JP4433971B2 - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばLCR等の受動素子を予め内蔵したプリント配線板およびその製造方法に係り、特に、内蔵する抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止し得るプリント配線板及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の高性能化・小型化の要求に伴い、回路部品の高密度化・高機能化が一層進んでいる。例えば、プリント配線板に電子部品を実装する場合、実装密度を高めつつ、ノイズ低減機能を持たせるためにコンデンサ素子(C)、レジスタ素子(R)、インダクタ素子(L)等の受動素子を基板に内蔵した構造のプリント配線板が用いられている。
このようなプリント配線板では、受動素子を内蔵するため、通常の受動素子に比べて小型の受動素子が望まれている。例えば、プリント配線板に内蔵するために適した構造の抵抗素子としては、抵抗素子電極(導電層)間に、抵抗材料を配置した構造の抵抗素子が広く知られている。抵抗体の配置方法としては、めっきや抵抗性金属箔の積層後、エッチング等でパターニングする方法(例えば、特許文献1参照。)と、配線回路(配線層)及び抵抗素子電極(導電層)形成後に樹脂系の抵抗体をスクリーン印刷等によって部分的に積層する方法(例えば、特許文献2参照。)がある。このうち後者の方法は、前者の方法に比べて、材料を効率的に使用でき、工程を少なくできるという利点がある。
ところが、後者の方法により抵抗素子を形成した場合、図6に示すように、銅配線の一部よりなる抵抗素子電極(導電層)120A,120Bとカーボンペーストよりなる抵抗体130が直接接触するため、界面の接触抵抗の影響が大きくなる。特に、高温高湿条件下(気温40℃、相対湿度95%)では、界面の腐食等により抵抗値が大きく増加する(例えば、非特許文献1参照。)。
そこで、図7に示すように、抵抗素子電極(導電層)120A,120Bと抵抗体130の間に電気的接続性に優れた銀ペースト140A,140Bを挟むことにより、界面の接触抵抗を抑えた構造の抵抗素子が考案されている。また、抵抗素子電極部(導電層)120A,120Bに金めっき処理を施した抵抗素子などもある(例えば、特許文献3参照。)。
このように抵抗素子電極部(導電層)120A,120Bと抵抗体130の間に銀ペースト140A,140Bを配置した構造にすることにより、界面の接触抵抗の影響を抑えた抵抗素子を形成することができる。
特開2003−168851号公報 特開平1−295482号公報 特開平11−340633号公報 師岡 功: "埋め込み受動部品技術に使用されるポリマー抵抗体", エレクトロニクス実装学会誌,VOL.6,NO.4,pp.294−299,2003
しかしながら、図7に示した構造のプリント配線板では、抵抗体130の長さが各抵抗素子電極120A,120B上及び各抵抗素子電極120A,120Bの内側に印刷された銀ペースト140Aと銀ペースト140B間の距離となるため、銀ペースト140A,140Bの印刷精度が抵抗素子の長さに影響する。なお、銀ペースト140A,140Bは、互いに段差を有する抵抗素子電極120A,120Bと基板110とに印刷されるので、多少、印刷精度が低下する場合が生じてしまう。そのため、エッチングで形成した抵抗素子電極120A,120B間の距離が抵抗体130の長さとなる図6の構造に比べ、抵抗素子の長さを設計値に合わせ込むことが難しい。この設計値への合わせ込みの精度をあげるには抵抗体のレーザトリミングを行う必要がある。しかしながら、基板110上の全てをレーザトリミングにより修正することは煩雑であり、コストがかかる。また、あまりに大きく規格から外れた素子は電気的特性が悪くなるので修正ができない等の問題もあって、現実的でない。まとめると、図7に示した構造は、段差に起因して銀ペースト140A,140Bの印刷精度が低下し、抵抗体130の長さが設計値から外れ、信頼性を低下させてしまうことを現実には避けられない状況にある。
また、抵抗体130と抵抗素子電極120A,120Bの間に銀ペースト140A,140Bを挟むと抵抗素子のサイズが大きくなるという問題点がある。
また、良導電性を実現するために銀フィラーが高充填されている銀ペースト140A,140Bを、抵抗素子電極120A,120Bと樹脂基板110上の段差部分150にスクリーン印刷するため、サーマルサイクル試験で段差部分150にクラック151が生じる心配があり、抵抗素子の信頼性を低下させる可能性がある。
また、配線の凹凸が存在する樹脂基板110上に銀ペースト140A,140Bあるいは抵抗体130をスクリーン印刷するため、印刷時に銀ペーストあるいはカーボンペーストのにじみや飛散等が起こり易い。よって、抵抗素子間あるいは抵抗素子配線間の密度を上げることが難しく、また、絶縁に対する信頼性を低下させ易い。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、内蔵する抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止し得るプリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に対応する発明は、基板と、前記基板上に選択的に形成された1対の配線層と、前記各配線層の一部がハーフエッチングされて形成された1対の導電層と、前記各導電層を被覆するようにめっき形成された1対の貴金属層と、前記各導電層を電気的に接続するように前記各貴金属層上及び前記導電層間の基板上に選択的に印刷されて形成された抵抗体とを有するプリント配線板である。
請求項2に対応する発明は、請求項1に対応するプリント配線板において、前記各貴金属層は銀めっき膜からなるプリント配線板である。
請求項3に対応する発明は、請求項1または請求項2に対応するプリント配線板において、前記各導電層の表面は粗面化処理されているプリント配線板である。
請求項4に対応する発明は、基板上に選択的に1対の配線層を形成する工程と、前記各配線層の一部を露出させる第1開口部を有して前記各配線層を被覆するレジスト層を前記基板上に選択的に形成する工程と、前記第1開口部内の前記各配線層をハーフエッチングして1対の導電層を形成する工程と、前記ハーフエッチングされた各導電層の一部に1対の貴金属層を形成する工程と、前記貴金属層の形成後、前記レジスト層を除去する工程と、前記各導電層間の基板上及び前記各貴金属層上に抵抗体を形成する工程とを備えたプリント配線板の製造方法である。
請求項5に対応する発明は、請求項4に対応するプリント配線板の製造方法において、前記各貴金属層を形成する工程は、当該各貴金属層としての銀めっき膜を銀めっき処理により形成する工程を含んでいるプリント配線板の製造方法である。
請求項6に対応する発明は、請求項4または請求項5に対応するプリント配線板の製造方法において、前記ハーフエッチングする工程と前記貴金属層を形成する工程との間に、前記ハーフエッチングされた各導電層を粗面化処理する工程を更に具備したプリント配線板の製造方法である。
<作用>
従って、請求項1に対応する発明は以上のような手段を講じたことにより、各導電層の一部を被覆するようにめっき形成された1対の貴金属層と、各導電層間に各貴金属層上に形成された抵抗体とを備えた構成により、従来の図7に示した構造に比べ、各導電層間の基板上には貴金属層を印刷しないことから、抵抗素子のサイズを縮小しつつ、段差に起因した印刷精度の低下を解消できる。更に、予め各導電層をハーフエッチングで薄くしたので、配線の凹凸に起因した印刷精度の低下をも阻止できる。よって、内蔵する抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止することができる抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
請求項2に対応する発明は、各貴金属層としては銀めっき膜からなるプリント配線板であるので、他の貴金属に比べ安価にもかかわらず特性のバランスが良い傾向がある。よって、請求項1に対応する作用に加え、安価で且つ特性に優れた抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
請求項3に対応する発明は、各導電層の表面が粗面化処理されているので、請求項1,2に対応する作用に加え、抵抗体の密着性が向上し、信頼性に優れた抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
請求項4に対応する発明は、ハーフエッチングされた各導電層間に各貴金属層に密着するように抵抗体を形成する工程を備えているので、導電層がハーフエッチングにより薄くなり印刷精度がよく、精度よく貴金属層を形成することができる。
また、各導電層間の基板上には貴金属層を印刷しないことから、抵抗素子のサイズを縮小することができる。よって、抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止できる抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
請求項5に対応する発明は、貴金属層を形成する工程としては銀めっき膜を形成しているので、請求項4に対応する作用に加え、他の貴金属に比べ安価にもかかわらず特性のバランスが良いプリント配線板を製造することができる。
請求項6に対応する発明は、ハーフエッチングされた各導電層を粗面化処理する工程を更に具備しているので、請求項4,5に対応する作用に加え、抵抗体の密着性が向上し、信頼性に優れた抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
以上説明したように本発明によれば、内蔵する抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止し得るプリント配線板及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るプリント配線板の構造の一例を示す断面図である。このプリント配線板10は、基板20と、基板20上に形成された絶縁層30と、絶縁層30上に選択的に形成された1対の第2配線層90A,90Bとを備えている。
また、プリント配線板10は、絶縁層30内に、抵抗素子11を有しており、基板20上に選択的に形成された1対の第1配線層40A,40Bと、第1配線層40Aと第1配線層40B間に各第1配線層40A,40Bに対してハーフエッチングされて形成された1対の導電層50A,50Bと、各導電層50A,50Bの一部を被覆するように形成された1対の貴金属層60A,60Bと、各導電層50A,50B間に各貴金属層60A,60Bに密着するように形成された抵抗体70とを備えている。ここで、抵抗素子のための導電層は少なくとも1対設けられていればよく、必要とする抵抗素子の数だけ設けることができる。さらにキャパシタの電源やインダクタを同時に作りこんでも良い。
また、この抵抗素子11は、接続層80A,80Bにより、各第1配線層40A,40Bと各第2配線層90A,90Bとが電気的に接続されている。ここで、第1配線層40A,40Bと第2配線層90A,90Bとが接続層で接続されているものとしたが、これに限らず、どこかで導通がとれていれば良く、例えば接続層は基板を貫通して下方から第1配線層40A,40Bに接続していてもよく、導電層に直接接続してもよい。
なお、抵抗素子11は、抵抗体70、導電層50A,50B及び貴金属層60A,60Bを備えている。
基板20は、絶縁層30が形成される樹脂基板である。また、基板20上に、抵抗素子11を備えている。
絶縁層30は、プリプレグ,樹脂付き銅箔,ビルドアップ基板用絶縁樹脂フィルムあるいはワニスのいずれの形態であっても構わないが、プリント配線板10に内蔵される抵抗素子11の埋め込み性、作業性等を考慮するとビルドアップ基板用絶縁樹脂フィルムを用いることが好ましい。また、一般にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂は硬化温度が高くなるほど架橋密度が高くなる傾向にあり、例えば一度硬化させた抵抗体70をさらに高い温度で加熱すると熱硬化性樹脂の硬化が進行し、抵抗値が下がる傾向にある。従って、抵抗素子11のプリント配線板10への内蔵前後での抵抗値の変化を少なくする観点から、絶縁樹脂のプレス・ラミネート・硬化等における最高到達温度は抵抗体70の硬化時における最高到達温度よりも低いことが好ましい。
第1配線層40A,40Bは、絶縁層30内であって、基板20上に形成される導体回路の配線であり、例えば銅により形成されるものである。なお、第1配線層40A,40Bは、図2(上面図)に概念を示すように、導電層50A,50Bと電気的に接続され、プリント配線板10上の電気回路の一部として機能する。
導電層50A,50Bは、抵抗素子の電極であり、例えば銅により形成されるものである。第1配線層40A,40Bをハーフエッチングすることで形成され、第1配線層40A,40Bと電気的に接続されている。なお、接続信頼性と印刷信頼性の両立の観点から、ハーフエッチングは導電層の厚みが5〜15μmの範囲になるように行うことが好ましい。
また、導電層50A,50B(貴金属層60A,60Bを形成する面)は、薬液処理により粗面化されている。粗面化による表面粗さRaは、1.0〜2.0μmの範囲内にあることが好ましい。これは、表面粗さRaが1.0μm未満では、貴金属めっき処理を行っても、凹凸形状が貴金属めっきにより埋まってしまい、抵抗体70や絶縁層30との充分な密着性が得られないからである。一方、表面粗さRaが2.0μmを超えると、導電層50A,50Bの電極形状が崩れてしまい、抵抗素子の設計値への合わせ込みが難しくなるからである。
貴金属層60A,60Bは、それぞれ導電層50A,50Bの一部を被覆する貴金属薄膜であり、銀や金により形成されるものである。コスト低減の観点から銀が使用される場合が多い。銀を使用する場合、貴金属層60A,60Bは、置換型無電界銀めっき処理により形成される。この置換型無電解銀めっき処理を、抵抗体70に接する部分のみに施すことにより、銀を導電層50A,50Bの全面に付ける場合に比べて、めっき面積が少ないため、銀めっきのコストを抑えている。また、導電層50Aと導電層50Bのピッチが細かくてもマイグレーションの懸念が少ない等の効果がある。なお、銀めっきのめっき厚は0.2μm以上、0.4μm以下の範囲にあることが好ましい。銀めっきが0.2μm未満の厚さでは抵抗体70と導電層50A,50Bとの接触抵抗を充分に低減できず、一方、0.4μmを超える厚さでは接触抵抗の低減ができないからである。導電層50A,50Bの表面粗さが1.0〜2.0μmの範囲であり、かつ貴金属層の厚さが0.2μ以上0.4μm以下の範囲であれば、接触抵抗が十分低減でき、かつ密着性も維持できる。
抵抗体70は、熱硬化性樹脂と導電性フィラーを主成分としている。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、及びこれを変性した樹脂、またはこれらの樹脂と熱可塑性樹脂の混合物等を用いることができる。特に、基板20との密着性、耐薬品性、コストの観点からエポキシ樹脂を用いることが好ましい。導電性フィラーとしては安価なカーボンを用いることが好ましい。導電性フィラー以外にシリカ等の無機フィラーが加えてあっても構わない。なお、市販のカーボンペーストをそのまま使用することができる。
また、抵抗体70の粘度は、特に限定されるものではないが、メタルマスクでのスクリーン印刷をする場合、500〜1000ポイズ程度であることが好ましい。これは、500ポイズ未満の粘度であると印刷後に抵抗ペーストがだれて印刷形状が悪くなる傾向にあるからである。一方、1000ポイズを超える粘度だと印刷後にレベリングを行っても、印刷時に混入した気泡が抜けづらく、気泡が原因で抵抗体70にクラック等が発生することがあるからである。
接続層80A,80Bは、絶縁層30にCOレーザ等でビア加工した後に、無電界銅めっき、電気銅めっきを行い、第1配線層40A,40Bと第2配線層90A,90Bとを電気的に接続するものである。
第2配線層90A,90Bは、絶縁層30上に形成される導体回路の配線となるものである。第1配線層40A,40Bに電気的に接続することで、絶縁層30の中に形成された抵抗素子11を使用することができる。
次に、以上のように構成されたプリント配線板の製造方法の一例を図3及び図4の工程断面図を用いて説明する。
始めに、基板20上の片面銅張積層板(第1金属層)41表面の銅箔をエッチングして、1対の第1配線層40A,40Bを形成する(図3(A),(B))。
続いて、基板20上に市販のめっきレジスト100をロールラミネータでラミネートし、抵抗体70の形成領域を露光・現像して開口部101を形成する(図3(C),(D))。
なお、めっきレジスト100で使用する感光性樹脂は、ドライフィルム・液状どちらの形態であっても良く、市販のめっきレジストやビルドアップ多層プリント配線板用感光性絶縁樹脂フィルムまたはワニスをそのまま使用してもよい。ここで、ビルドアップ多層プリント配線板用感光性絶縁樹脂を用いる場合、この絶縁性樹脂を取り除かず、露光・現像して開口部101を形成した後、感光性絶縁樹脂を熱硬化する。このようにして形成した開口部101に抵抗体70を印刷形成・乾燥・硬化させた後、再度絶縁樹脂フィルムまたはワニスで絶縁層30を形成する。この後は通常のビルドアップ多層プリント配線板の工程と同様にして多層化する。
次に、この開口部101内の第1配線層40A,40Bの一部をハーフエッチングして導電層50A,50Bを形成した後、例えばメックエッチボンドCZ−8101等の薬液で処理して導電層50A,50Bの表面を表面粗さRaを1.0〜2.0μmの範囲内に粗面化する(図3(E))。接続信頼性と印刷信頼性の両立の観点から、ハーフエッチングは導電層の厚みが5〜15μmの範囲になるように行うことが好ましい。ここで、置換型無電解銀めっき処理をする前に、あらかじめ導電層50A,50Bの銅箔を粗面化しておく理由は、通常の粗化薬液では銀めっきの付着した銅箔を粗面化できない、または粗面化できたとしても付着した銀めっきの厚さが薄くて下地の銅が露出してしまうからである。すなわち、銀めっき処理の前に銅箔を粗面化しておくことで銀めっきを銅箔の形状に沿って付着させることができ、抵抗体70と導電層50A,50Bとの密着性を充分に確保することが可能となる。
続いて、基板20を置換型無電解銀めっき処理すると、開口部101内の導電層50A,50Bの形状に沿って、厚さ0.2〜0.4μm程度の薄い銀めっき膜からなる貴金属層60A,60Bが形成される(図3(F))。
次に、めっきレジスト100を基板20及び第1配線層40A,40Bから剥離する(図4(A))。
続いて、導電層50A,50Bの間に、導電層50A、50B上の貴金属層60A,60Bとそれぞれ一部が重なるように粘度500〜1000ポイズのカーボンペーストからなる抵抗体70を、開口を有する金属からなるメタルマスクによりスクリーン印刷し、所定の条件で乾燥させる(図4(B))。乾燥後に、ペースト状の抵抗体70を最高到達温度が180℃以上となるような温度条件で硬化させる。この際、硬化後の抵抗体70の厚さを20μm前後にする。
ここで、抵抗体70のスクリーン印刷にメタルマスクを用いる理由は、基板20表面が平滑で密着した状態で印刷可能であれば、耐久性もあり、印刷精度が優れているからである。なお、導電層50A,50Bがハーフエッチングされているので、基板20表面はメタルマスクを使用可能な程度には平滑性がある。これに対し、通常のテトロンあるいはステンレス等のメッシュ状のスクリーン版による印刷では印刷面の制約は少ないが、スクリーン版と基板との間に数ミリ程度のギャップをとりスキージで版を強く押し込むことによりカーボンペーストを印刷するので、カーボンペーストのにじみや押し込むことによる開口部の変形、さらには繰り返し印刷することによる乳剤の劣化やテトロンあるいはステンレス繊維の歪み等が生じやすい。そのため、ここではメタルマスクを用いている。
次に、抵抗体70が形成された基板20上に絶縁層30を形成する(図4(C))。絶縁層30は、市販のビルドアップ多層プリント配線板用絶縁樹脂フィルムを真空ラミネータで、例えば温度130℃、圧力3kg/cm程度の条件でラミネートし、170℃で1時間程度絶縁樹脂を硬化させて形成する。
続いて、絶縁層30をCOレーザでビア加工し、ビアホール81A,81Bを形成する(図4(D))。そして、無電解銅めっき、電気銅めっきを行いビアホール81A,81B内に接続層80A,80Bを形成するとともに、接続層80A,80B上及び絶縁層30上に第2金属層91を形成する((図4(E))。この際、接続層80A,80Bは、絶縁層30を介して第1配線層40A,40Bと第2金属層91とを電気的に接続するように銅めっき処理されている。
次に、第2金属層91を選択的にエッチングし、絶縁層30上に第2配線層90A,90Bを形成する(図4(F))。これにより、抵抗素子を内蔵したプリント配線板10を形成することができる。
上述したように本実施形態によれば、各導電層50A,50Bの一部を被覆するように形成された1対の貴金属層60A,60Bと、各導電層50A,50B間に各貴金属層60A,60Bに密着して形成された抵抗体70とを備えた構成により、従来の図7に示した構造に比べ、各導電層50A,50B間の基板20上には貴金属層60A,60Bを印刷しないことから、抵抗素子のサイズを縮小しつつ、段差に起因した印刷精度の低下を解消できる。更に、予め各導電層50A,50Bをハーフエッチングで薄くしたので、配線の凹凸に起因した印刷精度の低下をも阻止できる。よって、内蔵する抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止することができる抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
また、貴金属層60A,60Bは銀めっき膜からなるプリント配線板であるので、他の貴金属に比べ安価で安定した特性を示す傾向がある。よって、安価で且つ特性の安定性に優れた抵抗素子を内蔵したプリント配線板を提供することができる。
さらに、各導電層50A、50Bの表面が粗面化処理されているので、抵抗体70の密着性が向上し、抵抗体70と導電層50A,50Bの接触抵抗を減らすことができる。
また、置換型無電解貴金属めっきのめっき厚が0.2μm以上、0.4μm以下の範囲内にあるので、必要最低限のめっき厚で抵抗体70と導電層50A,50B間の接触抵抗を減らすことができ、処理時間やコストを削減することができる。
さらに、抵抗体70に、熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させた抵抗材料を用いているので、一般に高温焼成が必要とされる抵抗体形成が耐熱性の低い有機基板上でも可能である。
また、粗面化処理された抵抗素子電極(導電層50A,50B)の表面粗さRaを、1μm以上2μm以下の範囲内にしているので、粗面化した抵抗素子電極(導電層50A,50B)上に貴金属めっきが付着しても銅箔の凹凸形状が充分に残っており、抵抗素子電極(導電層50A,50B)と抵抗体70の密着性を充分に確保することができる。
さらに、抵抗素子電極(導電層50A,50B)をあらかじめハーフエッチングしているので、抵抗体70をスクリーン印刷する際、段差が軽減され印刷精度を向上することができるとともに、従来の段差部分に生じ易かったクラックを生じにくくさせることができる。
また、抵抗体70を、最高到達温度が180℃以上となるような温度条件下で硬化させて形成しており、一般的な多層プリント配線板用絶縁材料の硬化温度以上で抵抗体70を硬化させているので、絶縁層30を形成する前後で、抵抗素子11の抵抗値変化を少なくすることができる。
さらに、抵抗素子11を内蔵する絶縁層30を形成する際、プレスあるいはラミネート及び硬化工程における最高到達温度を抵抗体70の硬化時の最高到達温度よりも低くしているので、絶縁層30を形成する前後で、抵抗素子11の抵抗値変化を少なくすることができる。
また、メタルマスクで抵抗ペーストをスクリーン印刷しているので、印刷精度に優れた抵抗体70を形成することができる。また、通常のメッシュ版に比べてメタル版のスクリーン印刷は、耐久性に優れるためコストの削減にも効果がある。
なお、上記実施形態は、貴金属層60A,60Bの形成後に、レジスト100を剥離し、抵抗体70を印刷した場合について説明したが、これに限らず、貴金属層60A,60Bの形成後に、抵抗体70を印刷し、レジスト100を剥離する順序で製造しても、本発明を同様に実施して同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態は、基板20上に1層のビルドアップ層を形成した場合について説明したが、これに限らず、基板20として両面銅張積層板を用いて両面にビルドアップ層を形成したものも包含し、ビルドアップ層を2層以上形成し、基板20と直接接していない絶縁層に抵抗素子11が形成されている構造のプリント配線板も包含する。
<実施例>
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例及び比較例に示す製造方法で製造した抵抗素子を内蔵したプリント配線板について、(1)抵抗値測定、(2)抵抗素子占有面積比較、(3)高温高湿試験、(4)貴金属めっきまたは銀ペーストの絶縁信頼性試験、(5)サーマルサイクル試験(TCT)を行った。評価方法は以下に示す通りである。
◇実施例の評価方法
(1)<抵抗値測定>
抵抗値の設計値が100Ωである抵抗素子を内蔵したプリント配線板100個について、マルチメーターで抵抗値を測定し、平均抵抗値、標準偏差(σ)、3σの値を得た。これにより、抵抗値のばらつきに対する抵抗素子の信頼性を評価した。
(2)<素子占有面積比較>
抵抗値の設計値が100Ωである抵抗素子を内蔵したプリント配線板における、抵抗素子の占有面積を算出した。なお、抵抗素子は抵抗体、導電層、貴金属層から構成される部分である。これにより、製造方法に対する抵抗素子のサイズの大小を比較した。
(3)<高温高湿試験>
抵抗素子を内蔵したプリント配線板を、温度40℃、湿度95%の条件下に1000時間置いた。試験前後の抵抗値を測定し、抵抗値の変化を求めた。これにより、高温高湿条件下での界面の腐食等に対する抵抗素子の信頼性を評価した。
(4)<絶縁信頼性試験>
抵抗体を印刷・硬化させる工程を除いて、全く同一の条件で製造した試験基板を40個作成し、この試験基板を高度加速寿命試験装置に温度121℃、湿度85%の条件下で投入して、20Vの電圧を168時間印加し、絶縁抵抗の経時測定を行った。試験基板は、JIS−C5012規格に基づいて100μm/100μmの櫛形電極(導電層)を、実施例および各参考例で使用した基板と同一の基板上にパターニングして作成した。また、比較例1ではL/S=100μm/100μmの櫛形電極(導電層)を銀ペーストで印刷形成した。そして、抵抗値が10Ω以下となったものを絶縁不良と判定して評価した。これにより、銀めっきもしくは銀ペーストの信頼性を評価した。
(5)<サーマルサイクル試験(TCT)>
抵抗値の設計値が100Ωである抵抗素子を内蔵したプリント配線板100個について、低温槽−40℃、高温槽125℃、さらし時間30分の条件で1000サイクルTCTを行い、試験後の抵抗値が10Ω以上となった素子をクラックによる不良と判定して評価した。これにより、温度変化に対する抵抗素子の信頼性を評価した。
◇実施例の製造方法
[実施例1]
始めに、銅厚18μmの0.6mmのBTレジン両面銅張積層板(第1金属層){三菱ガス化学社製}を脱脂・洗浄した後、エッチングレジストをラミネート・露光・現像し、不要部分の銅箔をエッチングして導体回路(第1配線層)及び抵抗素子電極(導電層)を形成した。この時、それぞれの抵抗素子電極(導電層)の抵抗体長さ方向の設計値は200μmであった。この基板にめっきレジストRY−3225{日立化成工業社製}をロールラミネータでラミネートした後、レジストを露光・現像して抵抗素子電極部分のみを開口させた。
さらに、この抵抗素子電極をハーフエッチングして厚さ約10μmとした後、メックエッチボンドCZ−8101{メック社製}で表面粗さRaが1.2μmとなる条件で粗面化処理した。表面粗さRaは、レーザ顕微鏡にて測定した。この基板を置換型無電解銀めっきIM−SILVER{日本高純度化学社製}にて処理を行い、抵抗素子電極(導電層)を厚さ0.3μmの銀めっき(貴金属層)で被覆した。
めっきレジストを剥離した後、カーボンペーストTU−100−8(抵抗体){アサヒ化学研究所社製}を抵抗素子電極と200μmづつ重なるように200メッシュステンレスクリーン版を用いてスクリーン印刷した。印刷に使用したカーボンペースト(抵抗体)の粘度をビスコテスターVT−04で測定したところ、700ポイズ前後であった。また、抵抗素子電極間に挟まれる抵抗体の設計寸法は幅0.5mm、長さ0.67mmであった。
このようにして印刷された抵抗ペースト(抵抗体)を90℃で30分間乾燥させた後、200℃で1時間硬化させた。硬化後の抵抗体の膜厚を測定したところ膜厚は約20μmであった。
この基板上に樹脂付き銅箔ARCC R−0870(絶縁層付き第2金属層){松下電工社製}を真空プレス機にて圧力30kgf/cm、温度170℃で1時間かけて積層した。さらにビア形成部の銅箔をエッチングし、COレーザでビア加工を行った。この後、無電解銅めっき、電気銅めっきによりビアを電気的に接続する接続層を形成し、エッチングにより所定の導体パターン(第2配線層)を形成して、絶縁層内に抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した。
[比較例1]
実施例1との比較例であり、従来の製造方法で抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した例である。すなわち、導電層を貴金属めっき処理による薄膜ではなく、銀ペーストにより形成している。
始めに、実施例1と同じ両面銅張積層板(第1金属層){三菱ガス化学社製}に実施例1と同様にして導体回路(第1配線層)及び抵抗素子電極(導電層)を形成した。この時、それぞれの抵抗素子電極の抵抗体長さ方向の設計値は200μmであった。次に、導電性銀ペーストLS−504J{アサヒ化学研究所社製}を一対の抵抗素子電極上それぞれに200μmずつと抵抗素子電極よりも内側の基板樹脂上に400μmの計600μmにわたって325メッシュステンレススクリーン版でスクリーン印刷した。乾燥・硬化後に、銀ペースト硬化物の膜厚を測定したところ、膜厚は約15μmであった。
この一対の銀ペースト硬化物のうち、最も内側の200μmの部分に重なるようにカーボンペーストTU−100−8(抵抗体){アサヒ化学研究所社製}を200メッシュステンレスクリーン版でスクリーン印刷した。カーボンペースト(抵抗体)の粘度はビスコテスターVT−04で測定したところ、700ポイズ前後であった。また、銀ペースト硬化物の間に挟まれる抵抗体の設計寸法は幅1.0mm、長さ1.34mmであった。このようにして抵抗体が印刷された基板を、90℃で30分間乾燥させた後、200℃で1時間硬化させた。硬化後の抵抗体の膜厚は約20μmであった。この基板を、メックエッチボンドCZ−8101(メック社製)で処理し、抵抗素子電極(導電層)の銅箔を粗面化した。
その後、この基板上にビルドアップ多層プリント配線板用絶縁樹脂フィルムABF−GX{味の素ファインテクノ社製}を真空ラミネータにて温度130℃、圧力3kgでラミネートした後、170℃で1時間硬化させて絶縁層を形成した。COレーザでビア加工を行った後、アルカリ性過マンガン酸塩による粗面化処理・無電解銅めっき・電気銅めっきを行い、ビアを電気的に接続する接続層と共に第2金属層を形成した。この後、エッチングにより所定の導体パターン(第2配線層)を形成して、絶縁層内に抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した。
[参考例1]
実施例1の参考例であり、製造工程の順番を変えて抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した例である。すなわち、レジストを剥離してから抵抗体を印刷するのではなく、抵抗体を印刷してからレジストを剥離している。
始めに、実施例1と同じ両面銅張積層板(第1金属層){三菱ガス化学社製}に実施例1と同様にして導体回路(第1配線層)及び抵抗素子電極(導電層)を形成した。この時、それぞれの抵抗素子電極(導電層)の抵抗体長さ方向の設計値は100μmであった。この基板にめっきレジストRY−3225{日立化成工業社製}をロールラミネータでラミネートした後、レジストを露光・現像して抵抗体形成領域と同一の領域を開口させた。さらに、開口部にある一対の抵抗素子電極(導電層)をハーフエッチングして厚さ約10μmとした後、メックエッチボンドCZ−8101{メック社製}で抵抗素子電極(導電層)を表面粗さRaが1.2μmとなる条件で粗面化処理した。この基板を置換型無電解銀めっきIM−SILVER{日本高純度化学社製}にて処理を行い、抵抗素子電極を厚さ0.3μmの銀めっき(貴金属層)で被覆した。
このようにして、銀めっきで被覆された一対の抵抗素子電極があるめっきレジストの開口部に、カーボンペーストTU−100−8(抵抗体){アサヒ化学研究所社製}を抵抗素子電極と100μmづつ重なるようにメタルマスクを用いてスクリーン印刷した。印刷に使用したカーボンペースト(抵抗体)の粘度をビスコテスターVT−04で測定したところ、700ポイズ前後であった。また、抵抗素子電極(導電層)間に挟まれる抵抗体の設計寸法は幅0.5mm、長さ0.67mmであった。
このようにして抵抗体が印刷された基板を90℃で30分間乾燥させた後、めっきレジストを剥離し、抵抗ペースト(抵抗体)を200℃で1時間硬化させた。硬化後の抵抗体の膜厚を測定したところ約20μmであった。
この基板上にビルドアップ多層プリント配線板用絶縁樹脂フィルムABF−GX{味の素ファインテクノ社製}を真空ラミネータにて温度130℃、圧力3kgでラミネートした後、170℃で1時間硬化させて絶縁層を形成した。COレーザでビア加工を行った後、アルカリ性過マンガン酸塩による粗面化処理・無電解銅めっき・電気銅めっきを行い、ビアを電気的に接続する接続層と共に第2金属層を形成した。この後、エッチングにより所定の導体パターン(第2配線層)を形成して、絶縁層内に抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した。
[比較例2]
実施例1との比較例であり、導電層をハーフエッチングせずに抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した例である。
始めに、実施例1と同じ両面銅張積層板(第1金属層){三菱ガス化学社製}に実施例1と同様にして導体回路(第1配線層)及び抵抗素子電極(導電層)を形成した。この時、それぞれの抵抗素子電極(導電層)の抵抗体長さ方向の設計値は200μmであった。この基板にめっきレジストをラミネート・露光・現像し、抵抗素子電極(導電層)部分のみを開口させた後、メックエッチボンドCZ−8101{メック社製}で処理して銅箔を粗面化させた。さらに、この抵抗素子電極(導電層)にIM−SILVER{日本高純度化学社製}で無電界銀めっき処理を行い、厚さ0.3μmの銀めっき皮膜(貴金属層)を形成した。
めっきレジストを剥離した後、銀めっきで被覆された抵抗素子電極(導電層)上にカーボンペーストTU−100−8(抵抗体){アサヒ化学研究所社製}を抵抗素子電極と200μmづつ重なるように200メッシュステンレススクリーン版でスクリーン印刷した。印刷に使用したカーボンペースト(抵抗体)の粘度をピスコテスターVT−04で測定したところ、700ポイズ前後であった。また、抵抗素子電極(導電層)間に挟まれる抵抗体の設計寸法は幅1.0mm、長さ1.34mmであった。
このようにして抵抗体が印刷された基板を90℃で30分間乾燥させた後、200℃で1時間硬化させた。硬化後の抵抗体の膜厚を測定したところ、膜厚は約20μmであった。この基板を実施例1の製造方法と同様の方法で絶縁層及び導体回路等を形成し、絶縁層内に抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した。
[実施例2]
実施例1に対して、導電層を粗面化処理せずに抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した例である。
始めに、実施例1と同じ両面銅張積層板(第1金属層){三菱ガス化学社製}に実施例1と同様にして導体回路(第1配線層)及び抵抗素子電極(導電層)を形成した。この時、それぞれの抵抗素子電極(導電層)の抵抗体長さ方向の設計値は200μmであった。この基板にめっきレジストをラミネート・露光・現像し、抵抗素子電極(導電層)部分のみを開口させた後、この抵抗素子電極(導電層)をハーフエッチングして厚さ約10μmとした。この後、IM−SILVER{日本高純度化学社製}で無電界銀めっき処理を行い、厚さ0.3μmの銀めっき皮膜(貴金属層)を形成した。
めっきレジストを剥離した後、銀めっきで被覆された抵抗素子用電極(導電層)上にカーボンペーストTU−100−8(抵抗体){アサヒ化学研究所社製}を抵抗素子電極と200μmづつ重なるように200メッシュステンレススクリーン版でスクリーン印刷した。印刷に使用したカーボンペースト(抵抗体)の粘度をピスコテスターVT−04で測定したところ、700ポイズ前後であった。また、抵抗素子電極(導電層)間に挟まれる抵抗体の設計寸法は幅1.0mm、長さ1.34mmであった。
このようにして抵抗体が印刷された基板を90℃で30分間乾燥させた後、200℃で1時間硬化させた。硬化後の抵抗体の膜厚を測定したところ、膜厚は約20μmであった。この基板を、メックエッチボンドCZ−8101{メック社製}で処理して銅箔を粗面化した後、実施例1の製造方法と同様の方法で絶縁層及び導体回路等を形成し、絶縁層内に抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した。
[実施例3]
実施例1に対して、導電層の粗面化処理を不十分にした場合に抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した例である。
始めに、実施例1と同じ両面銅張積層板(第1金属層){三菱ガス化学社製}に実施例1と同様にして導体回路(第1配線層)及び抵抗素子電極(導電層)を形成した。この時、それぞれの抵抗素子電極(導電層)の抵抗体長さ方向の設計値は200μmであった。この基板にめっきレジストRY−3225{日立化成工業社製}をロールラミネータでラミネートした後、レジストを露光・現像して、抵抗素子電極(導電層)部分のみを開口させた。さらに、この抵抗素子電極(導電層)をハーフエッチングして厚さ約10μmとした後、メックエッチボンドCZ−8101{メック社製}で、Ra=0.5μmとなる条件で粗面化処理した。この基板を置換型無電界銀めっきIM−SILVER{日本高純度化学社製}にて処理を行い、抵抗素子電極(導電層)を厚さ0.3μmの銀めっき(貴金属層)で皮膜した。 めっきレジストを剥離した後、カーボンペーストTU−100−8(抵抗体){アサヒ化学研究所社製}を抵抗素子電極と200μmづつ重なるように200メッシュステンレスクリーン版を用いてスクリーン印刷した。印刷に使用したカーボンペースト(抵抗体)の粘度をビスコテスターVT−04で測定したところ、700ポイズ前後であった。また、抵抗素子電極(導電層)間に挟まれる抵抗体の設計寸法は幅0.5mm、長さ0.67mmであった。
このようにして印刷された抵抗ペースト(抵抗体)を90℃で30分間乾燥させた後、200℃で1時間硬化させた。硬化後の抵抗体の膜厚を測定したところ膜厚は約20μmであった。この基板を、メックエッチボンドCZ−8101{メック社製}で処理して、銅箔を粗面化した後、実施例1の製造方法と同様の方法で絶縁層及び導体回路等を形成し、絶縁層内に抵抗素子を内蔵したプリント配線板を製造した。
◇実施例の測定結果
実施例1の測定結果は、図5に示すように、比較例1と比較して、極めて良い測定値を示している。
具体的には、設計値100Ωにおける実施例1の平均抵抗値は97.2Ωであり、比較例1は78Ωである。また、実施例1の標準偏差σの値は5.4であり、比較例1は14.54である。また、実施例1の3σの値は16.2であり、比較例1は43.62である。
これにより、実施例1は、比較例1よりも、高い精度で抵抗体を印刷でき、段差や凹凸に起因した信頼性(印刷精度)の低下を阻止することを確認できた。
実施例1の素子占有面積の値は2.436mmであり、比較例1は4.572mmである。これにより、実施例1は、比較例1よりも、抵抗体の大きさを縮小しても精度良く印刷できることを確認できた。
実施例1の高温高湿試験に対する抵抗値変化は2.1%であり、比較例1は2.1%である。これにより、実施例1は、比較例1と同程度に、高温高湿条件下の界面の腐食等による抵抗値の増大を阻止できることを確認できた。
40個のサンプル数における実施例1の絶縁信頼性試験に対する不良発生数は0個であり、比較例1は29個である。これにより、実施例1は、比較例1とは異なり、寿命による劣化を阻止できることを確認できた。
100個のサンプル数における実施例1のTCT試験に対する不良発生数は0個であり、比較例1は26個である。これにより、実施例1は、比較例1とは異なり、温度変化によるクラックを抑制できることを確認できた。
以上示したように、本発明によれば、従来の抵抗素子を内蔵したプリント配線板に比べて、抵抗素子のサイズを縮小でき、且つ段差や凹凸に起因した信頼性の低下を阻止できるプリント配線板及びその製造方法を提供することができた。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の一実施形態に係るプリント配線板の構造の一例を示す断面図である。 同実施形態に係るプリント配線板の構造の一例を概念的に示す上面図である。 同実施形態に係るプリント配線板の製造方法を示す工程断面図である。 同実施形態に係るプリント配線板の製造方法を示す工程断面図である。 同実施形態に係るプリント配線板の実施例及び比較例の結果を示す図である。 従来のプリント配線板の構造を示す断面図である。 従来のプリント配線板の構造を示す断面図である。
符号の説明
10・・・プリント配線板、11・・・抵抗素子、20・・・基板、30・・・絶縁層、40A,40B・・・第1配線層、41・・・第1金属層、50A,50B・・・導電層、60A,60B・・・貴金属層、70・・・抵抗体、80A,80B・・・接続層、81A,81B・・・ビアホール、90A,90B・・・第2配線層、91・・・第2金属層、100・・・めっきレジスト、101・・・開口部。

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板上に選択的に形成された1対の配線層と、
    前記各配線層の一部がハーフエッチングされて形成された1対の導電層と、
    前記各導電層を被覆するようにめっき形成された1対の貴金属層と、
    前記各導電層を電気的に接続するように前記各貴金属層上及び前記導電層間の基板上に選択的に印刷されて形成された抵抗体と
    を有することを特徴とするプリント配線板。
  2. 請求項1に記載のプリント配線板において、
    前記各貴金属層は銀めっき膜からなることを特徴とするプリント配線板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプリント配線板において、
    前記各導電層の表面は粗面化処理されていることを特徴とするプリント配線板。
  4. 基板上に選択的に1対の配線層を形成する工程と、
    前記各配線層の一部を露出させる第1開口部を有して前記各配線層を被覆するレジスト層を前記基板上に選択的に形成する工程と、
    前記第1開口部内の前記各配線層をハーフエッチングして1対の導電層を形成する工程と、
    前記ハーフエッチングされた各導電層の一部に1対の貴金属層を形成する工程と、
    前記貴金属層の形成後、前記レジスト層を除去する工程と、
    前記各導電層間の基板上及び前記各貴金属層上に抵抗体を形成する工程と
    を備えたことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  5. 請求項4に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記各貴金属層を形成する工程は、当該各貴金属層としての銀めっき膜を銀めっき処理により形成する工程を含んでいることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載のプリント配線板の製造方法において、
    前記ハーフエッチングする工程と前記貴金属層を形成する工程との間に、前記ハーフエッチングされた各導電層を粗面化処理する工程を更に具備したことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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