JP7425348B2 - 多層基板、および、部品実装基板 - Google Patents
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Description
本開示に係る実施形態の部品実装基板の製造方法によれば、層間接続部において安定した接続抵抗値と高い接続信頼性を有し、また絶縁層の絶縁性が高い部品実装基板を製造することができる。
本開示に係る実施形態の多層基板によれば、層間接続部において安定した接続抵抗値と高い接続信頼性を有し、層間接続部上への絶縁層の印刷形成や部品実装が可能となる。
本開示に係る実施形態の部品実装基板によれば、層間接続部において安定した接続抵抗値と高い接続信頼性を有し、また絶縁層の絶縁性が高い。
実施形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための多層基板の製造方法、部品実装基板の製造方法、多層基板、および、部品実装基板を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置などは、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる例示に過ぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするために誇張していることがある。
まず、本実施形態に係る多層基板について説明する。
図1Aは、実施形態に係る多層基板の構成を模式的に示す平面図である。図1Bは、実施形態に係る多層基板の構成を模式的に示す断面図であり、図1AのIB-IB線に相当する断面を示す。
絶縁基板4がガラスエポキシである場合、厚さは50~1000μmとすることができる。また、絶縁基板4がポリイミドである場合、厚さは12~50μmとすることができる。絶縁基板4としては、このように、ある程度の厚みのある板から薄板まで用いることができる。
層間接続部6は、貫通穴1に導電性ペーストを充填して形成されることで、部品などを実装する工程での熱衝撃に対する接続信頼性が向上する。
すなわち、層間接続部6は、貫通穴1内に充填された穴内充填部5a、6aと、穴内充填部5a、6aの両端に形成され、貫通穴1の周辺まで広がる穴外平板部5b、6bとを有している。ここで貫通穴1は、穴内充填部5aのみ、または穴内充填部6aのみが充填されている場合を含む。
また、導電性ペーストとしては、できるだけ体積抵抗率が小さく、バインダ樹脂や溶剤成分の含有量が少ないものを用いることが好ましい。
導電性ペーストは、例えば、体積抵抗率が2×10‐5~1.5×10‐4Ω・cm、バインダ樹脂含有量が3~10質量%のものを用いることが好ましい。このような導電性ペーストであれば、層間接続部6の抵抗値がより小さくなり、かつ抵抗値のバラツキもより小さくなる。体積抵抗率は、より好ましくは7.5×10‐5Ω・cm程度であり、バインダ樹脂含有量は、より好ましくは6~7質量%である。また、導電性ペーストは、例えば、溶剤含有量が0~1質量%のものを用いることが好ましい。
本実施形態は、多層基板100が延出部20を有することで、導電性ペーストにより形成された穴内充填部5a、6aと表面回路パターン2との接触面積が通常の貫通穴よりも広くなる。そのため、層間接続部6の抵抗値が低くなり、かつ抵抗値が安定化する。
ここで、平坦とは、穴外平板部6bの最薄部と最厚部の厚み差が20μm以下であるものとし、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下であるものとする。
穴外平板部5b、6bの厚みは、貫通穴1に充填する際の導電性ペーストの量により制御することができる。また、穴外平板部5b、6bを研磨することで制御することができる。
多層基板100の層間接続部6は、部品を実装する工程での熱処理や半田付け作業時の熱衝撃に耐える接続信頼性が必要である。従来の多層基板では、めっきによるスルーホール接続が多く用いられている。しかしながら、このような多層基板では、基板厚方向への基板の熱膨張率とめっきの熱膨張率との差により生じる応力で、スルーホールのコーナー部にクラックが生じ接続信頼性を低下させる。そのため、例えば、背景技術で説明した特許文献1、特許文献2に記載のように、めっきによるスルーホール接続に対して、貫通穴に導電性ペーストを充填する接続方法も提案されている。
次に、本実施形態に係る多層基板の製造方法の一例について説明する。
図2Aは、実施形態に係る多層基板の製造方法における、回路パターンを形成する前の状態を示す断面図である。図2Bは、実施形態に係る多層基板の製造方法における、回路パターンを形成する工程を示す断面図である。図2Cは、実施形態に係る多層基板の製造方法における、貫通穴を形成する工程を示す断面図である。図3Aは、実施形態に係る多層基板の製造方法における、層間接続部を形成する工程を示す断面図であり、絶縁基板の裏面から導電性ペーストを充填する工程を示す断面図である。図3Bは、実施形態に係る多層基板の製造方法における、層間接続部を形成する工程を示す断面図であり、絶縁基板の表面から導電性ペーストを充填する工程を示す断面図である。図3Cは、実施形態に係る多層基板の製造方法における、層間接続部の部位を研磨する工程を示す断面図である。
なお、各工程においてスキージやマスクに同一番号を付しているが、物理的同一物を用いている訳ではなく、機能や性状などが共通するだけであり、異なる大きさ、材質などを使用することができる。
回路パターンを形成する工程は、絶縁基板4の表面および裏面に表面回路パターン2および裏面回路パターン3を形成する工程である。
なお、市販の両面銅張積層板を用いずに、絶縁基板4の表面に表面銅箔2aおよび裏面に裏面銅箔3aを接合してもよい。また、あらかじめ、表面回路パターン2および裏面回路パターン3が形成された両面銅張積層板を購入してもよい。
貫通穴を形成する工程は、絶縁基板4の表面回路パターン2の一部が絶縁基板4の貫通穴1の内壁に沿って延出するようにパンチング加工により貫通穴1を形成する工程である。
パンチング加工においては、延出部20の長さが絶縁基板4の厚みに対して0.05~0.5倍、好ましくは0.1~0.4倍となるように調整することが好ましい。またパンチング加工においては、延出部20の長さが5~35μmとなるように調整することが好ましい。
層間接続部を形成する工程は、貫通穴1の内部および周囲に、絶縁基板4の表面および裏面の両面から、印刷により導電性ペースト6cを充填して層間接続部6を形成する工程である。ここでは絶縁基板4の裏面、表面の順に導電性ペースト6cを充填するが、絶縁基板4の表面、裏面の順に導電性ペースト6cを充填してもよい。
次工程の表面からスクリーン印刷で、裏面から印刷形成した導電性ペースト6cと表面から形成した導電性ペースト6cが接続する。その際、裏面から印刷形成した導電性ペースト6cの硬化が進み過ぎ「導電体」の状態になっていると、裏面から印刷形成した導電性ペースト6cと表面から形成した導電性ペースト6cとの接続界面の導通状態が悪くなる場合がある。導通状態が悪くなると、接続抵抗値が高くなる、熱衝撃に対する接続信頼性が低下する、などの品質問題が生じる。そのため、仮硬化後の導電性ペースト6cは絶縁体の状態であることが好ましい。
まず、あらかじめ、導電性ペースト6cをライン印刷した試料を用いて、熱処理試験を行う。そして、加熱温度や加熱時間に対して、どのくらいの条件で、(1)導電性ペースト6cがどのくらい硬くなるか、(2)ラインの抵抗値がどのくらいの値になるか、を確認して仮硬化条件を導出する。これにより、絶縁体の状態となる仮硬化条件を決定する。なお、全く仮硬化せずに次工程に進むことも可能である。しかしながら、ウェット状態の導電性ペースト6cが基板表面に露出した状態で、次工程で印刷テーブルや吸着紙に吸着させることは、導電性ペースト6cが基板からはぎ取られるなどの弊害を引き起こす。そのため、裏面から印刷形成した導電性ペースト6cは仮硬化させることが好ましい。
なお、絶縁基板4の表面、裏面の順に導電性ペースト6cを充填する場合は、前記した裏面からのスクリーン印刷法の条件と、表面からのスクリーン印刷法の条件とを入れかえればよい。
層間接続部の部位を研磨する工程は、絶縁基板4の表面および裏面における層間接続部6の部位を平坦に研磨する工程である。すなわち、この工程は、層間接続部6の表面および裏面における穴外平板部5b、6bの上面がより平坦になるように、穴外平板部5b、6bの上面を研磨する工程である。
次に、本実施形態に係る部品実装基板について説明する。
図4は、実施形態に係る部品実装基板の構成を模式的に示す断面図である。
部品実装基板101は、多層基板100と、多層基板100の表面における一部の領域に設けられた表面レジスト7と、多層基板100の裏面に設けられた裏面レジスト8と、多層基板100の表面の層間接続部6上に、半田ペーストである接着層9を介して設けられた実装部品10と、を備える。
次に、本実施形態に係る部品実装基板の製造方法について説明する。
図5Aは、実施形態に係る部品実装基板の製造方法における、レジストを形成する前の多層基板を示す断面図である。図5Bは、実施形態に係る部品実装基板の製造方法における、レジストを形成する工程を示す断面図であり、多層基板の表面にレジストを形成する工程を示す断面図である。図5Cは、実施形態に係る部品実装基板の製造方法における、レジストを形成する工程を示す断面図であり、多層基板の裏面にレジストを形成する工程を示す断面図である。図6Aは、実施形態に係る部品実装基板の製造方法における、部品を実装する工程を示す断面図であり、接着層を形成する工程を示す断面図である。図6Bは、実施形態に係る部品実装基板の製造方法における、部品を実装する工程を示す断面図であり、部品を実装した後の状態を示す断面図である。硬化前の表面レジストは7c、硬化前の裏面レジストは8cとする。
レジストを形成する工程は、多層基板100の表面および裏面に表面レジスト7および裏面レジスト8を形成する工程である。ここでは多層基板100の表面、裏面の順に表面レジスト7、裏面レジスト8を形成するが、多層基板100の裏面、表面の順に裏面レジスト8、表面レジスト7を形成してもよい。
部品を実装する工程は、表面レジスト7および裏面レジスト8を形成した多層基板100に部品を実装する工程である。
図7Aは、実施例で用いた、導電性ペーストを充填する前の層間接続部評価用基板を示す画像である。図7Bは、図7Aの一部を拡大して示す画像である。図7Cは、実施例で用いた、導電性ペーストを充填した後の層間接続部評価用基板における層間接続部の接続状態を模式的に示す斜視図である。
まず、厚みが400μmの絶縁基板(ガラスエポキシ)の表面および裏面に、厚みが35μmの銅箔を接合し、層間接続部における多層基板の総厚みを470μmとした。次に、両面の銅箔にエッチングを施して表面回路パターンおよび裏面回路パターンを形成した。次に、絶縁基板の表面側からパンチングピンでパンチング加工して、貫通穴径φ0.25mmおよび貫通穴径φ0.2mmの貫通穴を形成した。
これにより、表面回路パターンと裏面回路パターンとを電気的に接続する層間接続部を形成した。
また、多層基板の製造方法および部品実装基板の製造方法は、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間、あるいは前後に、他の工程を含めてもよい。例えば、製造途中に混入した異物を除去する異物除去工程などを含めてもよい。
2 表面回路パターン
2a 表面銅箔
3 裏面回路パターン
3a 裏面銅箔
4 絶縁基板
5 接合体部
5a,6a 穴内充填部
5b,6b 穴外平板部
6 層間接続部
6c 導電性ペースト
7、7c 表面レジスト
8、8c 裏面レジスト
9 接着層
9c 半田ペースト
10 実装部品
11 マスク
12 スクリーンマスク
13 メタルマスク
14 パンチングピン
20 延出部
30 セラミックバフ
40 スキージ
100 多層基板
101 部品実装基板
Claims (6)
- 絶縁基板の表面および裏面に設けられた回路パターンと、前記絶縁基板および前記回路パターンを貫通する貫通穴に導電性ペーストが充填されて形成された層間接続部と、前記絶縁基板の表面および裏面のうちの少なくとも一方の前記回路パターンの一部が前記絶縁基板の前記貫通穴の内壁に沿って延出した延出部と、を備え、
前記延出部は前記回路パターンの一部を押し延ばすことで形成されており、
前記延出部の長さが前記絶縁基板の厚みに対して0.1~0.4倍であり、
前記導電性ペーストは、体積抵抗率が2×10‐5~1.5×10‐4Ω・cm、バインダ樹脂含有量が3~10質量%であり、
前記層間接続部は、前記貫通穴内に充填された穴内充填部と、前記穴内充填部の両端に形成され、前記貫通穴の周辺まで広がる穴外平板部と、を有しており、
前記穴外平板部は、前記絶縁基板の表面および裏面に形成され、
前記穴外平板部の厚みは、10μm以上30μm以下であり、
前記絶縁基板の表面および裏面における前記層間接続部の部位において、前記穴外平板部の最薄部と最厚部の厚み差が10μm以下となる平坦である多層基板。 - 前記絶縁基板は、厚さが50~1000μmのガラスエポキシ、または、厚さが12~50μmのポリイミドであり、前記絶縁基板の表面および裏面に形成された前記回路パターンの厚みが12~70μmである請求項1に記載の多層基板。
- 前記導電性ペーストは、硬化時の質量減少率が1%以下である請求項1又は請求項2に記載の多層基板。
- 前記貫通穴の直径は、0.2~0.3mmである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の多層基板。
- 前記延出部の長さは、5~35μmである請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の多層基板。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の多層基板の表面の前記層間接続部上に、接着層を介して実装部品が実装された部品実装基板。
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