JP2002198629A - 配線基板およびその製法 - Google Patents

配線基板およびその製法

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JP2002198629A
JP2002198629A JP2000396002A JP2000396002A JP2002198629A JP 2002198629 A JP2002198629 A JP 2002198629A JP 2000396002 A JP2000396002 A JP 2000396002A JP 2000396002 A JP2000396002 A JP 2000396002A JP 2002198629 A JP2002198629 A JP 2002198629A
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wiring
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wiring circuit
layer
hole
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Akihiko Nishimoto
昭彦 西本
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、コア基板に対して微細配線層の密着
性を高め、それらを接続するビアホール導体の接続信頼
性を改善できる配線基板およびその製法を提供する。 【解決手段】コア基板1の表面に、少なくとも熱硬化性
樹脂を含む絶縁層11と、配線回路層7と、異なる前記
配線回路層7間を接続するビアホール導体13とを有す
る微細配線層3を形成してなる配線基板において、前記
ビアホール導体13が、該ビアホール導体13によって
接続される前記配線回路層7のうち少なくとも一方の前
記配線回路層7と前記絶縁層11とを貫通して設けられ
ており、前記配線回路層7を貫通して設けられた前記ビ
アホール導体13の最大径が前記コア基板1側に拡径さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線基板およびそ
の製法に関し、特に、ビルドアップ法による配線基板に
おける配線回路層とビアホール導体との接合構造の改良
に関する。
【0002】
【従来技術】近年、パソコンや携帯情報端末、およびネ
ットワークの発達により、モバイルコンピューティング
が急速に普及してきており、それらの電子機器に用いる
ことのできる高密度実装可能な配線基板が要求されてき
ている。
【0003】また、これらの中枢を担う半導体素子の高
周波化、高速化に伴い、高速伝送に適した配線基板が求
められており、配線基板は電気信号の伝播時間をより短
くするために、電源回路層を強化するとともに、配線回
路層の長さを短くすることが必要であり、さらに、半導
体素子のゲート数の増加とともに、配線回路層を微細
化、狭ピッチ化した配線基板が求められている。
【0004】そのような高密度配線を有する配線基板の
要求に対応するために、コア基板の表層に微細配線層を
設けたビルドアップ基板が提案されている。このビルド
アップ基板のような配線基板としては、例えば、特開平
2000−151118号公報に開示されているような
ものが知られている。
【0005】この公報に開示された配線基板では、配線
回路層が形成されたコア基板に、一方の表面に金属箔が
設けられたポリオレフィン系樹脂フィルム樹脂層を加熱
圧着した後、この金属箔をエッチングするか、もしくは
金属箔に直接レーザー光を照射して、その一部に開口を
形成し、その開口を介してレーザー光を照射し、ポリオ
レフィン系樹脂フィルム樹脂層にビアホール用の孔を形
成する。
【0006】その後、ポリオレフィン系樹脂フィルム樹
脂層の上層に設けられた金属箔をエッチングやメッキに
より配線回路層を形成し、このポリオレフィン系樹脂フ
ィルム上の配線回路層とともに、ビアホールに薄い無電
解の銅めっき膜と、その表面に厚付けの電解銅メッキを
行い、コア基板の配線回路層と微細配線層の配線回路層
とを接続するビアホール導体を形成することにより、微
細配線を有する配線基板を作製する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平2000−151118号公報では、配線基板中の
コア基板の配線回路層と微細配線層の配線回路層とを接
続するビアホール導体が銅メッキで形成され、また、微
細配線層の絶縁層がポリオレフィン系樹脂フィルムで形
成されており、ビアホール導体が銅100%の金属、そ
して、絶縁層が100%有機樹脂であることから、配線
基板の厚み方向に形成されたビアホール導体と絶縁層と
の間に大きな熱膨張係数の違いがあり、温度サイクル試
験等の環境変化の繰り返しによって微細配線層に形成さ
れている配線回路層とビアホール導体との接合が低下
し、最終的に断線するという問題があった。
【0008】また、ビアホール導体や、配線回路層の一
部を無電解や電解メッキで形成するために、メッキ処理
中にメッキ液が微細配線層の絶縁層に浸透したり、開口
して形成されたビアホールから流入し、絶縁層の空隙に
入り込み、配線基板を作製する際に積層不良を起こした
り、イオンマイグレーションによる絶縁不良が発生する
という問題があった。
【0009】また、従来の配線基板では、コア基板を予
め硬化した後、その表面に微細配線層となる絶縁層を形
成しており、化学的な結合が弱く、密着強度が不足して
いるため、温度サイクル試験や高温高湿試験において、
コア基板と微細配線層の絶縁層との界面で剥離が生じる
という問題があった。
【0010】従って、本発明は、上記のような従来のビ
ルドアップ法における課題を解決するものであり、具体
的には、コア基板に対して微細配線層の密着性を高め、
配線回路層とビアホール導体との接続信頼性を改善でき
る配線基板およびその製法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の配線基板では、
少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁基板の表面および/
または内部に形成された配線回路層を形成してなるコア
基板の表面に、少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁層
と、配線回路層と、異なる前記配線回路層間を接続する
ビアホール導体とを有する微細配線層を形成してなる配
線基板において、前記ビアホール導体が、該ビアホール
導体によって接続される前記配線回路層のうち少なくと
も一方の前記配線回路層と前記絶縁層とを貫通して設け
られており前記配線回路層を貫通して設けられた前記ビ
アホール導体の最大径が前記コア基板側に拡径されてい
ることが重要である。
【0012】このような構成によれば、ビアホール導体
自体が配線回路層となる金属箔に形成された貫通孔内に
入り込むことによってアンカーとなり、ビアホール導体
と配線回路層との接合性を高めることができる。
【0013】また、ビアホール導体の最大径が、配線回
路層に形成された貫通孔の形状に則して、コア基板側に
向かって拡大するように形成されているために、ビアホ
ール導体が貫通孔に入り込みやすくなり、アンカー効果
を高め、ビアホール導体と配線回路層との接合をさらに
強化することができる。
【0014】本発明の配線基板では、配線回路層に形成
されたビアホール導体のうち、コア基板側の最大径をD
1、前記コア基板側と反対側の最大径をD2としたとき
に径比が、D2/D1≦0.98の関係を満足すること
が望ましい。
【0015】ビアホール導体の最大径をこのような関係
にすることによって、ビアホール導体と配線回路層との
接合性をさらに向上でき、機械的接合性ならびに電気的
接合性の安定化を図ることができる。
【0016】本発明の配線基板では、微細配線層におけ
る配線回路層のビアホール導体の内壁の表面粗さ(R
a)が0.2μm以上であることが望ましい。貫通孔の
内壁の表面粗さを大きくすることによって、配線回路層
に対するビアホール導体の接合性をさらに高めることが
できる。
【0017】本発明の配線基板では、微細配線層におけ
る配線回路層が絶縁層の主面に埋設されてなることが望
ましい。このように、配線回路層を絶縁層の表面と同一
平面となるように埋設することで、配線基板の表面を平
滑にでき、従来の配線基板のように、コア基板表面の配
線回路層の凹凸が微細配線層に反映されることなく微細
配線層を平滑に形成できる。そして、その上面に対して
平坦性が要求される半導体素子のフリップチップ実装を
確実にし、実装信頼性を高めることができる。
【0018】また、コア基板においても、微細配線層と
同様に配線回路層が絶縁基板の表面に埋設されることに
よって、コア基板表面を平坦化することができる。
【0019】本発明の配線基板では、ビアホール導体が
低融点金属を含む金属粉末と熱硬化性樹脂により構成さ
れていることが望ましい。ビアホール導体に低融点金属
を含有させることにより、ビアホール導体の焼結性を高
めることができるとともに、低融点金属によって、金属
粉末間あるいは金属粉末間と配線回路層との間を接続す
ることができる。また、金属粉末の粒界に熱硬化性樹脂
が充填されているために、絶縁層とビアホール導体との
接着性を高めるとともに、それらの間の熱膨張係数のミ
スマッチを低減できる。
【0020】さらに、ビアホール導体に含まれる金属粉
末が互いに溶着されていれば、ビアホール導体の金属粉
末同士、あるいは配線回路層との接合性をさらに高める
ことができる。
【0021】本発明の配線基板の製法は、(a)フィル
ム上に配線回路層を形成する工程と、(b)前記フィル
ム表面に形成された前記配線回路層を、少なくとも熱硬
化性樹脂を含有する未硬化のコア用絶縁シートの主面に
転写してコア素体を形成する工程と、(c)フィルムに
接着剤を介して金属箔を接着させ、前記金属箔をエッチ
ング処理して配線回路層を形成するとともに、該配線回
路層の所定個所に外径が表面側に拡径したビアホール導
体を形成するための貫通孔を形成する工程と、(d)
(b)工程によって得られたコア素体の表面に表層用絶
縁シートを積層して表層積層体を形成する工程と、
(e)(c)工程によって得られた前記フィルム表面に
形成された貫通孔を有する前記配線回路層を、(d)で
得られた表層積層体の表層用絶縁シートの表面に転写す
る工程と、(f)前記表層用絶縁シート上に転写された
配線回路層の所定個所に形成された貫通孔にレーザー光
を照射し、該貫通孔を通過したレーザー光によって前記
表層用絶縁シートに貫通孔を形成する工程と、(g)
(f)で得られた前記配線回路層の貫通孔および前記表
層用絶縁シートの貫通孔に導体ペーストを充填して配線
シートを形成して積層体を形成する工程と、(h)必要
に応じ、(g)で得られた積層体の表面に(c)〜
(g)工程を繰り返し施す工程と、(i)(g)または
(h)で得られた積層体に加圧加熱を行って一括硬化す
る工程、とを含む製法である。
【0022】この製法によれば、予め形成した配線回路
層を未硬化のコア用絶縁シートに転写することにより、
配線回路層をその表面に容易に埋設して形成することが
でき、コア基板の平坦性を高めることができる。
【0023】また、コア基板上に形成される微細配線層
にもコア基板の表面状態を反映した凹凸が形成されない
ために、半導体素子等の実装を確実に行うことができ、
配線基板の実装信頼性を高めることができる。
【0024】そして、フィルム上で配線回路層の一部に
貫通孔を形成し、これを表層用絶縁シートに転写した
後、その貫通孔にレーザー照射を行い、この貫通孔を通
過したレーザー光によって表層用絶縁シートの外径が表
面側に拡径した貫通孔を形成するため、配線回路層がレ
ーザー光を遮蔽し、微小且つばらつきの少ないビアホー
ル導体を形成することができる。
【0025】さらに、本発明の配線基板の製法では、ビ
アホール導体がメッキではなく導体ペーストで形成され
るため、微細配線層とコア基板との界面、あるいはそれ
らの内部にメッキ液の浸入がなく、配線基板内の剥離や
マイグレーションを抑制することができる。
【0026】また、コア基板と微細配線層とを未硬化状
態で一括硬化して作製するために、絶縁層間に強固な化
学結合が得られ、コア基板と微細配線層との間で層間剥
離を見ないほどの高い密着性を得ることができる。
【0027】本発明の配線基板の製法では、(c)工程
において、前記配線回路層に形成されたビアホール導体
のうち、コア基板側の最大径をD1、前記コア基板側と
反対側の最大径をD2としたときの径比が、D2/D1
≦0.98の関係を満足するような工程を含むことを特
徴とする。
【0028】この工程では、金属箔に予め貫通孔を加工
して配線回路層を形成した後、ビアホール導体を形成す
るために、径比の異なるビアホール導体を容易に形成で
きる。
【0029】本発明の配線基板の製法では、(c)工程
において、微細配線層における配線回路層の貫通孔内壁
の表面粗さ(Ra)が0.2μm以上とするような工程
を含むことを特徴とする。
【0030】この工程では、金属箔を予め粗化した配線
回路層を用いて微細配線層を形成するために、配線回路
層とビアホール導体をとの接合性や、配線回路層と絶縁
層との密着性を、容易に高めることができる。
【0031】本発明の配線基板の製法では、(e)にお
いて、微細配線層における配線回路層を表層用絶縁シー
トの主面に埋設するような工程を含むことを特徴とす
る。
【0032】この工程は、金属箔を予めパターン加工し
て配線回路層を形成し、これを未硬化の表層用絶縁シー
トに転写する工程であるため、配線回路層を容易に絶縁
層に埋設することができ、配線基板の平滑性を高めるこ
とができる。
【0033】本発明の配線基板の製法では、(b)にお
いて、コア積層体における配線回路層をコア用絶縁シー
トの主面に埋設するような工程を含むことを特徴とす
る。
【0034】この工程も、微細配線層に対する配線回路
層の場合と同様、金属箔を予めパターン加工して配線層
を形成し、これを未硬化のコア用絶縁シートあるいは多
層絶縁シートに転写する工程であるため、配線層を容易
にコア基板に埋設することができる。
【0035】本発明の配線基板の製法では、(g)にお
いて、導体ペーストが低融点金属を含む金属粉末と熱硬
化性樹脂とを含有させるような工程を含むことを特徴と
する。
【0036】この工程では、例えば、融点(mp)30
0℃以下の低融点金属を混合して調製した導体ペースト
を貫通孔の充填する工程であるため、配線基板を硬化す
る際に、容易に金属粉末同士を接合できる。
【0037】本発明の配線基板の製法では、導体ペース
トを電気的に溶着することによりビアホール導体を形成
するような工程を含むことを特徴とする。金属粉末を電
気的に溶融して接合する方法であるために、金属粉末の
充填性を容易に高めることができるとともに、配線回路
層との接合をさらに強くできる。
【0038】
【発明の実施の形態】(構造)本発明の配線基板の一形
態について、図1の概略断面図および図2(a)、
(b)の要部拡大断面図をもとに詳細に説明する。
【0039】本発明の配線基板は、コア基板1の表面に
微細配線層3が形成され構成されている。コア基板1
は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁基板5の表面お
よび/または内部に配線回路層7が形成され、必要に応
じて、これらの異なる配線回路層7間を接続するために
絶縁基板5の厚み方向にコア用ビアホール導体13が形
成されている。
【0040】また、コア基板1の表面に形成された微細
配線層3は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁層11
と、その主面に埋設された配線回路層7とが交互に積層
され、この微細配線層3内部において、上下に形成され
た形成された配線回路層7同士、およびこの配線回路層
7とコア基板1の表面に形成された配線回路層7とは、
微細配線層3内に形成されたビアホール導体13によっ
て電気的に接続されている。
【0041】本発明によれば、微細配線層3の内部に形
成されたビアホール導体13は、絶縁層11を貫通する
とともに、このビアホール導体13によって接続されて
いる2つの配線回路層7のうち少なくとも一方の配線回
路層7をも貫通して設けられており、この配線回路層7
に設けられたビアホール導体13は最大径がコア基板1
側に拡径されていることも重要である。
【0042】即ち、配線回路層7に形成されたビアホー
ル導体13の形状は、図2に示すように略台形型に形成
されている。
【0043】即ち、配線回路層7に形成されたビアホー
ル導体13は配線回路層7に形成された貫通孔15に金
属粉末を充填して形成されたものであり、図2(a)に
示すように、この貫通孔15の内径がコア基板1側に拡
径されて形成されている。また、図2(b)に拡大して
示しているように、貫通孔15の内壁は粗化され、ビア
ホール導体13が密接に接合されている。
【0044】つまり、配線回路層7に形成された貫通孔
15のコア基板1側の最大径D1は、コア基板1側と反
対側の貫通孔15の最大径D2よりも大きく、且つビア
ホール導体13の最大径D3よりも、D1が小さくなる
ように形成されている。
【0045】より詳細には、貫通孔15の最大径を上記
のように規定した時、径比はD2/D1≦0.98を満
足するように形成され、特に、その径比は0.97以下
が望ましい。
【0046】即ち、貫通孔の最大径D2が10〜50μ
m、D1が20〜60μm、また、ビアホール導体の最
大径D3が100μm以下、特に、30〜90μmとす
ることが、ビアホール導体13の寸法とその抵抗ばらつ
きを安定化させ、接続信頼性を高める上で望ましい。
【0047】これによって、配線回路層7の最大径D2
側の主面と内壁とのなす角度θは90°よりも小さく、
特に、80°以下であることが好ましい。
【0048】また、配線回路層7の貫通孔15の最大径
D2が最大径D1の0.8〜0.98である場合に、貫
通孔15に対してビアホール導体13の充填性が高ま
り、配線回路層7に対するビアホール導体13のアンカ
ー効果をさらに高めることができる。
【0049】また、このような貫通孔15を形成する配
線回路層7の厚みは、配線回路層7の絶縁層11への埋
設のしやすさの考慮から、3〜35μmが好ましく、特
に、配線回路層7の微細加工性、インピーダンスマッチ
ングを安定化させるために、特に、9〜18μmが望ま
しい。
【0050】また、ビアホール導体13が形成される配
線回路層7には、ビアホール導体13との接続部が円形
のパッドによって形成されていてもよく、そのパッド径
はビアホール導体13との接合性を安定化するためにビ
アホール導体13の最大径D3よりも大きく、80〜2
00μmが望ましい。
【0051】さらに、微細配線層3に形成されている配
線回路層7の配線幅は、この表面に実装される半導体素
子のパッド径やパッドピッチに対応するために、5〜5
0μmが好ましく、特に、配線回路層7のインピーダン
スマッチングを安定させる点において、10〜40μm
が望ましい。また、コア基板1に形成されている配線回
路層7の配線幅は、コア基板1の配線密度を高めるため
に、30〜200μmが好ましい。
【0052】また、配線回路層7に形成された貫通孔1
5の内壁の表面粗さ(Ra)は、ビアホール導体13中
に含まれる金属粉末と有機樹脂とを貫通孔15の内壁に
接着させるために、0.2μm以上であることが望まし
い。さらに望ましくは配線回路層7のアンカー効果を高
めるために0.4μm以上が好ましい。一方、表面粗さ
が0.2μmより小さいと、ビアホール導体13と配線
回路層7との接合が弱くなり信頼性試験においての電気
的断線が発生する場合がある。
【0053】また、絶縁層11の主面に埋設された配線
回路層7は、絶縁層11に対して、配線回路層7が同一
平面になるように平滑化されていることが望ましいが、
特に、配線回路層7の厚みの60%以上が埋設されてい
ることが望ましい。
【0054】また、絶縁基板5の主面に埋設された配線
回路層7もまた微細配線層3における配線回路層7と同
様、平坦化されていることが望ましく、配線回路層7の
厚みの50%以上埋設されていることが好ましい。
【0055】また、ビアホール導体13に含有される導
体材料として、金、銀、銅、アルミニウム等から選択さ
れる少なくとも1種以上を含む金属粉末とともに低融点
金属としては、より低融点化を行うために、Pb、S
n、Biなどを含むことが望ましい。
【0056】また、ビアホール導体13に含まれる金属
粉末の粒子径は粒度分布を有し、配線回路層7に形成さ
れた貫通孔15の内壁への濡れをよくするために、貫通
孔15の内壁の粗度と同程度の粒子径を有することが望
ましく、その粒子径の範囲は0.1〜5μmが好まし
い。
【0057】そして、本発明によれば、ビアホール導体
13は、相対密度80%以上、望ましくは90%以上と
することが望ましい。ビアホール導体13の相対密度を
80%以上にするには、ビアホール導体13と接続して
いる配線回路層7を絶縁層11に埋設するとともに、少
なくともハンダ、ビスマス等の融点が300℃以下の低
融点金属ペースト中に含有させ、この後圧力をかけなが
ら熱硬化性樹脂を硬化させる時に溶融させて緻密化させ
ると良い。
【0058】また、導体ペーストを充填後パルス電流を
通電させることによって金属粉末を焼結させ、相対密度
80%以上とすることもできる。相対密度が80%未満
では高温放置等の信頼性試験において、ビアホール導体
13が酸化して電気抵抗が上昇する恐れがある。
【0059】尚、コア基板1を積層体によって形成する
場合、このコア基板1構成している各絶縁基板5の厚み
は、50〜200μmが好ましい。特に、コア用ビアホ
ール導体9の直径や配線回路層7の配線幅との間での電
気抵抗の調和やインピーダンスマッチング、さらには、
絶縁層11を構成している絶縁材料の比誘電率等を考慮
して、80〜150μmが望ましい。また、絶縁材料の
比誘電率は、高速、高周波信号の伝送に適するように、
ε<5が好ましい。そして、コア基板1の全体厚みは、
基板強度や撓み強さ、実装時の割れなどを抑えるため
に、特に100μm〜3000μmが望ましい。
【0060】また、コア基板1を構成しているコア用ビ
アホール導体9の直径は、50〜300μmが好まし
い。特に、微細配線層3に形成された配線回路層7やビ
アホール導体13との電気抵抗の調和やインピーダンス
マッチング、さらには、絶縁基板5を構成している絶縁
材料の比誘電率等を考慮して、80〜200μmが望ま
しい。
【0061】(材料)本発明の配線基板を構成する絶縁
材料としては、PPE(ポリフェニレンエーテル)樹
脂、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキ
シ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹
脂、ポリアミドビスマレイミド等のいずれかの熱硬化性
樹脂が用いられる。特に、高周波特性や耐熱性の点で優
れたPPE樹脂が好適に用いられる。
【0062】特に、コア基板1には、そのコア基板1の
強度を高めるために、ガラスからなる繊維体や無機質フ
ィラーを含有することが望ましい。
【0063】また、微細配線層3における絶縁層11中
には無機質フィラーを配合することによって、コア基板
1と微細配線層3との熱膨張特性を近似させるととも
に、この配線基板の表面に実装される半導体素子や電子
部品の実装信頼性を高めることができる。
【0064】用いられる無機質フィラーの成分として
は、SiO2、Al23、AlN等が好適であり、そし
て、無機質フィラーの平均粒径は20μm以下、特に1
0μm以下、最適には7μm以下の略球形状の粉末が用
いられる。この無機質フィラーは、有機樹脂:無機質フ
ィラーの体積比率で15:85〜95:5の比率範囲で
混合されることが望ましい。
【0065】また、コア基板1や微細配線層3の配線回
路層7を形成する金属箔として、高い導電率を有し、且
つ微細加工が容易でしかも比較的安価な銅が好適に用い
られる。
【0066】(製法)次に、本発明の配線基板の製法に
ついて図3、4をもとに具体例を説明する。
【0067】この製法に用いられる絶縁シートは、未硬
化状態の熱硬化性樹脂、または熱硬化性樹脂と無機質フ
ィラーなどの組成物を混練機や3本ロールなどの手段に
よって十分に混合し、これを圧延法、押出法、射出法、
ドクターブレード法などによってシート状に成形するこ
とにより作製される。なお、本製法において、未硬化と
は、成形したのみで一切の熱処理がされていない絶縁シ
ートのことをいい、また、半硬化状態とは、熱硬化性樹
脂が完全硬化するに十分な温度よりもやや低い温度に加
熱して調製された状態のことである。
【0068】図3は、本発明における配線基板の積層体
からなるコア基板1の製造方法の一例を説明するための
工程図である。まず、コア用絶縁シート31にレーザー
でコア用ビアホール33を形成する(a)。次に、コア
用ビアホール33内に導体ペーストを充填し、コア用ビ
アホール導体35を形成する(b)。その後、以下のよ
うにして、フィルム37上に作製した鏡像の配線回路層
39を熱圧着により転写する。
【0069】転写法による配線回路層39の形成は、後
に図5で詳述するように、まず、予め適当なフィルム3
7の表面に金属箔41を接着した後、これを周知のフォ
トレジスト法などによって配線回路層39の鏡像パター
ンを形成する。
【0070】そして、この配線回路層39の鏡像パター
ンを有するフィルム37を未硬化のコア層用絶縁シート
31の表面に積層し(c)、3kg/cm2以上の圧力
を印加した後、フィルム37を剥離する(d)ことによ
り、コア用絶縁シート31の表面に配線回路層39を転
写するとともに、配線回路層39をコア用絶縁シート3
1の表面に埋設し、コア配線シート43を得ることがで
きる(e)。
【0071】次に、上記と同様にして、得られた配線シ
ート43を複数枚位置合わせし(f)、仮積層してコア
積層体45を作製することができる(g)。ここで用い
られるコア積層体45中には特に、繊維体を含有する絶
縁シートを含有することが望ましい。
【0072】尚、コア用絶縁シート31が単層の場合は
コア素体として形成される。
【0073】次に、上記のコア積層体45の表面に、以
下のようにして微細配線層3を形成する。この工程を図
4に基づき説明する。
【0074】この微細配線層3を形成するための表層用
絶縁シート51はコア積層体45に用いられたコア用絶
縁シート31と同様の製法で作製された絶縁シートが用
いられる。
【0075】先ず、図4(a)に示すようなコア積層体
45の両表面に対して、図4(b)に示すように、微細
配線層3の絶縁層11となる表層用絶縁シート51を積
層圧着する。この表層用絶縁シート51は繊維体を含ま
ない熱硬化性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と無機質フィ
ラーとからなる絶縁性複合材料によって構成することが
望ましい。特に、コア基板1の表層に形成される絶縁層
11の熱膨張係数を制御するために熱硬化性樹脂ととも
に無機フィラーを混合することがより好ましい。
【0076】また、この表層用絶縁シート51中に繊維
体が含まれると、ガラス織布自体の不均一性によって、
後述するビアホール53を形成した時にビアホール53
径にばらつきが生じやすく、特に、ガラス織布等の繊維
体を含む場合には、多湿中で長期保存するとガラス繊維
と有機樹脂との界面を水分が拡散してマイグレーション
をもたらす等の弊害が生じるためである。
【0077】そして、この表層用絶縁シート51の厚み
は、上記作用を十分に発揮させる上で、10μm以上、
特に20μm以上であることが望ましく、その厚みが1
0μmよりも薄いと、硬化後にこの表層用絶縁シート5
1が最表面層の絶縁層11となる場合には、絶縁層11
による外気中の水分の内部への拡散を十分に抑制するこ
とが難しく、絶縁層11間においてマイグレーションが
生じやすくなる。
【0078】次に、図4(c)に示すように、未硬化状
態の表層用絶縁シート51の表面に配線回路層39を圧
着形成することにより、表層用絶縁シート51の表面に
配線回路層39が埋設して形成された微細配線シート5
5が形成される。
【0079】この微細配線シート55の形成は、例え
ば、表層用絶縁シート51の表面全面に金属箔を接着
し、周知のフォトレジスト法を経て、鏡像の配線回路層
39を形成した後、圧力を印加して配線回路層39を表
層用絶縁シート51の表面に埋設することによっても形
成できるが、本発明によれば、フィルム37表面で金属
箔にパターン加工して作製した配線回路層39を表層用
絶縁シート51表面に転写させることによって形成す
る。
【0080】このように、予めパターン加工して作製し
た配線回路層39を表層用絶縁シート51表面に転写す
る条件は、温度120〜150℃、圧力10〜100k
g/cm2、時間1〜60min.とすることにより、
配線回路層39を容易に絶縁層47に埋設するととも
に、表層用絶縁シート51の変形を抑制することができ
る。
【0081】この方法によれば、表層用絶縁シート51
の表面への配線回路層39の形成と配線回路層39の埋
設処理とを同時に行うことができるとともに、この後の
ビアホール導体57の形成においても、エッチングやメ
ッキを行うことなく配線回路層39を形成できるために
工程を簡略化できる点で有利である。
【0082】また、本発明によれば、この表層用絶縁シ
ート51の表面に配線回路層39を転写する前に、配線
回路層39に対して、後に表層用絶縁シート51に形成
されるビアホール導体57の位置に相当する所定の個所
に貫通孔59を形成することが重要である。
【0083】そこで、配線回路層39の形成方法につい
て、図5の工程に基づき具体的に説明する。
【0084】先ず、PETフィルム37上に厚み8〜2
0μmの銅箔を貼り合わせて転写用の金属箔41付きフ
ィルム37を準備する(a)。次に、この金属箔表面に
ドライフィルムレジスト60を貼付し(b)、露光し
て、炭酸ナトリウムによる現像、および塩化第二鉄によ
るエッチング、水酸化ナトリウムによる剥離を行い、P
ETフィルム37上に配線回路層39を形成する
(c)。その後、配線回路層39のビアホール導体57
形成箇所にレーザー光によって貫通孔59を形成する
(d)。
【0085】この配線回路層39に形成された貫通孔5
9は、図6に拡大して示しているように、貫通孔59の
上面側の最大径D1はフィルム37側の最大径D2に対
して、D1>D2であることが重要であり、特に、D2
/D1≦0.98であることが望ましい。
【0086】配線回路層39の所定個所に形成されたこ
の貫通孔59を上記の関係にするためには、エッチング
速度を2〜50μm/min.とすることによりでき
る。
【0087】また、配線回路層39の貫通孔59は、エ
ッチングによりその径のばらつきを±5μmの精度で形
成できるため、ビアホール53の径も±5μmの制度で
形成できる。
【0088】次に、図4(d)に示すように、配線回路
層39の所定個所に形成された貫通孔59にレーザー光
を照射して、表層用絶縁シート51にビアホール53を
形成する。このビアホール53の加工には、CO2、Y
AG、エキシマレーザー等が使用できる。このようにし
て配線回路層39ならびに表層用絶縁シート51に同時
に、配線基板の主面に対して垂直方向に貫通孔59を形
成することができる。
【0089】次に、図4(e)に示すように、このビア
ホール53および貫通孔59に導体ペーストを充填して
ビアホール導体57を形成し、コア積層体45の表面に
微細配線層3となる微細配線シート55を形成した積層
体61を形成する。
【0090】また、ビアホール導体57用の導体材料と
しては、金、銀、銅、アルミニウム等から選ばれる少な
くとも1種以上を含む金属粉末と有機樹脂等を混合した
導体ペーストが用いられる。
【0091】さらに、この有機樹脂は不揮発性で絶縁層
47を構成する有機樹脂と反応するものを用いるのが望
ましい。また、導体ペーストの充填方法として常圧の印
刷機等も使用できるが、真空印刷機を用いる方がより充
填率を上げることができる。
【0092】次に、図4(b)〜(e)の工程を繰り返
すことによって、図4(f)に示すような微細配線シー
ト55を多層化した積層体61を作製する。
【0093】最後に、この積層体61を、ホットプレス
機を用いて、180〜240℃、10〜100kg/c
2、1〜5時間の加圧加熱処理を行うことにより配線
基板を得ることができる。
【0094】また、この配線回路層39は図5(d)の
工程後に粗化処理して貫通孔59の内壁を粗化すること
が望ましい。この粗化処理は金属箔41の種類によって
も異なるが、蟻酸、NaClO2 NaOH、Na2PO4
あるいはこれらの混合液等の酸性溶液等を吹き付けた
り、ディッピングして行うのが良く、特に蟻酸で行うの
が表面粗さを細かく制御できる点で望ましい。
【0095】また、本発明の配線基板の製法では、図4
(d)工程に示すように、表層用絶縁シート51上に転
写された配線回路層39の所定個所に形成された貫通孔
59にレーザー光を照射し、この貫通孔59を通過する
レーザー光によって表層用絶縁シート51に貫通孔59
を形成し、この貫通孔59に導体ペーストを充填して微
細配線シート55を形成する工程を含むものであるが、
この製法におけるレーザー出力は、0.03〜0.3m
Jが望ましく、場合によっては、配線回路層39の上面
にポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド
製の保護層を用いることが配線回路層39や絶縁層47
の表面を保護するために効果的である。
【0096】また、絶縁層47の貫通孔59はデスミア
処理をすればさらに清浄なビアホール53を形成でき
る。
【0097】また、最表面の配線回路層39の貫通孔5
9から露出したビアホール導体57上にメッキを行い、
配線回路層39を金属面とすることにより、さらにビア
ホール導体57の信頼性を高め、また、配線回路層39
に実装される半導体素子や電子部品等との接続信頼性を
さらに高めることができる。
【0098】また、本発明によれば、コア基板1とその
表裏面に形成した微細配線層3を一括で硬化するため、
コア基板1を形成する絶縁基板5とその表裏に形成する
微細配線層3おいて、硬化の際に化学反応により結合を
形成することが望ましい。特に望ましくは絶縁基板5と
微細配線層3の樹脂が同一のものがよい。化学反応によ
り結合をしない樹脂を用いた場合には、コア基板1と表
裏の微細配線層3との界面で層間剥離が発生し電気断線
が発生しやすくなる。また、この製法によれば、上記の
ようにして得られた微細配線シート55を複数枚重ね一
括硬化することにより配線基板を作製することもでき
る。
【0099】さらに、本発明によれば、各層において配
線回路層39の加工、絶縁層47の加工を並列に行うこ
とができるため、また、コア基板1とその表裏の微細配
線層3を一括で硬化できるため、短いサイクルタイムで
配線基板を作製することができる。
【0100】尚、半導体素子を接合するバンプを高密度
に狭ピッチで形成しやすくするために、必要に応じて、
配線基板の表面にソルダーレジストが形成される。ま
た、ソルダーレジストは微細配線加工が容易な感光性エ
ポキシ樹脂が好適に用いられる。そして、この配線基板
の表面に形成されるソルダーレジスト層の厚みは10〜
50μmであることが望ましい。
【0101】(作用)本発明の配線基板では、コア基板
1の表面に形成されている微細配線層3の配線回路層1
1の所定個所にコア基板1側に拡径された貫通孔15を
設けることにより、この貫通孔15内にビアホール導体
13が入り込むことによって、アンカー効果が高まり、
このビアホール導体13と配線回路層11との接合性を
高めることができる。
【0102】また、配線回路層7に形成された貫通孔1
5が、配線回路層7の厚み方向にコア基板1側に向かっ
て、その最大径が拡大するようにテーパが形成されてい
るために、ビアホール導体13が貫通孔15の側面にも
接着され、さらにビアホール導体13と配線回路層7と
の接合を強化することができる。
【0103】
【実施例】(配線基板の作製)コア基板1のコア用絶縁
シート31としてアリル化ポリフェニレンエーテル樹脂
(A−PPE樹脂)系のプリプレグを用意した。このプ
リプレグにCO2レーザーでコア用ビアホール33加工
を行い、次いで銅の表面を銀でコーティングした粉末の
導電性ペーストをコア用ビアホール33に充填した。
【0104】一方では、38μmのPETフィルム37
に12μmの厚さの銅箔を貼り合わせて転写用の銅箔付
きフィルムを準備した。銅箔表面にドライフィルムレジ
ストを貼付し、露光、炭酸ナトリウムによる現像、塩化
第二鉄によるエッチング、水酸化ナトリウムによる剥離
を行い、PETフィルム37上に配線回路層39を形成
した。
【0105】次に、PETフィルム37上に形成した配
線回路層39を130℃、20kg/cm2でプリプレ
グに転写し、コア配線シート43を作製した。そして、
このコア配線シート43を4層重ね合わせてコア積層体
45を作製した。
【0106】一方、熱硬化性樹脂としてA−PPE樹脂
を用い、さらに無機フィラーとして球状シリカを用い、
これらをA−PPE樹脂:無機フィラーが体積比で5
0:50となる組成物を用い、これをドクターブレード
法によって厚さ40μmの未硬化状態の表層用絶縁シー
ト51を作製し、これをコア積層体45の両面に仮積層
した。
【0107】また、コア積層体45の時と同様にPET
フィルム37上に配線回路層39を形成した。この場
合、配線パターンとともに、ビアホール53の形成箇所
に貫通孔59が形成された配線回路層39とした。この
配線回路層39パターンに10%の蟻酸を用いて貫通孔
59の内壁を粗化処理した。その後、表層用絶縁シート
51の上面に130℃、50kg/cm2で転写して、
微細配線シート55を形成した。
【0108】そして、配線回路層39に形成された上面
の直径が45μmの貫通孔15にCO2レーザーを用い
て表層用絶縁シート51の所定位置に直径50μmのビ
アホール53を形成した。
【0109】このようにして配線回路層39ならびに表
層用絶縁シート51に同時に、配線基板の主面に対して
垂直方向に貫通孔59を形成した。
【0110】次に、銀をコーティングした銅粉末とハン
ダ粉末とバインダーに加えてPbフリーハンダ粉末を0
〜40重量%添加して作製した導体ペーストをこのビア
ホール53に埋め込んだ。この導体ペーストを真空印刷
機によりビアホール53に埋め込み、一部のサンプルは
パルス電源により通電処理を行った。
【0111】次に、再度上記と同じ条件で微細配線シー
ト55を形成し、レーザー加工した後、導体ペーストを
埋め込むことによって積層体61を作製し、一部のサン
プルは再びパルス電源による通電処理を行った。その
後、200℃、20kg/cm 2ですべての積層体61
の硬化とビアホール導体の緻密化を行い配線基板を得
た。
【0112】一方、配線回路層39に形成した貫通孔5
9の最大径D1とD2を同じ寸法とした、図7に示すよ
うな従来の配線基板を作製して比較試料とした。
【0113】(評価)作製した配線基板において、配線
回路層7の貫通孔15の断面をSEM観察することによ
って、貫通孔15の最大径D1、D2を測定した。ま
た、配線回路層7の内壁の表面粗さ(Ra)は粗化処理
後にAFM(原子間力顕微鏡)により測定した。また、
ビアホール導体13の相対密度は、表層およびコアのビ
アホールの体積とこれらのビアホール導体の重量を測定
し、嵩密度を算出し、それを理論密度で割ることにより
求めた。
【0114】次に、作製した配線基板について、−55
℃〜125℃の温度条件で1000サイクルの温度サイ
クル試験と、150℃において、1000時間の高温放
置試験を行った。
【0115】上記試験の前後で800個のビアホール導
体13を配線回路層7で接続した直列抵抗回路の抵抗変
化が10%以内のものを良品、10%を越えるものを不
良品としてN数20個の配線基板について試験した。そ
の結果を表1に示した。
【0116】
【表1】
【0117】表1に示すように配線回路層7の貫通孔1
5の一方側を拡径した試料No.2〜22では、いずれ
の試料においてもビアホール導体13の相対密度が82
%以上となり、温度サイクル試験および高温放置試験に
おいて、貫通孔のテーパを形成しなかった試料No.1
に比較して不良数を低減できた。また、貫通孔15の一
方側の拡径に加えて、配線回路層7の内壁の表面粗さ
(Ra)を0.2μm以上とした試料No.3〜6、8
〜19では、温度サイクル試験および高温放置試験にお
いて不良数をさらに低減でき、高信頼性の配線基板を得
ることができた。
【0118】特に、貫通孔15の上部と下部の径比を
0.84〜0.96とし、貫通孔15の表面粗さを0.
2μm以上とした試料No.3〜6、8〜12、15〜
18では、ビアホール導体13の相対密度が86%以上
となり、温度サイクル試験および高温放置試験において
不良が一切なかった。
【0119】さらに、通電処理を行った試料No.19
では、ビアホール導体にハンダ含んでいないにもかかわ
らず、不良が無かった。
【0120】また、本発明の配線基板は絶縁層11の加
工と配線回路層7の加工を並列して行え、絶縁層11の
樹脂を一括で硬化できるためサイクルタイムを大幅に短
縮することができた。
【0121】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
コア基板の表面に形成されている微細配線層の配線回路
層の所定個所にコア基板側に拡径された貫通孔を設け、
この貫通孔内にビアホール導体が入り込むことによりア
ンカー効果が増し、ビアホール導体と配線回路層との接
合性を高めることができる。また、半導体素子のフリッ
プチップ実装に適した多層配線基板を得ることができ
る。
【0122】さらに、転写法を用いて配線回路層を形成
するために、基板表面の平坦性に優れた配線基板を作製
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の概略断面図である。
【図2】(a)は本発明の配線基板のビアホール導体と
配線回路層の接続部分を説明するための概略断面図、
(b)はビアホール導体と配線回路層の接合部分の要部
拡大断面図である。
【図3】本発明の配線基板のコア基板の製法の一例を説
明するための工程図である。
【図4】本発明の配線基板のコア基板の表面に微細配線
層の形成する製法の一例を説明するための工程図であ
る。
【図5】本発明の貫通孔を備えた配線回路層を形成する
ための製法の一例を説明するための工程図である。
【図6】本発明の配線回路層に形成した貫通孔の要部拡
大断面図である。
【図7】従来の配線基板のビアホール導体と配線回路層
の接続部分を説明するための概略拡大断面図である。
【符号の説明】
1 コア基板 3 微細配線層 5 絶縁基板 7、39 配線回路層 9、35 コア用ビアホール導体 11、47 絶縁層 13、57 ビアホール導体 15、59 貫通孔 31 コア用絶縁シート 33 コア用ビアホール 37 フィルム 41 金属箔 43 コア配線シート 45 コア積層体33 51 表層用絶縁シート 53 ビアホール 55 微細配線シート 61 積層体

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁基板の
    表面および/または内部に形成された配線回路層を形成
    してなるコア基板の表面に、少なくとも熱硬化性樹脂を
    含む絶縁層と、配線回路層と、異なる前記配線回路層間
    を接続するビアホール導体とを有する微細配線層を形成
    してなる配線基板において、前記ビアホール導体が、該
    ビアホール導体によって接続される前記配線回路層のう
    ち少なくとも一方の前記配線回路層と前記絶縁層とを貫
    通して設けられており前記配線回路層を貫通して設けら
    れた前記ビアホール導体の最大径が前記コア基板側に拡
    径されていることを特徴とする配線基板。
  2. 【請求項2】配線回路層に形成されたビアホール導体の
    うち、コア基板側の最大径をD1、前記コア基板側と反
    対側の最大径をD2としたときに径比が、D2/D1≦
    0.98の関係を満足することを特徴とする請求項1記
    載の配線基板。
  3. 【請求項3】微細配線層における配線回路層のビアホー
    ル導体の内壁の表面粗さ(Ra)が0.2μm以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の配線基板。
  4. 【請求項4】微細配線層における配線回路層が絶縁層の
    主面に埋設されてなることを特徴とする請求項1乃至3
    のうちいずれか記載の配線基板。
  5. 【請求項5】コア基板における配線回路層が絶縁基板の
    主面に埋設されてなることを特徴とする請求項1乃至4
    のうちいずれか記載の配線基板。
  6. 【請求項6】ビアホール導体が低融点金属を含む金属粉
    末と熱硬化性樹脂により構成されていることを特徴とす
    る請求項1乃至5のうちいずれか記載の配線基板。
  7. 【請求項7】ビアホール導体に含まれる金属粉末が互い
    に溶着されてなることを特徴とする請求項1乃至6のう
    ちいずれか記載の配線基板。
  8. 【請求項8】(a)フィルム上に配線回路層を形成する
    工程と、(b)前記フィルム表面に形成された前記配線
    回路層を、少なくとも熱硬化性樹脂を含有する未硬化の
    コア用絶縁シートの主面に転写してコア素体を形成する
    工程と、(c)フィルムに接着剤を介して金属箔を接着
    させ、前記金属箔をエッチング処理して配線回路層を形
    成するとともに、該配線回路層の所定個所に外径が表面
    側に拡径したビアホール導体を形成するための貫通孔を
    形成する工程と、(d)(b)工程によって得られたコ
    ア素体の表面に表層用絶縁シートを積層して表層積層体
    を形成する工程と、(e)(c)工程によって得られた
    前記フィルム表面に形成された貫通孔を有する前記配線
    回路層を、(d)で得られた表層積層体の表層用絶縁シ
    ートの表面に転写する工程と、(f)前記表層用絶縁シ
    ート上に転写された配線回路層の所定個所に形成された
    貫通孔にレーザー光を照射し、該貫通孔を通過したレー
    ザー光によって前記表層用絶縁シートに貫通孔を形成す
    る工程と、(g)(f)で得られた前記配線回路層の貫
    通孔および前記表層用絶縁シートの貫通孔に導体ペース
    トを充填して配線シートを形成して積層体を形成する工
    程と、(h)必要に応じ、(g)で得られた積層体の表
    面に(c)〜(g)工程を繰り返し施す工程と、(i)
    (g)または(h)で得られた積層体に加圧加熱を行っ
    て一括硬化する工程、とを含むことを特徴とする配線基
    板の製法。
  9. 【請求項9】(c)工程において、前記配線回路層に形
    成されたビアホール導体のうち、コア基板側の最大径を
    D1、前記コア基板側と反対側の最大径をD2としたと
    きの径比が、D2/D1≦0.98の関係を満足するこ
    とを特徴とする請求項8記載の配線基板の製法。
  10. 【請求項10】(c)工程において、微細配線層におけ
    る配線回路層の貫通孔内壁の表面粗さ(Ra)が0.2
    μm以上であることを特徴とする請求項8または9に記
    載の配線基板の製法。
  11. 【請求項11】(e)において、微細配線層における配
    線回路層を表層用絶縁シートの主面に埋設してなること
    を特徴とする請求項8乃至10のうちいずれか記載の配
    線基板の製法。
  12. 【請求項12】(b)において、コア素体における配線
    回路層をコア用絶縁シートの主面に埋設してなることを
    特徴とする請求項8乃至11のうちいずれか記載の配線
    基板の製法。
  13. 【請求項13】(g)において、導体ペーストが低融点
    金属を含む金属粉末と熱硬化性樹脂とを含むことを特徴
    とする請求項8乃至12のうちいずれか記載の配線基板
    の製法。
  14. 【請求項14】導体ペーストを電気的に溶着することに
    よりビアホール導体を形成することを特徴とする請求項
    8乃至13のうちいずれか記載の配線基板の製法。
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