JP4917271B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁層と配線導体とが交互に積層され、上下の配線導体間を貫通導体により電気的に接続して成り、配線導体と貫通導体との接続信頼性に優れた配線基板およびその製造方法に関する。
従来から、半導体素子や抵抗器等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板として、ガラス繊維基材等の耐熱性繊維基材および熱硬化性樹脂から成る絶縁層と銅箔等から成る配線導体とを交互に積層すると共に、絶縁層を挟んで上下に位置する配線導体同士を、絶縁層に形成された貫通導体により電気的に接続して成る配線基板が知られている。
この配線基板は、例えば下記のようにして製造される。
(a)耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂前駆体を含浸させた絶縁層の配線基板領域にレーザで貫通孔を形成し、
(b)この貫通孔内に錫や銀等を含む低抵抗の金属粉末および熱硬化性樹脂前駆体から成る導体ペーストをスクリーン印刷(圧入)で埋め込んで貫通導体を形成する。
(c)一方、耐熱性樹脂から成る転写シートの表面に銅箔を被着し、所定のパターンにエッチングして絶縁層の各配線基板領域に対応する位置に配線導体を形成し、
(d)貫通導体が形成された前記絶縁層に、配線導体が形成された転写シートを圧接し、配線導体を絶縁層に転写埋入するとともに貫通導体と電気的に接続させる。ここで、一般に、配線基板の最外層を形成する絶縁層には、表面側の片面に配線導体を埋入し、中間層を形成する絶縁層の一つには、両面に配線導体を埋入する。
(e)ついで、絶縁層から転写シートを剥離した後、配線導体が埋入された絶縁層を複数積層し、180〜200℃の温度で数分〜数時間、熱プレスを用いて前記熱硬化性樹脂前駆体を硬化一体化させて配線基板を得る。
前記貫通導体を導体ペーストの充填によって形成する上記方法は、従来のめっき法により貫通導体を形成する方法に対して、貫通導体を任意の箇所に設けることができるため、特に、高密度配線化に適した方法として注目されている。
図11は、上記製造方法で作成された、従来の配線基板の表面付近における貫通導体部分を示す拡大断面図である。図11に示すように、この配線基板100は、絶縁層101および配線導体102を交互に積層するとともに、絶縁層101を挟んで上下に位置する配線導体102同士を絶縁層101に設けた貫通孔105内に充填させた金属粉末103および熱硬化性樹脂を含む導電性材料から成る貫通導体106で接続することにより形成されている。
この配線基板100は、最外層を形成する絶縁層101bの表面にソルダーレジスト層4が被着している。また、絶縁層101bは、表面側の片面にのみ配線導体102bが埋入され、絶縁層101bを積層する絶縁層101aには、その両面に配線導体102aが埋入される。
この配線基板100は、金属粉末103同士および金属粉末103と配線導体102との接触により導電性を呈する。また、配線導体102と貫通導体106との間には、金属粉末103を構成する金属が配線導体102に拡散した、いわゆる拡散層が形成され、これにより配線導体102と貫通導体106との接続が強化される。
ここで、金属粉末103は、粒径の小さな金属粉末103aから粒径の大きな金属粉末103bまでが略均一に分散した粒度分布を有している。このような状態では、粒径の大きな金属粉末103bが存在することにより、貫通導体106の金属粉末103と配線導体102との間の接触点が不足しやすい。接触点が不足すると、貫通導体106と配線導体102との間の電気抵抗が高くなると共に前記拡散層が形成されにくくなり、配線導体102と貫通導体106との接続信頼性が低下するという問題がある。
絶縁層101の配線導体102が埋入された側、例えば絶縁層101bにおける配線導体102bと貫通導体106との間では、配線導体102bを埋入する際に配線導体102bと貫通導体106とが強く圧接されるので、接触点の不足は生じにくい。これに対し、反対側、すなわち絶縁層101bの貫通導体106と、該貫通導体106と接触する絶縁層101aの配線導体102aとの間では圧接が弱いので、前記接触点が不足しやすい。
特許文献1には、平均粒径が0.5〜20μmの範囲にあり、異なる平均粒径をもつ複数の導電性粉を混合した導電性粉を液状エポキシ樹脂に分散していることを特徴とするビアホール充填用導体ペースト組成物が記載されている。この文献によると、導電性粉(導体ペースト)のビアホール(貫通孔)への充填時に生じるへこみが解消されると記載されている。しかしながら、前記接触点が不足することについては特に記載がない。
特許文献2には、絶縁層と配線導体とを交互に複数層積層するとともに、前記絶縁層を挟んで上下に位置する前記配線導体同士を前記絶縁層に設けた貫通孔を所定の導電性材料で充填して成る貫通導体により電気的に接続して成る配線基板において、前記配線導体は前記貫通導体と接続された表面に前記金属粉末との結合点を1000μm2当たり10〜30個有することを特徴とする配線基板が記載されている。この文献によると、配線導体と貫通導体との接続信頼性に優れた配線基板が得られると記載されている。しかしながら、前記結合点を所定の値とした配線基板であっても、必ずしも十分な接続信頼性が得られていないのが現状である。このため、より優れた接続信頼性を有する配線基板の開発が望まれている。
特開2003−92024号公報 特開2004−31814号公報
本発明の課題は、配線導体と貫通導体との接続信頼性に優れた配線基板およびその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、配線導体が片面に埋入されている絶縁層における貫通導体の金属粉末のうち、粒径の小さな金属粉末が、前記配線導体が埋入されていない側に偏在する場合には、この粒径の小さな金属粉末が偏在した側の貫通導体と、該貫通導体と接触する配線導体との間の接触点が多くなり、配線導体と貫通導体との接続信頼性に優れた配線基板が得られるという新たな知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明における配線基板およびその製造方法は、以下の構成からなる。
(1)第一の絶縁層と、この第一の絶縁層の片面に埋め込まれた金属箔から成る第一の配線導体と、この第一の配線導体に通じる貫通孔を有し且つ前記第一の絶縁層の片面に積層された第二の絶縁層と、一方の端部が前記第一の配線導体に接して前記貫通孔内に充填された金属粉末および樹脂を含む導電性材料から成る貫通導体と、前記第二の絶縁層における前記第一の絶縁層と反対側の片面に前記貫通導体の他方の端部に接して埋め込まれた金属箔から成る第二の配線導体とを具備して成る配線基板であって、前記貫通孔は、前記第一の配線導体側の開口径が前記第二の配線導体側の開口径よりも大きく、且つ前記貫通導体は、少なくとも前記第一の配線導体に接する一方の端部側に前記貫通導体を構成する金属粉末のうち粒径の小さな金属粉末が偏在することを特徴とする配線基板。
(2)前記粒径の小さな金属粉末は、前記貫通孔内に充填された金属粉末の最大粒径の半分より小さい粒径の金属粉末である前記(1)記載の配線基板。
(3)第一の絶縁層および第二の絶縁層を準備する工程と、前記第二の絶縁層に貫通孔を穿孔する工程と、前記貫通孔内に金属粉末および樹脂を含有する導ペーストを前記貫通孔における一方の端部側から充填する工程と、前記第一の絶縁層の少なくとも片面に金属箔から成る第一の配線導体を埋入するとともに、前記第二の絶縁層の貫通孔における他方の端部側の片面に金属箔から成る第二の配線導体を前記導体ペーストと接触するように埋入する工程と、前記第一の絶縁層および第二の絶縁層を、前記第一の配線導体が前記第二の絶縁層における貫通孔の一方の端部の導体ペーストと接触するように積層一体化する工程とを具備する配線基板の製造方法であって、前記導ペーストを充填する工程は、導ペーストの表面から粒径の大きな金属粉末を除去し、粒径の小さな金属粉末を残存させて、粒径の小さな金属粉末が前記貫通孔の少なくとも一方の端部側に偏在するように充填する工程であることを特徴とする配線基板の製造方法。
(4)前記導ペーストを充填する工程は、前記導ペーストを前記貫通孔に充填する工程と、充填した導ペーストの表面を拭き取る工程とを複数回繰り返す工程である前記(3)記載の配線基板の製造方法。
本発明の配線基板およびその製造方法によれば、配線導体が片面に埋入されている絶縁層における貫通導体の金属粉末のうち、粒径の小さな金属粉末が、前記配線導体が埋入されていない側に偏在するので、粒径の小さな金属粉末が偏在した側の貫通導体と、該貫通導体と接触する配線導体との間の接触点が多くなり、貫通導体と配線導体との間の電気抵抗が低くなると共に、この貫通導体と配線導体との間に拡散層が良好に形成されるので、配線導体と貫通導体との接続信頼性に優れた配線基板が得られるという効果がある。
<配線基板>
以下、本発明の一実施形態にかかる配線基板について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の配線基板を示す概略説明図であり、図2は、本実施形態の配線基板の表面付近における貫通導体部分を示す拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態の配線基板50は、複数の絶縁層1と配線導体2とが交互に積層されている。そして、各絶縁層1を挟んで上下に位置する配線導体2同士が、各絶縁層1を貫通する貫通導体3により電気的に接続されている。また、最外層の絶縁層1の表面には、保護用のソルダーレジスト層4,4が設けられており、配線基板50の上面中央部に導出する部位には、半導体集積回路素子等の半導体素子5の電極が半田バンプ6を介して電気的に接続される半導体素子接続パッド9aが形成されている。さらに、下面に導出する部位には、外部電気回路基板の配線導体と半田ボール7を介して電気的に接続される外部接続パッド9bが形成されている。
絶縁層1は、例えばガラス繊維の束を縦横に織ってシート状にした耐熱性繊維基材にアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた電気絶縁材料から形成されている。具体的には、絶縁層1は、その厚みが50〜150μmであるのが好ましく、配線導体2を支持するとともに上下に位置する配線導体2間の絶縁を保持する機能を有し、ガラスクロスやアラミド繊維・全芳香族エステル繊維等の耐熱性繊維基材にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・アリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る。
なお、絶縁層1の厚みが50μm未満であると、配線基板の剛性が低下して配線基板50が撓みやすくなる傾向があり、150μmを超えると、絶縁層1の厚みが不要に厚いものとなり、その結果、配線基板50の軽量化が困難となる傾向がある。従って、絶縁層1は、その厚みを50〜150μmとすることが好ましい。
配線導体2は、例えば銅箔等の金属箔から成り、各絶縁層1の表面に埋入された状態で配設されている。配線導体2は、配線基板50に搭載される電子部品である半導体素子5等の各電極を外部電気回路基板に電気的に接続する導電路の一部としての機能を有し、幅が20〜200μm、厚みが5〜50μmであるのが好ましい。配線導体2の幅が20μm未満となると、配線導体2の変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、200μmを超えると、高密度配線が形成できなくなる傾向がある。また、配線導体2の厚みが5μm未満になると、配線導体2の強度が低下し、変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、50μmを超えると、絶縁層1への埋入が困難となる傾向がある。従って、配線導体2は、その幅を20〜200μm、厚みを5〜50μmとすることが好ましい。
なお、配線導体2の表面は、貫通導体3との密着性・接合性を高めるために、その表面に平均表面粗さ1〜3μmの凹凸を形成しておくことが好ましい。このような凹凸は、蟻酸および塩酸処理することにより形成される。なお、表面粗さが1μm未満であると、絶縁層1との密着強度が低下し配線導体2が絶縁層1から剥がれ易くなってしまう傾向があり、3μmを超えると、配線導体2と金属粉末との接合点が少なくなるため、拡散層が良好に形成できなくなる傾向がある。従って、平均表面粗さは1〜3μmの範囲が好ましい。
各絶縁層1には、その上面から下面にかけて貫通導体3が複数個配設されている。これらの貫通導体3は、絶縁層1の上下に位置する配線導体2間を電気的に接続する機能を有し、その直径は30〜200μmであるのが好ましい。貫通導体3の直径が30μm未満になると、その加工が困難となる傾向があり、200μmを超えると、高密度配線が形成できなくなる傾向がある。従って、貫通導体3は、その直径を30〜200μmとすることが好ましい。
貫通導体3は、例えば錫と銀とビスマスと銅との合金から成る金属粉末とトリアリルシアヌレートやトリアリルイソシアヌレート、トリスエポキシプロピルイソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン系熱硬化性樹脂とを含有している。そして、前記金属粉末同士および前記金属粉末と配線導体2との接触により導電性を呈する。また、金属粉末と配線導体2との間には、例えば錫と銅との拡散層が形成され、それにより配線導体2と貫通導体3との接続が強化される。
また、前記金属粉末の含有量は、貫通導体3の総量に対して、80〜95質量%が好ましい。金属粉末の含有量が80質量%より少ないと、熱硬化性樹脂により金属粉末同士の接続が妨げられ、導通抵抗が上昇してしまう傾向があり、95質量%を超えると、金属粉末およびトリアジン系熱硬化性樹脂を含有した導体ペーストの粘度が上がり過ぎて良好に埋め込みができない傾向にある。従って、金属粉末の含有量は80〜95質量%が好ましい。
本発明の金属粉末は、該金属粉末のうち粒径の小さな金属粉末が貫通導体3の所定の側に偏在する。図2に示すように、配線基板50の表面付近は、第一の絶縁層1aと、この第一の絶縁層1aの片面に埋め込まれた第一の配線導体2aと、第一の配線導体2aに通じる貫通孔12を有し且つ第一の絶縁層1aの片面に積層される第二の絶縁層1bと、一方の端部が第一の配線導体2aに接して貫通孔12内に充填された金属粉末8および樹脂を含む導電性材料から成る貫通導体3と、第二の絶縁層1bにおける第一の絶縁層1aと反対側の片面に貫通導体3の他方の端部に接して埋め込まれた第二の配線導体2bとから構成される。
そして、貫通導体3は、第一の配線導体2aに接する一方の端部側に貫通導体3を構成する金属粉末8のうち粒径の小さな金属粉末8aが偏在している。これにより、接触点の不足が生じやすい配線導体が片面のみに埋入される第二の絶縁層1bにおける貫通導体3の金属粉末8のうち、粒径の小さな金属粉末8aが偏在した側の貫通導体3と、該貫通導体3と接触する第一の配線導体2aとの間の接触点が多くなり、その結果、該貫通導体3と配線導体2aとの間の電気抵抗が低くなると共に拡散層が良好に形成される。
金属粉末8のうち粒径の小さな金属粉末8aは、貫通孔12内に充填された金属粉末8の最大粒径の半分より小さい粒径の金属粉末であるのが好ましい。具体的には、最大粒径の半分の粒径としては3〜11μm、より好ましくは5〜9μmであるのがよく、金属粉末8aが、この範囲内の値より小さい粒径の金属粉末であるのが好ましい。前記粒径が3μmより小さいと、導体ペーストの粘度が上がり過ぎ、導電ペースト中で金属粉末8同士が凝集塊を形成しやすく、均一に分散しにくくなるとともに、導体ペーストの流動性が悪化して貫通孔12内に充填することが困難になる。また、11μmより大きいと、金属粉末8を高充填できず、金属粉末8間の接触点が少なくなるので好ましくない。従って、金属粉末8の最大粒径の半分より小さい粒径は3〜11μmが好ましい。また、金属粉末8は、最小粒径が0.1μm程度であり、最大粒径が22μm程度であり、この最小粒径と最大粒径との範囲内に粒度分布を有する金属粉末であるのが好ましい。なお、前記粒径および粒度分布は、粒度分布測定装置で測定して得られる値である。
<配線基板の製造方法>
次に、本発明における配線基板の製造方法の一例について、図面を参照して詳細に説明する。図3〜図8は、本発明の配線基板を製造する方法を示す概略図である。これらのうち、図3は、絶縁層に貫通孔を形成し、該貫通孔に導体ペーストを充填する工程を示す概略図であり、図4は、貫通孔に導体ペーストを充填した状態を示す拡大断面図であり、図5は、粒径の小さな金属粉末を偏在させる方法を示す概略図であり、図6は、配線導体を形成する方法を示す概略図であり、図7は、配線導体を絶縁層に埋入する方法を示す概略図であり、図8は、貫通導体が形成され且つ配線導体が埋入された絶縁層を積層体に成形する方法を示す概略図である。なお、図3〜図8においては、前述した図1および図2の構成と同一または同等な部分には同一の符号を付して説明は省略する。
まず、図3(a)に示すように、絶縁層1用のプリプレグ10を用意する。この絶縁層1用のプリプレグ10は、耐熱性繊維基材に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたものであり、その上下面にポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルム11が貼着されている。
ついで、図3(b)に示すように、プリプレグ10に樹脂フィルム11ごとレーザ光により貫通孔12を穿孔する。このとき、貫通孔12はレーザ光の入射側の開口径が出射側の開口径よりも大きくなる。
そして、図3(c)に示すように、貫通孔12の開口径の大きな方から、貫通導体3用の導体ペースト30を樹脂フィルム11を印刷マスクとしたスクリーン印刷法により充填する。具体的には、スキージ45を樹脂フィルム11の表面に押し付けながら図3(c)に示す方向に移動させ、導体ペースト30を貫通孔12に充填する。導体ペースト30は前記した金属粉末と未硬化の熱硬化性樹脂とを含有している。
図4に示すように、貫通孔12に充填された導体ペースト30を構成する金属粉末8は、粒径の小さな金属粉末8aと粒径の大きな金属粉末8bとが略均一に分散している。ここで、配線基板50のうち、両面に配線導体が埋入される第一の絶縁層1a用のプリプレグ10aは、図3(d)に示すように、プリプレグ10aの両面から樹脂フィルム11をそれぞれ剥離し、導体ペースト30が充填されたプリプレグ10aを得る。
これに対し、配線導体が片面のみに埋入される第二の絶縁層1b用のプリプレグ10bは、図5(a)に示すように、貫通孔12内に導体ペースト30が埋め込まれたプリプレグ10bの表面を、導体ペースト30の表面が拭取られるようにして無塵布13等により同図に示す矢印の方向に拭取る。この拭取った際には、粒径の大きな金属粉末8bが優先的に除去され、粒径の小さな金属粉末8aが残存する。残存した粒径の小さな金属粉末8aは、粒径の大きな金属粉末8bの間に落ち込んだ状態になる。
そして、図5(b)に示すように、拭取った後の貫通孔12の表面に導体ペースト30を追加印刷した後、再度図5(a)に示すように、拭取りを行うことを複数回繰り返すことによって、図5(c)に示すように、拭取った側に粒径の小さな金属粉末8aを選択的に配置することができる。なお、拭取りを行う回数は、小さな金属粉末8aが選択的に配置される回数であればよく、特に限定されるものではないが、例えば3〜4回程度であるのが好ましい。
次に、図3(d)に示すように、プリプレグ10bの表面から樹脂フィルム11を剥離し、導体ペースト30(貫通導体3)の一方の端部側に粒径の小さな金属粉末8aが選択的に配置された第二の絶縁層1b用のプリプレグ10bを得ることができる。なお、このように導体ペースト30の一方の端部側に粒径の小さな金属粉末8aを選択的に配置するための工程を第一の絶縁層1a用のプリプレグ10aを得る際に適用してもかまわない。
一方、図6(a)に示すように、PET等の樹脂から成る転写フィルム21の表面に銅箔等の金属箔22を図示しない接着剤を介して剥離可能に接着した転写シート20を準備する。次に、図6(b)に示すように、金属箔22の表面に配線導体2に対応したパターンのエッチングレジスト23を形成する。そして、図6(c)に示すように、エッチングレジスト23で覆われていない金属箔22をエッチング除去した後、図6(d)に示すように、エッチングレジスト23を除去することによって転写フィルム21の表面に所定パターンの配線導体2を形成する。
ついで、図7(a)に示すように、貫通孔12に導体ペースト30が充填されたプリプレグ10と、配線導体2が形成された転写フィルム21とを位置合わせした後、図7(b)に示すように、上下からプレスして転写フィルム21上の配線導体2をプリプレグ10の表面に埋入し、その後、図7(c)に示すように、転写フィルム21を除去することにより配線導体2をプリプレグ10に転写する。
ここで、両面に配線導体2が埋入される第一の絶縁層1a用のプリプレグ10aには、図7に示した工程をプリプレグ10の両面に対して行い、片面に配線導体2が埋入される第二の絶縁層1b用のプリプレグ10bには、小さな粒径の金属粉末8aが配置された反対側の面に配線導体2を転写する。配線導体2が転写埋入された側は、大きな粒径の金属粉末8bがあっても、配線導体2を埋入する際に配線導体2と貫通導体3とが強く圧接されるので、両者の接続は良好となる。
そして、図8(a)に示すように、第一の絶縁層1a用のプリプレグ10aの片面に、第二の絶縁層1b用のプリプレグ10bを、他面にプリプレグ10bと同様にして調製したプリプレグ10cをそれぞれ位置合わせし、図8(b)に示すように、プリプレグ10a,10b,10cを上下からプレスしながら加熱し、プリプレグ10a,10b,10cおよび導体ペースト30を熱硬化させることにより、複数の絶縁層1と配線導体2とが交互に積層されているとともに、上下の配線導体2が貫通導体3により電気的に接続された積層体(配線基板50)が得られる。そして、この積層体の上下面にソルダーレジスト層4を披着させることにより、図1に示すような、配線基板50が得られる。
なお、上記の実施形態では、プリプレグ10が3枚積層された配線基板50について説明したが、本発明はこの配線基板50に限定されるものではなく、用途に応じて任意の枚数のプリプレグ10が積層された配線基板であっても、好適に適用することができる。また、金属粉末8の粒径を貫通孔12の片側のみ小さいものとしたが、図5に示した工程を、プリプレグ10の両面に対して行うことにより、貫通孔12の両側で金属粉末8の粒径を小さいものとしてもよい。この場合には、貫通導体と、該貫通導体と接触する配線導体との間の接触点がより多くなるので、配線導体と貫通導体との接続信頼性がさらに向上した配線基板が得られる。
<断面観察>
上記の製造方法で得られた配線基板の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。図9は、上記製造方法で得られた本発明にかかる配線基板の表面付近における貫通導体部分の断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)による拡大画像である。
図9に示すように、本発明にかかる配線基板は、配線導体が片面に埋入されている絶縁層における貫通導体の金属粉末のうち、粒径の小さな金属粉末が、前記配線導体が埋入されていない側に偏在しているのがわかる。
図10は、本発明の他の実施形態にかかる配線基板を示す概略説明図である。図10に示すように、本発明にかかる配線基板50をコア基板として使用し、その上に熱硬化性樹脂から成る絶縁層40とめっき金属から成る配線導体41とを交互に積層してもよい。なお、図10においては、前述した図1〜図8の構成と同一または同等な部分には同一の符号を付して説明は省略する。
本発明の一実施形態にかかる配線基板を示す概略説明図である。 本発明の一実施形態にかかる配線基板の表面付近における貫通導体部分を示す拡大断面図である。 (a)〜(d)は、絶縁層に貫通孔を形成し、該貫通孔に導体ペーストを充填する工程を示す概略図である。 貫通孔に導体ペーストを充填した状態を示す拡大断面図である。 (a)〜(c)は、粒径の小さな金属粉末を偏在させる方法を示す概略図である。 (a)〜(d)は、配線導体を形成する方法を示す概略図である。 (a)〜(c)は、配線導体を絶縁層に埋入する方法を示す概略図である。 (a),(b)は、貫通導体が形成され且つ配線導体が埋入された絶縁層を積層体に成形する方法を示す概略図である。 本発明にかかる配線基板の表面付近における貫通導体部分の断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)による拡大画像である。 本発明の他の実施形態にかかる配線基板を示す概略説明図である。 従来の配線基板の表面付近における貫通導体部分を示す拡大断面図である。
符号の説明
1,40 絶縁層
1a 第一の絶縁層
1b 第二の絶縁層
2,41 配線導体
2a 第一の配線導体
2b 第一の配線導体
3 貫通導体
4 ソルダーレジスト層
5 半導体素子
6 半田バンプ
7 半田ボール
8 金属粉末
8a 粒径の小さな金属粉末
8b 粒径の大きな金属粉末
9a 半導体素子接続パッド
9b 外部接続パッド
10,10a,10b,10c プリプレグ
11 樹脂フィルム
12 貫通孔
13 無塵布
20 転写シート
21 転写フィルム
22 金属箔
23 エッチングレジスト
30 導体ペースト
45 スキージ
50 配線基板

Claims (2)

  1. 第一の絶縁層および第二の絶縁層を準備する工程と、
    前記第二の絶縁層に貫通孔を穿孔する工程と、
    前記貫通孔内に金属粉末および樹脂を含有する導体ペーストを前記貫通孔における一方の端部側から充填する工程と、
    前記第一の絶縁層の少なくとも片面に金属箔から成る第一の配線導体を埋入するとともに、前記第二の絶縁層の貫通孔における他方の端部側の片面に金属箔から成る第二の配線導体を前記導体ペーストと接触するように埋入する工程と、
    前記第一の絶縁層および第二の絶縁層を、前記第一の配線導体が前記第二の絶縁層における貫通孔の一方の端部の導体ペーストと接触するように積層一体化する工程とを具備する配線基板の製造方法であって、
    前記導体ペーストを充填する工程は、導体ペーストの表面から粒径の大きな金属粉末を除去し、粒径の小さな金属粉末を残存させて、粒径の小さな金属粉末が前記貫通孔の少なくとも一方の端部側に偏在するように充填する工程であることを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 前記導体ペーストを充填する工程は、前記導体ペーストを前記貫通孔に充填する工程と、充填した導体ペーストの表面を拭き取る工程とを複数回繰り返す工程である請求項記載の配線基板の製造方法。
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