JP2004193505A - 配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期の熱履歴を繰り返し印加しても、熱応力に充分耐え、断線等が生じない接続信頼性の高い配線基板を提供する。
【解決手段】耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板1に金属箔から成る接続ランド2をその上面が絶縁基板1の上面と同一面をなすように埋入して成るコア基板3と、このコア基板3の上面に被着された絶縁層4と、この絶縁層4の接続ランド2の上に形成された貫通孔8と、この貫通孔8の内部を通って、貫通孔8の下に位置する接続ランド2の上面から絶縁層4の表面にかけて被着された、めっきから成る配線導体層5とを具備して成る配線基板であって、貫通孔8は、接続ランド2側の開口8aが接続ランド2の外周2aを取囲むように形成されており、配線導体層5は、接続ランド2と絶縁基板1との境界7を覆って形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板1に金属箔から成る接続ランド2をその上面が絶縁基板1の上面と同一面をなすように埋入して成るコア基板3と、このコア基板3の上面に被着された絶縁層4と、この絶縁層4の接続ランド2の上に形成された貫通孔8と、この貫通孔8の内部を通って、貫通孔8の下に位置する接続ランド2の上面から絶縁層4の表面にかけて被着された、めっきから成る配線導体層5とを具備して成る配線基板であって、貫通孔8は、接続ランド2側の開口8aが接続ランド2の外周2aを取囲むように形成されており、配線導体層5は、接続ランド2と絶縁基板1との境界7を覆って形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、現在の電子機器は、移動体通信機器に代表されるように小型・薄型・軽量・高性能・高機能・高品質・高信頼性が要求されてきており、このような電子機器に搭載される電子装置も小型・高密度化が要求されるようになってきている。そのため、電子装置を構成する配線基板にも小型・薄型・多端子化が求められてきており、それを実現するために信号導体等を含む配線導体層の幅を細くするとともにその間隔を狭くし、さらに配線導体層の多層化により高密度配線化が図られている。
【0003】
このような高密度配線が可能な配線基板として、ビルドアップ法を採用して製作されたビルドアップ配線基板が知られている。このビルドアップ配線基板は、例えば、次に述べる方法により製作される。
【0004】
まず、ガラスクロスやアラミド不布織等の補強材に耐熱性や耐薬品性を有するアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂に代表される熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁シートにドリル等を用いてスルーホールを設けるとともに、そのスルーホール内に金属粉末と熱硬化性樹脂とから成る導電性ペーストを充填し、次にその絶縁シートの上下面に金属箔から成る接続ランドを貫通孔内の導電性ペーストと接続するように埋入し、しかる後絶縁シートおよび導電性ペースト中の熱硬化性樹脂を加熱硬化して、絶縁基板の表面に接続ランドを埋入して成るコア基板を得る。
【0005】
次に、コア基板の表面を研磨して絶縁基板の表面を粗化し、さらに埋入した接続ランドの表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する。
次に、表面を粗化したコア基板にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成る樹脂フィルムを貼着し、さらにこれを加熱硬化して厚みが20〜200μmの絶縁層を形成する。次に、接続ランドの上に位置する絶縁層に直径が50〜200μmの貫通孔をレーザで穿孔し、さらに絶縁層の表面および貫通孔の内面を過マンガン酸カリウム溶液等の粗化液で化学粗化し、次にセミアディティブ法を用いて絶縁層の表面および貫通孔内に銅めっきから成る配線導体層を被着して絶縁層の表面に配線導体および貫通孔内に貫通導体を形成する。そして、この上に絶縁層や貫通導体・配線導体から成る配線導体層の形成を複数回繰り返すことによって、ビルドアップ配線基板が製作される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−261451号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の配線基板では、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加されると、接続ランドと絶縁基板との熱膨張差により両者の境界に隙間が生じるとともに、コア基板の表面にこの隙間を起点とするクラックが発生し、このクラックが上層の絶縁層に伝播するとともに絶縁層表面の配線導体を切断して断線させてしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、電子部品を搭載した配線基板において、長期の熱履歴を繰り返し印加しても、熱応力に充分耐え、配線導体に断線等が生じない接続信頼性の高い配線基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板に金属箔から成る接続ランドをその上面が前記絶縁基板の上面と同一面をなすように埋入して成るコア基板と、このコア基板の上面に被着された絶縁層と、この絶縁層の前記接続ランドの上に形成された貫通孔と、この貫通孔の内部を通って、前記貫通孔の下に位置する前記接続ランドの前記上面から前記絶縁層の上面にかけて被着された、めっきから成る配線導体層とを具備して成る配線基板であって、前記貫通孔は、前記接続ランド側の開口が前記接続ランドの外周を隙間をあけて取囲むように形成されており、前記配線導体層は、前記接続ランドと前記絶縁基板との境界を覆って形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の配線基板によれば、貫通孔は、接続ランド側の開口が接続ランドの外周を隙間をあけて取囲むように形成されており、配線導体層は、接続ランドと絶縁基板との境界を覆って形成されていることから、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加され、接続ランドと絶縁基板との熱膨張差により両者の境界に隙間が生じてコア基板の表面にクラックが発生したとしても、接続ランドと絶縁基板との境界を覆っている、絶縁層に較べて延性が高い配線導体層がクラックの伝播を防止し、その結果、上層の絶縁層にクラックが発生することを防止することができ、絶縁層表面の配線導体が断線することのない接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の配線基板の実施形態の一例を示す断面図であり、図2は、図1の要部拡大断面図である。これらの図において、1は絶縁基板、2は接続ランド、3は絶縁基板1の表面に接続ランド2を埋入して成るコア基板、4は絶縁層、5a、5bはそれぞれ配線導体層5から成る配線導体および貫通導体、8は貫通孔であり、主にこれらで本発明の配線基板が構成されている。なお、配線導体層5は、貫通孔8の内部を通って、接続ランド2の表面から絶縁層4の表面にかけて被着されており、貫通孔8の内部に被着した部分が貫通導体5bを形成しており、絶縁層4の表面に被着した部分が配線導体5aを形成している。
【0012】
絶縁基板1は、例えばガラス繊維を縦横に織り込んだガラスクロスにエポキシ樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る厚みが0.15〜1.5mmの板状であり、絶縁層4の支持体としての機能を有するとともに配線基板に強度を付与する機能を有する。絶縁基板1は、その厚みが0.15mm未満であると配線基板の剛性が低下し、反りが発生し易くなる傾向があり、1.5mmを超えると配線基板が不要に厚いものとなり配線基板を軽量化することが困難となる傾向がある。従って、絶縁基板1の厚みは0.15〜1.5mmの範囲が好ましい。
【0013】
また、絶縁基板1は、その上面から下面にかけて形成された複数のスルーホール6の内部に銅や銀・錫合金等の金属粉末およびトリアジン系熱硬化性樹脂等の熱硬化性樹脂を充填して成るスルーホール導体6aが形成されているとともに、表面にはスルーホール導体6aと電気的に接続する、銅や銀・アルミニウム・ニッケル等の金属箔から成る円形状の接続ランド2が、その表面が絶縁基板1の表面と同一面をなすように埋入されている。
【0014】
スルーホール導体6aは、上下に位置する接続ランド2同士を電気的に接続する導電路として機能し、例えば、絶縁基板1に設けたスルーホール6の内部に銅や銀・錫合金等の金属粉末とトリアジン系熱硬化性樹脂等とから成る導体を、スクリーン印刷法等の手段を用いて埋め込むことにより形成される。なお、スルーホール6は、その直径が30μm未満になるとスルーホール導体6aの形成が困難となる傾向があり、また、100μmを超えると高密度配線が形成できなくなる傾向がある。従って、スルーホール6の直径は30〜100μmの範囲とすることが好ましい。
【0015】
また、接続ランド2は、その形状が円形や円形状、三角形や四角形等の多角形、三角形状や四角形状等の多角形状であり、接続ランド2と絶縁基板1との熱膨張差により両者の境界7に発生する応力を小さくするという観点からは、円形や円形状が好ましい。接続ランド2は、スルーホール導体6aと、後述するコア基板3上の絶縁層4に設けた配線導体5aや貫通導体5bの配線導体層5とを接続するための中継部材として機能し、接続ランド2の形状が円形あるいは円形状の場合、その直径が50〜300μm、厚みが5〜50μmが好ましく、その直径が50μm未満となると変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、300μmを超えると接続ランド2の高密度配線ができなくなる傾向がある。また、接続ランド2の厚みが5μm未満になると接続ランド2の強度が低下し変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、50μmを超えると絶縁基板1への埋入が困難となる傾向がある。従って、接続ランド2は、その直径を50〜300μm、厚みを5〜50μmの範囲とすることが好ましい。なお、金属箔の材料としては、安価および低導電性の観点からは銅を用いることが好ましい。
【0016】
このようなコア基板3は、次に述べる方法により製作される。
まず、耐熱性樹脂から成る転写用シート基材に銅等の金属箔から成る接続ランド2を被着して成る転写用シートと、ガラスクロスに未硬化のアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る絶縁基板1用の前駆体シートとを準備する。
【0017】
次に、前駆体シートの上面から下面にかけて複数のスルーホール6を、例えばレーザを用いて形成するとともにそれらのスルーホール6内に金属粉末と未硬化の熱硬化性樹脂とを含有するスルーホール導体6a用の導体ペーストを充填する。
【0018】
次に、前駆体シートの表面に転写用シートをスルーホール導体6a用の導体ペーストと接続ランド2とが接続されるように積層するとともにそれらを加熱・加圧して、接続ランド2をその表面が前駆体シートの表面と同一面をなすように転写埋入する。なお、加熱・加圧は、熱プレス機を用いて温度が100〜150℃、圧力が0.5〜5MPaの条件で数分間加圧することにより行なわれる。また、加熱・加圧は加熱に先行して加圧のみを行なうことが好ましく、加熱を先に行なうと加熱よって転写用シートが伸び、接続ランド2を所望の位置に正確に埋入することが困難となる危険性がある。従って、加熱・加圧は、加熱に先行して加圧を行なうことが好ましい。
【0019】
次に、それらをさらに加熱加圧して前駆体シートおよび導体ペースト中の熱硬化性樹脂を熱硬化することにより、スルーホール導体6aに接続された接続ランド2がその表面と絶縁基板1の表面とが同一面をなすように絶縁基体1に埋入されて成るコア基板3が得られる。なお、加熱加圧処理にあたっては、前駆体シートをフッ素系樹脂などから成る離型性シートで上下から挟みこみ、1〜5MPaの圧力で150〜240℃の温度で処理することが好ましい。さらに、コア基板3は、その表面をバフロールを用いて研磨し、熱硬化性樹脂の表面に凹凸を形成することが好ましい。
【0020】
また、コア基板3の接続ランド2が埋入された表面には、絶縁層4と配線導体5aとが交互に積層されている。さらに各絶縁層4には貫通孔8が形成されており、貫通孔8の内部には絶縁層4を挟んで上下に位置する接続ランド2と配線導体5aとを、および配線導体5a同士を電気的に接続する貫通導体5bが被着されている。
【0021】
絶縁層4は、配線導体層5から成る配線導体5aや貫通導体5bの支持体としての機能を有し、その厚みが10〜80μmであり、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と平均粒径が0.01〜2μmで含有量が10〜50質量%のシリカやアルミナ・窒化アルミニウム等の無機絶縁フィラーとから成る。
【0022】
このような無機絶縁フィラーは、絶縁層4の熱膨張係数を調整し配線導体層5の熱膨脹係数と整合させるとともに、絶縁層4の表面に適度な凹凸を形成し、配線導体層5と絶縁層4との密着性を良好となす機能を有する。なお、無機絶縁フィラーは、その平均粒径が0.01μm未満であると、無機絶縁フィラー同士が凝集して均一な厚みの絶縁層4を形成することが困難となる傾向があり、2μmを超えると絶縁層4の表面の凹凸が大きなものとなり過ぎて配線導体層5と絶縁層4との密着性が低下してしまう傾向がある。従って、無機絶縁フィラーの平均粒径は、0.01〜2μmの範囲が好ましい。
【0023】
また、無機絶縁フィラーの含有量が10質量%未満であると、絶縁層4の熱膨張係数を調整する作用が小さくなる傾向があり、50質量%を超えると絶縁層4の樹脂量が不足し絶縁層4を成形することが困難となる傾向がある。従って、無機絶縁フィラーの含有量は、10〜50質量%の範囲が好ましい。
【0024】
このような絶縁層4は、例えば接続ランド2が銅箔から成る場合は、蟻酸/銅イオン水溶液で接続ランド2の表面を粗化した後に、コア基板3の主面にエポキシアクリレート等の感光性樹脂に無機絶縁フィラーを分散させたフィルムを貼着し、さらに露光・現像して直径が60〜360μmの貫通孔8を形成した後、150〜180℃で数時間熱硬化することによりコア基板3の主面に形成される。
【0025】
なお、絶縁層4用のフィルムは、熱硬化の際に一旦、軟化溶融するのでその際にコア基板3の粗化面に凹凸間に樹脂が良好に充填され、コア基板3の表面と絶縁層4とが強固に接着される。また、絶縁層4に感光性樹脂に無機絶縁フィラーを分散させたフィルムを用いて露光・現像で貫通孔8を形成したが、絶縁層4を熱硬化した後にレーザで貫通孔8を穿孔しても良い。
【0026】
貫通導体5bは、厚みが1〜2μmの無電解めっき層とその上に被着された厚みが10〜30μmの電解めっき層とから成り、絶縁層4を挟んで上下に位置する接続ランド2と配線導体5aとを、および配線導体5a同士を電気的に接続する機能を有する。なお、貫通孔8の直径が30μmより小さいと貫通導体5bを形成する際に、めっき液が貫通孔8内部に良好に浸入せず十分な膜厚の貫通導体5bを被着することが困難となる傾向があり、300μmを超えると接続ランド2および配線導体5aを高密度に配線できなくなる傾向がある。従って、貫通孔8の直径は30〜300μmが好ましい。
【0027】
また、配線導体5aは、その幅が20〜200μmであり、貫通導体5bに連続する厚みが1〜2μmの無電解めっき層とその上の厚みが10〜30μmの電解めっき層とから成り、配線基板に搭載される半導体素子等の電子部品の各電極を外部電気回路基板(図示せず)に電気的に接続する導電路としての機能を有する。このような配線導体5aは、その幅が20μm未満となると配線導体5aの変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、200μmを超えると高密度配線が形成できなくなる傾向がある。従って、配線導体5aは、その幅を20〜200μmの範囲とすることが好ましい。
【0028】
さらに、配線導体層5の厚みが11μm未満になると配線導体5aおよび貫通導体5bの強度が低下し変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、32μmを超えると配線導体5aおよび貫通導体5bの形成に長時間を要してしまう傾向がある。従って、配線導体層5は、厚みを11〜32μmの範囲とすることが好ましい。
【0029】
そして、本発明の配線基板においては、貫通孔8は、接続ランド2側の開口8aが接続ランド2の外周を隙間をあけて取囲むように形成されており、配線導体層5は、接続ランド2と絶縁基板1との境界7を覆って形成されている。そして、本発明においては、このことが重要である。
【0030】
本発明の配線基板によれば、貫通孔8は、接続ランド2側の開口8aが接続ランド2の外周2aを隙間をあけて取囲むように形成されており、配線導体層5は、接続ランド2と絶縁基板1との境界7を覆って形成されていることから、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加され、接続ランド2と絶縁基板1との熱膨張差により両者の境界7に隙間が生じてコア基板3の表面にクラックが発生したとしても、接続ランド2と絶縁基板1との境界を覆っている、絶縁層4に較べて延性が高い配線導体層5にクラックが発生することはなく、その結果、上層の絶縁層4にクラックが発生することを防止することができ、絶縁層4上の配線導体5aが断線することのない接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0031】
なお、接続ランド2の外周2aから貫通孔8の接続ランド2側の開口8aまでの距離は、5〜30μmが好ましく、接続ランド2の外周2aから貫通孔8の接続ランド2側の開口8aまでの距離が5μm未満であると、接続ランド2と絶縁基板1の境界7を配線導体層5で覆うことが困難となる傾向があり、30μmより広いと貫通孔8の開口8aが不要に大きなものとなり配線導体5aの高密度配線が困難となる傾向にある。従って、接続ランド2の外周2aからこれを覆う配線導体層5の外周までの幅は、5〜30μmであることが好ましい。
【0032】
このような配線導体5aおよび貫通導体5bを形成する配線導体層5は、例えば、次に述べる方法により形成される。
まず、絶縁層4の接続ランド2の直上に位置する箇所に、例えばレーザの照射により貫通孔8を、その接続ランド2側の開口8aが接続ランド2の外周2aを隙間をあけて取囲むように形成する。
【0033】
次に、絶縁層4の表面、貫通孔8の内面、および貫通孔8の内部に露出する接続ランド2ならびに絶縁基板1の表面を過マンガン酸塩類水溶液等の粗化液に浸漬して粗化した後、無電解めっき用パラジウム触媒の水溶液中に浸漬し絶縁層4の表面、貫通孔8の内面、および貫通孔8の内部に露出する接続ランド2ならびに絶縁基板1の表面にパラジウム触媒を付着させ、さらに、硫酸銅・ホルマリン・EDTAナトリウム塩・安定剤等から成る無電解めっき液に約30分間浸漬して厚みが1〜2μm程度の配線導体層5の下地層となる無電解めっき層を析出させる。
【0034】
次に、絶縁層4上の無電解めっき層に耐めっき樹脂層を被着し、さらに耐めっき樹脂層を露光・現像して配線導体5aのパターン形状に、電解めっき層を被着させるための開口部を複数形成する。次に、これらを硫酸・硫酸銅5水和物・塩素・光沢剤等から成る電解めっき液に数A/dm2の電流を印加しながら数時間浸漬することにより、貫通孔8の内面、貫通孔8の内部に露出する接続ランド2および絶縁基板1表面上の無電解めっき層に厚みが10〜30μm程度の電解めっき層を被着させることにより貫通導体5bを形成するとともに、耐めっき樹脂層の開口部の無電解めっき層上に厚みが10〜30μm程度の電解めっき層を被着する。しかる後、耐めっき樹脂層を水酸化ナトリウムで剥離し、さらに、耐めっき樹脂層を剥離することにより露出した無電解めっき層を硫酸と過酸化水素水の混合物等の硫酸系水溶液によりエッチング除去することにより配線導体5aを形成する。なお、めっきには銅やニッケル・クロム・銀等の金属が用いられ、安価および低導電性の観点からは銅を用いることが好ましい。
【0035】
そして、必要に応じてその上に次層の絶縁層4および配線導体5aや貫通導体5bから成る配線導体層5を交互に積層することによって、配線基板が完成する。
【0036】
なお、絶縁層4の一方の最外層表面に形成された配線導体5aの一部は、電子部品の各電極に導体バンプ11aを介して接合される電子部品接続用の実装用電極10aを形成しており、絶縁層4の他方の最外層表面に形成された配線導体5aの一部は、外部電気回路基板の各電極に導体バンプ11bを介して接続される外部接続用の実装用電極10bを形成している。
【0037】
さらに、実装用電極10a・10bの表面には、その酸化腐蝕を防止するとともに導体バンプ11a・11bとの接続を良好とするために、半田との濡れ性が良好で耐腐蝕性に優れたニッケル−金等のめっき層が被着されている。
【0038】
また、最外層の絶縁層4および実装用電極10a・10b上には、必要に応じて実装用電極10a・10bの中央部を露出させる開口を有する耐半田樹脂層12が被着されている。耐半田樹脂層12は、その厚みが10〜50μmであり、例えばアクリル変性エポキシ樹脂等の感光性樹脂と光開始剤等とから成る混合物に30〜70質量%のシリカやタルク等の無機粉末フィラーを含有させた絶縁材料から成り、隣接する実装用電極10a・10b同士が半田バンプ11a・11bにより電気的に短絡することを防止するとともに、実装用電極10a・10bと絶縁層4との接合強度を向上させる機能を有する。
【0039】
このような耐半田樹脂層12は、感光性樹脂と光開始剤と無機粉末フィラーとから成る未硬化樹脂フィルムを最外層の絶縁層4表面に被着させる、あるいは、熱硬化性樹脂と無機粉末フィラーとから成る未硬化樹脂ワニスを最外層の絶縁層4表面に塗布するとともに乾燥し、しかる後、露光・現像により開口部を形成し、これをUV硬化および熱硬化させることにより形成される。
【0040】
かくして本発明によれば、貫通孔8は、接続ランド2側の開口8aが接続ランド2の外周2aを隙間をあけて取囲むように形成されており、配線導体層5は、接続ランド2と絶縁基板1との境界7を覆って形成されていることから、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加され、接続ランド2と絶縁基板1との熱膨張差により両者の境界7に隙間が生じてコア基板3の表面にクラックが発生したとしても、接続ランド2と絶縁基板1との境界を覆っている、絶縁層4に較べて延性が高い貫通導体5bにクラックが発生することはなく、その結果、上層の絶縁層4にクラックが発生することを防止することができ、絶縁層4上の配線導体5aが断線することのない接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0041】
なお、本発明は上述の実施の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、本実施例では、絶縁基板を1層から成るものとした例を示したが、絶縁基板を2層以上から成るものとし、内部に配線導体を形成してもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、貫通孔は、接続ランド側の開口が接続ランドの外周を隙間をあけて取囲むように形成されており、配線導体層は、接続ランドと絶縁基板との境界を覆って形成されていることから、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加され、接続ランドと絶縁基板との熱膨張差により両者の境界に隙間が生じてコア基板の表面にクラックが発生したとしても、接続ランドと絶縁基板との境界を覆っている、絶縁層に較べて延性が高い配線導体層がクラックの伝播を防止し、その結果、上層の絶縁層にクラックが発生することを防止することができ、絶縁層表面の配線導体が断線することのない接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・絶縁基板
2・・・・・・・・・・接続ランド
2a・・・・・・・・・接続ランドの外周
3・・・・・・・・・・コア基板
4・・・・・・・・・・絶縁層
5・・・・・・・・・・配線導体層
5a・・・・・・・・・配線導体
5b・・・・・・・・・貫通導体
7・・・・・・・・・・接続ランドと絶縁基板の境界
8・・・・・・・・・・貫通孔
8a・・・・・・・・・貫通孔の接続ランド側の開口
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、現在の電子機器は、移動体通信機器に代表されるように小型・薄型・軽量・高性能・高機能・高品質・高信頼性が要求されてきており、このような電子機器に搭載される電子装置も小型・高密度化が要求されるようになってきている。そのため、電子装置を構成する配線基板にも小型・薄型・多端子化が求められてきており、それを実現するために信号導体等を含む配線導体層の幅を細くするとともにその間隔を狭くし、さらに配線導体層の多層化により高密度配線化が図られている。
【0003】
このような高密度配線が可能な配線基板として、ビルドアップ法を採用して製作されたビルドアップ配線基板が知られている。このビルドアップ配線基板は、例えば、次に述べる方法により製作される。
【0004】
まず、ガラスクロスやアラミド不布織等の補強材に耐熱性や耐薬品性を有するアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂に代表される熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁シートにドリル等を用いてスルーホールを設けるとともに、そのスルーホール内に金属粉末と熱硬化性樹脂とから成る導電性ペーストを充填し、次にその絶縁シートの上下面に金属箔から成る接続ランドを貫通孔内の導電性ペーストと接続するように埋入し、しかる後絶縁シートおよび導電性ペースト中の熱硬化性樹脂を加熱硬化して、絶縁基板の表面に接続ランドを埋入して成るコア基板を得る。
【0005】
次に、コア基板の表面を研磨して絶縁基板の表面を粗化し、さらに埋入した接続ランドの表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する。
次に、表面を粗化したコア基板にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成る樹脂フィルムを貼着し、さらにこれを加熱硬化して厚みが20〜200μmの絶縁層を形成する。次に、接続ランドの上に位置する絶縁層に直径が50〜200μmの貫通孔をレーザで穿孔し、さらに絶縁層の表面および貫通孔の内面を過マンガン酸カリウム溶液等の粗化液で化学粗化し、次にセミアディティブ法を用いて絶縁層の表面および貫通孔内に銅めっきから成る配線導体層を被着して絶縁層の表面に配線導体および貫通孔内に貫通導体を形成する。そして、この上に絶縁層や貫通導体・配線導体から成る配線導体層の形成を複数回繰り返すことによって、ビルドアップ配線基板が製作される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−261451号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の配線基板では、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加されると、接続ランドと絶縁基板との熱膨張差により両者の境界に隙間が生じるとともに、コア基板の表面にこの隙間を起点とするクラックが発生し、このクラックが上層の絶縁層に伝播するとともに絶縁層表面の配線導体を切断して断線させてしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、電子部品を搭載した配線基板において、長期の熱履歴を繰り返し印加しても、熱応力に充分耐え、配線導体に断線等が生じない接続信頼性の高い配線基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板に金属箔から成る接続ランドをその上面が前記絶縁基板の上面と同一面をなすように埋入して成るコア基板と、このコア基板の上面に被着された絶縁層と、この絶縁層の前記接続ランドの上に形成された貫通孔と、この貫通孔の内部を通って、前記貫通孔の下に位置する前記接続ランドの前記上面から前記絶縁層の上面にかけて被着された、めっきから成る配線導体層とを具備して成る配線基板であって、前記貫通孔は、前記接続ランド側の開口が前記接続ランドの外周を隙間をあけて取囲むように形成されており、前記配線導体層は、前記接続ランドと前記絶縁基板との境界を覆って形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の配線基板によれば、貫通孔は、接続ランド側の開口が接続ランドの外周を隙間をあけて取囲むように形成されており、配線導体層は、接続ランドと絶縁基板との境界を覆って形成されていることから、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加され、接続ランドと絶縁基板との熱膨張差により両者の境界に隙間が生じてコア基板の表面にクラックが発生したとしても、接続ランドと絶縁基板との境界を覆っている、絶縁層に較べて延性が高い配線導体層がクラックの伝播を防止し、その結果、上層の絶縁層にクラックが発生することを防止することができ、絶縁層表面の配線導体が断線することのない接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の配線基板の実施形態の一例を示す断面図であり、図2は、図1の要部拡大断面図である。これらの図において、1は絶縁基板、2は接続ランド、3は絶縁基板1の表面に接続ランド2を埋入して成るコア基板、4は絶縁層、5a、5bはそれぞれ配線導体層5から成る配線導体および貫通導体、8は貫通孔であり、主にこれらで本発明の配線基板が構成されている。なお、配線導体層5は、貫通孔8の内部を通って、接続ランド2の表面から絶縁層4の表面にかけて被着されており、貫通孔8の内部に被着した部分が貫通導体5bを形成しており、絶縁層4の表面に被着した部分が配線導体5aを形成している。
【0012】
絶縁基板1は、例えばガラス繊維を縦横に織り込んだガラスクロスにエポキシ樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る厚みが0.15〜1.5mmの板状であり、絶縁層4の支持体としての機能を有するとともに配線基板に強度を付与する機能を有する。絶縁基板1は、その厚みが0.15mm未満であると配線基板の剛性が低下し、反りが発生し易くなる傾向があり、1.5mmを超えると配線基板が不要に厚いものとなり配線基板を軽量化することが困難となる傾向がある。従って、絶縁基板1の厚みは0.15〜1.5mmの範囲が好ましい。
【0013】
また、絶縁基板1は、その上面から下面にかけて形成された複数のスルーホール6の内部に銅や銀・錫合金等の金属粉末およびトリアジン系熱硬化性樹脂等の熱硬化性樹脂を充填して成るスルーホール導体6aが形成されているとともに、表面にはスルーホール導体6aと電気的に接続する、銅や銀・アルミニウム・ニッケル等の金属箔から成る円形状の接続ランド2が、その表面が絶縁基板1の表面と同一面をなすように埋入されている。
【0014】
スルーホール導体6aは、上下に位置する接続ランド2同士を電気的に接続する導電路として機能し、例えば、絶縁基板1に設けたスルーホール6の内部に銅や銀・錫合金等の金属粉末とトリアジン系熱硬化性樹脂等とから成る導体を、スクリーン印刷法等の手段を用いて埋め込むことにより形成される。なお、スルーホール6は、その直径が30μm未満になるとスルーホール導体6aの形成が困難となる傾向があり、また、100μmを超えると高密度配線が形成できなくなる傾向がある。従って、スルーホール6の直径は30〜100μmの範囲とすることが好ましい。
【0015】
また、接続ランド2は、その形状が円形や円形状、三角形や四角形等の多角形、三角形状や四角形状等の多角形状であり、接続ランド2と絶縁基板1との熱膨張差により両者の境界7に発生する応力を小さくするという観点からは、円形や円形状が好ましい。接続ランド2は、スルーホール導体6aと、後述するコア基板3上の絶縁層4に設けた配線導体5aや貫通導体5bの配線導体層5とを接続するための中継部材として機能し、接続ランド2の形状が円形あるいは円形状の場合、その直径が50〜300μm、厚みが5〜50μmが好ましく、その直径が50μm未満となると変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、300μmを超えると接続ランド2の高密度配線ができなくなる傾向がある。また、接続ランド2の厚みが5μm未満になると接続ランド2の強度が低下し変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、50μmを超えると絶縁基板1への埋入が困難となる傾向がある。従って、接続ランド2は、その直径を50〜300μm、厚みを5〜50μmの範囲とすることが好ましい。なお、金属箔の材料としては、安価および低導電性の観点からは銅を用いることが好ましい。
【0016】
このようなコア基板3は、次に述べる方法により製作される。
まず、耐熱性樹脂から成る転写用シート基材に銅等の金属箔から成る接続ランド2を被着して成る転写用シートと、ガラスクロスに未硬化のアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る絶縁基板1用の前駆体シートとを準備する。
【0017】
次に、前駆体シートの上面から下面にかけて複数のスルーホール6を、例えばレーザを用いて形成するとともにそれらのスルーホール6内に金属粉末と未硬化の熱硬化性樹脂とを含有するスルーホール導体6a用の導体ペーストを充填する。
【0018】
次に、前駆体シートの表面に転写用シートをスルーホール導体6a用の導体ペーストと接続ランド2とが接続されるように積層するとともにそれらを加熱・加圧して、接続ランド2をその表面が前駆体シートの表面と同一面をなすように転写埋入する。なお、加熱・加圧は、熱プレス機を用いて温度が100〜150℃、圧力が0.5〜5MPaの条件で数分間加圧することにより行なわれる。また、加熱・加圧は加熱に先行して加圧のみを行なうことが好ましく、加熱を先に行なうと加熱よって転写用シートが伸び、接続ランド2を所望の位置に正確に埋入することが困難となる危険性がある。従って、加熱・加圧は、加熱に先行して加圧を行なうことが好ましい。
【0019】
次に、それらをさらに加熱加圧して前駆体シートおよび導体ペースト中の熱硬化性樹脂を熱硬化することにより、スルーホール導体6aに接続された接続ランド2がその表面と絶縁基板1の表面とが同一面をなすように絶縁基体1に埋入されて成るコア基板3が得られる。なお、加熱加圧処理にあたっては、前駆体シートをフッ素系樹脂などから成る離型性シートで上下から挟みこみ、1〜5MPaの圧力で150〜240℃の温度で処理することが好ましい。さらに、コア基板3は、その表面をバフロールを用いて研磨し、熱硬化性樹脂の表面に凹凸を形成することが好ましい。
【0020】
また、コア基板3の接続ランド2が埋入された表面には、絶縁層4と配線導体5aとが交互に積層されている。さらに各絶縁層4には貫通孔8が形成されており、貫通孔8の内部には絶縁層4を挟んで上下に位置する接続ランド2と配線導体5aとを、および配線導体5a同士を電気的に接続する貫通導体5bが被着されている。
【0021】
絶縁層4は、配線導体層5から成る配線導体5aや貫通導体5bの支持体としての機能を有し、その厚みが10〜80μmであり、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と平均粒径が0.01〜2μmで含有量が10〜50質量%のシリカやアルミナ・窒化アルミニウム等の無機絶縁フィラーとから成る。
【0022】
このような無機絶縁フィラーは、絶縁層4の熱膨張係数を調整し配線導体層5の熱膨脹係数と整合させるとともに、絶縁層4の表面に適度な凹凸を形成し、配線導体層5と絶縁層4との密着性を良好となす機能を有する。なお、無機絶縁フィラーは、その平均粒径が0.01μm未満であると、無機絶縁フィラー同士が凝集して均一な厚みの絶縁層4を形成することが困難となる傾向があり、2μmを超えると絶縁層4の表面の凹凸が大きなものとなり過ぎて配線導体層5と絶縁層4との密着性が低下してしまう傾向がある。従って、無機絶縁フィラーの平均粒径は、0.01〜2μmの範囲が好ましい。
【0023】
また、無機絶縁フィラーの含有量が10質量%未満であると、絶縁層4の熱膨張係数を調整する作用が小さくなる傾向があり、50質量%を超えると絶縁層4の樹脂量が不足し絶縁層4を成形することが困難となる傾向がある。従って、無機絶縁フィラーの含有量は、10〜50質量%の範囲が好ましい。
【0024】
このような絶縁層4は、例えば接続ランド2が銅箔から成る場合は、蟻酸/銅イオン水溶液で接続ランド2の表面を粗化した後に、コア基板3の主面にエポキシアクリレート等の感光性樹脂に無機絶縁フィラーを分散させたフィルムを貼着し、さらに露光・現像して直径が60〜360μmの貫通孔8を形成した後、150〜180℃で数時間熱硬化することによりコア基板3の主面に形成される。
【0025】
なお、絶縁層4用のフィルムは、熱硬化の際に一旦、軟化溶融するのでその際にコア基板3の粗化面に凹凸間に樹脂が良好に充填され、コア基板3の表面と絶縁層4とが強固に接着される。また、絶縁層4に感光性樹脂に無機絶縁フィラーを分散させたフィルムを用いて露光・現像で貫通孔8を形成したが、絶縁層4を熱硬化した後にレーザで貫通孔8を穿孔しても良い。
【0026】
貫通導体5bは、厚みが1〜2μmの無電解めっき層とその上に被着された厚みが10〜30μmの電解めっき層とから成り、絶縁層4を挟んで上下に位置する接続ランド2と配線導体5aとを、および配線導体5a同士を電気的に接続する機能を有する。なお、貫通孔8の直径が30μmより小さいと貫通導体5bを形成する際に、めっき液が貫通孔8内部に良好に浸入せず十分な膜厚の貫通導体5bを被着することが困難となる傾向があり、300μmを超えると接続ランド2および配線導体5aを高密度に配線できなくなる傾向がある。従って、貫通孔8の直径は30〜300μmが好ましい。
【0027】
また、配線導体5aは、その幅が20〜200μmであり、貫通導体5bに連続する厚みが1〜2μmの無電解めっき層とその上の厚みが10〜30μmの電解めっき層とから成り、配線基板に搭載される半導体素子等の電子部品の各電極を外部電気回路基板(図示せず)に電気的に接続する導電路としての機能を有する。このような配線導体5aは、その幅が20μm未満となると配線導体5aの変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、200μmを超えると高密度配線が形成できなくなる傾向がある。従って、配線導体5aは、その幅を20〜200μmの範囲とすることが好ましい。
【0028】
さらに、配線導体層5の厚みが11μm未満になると配線導体5aおよび貫通導体5bの強度が低下し変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、32μmを超えると配線導体5aおよび貫通導体5bの形成に長時間を要してしまう傾向がある。従って、配線導体層5は、厚みを11〜32μmの範囲とすることが好ましい。
【0029】
そして、本発明の配線基板においては、貫通孔8は、接続ランド2側の開口8aが接続ランド2の外周を隙間をあけて取囲むように形成されており、配線導体層5は、接続ランド2と絶縁基板1との境界7を覆って形成されている。そして、本発明においては、このことが重要である。
【0030】
本発明の配線基板によれば、貫通孔8は、接続ランド2側の開口8aが接続ランド2の外周2aを隙間をあけて取囲むように形成されており、配線導体層5は、接続ランド2と絶縁基板1との境界7を覆って形成されていることから、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加され、接続ランド2と絶縁基板1との熱膨張差により両者の境界7に隙間が生じてコア基板3の表面にクラックが発生したとしても、接続ランド2と絶縁基板1との境界を覆っている、絶縁層4に較べて延性が高い配線導体層5にクラックが発生することはなく、その結果、上層の絶縁層4にクラックが発生することを防止することができ、絶縁層4上の配線導体5aが断線することのない接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0031】
なお、接続ランド2の外周2aから貫通孔8の接続ランド2側の開口8aまでの距離は、5〜30μmが好ましく、接続ランド2の外周2aから貫通孔8の接続ランド2側の開口8aまでの距離が5μm未満であると、接続ランド2と絶縁基板1の境界7を配線導体層5で覆うことが困難となる傾向があり、30μmより広いと貫通孔8の開口8aが不要に大きなものとなり配線導体5aの高密度配線が困難となる傾向にある。従って、接続ランド2の外周2aからこれを覆う配線導体層5の外周までの幅は、5〜30μmであることが好ましい。
【0032】
このような配線導体5aおよび貫通導体5bを形成する配線導体層5は、例えば、次に述べる方法により形成される。
まず、絶縁層4の接続ランド2の直上に位置する箇所に、例えばレーザの照射により貫通孔8を、その接続ランド2側の開口8aが接続ランド2の外周2aを隙間をあけて取囲むように形成する。
【0033】
次に、絶縁層4の表面、貫通孔8の内面、および貫通孔8の内部に露出する接続ランド2ならびに絶縁基板1の表面を過マンガン酸塩類水溶液等の粗化液に浸漬して粗化した後、無電解めっき用パラジウム触媒の水溶液中に浸漬し絶縁層4の表面、貫通孔8の内面、および貫通孔8の内部に露出する接続ランド2ならびに絶縁基板1の表面にパラジウム触媒を付着させ、さらに、硫酸銅・ホルマリン・EDTAナトリウム塩・安定剤等から成る無電解めっき液に約30分間浸漬して厚みが1〜2μm程度の配線導体層5の下地層となる無電解めっき層を析出させる。
【0034】
次に、絶縁層4上の無電解めっき層に耐めっき樹脂層を被着し、さらに耐めっき樹脂層を露光・現像して配線導体5aのパターン形状に、電解めっき層を被着させるための開口部を複数形成する。次に、これらを硫酸・硫酸銅5水和物・塩素・光沢剤等から成る電解めっき液に数A/dm2の電流を印加しながら数時間浸漬することにより、貫通孔8の内面、貫通孔8の内部に露出する接続ランド2および絶縁基板1表面上の無電解めっき層に厚みが10〜30μm程度の電解めっき層を被着させることにより貫通導体5bを形成するとともに、耐めっき樹脂層の開口部の無電解めっき層上に厚みが10〜30μm程度の電解めっき層を被着する。しかる後、耐めっき樹脂層を水酸化ナトリウムで剥離し、さらに、耐めっき樹脂層を剥離することにより露出した無電解めっき層を硫酸と過酸化水素水の混合物等の硫酸系水溶液によりエッチング除去することにより配線導体5aを形成する。なお、めっきには銅やニッケル・クロム・銀等の金属が用いられ、安価および低導電性の観点からは銅を用いることが好ましい。
【0035】
そして、必要に応じてその上に次層の絶縁層4および配線導体5aや貫通導体5bから成る配線導体層5を交互に積層することによって、配線基板が完成する。
【0036】
なお、絶縁層4の一方の最外層表面に形成された配線導体5aの一部は、電子部品の各電極に導体バンプ11aを介して接合される電子部品接続用の実装用電極10aを形成しており、絶縁層4の他方の最外層表面に形成された配線導体5aの一部は、外部電気回路基板の各電極に導体バンプ11bを介して接続される外部接続用の実装用電極10bを形成している。
【0037】
さらに、実装用電極10a・10bの表面には、その酸化腐蝕を防止するとともに導体バンプ11a・11bとの接続を良好とするために、半田との濡れ性が良好で耐腐蝕性に優れたニッケル−金等のめっき層が被着されている。
【0038】
また、最外層の絶縁層4および実装用電極10a・10b上には、必要に応じて実装用電極10a・10bの中央部を露出させる開口を有する耐半田樹脂層12が被着されている。耐半田樹脂層12は、その厚みが10〜50μmであり、例えばアクリル変性エポキシ樹脂等の感光性樹脂と光開始剤等とから成る混合物に30〜70質量%のシリカやタルク等の無機粉末フィラーを含有させた絶縁材料から成り、隣接する実装用電極10a・10b同士が半田バンプ11a・11bにより電気的に短絡することを防止するとともに、実装用電極10a・10bと絶縁層4との接合強度を向上させる機能を有する。
【0039】
このような耐半田樹脂層12は、感光性樹脂と光開始剤と無機粉末フィラーとから成る未硬化樹脂フィルムを最外層の絶縁層4表面に被着させる、あるいは、熱硬化性樹脂と無機粉末フィラーとから成る未硬化樹脂ワニスを最外層の絶縁層4表面に塗布するとともに乾燥し、しかる後、露光・現像により開口部を形成し、これをUV硬化および熱硬化させることにより形成される。
【0040】
かくして本発明によれば、貫通孔8は、接続ランド2側の開口8aが接続ランド2の外周2aを隙間をあけて取囲むように形成されており、配線導体層5は、接続ランド2と絶縁基板1との境界7を覆って形成されていることから、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加され、接続ランド2と絶縁基板1との熱膨張差により両者の境界7に隙間が生じてコア基板3の表面にクラックが発生したとしても、接続ランド2と絶縁基板1との境界を覆っている、絶縁層4に較べて延性が高い貫通導体5bにクラックが発生することはなく、その結果、上層の絶縁層4にクラックが発生することを防止することができ、絶縁層4上の配線導体5aが断線することのない接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0041】
なお、本発明は上述の実施の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、本実施例では、絶縁基板を1層から成るものとした例を示したが、絶縁基板を2層以上から成るものとし、内部に配線導体を形成してもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、貫通孔は、接続ランド側の開口が接続ランドの外周を隙間をあけて取囲むように形成されており、配線導体層は、接続ランドと絶縁基板との境界を覆って形成されていることから、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加され、接続ランドと絶縁基板との熱膨張差により両者の境界に隙間が生じてコア基板の表面にクラックが発生したとしても、接続ランドと絶縁基板との境界を覆っている、絶縁層に較べて延性が高い配線導体層がクラックの伝播を防止し、その結果、上層の絶縁層にクラックが発生することを防止することができ、絶縁層表面の配線導体が断線することのない接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・絶縁基板
2・・・・・・・・・・接続ランド
2a・・・・・・・・・接続ランドの外周
3・・・・・・・・・・コア基板
4・・・・・・・・・・絶縁層
5・・・・・・・・・・配線導体層
5a・・・・・・・・・配線導体
5b・・・・・・・・・貫通導体
7・・・・・・・・・・接続ランドと絶縁基板の境界
8・・・・・・・・・・貫通孔
8a・・・・・・・・・貫通孔の接続ランド側の開口
Claims (1)
- 耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板に金属箔から成る接続ランドをその上面が前記絶縁基板の上面と同一面をなすように埋入して成るコア基板と、該コア基板の上面に被着された絶縁層と、該絶縁層の前記接続ランドの上に形成された貫通孔と、該貫通孔の内部を通って、前記貫通孔の下に位置する前記接続ランドの前記上面から前記絶縁層の上面にかけて被着された、めっきから成る配線導体層とを具備して成る配線基板であって、前記貫通孔は、前記接続ランド側の開口が前記接続ランドの外周を隙間をあけて取囲むように形成されており、前記配線導体層は、前記接続ランドと前記絶縁基板との境界を覆って形成されていることを特徴とする配線基板。
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Cited By (2)
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JP2008085111A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 配線基板とその製造方法 |
JP2013033894A (ja) * | 2011-06-27 | 2013-02-14 | Shinko Electric Ind Co Ltd | 配線基板及びその製造方法、半導体装置 |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002362825A patent/JP2004193505A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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