JP2004165321A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
配線基板およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004165321A JP2004165321A JP2002327813A JP2002327813A JP2004165321A JP 2004165321 A JP2004165321 A JP 2004165321A JP 2002327813 A JP2002327813 A JP 2002327813A JP 2002327813 A JP2002327813 A JP 2002327813A JP 2004165321 A JP2004165321 A JP 2004165321A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wiring conductor
- wiring
- layer
- insulating
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
Abstract
【課題】長期の熱履歴を繰り返し印加しても、熱応力に充分耐え、断線等が生じない接続信頼性の高い配線基板を提供する。
【解決手段】耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板1に金属箔から成る配線導体2をその表面が絶縁基板1の表面と同一面をなすように埋入して成るコア基板3の配線導体2を埋入した表面に、絶縁層4とめっきから成る配線導体層5とを交互に複数層積層して成る配線基板において、コア基板3は、その表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆う金属層8が被着されている。
【選択図】 図2
【解決手段】耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板1に金属箔から成る配線導体2をその表面が絶縁基板1の表面と同一面をなすように埋入して成るコア基板3の配線導体2を埋入した表面に、絶縁層4とめっきから成る配線導体層5とを交互に複数層積層して成る配線基板において、コア基板3は、その表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆う金属層8が被着されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、現在の電子機器は、移動体通信機器に代表されるように小型・薄型・軽量・高性能・高機能・高品質・高信頼性が要求されてきており、このような電子機器に搭載される電子装置も小型・高密度化が要求されるようになってきている。そのため、電子装置を構成する配線基板にも小型・薄型・多端子化が求められてきており、それを実現するために信号導体等を含む配線導体層の幅を細くするとともにその間隔を狭くし、さらに配線導体層の多層化により高密度配線化が図られている。
【0003】
このような高密度配線が可能な配線基板として、ビルドアップ法を採用して製作された配線基板が知られている。このビルドアップ配線基板は、例えば、次に述べる方法により製作される。
【0004】
まず、ガラスクロスやアラミド不布織等の補強材に耐熱性や耐薬品性を有するアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂に代表される熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁シートに金属箔から成る配線導体を埋入し、しかる後これを加熱硬化して絶縁基板に配線導体が埋入して成るコア基板を得る。
次に、コア基板の表面を研磨して粗化し、さらに埋入した配線導体の表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する。
【0005】
次に、表面を粗化したコア基板にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成る樹脂フィルムを貼着し加熱硬化して、厚みが20〜200μmの絶縁樹脂層を形成する。次に、配線導体上の絶縁樹脂層にレーザで径が50〜200μmの貫通孔を穿設し、さらに絶縁樹脂層の表面および貫通孔の内面を過マンガン酸カリウム溶液等の粗化液で化学粗化し、次にセミアディティブ法を用いて絶縁樹脂層の表面および貫通孔の内面に、例えば銅めっきから成る導体膜を被着して配線導体層および貫通導体を形成する。そして、この上に絶縁樹脂層や貫通導体・配線導体層の形成を複数回繰り返すことによって、ビルドアップ配線基板が製作される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−261451号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の配線基板では、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加されると、配線導体と絶縁基板との熱膨張差により両者の境界を起点とするクラック発生し、このクラックが上層の絶縁樹脂層に伝播してこの絶縁樹脂層にクラックを発生させるとともに絶縁樹脂層上の配線導体層を切断してしまうという問題点があった。
【0008】
また、上記の配線基板の製造方法では、配線導体の側面が滑らかな面となっており配線導体の側面と絶縁基板の熱硬化性樹脂との密着力が低いため、配線導体の表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する際に、粗化液が配線導体の側面と絶縁基板との間に浸入し、絶縁基板の絶縁性を低下させてしまうという問題点があった。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、電子部品を搭載した配線基板において、長期の熱履歴を繰り返し印加しても、熱応力に充分耐え、断線等が生じない接続信頼性の高い配線基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板に金属箔から成る配線導体をその表面が絶縁基板の表面と同一面をなすように埋入して成るコア基板の配線導体を埋入した表面に、絶縁層とめっきから成る配線導体層とを交互に複数層積層して成る配線基板において、コア基板は、その表面に配線導体と絶縁基板との境界を覆う金属層が被着されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の配線基板によれば、コア基板は、その表面に配線導体と絶縁基板との境界を覆う金属層が被着されていることから、配線基板に電子部品を搭載した後に長期の熱履歴が繰り返し印加され、絶縁基板と配線導体の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板と配線導体との境界に集中して配線導体の側面と絶縁基板との間に隙間が発生したとしても、絶縁層に較べて剛性が高く引張り応力に対して強靭な金属層が上層の絶縁層にクラックが発生することを有効に防止し、その結果、上層の絶縁層上のめっきからなる配線導体層を切断して断線不良を発生させてしまうことはなく、接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0012】
また、本発明の配線基板の製造方法は、耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板に金属箔から成る配線導体をその表面が絶縁基板の表面と同一面をなすように埋入して成るコア基板を準備する工程と、このコア基板の配線導体を埋入した表面に、配線導体と絶縁基板との境界を覆うように金属層を被着する工程と、コア基板および金属層の表面に絶縁層を被着する工程と、この絶縁層の表面にめっきから成る配線導体層を被着する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の配線基板の製造方法によれば、コア基板の表面に配線導体と絶縁基板との境界を覆うように金属層を被着することから、配線導体の表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する場合においても、粗化液が配線導体の側面と絶縁基板との間に浸入し、絶縁基板の絶縁性を低下させてしまうことはなく、絶縁信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は、図1の要部拡大断面図である。これらの図において、1は絶縁基板、2は配線導体、3は絶縁基板1と配線導体2とから成るコア基板、4は絶縁層、5は配線導体層、7は配線導体2と絶縁基板1との境界、8は金属層であり、主にこれらで本発明の配線基板が構成されている。
【0015】
コア基板3を構成する絶縁基板1は、例えばガラス繊維を縦横に織り込んだガラスクロスにエポキシ樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る厚みが0.15〜1.5mmの板状であり、配線導体2および絶縁層4の支持体としての機能を有するとともに配線基板に強度を付与する機能を有する。絶縁基板1は、その厚みが0.15mm未満であると配線基板の剛性が低下し、反りが発生し易くなる傾向があり、1.5mmを超えると配線基板が不要に厚いものとなり配線基板を軽量化することが困難となる傾向がある。従って、絶縁基板1の厚みは0.15〜1.5mmの範囲が好ましい。
【0016】
また、絶縁基板1の表面には銅や銀・アルミニウム・ニッケル等の金属箔から成る配線導体2が、その表面が絶縁基板1の表面と同一面をなすように埋入されている。このような金属箔から成る配線導体2は、その幅が20〜200μm、厚みが5〜50μmであり、後述する配線導体層5とともに搭載する半導体素子等の電子部品(図示せず)の各電極を外部電気回路基板(図示せず)に電気的に接続する導電路の一部としての機能する。
【0017】
配線導体2は、その幅が20μm未満となると配線導体2の変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、200μmを超えると高密度配線が形成できなくなる傾向がある。また、配線導体2の厚みが5μm未満になると配線導体2の強度が低下し変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、50μmを超えると絶縁基板1への埋入が困難となる傾向がある。従って、配線導体2は、その幅を20〜200μm、厚みを5〜50μmの範囲とすることが好ましい。なお、金属箔の材料としては、安価および低導電性の観点からは銅を用いることが好ましい。
【0018】
また、上下に位置する配線導体2同士を、絶縁基板1に形成した貫通導体6bにより電気的に接続してもよい。このような貫通導体6bは、その直径が30〜100μmであり、例えば、絶縁基板1に設けた貫通孔6aの内部に銅や銀・錫合金等の金属粉末とトリアジン系熱硬化性樹脂等とから成る導体を埋め込むことにより形成される。貫通導体6bを設ける場合、その直径が30μm未満になると貫通導体6bの形成が困難となる傾向があり、100μmを超えると高密度配線が形成できなくなる傾向がある。従って、貫通導体6bを設ける場合、その直径は30〜100μmの範囲とすることが好ましい。
【0019】
さらに、コア基板3の配線導体2が埋入された表面には、絶縁層4とめっきから成る配線導体層5とが交互に積層されている。絶縁層4は、めっきから成る配線導体層5の支持体としての機能を有し、その厚みが10〜80μmであり、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と平均粒径が0.01〜2μmで含有量が10〜50重量%のシリカやアルミナ・窒化アルミニウム等の無機絶縁フィラーとから成る。
【0020】
このような無機絶縁フィラーは、絶縁層4の熱膨張係数を調整し配線導体層5の熱膨脹係数と整合させるとともに、絶縁層4の表面に適度な凹凸を形成し、配線導体層5と絶縁層4との密着性を良好となす機能を有する。なお、無機絶縁フィラーは、その平均粒径が0.01μm未満であると、無機絶縁フィラー同士が凝集して均一な厚みの絶縁層4を形成することが困難となる傾向があり、2μmを超えると絶縁層4の表面の凹凸が大きなものとなり過ぎて配線導体層5と絶縁層4との密着性を低下させてしまう傾向がある。従って、無機絶縁フィラーの平均粒径は、0.01〜2μmの範囲が好ましい。
【0021】
また、無機絶縁フィラーの含有量が10重量%未満であると、絶縁層4の熱膨張係数を調整する作用が小さくなる傾向があり、50重量%を超えると絶縁層4の樹脂量が減少し絶縁層4を成形することが困難となる傾向がある。従って、無機絶縁フィラーの含有量は、10〜50重量%の範囲が好ましい。
【0022】
そして、本発明の配線基板は、コア基板3の表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆う金属層8が被着されている。また、このことが重要である。
【0023】
本発明の配線基板によれば、コア基板3は、その表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆う金属層8が被着されていることから、配線基板に電子部品を搭載した後に長期の熱履歴が繰り返し印加され、絶縁基板1と配線導体2の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板1と配線導体2との境界7に集中して配線導体2の側面と絶縁基板1との間に隙間が発生したとしても、絶縁層4に較べて剛性が高く引張り応力に対して強靭な金属層8が上層の絶縁層4にクラックが発生することを有効に防止し、その結果、絶縁層4上のめっきからなる配線導体層5を切断して断線不良を発生させてしまうということはなく、接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0024】
なおここで金属層8とは、銅や銀・アルミニウム・ニッケル等の金属箔または金属めっきから成る層をいう。
金属層8の厚みは3〜20μmであることが好ましく、厚みが3μm未満であると充分な剛性が得られず、絶縁基板1と配線導体2の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板1と配線導体2との境界7に集中して配線導体2の側面と絶縁基板1との間に隙間が発生した場合、上層の絶縁層4にクラックが発生してしまう危険性があり、20μmを超えると絶縁層4を積層後に金属層8の周囲に空隙が発生し、絶縁基板1と絶縁層4との密着性が低下してしまう危険性がある。従って、金属層8の厚みは3〜20μmが好ましい。
【0025】
なお、金属層8は、コア基板3表面に例えば金属箔を貼着し、配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆うように耐エッチング樹脂を露光・現像した後に、耐エッチング樹脂から露出している銅箔をエッチングしても良いが、微細な配線導体2の場合においては、コア基板3表面に無電解めっきを被着した後、配線導体2と絶縁基板1との境界7に開口をもつように耐めっき樹脂を形成し、その開口に電解めっきを被着して耐めっき樹脂を剥離後に余分な無電解めっきをエッチングして形成しても良い。
【0026】
また、金属層8はコア基板3の全面に被着形成した場合、配線導体2同士が短絡してしまう。さらに、配線導体2は通常、その上方に位置する配線導体層5と後述するビア導体10を介して電気的に接続するために、配線導体2の中心領域には金属層8を被着・形成しないことが好ましい。従って、金属層8は、絶縁基体1と配線導体2との境界7に沿って線状、あるいは配線導体2が円形の接続パッドとして用いられている場合にはリング状に形成され、その幅が20〜80μmであることが好ましい。
【0027】
金属層8の幅が20μm未満であると、コア基板3との接着面積が小さくなり剥離し易くなる傾向があり、80μmを超えると、隣接する配線導体2との距離が近くなって短絡し易くなる傾向がある。従って、金属層8の幅は20〜80μmであることが好ましい。
【0028】
さらに、絶縁層4には、レーザ加工によりビア孔9が形成されており、このビア孔9の内部にめっきから成る配線導体層5の一部を充填させることにより絶縁層4を挟んで上下に位置する配線導体2と配線導体層5、および配線導体層5同士がビア導体10により電気的に接続されている。なお、配線導体層5は、その幅が20〜200μmであり、その厚みが1〜2μmの無電解めっき層と厚みが10〜30μmの電解めっき層とから成り、配線基板に搭載される半導体素子等の電子部品の各電極を外部電気回路基板に電気的に接続する導電路としての機能を有する。
【0029】
配線導体層5は、その幅が20μm未満となると配線導体層5の変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、200μmを超えると高密度配線が形成できなくなる傾向がある。また、配線導体層5の厚みが11μm未満になると配線導体層5の強度が低下し変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、32μmを超えると配線導体層5の形成に長時間を要してしまう傾向がある。従って、配線導体層5は、その幅を20〜200μm、厚みを11〜32μmの範囲とすることが好ましい。
【0030】
なお、めっきには銅やニッケル・クロム・銀等の金属が用いられ、安価および導電性の観点からは銅を用いることが好ましい。
【0031】
さらに、絶縁層4の一方の最外層表面に形成された配線導体層5の一部は、電子部品の各電極に導体バンプ11aを介して接合される電子部品接続用の実装用電極5aを形成し、絶縁層4の他方の最外層表面に形成された配線導体層5の一部は、外部電気回路基板の各電極に導体バンプ11bを介して接続される外部接続用の実装用電極5bを形成している。
【0032】
なお、実装用電極5a・5bの表面には、その酸化腐蝕を防止するとともに導体バンプ11a・11bとの接続を良好とするために、半田との濡れ性が良好で耐腐蝕性に優れたニッケル−金等のめっき層が被着されている。
【0033】
また、最外層の絶縁層3および実装用電極5a・5bには、必要に応じて実装用電極5a・5bの中央部を露出させる開口を有する耐半田樹脂層12が被着されている。耐半田樹脂層12は、その厚みが10〜50μmであり、例えばアクリル変性エポキシ樹脂等の感光性樹脂と光開始剤等とから成る混合物に30〜70重量%のシリカやタルク等の無機粉末フィラーを含有させた絶縁材料から成り、隣接する実装用電極5a・5b同士が半田バンプ11a・11bにより電気的に短絡することを防止するとともに、実装用電極5a・5bと絶縁層4との接合強度を向上させる機能を有する。
【0034】
このような耐半田樹脂層12は、感光性樹脂と光開始剤と無機粉末フィラーとから成る未硬化樹脂フィルムを最外層の絶縁層4表面に被着させる、あるいは、熱硬化性樹脂と無機粉末フィラーとから成る未硬化樹脂ワニスを最外層の絶縁層4表面に塗布するとともに乾燥し、しかる後、露光・現像により開口部を形成し、これをUV硬化および熱硬化させることにより形成される。
【0035】
かくして、本発明の配線基板によれば、コア基板3は、その表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆う金属層8が被着されていることから、配線基板に電子部品を搭載した後に長期の熱履歴が繰り返し印加され、絶縁基板1と配線導体2の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板1と配線導体2との境界7に集中して配線導体2の側面と絶縁基板1との間に隙間が発生したとしても、絶縁層4に較べて剛性が高く引張り応力に対して強靭な金属層8が上層の絶縁層4にクラックが発生することを有効に防止し、その結果、絶縁層4上のめっきから成る配線導体層5を切断して断線不良を発生させてしまうということはなく、接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0036】
なお、本発明は上述の実施の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、本実施例では、絶縁基板を1層から成るものとした例を示したが、絶縁基板を2層以上から成るものとし、内部に配線導体や、上下に位置するこれらの配線導体間を電気的に接続する貫通導体を形成してもよい。
【0037】
次に、本発明の配線基板の製造方法を、図3に基づいて詳細に説明する。
図3(a)〜(d)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための各工程毎の要部断面図である。なお、図3において、図1および図2と同じ部材、箇所は同じ番号で示した。
【0038】
まず、図3(a)に示すように、耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板1に銅等の金属箔から成る配線導体2をその表面が絶縁基板1の表面と同一面をなすように埋入して成るコア基板3を準備する。
【0039】
このようなコア基板3は、次に述べる方法により製作される。
まず、耐熱性樹脂から成る転写用シート基材に銅等の金属箔から成る配線導体2を被着して成る転写用シートと、ガラスクロスに未硬化のアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る絶縁基板1と成る前駆体シートとを用意する。
【0040】
転写用シート基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂やポリカーボネート(PC)等の耐熱性樹脂が用いられ、金属箔をエッチングして配線導体2を形成する際の支持体、および配線導体2を転写する際の支持体としての機能を有する。
【0041】
転写用シート基材は、その厚みが20〜50μmであることが好ましく、厚みが20μm未満であると剛性が低下し金属箔をエッチングする際に配線導体2が変形し易くなる傾向にあり、50μmを超えると柔軟性が低下し絶縁基板1から剥離し難くなる傾向にある。従って、転写用シート基材の厚みは20〜50μmが好ましい。
【0042】
また、配線導体2は、その厚みは5〜50μmが好ましく、さらには10〜20μmが好ましい。配線導体2の厚みが5μm未満になると配線導体2の強度が低下し変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、50μmを超えると前駆体シートへの埋入が困難となる傾向がある。従って、配線導体2の厚みは5〜50μmが好ましい。なお、配線導体2の金属としては銅や銀・アルミニウム・ニッケルが用いられ、安価および低導電性という観点からは銅を用いることが好ましい。
【0043】
このような転写用シートは、例えば厚みが25μm程度のポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂から成る転写シート基材の一方の主面全体に接着材を介して厚みが12μm程度の銅箔を剥離可能に接着した後、銅箔上にフィルム状感光性レジストを被着し、次にこのレジストを露光・現像して配線導体2のパターンに対応するパターンのエッチングマスクを形成し、しかる後、塩化第二鉄溶液中に浸漬して銅箔の非パターン部をエッチング除去し、最後に、感光性レジストを剥離除去してパターン状の配線導体2を形成することにより製作される。
【0044】
他方、絶縁基板1と成る前駆体シートは、ガラスクロスやアラミド繊維等の耐熱性繊維にアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて半硬化させたものから成り、その表面は配線導体2を埋入可能な程度の可塑性を備えている。
【0045】
次に、前駆体シートの表面に転写用シートを積層するとともにそれらを加熱加圧して配線導体2を前駆体シートに熱圧着した後、前駆体シートから転写用シート基材を剥離して、前駆体シートにその表面が前駆体シートの表面と同一面をなすように配線導体2を転写埋入する。
【0046】
熱圧着は、熱プレス機を用いて温度が100〜150℃、圧力が0.5〜5MPaの条件で数分間加圧することにより行なわれる。なお、熱圧着は加熱に先行して加圧のみを行なう方が良い。加熱を先に行なうと熱によって転写用シートが伸び、配線導体2を所望の位置に正確に埋入することが困難となってしまう危険性がある。従って、熱圧着は加熱に先行して加圧を行なうことが好ましい。
【0047】
さらに、それらを加熱加圧して前駆体シートの熱硬化性樹脂を熱硬化して、絶縁基板1にその表面が絶縁基板1の表面と同一面をなすように配線導体2を埋入したコア基板3を得る。なお、加熱処理にあたっては、前駆体シートをフッ素系樹脂などから成る離型性シートで上下から挟みこみ、1〜5MPaの圧力で150〜240℃の温度で熱処理することにより、前駆体シートの熱硬化性樹脂を熱硬化させてコア基板3を得る。
【0048】
さらに、コア基板3の表面をバフロールを用いて研磨し、絶縁基板1の熱硬化性樹脂の表面に凹凸を形成する。
次に、コア基板3表面に無電解めっきを被着した後、その上に耐めっき樹脂フィルムを被着してネガ型パターン用マスクを介して紫外線を照射し、しかる後炭酸ナトリウム水溶液で現像することにより、配線導体2と絶縁基板1との境界7に開口をもつように耐めっき樹脂層を形成し、その開口に電解めっきを被着して耐めっき樹脂を剥離後に余分の無電解めっきをエッチングすることで、配線導体2と絶縁基板1との境界7に、図3(b)に示すような金属層8を形成する。
【0049】
金属層8の厚みは3〜20μmであることが好ましく、厚みが3μm未満であると金属層8の剛性が低いものとなり、絶縁基板1と配線導体2の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板1と配線導体2との境界7に集中して配線導体2の側面と絶縁基板1との間に隙間が発生した場合、金属層8および上層の絶縁層4にクラックが発生してしまう危険性があり、20μmを超えると絶縁層4を積層後に金属層8の周囲に空隙が発生し、絶縁基板1と絶縁層4との密着性が低下してしまう危険性がある。従って、金属層8の厚みは3〜20μmが好ましい。
【0050】
また、金属層8の幅が20〜80μmであることが好ましい。金属層8の幅が20μm未満であると、コア基板3との接着面積が小さくなり剥離し易くなる傾向があり、80μmを超えると、隣接する配線導体2との距離が近くなって短絡し易くなる傾向がある。従って、金属層8の幅は20〜80μmであることが好ましい。
【0051】
本発明の配線基板の製造方法によれば、コア基板3の表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆うように金属層8を被着することから、配線導体2の表面を後述するように蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する場合においても、粗化液が配線導体2の側面と絶縁基板1との間に浸入し、絶縁基板1の絶縁性を低下させてしまうことはなく、絶縁信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0052】
次に、蟻酸/銅イオン水溶液で配線導体2の表面を粗化した後に、図3(c)に示すように、コア基板3の主面にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に無機絶縁フィラーを分散させたフィルムを貼着した後に、150〜180℃で数時間熱硬化することによりコア基板3の主面に絶縁層4を形成する。なお、絶縁層4用のフィルムは、熱硬化の際に一旦、溶融軟化するのでその際にコア基板3の粗化面に樹脂が良好に充填される。そして、コア基板3の表面と絶縁層4とが強固に接着される。
【0053】
次に、図3(d)に示すように、配線導体2上の絶縁層4のレーザで直径が30〜100μmのビア孔9を穿孔する。
さらに、絶縁層4の上面およびビア孔9に銅等の金属めっきから成る配線金属層5およびビア導体10を被着させる。さらに必要に応じてその上に次層の絶縁層4および配線導体層5を積層することによって配線基板が完成する。
【0054】
なお、めっきから成る配線導体層5およびビア導体10を被着させるには、まず、絶縁層4の表面を過マンガン酸塩類水溶液等の粗化液に浸漬して粗化した後、無電解めっき用パラジウム触媒の水溶液中に浸漬し表面にパラジウム触媒を付着させ、さらに、硫酸銅・ホルマリン・EDTAナトリウム塩・安定剤等から成る無電解めっき液に約30分間浸漬して厚みが1〜2μm程度の無電解めっき層を析出させる。次に、無電解めっき層の上面に耐めっき樹脂層を被着し露光・現像によりめっきの配線導体層5のパターン形状に、電解めっき層を被着させるための開口部を複数形成し、さらに、硫酸・硫酸銅5水和物・塩素・光沢剤等から成る電解めっき液に数A/dm2の電流を印加しながら数時間浸漬することにより開口部および貫通孔の内面に厚みが10〜30μm程度の電解めっき層を被着させる。しかる後、耐めっき樹脂層を水酸化ナトリウムで剥離し、さらに、耐めっき樹脂層を剥離したことにより露出する無電解めっき層を硫酸と過酸化水素水の混合物等の硫酸系水溶液によりエッチング除去することにより形成される。なお、めっきには銅やニッケル・クロム・銀等の金属が用いられ、安価および低導電性の観点からは銅を用いることが好ましい。
【0055】
かくして、本発明の配線基板の製造方法によれば、コア基板3の表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆うように弾性樹脂層8を被着することから、配線導体2の表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する場合においても、粗化液が配線導体2の側面と絶縁基板1との間に浸入し、絶縁基板1の絶縁性を低下させてしまうことはなく、絶縁信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0056】
なお、本発明は、上述の実施の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0057】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、コア基板は、その表面に配線導体と絶縁基板との境界を覆う金属層が被着されていることから、配線基板に電子部品を搭載した後に長期の熱履歴が繰り返し印加され、絶縁基板と配線導体の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板と配線導体との境界に集中して配線導体の側面と絶縁基板との間に隙間が発生したとしても、絶縁層に較べて剛性が高く引張り応力に対して強靭な金属層が上層の絶縁層にクラックが発生することを有効に防止し、その結果、上層の絶縁層上のめっきからなる配線導体層を切断して断線不良を発生させてしまうことはなく、接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0058】
本発明の配線基板の製造方法によれば、コア基板の表面に配線導体と絶縁基板との境界を覆うように金属層を被着することから、配線導体の表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する場合においても、粗化液が配線導体の側面と絶縁基板との間に浸入し、絶縁基板の絶縁性を低下させてしまうことはなく、絶縁信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための各工程毎の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・絶縁基板
2・・・・・・・・・・配線導体
3・・・・・・・・・・コア基板
4・・・・・・・・・・絶縁層
5・・・・・・・・・・配線導体層
7・・・・・・・・・・配線導体と絶縁基板との境界
8・・・・・・・・・・金属層
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、現在の電子機器は、移動体通信機器に代表されるように小型・薄型・軽量・高性能・高機能・高品質・高信頼性が要求されてきており、このような電子機器に搭載される電子装置も小型・高密度化が要求されるようになってきている。そのため、電子装置を構成する配線基板にも小型・薄型・多端子化が求められてきており、それを実現するために信号導体等を含む配線導体層の幅を細くするとともにその間隔を狭くし、さらに配線導体層の多層化により高密度配線化が図られている。
【0003】
このような高密度配線が可能な配線基板として、ビルドアップ法を採用して製作された配線基板が知られている。このビルドアップ配線基板は、例えば、次に述べる方法により製作される。
【0004】
まず、ガラスクロスやアラミド不布織等の補強材に耐熱性や耐薬品性を有するアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂に代表される熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁シートに金属箔から成る配線導体を埋入し、しかる後これを加熱硬化して絶縁基板に配線導体が埋入して成るコア基板を得る。
次に、コア基板の表面を研磨して粗化し、さらに埋入した配線導体の表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する。
【0005】
次に、表面を粗化したコア基板にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成る樹脂フィルムを貼着し加熱硬化して、厚みが20〜200μmの絶縁樹脂層を形成する。次に、配線導体上の絶縁樹脂層にレーザで径が50〜200μmの貫通孔を穿設し、さらに絶縁樹脂層の表面および貫通孔の内面を過マンガン酸カリウム溶液等の粗化液で化学粗化し、次にセミアディティブ法を用いて絶縁樹脂層の表面および貫通孔の内面に、例えば銅めっきから成る導体膜を被着して配線導体層および貫通導体を形成する。そして、この上に絶縁樹脂層や貫通導体・配線導体層の形成を複数回繰り返すことによって、ビルドアップ配線基板が製作される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−261451号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の配線基板では、電子部品を実装した配線基板に長期の熱履歴が繰り返し印加されると、配線導体と絶縁基板との熱膨張差により両者の境界を起点とするクラック発生し、このクラックが上層の絶縁樹脂層に伝播してこの絶縁樹脂層にクラックを発生させるとともに絶縁樹脂層上の配線導体層を切断してしまうという問題点があった。
【0008】
また、上記の配線基板の製造方法では、配線導体の側面が滑らかな面となっており配線導体の側面と絶縁基板の熱硬化性樹脂との密着力が低いため、配線導体の表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する際に、粗化液が配線導体の側面と絶縁基板との間に浸入し、絶縁基板の絶縁性を低下させてしまうという問題点があった。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、電子部品を搭載した配線基板において、長期の熱履歴を繰り返し印加しても、熱応力に充分耐え、断線等が生じない接続信頼性の高い配線基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板に金属箔から成る配線導体をその表面が絶縁基板の表面と同一面をなすように埋入して成るコア基板の配線導体を埋入した表面に、絶縁層とめっきから成る配線導体層とを交互に複数層積層して成る配線基板において、コア基板は、その表面に配線導体と絶縁基板との境界を覆う金属層が被着されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の配線基板によれば、コア基板は、その表面に配線導体と絶縁基板との境界を覆う金属層が被着されていることから、配線基板に電子部品を搭載した後に長期の熱履歴が繰り返し印加され、絶縁基板と配線導体の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板と配線導体との境界に集中して配線導体の側面と絶縁基板との間に隙間が発生したとしても、絶縁層に較べて剛性が高く引張り応力に対して強靭な金属層が上層の絶縁層にクラックが発生することを有効に防止し、その結果、上層の絶縁層上のめっきからなる配線導体層を切断して断線不良を発生させてしまうことはなく、接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0012】
また、本発明の配線基板の製造方法は、耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板に金属箔から成る配線導体をその表面が絶縁基板の表面と同一面をなすように埋入して成るコア基板を準備する工程と、このコア基板の配線導体を埋入した表面に、配線導体と絶縁基板との境界を覆うように金属層を被着する工程と、コア基板および金属層の表面に絶縁層を被着する工程と、この絶縁層の表面にめっきから成る配線導体層を被着する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の配線基板の製造方法によれば、コア基板の表面に配線導体と絶縁基板との境界を覆うように金属層を被着することから、配線導体の表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する場合においても、粗化液が配線導体の側面と絶縁基板との間に浸入し、絶縁基板の絶縁性を低下させてしまうことはなく、絶縁信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は、図1の要部拡大断面図である。これらの図において、1は絶縁基板、2は配線導体、3は絶縁基板1と配線導体2とから成るコア基板、4は絶縁層、5は配線導体層、7は配線導体2と絶縁基板1との境界、8は金属層であり、主にこれらで本発明の配線基板が構成されている。
【0015】
コア基板3を構成する絶縁基板1は、例えばガラス繊維を縦横に織り込んだガラスクロスにエポキシ樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る厚みが0.15〜1.5mmの板状であり、配線導体2および絶縁層4の支持体としての機能を有するとともに配線基板に強度を付与する機能を有する。絶縁基板1は、その厚みが0.15mm未満であると配線基板の剛性が低下し、反りが発生し易くなる傾向があり、1.5mmを超えると配線基板が不要に厚いものとなり配線基板を軽量化することが困難となる傾向がある。従って、絶縁基板1の厚みは0.15〜1.5mmの範囲が好ましい。
【0016】
また、絶縁基板1の表面には銅や銀・アルミニウム・ニッケル等の金属箔から成る配線導体2が、その表面が絶縁基板1の表面と同一面をなすように埋入されている。このような金属箔から成る配線導体2は、その幅が20〜200μm、厚みが5〜50μmであり、後述する配線導体層5とともに搭載する半導体素子等の電子部品(図示せず)の各電極を外部電気回路基板(図示せず)に電気的に接続する導電路の一部としての機能する。
【0017】
配線導体2は、その幅が20μm未満となると配線導体2の変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、200μmを超えると高密度配線が形成できなくなる傾向がある。また、配線導体2の厚みが5μm未満になると配線導体2の強度が低下し変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、50μmを超えると絶縁基板1への埋入が困難となる傾向がある。従って、配線導体2は、その幅を20〜200μm、厚みを5〜50μmの範囲とすることが好ましい。なお、金属箔の材料としては、安価および低導電性の観点からは銅を用いることが好ましい。
【0018】
また、上下に位置する配線導体2同士を、絶縁基板1に形成した貫通導体6bにより電気的に接続してもよい。このような貫通導体6bは、その直径が30〜100μmであり、例えば、絶縁基板1に設けた貫通孔6aの内部に銅や銀・錫合金等の金属粉末とトリアジン系熱硬化性樹脂等とから成る導体を埋め込むことにより形成される。貫通導体6bを設ける場合、その直径が30μm未満になると貫通導体6bの形成が困難となる傾向があり、100μmを超えると高密度配線が形成できなくなる傾向がある。従って、貫通導体6bを設ける場合、その直径は30〜100μmの範囲とすることが好ましい。
【0019】
さらに、コア基板3の配線導体2が埋入された表面には、絶縁層4とめっきから成る配線導体層5とが交互に積層されている。絶縁層4は、めっきから成る配線導体層5の支持体としての機能を有し、その厚みが10〜80μmであり、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と平均粒径が0.01〜2μmで含有量が10〜50重量%のシリカやアルミナ・窒化アルミニウム等の無機絶縁フィラーとから成る。
【0020】
このような無機絶縁フィラーは、絶縁層4の熱膨張係数を調整し配線導体層5の熱膨脹係数と整合させるとともに、絶縁層4の表面に適度な凹凸を形成し、配線導体層5と絶縁層4との密着性を良好となす機能を有する。なお、無機絶縁フィラーは、その平均粒径が0.01μm未満であると、無機絶縁フィラー同士が凝集して均一な厚みの絶縁層4を形成することが困難となる傾向があり、2μmを超えると絶縁層4の表面の凹凸が大きなものとなり過ぎて配線導体層5と絶縁層4との密着性を低下させてしまう傾向がある。従って、無機絶縁フィラーの平均粒径は、0.01〜2μmの範囲が好ましい。
【0021】
また、無機絶縁フィラーの含有量が10重量%未満であると、絶縁層4の熱膨張係数を調整する作用が小さくなる傾向があり、50重量%を超えると絶縁層4の樹脂量が減少し絶縁層4を成形することが困難となる傾向がある。従って、無機絶縁フィラーの含有量は、10〜50重量%の範囲が好ましい。
【0022】
そして、本発明の配線基板は、コア基板3の表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆う金属層8が被着されている。また、このことが重要である。
【0023】
本発明の配線基板によれば、コア基板3は、その表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆う金属層8が被着されていることから、配線基板に電子部品を搭載した後に長期の熱履歴が繰り返し印加され、絶縁基板1と配線導体2の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板1と配線導体2との境界7に集中して配線導体2の側面と絶縁基板1との間に隙間が発生したとしても、絶縁層4に較べて剛性が高く引張り応力に対して強靭な金属層8が上層の絶縁層4にクラックが発生することを有効に防止し、その結果、絶縁層4上のめっきからなる配線導体層5を切断して断線不良を発生させてしまうということはなく、接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0024】
なおここで金属層8とは、銅や銀・アルミニウム・ニッケル等の金属箔または金属めっきから成る層をいう。
金属層8の厚みは3〜20μmであることが好ましく、厚みが3μm未満であると充分な剛性が得られず、絶縁基板1と配線導体2の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板1と配線導体2との境界7に集中して配線導体2の側面と絶縁基板1との間に隙間が発生した場合、上層の絶縁層4にクラックが発生してしまう危険性があり、20μmを超えると絶縁層4を積層後に金属層8の周囲に空隙が発生し、絶縁基板1と絶縁層4との密着性が低下してしまう危険性がある。従って、金属層8の厚みは3〜20μmが好ましい。
【0025】
なお、金属層8は、コア基板3表面に例えば金属箔を貼着し、配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆うように耐エッチング樹脂を露光・現像した後に、耐エッチング樹脂から露出している銅箔をエッチングしても良いが、微細な配線導体2の場合においては、コア基板3表面に無電解めっきを被着した後、配線導体2と絶縁基板1との境界7に開口をもつように耐めっき樹脂を形成し、その開口に電解めっきを被着して耐めっき樹脂を剥離後に余分な無電解めっきをエッチングして形成しても良い。
【0026】
また、金属層8はコア基板3の全面に被着形成した場合、配線導体2同士が短絡してしまう。さらに、配線導体2は通常、その上方に位置する配線導体層5と後述するビア導体10を介して電気的に接続するために、配線導体2の中心領域には金属層8を被着・形成しないことが好ましい。従って、金属層8は、絶縁基体1と配線導体2との境界7に沿って線状、あるいは配線導体2が円形の接続パッドとして用いられている場合にはリング状に形成され、その幅が20〜80μmであることが好ましい。
【0027】
金属層8の幅が20μm未満であると、コア基板3との接着面積が小さくなり剥離し易くなる傾向があり、80μmを超えると、隣接する配線導体2との距離が近くなって短絡し易くなる傾向がある。従って、金属層8の幅は20〜80μmであることが好ましい。
【0028】
さらに、絶縁層4には、レーザ加工によりビア孔9が形成されており、このビア孔9の内部にめっきから成る配線導体層5の一部を充填させることにより絶縁層4を挟んで上下に位置する配線導体2と配線導体層5、および配線導体層5同士がビア導体10により電気的に接続されている。なお、配線導体層5は、その幅が20〜200μmであり、その厚みが1〜2μmの無電解めっき層と厚みが10〜30μmの電解めっき層とから成り、配線基板に搭載される半導体素子等の電子部品の各電極を外部電気回路基板に電気的に接続する導電路としての機能を有する。
【0029】
配線導体層5は、その幅が20μm未満となると配線導体層5の変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、200μmを超えると高密度配線が形成できなくなる傾向がある。また、配線導体層5の厚みが11μm未満になると配線導体層5の強度が低下し変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、32μmを超えると配線導体層5の形成に長時間を要してしまう傾向がある。従って、配線導体層5は、その幅を20〜200μm、厚みを11〜32μmの範囲とすることが好ましい。
【0030】
なお、めっきには銅やニッケル・クロム・銀等の金属が用いられ、安価および導電性の観点からは銅を用いることが好ましい。
【0031】
さらに、絶縁層4の一方の最外層表面に形成された配線導体層5の一部は、電子部品の各電極に導体バンプ11aを介して接合される電子部品接続用の実装用電極5aを形成し、絶縁層4の他方の最外層表面に形成された配線導体層5の一部は、外部電気回路基板の各電極に導体バンプ11bを介して接続される外部接続用の実装用電極5bを形成している。
【0032】
なお、実装用電極5a・5bの表面には、その酸化腐蝕を防止するとともに導体バンプ11a・11bとの接続を良好とするために、半田との濡れ性が良好で耐腐蝕性に優れたニッケル−金等のめっき層が被着されている。
【0033】
また、最外層の絶縁層3および実装用電極5a・5bには、必要に応じて実装用電極5a・5bの中央部を露出させる開口を有する耐半田樹脂層12が被着されている。耐半田樹脂層12は、その厚みが10〜50μmであり、例えばアクリル変性エポキシ樹脂等の感光性樹脂と光開始剤等とから成る混合物に30〜70重量%のシリカやタルク等の無機粉末フィラーを含有させた絶縁材料から成り、隣接する実装用電極5a・5b同士が半田バンプ11a・11bにより電気的に短絡することを防止するとともに、実装用電極5a・5bと絶縁層4との接合強度を向上させる機能を有する。
【0034】
このような耐半田樹脂層12は、感光性樹脂と光開始剤と無機粉末フィラーとから成る未硬化樹脂フィルムを最外層の絶縁層4表面に被着させる、あるいは、熱硬化性樹脂と無機粉末フィラーとから成る未硬化樹脂ワニスを最外層の絶縁層4表面に塗布するとともに乾燥し、しかる後、露光・現像により開口部を形成し、これをUV硬化および熱硬化させることにより形成される。
【0035】
かくして、本発明の配線基板によれば、コア基板3は、その表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆う金属層8が被着されていることから、配線基板に電子部品を搭載した後に長期の熱履歴が繰り返し印加され、絶縁基板1と配線導体2の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板1と配線導体2との境界7に集中して配線導体2の側面と絶縁基板1との間に隙間が発生したとしても、絶縁層4に較べて剛性が高く引張り応力に対して強靭な金属層8が上層の絶縁層4にクラックが発生することを有効に防止し、その結果、絶縁層4上のめっきから成る配線導体層5を切断して断線不良を発生させてしまうということはなく、接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0036】
なお、本発明は上述の実施の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、本実施例では、絶縁基板を1層から成るものとした例を示したが、絶縁基板を2層以上から成るものとし、内部に配線導体や、上下に位置するこれらの配線導体間を電気的に接続する貫通導体を形成してもよい。
【0037】
次に、本発明の配線基板の製造方法を、図3に基づいて詳細に説明する。
図3(a)〜(d)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための各工程毎の要部断面図である。なお、図3において、図1および図2と同じ部材、箇所は同じ番号で示した。
【0038】
まず、図3(a)に示すように、耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板1に銅等の金属箔から成る配線導体2をその表面が絶縁基板1の表面と同一面をなすように埋入して成るコア基板3を準備する。
【0039】
このようなコア基板3は、次に述べる方法により製作される。
まず、耐熱性樹脂から成る転写用シート基材に銅等の金属箔から成る配線導体2を被着して成る転写用シートと、ガラスクロスに未硬化のアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る絶縁基板1と成る前駆体シートとを用意する。
【0040】
転写用シート基材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂やポリカーボネート(PC)等の耐熱性樹脂が用いられ、金属箔をエッチングして配線導体2を形成する際の支持体、および配線導体2を転写する際の支持体としての機能を有する。
【0041】
転写用シート基材は、その厚みが20〜50μmであることが好ましく、厚みが20μm未満であると剛性が低下し金属箔をエッチングする際に配線導体2が変形し易くなる傾向にあり、50μmを超えると柔軟性が低下し絶縁基板1から剥離し難くなる傾向にある。従って、転写用シート基材の厚みは20〜50μmが好ましい。
【0042】
また、配線導体2は、その厚みは5〜50μmが好ましく、さらには10〜20μmが好ましい。配線導体2の厚みが5μm未満になると配線導体2の強度が低下し変形や断線が発生しやすくなる傾向があり、50μmを超えると前駆体シートへの埋入が困難となる傾向がある。従って、配線導体2の厚みは5〜50μmが好ましい。なお、配線導体2の金属としては銅や銀・アルミニウム・ニッケルが用いられ、安価および低導電性という観点からは銅を用いることが好ましい。
【0043】
このような転写用シートは、例えば厚みが25μm程度のポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂から成る転写シート基材の一方の主面全体に接着材を介して厚みが12μm程度の銅箔を剥離可能に接着した後、銅箔上にフィルム状感光性レジストを被着し、次にこのレジストを露光・現像して配線導体2のパターンに対応するパターンのエッチングマスクを形成し、しかる後、塩化第二鉄溶液中に浸漬して銅箔の非パターン部をエッチング除去し、最後に、感光性レジストを剥離除去してパターン状の配線導体2を形成することにより製作される。
【0044】
他方、絶縁基板1と成る前駆体シートは、ガラスクロスやアラミド繊維等の耐熱性繊維にアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて半硬化させたものから成り、その表面は配線導体2を埋入可能な程度の可塑性を備えている。
【0045】
次に、前駆体シートの表面に転写用シートを積層するとともにそれらを加熱加圧して配線導体2を前駆体シートに熱圧着した後、前駆体シートから転写用シート基材を剥離して、前駆体シートにその表面が前駆体シートの表面と同一面をなすように配線導体2を転写埋入する。
【0046】
熱圧着は、熱プレス機を用いて温度が100〜150℃、圧力が0.5〜5MPaの条件で数分間加圧することにより行なわれる。なお、熱圧着は加熱に先行して加圧のみを行なう方が良い。加熱を先に行なうと熱によって転写用シートが伸び、配線導体2を所望の位置に正確に埋入することが困難となってしまう危険性がある。従って、熱圧着は加熱に先行して加圧を行なうことが好ましい。
【0047】
さらに、それらを加熱加圧して前駆体シートの熱硬化性樹脂を熱硬化して、絶縁基板1にその表面が絶縁基板1の表面と同一面をなすように配線導体2を埋入したコア基板3を得る。なお、加熱処理にあたっては、前駆体シートをフッ素系樹脂などから成る離型性シートで上下から挟みこみ、1〜5MPaの圧力で150〜240℃の温度で熱処理することにより、前駆体シートの熱硬化性樹脂を熱硬化させてコア基板3を得る。
【0048】
さらに、コア基板3の表面をバフロールを用いて研磨し、絶縁基板1の熱硬化性樹脂の表面に凹凸を形成する。
次に、コア基板3表面に無電解めっきを被着した後、その上に耐めっき樹脂フィルムを被着してネガ型パターン用マスクを介して紫外線を照射し、しかる後炭酸ナトリウム水溶液で現像することにより、配線導体2と絶縁基板1との境界7に開口をもつように耐めっき樹脂層を形成し、その開口に電解めっきを被着して耐めっき樹脂を剥離後に余分の無電解めっきをエッチングすることで、配線導体2と絶縁基板1との境界7に、図3(b)に示すような金属層8を形成する。
【0049】
金属層8の厚みは3〜20μmであることが好ましく、厚みが3μm未満であると金属層8の剛性が低いものとなり、絶縁基板1と配線導体2の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板1と配線導体2との境界7に集中して配線導体2の側面と絶縁基板1との間に隙間が発生した場合、金属層8および上層の絶縁層4にクラックが発生してしまう危険性があり、20μmを超えると絶縁層4を積層後に金属層8の周囲に空隙が発生し、絶縁基板1と絶縁層4との密着性が低下してしまう危険性がある。従って、金属層8の厚みは3〜20μmが好ましい。
【0050】
また、金属層8の幅が20〜80μmであることが好ましい。金属層8の幅が20μm未満であると、コア基板3との接着面積が小さくなり剥離し易くなる傾向があり、80μmを超えると、隣接する配線導体2との距離が近くなって短絡し易くなる傾向がある。従って、金属層8の幅は20〜80μmであることが好ましい。
【0051】
本発明の配線基板の製造方法によれば、コア基板3の表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆うように金属層8を被着することから、配線導体2の表面を後述するように蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する場合においても、粗化液が配線導体2の側面と絶縁基板1との間に浸入し、絶縁基板1の絶縁性を低下させてしまうことはなく、絶縁信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0052】
次に、蟻酸/銅イオン水溶液で配線導体2の表面を粗化した後に、図3(c)に示すように、コア基板3の主面にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に無機絶縁フィラーを分散させたフィルムを貼着した後に、150〜180℃で数時間熱硬化することによりコア基板3の主面に絶縁層4を形成する。なお、絶縁層4用のフィルムは、熱硬化の際に一旦、溶融軟化するのでその際にコア基板3の粗化面に樹脂が良好に充填される。そして、コア基板3の表面と絶縁層4とが強固に接着される。
【0053】
次に、図3(d)に示すように、配線導体2上の絶縁層4のレーザで直径が30〜100μmのビア孔9を穿孔する。
さらに、絶縁層4の上面およびビア孔9に銅等の金属めっきから成る配線金属層5およびビア導体10を被着させる。さらに必要に応じてその上に次層の絶縁層4および配線導体層5を積層することによって配線基板が完成する。
【0054】
なお、めっきから成る配線導体層5およびビア導体10を被着させるには、まず、絶縁層4の表面を過マンガン酸塩類水溶液等の粗化液に浸漬して粗化した後、無電解めっき用パラジウム触媒の水溶液中に浸漬し表面にパラジウム触媒を付着させ、さらに、硫酸銅・ホルマリン・EDTAナトリウム塩・安定剤等から成る無電解めっき液に約30分間浸漬して厚みが1〜2μm程度の無電解めっき層を析出させる。次に、無電解めっき層の上面に耐めっき樹脂層を被着し露光・現像によりめっきの配線導体層5のパターン形状に、電解めっき層を被着させるための開口部を複数形成し、さらに、硫酸・硫酸銅5水和物・塩素・光沢剤等から成る電解めっき液に数A/dm2の電流を印加しながら数時間浸漬することにより開口部および貫通孔の内面に厚みが10〜30μm程度の電解めっき層を被着させる。しかる後、耐めっき樹脂層を水酸化ナトリウムで剥離し、さらに、耐めっき樹脂層を剥離したことにより露出する無電解めっき層を硫酸と過酸化水素水の混合物等の硫酸系水溶液によりエッチング除去することにより形成される。なお、めっきには銅やニッケル・クロム・銀等の金属が用いられ、安価および低導電性の観点からは銅を用いることが好ましい。
【0055】
かくして、本発明の配線基板の製造方法によれば、コア基板3の表面に配線導体2と絶縁基板1との境界7を覆うように弾性樹脂層8を被着することから、配線導体2の表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する場合においても、粗化液が配線導体2の側面と絶縁基板1との間に浸入し、絶縁基板1の絶縁性を低下させてしまうことはなく、絶縁信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0056】
なお、本発明は、上述の実施の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0057】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、コア基板は、その表面に配線導体と絶縁基板との境界を覆う金属層が被着されていることから、配線基板に電子部品を搭載した後に長期の熱履歴が繰り返し印加され、絶縁基板と配線導体の熱膨張差により発生する熱応力が絶縁基板と配線導体との境界に集中して配線導体の側面と絶縁基板との間に隙間が発生したとしても、絶縁層に較べて剛性が高く引張り応力に対して強靭な金属層が上層の絶縁層にクラックが発生することを有効に防止し、その結果、上層の絶縁層上のめっきからなる配線導体層を切断して断線不良を発生させてしまうことはなく、接続信頼性に優れた配線基板とすることができる。
【0058】
本発明の配線基板の製造方法によれば、コア基板の表面に配線導体と絶縁基板との境界を覆うように金属層を被着することから、配線導体の表面を蟻酸/銅イオン水溶液で粗化する場合においても、粗化液が配線導体の側面と絶縁基板との間に浸入し、絶縁基板の絶縁性を低下させてしまうことはなく、絶縁信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための各工程毎の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・絶縁基板
2・・・・・・・・・・配線導体
3・・・・・・・・・・コア基板
4・・・・・・・・・・絶縁層
5・・・・・・・・・・配線導体層
7・・・・・・・・・・配線導体と絶縁基板との境界
8・・・・・・・・・・金属層
Claims (2)
- 耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板に金属箔から成る配線導体をその表面が前記絶縁基板の表面と同一面をなすように埋入して成るコア基板の前記配線導体を埋入した表面に、絶縁層とめっきから成る配線導体層とを交互に複数層積層して成る配線基板において、前記コア基板は、その表面に前記配線導体と前記絶縁基板との境界を覆う金属層が被着されていることを特徴とする配線基板。
- 耐熱性繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁基板に金属箔から成る配線導体をその表面が前記絶縁基板の表面と同一面をなすように埋入して成るコア基板を準備する工程と、該コア基板の前記配線導体を埋入した表面に、前記配線導体と前記絶縁基板との境界を覆うように金属層を被着する工程と、前記コア基板および前記金属層の表面に絶縁層を被着する工程と、該絶縁層の表面にめっきから成る配線導体層を被着する工程とを具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002327813A JP2004165321A (ja) | 2002-11-12 | 2002-11-12 | 配線基板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002327813A JP2004165321A (ja) | 2002-11-12 | 2002-11-12 | 配線基板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004165321A true JP2004165321A (ja) | 2004-06-10 |
Family
ID=32806295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002327813A Pending JP2004165321A (ja) | 2002-11-12 | 2002-11-12 | 配線基板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004165321A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007234841A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Kyocera Corp | 配線基板、実装部品、電子装置、配線基板の製造方法および電子装置の製造方法 |
US8273657B2 (en) | 2008-01-09 | 2012-09-25 | Sony Corporation | Method for manufacturing a semiconductor apparatus having a through-hole interconnection |
WO2024135456A1 (ja) * | 2022-12-20 | 2024-06-27 | 京セラ株式会社 | 配線基板およびその製造方法 |
-
2002
- 2002-11-12 JP JP2002327813A patent/JP2004165321A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007234841A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Kyocera Corp | 配線基板、実装部品、電子装置、配線基板の製造方法および電子装置の製造方法 |
US8273657B2 (en) | 2008-01-09 | 2012-09-25 | Sony Corporation | Method for manufacturing a semiconductor apparatus having a through-hole interconnection |
US8564101B2 (en) | 2008-01-09 | 2013-10-22 | Sony Corporation | Semiconductor apparatus having a through-hole interconnection |
WO2024135456A1 (ja) * | 2022-12-20 | 2024-06-27 | 京セラ株式会社 | 配線基板およびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2010212652A (ja) | 配線板及びその製造方法 | |
JP4846258B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP4691763B2 (ja) | プリント配線板の製造方法 | |
JP5027193B2 (ja) | 配線板及びその製造方法 | |
JP2004179545A (ja) | 配線基板 | |
JP3940617B2 (ja) | 配線基板およびその製造方法 | |
TW200421961A (en) | Multi-layer wiring substrate and the manufacturing method thereof | |
JP2004207338A (ja) | 配線基板 | |
JP2004165321A (ja) | 配線基板およびその製造方法 | |
JP2004193168A (ja) | 配線基板およびその製造方法 | |
JP4127377B2 (ja) | 配線基板およびその製造方法 | |
JP4349882B2 (ja) | 配線基板および半導体装置 | |
JP2004152781A (ja) | 配線基板およびその製造方法 | |
JP4742409B2 (ja) | プリント配線板の製造方法 | |
JP2004193505A (ja) | 配線基板 | |
JP2004179440A (ja) | 配線基板およびその製造方法 | |
JP2004152780A (ja) | 配線基板 | |
JP2003249742A (ja) | 大電流回路基板の製造法 | |
JP2004152869A (ja) | 配線基板 | |
JP4738430B2 (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP2004200501A (ja) | 配線基板 | |
JP2004165573A (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP2004165575A (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP4691765B2 (ja) | プリント配線板の製造方法 | |
JP2023039130A (ja) | 配線基板及び配線基板の製造方法 |