JP4635322B2 - 生ゴミ処理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は生ゴミを乾燥させ減量処理する生ゴミ処理機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から生ゴミを乾燥させて減量処理するための生ゴミ処理機が提案されている。この種の生ゴミ処理機の構成を、図6により説明する。図6において、1は乾燥減量したい生ゴミを収納する収納部で、生ゴミは生ゴミ投入用の蓋2を開けて投入される。収納部1の内部には回転自在の攪拌軸3に、先端に攪拌板4をつけた複数のアーム5を有する生ゴミを攪拌する攪拌手段6を配し、攪拌手段6はチェーン9を介して生ゴミ処理機の本体7の底部に取付けた駆動手段であるモータ8により回転駆動される。
【0003】
収納部1の上部には温度検出手段14の出力で収納部1内の温度を所定温度になるように温度調整をおこなう加熱手段10と、送風手段である乾燥ファン11、それらを覆うと共に底部に複数の孔12aを有するカバー12が設けられており、乾燥ファン11は本体7の内部に設けてある乾燥ファンモータ13により回転する。
【0004】
18は排気の臭いを脱臭する触媒19の手前に設けてある触媒加熱手段であり、前記触媒加熱手段は排出孔16を有する触媒ケース17内に配設されている。収納部1の生ゴミを攪拌手段6で粉砕、攪拌しながら加熱手段10と乾燥ファン11により発生する熱風で生ゴミを乾燥させる時に発生する蒸気を、排出モータ21に取付けられた排出ファン22の運転で排気部20より排出させるものである。
【0005】
また15はモータ8、加熱手段10、乾燥ファンモータ13、触媒加熱手段18、排出モータ21を制御する制御装置であり、図7に示すように、運転開始から生ゴミ収納部1の生ゴミを所定時間の正転、停止、逆転を繰り返す攪拌手段6で粉砕、攪拌しながら温度検出手段14の出力で生ゴミ収納部1内温度を予め設定してあるT1になるように加熱手段10の加熱量制御を行い、加熱手段10のOFF時間あるいは最小加熱量状態の時間が所定時間t1より長くなると、加熱手段10を第2の設定温度T2になるまでONあるいは加熱量を最大加熱量状態にして、処理時間短縮のため、生ゴミを加熱する熱量を増加させ乾燥終了していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の生ゴミ処理機では、ご飯類が多い生ゴミを乾燥処理する場合には、生ゴミ内部まで十分には乾燥できず、ゴミ表面のみが乾燥された状態となり、団子状態で乾燥が終了して、次回運転させる場合、団子状態の乾燥ごみがコチコチに固まってモータ8がロックして乾燥ごみを別に取り除かなければならず、使い勝手が非常に悪い場合があった。
【0007】
本発明はこのような上記従来の課題を解決するものであり、ご飯の多い生ゴミを処理しても、団子状になりにくくするとともに、万一団子状になったとしても簡単にモータのロックを解除できる使い勝手のよい生ゴミ処理機を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、生ゴミを収納する生ゴミ収納部と、前記生ゴミを加熱する加熱手段と、前記生ゴミ収納部内の温度を検知する温度検出手段と、前記温度検知手段の出力により前記加熱手段の加熱量を調整する制御装置を備え、前記制御装置は、前記温度検出手段の出力で生ゴミ収納部内の温度を第1の所定温度になるように前記加熱手段の加熱量を調整する第1の加熱期間と、その後に、前記第1の所定温度より高い第2の所定温度になるように前記加熱手段の加熱量を調整する第2の加熱期間を実施し、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミを処理する場合には、通常の生ゴミを処理する場合に比べ、前記第2の加熱期間における前記加熱手段の加熱量を小さくしたものである。
【0009】
この構成によれば、ご飯類などの炭水化物を多く含む生ゴミを処理する場合は、第2の加熱期間における加熱手段の加熱量を小さくしているので、第2の所定温度に到達するまでの時間が長くなり、ご飯類などの炭水化物を多く含む生ゴミでも十分に乾燥され、ご飯類などの炭水化物を多く含む生ゴミでも団子状にならない、使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、生ゴミを収納する生ゴミ収納部と、前記生ゴミを加熱する加熱手段と、前記生ゴミ収納部内の温度を検知する温度検出手段と、前記温度検知手段の出力により前記加熱手段の加熱量を調整する制御装置を備え、前記制御装置は、前記温度検出手段の出力で生ゴミ収納部内の温度を第1の所定温度になるように前記加熱手段の加熱量を調整する第1の加熱期間と、その後に、前記第1の所定温度より高い第2の所定温度になるように前記加熱手段の加熱量を調整する第2の加熱期間を実施し、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミを処理する場合には、通常の生ゴミを処理する場合に比べ、前記第2の加熱期間における前記加熱手段の加熱量を小さくしたものである。
【0011】
この構成によれば、ご飯類などの炭水化物を多く含む生ゴミを処理する場合は、第2の加熱期間における加熱手段の加熱量を小さくしているので、第2の所定温度に到達するまでの時間が長くなり、ご飯類などの炭水化物を多く含む生ゴミでも十分に乾燥され、ご飯類などの炭水化物を多く含む生ゴミでも団子状にならない、使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。
【0012】
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、制御装置は、第1の加熱期間における加熱手段の加熱量が所定量まで低下すると第1の加熱期間を終了するものである。
【0013】
この構成によれば、生ゴミの乾燥が進行するにつれて、第1の所定温度を維持するための加熱手段の加熱量が低下してくる。したがって、乾燥がある程度進むと、加熱手段の加熱量は低下しており、この加熱量が所定量となった時点で第1の加熱期間を終了し、第2の加熱期間に移行する。この第2の加熱期間では乾燥時間を短縮する期間で、そのため、第1の加熱期間における第1の所定温度より高い第2の所定温度まで上昇させる。一般に通常の生ゴミであれば、加熱手段の加熱量を最大にすることで乾燥時間の短縮が図れるが、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミでは第2の加熱期間における加熱手段の加熱量を小さくして、第2の所定温度に到達するまで時間が長くとる。このことにより、第2の加熱期間でご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミでも十分に乾燥され、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミでも団子状にならない。
【0014】
本発明の請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、制御装置は、加熱手段をオン、オフして第1の所定温度となるように加熱量を調整するものであって、温度検知手段の出力が第1の所定温度を連続して超える時間が所定時間まで増加すると、前記加熱手段の加熱量が所定量まで低下したと判断するものである。
【0015】
つまり、加熱手段の加熱量が所定量を低下するための具体構成を提供しているものであり、加熱手段を第1の所定温度になるようにオン、オフ制御することを前提とし、このような加熱制御においては、生ゴミの乾燥が進行するにつれてオン時間が減少し、オフ時間が増加してくる。温度検知手段の出力が第1の所定温度を超えている場合には加熱手段をオフするので、乾燥が進行してくると、加熱手段のオフ時間、つまり、温度検知手段の出力が連続して第1の所定温度を超えている時間が長くなる。したがって、温度検知手段の出力が第1の所定温度を連続して超える時間が所定時間まで増加すると、前記加熱手段の加熱量が所定量まで低下したと判断できる。
【0016】
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、制御装置は、通常の生ゴミ処理とご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミ処理とを選択する選択手段の出力に応じて、第2の加熱期間における加熱手段の加熱量を調整するものである。
【0017】
この構成によれば、使用者が処理する生ゴミを判断し、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミの場合には、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミ処理を選択するだけで、乾燥ゴミが大きな団子になるのを防止でき、通常の生ゴミの場合には通常の生ゴミ処理を洗濯するだけで、短時間処理が可能となり、使い勝手の良い生ゴミ処理機が提供できる。。
【0018】
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、第1の加熱期間における加熱手段の所定量もしくは第1の所定温度を連続して超える所定時間を変更する変更手段を有するものである。
【0019】
この構成によれば、変更手段により第1の加熱期間における加熱手段の所定量を大きくする、もしくは第1の所定温度を連続して超える所定時間を長くできるので、第1の加熱期間を長くすることができ、生ゴミを加熱乾燥する時間が長くなり、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミでも十分に乾燥され、団子状にならない使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。
【0020】
本発明の請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、変更手段を使用者が操作可能としたもので、使用者が生ゴミ収納部に投入する生ゴミを判断し、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミで、しかもその生ゴミに含まれる炭水化物が極めて多いと判断した場合、変更手段により第1の加熱期間における加熱手段の所定量を大きくする、もしくは第1の所定温度を連続して超える所定時間を長くできるので、生ゴミに含まれる炭水化物の量に応じてきめ細かな乾燥制御が行える。
【0021】
本発明の請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発明において、生ゴミを撹拌する撹拌手段と、前記撹拌手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段の電流を検知する電流検知手段を備え、前記制御装置は、前記電流検知手段の出力に応じて、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミなのか、通常の生ゴミなのかを判別するものである。
【0022】
この構成によれば、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミを撹拌する場合には、通常の生ゴミを撹拌する場合より駆動手段の電流値が大きくなることを電流検知手段で検知し、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミと判別すると、通常の生ゴミと判別した場合より第2の加熱期間における加熱手段の加熱量を小さくする。
【0023】
本発明の請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、電流検知手段の電流値が所定値より大きくなると、第1の加熱期間を終了する期間を長くするもので、第2の加熱期間における加熱量を小さくして加熱乾燥時間を長くすると共に、第1の加熱期間における期間も長くし、加熱乾燥時間を長くすることで、ご飯類など炭水化物を多く含む生ゴミでも十分に乾燥され、団子状にならない使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。また、第1の加熱期間を長くする具体構成としては、請求項5記載の発明のように、第1の加熱期間における加熱手段の所定量を大きくする、もしくは第1の所定温度を連続して超える所定時間を長くすることで、第1の加熱期間を終了するタイミングを遅らせることができる。
【0024】
本発明の請求項9記載の発明は、生ゴミを収納する生ゴミ収納部と、前記生ゴミを撹拌する撹拌手段と、前記生ゴミを加熱する加熱手段と、前記生ゴミ収納部内の温度を検知する温度検出手段と、前記加熱手段および前記撹拌手段の運転を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記加熱手段および前記攪拌手段を運転させる第1の運転モードと、前記攪拌手段を停止すると共に前記加熱手段を運転させる第2の運転モードを有するものである。
【0025】
この構成によれば、万一ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミを通常の生ゴミのように乾燥処理して、団子状にコチコチに固まったとしても、生ごみ収納部に水を加え、第2の運転モードを実施すれば、攪拌手段が停止した状態のまま、加熱手段により生ゴミ収納部内を加熱することができ、熱と蒸気で生ゴミ収納部内のコチコチの団子状のゴミが柔らかくなり、撹拌手段を駆動する駆動手段、例えばモータのロックが容易に解除され、次の使用準備が容易にでき、使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。なお、撹拌手段の停止期間は少なくともコチコチの団子状のゴミが柔らかくなるのに必要な加熱時間が必要となる。そして、ゴミが柔らかくなると撹拌手段の停止を解除して運転させても良いので、第2の運転モードとしては、加熱動作開始から遅延させて撹拌手段の停止を解除するようにしても良い。
【0026】
本発明の請求項10記載の発明は、生ゴミを収納する生ゴミ収納部と、前記生ゴミを撹拌する撹拌手段と、前記生ゴミを加熱する加熱手段と、前記生ゴミから発生する蒸気の臭いを脱臭する触媒と、前記触媒を加熱する触媒加熱手段と、前記生ゴミから発生した蒸気を前記触媒を介して排出する排出手段と、前記生ゴミ収納部内の温度を検知する温度検出手段と、前記加熱手段、前記撹拌手段、前記触媒加熱手段および排出手段の運転を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記加熱手段、前記撹拌手段、前記触媒加熱手段および排出手段の全てを運転する第1の運転モードと、前記攪拌手段を停止すると共に前記加熱手段、前記触媒加熱手段および排出手段を運転させる第2の運転モードを有するものである。
【0027】
上記構成は請求項9記載の発明の構成に加え、前記生ゴミから発生する蒸気の臭いを脱臭する触媒と、前記触媒を加熱する触媒加熱手段と、前記生ゴミから発生した蒸気を前記触媒を介して排出する排出手段を加えただけであるので、請求項9記載の発明と同様の作用効果を奏する。また、第2の運転モード中であっても、加熱手段の他に触媒加熱手段および排出手段も運転するので、コチコチの団子状のゴミを柔らかくする際に生ごみ収納部から発生する蒸気は、排出手段で触媒に送られると共に、触媒加熱手段で活性化された触媒で脱臭されるので、悪臭が機外に漏れ出るのも防止できる。
【0028】
本発明の請求項11記載の発明は、請求項9または10記載の発明において、第2の運転モードの運転時間を使用者が設定する設定手段を有するもので、コチコチの団子状のゴミの量あるいは気温の状況などを使用者が判断して、第2の運転モード時間を設定することができ、使い勝手がよい。
【0029】
本発明の請求項12記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発明において、加熱手段を、生ゴミに送る温風を発生させる温風発生手段としたもので、生ゴミの乾燥能力をたかめることができる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図1〜図5を用いて説明する。
【0031】
図1は,生ゴミ処理機の側断面図である。なお,従来例の図6と、同一部材には同一符号を付している。1は乾燥減量したい生ゴミを収納する生ゴミ収納部で、2は生ゴミ収納部1の上部前方に開閉自在に設けた蓋で、この蓋2を開き生ゴミを生ゴミ収納部1内に投入する。生ゴミ収納部1の断面形状は、底部が円弧状をなしており、この円弧状に沿って撹拌手段6の撹拌板4が移動するように、撹拌手段6の攪拌軸3を配している。撹拌手段6は、攪拌軸3と、この攪拌軸3と直交する方向に延びるように取り付けた複数のアーム5と、このアーム5の先端に取り付けた攪拌板4から構成され、さらに複数のアーム5は攪拌軸の軸方向に間隔をおいて取り付けられている。上記生ゴミ収納部1を内蔵する生ゴミ処理機の本体7の底部には、前記攪拌手段6を駆動させる駆動手段であるモータ8を配し、前記モータ8と攪拌軸3はチェーン9で連結され、モータ8の回転力を攪拌軸3に伝達している。
【0032】
生ゴミ収納部1の上部には、生ゴミ収納部1内の温度を検出する温度検出手段14が設けられている。同じく生ゴミ収納部1の上部には、生ゴミを加熱する加熱手段10が設けられている。12は前記加熱手段10を下から覆うカバーである。本実施例では、加熱手段10を、乾燥ファンモータ13で回転する乾燥ファン11と、この乾燥ファン11の下方に配した第1のヒータ10aと第2のヒータ10bから構成し、生ゴミ収納部1内の生ごみに各ヒータ10a、10bで加熱された空気を乾燥ファンにより吹き付ける、いわゆる温風発生手段としている。前記温風発生手段により発生した温風が前記カバー12に設けられてある孔12aを通過し生ゴミを乾燥させる。
【0033】
18は排気の臭いを脱臭する触媒19の上流側に設けてある触媒加熱手段である触媒ヒータであり、それらは排出孔16を有する触媒ケース17内に配設してある。生ゴミ収納部1内の生ゴミを攪拌手段6で粉砕、攪拌しながら温風発生手段10により発生する温風で乾燥させる。そして、排出モータ21により排出ファン22を回転させ、生ゴミ収納部1から発生する蒸気を触媒ケース17内を通過させて触媒19により脱臭するとともに、排出モータ21と排出ファン22とからなる排出手段23を介して排気部20より排出する。
【0034】
また、25は温度検出器14の出力が設定温度(第1の所定温度)T1になるように各ヒータ10a、10bを制御する制御装置で、この制御装置25はモータ8、乾燥ファンモータ13、排出モータ21も合わせて制御する。また、制御装置25は、触媒温度検出器24の出力により触媒加熱手段18を制御する。また、制御装置25は、モータ8の電流を検知する電流検知30の出力、生ゴミ処理機の本体1の前面上部に設けた操作部26の出力、温度検知手段14の出力を入力している。
【0035】
図2は本実施例の生ゴミ処理機の斜視図で、操作部26には、通常の生ゴミを処理する時に選択する通常生ゴミ処理ボタン27と、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミを処理する時に選択するご飯処理ボタン28を各々有すると共に、運転を停止させる時に操作する停止ボタン29を配している。
【0036】
上記のように構成された生ゴミ処理機の動作、作用について以下説明する。
【0037】
生ゴミをまず蓋2を開けて生ゴミ収納部1へ投入し蓋2を閉める。そして、操作部26の通常生ゴミ処理ボタン27またはご飯処理ボタン28を操作すると、制御装置25は生ゴミ処理機の乾燥処理運転を開始する。つまり、制御装置25は、モータ8、第1のヒータ10a、第2のヒータ10b、乾燥ファンモータ13、触媒加熱手段18に通電する。すると、攪拌軸3および乾燥ファン11が回転し、温風が孔12aを通って循環し生ゴミ収納部1内の生ゴミを加熱乾燥させると共に、撹拌手段6による撹拌動作が行われる。
【0038】
ここで、ご飯処理ボタン28を選択した場合(ご飯などの炭水化物を含む物が処理する生ゴミの40%以上含まれている場合)の運転開始から乾燥終了までのタイムチャートを図3に、通常生ゴミ処理ボタン27を選択した場合の運転開始から乾燥終了までのタイムチャートを図4に示す。
【0039】
ご飯処理ボタン28を選択した場合、制御装置25は、運転を開始時、第1のヒータ10a、第2のヒータ10bおよび乾燥ファンモータ13に通電し、温度検知手段14の出力で生ゴミ収納部1内の温度が第1の所定温度T1になるように第2のヒータ10bをオン、オフし、加熱量を制御する。特に、本実施例では、第1のヒータ10aはオン状態を維持し、第2のヒータ10bをオン、オフしている。そして、蒸気が多く発生する第1の加熱期間では、第1のヒータ10aの加熱量だけでは生ゴミ収納部1内の温度が第1の所定温度T1を維持することができないので、温度検知手段14の出力が第1の所定温度T1より低下すると第2のヒータ10bをオンし、また、温度検知手段14の出力が第1の所定温度T1以上になると第2のヒータ10bをオフする。また、制御装置25は、運転開始時に触媒加熱手段18に通電し、触媒温度検出手段24の出力で触媒19が所定温度になるように触媒加熱手段18の加熱量を制御する。さらに、運転開始時から排出モータ21に通電して、排出手段23を運転する。
【0040】
そして、第1のヒータ10a、第2のヒータ10bおよび乾燥ファンモータ13による温風で生ゴミが乾燥してくると、生ゴミから発生する蒸気量が減少し、第2のヒータ10bの加熱量は徐々に少なくてすむようになる。すなわち、第2のヒータ10bのオン時間よりオフ時間が長くなるようになり、オフ時間tが所定時間t2以上になる。
【0041】
制御装置25は、第2のヒータ10bのオフ時間tを計測しており、このオフ時間tが所定時間t2以上になると第1の加熱期間を終了する。その後、第2の所定温度T2になるまで、第1のヒータ10aはオンしつつ、第2のヒータ10bをオフし、通常の生ゴミ処理時(第1のヒータ10aおよび第2のヒータ10bをオン)の加熱量より少ない状態で加熱する。そして、制御装置25は、温度検知手段14の出力が第2の所定温度T2に到達すると、運転を停止し、第2の加熱期間を終了する。
【0042】
なお、操作部26に上述した所定時間t2を変更できる変更手段を設けておけば、使用者がその変更手段により所定時間t2を変更することで、第1の加熱期間の長さを調整できる。例えば、所定時間t2を長くすれば第1の加熱期間は長くなり、逆に所定時間t2を短くすれば第1の加熱期間は短くなる。したがって、処理する生ゴミに占める炭水化物の割合に応じて所定時間t2を調整することできめ細かな乾燥処理が行える。
【0043】
また、モータ8の電流検知手段30の出力を制御装置25にて検出し、前記電流検知手段30の出力が所定値より大きくなると、生ゴミにご飯類が多いと判断し、制御装置25は自動的に図3に示すような乾燥処理を行うようにしてもよい。この場合、操作部26にあえて通常生ゴミ処理ボタン27またはご飯処理ボタン28を設ける必要がない。
【0044】
次に、通常生ゴミ処理ボタン27を選択して生ゴミを処理すると、生ゴミが乾燥して徐々に発生する蒸気が減少してくる。制御装置25は、第2のヒータ10bのオフ時間tが所定時間t3(t3<t2)より長くなると、第2の所定温度T2になるまで、第1のヒータ10aおよび第2のヒータ10bをオンし、ご飯など炭水化物が多く含まれる生ゴミの処理の場合よりも大きい加熱量で加熱し短時間で第2の設定温度T2へ到達する。
【0045】
このように、ご飯類など炭水化物が多く含まれる生ゴミの場合と通常の生ゴミの場合とでは、所定時間を変更している。つまり、通常の生ゴミの場合には第1の加熱期間がご飯類など炭水化物が多く含まれる生ゴミの場合の第1の加熱期間よりも短くなるように、所定時間t3<所定時間t2としている。言い換えれば、ご飯類など炭水化物が多く含まれる生ゴミの場合には第1の加熱期間を通常の生ゴミの場合より長くすることで、炭水化物が多く含まれる生ゴミでも、十分に乾燥させるとともに、生ゴミ収納部1内の温度がT1からT2へ変化する際、撹拌手段6で長時間撹拌されて団子状にならない使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。
【0046】
また、前記制御装置25には、万一ご飯類の多い生ゴミを処理して、団子状にコチコチに固まった状態で乾燥処理が終了した場合において、通常に生ゴミを乾燥させて処理する(前記攪拌手段6と、前記温風発生手段10と、前記触媒加熱手段18と、排出手段23とを運転させる)第1の運転モードと、前記攪拌手段6を停止し、前記温風発生手段10と、前記触媒加熱手段18と、排出手段23とを運転させる第2の運転モードを有している。そして、万一ご飯の多い生ゴミを処理して団子状にコチコチに固まったとしても、生ゴミ収納部1内に水を追加し、図5に示すような攪拌手段6(モータ8)が停止した状態で運転すると、熱と蒸気で生ゴミ収納部1内のコチコチの団子状のゴミが柔らかくなり、攪拌軸3を回すモータ8のロックが容易に解除され、次の使用準備が容易にでき、使い勝手のよい生ゴミ処理機が提供できる。また、使用者が本体7に設けられた選択スイッチ(図示せず)にて、ゴミの硬さ具合に応じて、前記攪拌手段6が停止した状態で運転する運転時間を設定できることで、さらに生ゴミ処理機の使用性は向上する。
【0047】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の発明によれば、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミでも十分に乾燥され、団子状にならない使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。
【0048】
本発明の請求項2および3記載の発明によれば、第1の加熱期間の終了タイミングを検出でき、乾燥し過ぎを防止できる。
【0049】
本発明の請求項4記載の発明によれば、炭水化物を多く含む生ゴミ処理時には、乾燥ゴミが団子状になるのを防止でき、通常の生ゴミ処理時は短時間処理が可能な生ゴミ処理機が提供できる。
【0050】
本発明の請求項5および6記載の発明によれば、生ゴミを加熱乾燥する第1の加熱期間を長くでき、ご飯などの炭水化物が多く含まれる生ゴミでも十分に乾燥され、団子状にならない使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。
【0051】
本発明の請求項7記載の発明によれば、生ゴミを加熱乾燥する時間が長くでき、ご飯類の多い生ゴミでも十分に乾燥され、団子状にならない使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。
【0052】
本発明の請求項5および6記載の発明によれば、ご飯類が多いと前記駆動手段の電流値が大きくなることを利用して、ご飯類の多い生ゴミでも十分に乾燥される運転モードに変更でき、ご飯類の多い生ゴミでも団子状にならない、使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。
【0053】
本発明の請求項7記載の発明によれば、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミなのか、通常の生ゴミなのかを判別する。
【0054】
本発明の請求項8記載の発明によれば、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミなのか、通常の生ゴミなのかを判別し、その結果により第1の加熱期間の長さを変えることができる。
【0055】
本発明の請求項9記載の発明によれば、万一ご飯の多い生ゴミを処理して団子状にコチコチに固まったとしても、生ゴミ収納部内のコチコチの団子状のゴミを柔らかくでき、次の使用準備が容易にでき、使用性の高い生ゴミ処理機が提供できる。
【0056】
本発明の請求項10記載の発明によれば、生ゴミ収納部内のコチコチの団子状のゴミを柔らかくするための第2の運転モードにおいても、機外に悪臭が漏れるのを防止できる。
【0057】
本発明の請求項11記載の発明によれば、生ゴミ収納部内のコチコチの団子状のゴミを柔らかくするための第2の運転モード時間を設定することができ、使い勝手がよい。
【0058】
本発明の請求項12に記載の発明によれば、生ゴミに送る温風を発生させる温風発生手段を構成したもので、生ゴミの乾燥能力を大きくするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す生ゴミ処理機の側断面図
【図2】同生ゴミ処理機の内部を透視した斜視図
【図3】同生ゴミ処理機のご飯処理ボタン選定時のタイムチャート
【図4】同生ゴミ処理機の通常生ゴミ処理ボタン選定時のタイムチャート
【図5】同生ゴミ処理機の団子状に固まった状態を復帰させるタイムチャート
【図6】従来の生ゴミ処理機の側断面図
【図7】同生ゴミ処理機のタイムチャート
【符号の説明】
1 生ゴミ収納部
6 攪拌手段
8 モータ(撹拌駆動手段)
10 加熱手段(温風発生手段)
14 温度検知手段
18 触媒加熱手段
19 触媒
23 排出手段
25 制御装置
30 電流検知手段
Claims (12)
- 生ゴミを収納する生ゴミ収納部と、前記生ゴミを加熱する加熱手段と、前記生ゴミ収納部内の温度を検知する温度検出手段と、前記温度検知手段の出力により前記加熱手段の加熱量を調整する制御装置を備え、前記制御装置は、前記温度検出手段の出力で生ゴミ収納部内の温度を第1の所定温度になるように前記加熱手段の加熱量を調整する第1の加熱期間と、その後に、前記第1の所定温度より高い第2の所定温度になるように前記加熱手段の加熱量を調整する第2の加熱期間を実施し、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミを処理する場合には、通常の生ゴミを処理する場合に比べ、前記第2の加熱期間における前記加熱手段の加熱量を小さくした生ゴミ処理機。
- 制御装置は、第1の加熱期間における加熱手段の加熱量が所定量まで低下すると第1の加熱期間を終了する請求項1記載の生ゴミ処理機。
- 制御装置は、加熱手段をオン、オフして第1の所定温度となるように加熱量を調整するものであって、温度検知手段の出力が第1の所定温度を連続して超える時間が所定時間まで増加すると、前記加熱手段の加熱量が所定量まで低下したと判断する請求項2記載の生ゴミ処理機。
- 制御装置は、通常の生ゴミ処理とご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミ処理とを選択する選択手段の出力に応じて、第2の加熱期間における加熱手段の加熱量を調整する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生ゴミ処理機。
- 第1の加熱期間における加熱手段の所定量もしくは第1の所定温度を連続して超える所定時間を変更する変更手段を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の生ゴミ処理機。
- 変更手段を使用者が操作可能とした請求項5記載の生ゴミ処理機。
- 生ゴミを撹拌する撹拌手段と、前記撹拌手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段の電流を検知する電流検知手段を備え、前記制御装置は、前記電流検知手段の出力に応じて、ご飯などの炭水化物を多く含む生ゴミなのか、通常の生ゴミなのかを判別する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の生ゴミ処理機。
- 電流検知手段の電流値が所定値より大きくなると、第1の加熱期間を終了する期間を長くする請求項7記載の生ゴミ処理機。
- 生ゴミを収納する生ゴミ収納部と、前記生ゴミを撹拌する撹拌手段と、前記生ゴミを加熱する加熱手段と、前記生ゴミ収納部内の温度を検知する温度検出手段と、前記加熱手段および前記撹拌手段の運転を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、
前記加熱手段および前記攪拌手段を運転させる第1の運転モードと、前記攪拌手段を停止すると共に前記加熱手段を運転させる第2の運転モードを有する生ゴミ処理機。 - 生ゴミを収納する生ゴミ収納部と、前記生ゴミを撹拌する撹拌手段と、前記生ゴミを加熱する加熱手段と、前記生ゴミから発生する蒸気の臭いを脱臭する触媒と、前記触媒を加熱する触媒加熱手段と、前記生ゴミから発生した蒸気を前記触媒を介して排出する排出手段と、前記生ゴミ収納部内の温度を検知する温度検出手段と、前記加熱手段、前記撹拌手段、前記触媒加熱手段および排出手段の運転を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記加熱手段、前記撹拌手段、前記触媒加熱手段および排出手段の全てを運転する第1の運転モードと、前記攪拌手段を停止すると共に前記加熱手段、前記触媒加熱手段および排出手段を運転させる第2の運転モードを有する生ゴミ処理機。
- 第2の運転モードの運転時間を使用者が設定する設定手段を有する請求項9または10記載の生ゴミ処理機。
- 加熱手段を、生ゴミに送る温風を発生させる温風発生手段とした請求項1乃至11のいずれか1項に記載の生ゴミ処理機。
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