JP7435595B2 - 印刷方法、並びに、穴埋め基板及び回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スルーホールを形成された支持基板に樹脂組成物を印刷する印刷方法、並びに、前記の印刷方法を用いた穴埋め基板及び回路基板の製造方法に関する。
回路基板用のコア基板等の用途で用いられる部材として、表裏を貫通するスルーホールが形成された支持基板と、前記のスルーホールを充填する充填層とを備えるものがある。本願においては、この部材を、「穴埋め基板」と呼ぶことがある。充填層は、通常、硬化性の樹脂組成物をスルーホールに充填し、充填された樹脂組成物を硬化させて、形成される。スルーホールへの樹脂組成物の充填方法としては、例えば、スクリーン印刷法がある(特許文献1)。
スクリーン印刷法では、一般に、樹脂組成物を通過させないマスク部と、樹脂組成物を通過させうるメッシュ部とを有するスクリーンマスクを用いる。メッシュ部は、メッシュが設けられた孔であり、樹脂組成物がメッシュの線材の間を通り抜けられるので、樹脂組成物が流通できる通路として機能できる。このメッシュ部は、例えば、支持基板のスルーホール1つに対してメッシュ部1つが連通するように形成される。よって、スクリーンマスクを支持基板上に設置し、スクリーンマスクを介して樹脂組成物を印刷することにより、メッシュ部を通してスルーホールに樹脂組成物を充填することができる。
特開2006-241449号公報
インダクタは、従来、独立したインダクタ部品として回路基板上に実装されることが一般的であった。しかし、近年では、回路基板の導体パターンによりコイルを形成することで、インダクタを回路基板の内部に設ける手法が提案されている。このようにインダクタを内部に備える回路基板を製造する場合、スルーホールを充填する充填層として、磁性粉体を含むものを採用することが考えられる。磁性粉体を含む充填層をインダクタのコアとして機能させることにより、インダクタンスの高いインダクタを実現することができる。
そこで、本発明者は、磁性粉体を含む樹脂組成物を、スクリーン印刷法によって支持基板のスルーホールに充填することを試みた。この際、従来のように、スルーホール1つに対してスクリーンマスクのメッシュ部1つのみが連通できるスクリーンマスクを用いると、スルーホールとメッシュ部との位置合わせが煩雑であった。そこで、本発明者は、位置合わせを簡単にして充填を容易に行えるようにする観点から、1つのメッシュ部が2つ以上のスルーホールと連通できるように、メッシュ部を大きく形成した。そして、複数のスルーホールを1つのメッシュ部が覆うように支持基板上にスクリーンマスクを設置し、メッシュ部を通して各スルーホールに樹脂組成物を充填した。
ところが、前記の方法では、樹脂組成物の充填性が劣っていた。具体的には、複数のスルーホールの一部又は全部において、スルーホールの奥にまで樹脂組成物が進入できず、スルーホール内の出口付近に樹脂組成物が充填されていない部分が残り易かった。特に、メッシュ部の外縁部近傍においてはスルーホールに多くの樹脂組成物が充填される一方で、外縁部から遠いメッシュ部の中央近傍ではスルーホールに充填される樹脂組成物の量が少ない傾向があった。
また、前記の方法では、スルーホールの入り口において、樹脂組成物の層の表面に、窪みが形成されやすかった。樹脂組成物の層の窪みとは、樹脂組成物の層の表面の一部又は全部の位置が、支持基板の表面よりも、スルーホールの内側にある構造をいう。この窪みは、通常、印刷後にスクリーンマスクを取り外す際の版離れ性に劣るために形成されていた。「版離れ性」とは、印刷後にスクリーンマスクを取り外す際、印刷された樹脂組成物がスクリーンマスクから容易に離れ、支持基板から除去されない性質をいう。版離れ性に劣る場合には、スルーホールの入り口近傍の樹脂組成物がメッシュ部のメッシュに付着して除去され、その結果、スルーホールに充填された樹脂組成物の層の表面に、窪みが形成された。特に、磁性粉体の含有割合の多い高粘度の樹脂組成物において、樹脂組成物がメッシュに付着して除去され易い傾向があった。
前記のような課題は、本発明者の検討によれば、インダクタを含む以外の回路基板を製造する場合においても、生じうるものと考えられる。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、支持基板の複数のスルーホールへ樹脂組成物を容易且つ良好な充填性で充填でき、更にはスルーホールに充填された樹脂組成物の層の窪みを抑制できる、印刷方法;前記印刷方法を含む穴埋め基板の製造方法;並びに、前記印刷方法を含む回路基板の製造方法;を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した。その結果、本発明者は、2つ以上のスルーホールにまたがって開口されたマスクを用いること、及び、所定の条件で樹脂組成物の印刷を2回以上行うこと、を組み合わせた場合に、前記の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
〔1〕 複数のスルーホールが形成された支持基板に、中空状の開口部が形成されたマスクを、1つの前記開口部が2つ以上の前記スルーホールと連通するように、設置する設置工程と、
前記マスクの前記支持基板とは反対側の面に、無機充填材及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を供給する供給工程と、
第一スキージを、当該第一スキージの一部が前記開口部の内部に押し込まれるように、前記マスクの前記面上で、当該面に沿って相対的に移動させて、前記スルーホールに前記樹脂組成物を充填する第一印刷工程と、
前記第一スキージと同一又は異なる第二スキージを、前記マスクの前記面上で、当該面に沿って相対的に移動させて、前記スルーホールに充填された前記樹脂組成物上に、前記樹脂組成物を塗布する第二印刷工程と、を含む、印刷方法。
〔2〕 前記第一印刷工程において、前記第一スキージの前記一部が前記支持基板に接するように、当該第一スキージを前記マスクの前記面上で相対的に移動させる、〔1〕に記載の印刷方法。
〔3〕 前記第一スキージの弾性率よりも、前記第二スキージの弾性率が、大きい、〔1〕又は〔2〕に記載の印刷方法。
〔4〕 前記第一印刷工程における前記第一スキージの相対的な移動速度よりも、前記第二印刷工程における前記第二スキージの相対的な移動速度が、速い、〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の印刷方法。
〔5〕 前記第二印刷工程で塗布された前記樹脂組成物が、前記スルーホールのマスク側の位置に残留する、〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の印刷方法。
〔6〕 前記マスクが、メタルマスクである、〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の印刷方法。
〔7〕 前記無機充填材が、磁性粉体を含む、〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の印刷方法。
〔8〕 前記磁性粉体が、酸化鉄粉及び鉄合金系金属粉からなる群より選ばれる1種類以上を含む、〔7〕に記載の印刷方法。
〔9〕 前記第一印刷工程及び前記第二印刷工程における前記樹脂組成物の粘度が、50Pa・s以上である、〔1〕~〔8〕のいずれか一項に記載の印刷方法。
〔10〕 複数のスルーホールを形成された支持基板と、前記スルーホール内に樹脂組成物の硬化物で形成された充填層とを備える穴埋め基板の製造方法であって、
前記支持基板に、〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載の印刷方法によって樹脂組成物を印刷する工程と、
樹脂組成物を硬化させる工程と、を含む、穴埋め基板の製造方法。
〔11〕 前記充填層を研磨する工程を含む、〔10〕に記載の穴埋め基板の製造方法。
〔12〕 〔10〕又は〔11〕に記載の製造方法によって、穴埋め基板を製造する工程と、
前記穴埋め基板上に、導体層を形成する工程と、を含む、回路基板の製造方法。
本発明によれば、支持基板の複数のスルーホールへ樹脂組成物を容易且つ良好な充填性で充填でき、更にはスルーホールに充填された樹脂組成物の層の窪みを抑制できる、印刷方法;前記印刷方法を含む穴埋め基板の製造方法;並びに、前記印刷方法を含む回路基板の製造方法;を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷方法において用いる支持基板及びマスクを模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る印刷方法の設置工程において、マスクを設置された支持基板を模式的に示す斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る印刷方法の供給工程における支持基板及びマスクの断面を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る印刷方法の第一印刷工程における支持基板及びマスクの断面を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る印刷方法の第一印刷工程で、第一スキージがマスクの開口部を横切っている時点での、支持基板、マスク及び第一スキージを、第一スキージの移動方向Xに垂直な面で切った断面を模式に示す断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る印刷方法の第一印刷工程の直後における支持基板及びマスクの断面を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る印刷方法の第二印刷工程における支持基板及びマスクの断面を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る印刷方法の第二印刷工程の直後における支持基板及びマスクの断面を模式的に示す断面図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る穴埋め基板の製造方法において、樹脂組成物を硬化させた直後に得られる穴埋め基板を模式的に示す断面図である。 図10は、本発明の一実施形態に係る穴埋め基板の製造方法において、余剰の硬化物層を研磨により除去した後の穴埋め基板を模式的に示す断面図である。 図11は、一例としてのスクリーン印刷法で支持基板のスルーホールに樹脂組成物を充填する様子を模式的に示す図である。
以下、本発明について、実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
[1.印刷方法の概要]
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の印刷方法は、
複数のスルーホールを形成された支持基板に、中空状の開口部が形成されたマスクを設置する設置工程と;
マスクの支持基板とは反対側の面に、樹脂組成物を供給する供給工程と;
第一スキージを、マスクの面上で、当該面に沿って相対的に移動させて、スルーホールに樹脂組成物を充填する第一印刷工程と;
第一スキージと同一又は異なる第二スキージを、マスクの面上で、当該面に沿って相対的に移動させて、樹脂組成物を塗布する第二印刷工程と;を含む。
設置工程では、1つの開口部が2つ以上のスルーホールと連通するように、マスクを支持基板に設置する。このような設置が許容される場合、マスクの開口部と支持基板のスルーホールとの位置合わせの精度は、低くてもよい。よって、位置合わせを簡単にできる。
また、第一印刷工程では、第一スキージの一部がマスクの開口部の内部に押し込まれるように、第一スキージを支持基板及びマスクに対して相対的に移動させる。これにより、スルーホールの出口にまで樹脂組成物を充填することが容易となり、良好な充填性が達成できる。
さらに、第二印刷工程では、第二スキージによって、スルーホールに充填された樹脂組成物上に、樹脂組成物を塗布する。第一印刷工程によってスルーホールに樹脂組成物が充填されるので、そのスルーホール内には樹脂組成物の層が形成される。しかし、スルーホールの入り口においては、樹脂組成物の層の表面に、窪みが形成されうる。これに対し、第二印刷工程においてスルーホールに充填された樹脂組成物上に樹脂組成物を塗布すると、前記の窪みを樹脂組成物で埋めることができる。よって、窪みを抑制することができる。
したがって、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物の印刷方法によれば、支持基板の複数のスルーホールへ樹脂組成物を容易且つ良好な充填性で充填でき、更にはスルーホールに充填された樹脂組成物の層の窪みを抑制できる。
ここで、前記の「スルーホールの入り口」とは、スルーホールの開口のうち、支持基板のオモテ面に形成された開口をいう。また、「支持基板のオモテ面」とは、支持基板のマスク側の面をいう。他方、前記の「スルーホールの出口」とは、スルーホールの開口のうち、支持基板のウラ面に形成された開口をいう。また、「支持基板のウラ面」とは、支持基板のマスクとは反対側の面をいう。
以下、本実施形態に係る印刷方法を、図面を参照して説明する。ただし、各図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。
[2.支持基板の用意]
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷方法において用いる支持基板100及びマスク200を模式的に示す斜視図である。本実施形態に係る印刷方法は、通常、図1に示すように、支持基板100を用意する工程を含む。
支持基板100は、複数のスルーホール110が形成された基板である。一態様において、支持基板100は、平板状でありうる。また、一態様において、支持基板100は、当該支持基板100の片面または両面に、導体層(図示せず。)を備えうる。さらに、一態様において、支持基板100は、コア層としての絶縁層(図示せず。)を備えていてもよく、この絶縁層上に導体層を備えていてもよい。絶縁層としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。導体層は、回路が形成されていてもよく、回路が形成されていなくてもよい。支持基板100は、いわゆる片面基板であってもよく、2層基板(両面基板)であってもよく、または、回路が形成された導体層を内部に含む4層基板等の多層基板であってもよい。支持基板100の表面には、絶縁層があってもよいが、スルーホール110に樹脂組成物を充填する印刷方法においては、導体層があることが一般的である。支持基板100の表面の導体層は、回路形成されていてよいが、スルーホール110に樹脂組成物を充填する印刷方法においては、支持基板100の最表面の導体層は、回路形成されていないことが一般的である。回路を形成されていない導体層を最表面に有する支持基板100の表面は、平坦な平面でありうる。よって、支持基板100の表面は、回路を形成されていない導体層の平坦な表面でありうる。本実施形態では、絶縁層とこの絶縁層上に設けられた最外層として導体層とを備え、平坦なオモテ面100U及びウラ面100Dを有する支持基板100を用いた例を示して説明する。
支持基板100の厚みT100は、特段の制限はない。
スルーホール110は、支持基板100を貫通する孔である。よって、各スルーホール110は、支持基板100のオモテ面100Uに開口した入り口110INと、支持基板100のウラ面100Dに開口した出口(後述する出口110OUT;図3参照)とを有する。スルーホール110は、一般に、支持基板100をその厚み方向に貫通するように形成される。そのため、通常、スルーホール110の深さは、支持基板100の厚みに一致する。
スルーホール110の形状は、任意であるが、一般的には円筒形である。スルーホール110の直径W110は、特段の制限はない。しかし、一般に、直径W110の小さいスルーホール110には、樹脂組成物が進入し難く、従来のスクリーン印刷法ではスルーホール110の奥にまで樹脂組成物を充填できないことがありえた。よって、スルーホール110のアスペクト比が大きいほど、従来のスクリーン印刷法では樹脂組成物の充填性に劣る傾向があった。スルーホール110のアスペクト比とは、スルーホール110の深さと直径W110との比を表す。また、スルーホール110の深さは、通常は支持基板100の厚みT100に一致するので、前記のアスペクト比は、比T100/W110で表される。これに対し、本実施形態に係る印刷方法によれば、スルーホール110の奥にまで、樹脂組成物を容易に充填できる。よって、本実施形態に係る印刷方法の優れた充填性を活用する観点では、スルーホール110のアスペクト比T100/W110は、大きいことが好ましい。具体的には、スルーホール110のアスペクト比T100/W110は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、特に好ましくは2.0以上である。アスペクト比T100/W110の上限に制限はないが、スルーホール110の形成を容易に行う観点、及び、スルーホール110への樹脂組成物の充填を容易にする観点では、アスペクト比T100/W110は、50以下、20以下、10以下などでありうる。スルーホール110の形状、寸法及びアスペクト比は、同じでもよく、異なっていてもよい。
本実施形態に係る印刷方法は、通常、印刷に適した環境を用意できる適切な印刷装置(図示せず。)によって行われる。よって、用意された支持基板100は、前記の印刷装置に取り付けされうる。この際、支持基板100は、通常、オモテ面100Uが重力方向で上向きになり、ウラ面100Dが重力方向で下向きとなるように、取り付けされる。本実施形態では、オモテ面100U及びウラ面100Dが水平方向に平行で、且つ、オモテ面100Uが重力方向で上向き、ウラ面100Dが重力方向で下向きになるように、支持基板100が取り付けされた例を示して説明する。
[3.設置工程]
本実施形態に係る印刷方法では、支持基板100を用意した後、この支持基板100にマスク200を設置する設置工程を行う。具体的には、支持基板100のオモテ面100U上にマスク200を設置する。通常は、第一印刷工程及び第二印刷工程において樹脂組成物が進入可能な空隙が支持基板100とマスク200との間に形成されないように、マスク200は、支持基板100のオモテ面100Uに接するように設置される。
マスク200は、樹脂組成物を通さない材料で形成された部材であり、通常は板状に形成される。マスク200の取扱性を良好にするため、マスク200としては、剛性に優れる材料で形成されたものが好ましい。中でも、耐久性に優れ、また、広い範囲の種類の樹脂組成物に適用できるので、金属材料で形成されたメタルマスクが好ましい。
マスク200の厚みT200は、特段の制限はない。ただし、後述する第二印刷工程で第二スキージ500(図7参照)と支持基板100との接触を簡単に避ける観点では、マスク200の厚みT200は所定値以上に大きいことが好ましい。具体的には、マスク200の厚みT200は、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、特に好ましくは20μm以上である。また、後述する第一印刷工程で第一スキージ400(図4参照)と支持基板100との接触を簡単に達成する観点では、マスク200の厚みT200は所定値以下と小さいことが好ましい。具体的には、マスク200の厚みT200は、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下、特に好ましくは300μm以下である。
マスク200には、当該マスク200を厚み方向に貫通する中空状の孔としての開口部210が形成されている。中空状であるので、開口部210には、スクリーンマスクのメッシュ部のようなメッシュは、無い。よって、この開口部210は、任意の部材によって通過されることができるので、樹脂組成物が通過することができる。
図2は、本実施形態に係る印刷方法の設置工程において、マスク200を設置された支持基板100を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、マスク200は、1つの開口部210が2つ以上のスルーホール110と連通するように、設置される。したがって、支持基板100の厚み方向から見ると、通常は、開口部210には、支持基板100のオモテ面100Uの一部のエリアと、このエリアに形成された2つ以上のスルーホール110とが現れる。このように設置を行う場合、マスク200の開口部210は十分に大きく形成できるので、精密な位置合わせをしなくても、開口部210とスルーホール110とを連通させることができる。よって、位置合わせを簡単にできるので、簡単な印刷を実現することが可能である。
マスク200に形成される開口部210の平面形状(即ち、マスク200の厚み方向から見た形状)は、任意である。また、マスク200に形成される開口部210の数は、1つでもよく、2つ以上であってもよい。2以上の開口部210が形成されたマスク200では、それらの開口部210の少なくとも1つが2つ以上のスルーホール110と連通していてもよいが、それらの開口部210の全てが個別に2つ以上のスルーホール110と連通することが好ましい。本実施形態では、マスク200が矩形の平面形状を有する開口部210を1つ有し、その開口部210が、支持基板100に形成された全てのスルーホール110と連通できる程度に大きい例を示す。よって、本実施形態に示す例では、支持基板100に設置されたマスク200の1つの開口部210が、全てのスルーホール110に連通している。
通常は、支持基板100の厚み方向と、その支持基板100に設置されたマスク200の厚み方向とは、一致する。よって、以下の説明では、支持基板100の厚み方向と、その支持基板100に設置されたマスク200の厚み方向とを、共通の符号「Z」を付して示すことがある。
[4.供給工程]
図3は、本実施形態に係る印刷方法の供給工程における支持基板100及びマスク200の断面を模式的に示す断面図である。図3に示すように、本実施形態に係る印刷方法では、設置工程の後で、支持基板100に設置されたマスク200上に、樹脂組成物を供給する供給工程を行う。具体的には、マスク200の支持基板100とは反対側の面200Uに、樹脂組成物を供給する。これにより、マスク200の面200U上に、樹脂組成物の液溜り300が形成される。
樹脂組成物は、無機充填材及び熱硬化性樹脂を含む組成物である。この樹脂組成物は、第一印刷工程及び第二印刷工程においてペースト状でありうる組成物であり、通常、加熱処理を受けて硬化することができる。
樹脂組成物の供給方法は、任意である。例えば、樹脂組成物を収納したシリンジ(図示せず)から、樹脂組成物をマスク200上に吐出させることで、供給を行ってもよい。
[5.第一印刷工程]
図4は、本実施形態に係る印刷方法の第一印刷工程における支持基板100及びマスク200の断面を模式的に示す断面図である。図4に示すように、本実施形態に係る印刷方法では、供給工程の後で、第一スキージ400を、マスク200の面200U上で、当該面200Uに沿って相対的に移動させて、スルーホール110に樹脂組成物を充填する第一印刷工程を行う。
第一スキージ400は、通常、当該第一スキージ400の移動方向Xに対して交差する方向に延びる。よって、第一スキージ400は、通常、ある方向に連続する形状を有して設けられ、そのように第一スキージ400が連続する方向は、当該第一スキージ400の移動方向Xに対して交差している。本実施形態では、第一スキージ400の移動方向X及び厚み方向Zの両方に垂直な方向Y(図2参照)に延びる矩形板状のスキージを、第一スキージ400として用いた例を示して説明する。この第一スキージ400の長さは、通常、マスク200の開口部210の全体に届くように、第一スキージ400が延びる方向における開口部210の寸法よりも大きく形成される。
第一印刷工程では、第一スキージ400は、当該第一スキージ400と開口部210との間に樹脂組成物の液溜り300が位置するように、マスク200の端部近傍に配置される。このとき、スルーホール110に樹脂組成物を効果的に充填する観点から、第一スキージ400は、マスク200の面200Uとの間に所定のアタック角度θ400をなすように傾斜した状態で、面200Uに接触するように配置されうる。ここで、アタック角θ400とは、第一スキージ400が、移動方向Xの前方において、マスク200の面200Uとの間になす角度を表す。第一スキージ400の先端部は、支持基板100又はマスク200との間の摩擦により撓む場合があり得るが、この場合、アタック角θ400は、第一スキージ400の撓んだ先端部以外の部分とマスク200の面200Uとの間になす角度を表す。また、第一スキージ400は、所定の印圧でマスク200に押し当てた状態で、配置されうる。ここで、第一スキージ400の印圧とは、第一スキージ400がマスク200に押し当てられる圧力を表す。
第一スキージ400は、前記のアタック角θ400及び印圧を維持した状態で、マスク200の面200U上を、当該面200Uに沿って移動方向Xに相対的に移動させられる。前記の相対的な移動を実現するために、第一スキージ400を移動させてもよく、支持基板100及びマスク200を移動させてもよく、これら全てを移動させてもよい。本実施形態では、第一スキージ400を移動させる例を示して説明する。
第一スキージ400の移動は、第一スキージ400がマスク200の開口部210を横切るように行われる。移動する第一スキージ400によって押されるので、樹脂組成物の液溜り300も移動方向Xに移動する。そして、第一スキージ400が開口部210を横切るとき、開口部210を通して支持基板100のスルーホール110に樹脂組成物が充填され、この樹脂組成物の層310がスルーホール110内に形成される。
図5は、本実施形態に係る印刷方法の第一印刷工程で、第一スキージ400がマスク200の開口部210を横切っている時点での、支持基板100、マスク200及び第一スキージ400を、第一スキージ400の移動方向Xに垂直な面で切った断面を模式に示す断面図である。図5に示すように、第一印刷工程での第一スキージ400の移動は、第一スキージ400の一部がマスク200の開口部210の内部に押し込まれるように、行われる。第一スキージ400の一部がマスク200の開口部210の内部に押し込まれる場合、当該開口部210の内部に押し込まれた第一スキージ400の一部は、開口部210にめり込んだ状態となる。よって、十分な圧力でスルーホール110に樹脂組成物を充填することができるので、良好な充填性が達成できる。
さらに、第一印刷工程での第一スキージ400の移動は、マスク200の開口部210の内部に押し込まれた第一スキージ400の前記一部が、マスク200の開口部210に現れた支持基板100に接するように行うことが好ましい。第一スキージ400は、マスク200の開口部210に現れた支持基板100の少なくとも一部に接することが好ましく、1つ以上のスルーホール110の入り口110INの周囲で支持基板100に接することがより好ましい。中でも、開口部210の中央近傍では樹脂組成物をスルーホール110に押し込む圧力が低くなり易い傾向が従来あったことから、開口部210の中央近傍で第一スキージ400が支持基板100に接することが特に好ましい。本実施形態では、支持基板100のオモテ面100Uのうち、全てのスルーホール110の周囲のエリアに第一スキージ400が接するように、第一スキージ400が移動した例を示す。
第一スキージ400が支持基板100に接するように移動するとき、第一スキージ400は、スルーホール110の入り口110INを塞ぐようにしながら、そのスルーホール110に樹脂組成物を押し込むことができる。よって、支持基板100のオモテ面100Uに沿ってスルーホール110の外に逃げる圧力を減らせるので、第一スキージ400から樹脂組成物に加えられる圧力を、スルーホール110の奥に向けて効果的に伝えることができる。したがって、スルーホール110の出口110OUTにまで樹脂組成物を充填することが容易となり、特に良好な充填性が達成できる。
本実施形態の印刷方法による優れた充填性について、スクリーン印刷法と対比して更に詳細に説明する。図11は、一例としてのスクリーン印刷法で支持基板100のスルーホール110に樹脂組成物を充填する様子を模式的に示す図である。図11では、開口部210を有するマスク200の代わりに、メッシュ920を設けられたメッシュ部910を有するスクリーンマスク900が支持基板100に設置されていること以外は、図5に示す第一印刷工程と同じ操作を行った場合の支持基板100、スクリーンマスク900及び第一スキージ400の断面を模式的に示す。
図11に示すように、スクリーンマスク900を用いたスクリーン印刷法では、第一スキージ400は、メッシュ部910のメッシュ920が妨げとなり、支持基板100に接触できない。他方、樹脂組成物は、メッシュ920の線材の間を通り抜けられる。よって、支持基板100と第一スキージ400との間には、メッシュ920の厚みの分だけ、樹脂組成物が流通できる流路が形成されうる。そうすると、第一スキージ400によって押された樹脂組成物は、矢印A11で示すように、支持基板100のオモテ面100Uに沿ってメッシュ部910の外縁部に向けて流動できる。したがって、第一スキージ400から与えられる圧力が前記の樹脂組成物の流動の作用によって外縁部へと逃げるので、メッシュ部910の外縁部から遠い中央付近では、スルーホール110に樹脂組成物を押し込むための圧力が不足しやすい。その結果、樹脂組成物をスルーホール110の出口110OUTにまで充填できないことがあった。さらに、樹脂組成物を十分に充填できたスルーホール110でも、供給される樹脂組成物の量が不均一であるので、スルーホール110の出口110OUTから流出した樹脂組成物によって形成される層320の厚みが不均一となっていた。
これに対し、図5に示すように、マスク200の開口部210の内部に押し込まれた第第一スキージ400の一部が支持基板100に接する場合、支持基板100と第一スキージ400との間に形成されうる流路を小さくでき、好ましくは流路を形成させないことができる。よって、第一スキージ400から樹脂組成物に加えられる圧力を、スルーホール110の奥に向けて効果的に伝えることができるので、良好な充填性が達成できる。さらに、通常は、第一スキージ400が樹脂組成物をスルーホール110に押し込む圧力を、各スルーホール110で均一にできるので、スルーホール110の出口110OUTから流出した樹脂組成物によって形成される層320の厚みを均一にできる。
相対的に移動する第一スキージ400の一部がマスク200の開口部210の内部に押し込まれるようにすることは、様々な方法によって実現できる。
第一スキージ400の一部がマスク200の開口部210の内部に押し込まれるようにする方法としては、例えば、第一スキージ400として可撓性が大きいスキージを用いる方法が挙げられる。可撓性が大きいスキージは、適切な印圧を受けると変形できるので、マスク200の開口部210の内部に押し込まれることができ、好ましくは支持基板100に接することができる。この場合、通常は、第一スキージ400の材料として、可撓性が大きい材料を用いる。可撓性が大きい材料としては、第一スキージ400の支持基板100への接触を特に容易に実現できるので、弾性率が小さい弾性材料が好ましい。このような弾性材料としては、例えばゴムが挙げられ、よって第一スキージ400としてはゴムスキージが好ましい。
前記の弾性材料のゴム硬度は、第一スキージ400の一部をマスク200の開口部210の内部に押し込むことが可能な範囲で任意に設定できる。具体的な範囲の例を示すと、ゴム硬度は、好ましくは50度以上であり、好ましくは100度以下である。
ゴム硬度は、第一印刷工程と同じ温度条件において、デュロメータ(タイプA)により測定できる。
第一スキージ400の一部がマスク200の開口部210の内部に押し込まれるようにする別の方法としては、例えば、第一スキージ400の印圧を大きくする方法が挙げられる。第一スキージ400の印圧が大きいと、第一スキージ400がマスク200の形状に沿って容易に変形できるので、マスク200の開口部210の内部に押し込まれることができ、好ましくは支持基板100に接することができる。
第一スキージ400の一部がマスク200の開口部210の内部に押し込まれるようにする更に別の方法としては、例えば、第一スキージ400のアタック角度θ400を小さくする方法が挙げられる。第一スキージ400のアタック角度θ400が小さいと、第一スキージ400は当該第一スキージ400の厚み方向に大きな応力を受けて容易に変形し、マスク200の開口部210の内部に押し込まれることができ、好ましくは支持基板100に接することができる。
第一スキージ400のアタック角度θ400は、第一スキージ400の一部をマスク200の開口部210の内部に押し込むことが可能な範囲で任意に設定できる。具体的な範囲の例を示すと、アタック角度θ400は、好ましくは5°以上、より好ましくは7°以上、特に好ましくは10°以上であり、好ましくは90°以下、より好ましくは80°以下、特に好ましくは70°以下である。
第一スキージ400の一部がマスク200の開口部210の内部に押し込まれるようにする更に別の方法としては、例えば、第一スキージ400の支持基板100及びマスク200に対する相対的な移動速度を遅くする方法が挙げられる。前記の相対的な移動速度を、以下、適宜「印刷速度」ということがある。第一スキージ400の印刷速度が遅いと、樹脂組成物の抵抗を小さくできるので、第一スキージ400が樹脂組成物に妨げられずにマスク200の開口部210の内部に押し込まれることができ、好ましくは支持基板100に接することができる。
第一スキージ400の印刷速度は、第一スキージ400の一部をマスク200の開口部210の内部に押し込むことが可能な範囲で任意に設定できる。具体的な範囲の例を示すと、第一スキージ400の印刷速度は、好ましくは1mm/sec以上、より好ましくは2mm/sec以上、特に好ましくは3mm/sec以上であり、好ましくは100mm/sec以下、より好ましくは80mm/sec以下、特に好ましくは60mm/sec以下である。
第一スキージ400の一部がマスク200の開口部210の内部に押し込まれるようにする方法として例示した前記の方法は、任意に組み合わせて実施してもよい。
第一印刷工程は、1回のみ行ってもよく、同一又は異なる条件で2回以上行ってもよい。
図6は、本実施形態に係る印刷方法の第一印刷工程の直後における支持基板100及びマスク200の断面を模式的に示す断面図である。図6に示すように、第一印刷工程においてスルーホール110に樹脂組成物が充填されると、スルーホール110内に樹脂組成物の層310が形成される。通常は、充填された樹脂組成物の一部がスルーホール110の出口110OUTを通って流出するので、流出した樹脂組成物によって支持基板100のウラ面100Dにも樹脂組成物の層320が形成される。樹脂組成物の層320は、厚み方向Zにおいて、支持基板100のウラ面100Dよりも図中下側の位置(すなわち、マスク200から遠い位置)にある樹脂組成物によって形成されている。
本実施形態における第一印刷工程では、第一スキージ400が樹脂組成物をスルーホール110に押し込む圧力を、各スルーホール110で均一にできる。よって、スルーホール110の出口110OUTを通って流出する樹脂組成物の量を、各スルーホール110で均一にできる。したがって、通常は、支持基板100のウラ面100Dに形成される樹脂組成物の層320の厚みを、均一にできる。
他方、スルーホール110の入り口110INでは、樹脂組成物の層310には窪み330が形成されうる。この窪み330は、例えば、第一スキージ400によって樹脂組成物がスルーホール110に過度に押し込まれたり、樹脂組成物の一部が第一スキージ400によって掻き取られたりすることで、形成されうる。そこで、本実施形態に係る印刷方法では、第一印刷工程の後に第二印刷工程を行う。
[6.第二印刷工程]
図7は、本実施形態に係る印刷方法の第二印刷工程における支持基板100及びマスク200の断面を模式的に示す断面図である。図7に示すように、本実施形態に係る印刷方法では、第一印刷工程の後で、第二スキージ500を、マスク200の面200U上で、当該面200Uに沿って相対的に移動させて、スルーホール110に充填された樹脂組成物上に、樹脂組成物を塗布する第二印刷工程を行う。
第二スキージ500としては、第一スキージ400と同一のスキージを用いてもよく、第一スキージ400とは異なるスキージを用いてもよい。また、第二スキージ500の移動方向は、第一スキージ400の移動方向と、同じでもよく、異なっていてもよい。本実施形態では、第一スキージ400と同じく、方向Y(図2参照)に延びて移動方向Xに移動可能に設けられた矩形板状のスキージを、第二スキージ500として用いた例を示して説明する。
第二印刷工程では、第二スキージ500は、当該第二スキージ500と開口部210との間に樹脂組成物の液溜り300が位置するように、マスク200の端部近傍に配置される。このとき、樹脂組成物の適切な塗布を達成する観点から、第二スキージ500は、マスク200の面200Uとの間に所定のアタック角度θ500をなすように傾斜した状態で、面200Uに接触するように配置されうる。ここで、アタック角θ500とは、第二スキージ500が、移動方向Xの前方において、マスク200の面200Uとの間になす角度を表す。第二スキージ500の先端部は、支持基板100、マスク200又は樹脂組成物との間の摩擦により撓む場合があり得るが、この場合、アタック角θ500は、第二スキージ500の撓んだ先端部以外の部分とマスク200の面200Uとの間になす角度を表す。また、第二スキージ500は、所定の印圧でマスク200に押し当てた状態で、配置されうる。ここで、第二スキージ500の印圧とは、第二スキージ500がマスク200に押し当てられる圧力を表す。
第二スキージ500は、前記のアタック角θ500及び印圧を維持した状態で、マスク200の面200U上を、当該面200Uに沿って移動方向Xに相対的に移動させられる。前記の相対的な移動を実現するために、第二スキージ500を移動させてもよく、支持基板100及びマスク200を移動させてもよく、これら全てを移動させてもよい。本実施形態では、第二スキージ500を、第一スキージ400の移動方向と平行且つ逆向きに移動させる例を示して説明する。
第二スキージ500の移動は、第二スキージ500がマスク200の開口部210を横切るように行われる。移動する第二スキージ500によって押されるので、樹脂組成物の液溜り300も移動方向Xに移動する。そして、第二スキージ500が開口部210を横切るとき、開口部210を通して、支持基板100のスルーホール110内の樹脂組成物上に、更に樹脂組成物が塗布される。これにより、スルーホール110内の樹脂組成物の層310上に、更に樹脂組成物の層340が形成される。よって、窪み330を埋めることができるので、窪み330を小さくでき、好ましくは窪みを消失させることができる。
第二印刷工程における樹脂組成物の塗布は、樹脂組成物の層340の表面340Uが、厚み方向Zにおいて、支持基板100のオモテ面100Uと同じかそれよりも図中上側の位置(すなわち、支持基板100から遠い位置)にくるように行うことが好ましい。さらには、第二印刷工程における樹脂組成物の塗布は、樹脂組成物の層340の表面340Uが、厚み方向Zにおいて、支持基板100のオモテ面100Uよりも図中上側の位置にくるように行うことが好ましい。この場合、第二印刷工程で塗布された樹脂組成物の一部又は全部を、スルーホール110のマスク200側の位置350に残留させることができる。よって、スルーホール110の入り口110IN上に樹脂組成物を堆積させることができるので、窪み330を効果的に埋めることができ、よって窪みを消失させることができる。
第二印刷工程での第二スキージ500の移動は、マスク200の開口部210に現れた支持基板100と第二スキージ500とが離れた状態を維持することにより、支持基板100と第二スキージ500とが接さないように行うことが好ましい。この場合、第二スキージ500と支持基板100との間には、樹脂組成物が進入できる間隙が空く。よって、第二スキージ500によって樹脂組成物がスルーホール110に過度に押し込まれたり、樹脂組成物の一部が第二スキージ500によって掻き取られたりすることを抑制できる。したがって、より効果的に窪み330を消失させることができる。また、この場合、前記の間隙には樹脂組成物が進入できるので、通常は、スルーホール110が形成されたエリアだけでなく、スルーホール110以外のエリアでも、支持基板100上に樹脂組成物の層340が形成される。
移動する第二スキージ500がマスク200の開口部210に現れた支持基板100に接さないようにすることは、様々な方法によって実現できる。
第二スキージ500が支持基板100に接さないようにする方法としては、例えば、第二スキージ500として可撓性が小さいスキージを用いる方法が挙げられる。可撓性が小さいスキージは、圧力を受けても変形しにくいので、マスク200の開口部210に進入しにくく、よって支持基板100から離れた状態を維持できる。具体的には、第二スキージ500として、第一スキージ400の弾性率よりも大きい弾性率を有するものを用いることが好ましい。この場合、通常は、第二スキージ500の材料として、弾性率が大きい材料を用いる。弾性率が大きい材料としては、第一スキージ400の材料の弾性材料よりも大きい弾性率を有する剛性材料が好ましく、例えば、金属材料などが挙げられる。よって、第二スキージ500としては、メタルスキージが好ましい。
第二スキージ500が支持基板100に接さないようにする別の方法としては、例えば、第二スキージ500の印圧を小さくする方法が挙げられる。第二スキージ500の印圧が小さいと、第二スキージ500の変形を小さくできるので、マスク200の開口部210への進入を抑制して、支持基板100に接さないようにできる。よって、第二スキージ500を支持基板100から離し易くする観点では、第二スキージ500の印圧は、第一スキージ400の印圧よりも、小さいことが好ましい。
第二スキージ500が支持基板100に接さないようにする更に別の方法としては、例えば、第二スキージ500のアタック角度θ500を大きくする方法が挙げられる。第二スキージ500のアタック角度θ500が大きいと、第二スキージ500は当該第二スキージ500の厚み方向に小さな応力しか受けないので、変形を小さくできる。よって、第二スキージ500がマスク200の開口部210へ進入することを抑制して、支持基板100に接さないようにできる。
第二スキージ500のアタック角度θ500は、第二スキージ500が支持基板100に接さない範囲で任意に設定できる。具体的な範囲の例を示すと、アタック角度θ500は、好ましくは5°以上、より好ましくは7°以上、特に好ましくは10°以上であり、好ましくは90°以下、より好ましくは80°以下、特に好ましくは70°以下である。
また、第二スキージ500を支持基板100から離し易くする観点では、第二スキージ500のアタック角度θ500は、第一スキージ400のアタック角度θ400よりも、大きくてもよい。
第二スキージ500が支持基板100に接さないようにする更に別の方法としては、例えば、第二スキージ500の支持基板100及びマスク200に対する相対的な移動速度としての印刷速度を速くする方法が挙げられる。第二スキージ500の印刷速度が速いと、樹脂組成物の抵抗を大きくできるので、第二スキージ500が樹脂組成物に妨げられて支持基板100に接さないようにできる。
第二スキージ500の印刷速度は、第二スキージ500が支持基板100に接さない範囲で任意に設定できる。具体的な範囲の例を示すと、第二スキージ500の印刷速度は、好ましくは3mm/sec以上、より好ましくは5mm/sec以上、特に好ましくは15mm/sec以上である。上限は、特段の制限は無く、例えば100mm/sec以下でありうる。
また、第二スキージ500を支持基板100から離し易くする観点では、第二印刷工程における第二スキージ500の印刷速度は、第一印刷工程における第一スキージ400の印刷速度よりも、速いことが好ましい。この場合、第一スキージ400の印刷速度と第二スキージ500の印刷速度との差は、好ましくは0mm/sec以上、より好ましくは10mm/sec以上、特に好ましくは20mm/sec以上である。上限は、特段の制限は無く、例えば100mm/sec以下でありうる。
第二スキージ500が支持基板100に接さないようにする方法として例示した前記の方法は、任意に組み合わせて実施してもよい。
第二印刷工程は、1回のみ行ってもよく、同一又は異なる条件で2回以上行ってもよい。
図8は、本実施形態に係る印刷方法の第二印刷工程の直後における支持基板100及びマスク200の断面を模式的に示す断面図である。図8に示すように、第二印刷工程において樹脂組成物の塗布が行われると、スルーホール110に形成されていた樹脂組成物の層310上に更に樹脂組成物の層340が形成されるので、窪み330が埋められる。よって、窪み330を抑制できる。
好ましい態様では、マスク200の開口部210に現れた支持基板100のエリア全体に樹脂組成物が塗布されるので、スルーホール110のマスク200側の位置350を含む支持基板100のオモテ面100Uの広い範囲に樹脂組成物の層340が形成される。支持基板100のオモテ面100Uに形成される樹脂組成物の層340の厚みT340は、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、特に好ましくは30μm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下、特に好ましくは300μm以下である。樹脂組成物の層340の厚みT340が前記範囲にある場合に、窪み330を特に高い確実性で消失させることができる。ここで、樹脂組成物の層340の厚みT340とは、支持基板100のオモテ面100Uから、樹脂組成物の層340の表面(支持基板100から遠い方の表面)340Uまでの距離を言う。また、樹脂組成物の層340の厚みT340が均一でない場合、少なくともスルーホール110のマスク200側の位置350における厚みT340が前記の範囲に収まることが好ましい。
本実施形態に係る印刷方法によれば、支持基板100と、この支持基板100のスルーホール110を充填する樹脂組成物の層360とを有する基板として、充填基板600が得られる。スルーホール110を充填する樹脂組成物の層360は、通常、第一印刷工程において形成された樹脂組成物の層310と、第二印刷工程において形成された樹脂組成物の層340の一部又は全部と、を含む。また、この充填基板600においては、スルーホール110内だけでなく、支持基板100のオモテ面100U及びウラ面100Dの一方及び両方にも、樹脂組成物の層320及び340が形成されていてもよい。この充填基板600では、樹脂組成物の層360はスルーホール110の出口110OUTにまで形成されており、良好な充填性が達成される。また、この充填基板600では、スルーホール110の入り口110INにおける樹脂組成物の層360の窪み(図7の窪み330を参照)を小さくでき、好ましくは窪みを無くすことができる。さらに、このような充填基板600が得られる前記の印刷方法は、マスク200を支持基板100に設置する際の位置合わせの精度を低くできるので、精密な位置合わせのための手間を省略でき、よって操作を簡単にできる。したがって、上述した印刷方法によれば、支持基板100の複数のスルーホール110へ樹脂組成物を容易且つ良好な充填性で充填でき、更にはスルーホール110に充填された樹脂組成物の層360の窪みを抑制できる。
[7.印刷方法に含まれていてもよい任意の工程]
本発明の一実施形態に係る印刷方法は、上述した工程に組み合わせて、更に任意の工程を含んでいてもよい。
例えば、印刷方法は、第一印刷工程の最中、第一印刷工程と第二印刷工程との間、及び、第二印刷工程の最中のうちの1以上の時期に、マスク200上に樹脂組成物を供給する工程を含んでいてもよい。
また、例えば、印刷方法は、マスク200に、当該マスク200の周囲を囲む枠材、マスク200の開口部210を囲む枠材等の枠材(図示せず)を設置する工程を含んでいてもよい。このような枠材を設けることにより、供給工程、第一印刷工程及び第二印刷工程において、マスク200の外に樹脂組成物が流出することを抑制できる。
また、例えば、印刷方法は、第一印刷工程及び第二印刷工程における温度、気圧等の印刷環境を調整する工程を含んでいてもよい。具体例を挙げると、第一印刷工程及び第二印刷工程が行われる印刷環境を真空環境にする工程を含んでいてもよい。このような印刷環境の調整は、例えば、適切な印刷装置を用いて実施できる。
また、例えば、印刷方法は、支持基板100からマスク200を取り外す工程を含んでいてもよい。
[8.穴埋め基板の製造方法]
上述した印刷方法によれば、スルーホールが形成された支持基板と、スルーホールを充填する樹脂組成物の層と、を有する充填基板が得られる。よって、上述した印刷方法を用いれば、スルーホールを形成された支持基板と、スルーホール内に樹脂組成物の硬化物で形成された充填層と、を備える穴埋め基板の製造方法を提供できる。以下、一実施形態に係る穴埋め基板の製造方法を説明する。
本実施形態に係る穴埋め基板の製造方法は、
複数のスルーホールが形成された支持基板に、上述した印刷方法によって樹脂組成物を印刷する工程と;
樹脂組成物を硬化させる工程と;を含む。
支持基板に樹脂組成物を印刷する工程は、上述した印刷方法により実施できる。この印刷により、図8に示すように、支持基板100と、この支持基板100のスルーホール110を充填する樹脂組成物の層360とを有する充填基板600が得られる。
穴埋め基板の製造方法は、上述した印刷によって充填基板600を得た後で、必要に応じて、マスク200を取り除く工程を行ってもよい。
図9は、本実施形態に係る穴埋め基板700の製造方法において、樹脂組成物を硬化させた直後に得られる穴埋め基板700を模式的に示す断面図である。図9に示すように、本実施形態に係る穴埋め基板700の製造方法では、支持基板100に樹脂組成物を印刷し、更に必要に応じてマスク200を取り除いた後で、樹脂組成物を硬化させる工程を行う。樹脂組成物を硬化させることにより、支持基板100と、この支持基板100のスルーホール110内に樹脂組成物の硬化物で形成された充填層710と、を備える穴埋め基板700が得られる。
樹脂組成物を硬化させる工程では、通常、樹脂組成物を熱処理を行う。樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含むので、熱処理により、樹脂組成物を硬化させて、その硬化物を得ることができる。熱硬化条件は、樹脂組成物の組成及び種類によっても異なるが、硬化温度は好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。硬化時間は、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上であり、好ましくは120分以下、より好ましくは100分以下、さらに好ましくは90分以下である。
ただし、図8に示したように、上述した印刷方法で支持基板100に樹脂組成物を印刷して得られる充填基板600では、支持基板100のオモテ面100U及びウラ面100Dにも、樹脂組成物の層320及び340が形成されうる。よって、樹脂組成物を硬化させて得られる穴埋め基板700は、スルーホール110の外部に形成された余剰の充填層として、樹脂組成物の硬化物で形成された硬化物層720及び730を支持基板100のオモテ面100U及びウラ面100Dに備えうる。これらの硬化物層720及び730は、除去することが望ましい。そこで、穴埋め基板700の製造方法は、支持基板100のオモテ面100U及びウラ面100Dに形成された硬化物層720及び730を研磨により除去する工程を含んでいてもよい。研磨方法は任意であり、例えば、バフ研磨、ベルト研磨等が挙げられる。また、研磨の際には、硬化物層720及び730だけでなく、スルーホール110内の充填層710及び支持基板100の一部も研磨してもよい。
図10は、本実施形態に係る穴埋め基板700の製造方法において、余剰の硬化物層720及び730(図9参照)を研磨により除去した後の穴埋め基板700を模式的に示す断面図である。図10に示すように、研磨によれば、穴埋め基板700のオモテ面700Uにおいて充填層710の表面710Uと支持基板100のオモテ面100Uとを面一(ツライチ)にしたり、穴埋め基板700のウラ面700Dにおいて充填層710の表面710Dと支持基板100のウラ面100Dとを面一にしたりすることが可能である。ここで、面が「面一」であるとは、当該面が同一平面にあることをいう。
また、本実施形態に係る穴埋め基板700の製造方法は、上述した工程に組み合わせて、更に任意の工程を含んでいてもよい。例えば、穴埋め基板700の製造方法は、樹脂組成物を硬化させる前に、樹脂組成物に対して、硬化温度よりも低い温度で加熱する予備加熱工程を行ってもよい。予備加熱工程の時間は、好ましくは5分以上、より好ましくは15分以上であり、好ましくは150分以下、より好ましくは120分以下である。
[9.回路基板の製造方法]
上述した穴埋め基板の製造方法を利用することにより、インダクタ基板等の回路基板の製造方法を提供することができる。ここで、インダクタ基板とは、回路基板の内部にインダクタが設けられた当該回路基板を表す。例えば、本発明の一実施形態に係る回路基板の製造方法は、
上述した製造方法によって穴埋め基板を製造する工程と;
この穴埋め基板上に、導体層を形成する工程と;を含む。
穴埋め基板を製造する工程は、上述した製造方法によって実施できる。この製造方法により、支持基板及び充填層を含む穴埋め基板が得られる。特に、回路基板としてインダクタ基板を製造したい場合には、磁性粉体を含む充填層が得られるように、磁性粉体を含む磁性ペーストを樹脂組成物として用いて穴埋め基板を製造することが望ましい。
穴埋め基板を製造する工程の後で、この穴埋め基板上に導体層を形成する工程を行う。形成される導体層は、通常、配線として機能するように、所定の配線パターンで形成される。例えば、回路基板としてインダクタ基板を製造したい場合には、導体層は、渦巻き状の配線パターンを有するように形成してもよい。導体層は、支持基板上に形成してもよく、充填層上に形成してもよい。
導体層の形成方法は、例えば、めっき法、スパッタ法、蒸着法などが挙げられる。中でもめっき法が好ましい。好適な実施形態では、セミアディティブ法、フルアディティブ法などが挙げられる。
導体層の材料としては、例えば、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ、インジウム等の単金属;金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群より選択される2種類以上の金属の合金;が挙げられる。中でも、汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅、又は、ニッケルクロム合金、銅ニッケル合金、銅チタン合金を用いることが好ましい。更には、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅、又は、ニッケルクロム合金を用いることがより好ましい。特には、銅を用いることがさらに好ましい。
以下、導体層の形成方法の具体例を説明する。穴埋め基板の面に、無電解めっきにより、めっきシード層を形成する。次いで、形成されためっきシード層上に、電解めっきにより電解めっき層を形成する。その後、必要に応じて、不要なめっきシード層をエッチング等の処理により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成できる。また、導体層を形成した後、導体層と穴埋め基板との密着強度を向上させるの目的で、必要により、アニール処理を行ってもよい。アニール処理は、例えば、基板を150℃~200℃で20分~90分間加熱することにより行うことができる。
導体層の厚みは、薄型化の観点から、好ましくは70μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下、さらにより好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下、20μm以下、15μm以下又は10μm以下である。下限は好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
回路基板の製造方法は、上述した工程に組み合わせて、更に任意の工程を含んでいてもよい。例えば、回路基板の製造方法は、更に導体層上に絶縁層を形成する工程を含んでいてもよい。また、例えば、回路基板の製造方法は、導体層を形成する工程及び絶縁層を形成する工程を繰り返し行って、回路基板として多層プリント配線板を製造してもよい。
上述した製造方法によって得られる回路基板は、半導体チップ等の電子部品を搭載するための回路基板として用いることができ、かかる回路基板を内層基板として使用したプリント配線板として用いることもできる。また、かかる回路基板を個片化したチップインダクタ部品として用いることもでき、該チップインダクタ部品を表面実装した回路基板として用いることもできる。中でも、前記の回路基板は、インダクタ素子を含むインダクタ基板であることが好ましい。
前記の回路基板は、種々の態様の半導体装置に適用できる。かかる回路基板を含む半導体装置は、例えば、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラおよびテレビ等)および乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶および航空機等)等に好適に用いることができる。
[10.樹脂組成物]
上述した印刷方法で用いられうる樹脂組成物は、無機充填材及び熱硬化性樹脂を含む。この樹脂組成物は、印刷方法における第一印刷工程及び第二印刷工程においてペースト状でありうる。
無機充填材は、磁性粉体を含むことが好ましい。磁性粉体としては、例えば、純鉄粉末;Mg-Zn系フェライト、Fe-Mn系フェライト、Mn-Zn系フェライト、Mn-Mg系フェライト、Cu-Zn系フェライト、Mg-Mn-Sr系フェライト、Ni-Zn系フェライト、Ba-Zn系フェライト、Ba-Mg系フェライト、Ba-Ni系フェライト、Ba-Co系フェライト、Ba-Ni-Co系フェライト、Y系フェライト、酸化鉄粉(III)、四酸化三鉄などの酸化鉄粉;Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、あるいはFe-Ni-Co系合金粉末などの鉄合金系金属粉;Co基アモルファスなどのアモルファス合金類;が挙げられる。
中でも、磁性粉体は、酸化鉄粉及び鉄合金系金属粉からなる群より選ばれる1種類以上を含むことが好ましい。また、酸化鉄粉としては、Ni、Cu、Mn、及びZnからなる群より選ばれる1種類以上を含むフェライトが好ましい。さらに、鉄合金系金属粉としては、Si、Cr、Al、Ni、及びCoからなる群より選ばれる1種類以上を含む鉄合金系金属粉が好ましい。
磁性粉体としては、市販の磁性粉体を用いることができる。用いられ得る市販の磁性粉体の具体例としては、パウダーテック社製「M05S」;山陽特殊製鋼社製「PST-S」;エプソンアトミックス社製「AW2-08」、「AW2-08PF20F」、「AW2-08PF10F」、「AW2-08PF3F」、「Fe-3.5Si-4.5CrPF20F」、「Fe-50NiPF20F」、「Fe-80Ni-4MoPF20F」;JFEケミカル社製「LD-M」、「LD-MH」、「KNI-106」、「KNI-106GSM」、「KNI-106GS」、「KNI-109」、「KNI-109GSM」、「KNI-109GS」;戸田工業社製「KNS-415」、「BSF-547」、「BSF-029」、「BSN-125」、「BSN-125」、「BSN-714」、「BSN-828」、「S-1281」、「S-1641」、「S-1651」、「S-1470」、「S-1511」、「S-2430」;日本重化学工業社製「JR09P2」;CIKナノテック社製「Nanotek」;キンセイマテック社製「JEMK-S」、「JEMK-H」:ALDRICH社製「Yttrium iron oxide」等が挙げられる。磁性粉体は、1種類を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
磁性粉体は、特に制限はないが、球状であることが好ましい。磁性粉体の長軸の長さを短軸の長さで除した値(アスペクト比)としては、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.2以下である。一般に、磁性粉体は球状ではない扁平な形状であるほうが、比透磁率を向上させやすい。しかし、特に球状の磁性粉体を用いる方が、通常、磁気損失を低くでき、また好ましい粘度を有するペーストを得ることができる。
磁性粉体の平均粒径は、特に制限はないが、磁気損失を低くでき、また好ましい粘度を有するペーストを得る観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。また、好ましくは10μm以下、より好ましくは9μm以下、さらに好ましくは8μm以下である。さらに、前記のような平均粒径を有する磁性粉体を用いた場合に、従来は充填性及び版離れ性の課題が生じ易かったので、本発明の効果を有効に活用する観点からも、磁性粉体の平均粒径が前記の範囲に収まることが好ましい。
磁性粉体の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定できる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、磁性粉体の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、磁性粉体を超音波によりメチルエチルケトン中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒径分布測定装置としては、堀場製作所社製「LA-500」、島津製作所社製「SALD-2200」等を使用することができる。
磁性粉体の量(体積%)は、比透磁率を向上させる観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100体積%に対して、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上、さらに好ましくは30体積%以上であり、好ましくは85体積%以下、より好ましくは80体積%以下、さらに好ましくは75体積%以下である。
磁性粉体の量(質量%)は、比透磁率を向上させる観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは82質量%以上、さらに好ましくは84質量%以上であり、好ましくは98質量%以下、より好ましくは96質量%以下、さらに好ましくは94質量%以下である。
また、前記のような量の磁性粉体を用いた場合に、従来は充填性及び版離れ性の課題が生じ易かったので、本発明の効果を有効に活用する観点からも、磁性粉体の量が前記の範囲に収まることが好ましい。
樹脂組成物は、磁性粉体以外の無機充填材を含んでいてもよい。このような無機充填材としては、例えば、有機化された層状ケイ酸塩鉱物が挙げられる。
磁性粉体等を含む無機充填材の総量は、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは82質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である。
樹脂組成物が含む熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、ナフトール系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アミン系樹脂、酸無水物系樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、樹脂組成物は、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含むことが好ましい。また、以下の説明において、フェノール系樹脂、ナフトール系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、活性エステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アミン系樹脂、及び酸無水物系樹脂のように、エポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させられる成分をまとめて「硬化剤」ということがある。
エポキシ樹脂としては、例えば、グリシロール型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;ビスフェノールS型エポキシ樹脂;ビスフェノールAF型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;トリスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂;ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂等の縮合環構造を有するエポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;線状脂肪族エポキシ樹脂;ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;スピロ環含有エポキシ樹脂;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂;トリメチロール型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる1種類以上であることが好ましい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。また、エポキシ樹脂は、芳香族構造を有することが好ましく、2種以上のエポキシ樹脂を用いる場合は少なくとも1種が芳香族構造を有することがより好ましい。芳香族構造とは、一般に芳香族と定義される化学構造であり、多環芳香族及び芳香族複素環をも含む。エポキシ樹脂の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂には、温度25℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度25℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。エポキシ樹脂としては、液状エポキシ樹脂のみを用いてもよく、固体状エポキシ樹脂のみを用いてもよく、液状エポキシ樹脂及び固体状エポキシ樹脂を組み合わせて用いてもよい。中でも、樹脂組成物の粘度を低下させる観点から、液状エポキシ樹脂のみを用いることが好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、グリシロール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシロール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びビスフェノールF型エポキシ樹脂がより好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」、ADEKA社製の「ED-523T」(グリシロール型エポキシ樹脂(アデカグリシロール))、「EP-3980S」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、「EP-4088S」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂)、「PB-3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);新日鉄化学社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン)等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ESN475V」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」、三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、好ましくは1:0.1~1:4、より好ましくは1:0.3~1:3.5、さらに好ましくは1:0.6~1:3である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50~5000、より好ましくは50~3000、さらに好ましくは80~2000、さらにより好ましくは110~1000である。この範囲となることで、硬化物の架橋密度が十分となり表面粗さの小さい磁性層をもたらすことができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。ここで、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
活性エステル系樹脂としては、1分子中に1個以上の活性エステル基を有する樹脂を用いることができる。中でも、活性エステル系樹脂としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する樹脂が好ましい。当該活性エステル系樹脂は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に、耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系樹脂が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系樹脂がより好ましい。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系樹脂の好ましい具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂、ナフタレン構造を含む活性エステル系樹脂、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系樹脂、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系樹脂が挙げられる。中でも、ナフタレン構造を含む活性エステル系樹脂、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系樹脂の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系樹脂として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「EXB-8000L-65TM」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル系樹脂として「EXB9416-70BK」、「EXB-8150-65T」(DIC社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系樹脂として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系樹脂として「YLH1026」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系樹脂として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系樹脂として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製);等が挙げられる。
フェノール系樹脂及びナフトール系樹脂としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するものが好ましい。また、導体層と充填層の密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系樹脂がより好ましい。
フェノール系樹脂及びナフトール系樹脂の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金化学社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN-495V」「SN375」、「SN395」、DIC社製の「TD-2090」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA-3018-50P」、「EXB-9500」等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系樹脂の具体例としては、JFEケミカル社製の「JBZ-OD100」(ベンゾオキサジン環当量218)、「JBZ-OP100D」(ベンゾオキサジン環当量218)、「ODA-BOZ」(ベンゾオキサジン環当量218);四国化成工業社製の「P-d」(ベンゾオキサジン環当量217)、「F-a」(ベンゾオキサジン環当量217);昭和高分子社製の「HFB2006M」(ベンゾオキサジン環当量432)等が挙げられる。
シアネートエステル系樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル、等の2官能シアネート樹脂;フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂;これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマー;などが挙げられる。シアネートエステル系樹脂の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「ULL-950S」(多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系樹脂の具体例としては、日清紡ケミカル社製のカルボジライト(登録商標)V-03(カルボジイミド基当量:216、V-05(カルボジイミド基当量:262)、V-07(カルボジイミド基当量:200);V-09(カルボジイミド基当量:200);ラインケミー社製のスタバクゾール(登録商標)P(カルボジイミド基当量:302)が挙げられる。
アミン系樹脂としては、例えば、1分子内中に1個以上のアミノ基を有する樹脂が挙げられる。その具体例としては、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、芳香族アミン類が好ましい。アミン系樹脂は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン系硬化剤の具体例としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、ジフェニルジアミノスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンジアミン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、等が挙げられる。アミン系樹脂は市販品を用いてもよく、例えば、日本化薬社製の「KAYABOND C-200S」、「KAYABOND C-100」、「カヤハードA-A」、「カヤハードA-B」、「カヤハードA-S」、三菱ケミカル社製の「エピキュアW」等が挙げられる。
酸無水物系樹脂としては、例えば、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する樹脂が挙げられる。酸無水物系樹脂の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂及び硬化剤を組み合わせて用いる場合、エポキシ樹脂と全ての硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.01~1:5の範囲が好ましく、1:0.5~1:3がより好ましく、1:1~1:2がさらに好ましい。ここで、「エポキシ樹脂のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在するエポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。また、「硬化剤の活性基数」とは、樹脂組成物中に存在する硬化剤の不揮発成分の質量を活性基当量で除した値を全て合計した値である。
熱硬化性樹脂の量は、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。熱硬化性樹脂の量が前記範囲にある場合、従来は充填性及び版離れ性の課題が生じ易かったので、本発明の効果を有効に活用する観点から、熱硬化性樹脂の量が前記の範囲に収まることが好ましい。
無機充填材100質量%に対する熱硬化性樹脂の量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。熱硬化性樹脂の量が前記範囲にある場合、従来は充填性及び版離れ性の課題が生じ易かったので、本発明の効果を有効に活用する観点から、熱硬化性樹脂の量が前記の範囲に収まることが好ましい。
樹脂組成物は、更に、任意の成分として、硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤としては、例えば、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられる。硬化促進剤は、樹脂組成物の粘度を低下させる観点から、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。硬化促進剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられ、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンが好ましい。アミン系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、味の素ファインテクノ社製の「PN-50」、「PN-23」、「MY-25」等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2-フェニル-4-メチルイミダゾールが好ましい。イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、四国化成工業社製の「2P4MZ」、「2PHZ-PW」;三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
硬化促進剤の量は、樹脂組成物の粘度を下げる観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
樹脂組成物は、任意の成分として、分散剤を含んでいてもよい。分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等のリン酸エステル系分散剤;ドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等のアニオン系分散剤;オルガノシロキサン系分散剤、アセチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等の非イオン性分散剤等が挙げられる。これらの中でも、アニオン性分散剤が好ましい。分散剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
リン酸エステル系分散剤は、市販品を用いることができる。市販品として、例えば東邦化学工業社製「フォスファノール」シリーズの「RS-410」、「RS-610」、「RS-710」等が挙げられる。
オルガノシロキサン系分散剤としては、市販品として、例えば、ビックケミー社製「BYK347」、「BYK348」等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン系分散剤としては、市販品として、例えば、日油株式会社製「マリアリム」シリーズの「AKM-0531」、「AFB-1521」、「SC-0505K」、「SC-1015F」及び「SC-0708A」、並びに「HKM-50A」等が挙げられる。
アセチレングリコールとしては、市販品として、例えば、Air Products and Chemicals Inc.製「サーフィノール」シリーズの「82」、「104」、「440」、「465」及び「485」、並びに「オレフィンY」等が挙げられる。
分散剤の量は、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
樹脂組成物は、任意の成分として、例えば、熱硬化性樹脂;ポットライフ向上のためのホウ酸トリエチル等の硬化遅延剤;難燃剤;有機充填材;有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物;増粘剤;消泡剤;レベリング剤;密着性付与剤;着色剤;を含んでいてもよい。
樹脂組成物は、溶剤を含んでいてもよい。ただし、樹脂組成物中の溶剤の量は、少ないことが好ましい。さらには、樹脂組成物は、溶剤を含まないことが特に好ましい。具体的には、樹脂組成物中の溶剤の量は、樹脂組成物の全質量100質量%に対して、好ましくは1.0質量%未満、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。下限は、特に制限はないが0.001質量%以上、又は含有しないことである。樹脂組成物中の溶剤の量が少ないことにより、溶剤の揮発によるボイドの発生を抑制することができるうえに、真空印刷への適応も可能となる。
樹脂組成物は、上述した第一印刷工程及び第二印刷工程において、ペースト状でありうる。第一印刷工程及び第二印刷工程におけるペースト状の樹脂組成物の粘度は、好ましくは50Pa・s以上、より好ましくは60Pa・s以上、更に好ましくは70Pa・s以上である。樹脂組成物の粘度が前記のように大きい場合、従来は充填性及び版離れ性の課題が生じ易かったので、本発明の効果を有効に活用する観点から、第一印刷工程及び第二印刷工程における樹脂組成物の粘度が前記の範囲に収まることが好ましい。粘度の上限は、印刷時の気泡の抜けやすさの観点から、好ましくは200Pa・s以下、より好ましくは190Pa・s以下、更に好ましくは180Pa・s以下である。第一印刷工程における樹脂組成物の粘度と、第二印刷工程における樹脂組成物の粘度とは、同じでもよく、異なっていてもよい。また、粘度は、E型粘度計を用いて測定することができる。
前記の樹脂組成物は、例えば、当該樹脂組成物の各成分を、3本ロール、回転ミキサーなどの撹拌装置を用いて撹拌する方法によって、製造できる。
以下、実施例を示して本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
また、以下の説明において、ゴム硬度は、デュロメータ(タイプA)によって測定した値を表す。
[製造例1:穴埋め充填用の磁性ペーストの製造]
エポキシ樹脂(「ZX-1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品、新日鉄住金化学社製)10質量部、エポキシ樹脂(「ED-523T」、低粘度エポキシ樹脂、ADEKA社製)5部、分散剤(「RS-710」、高分子アニオン系分散剤、東邦化学社製)1質量部、硬化促進剤(「2P4MZ」、イミダゾール系硬化促進剤、四国化成社製)1質量部、磁性粉体(「M05S」、Fe-Mn系フェライト、平均粒径3μm、パウダーテック社製)100質量部、及び、有機化されたスメクタイト(「スメクトンSTN」、トリオクチルメチルアンモニウム処理ヘクトライト、クニミネ工業社製)2質量部を混合し、3本ロールで均一に分散して、樹脂組成物としての磁性ペーストを調製した。
前記の磁性ペーストの温度を、後述する実施例及び比較例における第一印刷工程及び第二印刷工程と同じ25℃に保ち、E型粘度計(東機産業社製「RE-80U」、3°×R9.7コーン、回転数は5rpm)を用いて、粘度を測定した。測定の結果、粘度は170Pa・sであった。
また、下記の方法により、磁性ペーストの硬化物の比透磁率及び磁性損失を測定した。
支持体として、シリコン系離型剤処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製「PET501010」、厚さ50μm)を用意した。磁性ペーストを上記PETフィルムの離型面上に、乾燥後のペースト層の厚みが100μmとなるよう、ドクターブレードにて均一に塗布し、樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを130℃で30分間加熱することによりペースト層を熱硬化し、支持体を剥離して、シート状の硬化物を得た。得られた硬化物を、幅5mm、長さ18mmの試験片に切断し、評価サンプルとした。この評価サンプルを、アジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies社製、「HP8362B」)を用いて、3ターンコイル法にて測定周波数を100MHzとし、室温23℃にて比透磁率(μ’)及び磁性損失(μ’’)を測定した。測定の結果、比透磁率は7.5、磁性損失は0.1であった。
[実施例1]
(1-1.支持基板の用意)
複数のスルーホールが均一に形成された支持基板(ガラス布にエポキシ樹脂を含浸及び硬化させた基板。厚み700μm。)を用意した。スルーホールは円筒形の孔であり、その直径(図1の直径W110参照)は350μm、スルーホール間の間隔(図1の間隔P110参照)は100μmであった。
(1-2.マスクの用意)
マスクとして、厚み50μmの金属製の平板に、中空状の孔としての開口部が形成されたメタルマスクを用意した。開口部の平面形状は、20mm角の正方形であった。
(1-3.磁性ペーストの印刷)
前記のマスクを用いて、支持基板に、下記の要領で磁性ペーストを印刷した。なお、印刷は、真空高精度スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製「LS-100VC」)を用いて行った。
(1-3-1.設置工程)
支持基板の一側に、マスクを設置した。このとき、マスクは、マスクの開口部1つが、支持基板の複数のスルーホールに連通するように設置した。
(1-3-2.供給工程)
その後、マスクの支持基板とは反対側の面に、磁性ペーストを供給した。
(1-3-3.第一印刷工程)
その後、弾性材料としてのゴムで形成された第一スキージとしてのゴムスキージ(ニューロング精密工業製「SVFSQ」、厚み9mm、ゴム硬度90度)を、マスクの面上で、当該面に沿って移動させて、樹脂組成物の印刷を行った。第一スキージのアタック角度は20°、印圧は4.4MPa、印刷速度は5mm/secであった。第一スキージは、当該第一スキージの移動方向の前方に磁性ペーストのペースト溜りを維持しながら、マスクの開口部を横切るように移動した。この操作により、磁性ペーストが第一スキージで掃引され、スルーホールへの磁性ペーストの充填が行われた。
第一印刷工程後の支持基板を観察したところ、マスクの開口部に現れた支持基板表面のスルーホール周辺を含むエリアには、磁性ペーストが付着していない箇所があった。よって、第一印刷工程で第一スキージが開口部を横切るとき、第一スキージの一部が開口部の内部に押し込まれて支持基板に接していたことが確認された。
(1-3-4.第二印刷工程)
その後、第一スキージと同一のゴムスキージを第二スキージとして用いて、第一印刷工程でスルーホールに充填されなかった残りの磁性ペーストの印刷を行った。具体的には、印刷速度を100mm/secへと変更したこと以外は、第一印刷工程と同じ操作を行った。第二スキージは、当該第二スキージの移動方向の前方に磁性ペーストのペースト溜りを維持しながら、マスクの開口部を横切るように移動した。この操作により、磁性ペーストが第二スキージで掃引され、スルーホールに充填された樹脂組成物上に、更に樹脂組成物が塗布された。
第二印刷工程後の支持基板を観察したところ、マスクの開口部に現れた支持基板の全体に磁性ペーストが付着していた。よって、第二印刷工程で第二スキージが開口部を横切るとき、第二スキージが支持基板に接さず、第二スキージと支持基板との間には磁性ペーストが進入できる間隙が空いていたことが確認された。
(1-4.磁性ペーストの硬化)
前記の印刷により、支持基板及び樹脂組成物層を備える充填基板を得た。この充填基板を130℃で30分加熱した。この加熱により、樹脂組成物層が熱硬化されて充填層が形成されることにより、穴埋め基板を得た。
[実施例2]
第一印刷工程を、3回繰り返して行った。また、第二印刷工程における第二スキージの印刷速度を、60mm/secへと変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作を行って、穴埋め基板を得た。
この実施例2でも、実施例1と同様に、第一印刷工程で第一スキージが開口部を横切るときに第一スキージの一部が開口部の内部に押し込まれて支持基板に接していたこと、及び、第二印刷工程で第二スキージが開口部を横切るときに第二スキージが支持基板に接さないように移動していたことが確認された。
[実施例3]
第一印刷工程における第一スキージの印刷速度を、3mm/secへと変更した。また、第二印刷工程における第二スキージの印刷速度を、75mm/secへと変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作を行って、穴埋め基板を得た。
この実施例3でも、実施例1と同様に、第一印刷工程で第一スキージが開口部を横切るときに第一スキージの一部が開口部の内部に押し込まれて支持基板に接していたこと、及び、第二印刷工程で第二スキージが開口部を横切るときに第二スキージが支持基板に接さないように移動していたことが確認された。
[実施例4]
第二スキージを、弾性率が大きい剛性材料としての金属で形成されたメタルスキージに変更した。また、第二印刷工程における第二スキージの印刷速度を、5mm/secへと変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作を行って、穴埋め基板を得た。
この実施例4でも、実施例1と同様に、第一印刷工程で第一スキージが開口部を横切るときに第一スキージの一部が開口部の内部に押し込まれて支持基板に接していたこと、及び、第二印刷工程で第二スキージが開口部を横切るときに第二スキージが支持基板に接さないように移動していたことが確認された。
[比較例1]
第二印刷工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同じ操作を行って、穴埋め基板を得た。
[比較例2]
版厚(マスク部の厚み)138μm、メッシュカウント#120のスクリーンマスクを用意した。ここで、メッシュカウントとは、1インチ当たりの線材(即ち、メッシュを形成する線材)の数を表す。このスクリーンマスクは、磁性ペーストを透過させない乳剤層が設けられたマスク部と、乳剤層が無くメッシュが露出したメッシュ部を有していた。メッシュ部は、メッシュの開口を通して磁性ペーストが通過可能であり、その平面形状は20mm角の正方形であった。
支持基板の一側に設置するマスクとして、メタルマスクの代わりに、前記のスクリーンマスクを用いた。スクリーンマスクは、スクリーンマスクのメッシュ部1つが、支持基板の複数のスルーホールに連通するように設置した。このようなスクリーンマスクを用いた場合、メッシュ部のメッシュが妨げとなり、第一スキージ及び第二スキージは支持基板に接触できない。
また、第二印刷工程を実施しなかった。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作を行って、穴埋め基板を得た。
[比較例3]
第一スキージ及び第二スキージを、弾性率が大きい剛性材料としての金属で形成されたメタルスキージに変更した。このメタルスキージは、弾性変形が小さいので、第一印刷工程で第一スキージが開口部を横切るときに第一スキージの一部が開口部の内部に押し込まれることができない。また、第二印刷工程における第二スキージの印刷速度を、5mm/secへと変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作を行って、穴埋め基板を得た。
[評価]
上述した実施例及び比較例で得られた穴埋め基板の形状測定を、レーザー顕微鏡を用いて行った。測定結果から、下記の基準により、樹脂組成物の充填性、及び、樹脂組成物の層の窪みを評価した。
充填性の評価基準:
「良」:穴埋め基板のウラ面において、支持基板よりも凹んだスルーホールが、無い。
「不良」:穴埋め基板のウラ面において、支持基板よりも凹んだスルーホールが、1つ以上ある。
ここで、「穴埋め基板のウラ面において、支持基板よりも凹んだスルーホール」とは、そのスルーホールに充填された充填層が、支持基板のウラ面よりも凹んでいるスルーホールを表す。すなわち、「穴埋め基板のウラ面において、支持基板よりも凹んだスルーホール」とは、そのスルーホールに充填された充填層のマスクとは反対側の面の位置が、支持基板のウラ面よりも、厚み方向において、マスクに近いスルーホールを表す。
窪みの評価基準:
「良」:穴埋め基板のオモテ面において、支持基板よりも凹んだスルーホールが、無い。
「不良」:穴埋め基板のオモテ面において、支持基板よりも凹んだスルーホールが、1つ以上ある。
ここで、「穴埋め基板のオモテ面において、支持基板よりも凹んだスルーホール」とは、そのスルーホールに充填された充填層が、支持基板のオモテ面よりも凹んでいるスルーホールを表す。すなわち、「穴埋め基板のオモテ面において、支持基板よりも凹んだスルーホール」とは、そのスルーホールに充填された充填層のマスク側の面の位置が、支持基板のオモテ面よりも、厚み方向において、マスクから遠いスルーホールを表す。
[結果]
上述した実施例及び比較例の結果を、下記の表に示す。
Figure 0007435595000001
[検討]
比較例2に示すように、スクリーンマスクを用いた場合、窪みの評価が不良であった。具体的には、スクリーンマスクの剥離時に、メッシュ部に磁性ペーストの一部が付着し、その付着した磁性ペーストの分だけスルーホールの入り口に磁性ペーストの無い部分が生じ、この部分が窪みとなっていた。また、比較例2では、磁性ペーストがメッシュ部内で支持基板のオモテ面に沿って移動し、メッシュ部の中央部では磁性ペーストに加わる圧力が弱くなったため、スルーホールの充填が不十分な部分があった。具体的には、メッシュ部の中央付近において充填が不十分であった。
比較例3に示すように、第一スキージとしてメタルスキージを用いると、このメタルスキージがマスクの開口部を横切るように移動する際、マスクの開口部の内部に押し込まれることができなかった。そのため、十分な圧力で磁性ペーストをスルーホールに押し込むことができなかったので、開口部の中央付近において磁性ペーストを奥まで充填できないスルーホールが生じ、充填性が不良となった。
比較例1では、第一スキージとしてのゴムスキージが、マスクの開口部を横切るように移動する際、開口部の内部に押し込まれて支持基板に接触できる。よって、第一スキージがスルーホールを塞ぐようにして移動できるので、磁性ペーストは面内方向に移動せず、その結果、十分な圧力で磁性ペーストをスルーホールに押し込むことができた。よって、いずれのスルーホールでも磁性ペーストを奥まで充填でき、充填性を良好にできた。
しかし、ゴムスキージとしての第一スキージは、弾性変形して部分的にスルーホールに侵入する。そして、第一スキージが進入した分だけスルーホールの入り口に磁性ペーストの無い部分が生じ、この部分が窪みとなった。
これに対し、実施例では、スルーホールの入り口の窪みを埋める第二印刷工程を行ったので、窪みを無くすことができた。また、実施例では、比較例1と同じく、充填性が良好であった。さらに、前記の実施例では、マスクを、1つの開口部が2つ以上のスルーホールと連通するように、支持基板上に設置したので、精密な位置合わせが不要であった。よって、精密な位置の調整を省略できる分、操作を簡単にできた。したがって、これらの実施例の結果から、本発明の印刷方法が、支持基板の複数のスルーホールへ樹脂組成物を容易且つ良好な充填性で充填でき、更にはスルーホールに充填された樹脂組成物の窪みを抑制できることが確認された。
100 支持基板
100U オモテ面
110D ウラ面
110 スルーホール
110IN スルーホールの入り口
110OUT スルーホールの出口
200 マスク
200U マスクの面
210 開口部
300 樹脂組成物の液溜り
310 樹脂組成物の層
320 樹脂組成物の層
330 窪み
340 樹脂組成物の層
340U 樹脂組成物の層の表面
350 スルーホールのマスク側の位置
360 樹脂組成物の層
400 第一スキージ
500 第二スキージ
600 充填基板
700 穴埋め基板
700U 穴埋め基板のオモテ面
700D 穴埋め基板のウラ面
710 充填層
710U 充填層の表面
710D 充填層の表面
720 硬化物層
730 硬化物層
900 スクリーンマスク
910 メッシュ部
920 メッシュ

Claims (12)

  1. 複数のスルーホールが形成された支持基板に、中空状の開口部が形成されたマスクを、1つの前記開口部が2つ以上の前記スルーホールと連通するように、設置する設置工程と、
    前記マスクの前記支持基板とは反対側の面に、無機充填材及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を供給する供給工程と、
    第一スキージを、当該第一スキージの一部が前記開口部の内部に押し込まれるように、前記マスクの前記面上で、当該面に沿って相対的に移動させて、前記スルーホールに前記樹脂組成物を充填する第一印刷工程と、
    前記第一スキージと同一又は異なる第二スキージを、前記マスクの前記面上で、当該面に沿って相対的に移動させて、前記スルーホールに充填された前記樹脂組成物上に、前記樹脂組成物を塗布する第二印刷工程と、を含む、印刷方法であって;
    前記樹脂組成物が、190Pa・s以下の粘度を有し、
    前記無機充填材が、磁性粉体を含む、印刷方法
  2. 前記第一印刷工程において、前記第一スキージの前記一部が前記支持基板に接するように、当該第一スキージを、前記マスクの前記面上で相対的に移動させる、請求項1に記載の印刷方法。
  3. 前記第一スキージの弾性率よりも、前記第二スキージの弾性率が、大きい、請求項1又は2に記載の印刷方法。
  4. 前記第一印刷工程における前記第一スキージの相対的な移動速度よりも、前記第二印刷工程における前記第二スキージの相対的な移動速度が、速い、請求項1~3のいずれか一項に記載の印刷方法。
  5. 前記第二印刷工程で塗布された前記樹脂組成物が、前記スルーホールのマスク側の位置に残留する、請求項1~4のいずれか一項に記載の印刷方法。
  6. 前記マスクが、メタルマスクである、請求項1~5のいずれか一項に記載の印刷方法。
  7. 前記磁性粉体が、酸化鉄粉及び鉄合金系金属粉からなる群より選ばれる1種類以上を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の印刷方法。
  8. 前記第一印刷工程及び前記第二印刷工程における前記樹脂組成物の粘度が、50Pa・s以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の印刷方法。
  9. 前記第一印刷工程が、前記マスクとは反対側の前記スルーホールの出口を通って流出した前記樹脂組成物によって、前記支持基板の前記マスクとは反対側の面に、均一な厚みの樹脂組成物の層が形成されるように、前記スルーホールへの前記樹脂組成物の充填を行うことを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の印刷方法。
  10. 複数のスルーホールを形成された支持基板と、前記スルーホール内に樹脂組成物の硬化物で形成された充填層とを備える穴埋め基板の製造方法であって、
    前記支持基板に、請求項1~9のいずれか一項に記載の印刷方法によって樹脂組成物を印刷する工程と、
    樹脂組成物を硬化させる工程と、を含む、穴埋め基板の製造方法。
  11. 前記充填層を研磨する工程を含む、請求項10に記載の穴埋め基板の製造方法。
  12. 請求項10又は11に記載の製造方法によって、穴埋め基板を製造する工程と、
    前記穴埋め基板上に、導体層を形成する工程と、を含む、回路基板の製造方法。
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