JP2007088208A - 抵抗素子を有するプリント配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗素子を有するプリント配線板であって、絶縁層上への抵抗素子形成後、絶縁樹脂による積層工程において、熱履歴による抵抗値変動を抑えた抵抗素子を提供する。
【解決手段】少なくとも1本以上の配線途中に当該配線の一部である電極部と電極部間を接続する厚膜抵抗体からなる抵抗素子を具備するプリント配線板であって、前記厚膜抵抗体は少なくとも熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させた負の温度特性を有する抵抗材料により形成されていることを特徴とする抵抗素子を有するプリント配線板とする。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも1本以上の配線途中に当該配線の一部である電極部と電極部間を接続する厚膜抵抗体からなる抵抗素子を具備するプリント配線板であって、前記厚膜抵抗体は少なくとも熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させた負の温度特性を有する抵抗材料により形成されていることを特徴とする抵抗素子を有するプリント配線板とする。
【選択図】図1
Description
本発明は抵抗素子をあらかじめ作り込んだプリント配線板およびその製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化・軽量、高機能化を目的としてプリント配線板の内部に抵抗、キャパシタ、インダクタ等の受動素子を作り込む技術が提案されている。
このような受動部品内蔵技術において抵抗素子に着目すると0603サイズなど小型抵抗チップをプリント配線板の内部に設置する技術が提案されているが、このような部品は100μm以上の厚みを有する為、多層プリント配線板の層間に設置することが困難であり、プリント配線板の小型化、軽量化障害となっている。一方、プリント配線板の表面及び内部の配線に抵抗素子を作り込む方式が報告されており、先述の問題を解決できる技術として注目されている。プリント配線板に作り込む抵抗素子の種類としては一対の電極間にカーボン抵抗材料をスクリーン印刷等によって部分的に印刷して厚膜抵抗体を形成し抵抗素子とする方法(特許文献1参照)、および一対の電極間に抵抗値の高い金属被膜および無機系材料をめっきあるいはスパッタリング等により形成して薄膜抵抗体とする方法がある。前者の方が工程も少なく低コストで作製できるという利点がある。
しかしながら、これらカーボン抵抗材料は吸湿による抵抗値上昇が発生し保証温度範囲内(例えば−30℃〜+85℃)において許容範囲(例えば公称値の±10%)を越える抵抗値になる問題がある。
また、抵抗素子を形成した後、プリント配線板への内蔵前後における熱履歴により抵抗値が許容範囲内(例えば公称値の±5%)を越えた抵抗値になる問題がある。
特開平11−4056号公報
また、抵抗素子を形成した後、プリント配線板への内蔵前後における熱履歴により抵抗値が許容範囲内(例えば公称値の±5%)を越えた抵抗値になる問題がある。
以上述べたように、本発明の第一の課題は、吸湿とともに上昇する抵抗材料の抵抗値を保証温度範囲内(例えば−30℃〜+85℃)において許容範囲内(例えば公称値の±10%)に納めることである。
また、本発明第2の課題は抵抗素子を形成したプリント配線板上に絶縁層を積層する際の熱履歴による抵抗値変動を許容範囲内(例えば公称値の±5%)に納めることである。
また、本発明第2の課題は抵抗素子を形成したプリント配線板上に絶縁層を積層する際の熱履歴による抵抗値変動を許容範囲内(例えば公称値の±5%)に納めることである。
上記課題を解決するためになされた第一の発明は、少なくとも1本以上の配線途中に当該配線の一部である電極部と電極部間を接続する厚膜抵抗体からなる抵抗素子を具備するプリント配線板であって、前記厚膜抵抗体は少なくとも負の温度特性を有する抵抗材料により形成されていることを特徴とする抵抗素子を有するプリント配線板である。
この発明によれば負の温度特性を有する抵抗材料を用いて厚膜抵抗体を形成することで、湿度が上昇しやすい高温では吸湿に伴う抵抗値上昇を温度特性により相殺でき、湿度が低下しやすい低温では逆に抵抗値低下を相殺することが可能な抵抗体となる。
第二の発明は、前記厚膜抵抗体の温度特性は−100ppm/℃〜−1500ppm/℃の特性を有し、湿度特性は+500ppm/%RH〜+3000ppm/%RHの特性を有することを特徴とする請求項1に記載の抵抗素子を有するプリント配線板である。
この発明によれば高温高湿環境下、例えば85℃、85%RHにおいて吸湿に伴う、抵抗値上昇を負の温度特性により相殺し許容範囲内(例えば公称値の±10%)に納めることができる効果がある。
この発明によれば高温高湿環境下、例えば85℃、85%RHにおいて吸湿に伴う、抵抗値上昇を負の温度特性により相殺し許容範囲内(例えば公称値の±10%)に納めることができる効果がある。
第三の発明は、前記抵抗材料は熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させたものであることを特徴とする請求項1または2の抵抗素子を有するプリント配線板である。
この発明によれば一般に高温焼成が必要とされる抵抗体形成を上記熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させた抵抗材料を用いることで250℃以下の低い温度で焼成でき、耐熱性の低い有機基板上における抵抗素子形成が可能となる。
この発明によれば一般に高温焼成が必要とされる抵抗体形成を上記熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させた抵抗材料を用いることで250℃以下の低い温度で焼成でき、耐熱性の低い有機基板上における抵抗素子形成が可能となる。
第四の発明は、前記厚膜抵抗体は最高到達温度が180℃以上となるような温度条件下で処理して抵抗体とすることを特徴とする請求項1乃至3に記載の抵抗素子を有するプリント配線板の製造方法である。
一般的な多層プリント配線板用絶縁材料の硬化温度以上で抵抗材料を硬化させることにより抵抗素子の形成後、プリント配線板への内蔵前後での抵抗値変化を少なくすることができる。
一般的な多層プリント配線板用絶縁材料の硬化温度以上で抵抗材料を硬化させることにより抵抗素子の形成後、プリント配線板への内蔵前後での抵抗値変化を少なくすることができる。
本発明によれば、抵抗材料が負の温度特性を有する為、抵抗体の吸湿に伴う抵抗値変動を相殺することが可能となる。
さらに、プリント配線板用絶縁材料の硬化温度以上の温度で抵抗材料を硬化させているため、抵抗素子の形成後、プリント配線板への内蔵前後での抵抗値変化を少なくすることができる。
さらに、プリント配線板用絶縁材料の硬化温度以上の温度で抵抗材料を硬化させているため、抵抗素子の形成後、プリント配線板への内蔵前後での抵抗値変化を少なくすることができる。
以下、本発明の実施形態の一例について図を用いて説明する。
図2(a)は本発明の抵抗素子の一例を有するプリント配線板の抵抗素子部分の上視模式図である。
図2(b)は本発明の抵抗素子の一例を有するプリント配線板が具備する抵抗素子構成を断面で示した模式図であり、図2(a)のA−B線における断面図である。
図2(a)は本発明の抵抗素子の一例を有するプリント配線板の抵抗素子部分の上視模式図である。
図2(b)は本発明の抵抗素子の一例を有するプリント配線板が具備する抵抗素子構成を断面で示した模式図であり、図2(a)のA−B線における断面図である。
本発明における抵抗素子を有するプリント配線板(200a)ではプリント配線板を構成する任意の絶縁層(23)上に配線(24)とともに設けられた抵抗素子の電極部(25)上に置換型無電解めっきによって銀めっき皮膜(22)が形成されている。抵抗素子電極部間には抵抗体(21)が当該電極部を電気的に接続し、さらに電極部及びこれを被覆する銀めっき皮膜を被覆するように配置された構造となっている(図2(a)参照)。つまり、抵抗素子の電極部(25)の表面が銀めっき皮膜(22)により被覆されているため、銅などの電極部の酸化による接触抵抗増加を抑制でき、エレクトロマイグレーションを防止することができる。さらに銀めっき皮膜で被覆された電極部が抵抗体により被覆されているため、配線等の導体層の表面粗化処理において銀めっき/銅配線境界部における局部電池作用による導体層の断線を防止することができるというものである。
抵抗素子の抵抗値は電極部幅、電極部間距離及び抵抗体の厚み、抵抗体の比抵抗で規定される。同じ電極部間距離において同じ抵抗材料を用いて抵抗体を形成した場合、抵抗素子の抵抗値は抵抗体と電極部の接触長さC(図2(a))及び抵抗体厚みによって規定される。本発明の抵抗素子は、抵抗体の幅が電極部幅より広く、かつ電極部間距離より長く電極部を覆うように形成されており、スクリーン印刷時の位置ズレを許容できる構造となっている。本発明の図2(a)の構造は抵抗体の幅が広いため、耐電圧を高くすることが可能となる。
本発明の抵抗素子を構成する抵抗体は、ペースト状の抵抗材料をディスペンサーを用いたり、スクリーン印刷等により所定の場所に部分的に配置し、これを加熱硬化することによって形成される厚膜抵抗体である。本発明における抵抗材料は熱硬化性樹脂と導電性フィラーを主成分としたものであることが好ましい。熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、およびこれらを変性した樹脂、またはこれら樹脂と熱可塑性樹脂の混合物等を用いることができる。中でも基材との密着性、耐薬品性、コストの点からエポキシ樹脂もしくはフェノール樹脂を用いることが好ましい。導電性フィラーとしてはケッチェレンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、活性炭素等安価なカーボンを用いることが好ましい。導電性フィラー以外にシリカ等無機フィラーが加えてあっても良い。市販のカーボンペーストをそのまま使用することもできる。
本発明の抵抗素子が具備する抵抗体は負の温度特性を持たせることが好ましい。これにより、湿度が上昇しやすい高温状態では吸湿に伴う抵抗値上昇を温度上昇に伴う抵抗値低下により相殺でき、湿度が低下しやすい低温では逆に抵抗値低下を相殺することが可能となる。
抵抗体の温度特性を負にするには導電性フィラーの種類を変更すれば良く、具体的にはカーボン等導電性フィラーのストラクチャー(連鎖)が小さい物を選定することが好ましい。ストラクチャーとは微球状の1次粒子が不規則な鎖状に枝分かれした複雑な凝集構想のことであり、DBP(ジブチルフタレート)吸油量を測定することで大きさを比較することができる。
抵抗体の温度特性を負にするには導電性フィラーの種類を変更すれば良く、具体的にはカーボン等導電性フィラーのストラクチャー(連鎖)が小さい物を選定することが好ましい。ストラクチャーとは微球状の1次粒子が不規則な鎖状に枝分かれした複雑な凝集構想のことであり、DBP(ジブチルフタレート)吸油量を測定することで大きさを比較することができる。
本発明における厚膜抵抗体の湿度特性は+500ppm/%RH〜+3000/%RHであり、温度特性は−100ppm/℃〜−1500ppm/℃である。このような特性の抵抗素体を使用することにより実使用温度上限の85℃において湿度が100%RHとなった場合も抵抗値の上昇を公称値の±10%以内に納めることができ、さらに20%RH等の低湿でにおいても前述の範囲内に納めることが可能となる。
抵抗体の温度/湿度特性測定は、温度20℃、湿度40%RHにおける抵抗値を基準として湿度一定で温度を10℃から90℃まで変化させた時の抵抗値を測定し、基準からの抵抗値変動量を算出し、プラスに変化する際は正の温度特性を有し、マイナスに変化する際は負の温度特性を有すると判断した。
抵抗体の温度/湿度特性測定は、温度20℃、湿度40%RHにおける抵抗値を基準として湿度一定で温度を10℃から90℃まで変化させた時の抵抗値を測定し、基準からの抵抗値変動量を算出し、プラスに変化する際は正の温度特性を有し、マイナスに変化する際は負の温度特性を有すると判断した。
本発明のプリント配線板の有する抵抗素子は、当該プリント配線板の表層に設けることも可能であるが、特にプリント配線板に内蔵する用途に適している。この場合、任意の絶縁層上に抵抗素子を形成した後、この上に絶縁樹脂を積層して上層の絶縁層とする。ここにおいて用いることのできる絶縁樹脂はプリプレグ、樹脂付き銅箔、ビルドアップ用絶縁樹脂フィルムあるいはワニス、ソルダーレジストのいずれの形態であってもかまわないが、抵抗素子の埋め込み性、作業性を考慮するとビルドアップ絶縁樹脂フィルムを用いることが好ましい。
ここで、一般にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂は硬化温度が高くなるほど架橋密度が高くなる傾向が有り、例えば一度硬化させた抵抗体をさらに高い温度で加熱すると熱硬化性樹脂の硬化が進行し、抵抗値が下がる傾向にあることから、抵抗素子上への絶縁層の形成前後における抵抗値変化を少なくするため絶縁樹脂のプレス・ラミネート・硬化における最高到達温度は抵抗材料の硬化時における最高到達温度より低くし、また抵抗材料と絶縁樹脂はこの点を考慮して選択することが好ましい。
ここで図1(a)〜(g)に従って本発明の抵抗素子を有するプリント配線板の製造工程について説明する。
まず、絶縁層上に導電性材料によって配線及び配線の一部からなる抵抗素子の電極部を形成する。これは、例えば市販の両面銅箔付き絶縁樹脂を用いることができる。
この銅箔上に所定のパターンのエッチングレジストを配置する。例えばドライフィルムレジストをラミネートし、マスク露光、現像を行うことで、配線と配線の一部である電極部に対応するレジストパターンを得ることができる。
次いで銅箔のパターンエッチングを行い、レジストを剥離することで、配線11a及び配線の一部である電極部11bを絶縁層12上に形成する(図1(a))。
まず、絶縁層上に導電性材料によって配線及び配線の一部からなる抵抗素子の電極部を形成する。これは、例えば市販の両面銅箔付き絶縁樹脂を用いることができる。
この銅箔上に所定のパターンのエッチングレジストを配置する。例えばドライフィルムレジストをラミネートし、マスク露光、現像を行うことで、配線と配線の一部である電極部に対応するレジストパターンを得ることができる。
次いで銅箔のパターンエッチングを行い、レジストを剥離することで、配線11a及び配線の一部である電極部11bを絶縁層12上に形成する(図1(a))。
こうして形成した配線等の上に電極部に対応するパターンのレジスト13を形成する。この形成方法は配線等についてと同様、例えばドライフィルムレジストをラミネートして積層し、マスク露光、現像を行うことで電極部のみが開口したレジストパターンを得ることができる(図1(b))。
開口部から露出する電極部に対して置換型無電解銀めっきを施し、銀めっき皮膜を形成する。この置換型無電解銀めっきには市販の置換型無電解銀めっき用めっき液を用いることができる(図1(c))。
銀めっき後、レジストをアルカリ等で剥離して電極部への銀めっき皮膜形成を完了する(図1(d))。
銀めっき後、レジストをアルカリ等で剥離して電極部への銀めっき皮膜形成を完了する(図1(d))。
このようにして銀めっきを施した電極部を接続するように、抵抗材料をディスペンサーを用いたり、スクリーン印刷等により所定の場所に部分的に配置し、これを加熱硬化することによって硬化して抵抗体を形成する(図1(e)。抵抗材料の配置方法は所定の場所に部分的に配置できればよく、スクリーン印刷法が、精度及び作業効率の観点から好ましい。
抵抗体の加熱硬化温度は、抵抗素子を具備するプリント配線板が完成するまでに晒されることになる熱履歴よりも高い温度であることが好ましく、例えば抵抗素子をプリント配線板内に内蔵する場合には、上層に積層される絶縁樹脂の硬化温度よりも高い温度で硬化を行うことが好ましい。
その後、抵抗素子の上に絶縁層やソルダーレジスト等絶縁樹脂を積層する場合は絶縁樹脂との密着性向上のために抵抗素子も含む配線に粗面化処理を施す。粗面化処理には黒化処理やCZ処理が挙げられる。
その後、抵抗素子の上に絶縁層やソルダーレジスト等絶縁樹脂を積層する場合は絶縁樹脂との密着性向上のために抵抗素子も含む配線に粗面化処理を施す。粗面化処理には黒化処理やCZ処理が挙げられる。
抵抗素子を内蔵するプリント配線板とするためには、こうして形成した抵抗素子の上に絶縁樹脂を積層して絶縁層を形成する。絶縁樹脂としては例えば通常のプリント配線板の絶縁層として用いるプリプレグを積層し、抵抗体の硬化温度よりも低い温度で加熱硬化を行う。
その後、抵抗素子及び内部の配線と導通を図るためのビアホールを形成し、フィルドビアめっきの後パターンエッチングを行うことで抵抗素子の上層にも配線を形成する(図1(f))。このようにして所定の層だけ絶縁層と配線層を形成し、最後にソルダーレジストをパターン状に形成、端子部にニッケル−金めっきを施すことで抵抗素子を内蔵する多層プリント配線板とすることができる(図1(g))。
その後、抵抗素子及び内部の配線と導通を図るためのビアホールを形成し、フィルドビアめっきの後パターンエッチングを行うことで抵抗素子の上層にも配線を形成する(図1(f))。このようにして所定の層だけ絶縁層と配線層を形成し、最後にソルダーレジストをパターン状に形成、端子部にニッケル−金めっきを施すことで抵抗素子を内蔵する多層プリント配線板とすることができる(図1(g))。
以下に実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各実施例及び比較例で製造した抵抗素子を有するプリント配線板について抵抗値測定、高温高湿試験、高温高湿バイアス試験、耐電圧測定を行い、抵抗素子の特性について評価した。
<抵抗値測定>
抵抗値が100Ωとなるよう設計した各実施例および比較例で製造した抵抗素子それぞれ100個について、動作保証温度範囲(−30℃〜+65℃)における抵抗値をデジタルマルチメーターを用いて測定し、23℃、40%RHにおける抵抗値からの変動率を算出した。
<高温高湿試験>
各実施例および比較例で製造した抵抗素子について23℃、40%RHにおける抵抗値を基準として85℃,85%RHに1000時間保持し、試験前後の抵抗値変動量を算出した。
抵抗値が100Ωとなるよう設計した各実施例および比較例で製造した抵抗素子それぞれ100個について、動作保証温度範囲(−30℃〜+65℃)における抵抗値をデジタルマルチメーターを用いて測定し、23℃、40%RHにおける抵抗値からの変動率を算出した。
<高温高湿試験>
各実施例および比較例で製造した抵抗素子について23℃、40%RHにおける抵抗値を基準として85℃,85%RHに1000時間保持し、試験前後の抵抗値変動量を算出した。
[実施例1]
以下の実施例により本発明を詳細に説明する。
図1(a)〜(g)は本発明の抵抗素子を有するプリント配線板における工程の一部を断面で示した模式図である。
まず、両面銅箔付き絶縁樹脂基板(商品名:CCL−HL830 三菱ガス化学製)を準備した。
次いでドライフィルムレジスト(商品名:RY3215 日立化成製)をロールラミネーターにて熱圧着して貼り付け、フィルムマスクを用いた露光、現像により配線と配線の一部である電極部に対応するパターンを得た。
さらに銅箔のパターンエッチングを行い、レジストを剥離することで、配線11a及び配線の一部である電極部11bを絶縁層12上に形成した(図1(a))。
以下の実施例により本発明を詳細に説明する。
図1(a)〜(g)は本発明の抵抗素子を有するプリント配線板における工程の一部を断面で示した模式図である。
まず、両面銅箔付き絶縁樹脂基板(商品名:CCL−HL830 三菱ガス化学製)を準備した。
次いでドライフィルムレジスト(商品名:RY3215 日立化成製)をロールラミネーターにて熱圧着して貼り付け、フィルムマスクを用いた露光、現像により配線と配線の一部である電極部に対応するパターンを得た。
さらに銅箔のパターンエッチングを行い、レジストを剥離することで、配線11a及び配線の一部である電極部11bを絶縁層12上に形成した(図1(a))。
こうして形成した配線等の上にドライフィルムレジスト(商品名:RY3215 日立化成製)をロールラミネーターにて熱圧着して貼り付け、フィルムマスクを用いた露光、現像により抵抗素子の電極部に対応するパターンを得た。(図1b)。
次に10wt%、液温25℃の硫酸水溶液にて1分間の酸洗浄を行い、純水で洗浄後、プリディップ(商品名:SSP−700P 四国化成製)、液温40℃にて40秒間浸漬し、置換銀めっき(商品名:SSP−700 四国化成製)、液温40℃にて5分間の処理を施した(図1(c))。その後、ドライフィルムレジストを5wt%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して剥膜し、抵抗素子電極部に約0.5μm厚の置換型無電解銀めっき皮膜を形成した。(図1(d))
次に抵抗材料として、温度特性が負の特性を有するカーボンペースト(商品名:TU−100−8 アサヒ化学研究所製)を用い、200メッシュ(網目を形成するSUS(ステンレス)の本数が200本/1インチ)、SUS線径40μmのステンレスメッシュ版を使用して先ほど置換銀めっきを施した電極部間を電気的に接続できるようにスクリーン印刷した。この際、置換銀めっき皮膜を設けた電極部及び当該電極部と配線との境界部分は抵抗材料で被覆されるように抵抗材料を配置した。印刷に使用したカーボンペーストの粘度を回転粘度計(商品名:ビスコテスターVT−04 リオン製)にて測定したところ700dPa・s前後であった。また、前記一対の電極部間に挟まれる抵抗体の設計値は電極部幅0.4mm、電極部間距離0.25mm、抵抗体厚み0.03mm、抵抗体の幅は0.2mmであった。このようにして抵抗体が印刷された基板を90℃で30分間乾燥させた後、さらに200℃で2時間の焼成を施した(図1(e))。
前述のように抵抗素子を形成した基板にCZ処理を施した。その後、絶縁樹脂としてプリプレグ(商品名:GHPL−830 三菱ガス化学製)を用いて真空プレス機にて貼り合わせ、180℃で加熱硬化して絶縁層16を形成した。その後、内層の抵抗素子及び配線と導通を取るためのビアホールを形成し、めっき、配線形成、ソルダーレジストパターン形成、端子部へのニッケル−金めっき仕上げを施し抵抗素子を有するプリント配線板を製造した。
こうして作られた抵抗素子の具備する厚膜抵抗体の温度特性は負、湿度特性は正であった。動作保証範囲と高温高湿試験における抵抗値変化を表1に示す。
こうして作られた抵抗素子の具備する厚膜抵抗体の温度特性は負、湿度特性は正であった。動作保証範囲と高温高湿試験における抵抗値変化を表1に示す。
(比較例1)
実施例1に記載の抵抗素子において抵抗材料の種類を温度特性が正の温度特性を有する抵抗材料(商品名:RS−15112 ESL製)に変更して、抵抗素子を有するプリント配線板を製造した。このようにして得られた抵抗素子は表1に示すように高温高湿試験時における抵抗値変化が大きいことがわかった。
実施例1に記載の抵抗素子において抵抗材料の種類を温度特性が正の温度特性を有する抵抗材料(商品名:RS−15112 ESL製)に変更して、抵抗素子を有するプリント配線板を製造した。このようにして得られた抵抗素子は表1に示すように高温高湿試験時における抵抗値変化が大きいことがわかった。
(比較例2)
実施例1において、抵抗体が印刷された基板を90℃で30分間乾燥させた後の焼成として、200℃で2時間の焼成を施す代わりに150℃で2時間の焼成を施した。その後、実施例1と同様にプリント配線板に内蔵した。このようにして得られた抵抗素子は表1に示すように内蔵前後において高温高湿試験において抵抗値の変動が大きく許容範囲(公称値の±5%)を越えており、作り込み精度が悪いことがわかった。
実施例1において、抵抗体が印刷された基板を90℃で30分間乾燥させた後の焼成として、200℃で2時間の焼成を施す代わりに150℃で2時間の焼成を施した。その後、実施例1と同様にプリント配線板に内蔵した。このようにして得られた抵抗素子は表1に示すように内蔵前後において高温高湿試験において抵抗値の変動が大きく許容範囲(公称値の±5%)を越えており、作り込み精度が悪いことがわかった。
11a・・・・・・・・・配線
11b・・・・・・・・・電極部
12・・・・・・・・・・絶縁層
13・・・・・・・・・・レジスト
14・・・・・・・・・・銀めっき皮膜
15・・・・・・・・・・抵抗体
16・・・・・・・・・・絶縁層
17・・・・・・・・・・ビアホール
18・・・・・・・・・・ソルダーレジスト
200a・・・・・・・・抵抗素子を有するプリント配線板
200b・・・・・・・・抵抗素子を有するプリント配線板
21・・・・・・・・・・抵抗体
22・・・・・・・・・・銀めっき皮膜
23・・・・・・・・・・絶縁層
24・・・・・・・・・・配線
25・・・・・・・・・・電極部
A−B・・・・・・・・・切断線
C・・・・・・・・・・・抵抗体と電極部の接触長さ
11b・・・・・・・・・電極部
12・・・・・・・・・・絶縁層
13・・・・・・・・・・レジスト
14・・・・・・・・・・銀めっき皮膜
15・・・・・・・・・・抵抗体
16・・・・・・・・・・絶縁層
17・・・・・・・・・・ビアホール
18・・・・・・・・・・ソルダーレジスト
200a・・・・・・・・抵抗素子を有するプリント配線板
200b・・・・・・・・抵抗素子を有するプリント配線板
21・・・・・・・・・・抵抗体
22・・・・・・・・・・銀めっき皮膜
23・・・・・・・・・・絶縁層
24・・・・・・・・・・配線
25・・・・・・・・・・電極部
A−B・・・・・・・・・切断線
C・・・・・・・・・・・抵抗体と電極部の接触長さ
Claims (4)
- 少なくとも1本以上の配線途中に当該配線の一部である電極部と電極部間を接続する厚膜抵抗体からなる抵抗素子を具備するプリント配線板であって、前記厚膜抵抗体は少なくとも負の温度特性を有する抵抗材料により形成されていることを特徴とする抵抗素子を有するプリント配線板。
- 前記厚膜抵抗体の温度特性は−100ppm/℃〜−1500ppm/℃の特性を有し、湿度特性は+500ppm/%RH〜+3000ppm/%RHの特性を有することを特徴とする請求項1に記載の抵抗素子を有するプリント配線板。
- 前記抵抗材料は熱硬化性樹脂に導電性フィラーを分散させたものであることを特徴とする請求項1または2の抵抗素子を有するプリント配線板。
- 前記厚膜抵抗体は最高到達温度が180℃以上となるような温度条件下で処理して抵抗体とすることを特徴とする請求項1乃至3記載の抵抗素子を有するプリント配線板の製造方法。
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