JP2006310789A - 樹脂充填基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非接触ロール8を、基板面に対して水平方向にかつ非接触ロールの回転軸10に対して垂直方向に所定の移動速度で直線移動させながら、非接触ロールの回転軸10より基板側の部分の回転方向が移動方向と逆で、かつ移動速度と開口部の最大深さと開口部の最小面積との相関より決まる所定の周速度で非接触ロール8を回転させて、50〜100000Paの損失弾性率を持つ樹脂ペースト9を基板に設けられた開口部に充填する充填工程を含むことを特徴とする樹脂充填基板の製造方法。
【選択図】図3
Description
また、従来の製造方法では、充填部分の凹みを防止するために印刷時に基板に設けられた開口部の位置、大きさに対応した印刷マスクを介して印刷することが必要である。このため、小さな開口面積の開口部に充填する場合、印刷マスクを高精度に位置合わせする必要がある(印刷マスクがずれた場合、未充填やボイドの巻き込みが開口部に発生する)という問題がある。さらに樹脂充填後に印刷マスクの厚みに相当する部分を研磨する必要があり、研磨時の負荷により基板の反りが発生する問題がある。
本発明の目的は、開口部の未充填やボイドの巻き込みがなく、研磨負荷の小さい(生産性に優れた)樹脂充填基板の製造方法を提供することである。
50〜100000Paの損失弾性率(G”)を持つ樹脂ペースト(J)を基板に設けられた開口部に充填する充填工程を含み、
移動速度(i)と周速度(v)とが次式で表される関係である点を要旨とする。
ここで、非接触ロール(R)の直線移動は、非接触ロール(R)と基板とが相対的に直線移動すればよい。従って、停止している基板に対して非接触ロール(R)が移動してもよく、停止している(回転運動は行っている)非接触ロール(R)に対して基板が移動してもよい。
測定冶具{上部コーン型円盤と下部平面円盤(図1参照、図1中の矢印は正弦振動の方向を示す)との間}に測定サンプルを挟み込み、上部コーン型円盤の上面に対して垂直な中心軸を軸として角速度(ω)(単位:rad/秒)を変化させながら正弦振動させることにより、測定サンプルに応力(σ)(単位:Pa)をかけて、その結果発生するひずみ(ε)(単位:rad)と位相角(δ)(単位:rad)とを測定する。
そして、JIS K7244−1:1998「プラスチック−動的機械特性の試験方法 第1部:通則」に準拠して、応力(σ)とひずみ(ε)との比(σ/ε)から複素弾性率(G*=σ/ε)(単位:Pa)を算出した後、複素弾性率(G*)の嘘数部分として、式{G”=G*×sinδ}から損失弾性率(G”)を算出する。
算出結果をプロットして得られる「角速度−損失弾性率曲線」から、充填時に使用する非接触ロール(R)の周速度(v)に対応する角速度(ω)での損失弾性率を読み取る。なお、周速度(v)と角速度(ω)は次の式により変換する。
角速度(ω)=周速度(v)/ロール(R)の半径(r)
測定装置:動的粘弾性測定装置(たとえば、HAAKE社製レオストレスRS75)
測定治具:直径20mmアルミニウム製円盤(上部コーン型円盤角度2度)
サンプル量:0.5mL
回転ずり応力:10Pa
測定温度:充填時と同じ温度(通常20〜30℃)
角速度:0.628〜628rad/秒
フィラー(F)としては、公知の無機フィラー及び有機フィラーが使用できる。
無機フィラーとしては、酸化物{シリカ(酸化ケイ素)、チタニア(酸化チタン)、アルミナ(酸化アルミニウム)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、チタン酸バリウム等}、炭酸塩{炭酸カルシウム等}、硫酸塩{硫酸バリウム等}、金属{金、白金、銅、銀、ニッケル、スズ、鉄等及びこれらの複合体(混合形成体及び固溶体等を含む)}等が挙げられる。これらのうち、シリカ、銅及び銀が好ましい。
有機フィラーとしては、アクリル樹脂粉、エポキシ樹脂粉、フッ素樹脂粉、ポリエーテルスルフォン樹脂粉、シリコーン樹脂及びナイロン樹脂粉等が挙げられる。これらのうち、アクリル樹脂粉が好ましい。
フィラー(F)の体積平均粒径(μm)は、0.1〜30が好ましく、さらに好ましくは0.5〜20、特に好ましくは1.0〜10である。この範囲であると、開口部の未充填やボイドの発生がさらに抑制される。
なお、体積平均粒子径は、JIS Z8825−1:2001「粒子径解析−レーザー回折法」に準拠した測定原理を有するレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば島津製作所製 商品名SALD−1100型等)で測定される。
熱硬化性樹脂としては、特開2004−149758号公報に記載されたエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等が使用できる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、特開2004−149758号公報に記載のエポキシ樹脂や、特開2001−330951号公報に記載された重合性二重結合を有する化合物及び光ラジカル発生剤からなる組成物等が使用できる。
液状エポキシドは25℃で液状であるエポキシドを意味するが、25℃で固状であるエポキシドを液状であるエポキシドと共に用いて全体として液状となるものも含まれる。液状エポキシドのうち、ビスフェノールF型エポキシド、ビスフェノールA型エポキシド及びグリシジルアミン型エポキシドが好ましく、さらに好ましくはビスフェノールF型エポキシド及びビスフェノールA型エポキシド、特に好ましくはビスフェノールF型エポキシドである。これらの液状エポキシドは1種又は2種以上の混合物でもよい。
硬化剤のうち、フェノール化合物、有機酸無水物、及びアミン化合物、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物、有機酸ヒドラジド化合物及び固体分散型アミンアダクト(潜在性硬化剤)が好ましく、さらに好ましくはフェノール化合物、有機酸無水物、イミダゾール化合物である。これら硬化剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合性二重結合を有する化合物のうち、多価アルコール又は多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステル{ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等}、ウレタン(メタ)アクリレート{イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、多価イソシアネートと活性水素含有基(ヒドロキシ基、カルボキシ基及びアミノ基等)を有する(メタ)アクリレートとの反応物:ヘキサメチレンジイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレートとの反応物等}及びエポキシ(メタ)アクリレート{多官能エポキシドと(メタ)アクリ酸との反応物:ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート及びフェノールノボラック(メタ)アクリレート等}が好ましく、さらに好ましくは多価アルコール又は多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステルである。
これらの重合性二重結合を有する化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、「・・・(メタ)アクリ・・」とは、「・・・アクリ・・」、「・・・メタクリ・・」を意味する。
硬化性樹脂を用いる場合、硬化性樹脂の含有量(重量%)は、フィラー(F)の重量に基づいて、5〜233が好ましく、さらに好ましくは11〜100、特に好ましくは18〜67である。この範囲であると、凹部の未充填やボイドの発生がさらに抑制される。この範囲であると、開口部の未充填やボイドの発生がさらに抑制される。
溶剤を含有させる場合、溶剤の含有量(重量%)は、樹脂ペースト(J)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5、特に好ましくは0.1〜1である。
非接触ロール(R)の回転方向は、回転軸より基板側の部分の回転方向が移動方向と逆となる方向、すなわち、直線移動方向に非接触ロール(R)が転がるように回転する方向である。この反対方向(回転軸より基板側の部分の回転方向が移動方向と同じなる方向、すなわち、非接触ロール(R)が、直線移動方向と逆方向に非接触ロール(R)が転がるように回転する方向)に回転すると、本発明の目的を達成し得ない。
ドクターの存在により、開口部の未充填やボイドの巻き込みがさらに減少する。すなわち、ドクターは非接触ロール(R)の回転により集められる樹脂ペースト(J)を(R)と共に移動方向に移動させる働きがある{基板面に過剰の樹脂ペースト(J)を残さない}。さらに、ドクターと非接触ロール(R)と基板との間に掻き集められる樹脂ペースト(J)を加圧状態に保持する働きがある{非接触ロール(R)の回転により加圧される。この加圧状態が、樹脂ペースト(J)を開口部に押し込む作用を発生させる}。
ドクターを配する場合、ドクターと非接触ロール(R)と基板との間に密閉空間が形成されるように、「ドクターと非接触ロール(R)と基板」の両末端に、ガード(堰板)(たとえば、図11及び12)を配することが好ましい。このガードは、非接触ロール(R)及びドクターと共に直線移動する。
開口面積が異なる場合とは、開口面積0.002mm2(直径50μm)、開口面積19.7mm2(直径5000μm)、及び開口面積2500mm2(間隔5mm長さ500mmの回路間凹部)からなる群より選ばれる少なくとも2種の組合せ等が例示される。
深さが異なる場合とは、深さ30μmの凹部(ビアホール)と深さ3.2mmの貫通孔との組合せ等が例示される。
スペーサーとしては、メタルマスク(ステンレスメタルマスク等)、樹脂フィルム(ポリエステルフィルム等)及びスクリーンメッシュ(ポリエステルスクリーンメッシュ及びステンレススクリーンメッシュ等)等が使用できる。
スペーサーの厚み及びドクターの先端部分と基板表面との間隔(μm)は、5〜500が好ましく、さらに好ましくは10〜200、特に好ましくは20〜100である。この厚みが形成される樹脂層の厚みになる。なお、ドクターの先端と基板表面との間隔は、樹脂層の膜厚の制御の観点等から、非接触ロール(R)と基板との間隔よりも小さいことが好ましい。
この樹脂層を形成する工程は、プリント配線板の製造工程においてスルーホールやビアホール、回路間凹部の充填と同時に絶縁層やソルダーレジスト層を同時に形成するのに有用である。
充填工程(a)の雰囲気圧力(Pa)は、充填性の観点等から、10〜10000が好ましく、さらに好ましくは50〜5000、特に好ましくは100〜1000である。この範囲であると、未充填やボイドの巻き込みの発生がさらに抑制される。
工程(a)は、同じ基板面に対して複数回実施してもよい。工程(a)を複数回(2〜4回が好ましく、さらに好ましくは2又は3回である)実施した後に工程(b)を実施することにより未充填やボイドの巻き込みの発生がさらに抑制される。
工程(a)と工程(b)の間に樹脂ペースト(J)の仮硬化工程(c)を設けることにより硬化収縮による凹みをなくすことができるため好ましい。
工程(e)及び(f)を含むと未充填やボイドの巻き込みの発生がさらに抑制される。
工程(e)は、先の充填工程と同じ方法でも、この方法以外の通常の充填方法(スクリーン印刷法及びロール印刷法等)であってもよい。
なお、工程(e)及び(f)を含む場合、これらの工程の後に実施する工程(a)における式(1)の開口部の深さの最大値tは工程(e)及び(f)の実施後の開口部の深さの最大値を適用する。すなわち、工程(e)及び(f)により、すべての貫通孔を有底孔に変換した後、工程(a)を行うことになる。工程(e)で充填する樹脂ペーストと工程(a)で充填する樹脂ペーストは同じであっても異なってもよい。例えば工程(e)及び(f)では導電性の樹脂ペーストを用い、工程(a)及び(b)では絶縁性の樹脂ペーストを用いてもよい。
前硬化工程(f)は、樹脂ペーストが熱硬化性樹脂の場合、加熱処理によって、同様に活性エネルギー線硬化型樹脂の場合、紫外線等の活性エネルギー線の照射処理によって、同様に熱可塑性樹脂の場合、冷却処理によって樹脂ペーストを硬化させればよい。仮硬化工程(f)の条件は、仮硬化工程(c)と同じ程度でよい。
平坦化工程(g)の後、樹脂ペースト(J)の完全硬化が必要な場合はさらに本硬化工程(h)を設けてもよい。本硬化工程(h)は、平坦化工程で研磨負荷を低減するために仮硬化工程で半硬化状態とした場合等に完全に硬化させるために実施される。
本発明の製造方法により得られた樹脂充填基板に、絶縁層及び/又は配線層を(交互に)積層することによって(必要により、さらに上記の充填工程を設けてもよい)、いわゆるビルドアップ多層プリント配線板を得ることができる。
例えば、配線層は、開口部へ樹脂ペースト(J)を充填し、これを硬化させた後(基板表面に樹脂層を形成した場合を含む)、デスミア処理等により粗化し、無電解めっき(銅等)及び電解めっき(銅等)等により導電体層を形成し、さらに、不要部分をエッチング等して除去することにより形成される。
本発明の製造方法では、樹脂ペースト(J)の充填後の開口部が平坦性に優れているため(凹みが発生しないため)、導体の厚みや幅が均一な配線層を容易に形成できる
以下に示す充填装置、樹脂ペースト及び基板を用いて、樹脂充填基板を製造した。
<充填装置(図2〜5、11及び12を参照)>
充填装置は、真空チャンバー(3)内に、基板固定台(4)、ドクター(7)、非接触ロール(8)及びガード(14)を配している。ドクター(7)、非接触ロール(8)及びガード(14)は一体になって、基板面に対して水平方向にかつ非接触ロール(8)の回転軸に対して垂直方向に移動速度(i)(mm/秒)で直線移動できるようになっている。
ドクター(7)は、基板の開口部に樹脂ペースト(9)が充填された後に基板上に残る過剰の樹脂ペーストをかきとることができるようになっている。また、ドクター(7)は硬度80度のポリウレタン樹脂製であり、幅70mm、厚み20mm、長さ510mmであり、この先端は図7に図示した形状を持つ。
ガード(14)は、ドクター(7)及び非接触ロール(8)の両末端部から樹脂ペースト(J)がはみ出すの防止できるようになっている。ガード(14)は、ポリアセタール製板(高さ80mm、幅100mm、厚さ20mm)の中央部に直径51mmの貫通孔を設けたものである{貫通孔は非接触ロール(8)と基板固定台(4)との間が0.1mmとなる位置に存在する}。そして、この穴に、非接触ロール(8)の末端部がはめ込まれるようになっている。また、ガード(14)は、基板固定台(4)の上面、及びドクター(7)の両末端部と接するようになっている。
真空チャンバー(3)内は、減圧にすることができる。
また、非接触ロール(8)は、非接触ロール(8)の回転軸より基板側の部分の回転方向がドクター(7)及び非接触ロール(8)の移動方向とは逆となるようにして{非接触ロール(8)の直線移動方向に前転するようにして}、周速度(v)(mm/秒)で回転できるようになっている。図3中に非接触ロール(R)の回転方向を矢印26で示している。
なお、非接触ロール(8)の表面材質はステンレス製であり、この大きさは直径50mm、長さ550mmである。
表1に示した組成及び使用量(重量部)で、プラネタリーミキサー(商品名「PLM−50」、株式会社井上製作所製、公転回転数:20rpm、温度:22℃、時間:30分間)でプレミックスした後、3本ロール(商品名「HHC−178X356」、株式会社井上製作所製、ロール間の圧力:3MPa、温度:22℃、パス回数:2回)で混練することにより、樹脂ペーストJ1〜J10を得た。
樹脂ペーストJ1〜J10の損失弾性率(G”)を粘弾性測定装置(HAAKE社製レオストレスRS75)を用いて、23℃(充填作業温度)で測定して、「角速度−損失弾性率曲線」を得た。次いで、充填時に使用する非接触ロール(8)の周速度に対応する角速度(表3〜6)0.628、3.14、6.28、31.4、62.8における損失弾性率を読みとり、表1に示した。
銅粉 :福田金属箔粉(株)製 SRC−Cu15(体積平均粒径12μm球状銅粉)
銀粉:福田金属箔粉(株)製 体積平均粒子径4μmの球状銀粉(50重量%)と体積平均粒子径3μmのフレーク状銀粉(50重量%)との混合物
硫酸バリウム:堺化学工業(株)製 B−30(体積平均粒径0.3粒状硫酸バリウム粉)
エピコート807:ビスフェノールF型エポキシド{ジャパンエポキシレジン(株)製 エピコート807}
硬化剤:四国化成(株)製イミダゾール 2MZ−A(2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン)
DPE−6:ジペンタエリストールヘキサアクリレート{共栄社(株)製 DPE−6A}
光ラジカル発生剤:チバスペシャリティーケミカルス(株)製 イルガキュア184
消泡剤:信越化学(株)製 KF6001(カルビノール変性シリコーン)
揺変剤:楠本化成(株)製 ディスパロン3900(ポリアマイド)
FR−4両面銅張積層板(JIS C6480−1994「プリント配線板用銅張積層板通則」に準拠したもの)を用いて、表2に示す開口部を有するコア基板を特開2002−141661号公報に準拠して作成した。作成した基板について、開口部の最大深さ(t)と開口部の面積の最小値(S)、t/√S及び式(1)の左辺の係数(1.2+0.1×t/√S)および右辺の係数(1.2+0.01×t/√S)を表2に記載した。
基板固定台(4)の上に離型フィルム(5){基板と同じサイズのポリエステルフィルム:パナック株式会社製 再剥離フィルムST 厚み50μm}を配置し、基板K1(6)を固定台(4)の凹部(基板厚みと離型フィルム(5)厚み合計と同じ深さ)にはめ込むことにより固定した。次いで、樹脂ペーストJ1を基板の端部に載せた後(図2)、真空チャンバー(3)内を150Paまで減圧にし、移動速度20.0mm/秒、回転周速度40.0mm/秒、非接触ロールと基板との間隔0.5mm、ドクター(7)の押しつけ圧3MPa、ドクターと基板表面との角度15度で充填を行った(充填工程a:図3〜4)。充填終了後、真空チャンバー(3)内の圧力を大気圧に戻した後、ドクターと基板表面との角度15度を40度に変更して、再度、同じ移動速度及び周速度で再度充填して、充填基板を得た(充填工程b:図2〜4)。
卓上ハンドカッター(商品名「ハンドカッターPC−300」サンハヤト株式会社製)を用いて基板を基板面に対して垂直に切断し、研磨/琢磨機(商品名「Struers Planopol−3」、丸本工業株式会社製)を用いて切断面を研磨して開口部のあった充填断面を整面した。そして、この充填断面を顕微鏡(倍率200倍)で観察し、開口部内が完全に充填されずに発生した凹みやボイドを数え、この数(不良発生数)を表3に示した。なお、充填された樹脂の表面と開口部周辺の基板面との段差が10μm以上あるものを凹みとし、直径10μm以上の空洞(気泡)をボイドとした。
基板、樹脂ペースト、真空チャンバー内の圧力、移動速度、周速度、非接触ロールと基板との間隔を、表3に記載した内容に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂充填基板2〜40を得た。そして、実施例1と同様にして評価した充填不良発生数を表3に示した。
なお、充填工程(a)と充填工程(b)との間に仮硬化(仮硬化工程c)を実施した場合、表3の仮硬化工程のカラムに「有り」と記載し、実施例1のように仮硬化工程cを実施しなかった場合は「無し」と記載した。仮硬化(仮硬化工程c)は、充填基板を循風式加熱オーブン中で130℃、30分間の加熱処理することにより行った。
基板、樹脂ペースト、真空チャンバー内の圧力、移動速度、周速度、非接触ロールと基板との間隔を、表4に記載した内容に変更し、仮硬化工程cの条件を1J/cm2の紫外線照射に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂充填基板41〜52を得た。そして、実施例1と同様にして評価した充填不良発生数を表4に示した。
なお、充填工程(a)と充填工程(b)との間に仮硬化(仮硬化工程c)を実施した場合、表4の仮硬化工程のカラムに「有り」と記載し、実施例1のように仮硬化工程cを実施しなかった場合は「無し」と記載した。仮硬化(仮硬化工程c)は、1J/cm2の紫外線を照射することにより行った。
基板、樹脂ペースト、真空チャンバー内の圧力、移動速度、周速度、非接触ロールと基板との間隔を、表5に記載した内容に変更し、図5に示しすように厚さ50μmのスペーサー(13)(ステンレス製メタルマスク)を使用した以外は実施例1と同様にして、図6に示すような樹脂充填基板53〜64を得た。そして、実施例1と同様にして評価した充填不良発生数を表5に示した。なお、充填工程(a)と充填工程(b)との間に仮硬化(仮硬化工程c)を実施した場合、表5の仮硬化工程のカラムに「有り」と記載し、実施例1のように仮硬化を実施しなかった場合は「無し」と記載した。仮硬化(仮硬化工程c)は、実施例59〜64については1J/cm2の紫外線を照射することにより行い、その他は充填基板を循風式加熱オーブン中で130℃、30分間の加熱処理することにより行った。
樹脂ペーストJ1をスクリーン印刷穴埋め充填装置{東海精機株式会社製スクリーン印刷装置「SSA−PC660」}を用い、乳剤厚20μmの250メッシュのステンレス製メッシュ版を通して、印刷速度20mm/秒、印圧0.5MPa、スキージ角度15度で、大気圧下で基板K7の基板表面にスクリーン印刷して開口部に樹脂ペーストを充填した後、循風式加熱オーブン中で130℃、30分間加熱して、図9に示すような仮硬化基板を得た。このとき、開口部のすべては基板表面から1mmまで樹脂ペーストで充填されていた(残った開口部の深さは3.0mm)。
次いで、仮硬化基板を裏返して基板K7の裏面(スクリーン印刷した面の裏側の面)に対して、実施例1と同様にして(ただし離型フィルムを使用しなかった。)図10に示すような樹脂充填基板65を得た。
基板、樹脂ペースト、真空チャンバー内の圧力、移動速度、周速度、非接触ロールと基板との間隔を、表6に記載した内容に変更し以外は実施例65と同様にして、図10に示すような樹脂充填基板66〜72を得た。
なお、充填工程(a)と充填工程(b)との間に仮硬化(仮硬化工程c)を実施した場合、表6の仮硬化工程のカラムに「有り」と記載し、実施例1のように仮硬化を実施しなかった場合は「無し」と記載した。仮硬化(仮硬化工程c)は充填基板を循風式加熱オーブン中で130℃、30分間の加熱処理することにより行った。そして、実施例1と同様にして評価した充填不良発生数を表6に示した。
基板、樹脂ペースト、真空チャンバー内の圧力、移動速度、周速度、非接触ロールと基板との間隔を、表7に記載した内容に変更したこと、及び離型フィルムを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、樹脂充填基板76’〜83’を得た。
なお、充填工程(a)と充填工程(b)との間に仮硬化を実施した場合、表7の仮硬化工程のカラムに「有り」と記載し、実施例1のように仮硬化工程cを実施しなかった場合は「無し」と記載した。仮硬化工程cは充填基板を循風式加熱オーブン中で130℃、30分間の加熱処理することにより行った。
次いで樹脂充填基板76’〜83’の裏面を上記と同じ条件で充填して、樹脂充填基板76〜83を得た。
そして、実施例1と同様にして評価した充填不良発生数を表7に示した。
基板、樹脂ペースト、真空チャンバー内の圧力、移動速度、周速度、非接触ロールと基板との間隔を、表8記載した内容に変更した以外は実施例1と同様にして、充填工程a、充填工程b、仮硬化工程d、平坦化工程gを行い比較樹脂充填基板1〜17を得た。
なお、比較例1〜17において、充填工程(a)と充填工程(b)との間に仮硬化を実施した場合、表8の仮硬化工程のカラムに「有り」と記載し、実施例1のように仮硬化工程cを実施しなかった場合は「無し」と記載した。仮硬化(仮硬化工程c)は、充填基板を循風式加熱オーブン中で130℃、30分間の加熱処理することにより行った。
また、比較例18〜28において、スクリーン印刷穴埋め充填装置{東海精機株式会社製スクリーン印刷装置「SSA−PC660」}、及び基板の開口径に対する1.2倍の通孔径をもつ厚み100μmのメタルマスクを用い、印刷速度20mm/秒、印圧0.5MPa、スキージ角度15度で、スクリーン印刷により樹脂ペーストを充填した後、循風式加熱オーブン中で130℃、30分間加熱して、比較樹脂充填基板18〜28を得た。
なお、比較例18〜28の比較樹脂充填基板18〜28について、実施例1と同じ平坦化条件では平坦化(表面研磨)することができず、基板表面に凸状の樹脂が残った。
そして、実施例1と同様にして評価した充填不良発生数を表8に示した。
2.下部平面円盤
3.真空チャンバー
4.基板固定台
5.離型フィルム
6.基板
7.ドクター
8.非接触ロール(R)
9.樹脂ペースト(J)
10.非接触ロール(R)の回転軸
11.有底孔(ビアホール)
12.貫通孔(スルーホール)
13.スペーサー
14.ガード
Claims (10)
- 非接触ロール(R)を、基板面に対して水平方向にかつ(R)の回転軸に対して垂直方向に移動速度(i)(mm/秒)で直線移動させながら、(R)の回転軸より基板側の部分の回転方向が移動方向と逆となるようにして周速度(v)(mm/秒)で(R)を回転させて、50〜100000Paの損失弾性率(G”)を持つ樹脂ペースト(J)を基板に設けられた開口部に充填する充填工程を含み、
移動速度(i)と周速度(v)とが式(1)で表される関係であることを特徴とする樹脂充填基板の製造方法。
- 基板と非接触ロール(R)との最短間隔が0.1〜5mmである請求項1に記載の樹脂充填基板の製造方法。
- 充填工程が開口面積及び/又は深さの異なる開口部を同時に充填する工程である請求項1又は2に記載の樹脂充填基板の製造方法。
- 充填工程が開口面積及び/又は深さの異なる開口部を同時に充填するとともに基板表面に樹脂層を形成する工程である請求項1又は2に記載の樹脂充填基板の製造方法。
- 充填工程が10〜10000Paの圧力下で充填する工程(a)、及び工程(a)の後に実施され大気圧下で充填する工程(b)を含んで構成される請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂充填基板の製造方法。
- 開口部として少なくとも貫通孔を含み、工程(a)の前に、工程(a)とは反対側の基板面に対して大気圧下で樹脂ペースト(J)を充填する工程(e)及び工程(e)の後に樹脂ペースト(J)の仮硬化工程(f)を含む請求項5に記載の樹脂充填基板の製造方法。
- 樹脂ペースト(J)がフィラー(F)と硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂とを含んでなり、(F)の含有量が、(F)、硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の合計重量に基づいて30〜95重量%である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂充填基板の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法で製造される樹脂充填基板。
- 請求項8に記載の樹脂充填基板に、絶縁層及び/又は配線層を積層して構成されるビルドアップ多層プリント配線板。
- 請求項9に記載のビルドアップ多層プリント配線板を内蔵する電子機器。
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