JP4132042B2 - 配線基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の電子部品を搭載するための配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線基板として、例えばガラスクロス等の耐熱繊維基材にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、アリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁層を複数積層して成る絶縁基板の表面および絶縁層間に銅箔から成る配線導体層を配設するとともに絶縁層を挟んで上下に位置する配線導体層同士を金属粉末および樹脂を含有する貫通導体により接続して成るプリント配線基板が知られている。
【0003】
また、このプリント配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作することも行なわれている。その場合、プリント配線基板の表面に配線導体層から成る接続パッドを設け、さらにその上に接続パッドの中央部を露出させる開口部を有する絶縁樹脂層を積層するとともに絶縁樹脂層の表面および開口部内に接続パッドに電気的に接続された配線導体膜をめっき法により形成し、さらにその上に次層の絶縁樹脂層および次層の配線導体膜を順次積層していくことによりビルドアップ配線基板が製作される。
【0004】
なお、このプリント配線基板においては、例えば貫通導体を構成する金属粉末中に錫を含有させ、その錫を配線導体層に固相拡散させて配線導体層における貫通導体との接続部に錫の拡散層を形成し、その錫の拡散層を介して貫通導体と配線導体層とを電気的に接続することにより、金属粉末および樹脂を含有する貫通導体と銅箔から成る配線導体層との電気的な接続信頼性を良好とすることが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−110243号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように錫の拡散層を介して貫通導体と配線導体層とを電気的に接続したプリント配線基板を用いてビルドアップ配線基板を製作した場合、貫通導体に接続された接続パッドの中央部を露出させる絶縁樹脂層の開口部内にめっき法による配線導体膜を良好に被着することができないことがあり、そのため銅箔から成る接続パッドとめっき法による配線導体膜との電気的な接続信頼性が低いという問題点を有していた。
【0007】
そこで、本発明の発明者は鋭意研究の結果、接続パッドに形成された錫拡散層に含有される錫が配線導体膜用の銅めっきの被着に悪影響を及ぼしていると考え、本発明を完成するに至った。本発明の目的は、貫通導体に接続された接続パッドとそのパッドに接続された配線導体膜との電気的な接続信頼性に優れる配線基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、複数の絶縁層を積層して成る絶縁基板と、該絶縁基板の表面に配設された銅箔から成る接続パッドと、錫を70〜90質量%含有するとともに前記絶縁層を貫通して前記接続パッドに電気的に接続された貫通導体と、前記絶縁基板の表面に積層されているとともに前記接続パッドの中央部を露出させる開口部を有する絶縁樹脂層と、前記接続パッドに接続するように前記絶縁樹脂層の表面および前記開口部の内面に被着された銅めっきから成る配線導体膜とを具備して成る配線基板であって、前記接続パッドは、前記貫通導体に接続される面に錫が前記銅箔中に拡散して成る錫拡散層が形成されているとともに、該錫拡散層と前記配線導体膜との間に厚みが2μm以上の前記銅箔の層が介在しており、該銅箔の層の前記配線導体膜との接続面がエッチング除去後の面であることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の配線基板は、接続パッドが貫通導体に接続される面に形成された錫拡散層と接続パッドに接続する銅めっきから成る配線導体膜との間に厚みが2μm以上の銅箔の層が介在していることから、錫拡散層の錫が配線導体膜用の銅めっきの被着を妨げることが有効に防止され、その結果、接続パッドを露出させる開口部内に銅めっきから成る配線導体膜が良好に被着されて接続パッドとその上の銅めっきから成る配線導体膜との電気的な接続信頼性に優れる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づいて説明する。図1は、本発明の配線基板を半導体素子等の電子部品を実装するために用いられる配線基板に適用した場合の実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は絶縁基板、2は配線導体層、3は接続パッド、4は貫通導体、5は絶縁樹脂層、6は配線導体膜であり、主にこれらで本発明の配線基板が構成される。
【0011】
絶縁基板1は、ガラスクロスやアラミド不織布等の繊維基材にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、アリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた厚みが50〜150μm程度の絶縁層1aを複数層積層して成る。この絶縁基板1は、ガラスクロスやアラミド不織布等の繊維基材にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、アリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂の前駆体を含浸させた未硬化の絶縁シートを複数枚重ねるとともに、それらの絶縁シートを上下から加圧しながら加熱して絶縁シート中の熱硬化性樹脂の前駆体を熱硬化させることにより得られる。
【0012】
この絶縁基板1の表面および各絶縁層1aの間には銅箔から成る配線導体層2が配設されており、さらに各絶縁層1aの上面から下面にかけては金属ペーストを硬化させて成る貫通導体4が配設されている。なお、配線導体層2の一部は貫通導体4に接続するための接続パッド3を形成しており、この接続パッド3に貫通導体4を接続することにより絶縁層1aを挟んで上下に位置する配線導体層2同士が電気的に接続されている。
【0013】
絶縁基板1の表面および絶縁層1aの間に配設された配線導体層2は、厚みが5〜50μm程度の銅箔から成り、後述する銅めっきから成る配線導体膜6等とともに半導体素子等の電子部品の各電極を外部電気回路基板に電気的に接続する導電路の一部として機能する。この配線導体層2は、絶縁層1a用の絶縁シートの表面に所定パターンの銅箔を予め埋設しておくことによって絶縁基板1の表面や各絶縁層1a間に配設される。
【0014】
また、絶縁層1aを挟んで上下に位置する配線導体層2同士を接続する貫通導体4は、例えば、錫70〜90質量%と銀とビスマスと銅とから成る合金粉末および熱硬化性樹脂を含有する導電性材料から成り、貫通導体4に含有される合金粉末同士が互いに接触するとともに合金粉末と配線導体2を構成する銅箔とが接触することにより配線導体2同士を電気的に接続する。
【0015】
この貫通導体4は、配線導体層2用の銅箔が埋設される前の絶縁層1a用の絶縁シートにレーザ加工により直径が30〜200μm程度の貫通孔を穿孔するとともに、その貫通孔内に錫70〜90質量%と銀とビスマスと銅とから成る合金粉末および熱硬化性樹脂の前駆体を含有する金属ペーストを充填しておき、その金属ペーストの熱硬化性樹脂の前駆体を絶縁層1a用の絶縁シート中の熱硬化性樹脂の前駆体とともに熱硬化させることにより形成される。
【0016】
なお、配線導体層2用の銅箔は、絶縁層1a用の絶縁シートの貫通孔内に充填された貫通導体4用の金属ペーストに接続するように埋設され、金属ペーストおよび絶縁シート中の熱硬化性樹脂の前駆体を熱硬化させる際の熱により金属ペースト中の合金粉末に含有される錫の一部が配線導体層2用の銅箔に拡散して、図2に要部拡大断面図で示すように、接続パッド3の貫通導体4と接続する面に厚みが1〜5μm程度の錫拡散層3aがそれぞれ形成される。そして、この錫拡散層3aを介して接続パッド3と貫通導体4とが電気的に良好に接続される。
【0017】
さらに、絶縁基板1の表面には、接続パッド3の中央部を露出させる開口部5aを有する絶縁樹脂層5が被着形成されており、絶縁樹脂層5の表面および開口部5a内には接続パッド3に接続された銅めっきから成る配線導体膜6が被着されている。なお、接続パッド3における錫拡散層3aと配線導体膜6が被着された表面との間には厚みが2μm以上の銅箔の層が介在した状態で接続パッド3と配線導体膜6とが電気的に接続されている。
【0018】
絶縁樹脂層5は、配線導体膜6の支持体としての機能を有し、その厚みが10〜80μmであり、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に平均粒径が0.1〜2μmのシリカやアルミナ等の無機絶縁フィラーを10〜50質量%程度分散させた絶縁樹脂材料から成る。
【0019】
この絶縁樹脂層5は、熱硬化性樹脂の前駆体に平均粒径0.1〜2μmの無機絶縁フィラーを分散させてシート状に形成した絶縁樹脂シートを接続パッド3が埋設された絶縁基板1の表面に真空プレスにより貼着し、その絶縁樹脂シート中の熱硬化性樹脂の前駆体を150〜200℃で熱硬化することにより絶縁基板1の表面に被着される。また開口部5aは絶縁樹脂層5にレーザ加工を施すことにより形成される。なお、絶縁樹脂層5と絶縁基板1および接続パッド3との接合を強固なものとするために、絶縁基板1および接続パッド3の表面は予め例えばバフロールを用いた機械的研磨法により粗化され、さらに接続パッド3の表面は塩化銅系のエッチング液を用いて化学的に粗化される。
【0020】
配線導体膜6は、下地としての厚みが1〜2μmの無電解銅めっきと、その上の主導体としての厚みが10〜30μmの電解銅めっきとから成り、配線基板に搭載される半導体素子等の電子部品の各電極と絶縁基板1の接続パッド3との間を高密度で接続する機能を有する。
【0021】
この配線導体膜6は、セミアディティブ法により形成される。具体的には、まず絶縁樹脂層5の表面および開口部5aの内壁を過マンガン酸塩類水溶液等の粗化液に浸漬し表面を粗化する。次に開口部5aから露出する接続パッド3の表面をエッチング液を用いてマイクロエッチングする。その後、無電解めっき用パラジウム触媒の水溶液中に浸漬し表面にパラジウム触媒を付着させる。次に、硫酸銅とホルマリンとEDTAナトリウム塩と安定剤とを含有する無電解銅めっき液中に約30分間浸漬して絶縁樹脂層5の表面および開口部5a内の全面に厚みが1〜2μm程度の無電解銅めっきを析出させる。次に、絶縁樹脂層5の表面および開口部5a内の全面に被着させた無電解銅めっきの表面に配線導体膜6のパターン形状に対応する開口部を有するめっきレジスト層を被着する。次に、硫酸と硫酸銅5水和物と塩素と光沢剤とを含有する電解銅めっき液中に数A/dmの電流を印加しながら数時間浸漬することによりめっきレジスト層の開口部から露出した無電解銅めっき上に厚みが10〜30μmの電解銅めっきを被着する。その後、めっきレジスト層を水酸化ナトリウムで剥離し、さらに、めっきレジスト層を剥離したことにより露出する無電解銅めっきを硫酸と過酸化水素水の混合物等の硫酸系水溶液によりエッチング除去して形成される。
【0022】
さらに本例では、最外層の絶縁樹脂層5上に耐半田樹脂層7が被着されている。耐半田樹脂層7は、その厚みが10〜50μmであり、例えばアクリル変性エポキシ樹脂等の感光性樹脂と光開始剤等とから成る混合物に30〜70質量%のシリカやタルク等の無機粉末フィラーを含有させた絶縁材料から成り、隣接する配線導体膜6同士が半田により電気的に短絡することを防止するとともに、配線導体膜6と絶縁樹脂層5との接合強度を向上させる機能を有する。
【0023】
この耐半田樹脂層7は、感光性樹脂と光開始剤と無機粉末フィラーとから成る未硬化の樹脂フィルムを最外層の絶縁樹脂層5の表面に被着させるか、あるいは、感光性樹脂と光開始材と無機粉末フィラーとから成る未硬化の樹脂ワニスを最外層の絶縁樹脂層5の表面に塗布して未硬化の感光性樹脂層を形成し、しかる後、その未硬化の感光性樹脂層を露光および現像して開口部を形成し、これを紫外線硬化および熱硬化させることにより形成される。
【0024】
そしてこの配線基板は、上面側に露出する配線導体膜6に電子部品の各電極を電気的に接続することにより電子装置となり、この電子装置における下面側に露出する配線導体膜6を外部電気回路基板の各電極に接続することにより搭載する電子部品が外部の電気回路に接続されることとなる。
【0025】
ところで本発明においては、接続パッド3が貫通導体4と接続する面に錫が銅箔中に拡散して成る錫拡散層3aが形成されているとともに、錫拡散層3aと配線導体膜6との間に厚みが2μm以上の銅箔の層が介在しており、そのことが重要である。錫拡散層3aと配線導体膜6との間に厚みが2μm以上の銅箔の層が介在していることから、錫拡散層3a中の錫が無電解銅めっきの被着に悪影響を及ぼすことを厚みが2μm以上の銅箔により有効に防止することができる。その結果、接続パッド3を露出させる絶縁樹脂層5の開口部5a内に銅めっきから成る配線導体膜6を良好に被着させることができ、接続パッド3と貫通導体4および配線導体膜6との電気的な接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0026】
なお、本発明において錫拡散層3aと配線導体膜6との間に介在する銅箔の層の厚みとは、錫拡散層3aと配線導体膜6との間に介在する銅箔の層の厚み最小値をいう。そして、この錫拡散層3aと配線導体膜6との間に介在する銅箔の層の厚みが2μm未満であると、接続パッド3を露出させる開口部5a内に無電解銅めっきを被着させる際に、錫拡散層3a中の錫が悪影響を及ぼして開口部5a内に無電解銅めっきを良好に被着させることができずに、その上の電解銅めっきも良好に被着されないので接続パッド3と配線導体膜6との電気的な接続信頼性が極めて劣ったものとなってしまう。したがって、錫拡散層3aと配線導体膜6との間に介在する銅箔の層の厚みは2μm以上に特定される。このとき、錫拡散層3aと配線導体膜6との間に介在する銅箔の層の厚みは2μm以上であれば、本発明の作用効果上、その上限は特に規定されるものではないが、配線導体層6の加工し易さの観点からは40μm以下であることが好ましい。
【0027】
なお、錫拡散層3a中の錫が無電解銅めっきの被着に悪影響を与えるのは、錫拡散層3a上の銅箔の層が薄い場合、無電解銅めっきを施す際に錫拡散層3a中の錫がその上の薄い銅箔の層の結晶粒界を通って接続パッド3の表面まで到達してしまいやすく、その表面に到達した錫が無電解銅めっきに対する触媒毒として作用して無電解銅めっきの被着を妨げるためと考えられる。
【0028】
かくして、本発明の配線基板によれば、接続パッド3を露出させる絶縁樹脂層5の開口部5a内に銅めっきから成る配線導体膜6を良好に被着させることができ、接続パッド3と貫通導体4および配線導体膜6との電気的な接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0029】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0030】
【実施例】
ガラス繊維基材に未硬化のアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂を含浸させた厚みが100μmの絶縁層用の絶縁シートを2枚準備するとともに、それらの絶縁シートの所望箇所にレーザ加工により直径が100μmの貫通孔をそれぞれ穿孔した。
【0031】
次にそれらの貫通孔内に82.5質量%の錫と2質量%の銀と15質量%のビスマスと0.5質量%の銅とから成る平均粒径が5μmの合金粉末90質量%および未硬化のトリアジン系熱硬化性樹脂10質量%を含有する貫通導体用の金属ペーストを充填した。
【0032】
次に貫通孔内に金属ペーストが充填された絶縁シートの表面に配線導体層や接続パッド用の厚みが20μmの銅箔を金属ペーストに接するように転写法を用いて埋設した。
【0033】
次に配線導体層や接続パッド用の銅箔が転写された絶縁シートを所定の順に積層するとともに上下から3MPaの圧力を加えながら150〜240℃の温度で加熱して絶縁シートおよび金属ペーストを硬化させることにより、2層の絶縁層が積層されて成る絶縁基板を得るとともに絶縁基板の絶縁層間に銅箔から成る配線導体層および絶縁基板の上下面に銅箔から成る接続パッドを形成し、かつ配線導体層と上下の接続パッドとを金属ペーストが硬化して成る貫通導体により接続した。このとき、接続パッドの貫通導体と接続する面には貫通導体中の錫が銅箔中に拡散して成る錫拡散層が2μmの厚みに形成された。なお、接続パッドの直径は180μmとし、絶縁基板の上下面にそれぞれ1024個ずつ形成した。
【0034】
次に、接続パッドが配設された絶縁基板の表面をバフロールを用いた機械的研磨法により研磨して絶縁基板および接続パッドの表面を粗化した。このとき、研磨により接続パッドの厚みが14〜16μmとなるようにした。
【0035】
次に、接続パッドの表面を塩化銅系エッチング液から成る温度が35℃の処理液に1分間浸漬して化学的に粗化した後、絶縁基板の上下面に未硬化のエポキシ樹脂中にシリカから成る無機絶縁フィラーを分散させた厚みが45μmの絶縁樹脂シートを真空プレスにより貼着し、170〜200℃の温度で熱硬化させることにより絶縁樹脂層を形成した後、絶縁樹脂層にレーザ加工を施すことにより接続パッドの中央部を露出させる直径が50μmの開口部を形成した。なお、このとき、化学的粗化により接続パッドの厚みは表面から3μm程度減少し、錫拡散層から接続パッド表面までの間に残る銅箔の層の厚みは11〜13μmとなった。
【0036】
次に、絶縁樹脂層の表面を過マンガン酸塩類水溶液により粗化するとともに開口部内に露出した接続パッドの表面を塩化銅系のエッチング液から成る温度が35℃のエッチング液に1〜3分間浸漬してマイクロエッチングした後、絶縁樹脂層の表面および開口部内に無電解銅めっきのためのパラジウム触媒を付着させ、その上に無電解銅めっきを被着させた。このとき、接続パッドの厚みはマイクロエッチングにより表面から3μm程度減少し、錫拡散層から接続パッド表面までの間に残る銅箔の層の厚みは8〜10μmとなった。
【0037】
次に、無電解銅めっきの上に接続パッドと接続するパターンの開口部を有するめっきレジスト層を被着させた後、めっきレジスト層の開口部内に露出する無電解銅めっき上に電解銅めっきを被着させた。電解銅めっきを被着させるには、硫酸銅から成る電解銅めっき液中に約1A/dmの電流を印加しながら約60分間浸漬する方法を用いた。
【0038】
次に、水酸化ナトリウム水溶液を用いてめっきレジスト層を剥離した後、硫酸系から成る40℃のエッチング液に1分間浸漬して電解銅めっきから露出した無電解銅めっきをエッチング除去して無電解銅めっきとその上の電解銅めっきとから成り、絶縁樹脂層の開口部を介して接続パッドに接続する配線導体膜を形成した。
【0039】
以上のようにして、接続パッドの貫通導体と接続する面に厚みが2μmの錫拡散層が形成されているとともに錫拡散層と配線導体膜との間に厚みが8〜10μmの銅箔の層が介在する本発明による第1の試料を得た。
【0040】
また、接続パッドが配設された絶縁基板の表面をバフロールを用いた機械的研磨法により研磨する際に、接続パッドの厚みを8〜10μmとした以外は上記と同様の方法で製作することにより、接続パッドの貫通導体と接続する面に厚みが2μmの錫拡散層が形成されているとともに錫拡散層と配線導体膜との間に厚みが2〜4μmの銅箔の層が介在する本発明による第2の試料を得た。
【0041】
さらに、接続パッドが配設された絶縁基板の表面をバフロールを用いた機械的研磨法により研磨する際に、接続パッドの厚みを7〜8μmとした以外は上記と同様の方法で製作することにより、接続パッドの貫通導体と接続する面に厚みが2μmの錫拡散層が形成されているとともに錫拡散層と配線導体膜との間に厚みが1〜2μmの銅箔の層が介在する比較のための試料を得た。
【0042】
次に、これらの本発明による試料および比較のための試料をJEDECにより規定の温度サイクル試験に準拠して−55〜+125℃の温度範囲の条件で1000サイクルの温度サイクル試験を行なった後、貫通導体および配線導体層および接続パッドを介して上下で互いに電気的に接続された配線導体膜同士の電気抵抗を全ての接続パッドについて測定した。なお、上下で互いに接続された配線導体膜同士の間の電気抵抗が10Ω以上のものを接続不良と判定した。また、本発明による試料および比較のための試料における接続パッドとの接続部における配線導体膜の最も薄い部分の厚みをクロスセクションにより測定した。その結果を表1に示す。なお、表1において、試料番号1〜2は本発明による試料であり、試料番号3は比較のための試料である。
【0043】
【表1】
Figure 0004132042
【0044】
表1から解るように、本発明による試料では1000サイクルの温度サイクル試験を行なった後においても互いに電気的に接続された上下の配線導体膜同士の間に接続不良の発生は一切みられなかった。それに対して、比較のための試料においては、1000サイクルの温度サイクル試験を行なった後に、上下で接続された配線導体同士の間の1%以上に接続不良の発生が認められた。また、本発明による試料1、2では接続パッドとの接続部における配線導体膜の厚みが2〜8μmと厚いのに対して、比較のための試料3では1〜2μm以下と極めて薄いことが分かった。なお、比較のための試料3における配線導体膜の厚みの最も薄い部分は接続パッドを露出させる絶縁樹脂層の開口部側面の下端部に被着された部分であった。
【0045】
以上の結果から、本発明の配線基板によると、接続パッドとその上に被着された銅めっきから成る配線導体膜との接続信頼性に優れた配線基板を提供できることが分かる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の配線基板は、接続パッドが貫通導体と接続する面に形成された錫拡散層と接続パッドに接続する銅めっきから成る配線導体膜との間に厚みが2μm以上の銅箔の層が介在していることから、錫拡散層の錫が配線導体膜用の銅めっきの被着を妨げることが有効に防止され、その結果、接続パッドを露出させる開口部内に銅めっきから成る配線導体膜が良好に被着されて接続パッドとその上の銅めっきから成る配線導体膜との電気的な接続信頼性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す配線基板の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1:絶縁基板
1a:絶縁層
2:配線導体層
3:接続パッド
3a:錫拡散層
4:貫通導体
5:絶縁樹脂層
6:配線導体膜

Claims (1)

  1. 複数の絶縁層を積層して成る絶縁基板と、該絶縁基板の表面に配設された銅箔から成る接続パッドと、錫を70〜90質量%含有するとともに前記絶縁層を貫通して前記接続パッドに電気的に接続された貫通導体と、前記絶縁基板の表面に積層されているとともに前記接続パッドの中央部を露出させる開口部を有する絶縁樹脂層と、前記接続パッドに電気的に接続するように前記絶縁樹脂層の表面および前記開口部の内面に被着された銅めっきから成る配線導体膜とを具備している配線基板であって、前記接続パッドは、前記貫通導体に接続される面に錫が前記銅箔中に拡散して成る錫拡散層が形成されているとともに、該錫拡散層と前記配線導体膜との間に厚みが2μm以上の前記銅箔の層が介在しており、該銅箔の層の前記配線導体膜との接続面がエッチング除去後の面であることを特徴とする配線基板。
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JP2008103532A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Hitachi Chem Co Ltd 多層プリント配線板の内層処理方法及び内層処理方法により得られる回路基板

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