JP2007088207A - 抵抗素子を有するプリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗素子を有するプリント配線板であって、絶縁層上への抵抗素子形成後、絶縁樹脂による被覆前に施される表面処理工程において、局部電池作用による配線の断線あるいは露出している銀電極の腐食を防止し、従って抵抗値の変動を抑えた抵抗素子を提供する。
【解決手段】少なくとも1本以上の配線途中に当該配線の一部である電極部と電極部間を接続する厚膜抵抗体からなる抵抗素子を具備するプリント配線板であって、前記抵抗素子の電極部は置換型無電解銀めっき皮膜により被覆され、前記銀めっき皮膜にて被覆された電極部は前記厚膜抵抗体により被覆されることを特徴とする抵抗素子を有するプリント配線板とする。
【選択図】図3

Description

本発明は抵抗素子をあらかじめ作り込んだプリント配線板およびその製造方法に関するものである。
近年、ディジタル信号の低電圧/高速化によるオーバーシュート/アンダーシュート軽減を目的として配線路の途中にダンピング抵抗を設置する技術が一般的になっており、クロック周波数の増加に伴う抵抗素子の設置数も増加している。
このような抵抗は0603サイズなど小型抵抗チップの表面実装が一般的であるが、抵抗素子数の増加により、プリント配線板表面を占有する面積が広がり、小型化の障害となっている。一方、プリント配線板の表面及び内部の配線に抵抗素子を作り込む方式が報告されており、先述の問題を解決できる技術として注目されている。プリント配線板に作り込む抵抗素子の種類としては一対の電極間にカーボン抵抗材料をスクリーン印刷等によって部分的に印刷して厚膜抵抗体を形成し抵抗素子とする方法、および一対の電極間に抵抗値の高い金属被膜および無機系材料をめっきあるいはスパッタリング等により形成して薄膜抵抗体とする方法がある。前者の方が工程も少なく低コストで作製できるという利点がある。
しかしながら、前述の方法で抵抗素子を形成した場合、銅配線からなる電極部12と抵抗体11が直接接触するため(図1)界面における接触抵抗の影響が大きく、例えば高温高湿条件化(温度=85℃,相対湿度=85%)では界面の腐食等により抵抗値が大きく増加することが報告されている。(参考文献1)
この問題を回避すべく銅からなる電極部22と抵抗体21間に電気接続性に優れた銀ペースト24を挟み界面の接触抵抗を低下させた構造の抵抗素子(図2)や銅電極部に銀めっき処理を施した抵抗素子が報告されている(例えば非特許文献1、特許文献1および特許文献2参照)。
しかし、電極部を覆うように銀ペーストを積層し、その上に抵抗体をペースト状の抵抗材料を用いてスクリーン印刷により形成している場合、印刷条件の制御が難しく、銀ペースト上に印刷した抵抗材料のかすれ、にじみ等の印刷不良が生じやすく、抵抗値に大きなバラツキが生じる問題がある。また、銀ペースト−配線、銀ペースト−銀ペースト間においてエレクトロマイグレーションが発生し、ショート、断線不良が発生するという問題があった。エレクトロマイグレーションとは配線間に直流電圧を印可した場合、金属原子が電子の衝突により移動する現象であり、隣り合う配線や銀ペーストパターンとショートする場合がある。さらに、絶縁樹脂積層前に実施する配線層の表面粗化処理において銀ペーストまたは銀めっき形成領域と銅配線の境界部において局部電池作用により銅配線のエッチングレートが異常に早くなり断線が発生する問題点がある。
また、図3(c)のように抵抗体と接続される電極部の幅が抵抗体の幅より広い場合、プリント配線板製造工程において実施される様々な表面処理工程において、露出している銀電極部が腐食され、腐食が進行すると抵抗体と電極の接続界面を破壊し、抵抗値変動の原因となる問題がある。
さらに抵抗材料をスクリーン印刷にてパターン形成する場合、ある線幅以下になると寸法精度良く形成することができない。さらに、抵抗材料の線幅が細いと耐電圧が低下するという問題がある。
また、銅電極部に銀めっき処理を施した後、カーボン抵抗材料をスクリーン印刷し、抵抗素子を形成する方法が報告されている(特許文献2参照)が、これらカーボン抵抗材料は吸湿による抵抗値上昇が発生し保証温度範囲内(例えば−30℃〜+85℃)において許容範囲(例えば公称値の±10%)を越える抵抗値になる不具合が生じる。
特開平11−340633号公報 特開平11−4056号公報 師岡 功:「埋め込み受動素子技術に使用されるポリマー抵抗体」エレクトロニクス実装学会誌,Vol.6,No.4,p.294−299,2003
以上述べたように、本発明の第一の課題は、接触抵抗軽減のため形成した銀電極上にスクリーン印刷により抵抗ペーストを配置する際のかすれ、にじみ等の印刷不良を防止するとともに、エレクトロマイグレーションの発生及びそれに起因する断線を防止することである。
また、本発明の第二の課題は、プリント配線板製造工程で施される表面処理工程において、局部電池作用による配線の断線あるいは露出している銀電極の腐食を防止し、従って抵抗値の変動を抑えた抵抗素子を提供することである。
さらに、本発明の第三の課題は、吸湿とともに上昇する抵抗材料の抵抗値を保証温度範囲内(例えば−30℃〜+85℃)において許容範囲内(例えば公称値の±10%)に納めることである。
上記課題を解決するためになされた第一の発明は、少なくとも1本以上の配線途中に当該配線の一部である電極部と電極部間を接続する厚膜抵抗体からなる抵抗素子を具備するプリント配線板であって、前記抵抗素子の電極部は置換型無電解銀めっき皮膜により被覆され、前記銀めっき皮膜にて被覆された電極部は前記厚膜抵抗体により被覆されることを特徴とする抵抗素子を有するプリント配線板である。
この発明によれば配線の一部である抵抗素子の電極部と厚膜抵抗体の間に置換銀めっきが施されている為、抵抗体と電極部界面における接触抵抗の増大に伴う抵抗値変動を抑制することが可能となる。
また、抵抗素子の電極部上に形成される置換型無電解銀めっき皮膜は銀ペーストによって電極部上に皮膜を形成する場合と比較して電極部領域の厚みを薄くできるため従来の様に抵抗材料印刷時におけるかすれ、にじみ等の印刷不良を軽減することが可能となる。さらにエレクトロマイグレーションを発生しやすい銀めっき皮膜を抵抗体で被覆している(図3(a)(b)参照)ためエレクトロマイグレーションによる断線またはショート等の不良、および、プリント配線板の製造工程における様々な表面処理工程において電極部分が腐食される事による電極部/抵抗体界面劣化による抵抗値上昇を防ぐことが可能となる。
第二の発明は、前記厚膜抵抗体の幅は電極部の幅より広いことを特徴とする請求項1に記載の抵抗素子を有するプリント配線板である。
この発明によれば厚膜抵抗体の印刷位置ズレマージンを抵抗体の幅で設定でき、さらに抵抗体の線幅を広く設定できるため、抵抗素子の耐電圧を向上させる効果がある。
第三の発明は、前記厚膜抵抗体は少なくとも熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させた抵抗材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の抵抗素子を有するプリント配線板である。
この発明によれば一般に高温焼成が必要とされる抵抗体形成を上記熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させた抵抗材料を用いることで250℃以下の低い温度で焼成でき、耐熱性の低い有機基板上における抵抗素子形成が可能となる。
第四の発明は、前記抵抗材料は負の温度特性を有することを特徴とする請求項3に記載の抵抗素子を有するプリント配線板である。
この発明によれば負の温度特性を有する抵抗材料を用いて厚膜抵抗体を形成することで、湿度が上昇しやすい高温では吸湿に伴う抵抗値上昇を温度特性により相殺でき、湿度が低下しやすい低温では逆に抵抗値低下を相殺することが可能な抵抗体となる。
第五の発明は、前記銀めっき皮膜の厚みが0.3μm以上、1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の抵抗素子を有するプリント配線板である。
この発明によれば高温高湿試験(85℃、85%、1000h)においても銅などの電極部と抵抗体界面における接触抵抗の上昇が抑制され、抵抗値変動を極小にすることが可能となる。
第六の発明は、前記厚膜抵抗体は最高到達温度が180℃以上となるような温度条件下で処理して抵抗体とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の抵抗素子を有するプリント配線板の製造方法である。
一般的な多層プリント配線板用絶縁材料の硬化温度以上で抵抗材料を硬化させることにより抵抗素子の形成後、プリント配線板への内蔵前後での抵抗値変化を少なくすることができる。
本発明によれば抵抗体と銅などの電極部との界面に置換型無電解銀めっき皮膜が形成されているため接触抵抗増大による抵抗値の経時変動を抑制することが可能となる。さらに電極部上に形成された銀めっき被膜は抵抗体により被覆されているため銀めっき皮膜のエレクトロマイグレーションが抑制可能となり、さらに、上層積層工程前に実施する配線層粗化工程において局部電池作用に伴う銅配線部の断線を防ぐことが可能となる。
また、電極部は完全に抵抗体により被覆されているので電極/抵抗材料界面の腐食による抵抗所値上昇も防ぐことが可能となる。
抵抗材料の硬化処理後、抵抗体はその硬化処理温度よりも高い温度に晒されることがないため、架橋の進行による抵抗値の変動を抑えることができる。
さらに、抵抗材料が負の温度特性を有する為、抵抗体の吸湿に伴う抵抗値変動を相殺することが可能となる。
以下、本発明の実施形態の一例について図を用いて説明する。
図3(a)は本発明の抵抗素子を有するプリント配線板が具備する抵抗素子構成を断面で示した模式図であり、図3(b)のA−B線における断面図である。
図3(b)は本発明の抵抗素子を有するプリント配線板の抵抗素子部分の上視模式図である。
図3(c)は従来の抵抗素子を有するプリント配線板の抵抗素子部分の上視模式図である。
本発明における抵抗素子を有するプリント配線板(300a)ではプリント配線板を構成する任意の絶縁層(33)上に配線(34)とともに設けられた抵抗素子の電極部(35)上に置換型無電解めっきによって銀めっき皮膜(32)が形成されている。抵抗素子電極部間には抵抗体(31)が当該電極部を電気的に接続し、さらに電極部及びこれを被覆する銀めっき皮膜を被覆するように配置された構造となっている(図3(b)参照)。つまり、抵抗素子の電極部(35)の表面が銀めっき皮膜(32)により被覆されているため、銅などの電極部の酸化による接触抵抗増加を抑制でき、エレクトロマイグレーションを防止することができる。さらに銀めっき皮膜で被覆された電極部が抵抗体により被覆されているため、配線等の導体層の表面粗化処理において銀めっき/銅配線境界部における局部電池作用による導体層の断線を防止することができるというものである。
抵抗素子の抵抗値は電極部幅、電極部間距離及び抵抗体の厚み、抵抗体の比抵抗で規定される。同じ電極部間距離において同じ抵抗材料を用いて抵抗体を形成した場合、抵抗素子の抵抗値は抵抗体と電極部の接触長さC(図3(b))及び抵抗体厚みによって規定される。本発明の抵抗素子は、抵抗体の幅が電極部幅より広く、かつ電極部間距離より長く電極部を覆うように形成されており、スクリーン印刷時の位置ズレを許容できる構造となっている。図3(c)の様に抵抗体の幅と電極部の幅を入れ替えた構造でも抵抗体と電極部の接触長さCは変わらないため同じ抵抗値を得ることができるが、本発明の図3(b)の構造の方が抵抗体の幅が広いため、耐電圧を高くすることが可能となる。
本発明の抵抗素子を構成する抵抗体は、ペースト状の抵抗材料をディスペンサーを用いたり、スクリーン印刷等により所定の場所に部分的に配置し、これを加熱硬化することによって形成される厚膜抵抗体である。本発明における抵抗材料は熱硬化性樹脂と導電性フィラーを主成分としたものであることが好ましい。熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、およびこれらを変性した樹脂、またはこれら樹脂と熱可塑性樹脂の混合物等を用いることができる。中でも基材との密着性、耐薬品性、コストの点からエポキシ樹脂もしくはフェノール樹脂を用いることが好ましい。導電性フィラーとしてはケッチェレンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、活性炭素等安価なカーボンを用いることが好ましい。導電性フィラー以外にシリカ等無機フィラーが加えてあっても良い。市販のカーボンペーストをそのまま使用することもできる。
本発明の抵抗素子が具備する抵抗材料は負の温度特性を持たせることが好ましい。これにより、湿度が上昇しやすい高温状態では吸湿に伴う抵抗値上昇を温度上昇に伴う抵抗値低下により相殺でき、湿度が低下しやすい低温では逆に抵抗値低下を相殺することが可能となる。
抵抗体の温度特性を負にするには導電性フィラーの種類を変更すれば良く、具体的にはカーボン等導電性フィラーのストラクチャー(連鎖)が小さい物を選定することが好ましい。ストラクチャーとは微球状の1次粒子が不規則な鎖状に枝分かれした複雑な凝集構想のことであり、DBP(ジブチルフタレート)吸油量を測定することで大きさを比較することができる。
本発明における抵抗素子は配線の一部を電極部として用い、この電極部上に置換型無電解銀めっき皮膜を介して抵抗体が形成されている。置換型無電解銀めっき皮膜の厚みは0.3μm以上、1μm以下であることが好ましい。これは銀めっき皮膜の厚みが0.3μm以下であると抵抗体と電極部間の接触抵抗を十分に下げることができず、1μm以上になると接触抵抗を下げる効果に有意差が無くなるためである。
本発明のプリント配線板の有する抵抗素子は、当該プリント配線板の表層に設けることも可能であるが、特にプリント配線板に内蔵する用途に適している。この場合、任意の絶縁層上に抵抗素子を形成した後、この上に絶縁樹脂をを積層して上層の絶縁層とする。ここにおいて用いることのできる絶縁樹脂はプリプレグ、樹脂付き銅箔、ビルドアップ用絶縁樹脂フィルムあるいはワニス、ソルダーレジストのいずれの形態であってもかまわないが、抵抗素子の埋め込み性、作業性を考慮するとビルドアップ絶縁樹脂フィルムを用いることが好ましい。
ここで、一般にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂は硬化温度が高くなるほど架橋密度が高くなる傾向が有り、例えば一度硬化させた抵抗体をさらに高い温度で加熱すると熱硬化性樹脂の硬化が進行し、抵抗値が下がる傾向にあることから、抵抗素子上への絶縁層の形成前後における抵抗値変化を少なくするため絶縁樹脂のプレス・ラミネート・硬化における最高到達温度は抵抗材料の硬化時における最高到達温度より低くし、また抵抗材料と絶縁樹脂はこの点を考慮して選択することが好ましい。
ここで図4(a)〜(g)に従って本発明の抵抗素子を有するプリント配線板の製造工程について説明する。
まず、絶縁層上に導電性材料によって配線及び配線の一部からなる抵抗素子の電極部を形成する。これは、例えば市販の両面銅箔付き絶縁樹脂を用いることができる。
この銅箔上に所定のパターンのエッチングレジストを配置する。例えばドライフィルムレジストをラミネートし、マスク露光、現像を行うことで、配線と配線の一部である電極部に対応するレジストパターンを得ることができる。
次いで銅箔のパターンエッチングを行い、レジストを剥離することで、配線41a及び配線の一部である電極部41bを絶縁層42上に形成する(図4(a))。
こうして形成した配線等の上に電極部に対応するパターンのレジスト43を形成する。この形成方法は配線等についてと同様、例えばドライフィルムレジストをラミネートして積層し、マスク露光、現像を行うことで電極部のみが開口したレジストパターンを得ることができる(図4(b))。
開口部から露出する電極部に対して置換型無電解銀めっきを施し、銀めっき皮膜を形成する。この置換型無電解銀めっきには市販の置換型無電解銀めっき用めっき液を用いることができる(図4(c))。
銀めっき後、レジストをアルカリ等で剥離して電極部への銀めっき皮膜形成を完了する(図4(d))。
このようにして銀めっきを施した電極部を接続するように、抵抗材料をディスペンサーを用いたり、スクリーン印刷等により所定の場所に部分的に配置し、これを加熱硬化することによって硬化して抵抗体を形成する(図4(e))。抵抗材料の配置方法は所定の場所に部分的に配置できればよく、スクリーン印刷法が、精度及び作業効率の観点から好ましい。
抵抗材料は置換銀めっき皮膜の形成された電極部を被覆するように形成する。銀めっき皮膜と、皮膜の下層の銅との境界線が露出しないように形成されていればよい。また、抵抗体の加熱硬化温度は、抵抗素子を具備するプリント配線板が完成するまでに晒されることになる熱履歴よりも高い温度であることが好ましく、例えば抵抗素子をプリント配線板内に内蔵する場合には、上層に積層される絶縁樹脂の硬化温度よりも高い温度で硬化を行うことが好ましい。
その後、抵抗素子の上に絶縁層やソルダーレジスト等絶縁樹脂を積層する場合は絶縁樹脂との密着性向上のために抵抗素子も含む配線に粗面化処理を施す。粗面化処理には黒化処理やCZ処理が挙げられる。本発明の抵抗素子では電極部に施された置換銀めっき皮膜が抵抗体で被覆されているため、電極部の腐食を防ぐことができる。
抵抗素子を内蔵するプリント配線板とするためには、こうして形成した抵抗素子の上に絶縁樹脂を積層して絶縁層を形成する。絶縁樹脂としては例えば通常のプリント配線板の絶縁層として用いるプリプレグを積層し、抵抗体の硬化温度よりも低い温度で加熱硬化を行う。
その後、抵抗素子及び内部の配線と導通を図るためのビアホールを形成し、フィルドビアめっきの後パターンエッチングを行うことで抵抗素子の上層にも配線を形成する(図4(f))。このようにして所定の層だけ絶縁層と配線層を形成し、最後にソルダーレジストをパターン状に形成、端子部にニッケル−金めっきを施すことで抵抗素子を内蔵する多層プリント配線板とすることができる(図4(g))。
以下に実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各実施例及び比較例で製造した抵抗素子を有するプリント配線板について抵抗値測定、高温高湿試験、高温高湿バイアス試験、耐電圧測定を行い、抵抗素子の特性について評価した。
<抵抗値測定>
抵抗値が100Ωとなるよう設計した各実施例および比較例で製造した抵抗素子それぞれ100個について、デジタルマルチメーターにて抵抗値測定を行い平均抵抗値、標準偏差(σ)、3σの値を算出し抵抗値のバラツキを評価した。
また、これら各100個の抵抗素子について、動作保証温度範囲(−30℃〜+65℃)における抵抗値を測定し、23℃、40%RHにおける抵抗値からの変動率を算出した。
<高温高湿試験>
各実施例および比較例で製造した抵抗素子について23℃、40%RHにおける抵抗値を基準として85℃,85%RHに1000時間保持し、試験前後の抵抗値変動量を算出した。
<高温高湿バイアス試験>
各実施例および比較例で製造した抵抗素子について85℃、85%の環境下で隣り合う素子間に11Vの電圧を印可する高温高湿バイアス試験を1000時間行い、隣り合う素子間の絶縁抵抗値を測定しマイグレーション耐性を評価した。
<耐電圧測定>
各実施例および比較例で製造した抵抗素子について電圧を2秒間印可した後、抵抗値を測定し初期値との差が1%以内となる負荷電圧を耐電圧とし、評価した。
[実施例1]
以下の実施例により本発明を詳細に説明する。
図4(a)〜(g)は本発明の抵抗素子を有するプリント配線板における工程の一部を断面で示した模式図である。
まず、両面銅箔付き絶縁樹脂基板(商品名:CCL−HL830 三菱ガス化学製)を準備した。
次いでドライフィルムレジスト(商品名:RY3215 日立化成製)をロールラミネーターにて熱圧着して貼り付け、フィルムマスクを用いた露光、現像により配線と配線の一部である電極部に対応するパターンを得た。
さらに銅箔のパターンエッチングを行い、レジストを剥離することで、配線41a及び配線の一部である電極部41bを絶縁層42上に形成した(図4(a))。
こうして形成した配線等の上にドライフィルムレジスト(商品名:RY3215 日立化成製)をロールラミネーターにて熱圧着して貼り付け、フィルムマスクを用いた露光、現像により抵抗素子の電極部に対応するパターンを得た。(図4b)。
次に10wt%、液温25℃の硫酸水溶液にて1分間の酸洗浄を行い、純水で洗浄後、プリディップ(商品名:SSP−700P 四国化成製)、液温40℃にて40秒間浸漬し、置換銀めっき(商品名:SSP−700 四国化成製)、液温40℃にて5分間の処理を施した(図4(c))。その後、ドライフィルムレジストを5wt%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して剥膜し、抵抗素子電極部に約0.5μm厚の置換型無電解銀めっき皮膜を形成した。(図4(d))
次に抵抗材料として、温度特性が負の特性を有するカーボンペースト(商品名:TU−100−8 アサヒ化学研究所製)を用い、200メッシュ(網目を形成するSUS(ステンレス)の本数が200本/1インチ)、SUS線径40μmのステンレスメッシュ版を使用して先ほど置換銀めっきを施した電極部間を電気的に接続できるようにスクリーン印刷した。この際、置換銀めっき皮膜を設けた電極部及び当該電極部と配線との境界部分は抵抗材料で被覆されるように抵抗材料を配置した。印刷に使用したカーボンペーストの粘度を回転粘度計(商品名:ビスコテスターVT−04 リオン製)にて測定したところ700dPa・s前後であった。また、前記一対の電極部間に挟まれる抵抗体の設計値は電極部幅0.1mm、電極部間距離0.3mm、抵抗体厚み0.03mm、抵抗体の幅は0.2mmであった。このようにして抵抗体が印刷された基板を90℃で30分間乾燥させた後、さらに200℃で2時間の焼成を施した(図4(e))。
前述のように抵抗素子を形成した基板にCZ処理を施した。その後、絶縁樹脂としてプリプレグ(商品名:GHPL−830 三菱ガス化学製)を用いて真空プレス機にて貼り合わせ、180℃で加熱硬化して絶縁層46を形成した。その後、内層の抵抗素子及び配線と導通を取るためのビアホールを形成し、めっき、配線形成、ソルダーレジストパターン形成、端子部へのニッケル−金めっき仕上げを施し抵抗素子を有するプリント配線板を製造した。
こうして形成された抵抗素子はスクリーン印刷による抵抗値の作り込み精度に優れ、高温高湿試験においても抵抗値変動が小さく、さらに高温高湿バイアス試験においてもエレクトロマイグレーションによるショート及び断線不良は確認されなかった。CZ処理後の銅配線の腐食も観察されなかった。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で両面銅箔付き絶縁樹脂基板を用い、抵抗素子の電極、および配線パターンを形成した。次に銀ペースト(商品名:LS−504J アサヒ化学研究所製)を200メッシュ、線径40μmのステンレスメッシュ版を用いてスクリーン印刷により抵抗素子の電極部上に銀ペーストパターンを形成した。このように銀ペーストパターンが形成された基板を90℃で30分間乾燥させた後、さらに150℃で30分間の焼成を施した後に銀ペースト硬化物の厚みを測定したところ約20μmの厚みを有していた。次に抵抗材料として温度特性が負の特性を有するカーボンペースト(商品名:TU−100−8 アサヒ化学研究所製)を用い、200メッシュ、線径40μmのステンレスメッシュ版を使用して先ほど銀ペーストパターンで被覆した電極部間を電気的に接続できるようにスクリーン印刷した。このとき、銀ペーストパターンと配線との境界部分は抵抗材料で覆われていなかった。印刷に使用したカーボンペーストの粘度を回転粘度計(商品名:ビスコテスターVT−04 リオン製)にて測定したところ700dPa・s前後であった。また、前記一対の電極部間に挟まれる抵抗体の設計値は電極部幅0.3mm、電極部間距離0.3mm、抵抗体厚み0.03mm、抵抗体の幅は0.1mmであった。このようにして抵抗体が印刷された基板を90℃で30分間乾燥させた後、さらに200℃で2時間の焼成を施した。
こうして抵抗素子を形成した基板上に以下実施例1と同様の方法で絶縁層を形成し、導通を図り、配線等の形成を行って抵抗素子を内蔵するプリント配線板を製造した。
こうして形成された抵抗素子は表1に示すように作り込み精度が悪く、さらに線間絶縁信頼性に関しては高温高湿バイアス試験により抵抗素子に使用されている銀ペーストがエレクトロマイグレーションにより移動し、ショート不良を起こす素子があることが確認された。また抵抗素子形成後のCZ処理によって電極部と配線部の境界が腐食していることが確認できた。これらの結果より実施例1の構造を有する抵抗素子を有するプリント配線板が加工精度、信頼性の点で優れていることが理解できる。
(比較例2)
実施例1において、電極部に置換銀めっきを施さない他は同様に抵抗素子を形成し、プリント配線板に内蔵した。このようにして得られた抵抗素子は表1に示すように高温高湿試験において接触抵抗が増大するため抵抗値の変動が大きく信頼性が悪いことがわかった。
(比較例3)
比較例1に記載の抵抗素子において電極部に銀ペーストパターンを形成する代わりに実施例1と同様の方法にて置換型無電解銀めっき皮膜を形成し、あとは比較例1と同様に抵抗体を形成した。このとき、比較例1と同様銀ペーストパターンと配線との境界部分は抵抗材料で覆われていなかった。このようにして得られた抵抗素子は表1に示すように、プリプレグを積層する前に実施した配線パターンの粗面化のためのCZ処理により露出している電極部が腐食され、また高温高湿バイアス試験において抵抗値変動が大きく、エレクトロマイグレーションがおきていることがわかった。
また、電極部の幅が抵抗体の幅よりも広いため耐電圧も実施例1と比較して低いことがわかった。
(比較例4)
実施例1に記載の抵抗素子において抵抗材料の種類を温度特性が正の温度特性を有する抵抗材料(商品名:RS−15112 ESL製)に変更して、抵抗素子を有するプリント配線板を製造した。このようにして得られた抵抗素子は表1に示すように高温高湿試験時における抵抗値変化が大きいことがわかった。
Figure 2007088207
電極部上に直接抵抗体を形成した従来の抵抗素子を有するプリント配線板の例を示す断面模式図である。 電極部上に銀ペーストを介して抵抗体を形成した従来の抵抗素子を有するプリント配線板の例を示す断面模式図である (a)本発明の抵抗素子を有するプリント配線板の1実施例を示す抵抗素子であり、図3(b)のA−B線における断面図である。 (b)本発明の抵抗素子を有するプリント配線板の1実施例を示す抵抗素子の上面模式図である。 (c)抵抗素子の電極部の幅が抵抗体の幅より広い従来の抵抗素子の例を示す上面模式図である。 本発明の抵抗素子を有するプリント配線板の製造工程の説明図である。
符号の説明
11,21・・・・・・・抵抗体
12,22・・・・・・・電極部
13,23・・・・・・・絶縁層
24・・・・・・・・・・銀ペースト
300a・・・・・・・・抵抗素子を有するプリント配線板
300b・・・・・・・・抵抗素子を有するプリント配線板
300c・・・・・・・・抵抗素子を有するプリント配線板
31・・・・・・・・・・抵抗体
32・・・・・・・・・・銀めっき皮膜
33・・・・・・・・・・絶縁層
34・・・・・・・・・・配線
35・・・・・・・・・・電極部
41a・・・・・・・・・配線
41b・・・・・・・・・電極部
42・・・・・・・・・・絶縁層
43・・・・・・・・・・レジスト
44・・・・・・・・・・銀めっき皮膜
45・・・・・・・・・・抵抗体
46・・・・・・・・・・絶縁層
47・・・・・・・・・・ビアホール
48・・・・・・・・・・ソルダーレジスト
A−B・・・・・・・・・切断線
C・・・・・・・・・・・抵抗体と電極部の接触長さ

Claims (6)

  1. 少なくとも1本以上の配線途中に当該配線の一部である電極部と電極部間を接続する厚膜抵抗体からなる抵抗素子を具備するプリント配線板であって、前記抵抗素子の電極部は置換型無電解銀めっき皮膜により被覆され、前記銀めっき皮膜にて被覆された電極部は前記厚膜抵抗体により被覆されることを特徴とする抵抗素子を有するプリント配線板。
  2. 前記厚膜抵抗体の幅は電極部の幅より広いことを特徴とする請求項1に記載の抵抗素子を有するプリント配線板。
  3. 前記厚膜抵抗体は少なくとも熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させた抵抗材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の抵抗素子を有するプリント配線板。
  4. 前記抵抗材料は負の温度特性を有することを特徴とする請求項3に記載の抵抗素子を有するプリント配線板。
  5. 前記銀めっき皮膜の厚みが0.3μm以上、1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の抵抗素子を有するプリント配線板。
  6. 前記厚膜抵抗体は最高到達温度が180℃以上となるような温度条件下で処理して抵抗体とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の抵抗素子を有するプリント配線板の製造方法。
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KR100874090B1 (ko) 2007-07-26 2008-12-16 트리포드 테크놀로지 코포레이션 내장수동소자의 제조방법과 그 구조

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