント配線板の
製造方法であって、前記被充填基板の表面と、前記スキ
ージの被充填基板側面とのなす角度が0°より大きく1
5°以下であるプリント配線板の製造方法であると良
い。被充填基板の表面と、スキージの被充填基板側面と
のなす角度が15°より大きくなると、本発明のように
スキージにより直接貫通孔に穴埋め充填する際に、樹脂
ペーストの貫通孔への圧入の圧力が不足するため、貫通
孔に完全に充填できないという不具合が生じる。また、
被充填基板の表面と、スキージの被充填基板側面とのな
す角度が0°となると、スキージの移動が実質出来なく
なるため、この角度を省く。
【0041】さらに好ましくは、上記いずれかのプリン
ト配線板の製造方法であって、前記被充填基板の表面
と、前記スキージの被充填基板側面とのなす角度が3°
以上15°以下であるプリント配線板の製造方法である
と良い。被充填基板の表面と、スキージの被充填基板側
面とのなす角度が15°より大きくなると、本発明のよ
うにスキージにより直接貫通孔に穴埋め充填する際に、
樹脂ペーストの貫通孔への圧入の圧力が不足するため、
貫通孔に完全に充填できないという不具合が生じる。ま
た、被充填基板の表面と、スキージの被充填基板側面と
のなす角度が3°以下となると、スキージの移動が困難
となるため、この範囲を省く。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図を参照しつつ説明する。平面視略矩形状で略板形
状をなす被充填基板1およびこの表面1Aに載置したス
テンレス製の板状体10を表面から見た平面図を図2に
示し、その断面図を図1に示す。この被充填基板1は、
表面1Aと裏面1B間を貫通するスルービア導体3を複
数備えている。さらに、スルービア導体3はその内側に
直径φ60μmの貫通孔2を有している。また、前記複
数の貫通孔2、2のうち、隣接する貫通孔の中心間距離
のうち、最短の距離は約200μmである。図2におい
て、貫通孔2、2は、製品部分領域8の中央部において
は密に配置され、その周辺部においては疎に配置されて
いる。
【0043】これらのスルービア導体は、厚みが約20
μmで、被充填基板1の所定の位置にレーザによって、
スルービアホール(またはスルーホールとも言う。)を
穿孔し、周知のめっき方法により無電解および電解Cu
メッキ処理を施して形成したものである。また、被充填
基板1の表面1Aおよび裏面1Bの全面は、このメッキ
処理によって、金属層で覆われている。さらに、被充填
基板1の内部には、配線層(図示しない)が形成されて
いてもよい。
【0044】この被充填基板1は、平面視略正方形で、
厚さ400μmの略板形状をなし、スルービア導体3、
3を複数備える複数の製品部分領域8、8と、これらの
製品部分領域を取り囲んで配置された捨て代部分領域9
を備える。これらの領域は、被充填基板1の表面および
裏面にビルドアップ層が形成されたプリント配線板が完
成後、複数の製品部分領域8、8が、個々の製品部分領
域(即ち、多数個取りの製品単位の基板領域)にダイシ
ング加工等によって切断されるとともに、捨て代部分領
域9も切断され、後に廃棄される。捨て代部分領域9に
は、位置決め用のマーク(図示しない)や、貫通穴(図
示しない)が形成される。なお、図2において、一の製
品部分領域8は斜線部により示される。
【0045】図1に示すように、まず、この被充填基板
1を、被充填基板1側に複数の製品部分領域8、8に対
応した凹部を有するアルミニウム製の台30に載置す
る。次に、製品部分領域8、8に対応した貫通部11を
有するステンレス製の板状体10を、表面1A上の少な
くとも捨て代部分領域9に載置する。板状体10は、厚
さ150μmの平面視略正方形(ロの字形状)をなし、
被充填基板1に当接する基板当接面10Aと、基板当接
面10Aと反対側の基板非当接面10Bを有する。板状
体10の貫通部11の側面は、その全面が、基板当接面
10Aから基板非当接面10Bへと徐々に広がる形状と
なる。この徐々に広がる形状は、上記実施例のように直
線的に広がってもよいが、もちろんこれに限ることはな
い。例えば、曲線的に徐々に広がる形状としてもよい。
【0046】そして、図1に示すように、樹脂印刷充填
工程において、表面1Aの樹脂ペーストの印刷開始部1
3側寄りに樹脂ペースト6を適量供給し、ゴム製のスキ
ージ7を、被充填基板1に当接させて、樹脂ペーストの
印刷終了部12方向(矢印の方向)に移動させることに
より、スキージ7により直接、貫通孔2,2内に樹脂ペ
ースト6を穴埋め充填する。樹脂印刷充填工程後、貫通
孔2、2内に樹脂ペースト6が充填されると共に、表面
1Aの略全面が樹脂ペースト6により覆われ、ベタ面と
なる。この樹脂ペースト6の被充填基板表面1Aからの
厚みは、約30μmである。
【0047】また、上記実施例では、樹脂印刷充填工程
において、表面1Aの樹脂ペーストの印刷開始部13側
寄りに樹脂ペースト6を供給したが、これに限ることは
なく、板状体10の基板非当接面10B(上側の面)上
に樹脂ペースト6を供給してもよい。
【0048】一方、被充填基板1の裏面1Bにおいて
は、貫通孔2、2より樹脂ペースト6が押し出されて隣
接する貫通孔2、2から突出する樹脂ペースト6同士
は、通常またがることなく突出する。よって、被充填基
板1の裏面1Bには、それぞれの貫通孔2、2より突出
した樹脂ペースト6が凸凹状に存在する。
【0049】また、図3に示すように、被充填基板1の
表面1Aと、スキージ7の被充填基板側面7Aとのなす
角度θが5°に設定されている。このように設定される
と、樹脂ペースト6の穴埋め圧力が適当にかかるため、
貫通孔2、2に良好に樹脂ペースト6が充填されるため
好ましい。
【0050】次に、樹脂硬化工程において、被充填基板
1を120℃、20分間加熱して、貫通孔2に充填され
た樹脂ペースト6を硬化させる。なお、硬化の度合い
は、完全に硬化されていない半硬化の状態でもよいし、
完全に硬化してもよいが、前記穴埋め充填された樹脂の
被充填基板の表面および裏面からの突出部分が後の機械
的研摩工程に耐え得る硬度まで硬化する。また、完全硬
化させない方が好ましい。その理由は、硬化後の樹脂ペ
ーストの被充填基板からの突出部分の研磨除去がより容
易にできるようにするためである。なお、加熱温度や時
間は適宜設定される。
【0051】本発明によると、スルービア導体3内側の
貫通孔2の径が150μm以下、さらには100μm以
下であり、また、複数の貫通孔2、2のうち、隣接する
貫通孔2、2の中心間距離が300μm以下、さらには
200μm以下である被充填基板1であっても、貫通孔
2、2に完全に樹脂ペースト6を充填することが可能と
なる。よって、貫通孔2、2に充填された樹脂ペースト
6に気泡が含まれる事はない。このため、従来のよう
に、被充填基板表面1Aよりも凹んだ空間を穴埋めする
ために、再度樹脂ペースト6を塗布し、再度樹脂硬化工
程を行なう必要はなくなる。従って、従来と比べ、樹脂
印刷充填工程と樹脂硬化工程とをそれぞれ1回ずつ省略
することができるので、その分安価に製造することがで
きる。
【0052】樹脂硬化工程後は、公知の手法(例えば、
研磨ロールによる研磨や、ベルトサンダーによる研磨)
で、被充填基板表面1A上の樹脂6を研磨して、図5に
示すように、被充填基板1の表面1Aと各貫通孔2内
の、硬化後の樹脂ペースト6の表面とが面一になり、金
属層が全面に露出するようになるように加工する。次
に、図示しないが、エッチング法など公知の手法によっ
て、被充填基板表面1Aを覆っている金属層を加工し
て、所定パターンの配線層を形成する。その後は、必要
に応じて絶縁層(樹脂絶縁層)を積層し、さらにその上
に配線層を形成する(ビルドアップ)などして、プリン
ト配線基板(図示しない)を完成させる。
【0053】次いで、他の実施の形態について説明す
る。本実施形態は、上記実施形態1の被充填基板1表面
1Aに載置する板状体の部分が異なるのみであるので、
異なる部分のみ説明し、同様な部分の説明は省略又は簡
略化する。
【0054】本実施形態に用いる板状体は、被充填基板
1の表面1A上の、樹脂ペーストの印刷終了部12側の
前記捨て代部分領域に載置される板状の長細い形状をな
す。
【0055】上記実施例と同様に表面側1Aから、スキ
ージ7により直接、前記貫通孔内に樹脂ペーストを印刷
し前記複数の貫通孔を穴埋め充填する。
【0056】また、前記板状体は、被充填基板1に当接
する基板当接面と、前記基板当接面と反対側の基板非当
接面とを有し、前記板状体の樹脂ペーストの印刷開始部
13側の側面(即ち、製品部分領域側の側面)は、前記
基板当接面から基板非当接面へと徐々に広がる形状とな
る。この徐々に広がる形状は、上記実施例のように直線
的に広がってもよいが、もちろんこれに限ることはな
い。例えば、曲線的に徐々に広がる形状としてもよい。
【0057】また、上記それぞれの実施形態の樹脂硬化
工程後に、硬化または半硬化された樹脂を、例えば、研
磨ロールによる研磨や、ベルトサンダーやバフ研摩によ
る研磨などの手法にて研摩し、被充填基板の表面および
裏面を平坦化する。
【0058】更に、本発明の具体的な研磨工程について
図5により説明する。図5に示すように、互いに近接す
る大径の研磨ロールRと小径の受けロールrとからなる
複数(四)対のロール組R,r、r,R、R,r、r,Rが、
搬送ローラ16,16,・・・の間において、被充填基板
1または21の搬送方向に沿って配置される。且つ対と
なる研磨ロールRと受けロールrは、隣接する各ロール
組R,rの間で上下逆の位置に配置され、各ロール組
R,rは被充填基板1の搬送方向に沿って交互に逆位置
になる。
【0059】図5で左側から、前記貫通孔に樹脂ペース
ト6を充填し且つ加熱硬化処理を施した被充填基板1を
搬送ローラ16,16,・・・上で搬送する。この際、被
充填基板1は裏面側1Bを上面として搬送される。先
ず、被充填基板1は、図5中の左端に位置し且つ上に研
磨ロールRを下に受けロールrを配置したロール組R,
rの間を通過し、その裏面(上面側)を研磨される。こ
の際、研磨ロールRが凸凹状の突出部分(裏面側)を研
磨する間に受けロールrはベタ面状の突出部分(表面
側)に当接する。その結果、被充填基板1における裏面
の凸凹状の突出部分は大半が除去された状態となる。
【0060】次に、被充填基板1は図5中の中央左寄り
に位置し且つ上に受けロールrを下に研磨ロールRを配
置したロール組r,Rの間を通過し、その表面(下面
側)を研磨される。その結果、被充填基板1における表
面のベタ面状の突出部分は殆ど除去された状態となる。
更に、被充填基板1は図5中の中央右寄りに位置し且つ
上に研磨ロールRを下に受けロールrを配置したロール
組R,rの間を通過し、その裏面を研磨される。その結
果、裏面の突出部分は除去されて平坦面になる。この間
に被充填基板1の裏面側の金属層または配線層も前記平
坦面と同じレベルまで数μm程度が研磨除去される。
【0061】そして、被充填基板1は、図5中の右端に
位置し且つ上に受けロールrを下に研磨ロールRを配置
したロール組r,Rの間を通過し、その表面(下面側)
を研磨される。その結果、表面の残っていた突出部分も
除去されて平坦面になると共に、この間において被充填
基板1の裏面の金属層または配線層(図示しない)も平
坦面と同じレベルになるまで数μm程度が研磨除去され
る。以上のように、被充填基板1における樹脂ペースト
の凸凹状の突出部分を有する裏面(上面側)とベタ面状
の突出部分を有する表面(下面側)とを、凸凹状の突出
部分、ベタ面の順番で且つ連続して研磨することによ
り、突出部分を確実に除去できる。しかも、この除去に
伴う被充填基板1の表面および裏面の金属層または配線
層も薄く且つ均一に研磨されるため、被充填基板1の両
面に追って形成される樹脂絶縁層および配線層の厚みも
均一化することができる。
【0062】以上において、本発明を各実施形態に即し
て説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して
適用できることはいうまでもないことである。
【0063】例えば、上記各実施形態では、被充填基板
1として、単数層のコア基板を用いているが、絶縁層お
よび配線層が複数層積層されたものを被充填基板として
も良い。
【0064】なお、用いる樹脂ペーストの22〜23℃
における粘度を300Pa・s以上の高粘度にすること
で、貫通孔内に充填した樹脂ペーストの加熱処理時に起
こるペーストの粘度低下に起因する、貫通孔開口面から
のペーストダレや、それに伴う被充填基板の貫通孔開口
面の凹みの発生をより効果的に低減することができる。
本発明に適した樹脂ペーストの22〜23℃における粘
度の好ましい範囲は、600Pa・s以上である。より
好ましくは700Pa・s以上、更に好ましくは100
0Pa・s以上、特には1500Pa・s以上である。
【0065】ここにいう板状体としては、ステンレス等
の金属製板状体(金属箔状も含む。)やPET、ポリイ
ミド、PPS等の樹脂製板状体(フィルム状も含む。)
を用いるのがよい。好ましくは、ステンレス製の板状体
である。
【0066】ここにいう被充填基板としては、FR−
4、FR−5等のいわゆるコア基板を用いるのがよい
が、熱可塑性樹脂シートに貫通孔(スルーホール)を形
成したものを用いてもよい。
【0067】ここにいう穴埋め用の樹脂ペーストとして
は、熱硬化性樹脂に無機フィラー、硬化剤、脱泡剤等を
添加したものを用いることができる。熱硬化性樹脂とし
ては、いわゆるエポキシ系樹脂を用いるのがよい。エポ
キシ系樹脂としては、いわゆるBP(ビスフェノール)
型、PN(フェノールノボラック)型、CN(クレゾー
ルノボラック)型のものを用いるのがよい。特には、B
P(ビスフェノール)型を主体とするものがよく、BP
A(ビスフェノールA)型やBPF(ビスフェノール
F)型が最もよい。
【0068】ここにいう「無機フィラー」とは、セラミ
ックフィラー、誘電体フィラー、金属フィラー等をい
う。セラミックフィラーとしては、シリカ、アルミナ等
がよい。誘電体フィラーとしては、チタン酸バリウム、
チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛等がよい。金属フィ
ラーとしては、銅、銀、銀/銅合金等がよい。また、上
記誘電体フィラーの粒径は、1μm乃至40μm、金属
フィラーの粒径は、0.5μm乃至40μmの範囲内に
あることが好ましい。更に、誘電体フィラーの含有量
は、樹脂に対して10〜60wt%の範囲が、金属フィラ
ーの含有量は10〜70wt%の範囲が好ましい。加え
て、上記樹脂は感光性を有する樹脂でも非感光性の樹脂
でも良く、感光性を有する場合には紫外線を照射するこ
とにより、半硬化させることが可能であり、この後で更
に加熱処理を行って熱硬化させても良い。一方、非感光
性樹脂の場合には、加熱処理により熱硬化させると良
い。
【0069】ここにいう「硬化剤」としては、無水カル
ボン酸系や、アミン系のものを用いることができる。ま
た、ここにいう「脱泡剤」としては、公知の市販品を用
いることができる。穴埋め充填材は、できる限り揮発性
物質を含まないことが好ましいので、穴埋め充填ペース
トにした状態の揮発減量割合が1%以下、好ましくは
0.5%以下となる脱泡剤を用いるのがよい。
【0070】なお、前記金属層や各配線層は銅に限ら
ず、Ni及びその合金(Ni−P,Ni−B,Ni−Cu
−P)、Coとその合金(Co−P,Co−B,Co−Ni
−P)、Snとその合金(Sn−Pb,Sn−Pb−P
d)、又はAu,Ag,Pd,Pt,Rh,Ru等及びそれ
らの合金の何れを用いることも可能である。
【0071】このように、以上の各工程を経た後、公知
の方法を用いて樹脂絶縁層と配線層とを交互に積層形成
(ビルドアップ)して、プリント配線板(多層配線基
板)を得る。ビルドアップの方法は問わないが、セミア
ディティブ法、フルアディティブ法等の公知のアディテ
ィブ法やサブトラクティブ法を用いて配線層を形成し、
樹脂絶縁材料をプリプレグでラミネートするラミネート
法や、予めフィルム化された樹脂絶縁材料を熱圧着する
方法等を用いて樹脂絶縁層を形成することができる。
【0072】ビルドアップ層を形成する前には、露出し
た配線表面に化学エッチング等の公知の粗化面形成処理
を行う。それによって、続いて形成される樹脂絶縁層の
密着力が向上できる。形成された樹脂絶縁層の表面を過
マンガン酸カリウム処理等により粗化処理する。続いて
形成される配線層の密着力を上げるためである。配線層
は各種金属の無電解メッキ、電解メッキ、フォトリソグ
ラフィを用いた公知の方法で形成できる。なお、樹脂絶
縁層の凹所(ビアホール)穴開けは、レーザ加工でもよ
いし、フォトリソグラフィ技術を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係り、被充填基板の樹脂印
刷充填工程を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係り、被充填基板に貫通部
を備える板状体を載置した状態を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係り、図1の部分拡大図で
ある。
【図4】従来技術に係るプリント配線板の製造方法を示
す断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係り、被充填基板の表面お
よび裏面側に突出する樹脂を研磨し除去する工程を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 被充填基板 1A 被充填基板表面 1B 被充填基板裏面 2 貫通孔 3 スルービア導体 6 樹脂ペースト 10 板状体 11 貫通部 12 樹脂ペーストの印刷終了部 13 樹脂ペーストの印刷開始部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面及び裏面を有し、前記表面と裏面間
    を貫通し内側に貫通孔を有するスルービア導体を複数備
    える被充填基板について、 前記表面側から、スキージにより直接、前記貫通孔内に
    樹脂ペーストを印刷し前記複数の貫通孔を穴埋め充填す
    る樹脂印刷充填工程を含むプリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 表面及び裏面を有し、前記表面と裏面間
    を貫通し内側に貫通孔を有するスルービア導体を複数備
    える複数の製品部分領域と、 前記複数の製品部分領域を取り囲んで配置された捨て代
    部分領域と、を備える被充填基板について、 前記製品部分領域に対応する貫通部を備える板状体を、
    前記表面上の少なくとも前記捨て代部分領域に載置し、 前記表面側から、スキージにより直接、前記貫通孔内に
    樹脂ペーストを印刷し前記複数の貫通孔を穴埋め充填す
    る樹脂印刷充填工程を含むプリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記板状体は、前記被充填基板に当接す
    る基板当接面と、前記基板当接面と反対側の基板非当接
    面と、を有し、 前記板状体の貫通部の側面は、前記基板当接面から基板
    非当接面へと徐々に広がる形状となることを特徴とする
    請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 表面及び裏面を有し、前記表面と裏面間
    を貫通し内側に貫通孔を有するスルービア導体を複数備
    える複数の製品部分領域と、 前記複数の製品部分領域を取り囲んで配置された捨て代
    部分領域と、を備える被充填基板について、 前記表面上の、少なくとも樹脂ペーストの印刷終了部側
    の前記捨て代部分領域に板状体を載置し、 前記表面側から、スキージにより直接、前記貫通孔内に
    樹脂ペーストを印刷し前記複数の貫通孔を穴埋め充填す
    る樹脂印刷充填工程を含むプリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記板状体は、前記被充填基板に当接す
    る基板当接面と、前記基板当接面と反対側の基板非当接
    面と、を有し、 前記板状体の樹脂ペーストの印刷開始部側側面は、前記
    基板当接面から基板非当接面へと徐々に広がる形状とな
    ることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板の
    製造方法。
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