JP3261314B2 - 多層プリント配線板の製造方法および多層プリント配線板 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法および多層プリント配線板

Info

Publication number
JP3261314B2
JP3261314B2 JP20982096A JP20982096A JP3261314B2 JP 3261314 B2 JP3261314 B2 JP 3261314B2 JP 20982096 A JP20982096 A JP 20982096A JP 20982096 A JP20982096 A JP 20982096A JP 3261314 B2 JP3261314 B2 JP 3261314B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
wiring board
conductive circuit
insulating material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20982096A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09191178A (ja
Inventor
洋一郎 川村
英樹 村瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP20982096A priority Critical patent/JP3261314B2/ja
Publication of JPH09191178A publication Critical patent/JPH09191178A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3261314B2 publication Critical patent/JP3261314B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板の製造方法および多層プリント配線板に関し、特に、
未開口や形状不良などを招くことなく適正にバイアホー
ルを形成し得る多層プリント配線板の製造方法とその多
層プリント配線板について提案する。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板には、導体回路と樹
脂絶縁層を交互にビルドアップし、バイアホールなどに
よって内層回路と外層回路を接続、導通させてなるビル
ドアップ多層配線板がある。このビルドアップ多層配線
板は、一般に、サブトラクティブ法にて絶縁性基板(コ
ア基板)に導体回路の層を形成し、この導体回路層の上
にアディティブ法にて複数の導体回路層を積層する方法
により製造されている。
【0003】ここで、上記サブトラクティブ法は、銅箔
を貼着してなる銅張積層板の表面をエッチング処理して
導体回路を形成する方法であり、信頼性の高い導体回路
層を廉価に形成し得るものである。
【0004】一方、上記アディティブ法は、ガラスエポ
キシ等の基板上に無電解めっき用の接着剤を塗布するこ
とにより樹脂絶縁層を形成し、次いでこの樹脂絶縁層の
表面を粗化した後、その粗化面にめっきレジストを形成
し、その後、無電解めっきによって導体回路となる金属
を付着させる方法である。この方法によると、粗化され
た樹脂絶縁層上に導体回路をめっき等によって付着させ
ることから、両者間には優れた接合性が確保でき、導体
回路が樹脂絶縁層から剥離しにくいプリント配線板を作
製することができる。
【0005】このような多層プリント配線板において、
絶縁性基板(コア基板)表面の導体回路をサブトラクテ
ィブ法にて形成する場合、金属箔のエッチング処理によ
って形成されるその導体回路間には凹部が生じる。その
ため、導体回路間に凹部を有する配線基板上に樹脂絶縁
層を形成すると、図1(a) に示すようにその樹脂絶縁層
表面が凹凸面となり、樹脂絶縁層に形成するバイアホー
ル形状や接続パッドが変形し、実装不良を引き起こすと
いう問題を生じた。
【0006】具体的には、図1(a) に示すように、幅の
狭い銅導体5aと幅の広い銅導体5bの間に凹部を有する配
線基板上に樹脂絶縁層を形成すると、導体表面の面積が
大きな部分5bに形成される樹脂絶縁層は、導体表面の面
積が小さな部分5aに形成される樹脂絶縁層に比べて厚く
なり、樹脂絶縁層の表面は凹凸となる。一方で、フォト
リソグラフィーによってバイアホール用開口6を形成す
るための樹脂絶縁層の露光、現像条件は、当該樹脂絶縁
層の厚さによって変動する。
【0007】このため、 .樹脂絶縁層の露光、現像条件を層厚の薄い部分(導
体5a上の樹脂絶縁層)に合わせると、樹脂絶縁層の厚い
部分(導体5b上の樹脂絶縁層)に形成されるバイアホー
ル用開口部に現像残りが発生する。その結果、バイアホ
ール用開口が未開口となって上層に配設する配線層との
接続が不完全になる(図1(b) 参照)。 .樹脂絶縁層の露光、現像条件を層厚の厚い部分(導
体5b上の樹脂絶縁層)に合わせると、樹脂絶縁層の薄い
部分(導体5a上の樹脂絶縁層)に形成されるバイアホー
ル用開口付近の絶縁材が剥離してしまい(バイアホール
の形状不良が発生し)、絶縁不良の原因となる(図1
(c) 参照)。
【0008】さらに、上記導体間の凹部に起因した樹脂
絶縁層の表面凹凸は、配線層を更に積層した後にも残る
ために、多層プリント配線板の表面凹凸の原因となる。
その結果、表面凹凸を有する当該多層プリント配線板に
微小部品を実装すると、この凹凸によって部品が浮き上
がり、適切な接続が行えず、実装不良を引き起こすこと
になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術が抱える問題を解消するためになされたものであ
り、その主たる目的は、未開口や形状不良などを招くこ
となく適正にバイアホールを形成させ得る多層プリント
配線板の製造方法を提供することにある。本発明の他の
目的は、バイアホール形状の歪みもなく、接続信頼性お
よび実装信頼性に優れる配線基板表面の平滑な多層プリ
ント配線板を安定して提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上掲の目的
実現のために鋭意研究した結果、以下に示す内容を要旨
構成とする発明を完成するに至った。すなわち、 (1) 本発明にかかる多層プリント配線板の製造方法は、
スルーホールを含む内層の導体回路パターンを形成した
絶縁性基板の表面に、層間絶縁材と導体回路を交互に積
層し、内層の導体回路と外層の導体回路とを層間絶縁材
層に設けたバイアホールを介して電気的に接続してなる
多層プリント配線板を製造するにあたり、 (a) 絶縁性基板の少なくとも一方の面に貼着した金属箔
をエッチング処理することにより内層の導体回路パター
ンを形成する工程、 (b) 前記工程(a)で生じる内層の導体回路の非形成部分
の凹部および絶縁性基板に設けたスルーホール内に、硬
化性液状体からなる樹脂充填剤を充填した後、該樹脂充
填剤を、研磨可能な状態ではあるが、完全には硬化しな
い状態まで硬化させる工程、 (c) 前記工程(b) で硬化した樹脂充填剤層のうち、前記
内層の導体回路表面を覆う部分の表層を研磨することに
よって、内層の導体回路表面およびスルーホールのラン
ド部分を露出させて、絶縁性基板の表面を平滑にする工
程、 (d) 前記工程(c) で平滑化した基板の表面に樹脂絶縁材
層を形成する工程、 (e) 前記樹脂絶縁材層にバイアホール用開口を形成する
工程、 (f) バイアホールを含む外層の導体回路を前記樹脂絶縁
材層上に形成する工程、を含むことを特徴とする。
【0011】なお、上記(1) に記載した本発明方法の工
程(a) において、絶縁性基板上の内層の導体回路は、銅
張積層板の銅箔をエッチング処理することによって形成
することが望ましい。
【0012】上記(1) に記載した本発明方法の工程(b)
において、樹脂充填剤は、研磨可能な状態ではあるが、
完全には硬化しない状態まで硬化させること、より好ま
しくは、全官能基数の60〜80%を硬化させることが望ま
しい。
【0013】上記(1) に記載した本発明方法において、
樹脂充填剤としては、無溶剤の樹脂充填剤を用いるこ
と、あるいはセラミックフィラーを含む熱硬化性樹脂を
用いることが望ましい。
【0014】上記(1) に記載した本発明方法において、
工程(d) で形成する樹脂絶縁材層は、下層を酸あるいは
酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂からなる絶縁材層とし、上
層を耐熱性樹脂からなる無電解めっき用の接着剤層とし
てなる複合層とすることが望ましい。
【0015】上記(1) に記載した本発明方法の工程(f)
において、めっきレジストを介してバイアホールを含む
外層の導体回路を前記樹脂絶縁材層上に形成する場合に
は、前記めっきレジストの表面は、研磨によって外層の
導体回路表面あるいはバイアホールのランド部表面と一
致させ、配線基板表面を平滑化することが望ましい。
【0016】(2) 本発明にかかる多層プリント配線板
は、スルーホールを含む内層の導体回路パターンを形成
した絶縁性基板の表面に、層間絶縁材と導体回路を交互
に積層し、内層の導体回路と外層の導体回路を層間絶縁
材層に設けたバイアホールを介して電気的に接続してな
る多層プリント配線板において、前記絶縁性基板上の内
層の導体回路パターンは、絶縁性基板に貼着した金属箔
をエッチング処理することにより形成され、前記絶縁性
基板上の内層の導体回路パターン非形成部分の凹部およ
びスルーホールには、樹脂充填剤が充填され、かつ、研
磨可能な状態ではあるが、完全には硬化しない状態まで
硬化された後、その樹脂充填剤の表面は、前記内層の導
体回路の表面と同一平面となるように、研磨によって平
滑化されていることを特徴とする。
【0017】なお、上記(2) に記載した本発明の多層プ
リント配線板において、絶縁性基板上の内層の導体回路
は、銅張積層板の銅箔をエッチング処理して形成された
ものであることが望ましい。
【0018】上記(2) に記載した本発明の多層プリント
配線板において、樹脂充填剤は、無溶剤の樹脂充填剤で
あること、あるいはセラミックフィラーを含む熱硬化性
樹脂であることが望ましい。
【0019】上記(2) に記載した本発明の多層プリント
配線板において、樹脂絶縁材層は、下層を酸あるいは酸
化剤に難溶性の耐熱性樹脂からなる絶縁材層とし、上層
を耐熱性樹脂からなる無電解めっき用の接着剤層として
なる複合層で構成することが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明にかかる多層プリント配線
板の製造方法は、スルーホールを含む内層の導体回路パ
ターンを形成した絶縁性基板の表面に、層間絶縁材と導
体回路を交互に積層し、内層の導体回路と外層の導体回
路とを層間絶縁材層に設けたバイアホールを介して電気
的に接続してなる多層プリント配線板を製造するにあた
り、 (a) 絶縁性基板の少なくとも一方の面に貼着した金属箔
をエッチング処理することにより内層の導体回路パター
ンを形成する工程、 (b) 前記工程(a)で生じる内層の導体回路の非形成部分
の凹部および絶縁性基板に設けたスルーホール内に、硬
化性液状体からなる樹脂充填剤を充填した後、該樹脂充
填剤を、研磨可能な状態ではあるが、完全には硬化しな
い状態まで硬化させる工程、 (c) 前記工程(b) で硬化した樹脂充填剤層のうち、前記
内層の導体回路表面を覆う部分の表層を研磨することに
よって、内層の導体回路表面およびスルーホールのラン
ド部分を露出させて、絶縁性基板の表面を平滑にする工
程、 (d) 前記工程(c) で平滑化した基板の表面に樹脂絶縁材
層を形成する工程、 (e) 前記樹脂絶縁材層にバイアホール用開口を形成する
工程、 (f) バイアホールを含む外層の導体回路を前記樹脂絶縁
材層上に形成する工程、を含むことを特徴とする。
【0021】特に本発明は、サブトラクティブ法によっ
て絶縁性基板(コア基板)の表面に形成した内層の導体
回路間に生じる凹部に、硬化性液状体からなる樹脂充填
剤を充填し、かつ、研磨可能な状態ではあるが、完全に
は硬化しない状態まで硬化した後、その樹脂充填剤の表
面を、内層の導体回路の表面と同一平面となるように、
研磨によって平滑化する点に特徴がある。これにより、
前記凹部に起因した従来技術が抱える問題点を解消する
ことができる。
【0022】すなわち、本発明によれば、平滑化された
前記基板の表面には、厚みの均一な樹脂絶縁材層が塗布
形成され、かかる厚みの均一な樹脂絶縁材層には、未開
口や形状不良などを招くことなく適正にバイアホールを
形成させることができる。しかも、さらに上層にアディ
ティブ法にて複数の導体回路層を積層する場合には、各
導体層も平滑になり、バイアホール形状の歪みもなく、
接続信頼性および実装信頼性に優れる配線基板表面の平
滑な多層プリント配線板を安定して提供することができ
る。
【0023】以下に、本発明にかかる多層プリント配線
板の一製造方法について説明する。 (1) まず、上記工程(a) に従って、絶縁性基板の少なく
とも一方の面に貼着した金属箔をエッチング処理するこ
とにより内層の導体回路パターンを形成する。ここで、
前記金属箔のエッチング処理は、例えば、銅張積層板に
露光、現像により感光性エッチングレジストを形成し、
塩化第二銅などのエッチング液に浸漬して非導体部分を
除去し、所定の導体パターンのみを残すことにより行わ
れる。なお、絶縁性基板の両面に形成した内層の導体回
路同士を、電気的に接続するスルーホールを有する配線
基板(コア基板)の場合には、当該スルーホールを含む
内層の導体回路パターンを形成する。
【0024】(2) 次に、前記(1) で生じる導体非形成部
分の凹部およびスルーホール内に、硬化性液状体からな
る樹脂充填剤を充填、塗布した後、該樹脂充填剤を硬化
させる。ここで、上記凹部分に充填する樹脂充填剤とし
ては、無溶剤の樹脂充填剤を用いることが望ましい。こ
の理由は、溶剤で希釈した樹脂充填剤を使用すると、樹
脂絶縁材層を塗布して加熱、乾燥させると前記樹脂充填
剤から溶剤が揮発し、該樹脂充填剤の層と樹脂絶縁材層
との間で剥離が生じるからである。このような樹脂充填
剤に用いる樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフ
ェノールF型のエポキシ樹脂(分子量 300〜400 程度)
が好適に用いられる。柔らかく比較的研磨しやすいから
である。
【0025】特に本発明において、金属導体間に充填さ
れる樹脂充填剤は、導体金属との熱膨張率の差によっ
て、ヒートサイクル時にクラックが発生しやすくなる。
この点で、本発明における樹脂充填剤は、シリカやアル
ミナ、ジルコニアなどのセラミックフィラーを含む熱硬
化性樹脂を用いることが望ましい。望ましくは、粒子径
が 0.5〜2.0 μm程度のセラミックフィラーを用いる。
細かすぎると充填樹脂の粘度が高くなって塗布しにく
く、一方、粗すぎると平滑さを失ってしまうためであ
る。
【0026】これにより、樹脂充填剤の硬化収縮が小さ
くなるので、かかる樹脂充填剤を用いた本発明の多層プ
リント配線板は、基板の反りが発生しなくなる。また、
該樹脂充填剤の熱膨張率は小さくなるので、かかる樹脂
充填剤を用いた本発明の多層プリント配線板は、ヒート
サイクルによるクラックの発生が抑制でき、熱衝撃特性
に優れる。さらに、前記樹脂充填剤に含まれるセラミッ
クフィラーは吸水しないので、かかる樹脂充填剤を用い
た本発明の多層プリント配線板は、吸水率も小さくな
る。
【0027】また、本発明において、樹脂充填剤は、温
度23±1℃で粘度が30〜100 Pa・sであることが望まし
い。この範囲の粘度が最も充填しやすいからである。な
お、樹脂充填剤の粘度は、図3に示すように測定温度に
依存する。この図は、回転粘度計により6rpm (回転数
/分)で測定した粘度と測定温度との関係を示す図であ
る。
【0028】(3) 次に、前記(2) で硬化した樹脂充填剤
の表層のうち、内層の導体回路の表面を覆う部分を研磨
して、内層の導体回路表面およびスルーホールのランド
部分を露出させ、絶縁性基板の表面を平滑にする。この
ような充填樹脂の研磨は、樹脂が完全に硬化させない状
態で行うことが望ましい。つまり、充填樹脂は、研磨可
能な状態ではあるが、完全には硬化しない状態(より好
ましくは全官能基数の60〜80%を硬化させた状態)まで
硬化させることが望ましい。柔らかく研磨しやすいから
である。なお、充填樹脂の研磨は、ベルトサンダーやバ
フ研磨などの方法で行うことができる。
【0029】(4) 次に、前記(3) で平滑化した基板の表
面に樹脂絶縁材層を形成し、次いでこの樹脂絶縁材層に
バイアホール用開口を形成する。ここで、上記樹脂絶縁
材層は、上述した (1)〜(3) の工程を経た基板の表面に
形成されるので、厚さが均一であり、バイアホール用開
口を高い寸法精度で形成することができる。その結果、
後述する工程において、アディティブ法によって形成す
るバイアホールにはオーバーエッチングによる絶縁不良
や形状不良などが発生せず、しかも、その内層の導体回
路よりも外側にある外層の導体回路の表面も平滑になる
ため、得られる多層プリント配線板は、接続信頼性や実
装信頼性に優れる。
【0030】本発明において、平滑化した基板表面に塗
布形成する上記樹脂絶縁材層は、下層を酸あるいは酸化
剤に難溶性の耐熱性樹脂からなる絶縁材層とし、上層を
耐熱性樹脂からなる無電解めっき用の接着剤層としてな
る複合層とすることが望ましい。ここで、上層の無電解
めっき用接着剤層は、表層の樹脂粒子を酸あるいは酸化
剤を用いて溶解除去することにより表面が粗化され、こ
の粗化面上に形成される導体回路との密着性を改善する
役割を担う。一方、下層の絶縁材層は、酸や酸化剤に溶
解しにくい樹脂で構成し、上層における樹脂粒子の溶解
除去がさらに内側にある導体回路まで達するのを防ぐ役
割を担う。
【0031】このような樹脂絶縁材層を構成する耐熱性
樹脂は、熱硬化性樹脂、一部に感光性を付与した熱硬化
性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂と
熱可塑性樹脂との樹脂複合体、光開始剤、光開始助剤お
よび硬化剤などを適宜に配合して構成され、必要に応じ
て耐熱性樹脂微粒子が添加される。
【0032】特に、感光化した耐熱性樹脂からなる上記
樹脂絶縁材層(複合層)にバイアホール用開口を形成す
る場合は、例えば、以下の方法にて行う。.内層の導
体回路を形成した基板上に、まず、絶縁材をロールコー
ターなどにより塗布し、乾燥したのち、露光、現像し、
バイアホール(BVH )のための開口を形成した絶縁材層
を得る。次いで、この絶縁材層上に、無電解めっき用の
接着剤をロールコーターなどにより塗布し、乾燥したの
ち、露光、現像し、前記絶縁材層のBVH 用開口と同位置
に、より小径のBVH 用開口を形成した接着剤層を得る。
そして、これらの層を同時に光硬化、熱硬化して、絶縁
材層と接着剤層からなる複合層で構成した樹脂絶縁材層
にバイアホール用開口を形成する。
【0033】.内層の導体回路を形成した基板上に、
絶縁材をロールコーターなどにより塗布し、乾燥して、
Bステージ状態の絶縁材層を得る。次いで、この絶縁材
層上に、無電解めっき用の接着剤をロールコーターなど
により塗布し、乾燥して、Bステージ状態の接着剤層を
得る。そして、これらの層を同時に露光、現像処理して
バイアホール用開口を形成する。
【0034】なお、基板上に樹脂絶縁材層を形成する方
法としては、上述したような塗布による方法の他、層材
をフィルム状に加工した樹脂フィルムや層材を繊維に含
浸させたプリプレグを貼着する方法を適用することがで
きる。
【0035】(5) 次に、前記(4) で形成した樹脂絶縁材
層の表面を、酸あるいは酸化剤を用いる常法にしたがっ
て粗化し、粗化した樹脂絶縁材層の表面に触媒を付与し
て固定化する。次いで、必要に応じて所定のパターンに
印刷しためっきレジストを形成し、酸処理にて触媒を活
性化したのち無電解めっきを施し、外層の導体回路を形
成する。そしてさらに、その外層の導体回路上に、絶縁
材、接着剤を塗布して次の層を順次ビルドアップするこ
とにより、所望の多層プリント配線板を得る。
【0036】ここで、樹脂絶縁材層表面の粗化は、樹脂
絶縁材層が形成された基板を酸化剤等の溶液中に浸漬す
るか、あるいはこの樹脂絶縁材層の表面に酸化剤等の溶
液をスプレーするなどの手段によって実施することがで
きる。かかる樹脂絶縁材層を粗化する酸としては、塩酸
や硫酸、有機酸などがよく、酸化剤としては、クロム酸
やクロム酸塩,過マンガン酸塩,オゾンなどがよい。ま
た、無電解めっきの方法としては、例えば、無電解銅め
っきや無電解ニッケルめっき、無電解錫めっき、無電解
金めっき、無電解銀めっきなどを挙げることができ、特
に、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっきおよび無電
解金めっきのいずれか少なくとも1種であることが好適
である。前記無電解めっきを施した上にさらに異なる種
類の無電解めっきあるいは電解めっきを行ったり、はん
だをコートしたりすることもできる。
【0037】なお、本発明では、樹脂絶縁材層の表面が
平滑であるため、液状めっきレジストを塗布して形成し
ためっきレジストの膜厚は均一であり、その解像度も向
上する。それ故に、バイアホールを含む外層の導体回路
をめっきレジストを介して形成する場合、これらの表面
をさらに研磨して、めっきレジスト表面と外層の導体回
路表面あるいはバイアホールのランド部表面を同一平面
に揃え、配線基板表面を平滑化することが望ましい。し
かしながら、研磨による平滑化を、サブトラクティブ法
により形成した内層の導体回路層のみに対して行い、そ
の後にアディティブ法によりビルドアップされる外層の
導体回路層に対しては行わないようにすることは、多層
プリント配線板の製造コストを低減するためには有効で
ある。
【0038】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施態様につい
て、図2に基づき説明する。 (実施例1) (1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマ
レイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μ
mの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材
料とした(図2(a) 参照)。まず、この銅張積層板をド
リル削孔し、めっきレジストを形成した後、無電解めっ
き処理してスルーホール9を形成し、さらに、銅箔8を
常法に従いパターン状にエッチングすることにより、基
板1の両面に内層銅パターン4,4′を形成した(図2
(b) 参照)。なお、この工程では、基板1にスルーホー
ル9を含む内層銅パターンを形成する構成を採用した
が、その他の構成として、基板1にスルーホール9を形
成しない構成を採用することができる。
【0039】(2) 一方、ビスフェノールF型エポキシモ
ノマー(油化シェル製、分子量:310、商品名:E−807
) 100重量部と、イミダゾール硬化剤(四国化成製、
商品名:2E4MZ-CN)6重量部を混合し、さらに、この混
合物に対し、平均粒径 1.6μmのSiO2粒状粒子(ここ
で、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターンの厚み
(15μm)以下とする) 170重量部を混合し、3本ロー
ルにて混練することにより、その混合物の粘度を15±1
℃において100,000cps(23±1℃で30〜70Pa・s)に調
整した基板平滑化のための樹脂充填剤10を得た。この樹
脂充填剤10は、無溶剤の樹脂充填剤を用いた。もし溶剤
入りの樹脂充填剤を用いると、後工程において層間材を
塗布して加熱・乾燥させる際に、樹脂充填剤の層から溶
剤が揮発し、樹脂充填剤の層と層間材との間で剥離が発
生するからである。
【0040】(3) 前記(2) で得た樹脂充填剤10を、図2
(b) に示す基板1の片面にスクリーン印刷機を用いて厚
さ20μmに印刷することにより、導体回路間あるいはス
ルーホール内に充填し、次いで、 150℃、30分間の加熱
処理にて硬化して樹脂充填剤10の層を形成した。そし
て、他方の面にも、同様にして樹脂充填剤10の層を形成
した(図2(c) 参照)。このスクリーン印刷は、 200メ
ッシュのスクリーン印刷版を用い、印刷スピード 0.2m
/s、印刷圧50kg/cm2 の条件にて行った。なお、上記
樹脂充填剤10は、 150℃、3時間の加熱処理でほぼ完全
に架橋して高い硬度を示す樹脂となる。それ故に、この
工程では、樹脂充填剤10の研磨作業を容易に行なうため
に、ベルトサンダー研磨またはバフ研磨が可能な範囲内
で樹脂充填剤10を硬化させた。
【0041】(4) 前記(3) の処理を終えた図2(c) に示
す基板の片面を、♯600 のベルト研磨紙(三共理化学
製)を用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パター
ン4, 4′の表面やスルーホール9のランド表面に樹脂充
填剤10が残らないように研磨し、次いで、前記ベルトサ
ンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行っ
た。このような一連の研磨を基板の他方の面についても
同様に行った。そして、スルーホール9等に充填された
樹脂充填剤10を 150℃、3時間の加熱処理にて完全に架
橋硬化させることにより、基板両面を樹脂充填剤10にて
平滑化した基板を得た(図2(d) 参照)。即ち、この工
程により、樹脂充填剤10の表面と内層銅パターン4, 4′
の表面が同一平面となる。
【0042】なお、この工程では、樹脂充填剤10が内層
銅パターン4, 4′の表面やスルーホール9のランド表面
にわずかに残るように、ベルトサンダー研磨にて研磨
し、次いでバフ研磨する方法、あるいはバフ研磨のみに
よる研磨方法も採用できる。また、上述した組成に係る
SiO2 球状粒子を含む樹脂充填剤10は、硬化収縮が小さ
いので、基板に反りを発生させることがなかった。しか
も、硬化した状態では熱膨張係数が小さくなるので、ヒ
ートサイクルに対する耐性にも優れていた。
【0043】(5) また一方で、DMDG(ジメチルグリ
コールジメチルエーテル)に溶解したクレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂(日本化薬製、分子量:2500)の25
%アクリル化物を70重量部、ポリエーテルスルフォン
(PES)30重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成
製、商品名:2E4MZ-CN)4重量部、感光性モノマーであ
るカプロラクトン変成トリス(アクロキシエチル)イソ
シアヌレート(東亜合成製、商品名:アロニックスM32
5 )10重量部、光開始剤としてのベンゾフェノン(関東
化学製)5重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン
(関東化学製)0.5 重量部、さらにこれらの混合物に対
してメラミン樹脂粒子の平均粒径5.5 μmを35重量部、
平均粒径 0.5μmのものを5重量部を混合した後、さら
にNMPを添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機
で粘度2,000cpsに調整し、続いて3本ロールで混練して
感光性接着剤溶液を得た。
【0044】(6) 上記工程(4) を終えた図2(d) に示す
基板を水洗し、乾燥した後、その基板を酸性脱脂し、さ
らにソフトエッチングした。次いで、この基板を塩化パ
ラジウムと有機酸からなる触媒溶液に浸漬処理してPd触
媒を付与し、活性化を行った後、下記組成の無電解めっ
き浴にてめっきを施し、銅導体とスルホールのランド表
面に厚さ 2.5μmのCu−Ni−P合金からなる凹凸層(粗
化層)を形成した。そしてさらに、その基板を水洗した
後、ホウふっ化スズ−チオ尿素液からなる無電解スズめ
っき浴に50℃で1時間浸漬し、Cu−Ni−P合金からなる
前記粗化層の表面に厚さ 0.3μmのスズ置換めっき層を
形成した。 硫酸銅 : 8.0 g/l 硫酸ニッケル : 0.6 g/l クエン酸 : 15.0g/l 次亜リン酸ナトリウム: 29.0g/l ホウ酸 : 31.0g/l 界面活性剤 : 9.0 g/l pH : 9.0
【0045】(7) 前記(6) の処理を終えた基板の両面
に、上記(5) で得た感光性接着剤溶液をロールコータを
用いて塗布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で
30分の乾燥を行い、図2(e) に示すような厚さ60μmの
接着剤層2を形成した。
【0046】なお、この工程では、樹脂充填剤の層上に
感光性接着剤層を直接形成する上記以外の構成として、
樹脂充填剤の層上に絶縁材層を形成し、この絶縁材層上
に感光性接着剤層を形成する形態を採用することができ
る。即ち、絶縁材層と接着剤層の2層からなる層間絶縁
層を形成することができる。このときの絶縁材は、クレ
ゾールノボラックエポキシ樹脂の25%アクリル化物(日
本化薬製)70重量%、ポリエーテルスルホン(三井東圧
製)25重量%、ベンゾフェノン4重量%、ミヒラーケト
ン 0.4重量%およびイミダゾール硬化剤を混合した後、
ノルマルメチルピロリドン(NMP)を添加しながらホ
モディスパー攪拌機で粘度30Pa・sに調整し、さらに3
本ロールで混練して得られる。
【0047】(8) 前記(7) で接着剤層2を形成した基板
の両面に、 100μmφの黒円が印刷されたフォトマスク
フィルムを密着させ、超高圧水銀灯により 500mj/cm2
で露光した。これをDMDG溶液でスプレー現像することに
より、接着剤層2に 100μmφのバイアホールとなる開
口を形成した。さらに、当該基板を超高圧水銀灯により
3000mj/cm2 で露光し、100 ℃で1時間、その後 150℃
で5時間の加熱処理をすることにより、フォトマスクフ
ィルムに相当する寸法精度に優れた開口(バイアホール
形成用開口6)を有する厚さ50μmの層間絶縁材層(接
着剤層2)を形成した(図2(f) 参照)。なお、バイア
ホールとなる開口6には、図示しないスズめっき層を部
分的に露出させた。
【0048】(9) 次に、クロム酸や過マンガン酸カリウ
ム等の粗化液を用いて、常法に従って前記樹脂絶縁材層
の表面を粗化した。即ち、前記(8) の処理を施した基板
を、70℃,pH=13に調整した過マンガン酸カリウム
(KMn04 、60g/l)に1分間浸漬し、さらに、リ
ン酸に10分間浸漬し、層間絶縁材層表面のメラミン樹脂
粒子を溶解除去することにより、当該樹脂絶縁材層の表
面を粗化し、その後、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬
してから水洗した。さらに、粗化処理した該基板の表面
に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与することに
より、層間絶縁材層の表面およびバイアホール用開口6
の内壁面に触媒核を付けた。
【0049】(10)一方、DMDGに溶解させたクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、商品名:EO
CN−103S)のエポキシ基25%をアクリル化した感光性付
与のオリゴマー(分子量:4000)、PES(分子量:17
000 )、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名: 2
PMHZ−PW)、感光性モノマーであるアクリル系イソシア
ネート(東亜合成製、商品名:アロニックスM215 )、
光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)、光増
感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を以下の組
成でNMPを用いて混合して、ホモディスパー攪拌機で
粘度3000cps に調整し、続いて3本ロールで混練して液
状レジストを得た。 樹脂組成物;感光性エポキシ/PES/M215 /BP/
MK/イミダゾール=70/30/10/5/0.5 /5
【0050】(11)前記(9) の処理を終えた基板の両面
に、上記液状レジストをロールコーターを用いて塗布
し、60℃で30分間の乾燥を行い、厚さ30μmのレジスト
層を形成した。次いで、L/S(ラインとスペースとの
比)=50/50の導体回路パターンの描画されたマスクフ
ィルムを密着させ、超高圧水銀灯により1000mj/cm2
露光し、DMDGでスプレー現像処理することにより、
基板上に導体回路パターン部の抜けためっき用レジスト
を形成し、さらに、超高圧水銀灯にて6000mj/cm2 で露
光し、 100℃で1時間、その後、 150℃で3時間の加熱
処理を行い、層間絶縁材層の上に永久レジスト3を形成
した。
【0051】(12)上記永久レジスト3を形成した基板
に、予め、めっき前処理(具体的には硫酸処理等および
触媒核の活性化)を施し、その後、下記組成を有する無
電解銅−ニッケル合金めっき浴を用いて一次めっきを行
い、レジスト非形成部分に厚さ約1.7 μmの銅−ニッケ
ル−リンめっき薄膜を形成した。このとき、めっき浴の
温度は60℃とし、めっき浸漬時間は1時間とした。
【0052】(13)前記(12)の工程で一次めっき処理した
基板を、前記めっき浴から引き上げて表面に付着してい
るめっき浴を水で洗い流し、さらに、その基板を酸性溶
液で処理することにより、銅−ニッケル−リンめっき薄
膜表層の酸化皮膜を除去した。その後、Pd置換を行うこ
となく、銅−ニッケル−リンめっき薄膜上に、下記組成
の無電解銅めっき浴を用いて二次めっきを施すことによ
り、アディティブ法による導体層として必要な外層導体
パターン5, 5' およびバイアホール(BVH )7を形成し
た(図2(g) 参照)。このとき、めっき浴の温度は50〜
70℃とし、めっき浸漬時間は90〜360 分とした。 金属塩… CuSO4・5H2O : 8.6 mM 錯化剤…TEA : 0.15M 還元剤…HCHO : 0.02M その他…安定剤(ビピリジル、フェロシアン化カリウム
等):少量 析出速度は、6μm/時間
【0053】(14)このようにしてアディティブ法による
導体層を形成した後、前記(4) の工程と同様にして、♯
600 のベルト研磨紙を用いたベルトサンダー研磨によ
り、基板の片面を、永久レジストの表層とバイアホール
の銅の最上面とが揃うまで研磨した。引き続き、ベルト
サンダーによる傷を取り除くためにバフ研磨を行った
(バフ研磨のみでもよい)。そして、他方の面について
も同様に研磨して、基板両面が平滑なプリント配線基板
を形成した。
【0054】(15)そして、前述の工程を繰り返すことに
より、アディティブ法による導体層を更にもう一層形成
し、このようにして配線層をビルドアップすることによ
り6層の多層プリント配線板を製造した(図2(h) 参
照)。
【0055】以上説明したような本発明に係る多層プリ
ント配線板の製造方法に対する比較例として、図1を参
照して最下層の配線層をサブトラクティブ法により形成
する前述の従来技術に係る多層プリント配線板を製造し
た。この製造方法では、層間絶縁材層2の膜厚は、幅の
狭い銅導体5a上と幅の広い銅導体5b上とで異なり、配線
基板の表面に凹凸が生じた。この方法の場合、凹凸を有
する層間絶縁材層2の上に、アディティブ法により配線
層を形成しても、前記凹凸が大きいために、永久レジス
トの表層とバイアホールの銅の最上面とを研磨によって
揃えることは不可能であった。
【0056】これに対し、本発明に係る上記一実施態様
では、層間絶縁材層2の膜厚は、幅の狭い内層銅パター
ン上と幅の広い内層銅パターン上とで等しく、配線基板
の表面は平滑であった。従って、本発明によれば、幅の
狭い内層銅パターン上と幅の広い内層銅パターン上と
に、バイアホール用開口6を高い寸法精度で形成するこ
とができる。それ故に、本発明では、アディティブ法に
より形成する上層の導体回路との接続を適正に行える
他、オーバエッチングによる絶縁不良が生じない。しか
も、本発明によれば、平滑化された配線基板の表面にア
ディティブ法によって形成した配線層の表面を研磨し、
永久レジストの表層とバイアホールの銅の最上面とが揃
うようにすることが可能となる。それ故に、アディティ
ブ法による配線層のビルドアップを何回繰り返しても、
常に多層プリント配線板の表面を平滑にすることができ
る。即ち、配線層のビルドアップの際の凹凸の累積を防
ぐことが可能となる。このため、微小な部品を取り付け
るときでも、多層プリント配線板の表面が平滑であるた
め、部品の浮き上がりがなく端子を適切に接続でき、実
装信頼性を向上させることが可能となる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、最
内層の導体回路をサブトラクティブ法にて形成した配線
基板の表面は、凹凸がなく平滑化され、厚みの均一な樹
脂絶縁材層が塗布形成されるので、かかる厚みの均一な
樹脂絶縁材層には、未開口や形状不良などを招くことな
く適正にバイアホールを形成させることができる。しか
も、さらに上層にアディティブ法にて複数の導体回路層
を積層する場合には、各導体層も平滑になり、バイアホ
ール形状の歪みもなく、接続信頼性および実装信頼性に
優れる配線基板表面の平滑な多層プリント配線板を安定
して提供することができる。従って、本発明にかかる多
層プリント配線板は、電子部品の高性能化や高密度化が
要求される多くの分野において優れた用途適正を示すも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のプリント配線板に係る樹脂絶縁層あ
るいはバイアホールの形成状態を示す図である。
【図2】本発明の一実施態様に係る多層プリント配線板
の製造工程を示す図である。
【図3】樹脂充填剤の粘度と測定温度との関係を示す図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 接着剤層(層間絶縁材層) 3 めっきレジスト(永久レジスト) 4,4′ 内層銅パターン(外層導体パターン) 5,5′ 外層導体パターン 6 バイアホール用開口 7 バイアホール 8 銅箔(金属箔) 9 スルーホール 10 樹脂充填剤
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−275959(JP,A) 特開 平6−45734(JP,A) 特開 平7−235774(JP,A) 特開 昭61−67989(JP,A) 特開 平6−260756(JP,A) 特開 平7−202433(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/22 H05K 3/28 H05K 3/46

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルーホールを含む内層の導体回路パタ
    ーンを形成した絶縁性基板の表面に、層間絶縁材と導体
    回路を交互に積層し、内層の導体回路と外層の導体回路
    とを層間絶縁材層に設けたバイアホールを介して電気的
    に接続してなる多層プリント配線板を製造するにあた
    り、 (a) 絶縁性基板の少なくとも一方の面に貼着した金属箔
    をエッチング処理することにより内層の導体回路パター
    ンを形成する工程、 (b) 前記工程(a)で生じる内層の導体回路の非形成部分
    の凹部および絶縁性基板に設けたスルーホール内に、硬
    化性液状体からなる樹脂充填剤を充填した後、該樹脂充
    填剤を、研磨可能な状態ではあるが、完全には硬化しな
    い状態まで硬化させる工程、 (c) 前記工程(b) で硬化した樹脂充填剤層のうち、前記
    内層の導体回路表面を覆う部分の表層を研磨することに
    よって、内層の導体回路表面およびスルーホールのラン
    ド部分を露出させて、絶縁性基板の表面を平滑にする工
    程、 (d) 前記工程(c) で平滑化した基板の表面に樹脂絶縁材
    層を形成する工程、 (e) 前記樹脂絶縁材層にバイアホール用開口を形成する
    工程、 (f) バイアホールを含む外層の導体回路を前記樹脂絶縁
    材層上に形成する工程、を含むことを特徴とする多層プ
    リント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(a)において、前記絶縁性基板
    上の内層の導体回路は、銅張積層板の銅箔をエッチング
    処理することによって形成することを特徴とする請求項
    1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂充填剤として、無溶剤の樹脂充
    填剤を用いることを特徴とする請求項1に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記樹脂充填剤として、セラミックフィ
    ラーを含む熱硬化性樹脂を用いることを特徴とする請求
    項1に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(d)で形成する樹脂絶縁材層
    は、下層を酸あるいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂から
    なる絶縁材層とし、上層を耐熱性樹脂からなる無電解め
    っき用の接着剤層としてなる複合層とすることを特徴と
    する請求項1に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(f)において、めっきレジスト
    を介してバイアホールを含む外層の導体回路を前記樹脂
    絶縁材層上に形成する場合には、前記めっきレジストの
    表面は、研磨によって外層の導体回路表面あるいはバイ
    アホールのランド部表面と一致させ、配線基板表面を平
    滑化することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 スルーホールを含む内層の導体回路パタ
    ーンを形成した絶縁性基板の表面に、層間絶縁材と導体
    回路を交互に積層し、内層の導体回路と外層の導体回路
    を層間絶縁材層に設けたバイアホールを介して電気的に
    接続してなる多層プリント配線板において、 前記絶縁性基板上の内層の導体回路パターンは、絶縁性
    基板に貼着した金属箔をエッチング処理することにより
    形成され、前記絶縁性基板上の内層の導体回路パターン
    非形成部分の凹部およびスルーホールには、樹脂充填剤
    が充填され、かつ、研磨可能な状態ではあるが、完全に
    は硬化しない状態まで硬化された後、その樹脂充填剤の
    表面は、前記内層の導体回路の表面と同一平面となるよ
    うに、研磨によって平滑化されていることを特徴とする
    多層プリント配線板。
  8. 【請求項8】 前記絶縁性基板上の内層の導体回路パタ
    ーンは、銅張積層板の銅箔をエッチング処理して形成さ
    れたものである請求項7に記載の多層プリント配線板。
  9. 【請求項9】 前記樹脂充填剤は、無溶剤の樹脂充填剤
    である請求項7に記載の多層プリント配線板。
  10. 【請求項10】 前記樹脂充填剤は、セラミックフィラ
    ーを含む熱硬化性樹脂である請求項7に記載の多層プリ
    ント配線板。
  11. 【請求項11】 前記樹脂絶縁材層は、下層を酸あるい
    は酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂からなる絶縁材層とし、
    上層を耐熱性樹脂からなる無電解めっき用の接着剤層と
    してなる複合層で構成したことを特徴とする請求項7
    記載の多層プリント配線板。
JP20982096A 1995-11-10 1996-08-08 多層プリント配線板の製造方法および多層プリント配線板 Expired - Lifetime JP3261314B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20982096A JP3261314B2 (ja) 1995-11-10 1996-08-08 多層プリント配線板の製造方法および多層プリント配線板

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-317469 1995-11-10
JP31746995 1995-11-10
JP20982096A JP3261314B2 (ja) 1995-11-10 1996-08-08 多層プリント配線板の製造方法および多層プリント配線板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09191178A JPH09191178A (ja) 1997-07-22
JP3261314B2 true JP3261314B2 (ja) 2002-02-25

Family

ID=26517681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20982096A Expired - Lifetime JP3261314B2 (ja) 1995-11-10 1996-08-08 多層プリント配線板の製造方法および多層プリント配線板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3261314B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999021224A1 (fr) 1997-10-17 1999-04-29 Ibiden Co., Ltd. Substrat d'un boitier
WO1999034654A1 (fr) * 1997-12-29 1999-07-08 Ibiden Co., Ltd. Plaquette a circuits imprimes multicouche
EP1583407B1 (en) 1998-02-26 2007-05-30 Ibiden Co., Ltd. Multilayer printed wiring board with filled viaholes
JP4806384B2 (ja) * 2007-10-16 2011-11-02 京セラ株式会社 配線基板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09191178A (ja) 1997-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100272850B1 (ko) 수지충전제및다층프린트배선판
KR100273089B1 (ko) 다층프린트 배선판 및 다층프린트 배선판의 제조방법
JP3242009B2 (ja) 樹脂充填剤
JP2000165046A (ja) 多層ビルドアップ配線板
JP3261314B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法および多層プリント配線板
JPH10256724A (ja) 多層プリント配線板
JPH1098271A (ja) 層間絶縁剤および多層プリント配線板
JP2000114727A (ja) 多層プリント配線板
JPH1187865A (ja) プリント配線板およびその製造方法
JPH11214846A (ja) 多層プリント配線板
JPH11307687A (ja) パッケージ基板
JPH1117345A (ja) 多層プリント配線板
JP4159136B2 (ja) 多層プリント配線板
JP3143408B2 (ja) プリント配線板の製造方法
JPH10200265A (ja) 多層プリント配線板
JP3256172B2 (ja) 多層プリント配線板
JPH10247784A (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JPH11261228A (ja) 多層プリント配線板
JPH10224034A (ja) 樹脂充填剤および多層プリント配線板
JPH09162514A (ja) プリント配線板とその製造方法
JPH11284338A (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP3352023B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JPH1146066A (ja) 多層プリント配線板
JP3158089B2 (ja) パッケージ基板及びパッケージ基板の製造方法
JPH10107436A (ja) プリント配線板とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131214

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term